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人狼物語 三日月国


254 【R18G】星海のフチラータ【身内】

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【秘】 黄金十字 アウレア → 捻くれもの ベルヴァ

「早くマシになってくれることを願いますよぉ。
 あ〜煙草吸いたい……」

頭痛にはおそらくよろしくない。
あなたがカルテに向かっている間、
いじいじと胸元の鍵を弄りつつ自分の足の先を眺めていた。

「無理やり懺悔させられるかもだし?」
「ふん縛るか殺すかはシスターにもできんだろ〜?
 映画みたいにな。ありゃ悪魔祓いか」

「裏切りモンだか何だか知らねえが、
 タイマンする能力は俺様ちゃんにもあらァ」
(-110) susuya 2024/03/27(Wed) 23:18:18

【秘】 捻くれもの ベルヴァ → 黄金十字 アウレア

「吸うのは止めませんが、悪化しても知りませんよ。」

吸う事で安心するのも分かるので。
個人としては止めないけれど、医者としてはお勧めしない。
まあ吸って悪化したらまた面倒は見るのだけど。

「なるほど?
確かにメイドマン様ともなれば実力も折り紙付でしょう。
手前で何とか出来るからぶっ飛ばしたいって気持ちもまあ。
分からんでもないですがね。」

「無茶も程々に頼みますよ。
尻拭いは医者と…貴方の部下に回ってくるんですから。」

なんて。気遣いの言葉のようなものを。

「ま、何か有益な情報が見つかれば
貴方に渡るようにさせていただきます。
いつも義体を見せていただいている礼もありますしね。」
(-117) pinjicham1377 2024/03/27(Wed) 23:35:43

