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【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「……えへ」「んふ ふふふ」 「は、あは、ははは! ひ 、ひ、っは、あは」「ッ、あ……そ〜お? そおかなっ? あはっ、ははは」 美味しい、大好き、食べちゃいたい。なんて素敵な言葉だろう! しあわせ、しあわせだ。しあわせ。しあわせ。 貴方のその言葉で、トットは自身の身体を抱く。 けれどその仕草は全く恐怖からではなく、……過ぎた幸福感から。 泣くなって言われていたのに、トットの身体に収まりきらなかった幸せが涙となって転げ落ちて。 そこからまた、花が咲いた。 「エルナト」 「エルナトっ、おれあげる」「もっとあげる」「もっと」 「でも、ぜんぶはあげられないし」「じぶんのうでってじぶんできったらだめなんだって」 「だからね、えっと」 「……あった! ハイ!」 貴方にもう一つ、潤む瞳を向けて差し出した。 ▽ (-179) susuya 2022/05/08(Sun) 19:08:51 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト差し出したのは カッターナイフだ。 「ね」 「エルナトがさかせて」「エルナトがおれをさかせて」 「おれじゅーぶんしあわせだしさー もうさかなくていっかなっておもってたけど」 「でもほしいならあげたいじゃん?」 「あ。おれおもいだしちゃった」 「うしやぶたといっしょっていわれたことあんの! おれこんなんだし」 「ほんとにくいものになってる ふふ んふふ」 「でもおたがいきもちよくておいしいならいいよね?」 新品の、よく切れそうなカッターナイフ。 ナイフが取られてしまったから、こっそりしまってあったのを卸した。 この薄っぺらな刃一枚で、互いが満たされるかもしれない。 トットはそう思っている。 「おれのぜんぶはあげられないけど」 「エルナトのすきなときに、すきなよーに」 「おれのこと さかせていーよっていったら どーする?」 (-183) susuya 2022/05/08(Sun) 19:18:52 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット一方でこちらも、多幸感に満たされていた。 食べられる、満たされる。 食べられるものをいくらでも、いくらでも。 それがどれだけ、嬉しい事か。 花が咲いた瞬間をみれば、それが皿の上に載せられた 最高級の料理のようにも思えて。 だからもう、我慢なんてできなくて。 顔を近づけて。 咲いた花を直接齧って、引きちぎる。 「あぁぁぁ………っ!」 嬌声にも似た声をあげて、満たされる胃袋をさすって。 取り出されたものに、視線を動かして。 ▼ (-186) arenda 2022/05/08(Sun) 19:34:10 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「………いいの?」 指を絡めるようにして、その薄い刃を取る。 手が震える。 恐怖じゃなくて、………過ぎた幸福感から。 「いいの?」 荒くなる呼吸。 まるで、ソフトクリーム食べ放題の機械の前に立たされた子供みたいに。 好きなものを、好きな時に、好きなだけ。 それより幸せなことがあるだろうか? 「いいの?」 エルナトは、人が家畜にしか見えない。 だって、全てが自分の餌を生み出す存在だから。 だから。 家畜からご飯を得ることに、何の躊躇を持つことも無くて。 「いいの?」 だから、そんな事を言われてしまったら、もう。 ……我慢なんてできない。 君の肩口に刃を宛がって。 思いっきり、引き裂いた。 そうして、君を抱きしめたまま、かぶりつくだろう。 (-188) arenda 2022/05/08(Sun) 19:40:06 |
【置】 司書 エルナト大人達に連れられて、どこかに連れてこられた。 園芸部の管理する場所の一つ。 「…………はい、僕がやりました。」 ぼや騒ぎも。 初等部の子への悪質な悪戯も。 2名への 常軌を逸した加害行為 も。「…だって、ただの家畜じゃないですか。」 「あの子達も、貴方達も。」 「ただのご飯じゃないですか。」 ご飯を得るために行動をして、何が悪いのか。 エルナトはまるっきりわからなかった。 エルナトは歪んでいる。 エルナトは、人間を家畜にしか見れないから。 エルナトは、人に、家畜に思う以上の感情を抱けない。 大人達が溜息をつくのを、不思議そうに眺めた。 フゴフゴ、という音が聞こえた。 (L4) arenda 2022/05/08(Sun) 19:45:19 公開: 2022/05/08(Sun) 20:45:00 |
【置】 司書 エルナト───家畜と人が違うという事を、学びなさい。 大人達がそう言って、部屋を出て行った。 意味が分からなかった。 ようやく暗闇に視界が慣れてきて、 ここが豚の飼育小屋である事に気付いた。 「………気持ち悪い。」 エルナトにとって、人が家畜であるならば。 本来の家畜は、何一つの益ももたらさらない、 ただの気持ち悪い生物でしかなかった。 臭いし、不味いし、可愛くないし。 人はあんなに可愛いのに、なんでこいつらはこんなに 気持ち悪いのだろう、と常々思っていた。 「……?な、なに……?」 豚たちが自分に擦り寄ってくるのを見て、壁際に後ずさった。 (L5) arenda 2022/05/08(Sun) 19:49:00 公開: 2022/05/08(Sun) 20:50:00 |
