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【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「しますけどお……??」 「候補にいるだけで十分懸念材料ですけど??」 拳の中にしまった指をまた出して差した。 「 マジで何したんすか? …………はあ、もう」それからわしわしと頭を掻いて、 だらんと腕を下ろす。 「…………迷惑じゃないす。頼まれんのは好きだから」 「便利に使ってもらうためにここにいるんで……」 「……………………」 「じゃあ連れてかれんならちゃんと帰ってきてください。 大丈夫ならこれからも猫のこと手伝わせてください」 拗ねたみたいに唇を尖らせてはそんなことを言って、 踵を返した貴方の背中を見る。 「あんま無茶しないでくださいよ」 なんて一言、その背中に投げて。 貴方が行くのなら、ロメオもこの場を後にするんだろう。 (-379) susuya 2023/09/19(Tue) 13:31:27 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノどれだけの罪を重ねていたとしても帰って来てほしい。 そう思うのは現実の見えていない我儘かもしれない。 事実返ってくるのは難しいのかもしれない。 でも、それでも。 「……だって」 「あんた、ノッテ『ファミリー』でしょ」 誰が最初にこの纏まりの事をファミリーと呼んだのだろうか。 忠誠、繋がり、伝統、そういう纏まりの強さを 意識させるためなのだろうか。 ロメオにそんな事は知ったこっちゃなかった。 勝手に文字通りの物をそこに受け取っては、 勝手な情を、押し付けないでも抱えて生きてきた。 そして今、勝手に押し付けたのだった。 何回かは聞いた事があるかもしれないその言葉。 それを聞いて、緩慢に振り返り。 ▷ (-389) susuya 2023/09/19(Tue) 15:26:15 |
ロメオは、「楽になりたくなったら」「言ってくださいね。いつでも」 (a13) susuya 2023/09/19(Tue) 15:26:42 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード「なんか……背後に立たれるのが嫌、みたいな。 オレホラーは全然何でもないんだけど」 「ちゃんと身を守ってないと嫌みたいなのに近いのかね。 恥ずかし〜……」 例えば背中を叩かれれば大げさにびっくりするだろうし、 誰かに背中を見せないように、 アジトの居場所はいつも端っこだ。 誰かが背後に立てばすぐに振り向く。 ロメオのいつもの様子はそんなような感じだ。 貴方がそれに気づいているかは分からないが。 押せば鳴ると分かれば「アハハ」ともう一回押した。 よくない。 寝室へと通されれば「広……」とつぶやきを漏らした。 シンプルな内装も相まってすっきりとして見える。 「すごいな。ベッドもでかいし」 「オレよりいい家じゃん。妬ける〜」 (-459) susuya 2023/09/19(Tue) 21:18:11 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ「逆にどんなイメージだったんだよ。 オレは別にカッコよかねーぞ」 「不服ではないけど」 少し目を細めて貴方を見やり、 やれやれと言った様子でゆったり首を傾げた。 つつかれれば握られ、それも不思議そうに見た。 体温の高い同士その体温差に驚くことはないにすれ。 「ああ……そゆこと。そら急に撫でて悪かった」 「嫌じゃないならよかったんだけど。つい。 弟居たらこんな感じなのかなーって……」 架空の家族を夢に見て、照らし合わせた結果があれだ。 平素ならこんな事もしない。 こちらもきっと酒が回ってきたのだろう。 嫌じゃあないなら、嬉しかった。またできるかな、なんて。 「いいの? んじゃお先に……」 「……あ、酒強。でもすげーすっきりしてる。 レモンがいいな、これ。お前も飲んでみろよ」 それじゃあとグラスに口を付け、こくりと一つ飲む。 口に含んでから何度か瞬きをして、感心したような表情だ。 気に入ったのだろう。 (-464) susuya 2023/09/19(Tue) 21:28:13 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ「なーんだ、フラれちゃったよ」 いつでも待ってまーす、なんてこっちもあっさり。 