【人】 黄金十字 アウレア

「ああ。あなた達、もう来ていたのですか」

#機械管理室 の扉が開く。

メインルームにてバイタルデータをさっさと提出し、
喫煙室で一服やって来た帰りなのであった。
シスターに似合わぬ甘辛い煙の香りを纏わせて、
つかつかと入ってくる。

「組み分けを拝見させていただきました。
 システムのランダマイズ結果であっても、
 私の組むお相手がお二方ともAIなのは……
 少々面白い結果ですね?」

カンアとアルバトロス、双方の姿を見て片眉を上げた。
それからパッと表情を緩く変えて。

「ま、よろしくな。ポンコツ共は大方直しておいた。
 あとは追加のポンをどついて復旧させて放流する作業」

「手伝える範囲で手伝ってくれよ。俺ももう無理はしない」
(43) susuya 2024/03/27(Wed) 23:36:43

【秘】 黄金十字 アウレア → 捻くれもの ベルヴァ

「しないしない。大丈夫大丈夫」

なんとも軽い返事である。
実際吸うことで落ち着こうとしている部分もあるので、
あなたの思慮は概ね正しいと言えるだろう。

「うん……私怨もあるし……
 メカどもが冬のポン祭りした恨みが……」

「あー……それ言われると弱いなぁ。
 あんまり変なことはしないよ、
 何もない限りはいつも通りにしとく」

気遣いを受ければ、口を尖らせておさげを指で弄った。

「あ、助かりまーす。ヨロシクヨロシク。
 礼を言うのはこっちの方なんだけどね」
(-119) susuya 2024/03/27(Wed) 23:44:48

【秘】 捻くれもの ベルヴァ → 黄金十字 アウレア

「あー…まあ、それは、ドンマイ、ですね。」

肩ポン、ってしたくなる。
あれはメカニッカーにとってはキレて良い案件だと
専門外の己にも分かるから。

「無茶しなけりゃ、俺は医者ですからね。
幾らでもケツは持ちますから、安心してどうぞ。」

「礼はそうだなぁ、また義体をじっくり見せてくれればそれで。ああ、そうそう、これ、頭痛の薬です。」

それが、己の仕事。そういう自負はあるから。
はい、といつもの処方箋を。
(-127) pinjicham1377 2024/03/28(Thu) 0:24:00

【人】 黄金十字 アウレア

>>47 カンア

「はいお疲れさん。お前も運搬ありがとうな。
 まあまあ相当な数がダメになってて
 作業中は逆に笑えてきてたよ」

ここから逃げ出す個体もいたらしい。
曰く全部ボコして直したという。オトモ君も頑張った。

「んまあ〜やっぱり運命か神の思し召しかにゃ〜?
 つってもキミが入るんだって思ってちょっとビックリ。
 かえって力仕事任せられるし大助かりなんだけど」

「い〜まんトコはあと見回りと……
 お前らもメンテしてほしかったらするけど。
 本当はθ本体のガサ入れをしてぇとこなんだが……」

許可が出るかどうか、であるし。

>>@9 アルバトロス

「サンキューアルバ。
それ絵面やばいな


積みあがっている黒服の山を見た。
これが追加のポンです。

「小間使いだろうとなんだろうと人員には変わりねー、
 スイッチだのを順番通りに押すだけでも今は助かる。
 オトモ君と一緒に復旧した奴らのリストも作って欲しい。
 上に報告する用のな」
(52) susuya 2024/03/28(Thu) 0:24:41

【秘】 黄金十字 アウレア → 捻くれもの ベルヴァ

「ジャコモもすげーキレてたし。
 怒らない奴居たらそれこそ聖人だよ、
 そんなん居たらうちの教会に呼ぶよ」

盆と正月が一気に来たよう……、
なんて慣用句がどこかにあった気がする。
多分こんな状況の事だ。わからないけど。

「頼りにしてるよ、船医さん。義体の話ならまあ……
 よいだろう。もう少し秘密を教えてやらなくもない。
 わーいお薬やった〜すぐ飲む……ありがと……」

頭割れそうンゴねえ……と何処かのカポレジームみたいな
ことを言いつつ、ありがたく受け取った。

「ハア〜……薬ももらえたしボチボチお暇するわ。
 そこらへんのポン共も片していくな?」
(-131) susuya 2024/03/28(Thu) 0:41:20

【秘】 捻くれもの ベルヴァ → 黄金十字 アウレア

「そりゃそうだ。
おお、そいつは楽しみですねぇ。
じゃあ落ち着いた頃合いに、期待して待ってますよ。」

義体の話を聞く約束が取り付けられて、船医はホクホク顔だ。
聞くこと自体は少し先になりそうだけれど。

「はいはい。片してくれるのは助かります。
薬もそうですが、また何かあったら来てくださいね。
俺は基本的に此処から動かないつもりなので。」

お大事に、と貴方をお見送りしたことだろう。
次会う時には、具合が良くなっていることを願いながら。
(-132) pinjicham1377 2024/03/28(Thu) 0:51:54

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


あなたが山と積まれた警備用の黒服を捌ききった後。
バンカーが機械管理室を訪れる頃、あなたはまだ居るだろうか。
居るのであれば、要件は簡潔に。

「メイドマン アウレア様」「お忙しい中失礼いたします」
「メンテナンスの要請に参りました」

相手はおそらくこの船の中で現在最も忙しい業種トップ3に入る。
それほど多忙とわかっていて訪れたのは、
案の定というべきか、それが理由だった。

「現状通常の貨物管理業務に差し支えはないのですが」
「校正をかけない場合、言語データに軽微な異常が見られます…
 ので、重要なデータにアクセスするにはやや不安が」