【置】 司書 エルナトガン! と強く体当たりされて、つい尻餅をつく。そこに、自分よりずっと重い生き物が、覆いかぶさる。 「さ、触らないでよ、きもちわる………っ!?」 なんて、悪態をつき終わる間もなく。 視界に入ったものをみて、ひっと小さく喉から声が出た。 「や、やだっやだやだやだ!!なにするの!?!」 「や、えっやめて!僕はお前と同じじゃない!」 「きっ気持ち悪い……!やだっ!やめろ!!」 おかしいと思った。 此処に入る前に、服を脱がされたことも。 何かを体に塗られたことも。 今、こいつらが興奮していることも。 その興奮の象徴を、大きく主張していることも。 人が家畜を食べ、少年が人を食べ、家畜が少年を食べる。 「い”っ…!痛いいたいいたいいたいイタイ!!! ぐっぎ、………ぃぃいいい!!!」 叫び声も、ミチミチと何かが無理に広がる音も。 獣が獣らしく動く音も、それに合わせて出る苦悶の声も。 どこにも聞こえることはなかった。 少年は、人と家畜の違いを知れた。 (L9) arenda 2022/05/08(Sun) 19:56:10 公開: 2022/05/08(Sun) 20:55:00 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト近づいた顔に怯みもしない。反応が出来ない。 浮いた頭では反射なんて物は無いに等しい。 だから、急だった。ブチ、と音がして、身体がやっと強張った。 繰り返し問う貴方の声が遠くに聞こえて、 でもすぐに答えられなくて。 目の前が一瞬白んだ。 「…………っ、 !? 〜〜〜〜ッ、うあ 、ッ ッ あ、」血飛沫は無い。代わりにものの一瞬でトットの身体から花が咲き誇る。 切り裂かれた通りに行儀良く鮮やかに咲いた花は、咲いた側から貴方の胃へと収まる。 食い千切られる。 咀嚼される。 嚥下される。 過ぎた衝撃に、快感に、幸福に上げた声は紛れもなく嬌声の類だ。 嬉しいと幸せに塗り潰された頭じゃ自分がどんな声を上げてるかももう分からない。 無我夢中で貴方に抱きつき返して、痙攣して使い物にならなくなった身体を預ける。 「あ、 あぁ …………ッ! っ、! か、は」「える、な」「ぁ とっ ん、 ふ 」幸いか不幸か成長する前に食されていくものだから、疲弊は前より感じられなかった。"治療"の効果もあるのだろうか。咲かずに流れる血もあった。 「あ、あ」「ぅ"、ふぅ、〜〜〜〜…………!」 (-192) susuya 2022/05/08(Sun) 20:06:09 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット咲き乱れた花を食べる、食べる、食べる。 全部、ひとつ残らず、一つ逃さず。 口の中に、腹の中に収めては、悦に浸った声を出す。 君の声が、肉の焼ける音にすら聞こえるくらい、 もうエルナトは、君を食べ物にしかみれなかった。 「トットくん……好き……好きだよ………」 「君のご飯……美味しくて、気持ち良いよ………」 という愛の言葉も。 ただ、そう言えば、今までの"ご飯"はより多くの食べ物を 出してくれたからというだけの。 経験に基づく捕食行動でしかなくて。 強く強く抱きしめる。 傷口から血を絞り出すかの如く。 強く吸い付いて、互いの熱を伝え合う。 「もっとちょうだい?もっと……もっと………」 「壊れて何にも考えられないくらい…気持ちよくなって………?」 互いの快楽のために身を寄せ合う様は。 性交と何一つも変わらない様相で。 まだまだ、足りないから。 胴体をザクザクと突き刺した。 満足できるまで、ずっと。 (-204) arenda 2022/05/08(Sun) 20:28:53 |
【秘】 はなわずらいの トット → 司書 エルナト「ぇへ」 「 あ、っ? 」「っ」「っへ、あは! あっ 、あ」もう貴方の声も聞こえていないし、なんの音も聞こえていない。 花が咲くのも、引き千切れるのも、ただ気持ちいい。 気持ちいい。 気持ちいい。 気持ちいい。 ふやけた瞳から転がる涙から花が咲く。搾り出された血からまた花が咲く。 「ぁ"〜〜っ、ゔ、はぁ、あ!〜〜ッ!ッ!」 「あ、えぅなと、 も、 えぅ、な"」怖くなってきた。何がなんだかわからなくなってきた。 どうしてこんなことになったんだっけ?目の前にいるのは誰だっけ? おれはだれだっけ? はな、 はながさいて、 きもちよくて、 あれ、 あ はなが、 「、」「ぁ」 「♡」「ぇ" へ」 不規則に身体が跳ねた。手足が人形みたいにピンと伸びて、脱力して。段々身体が弛緩して。 「えへ」 「ぁ」「おれ」 何の反応も返さなくなった。 貴方が満足したかどうかもわからないまま。 花ばかりが貴方に微笑んでいる。 (-210) susuya 2022/05/08(Sun) 20:52:27 |
エルナトは、もう動かなくなった"餌"を、自室に持ち帰った。甲斐甲斐しく手当てをしよう。 (a57) arenda 2022/05/08(Sun) 20:58:15 |
エルナトは、人が家畜のお世話をするように。 (a58) arenda 2022/05/08(Sun) 20:58:32 |
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