バイトが増えるのは悪く無い事だ。 「かわいいすよ。家帰ったらもう玄関にいるんだもん。 ずっと面倒見てやれればいいんすけどねえ」 こーんなのが……と手でサイズを指し示したり。 今は無理かもしれないけれど、お勧めだけはしておくのだ。 ……情勢がどうなるのか、見通しは立たないが。 「厳し。風邪引いてんなら休ませてよ」 「でも、まあ、うん」 「いつも通りって安心材料ですからね」 「ちゃんと朝、待ってますから」 「……そっちは休むのかよ。寂し〜」 アハハ、と冗談も笑い飛ばして。 紙のカップを傾ければコーヒーも最後の一口だった。 猫がにゃあ、と鳴く。すっかり缶の中は空になって、 並んで座る人間二人を眺めていた。 (-471) susuya 2023/09/19(Tue) 22:00:41 |
渡りに船 ロメオ(匿名)は、メモを貼った。 susuya 2023/09/19(Tue) 22:05:32 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ『OK』 『気を付けろよ。おまわりさんの巡回も多くなってる』 ポン、と敬礼する犬のスタンプ。 警察の暗喩のつもりだろう。 警察に対する嫌味が存分に含まれている。 『それじゃ頼るよ。あんたもファミリーだからさ』 その『ファミリー』の五文字に含まれる意味は、 果たして貴女が感じている意味と同じだろうか。 少なくともロメオの持つ意味は、 そんなに軽いものではなかった。 (-474) susuya 2023/09/19(Tue) 22:10:52 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ「ああ……やればできる的な……」 「……そうかね」 カッコいいと思われること自体は悪い気はしない。 ありがとさん、と小さく返したのは少しそわついたから。 段々握られるのにも慣れて、 自分の手を握る手をぼんやり眺めたころに、 「に」 「……………………おう」 まさかそんな風に呼ばれるだなんて思わなかったから、 珍しく動揺して、短い返事をした。 少しそっけなくなってしまったが、照れているだけ。 「……さっきよりも強いよ。結構、」 「あ、ほら。結構来るよな」 これでも飲みやすい方なんだろうなあ、と思いながら グラスの中身を少しずつ味わう。 一気に飲んだら倒れちゃうからね。 (-493) susuya 2023/09/19(Tue) 23:05:56 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード「臆病なだけだよ」 「ま、オレが髪切んのは……掴まれた時に逃げるためか、 ここから足洗うときだな」 別に足を洗う予定もないから、あり得るとすれば前者か。 警戒心は立派に備えてはいるが、 どちらかと言えばマフィアだからというより 生来の性分から来る臆病さなのかもしれない。 歯磨き中にじゃれ合うのがなんだか面白くなってしまった。 とはいえあんまり押しすぎも良くないので、 少し撫でていい加減にやめることにする。 「寝室に何置くかって難しいよなー……。 サイドテーブルとかランプとかか?」 「ああ、なるほどな。まあ確かにこりゃ一人で寝るたあ…」 広いよなあ、とまた改めて呟いて。 「…………」 「おお……」 ベッドの縦幅と自分の縦幅を比べた。 セーフだった。 (-498) susuya 2023/09/19(Tue) 23:16:43 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ『そりゃいい。人を騙せる女はいい女だよ』 猫のスタンプが送られてくると少し微笑んだ。 かわい、と呟いて。 『おう』『任せな』 そう返せば、ロメオの返信は途切れるだろう。 「…………」 心配をしている。 様々を、考えている。 ロメオはこれよりもっと人が減る事を知っていた。 警察も、マフィアも。 目星がつけられている人がいるという事も。 自分が、あなたが、親しい誰かがいなくなった時。 その時のことを、考えている。 (-505) susuya 2023/09/19(Tue) 23:39:51 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ「そうなんだよ。ちゃんとオレの足音、分かんだなって」 誰かが自分の帰りを迎えてくれるなんてこと、 今まではなかったから嬉しいのだ。 