「残りますみょんねえ」


「この通りです」

この通りではないが。この通りなのだが。
(-136) unforg00 2024/03/28(Thu) 1:05:58

【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ

「おっ、ストレルカ。お疲れさん」

アウレアは作ってくれたリストのチェックのため、
モニターとにらめっこをしていた所だった。
回転椅子の勢いでくるりとそちらの方を向く。

「いいぜ〜メンテ、今ようやく落ち着いたところだったし」
「…………」

「そうみょんか……」


ようく分かった。

「確かにやや困るな。場合によってはとても」
「適当なトコ座ってくれ、パッと終わらせちまうぞ。
 お前も色々業務がある事だろうし」

そう言ってメンテナンスに必要な機器を寄せて来る。
今回の騒動で機械管理室に運び込む手間を見直し、
自分で調整しに向かえるよう反重力式の手ごろなワゴンに
ちょうどさっき積み直したところなのだった。
(-137) susuya 2024/03/28(Thu) 1:14:44

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


「メイドマン アウレア様も、お疲れ様です」
「もーほんとにたいへんじゃんね」


問題点がわかりやすいように敢えて校正を外している。
敢えて。
流石に人様の前でうっかりこれをまろび出すわけにはいかない。

「当機体の記録媒体とコアパーツを除く全ての部位は
 全て流体金属で構成されていますので
 外装の開放には特段器具を必要としません」
「セルフチェックの結果、
 エラーが発見されたのは記録媒体のみでした」

「さほど時間はかからないかと」

校正を掛け直し説明すべき点を口頭で述べつつ、
指示には頷いて近くへ座る。
忽ちにメモリのある頭部の側面を構成する流体金属が
どろりと溶けるように引いていき、記録媒体が露出した。

記録媒体。言語を始めとしたデータが蓄積される場所。
メモリにさえ手を入れてしまえばメンテナンスは終わりだ。
曲がりなりにも、
バンカーであるだけのセキュリティはあるらしい。
(-142) unforg00 2024/03/28(Thu) 1:45:39

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


メモリ内部を検めたならば、バンカー・ストレルカというアンドロイドは
徹底して合法のルート、パーツやデータで構成されている事がわかる。

それと、バンカー自身とオーナーにしか閲覧権限の無いデータが幾つか。
同じノッテのアソシエーテであるナル、ボス、
とあるカポにしか閲覧権限の無いデータがひとつ。

その他に、
人格データ_アルフォンソ・サントーロ というディレクトリがある。
これはあなたも閲覧することができる。

問題らしき問題は軽微なエラーが幾つか。その程度。
(-143) unforg00 2024/03/28(Thu) 1:46:27

【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ

「ちょっと直すの勿体なくなって来たな」

こっそり機能の一つに加える事を検討している。
しないけれども。しないとも。

「ン、OK〜ならいいか。んじゃあ始めっぞ」

あなたの隣に腰掛け、流体金属の動きを見れば
「おぉ〜」と感心したような声を上げた。

「やっぱいいなぁ〜流体金属ってのは。
 うちん宗教トコじゃあ聖なるモン扱いで
 幹部以上じゃないとあんま触らせてくれねぇんだよなァ」
「言うてウチもちょっと恐れ多くて自分から手は
 出せないんだけどネ……うわーんかっこいいなあ」

メンテナンス中にペラペラと喋るのはいつもの事。
返事があろうがなかろうが関係がない。
元々独り言は多いタイプである。

(-191) susuya 2024/03/29(Fri) 11:39:07

【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ

……作業を進める内に気になる物を見つけた。
作業の手を少し止め、やや思案の時間が挟まる。

「……」

ナル。ナルか。
このデータにも個人的な興味があるが――、
メンテナンス中にハッキングなんぞしようものなら、
さらにエラーが起こる可能性も0ではない。
痕跡が残ろうものならまっ先に怪しまれるのは自分だろうし。

今はやめておこう、と。
検出されるエラーを全て修復したのち、
もう一つ気になるモノ、人格データが納められているであろう
ディレクトリを覗かせてもらう事にした。
(-192) susuya 2024/03/29(Fri) 11:41:19

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


「校正にCPU領域が割かれてしまうので修正していただけると」


負荷の方が問題らしい。
能動的に使える機能として実装されたらされたで
何だかんだと使うかもしれなかった。されないけど。

「聖なるもの、ですか」
「確かに希少性から神聖視されることも
 ところによれば自然なことかもしれません」

「私に使用されている流体金属は…
 このヴェスペッラが開拓船だった時代に
 発見した資源惑星から採掘されたものだそうです」

だから、ヴェスペリウム。
発見した事で得た命名権から、この船の名前が付けられた。
そんな他愛のない返答を返しつつ。
(-193) unforg00 2024/03/29(Fri) 12:42:06

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


あらゆる観点でも、ハッキングのリスクは高い。
今無理に見ようとするよりも、持ち主に直接掛け合う方が
きっと事はスムーズに進むことだろう。

ともかく、人格データの収められたディレクトリを開いたなら
まずわかる事はそれが8年と少し前から更新されていない事だ。
それが人格データの持ち主の死亡によるものである事は──
患った病のデータがあることから、容易に推察できる。

アルフォンソ・サントーロ。享年17歳。
ノッテファミリーの金庫番、
カルロ・サントーロ夫妻の実の息子。
周囲に愛され、周囲を愛した暖かなひと。

身体が弱く、宇宙そらとそこを往く船、
そのクルーの両親に憧れた、ごく普通の子どもだ。

その人格データがバンカーのメモリ内にある理由は、
(-194) unforg00 2024/03/29(Fri) 12:43:06

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


「…………」
「それ、気になりますか」

そして、ふと。
暫しの沈黙が降りれば、口を開く。
技術屋が自分の中身を検めて気になるものといえば、
バンカーの役目には無用、場違いな人格データと想像──
推測する事はそう難しくない。

見られて困るものでもない。手を加えられるのは困るが。
見られる事すら憚られるものであるなら、
幾つかのデータと同様にロックを掛けている。
(-195) unforg00 2024/03/29(Fri) 12:43:50

【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ

わかってます、わかってますとも。
そんな相槌と共にしっかりエラーは修正されゆくのだった。

「そ〜なんだよ、珍しいし。
 流体金属の性質的にこう……ウチんとこの神様と
 なんとなく重ねられててさぁ」

「ふう〜ん。そしたら13年よりは前に出てきたやつか……
 この船の名前もそうだが、随分お綺麗な名前だよな」

浪漫のある話だな、なんてこちらも他愛ない返事を。

(-197) susuya 2024/03/29(Fri) 13:20:51

【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ


「……ん? ああ」
「バレたか。 悪い、ちょっと興味があった」

「お前の中にあるのはちょっとだけ意外だったな」

見ていたことを誤魔化そうとはせず、
素直に謝り視線をそちらに直した。

「覗いちまったよ」
(-198) susuya 2024/03/29(Fri) 13:21:11

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


「いえ。お気になさらず」

掛け違えていたラッチがかちりと嵌ったような感覚。
しっかりと修復の終わった喋りは実にスムーズだ。
それを確かめつつ。

「意外に思われるのも無理はありません」
「あまりないことでしょうから。
 故人の人格バックアップデータを、
 AIの学習データとして取り込むということは」

覗かれて困るものでも、隠し立てするものでもない。
興味があるというならば、
メンテナンスの礼としてでも受け取ってくれればいい。

「私のオーナー……カルロ・サントーロは」
「自身の子どもをいつか宇宙へ連れていくのだと
 アルフォンソ・サントーロの生前、
 そう聞いたデータがあります」

「それを、こういった形で叶えようとしたのでしょうね」

自分事ではないようで、けれどまったく他人事でもない。
そんな語り口だった。
(-200) unforg00 2024/03/29(Fri) 13:41:01

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


「…メイドマン アウレア様は」
「興味があったと仰りましたが」

「故人の人格バックアップデータを
 このように扱うことを、どのようにお考えですか?」

特別深い意味は無い、
ただ気になっただけの──AIらしからぬ問いだ。

人によっては、あまり良い顔はしないかもしれない。
そういうものだ。人格データの取り扱いというのは。
(-201) unforg00 2024/03/29(Fri) 13:41:48