先行きに不安はあるものの、今の所、いいなと思っている。 「ハ。違いないすね」 「気まぐれで店閉めないように店長にも言っときますよ」 店長は平気だと言っていたから大丈夫だとは思うけれど、 この騒動の余波で店を休まれるのもなんだか嫌なので。 バイトの身ながらでも守れるものはあると思いたい。 「……ああ。そういえばあんたはそうでしたね」 「世話んなりました。多分もう大丈夫」 「な」 猫もナア、と鳴いた。くつくつとロメオは笑う。 「オレも解放されたし帰るとしますわ。……」 「じゃ」 「また店で」 猫が付いてくる様子はない事にそっと安堵しつつ、 貴女に背を向ければ後ろ手に軽く手を振った。 呼び止めなければ、きっとそのまま公園を後にするだろう。 (-508) susuya 2023/09/19(Tue) 23:56:46 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード「…………おう」 「髪を褒められたのは初めてだな……」 癖のある長髪を撫でつける。毛質は固くも柔らかくもない。 臆病故に伸ばした髪を褒められるとは思っていなかった。 ほんの少し照れくさくなって、ぼそりと呟いた。 「お前な……」 「いいよ。寝返り打てなくても知らないからな」 棒読みに苦笑しながらも、それが望みならとOKを出した。 貴方の予想通りだ。 「オレで良かったわけ? もっとかわいこちゃんと一緒に寝ればいいのによ」 なんて、揶揄いつつ。 ロメオは失礼しまーすとベッドに腰掛けて、 マットレスの弾みで遊び始めた。ぼよんぼよん。 (-632) susuya 2023/09/20(Wed) 19:04:14 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ貴方が覗き込めばそこには翠がある。 厚いレンズを間に挟み、貴方と視線がぶつかる。 緩慢な瞬き。 「…………」 「初めて……そういう呼ばれ方」「した から……」 「嬉しかった」 「マジで弟だったらよかったのにな」 そう言って、ふ、と口元だけで笑った。 叶わない事を願うのは虚しい。 けれど夢って、見てしまうものだから。 もう一度貴方の頭に手を伸ばして、 今度は酷く優しく撫でた。 手は握られたまま。 「弟だったら何でもしてやるのにな〜……」 「オレじゃあな〜……ハハ……」 そんな事を本当に小さく零して、手を離した。 そのままグラスの中身をすっと全て口の中に流しこみ、 「やっぱり酒って美味いな」なんて、 ヘタクソに話題を逸らそうとした。 (-636) susuya 2023/09/20(Wed) 19:22:08 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード数度人のベッドで弾んで遊んで、 それからごろんと横になる。 慣れないマットレスの感触が楽しくなって、 「ハハ」と子供っぽく笑った。 「気ィ使わせちまったって事? 反省〜……」 「まあお陰で久々にちゃんと寝れるかなー。 寂しがり屋で心配性のかわいこちゃんと一緒に」 ごろりと寝返り、意地悪な笑顔を向ける。 横向きに頬杖をつけば、髪がカーテンみたいに広がった。 「オレがいいなら、それがいい」 「そう言ってくれるってのは良いことだからな〜」 (-645) susuya 2023/09/20(Wed) 20:19:41 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィードこれから寝るって言う時に、 こんなに人が近くに居る事なんてあんまりない。 子供の頃だって誰かと一緒に寝た記憶もない。 少し不思議で、嫌ではなかった。 「そら困ったな〜。何回でも来ちまう」 言外にまた来ますと言っているようなもので、 貴女の心配も寂しんぼもロメオは受け入れている。 オレにとっちゃGattinoと同じだよ、なんてまた揶揄って。 「ほんとにかわいい奴だな……寝ろ寝ろ。 起きたらいなくなってるって事も無いから、 抱き枕にでもなんでもしろ」 子供みたいだな、なんて思って、 貴方の腹を寝かしつけるみたいにポンポン叩いた。 貴方の寝顔を拝むまでは、こうしていようかな。 (-656) susuya 2023/09/20(Wed) 20:50:31 |
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