【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ

「ん〜……まーね。ヨソじゃああまり見ないから」
「怒るヒトもいるだろうし。
 こーいうのはデリケートだからさ」

「……死後なお夢を叶えさせてあげるために、か」

果たしてデータと化した彼が、
このように学習データとして、
バンカーの内部に護られ宙を旅している。
あなたの身体であれば、エラーに侵されることはあれど、
病に侵されることはもう無いだろう。

それが「叶った」と言うかどうかもまた、
人に寄って意見は分かれるのだろうが。

(-206) susuya 2024/03/29(Fri) 14:47:41

【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ

「……俺様ちゃんはな」
「いいと思ってるよ。そういう事」

本来のシスターであれば冒涜的などと言うのだろうか。
少なくともアウレアの答えは、そうではなかった。

もういいぜ、とあなたの背を軽く叩いた。
メンテナンスは終了。恙なく、何の問題も無く。

「いい時代になった。バックアップさえ取れれば、
 肉体のしがらみからはおさらばだ。
 身体が使えなくなったってある程度の記憶と心は残る」

「それは
一種の魂の解放
だよ。次のステージだ」

「まあイレモノがないと解放どころか動けないんだけどね。
 アルフォンソくんはいい旅が出来ているようで何より!
 旅っつか今漂流してんだけども」

すらすらとそう語るアウレアの言葉は、
まるで聖書を読み上げるように粛々と、明朗に。
一点の曇りなく、そう信じているようだった。
(-207) susuya 2024/03/29(Fri) 14:49:20

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


ぽすんと背に触れた後、メンテナンスの終わりが告げられれば
露出していた記録媒体を覆うように、
流体金属はまた元の形へと戻る。

酸素が無くとも活動できる金属の身体に、格納庫のバンカー。
システムθからも独立した、この船で最も安全な場所のひとつ。
そういうふうに作ったのは、
我が子に再び不幸を味わわせまいという
親心というものなのだろう。

「…魂の解放」
「そうですか」

あなたの語った言葉を確かめるように繰り返す。
淀み無く語られる言葉に嘘は無い。ならばそうなのだろう。

外見こそ変わってしまったけれど、病に苦しむ事も無く。
宇宙の何処までだって行ける身体で、
再現エミュレーションされたアルフォンソは確かにここメモリに居る。
メインシステムはバンカーのものだとしても、確かに。
(-213) unforg00 2024/03/29(Fri) 15:41:03

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


「…でしたら」
「メイドマン アウレア様。
 仰る通り、現在星間航行船ヴェスペッラは緊急事態
 漂流と言って差し支えない状況にあります」

「緊急運転モードによって
 環境制御・生命維持システムは維持され
 最低限の機能こそ生きていますが、
 ここはスペース・サルガッソー。いつ難破ロストするとも知れません」

「それでも、機械なら、何が起きても。
 船外活動ができる。あなたたちの記憶と心を、
 どんなに小さな事でも忘れずにいられる。だから」

「現在のあなたの人格バックアップデータを、
 私のメモリに保存したい、というお願いも」
「…許していただけますか?」

バックアップの保存先は、幾つあっても困りはしない。
この状況を脱したなら、削除するようにと言えば
ストレルカは迷わず頷くだろう。

ただ、叶う事ならあなた達を守りたい。
そしてあなた達が『今』生きている事を、
忘却の彼方へ置き去りにしたくはないのだ。
(-214) unforg00 2024/03/29(Fri) 15:41:36

【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ

「現在の俺様ちゃんの人格データを?」

……思わぬ提案だった。
ふざけたハートフレームの奥の瞳を大きくして、
それから再び思考を巡らすように口を閉じた。
口元に手をやり、しばし。

「まあ……大丈夫か。お前のメモリ容量を少し圧迫するけど」
「嬉しい申し出だ。お前になら任せられる」

「が。一つ質問させてくれ」

ぴ、と人差し指を立ててそのまま続ける。

「ストレルカ。お前には俺がどう見えてる?」
「どんな人物で、どんな印象を抱く」

と、そう貴方に問うた。

アウレア。
気まぐれで奔放、振る舞いも所作もその場その時ですぐに変える。
子供のような事を言ったと思えば、大人びて。
無責任だと思えば、誠実であり。
さっきまで怒っていたと思えば泣き始める事もある。
勝手な人間だと思われるかもしれないし、
掴み所のない人間だとも思われるかもしれない。
人にとってこの女に抱く印象は変わるだろう。当然の如く。

あなたにとって『アウレア』とはどのような個体なのだろうか?
(-216) susuya 2024/03/29(Fri) 17:13:00

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


「記憶容量に余裕はあります。
 私は膨大な貨物の入搬出を記録できるのですから」

申し出る以上は、それをできるだけの自負がある。
セキュリティ上も、そう易易とは破られないとも。

とはいえ、もしかすれば。あなたのそれは、
想定よりは大きなデータになるのかもしれないけれど。

「──どんな人物か、ですか」

そうして、問い。
機械AIは嘘を吐かない。
人ならばおべっかを使い得る所でも、そうはしない。
ストレルカは嘘を吐く事ができる。そうしようと思う事が無いだけで。


「そうですね」
「とても複雑な方です。私には予測がつかないほどに
 明るく、けれど時に冷静に。感情豊かで、
 そして聡明で、私たち機械を丁寧に扱ってくださる」
(-220) unforg00 2024/03/29(Fri) 17:54:53

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


あなたのおかげで安心してアクセスできるようになった、
人格データを参照し、バンカー自体の思考プロセスも使い。
そうして自分なりの答えを導き出す演算する

「優しい方ですよ」
「とても」

いずれにしても、共通する答えはそれだった。
(-221) unforg00 2024/03/29(Fri) 17:55:31

【秘】 黄金十字 アウレア → バンカー ストレルカ

「…………」「そっかあ」
「答えてくれてありがと。それじゃあ、あー」
「オトモ君。こっちに」

静かに横に浮いていた小型ドローンオトモ君を手元に呼ぶ。
アウレアは両の手の内でオトモ君をキャッチして。

「人格データのエクスポート申請。最新の一つを除く」
『申請:承認しました』
「悪い、ちと形式が特殊でな。S社のを使ってないんだ。
 ウイルスとかつまらないものは入れてないから安心しろ。
 受け渡しの形式は何が都合良い?」

……そのドローンの中に人格データが納められているらしい。
機械音声が承認を告げたのち、
小さな稼働音を少し大きくする。

「なんか褒められた気がするな。
 アウレアちゃんちょっと照れちゃった」
(-224) susuya 2024/03/29(Fri) 18:39:07

【秘】 バンカー ストレルカ → 黄金十字 アウレア


「なるほど」

様々な理由によって、
S社とは異なるルートでバックアップを取る者も居るだろう。
裏社会の人間であれば、尚の事。

「そのままこちらへ通信を行えるなら、それで。
 バンカー・ストレルカ、ポートを開放……いつでもどうぞ。
 生のデータを渡していただければこちらで処理いたします。
 通信時間を短く済ませるならば、有線接続でも構いません」

オトモ君、と呼ばれたドローンを見遣る。
あなたにとって大切なものである事は窺い知れたが、
まさか人格データまで収められているとは。

有線接続を行うならば再び記録媒体を露出して、
そのまま直に接続する事になるだろう。
無線であれば比較的に時間は掛かるが、
接続の為の線を出す必要は無くなる。

「褒めたつもりですので」

AI嘘吐かない。
(-225) unforg00 2024/03/29(Fri) 18:56:49