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【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「謝る必要なんかないでしょ。賢くなくてもバカじゃないんだから」 恐怖であろうとなんであろうと、すぐさまとびらを開けようとしない理性が動く人間に悪い印象は抱かなかった。 普通に話しているように聞こえるのも、あるいは誰もいないのが起因しているのか。 「…………ありがと」 ポータルを手に取る。輪から出てくる指先に……人の指に、ぬくもりに。 はしたなく、喉を鳴らした。 「おいしそう」 (-97) eiya 2021/10/30(Sat) 1:09:28 |
【秘】 竹村茜 → 鼓動を鳴らせ! 若井匠海「なるわけないでしょ。男らしく回るくどいことしてはずくないのって言ってるの」 カプセルを飲み込んで振り替えると、いつものように仰々しい身振り手振りで話をしている。 正直話し半分だった。 「……名簿? なんのことか分からないけど。チンピラの文句をリアルに耳に出来るなんて思わなかったな」 ……竹村茜の異能は、血を飲むことで強くなるもの。肉体に作用せず、条件も曖昧。 「分かったから『私の言うことを聞いてほしいな』『失せろ』」 血を飲むことを条件として、自分の言葉を強くする。 『竹村茜がそういうならそうなのかもしれない』と場を支配する魅了の力。人を誑かし、夜にいきる。ある意味吸血鬼のような力、その一端。 先程飲んだカプセルに血液を仕込んでいたらしい。口の端から赤色が伝う。 (-99) eiya 2021/10/30(Sat) 1:28:01 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「たまのキャラチェンもいいと思うよ。飽きが来なくてすむ。 ん……」 あなたの薬指に、自分の薬指を絡める。 こうしていると落ち着く……だけど少し熱くなる。 暫くそうしていたものの、ふと口を開いた。 「ほしいもの……あるにはあるけど」 → (-100) eiya 2021/10/30(Sat) 1:33:56 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉話していたところで、部屋の中でそんなものを飲むわけにも行かない。 血の滴る肉類を口にすることもあるが、大っぴらに異能のためなんて言う義務も必要もない。 昨日からずっと喉が渇いている。有り体に言えばイラついている。 たりない、たりない、タリナイ。 「…………絵莉の血がいい。病院ダッシュはきついし、なかなか渡してくれるものでもないから」 (-106) eiya 2021/10/30(Sat) 2:02:30 |
【秘】 竹村茜 → 鼓動を鳴らせ! 若井匠海「……やっぱあいつも簡単に誑かされるなぁ。どいつもこいつも……」 頭を下げてそそくさと退散する彼を見て肩を竦める。 うるさかった廊下も静かになった。何かしていたらしいが、当人がいなくなればなんてことはない。 少し時間を過ぎてしまったが、急いで向かわなければ。 ピルケースをしまいこみ、意識を歩いていた方向に向ける。さっさと行こう、と歩き出す。 誰もいなくなったことで気は緩んでいた。 (-112) eiya 2021/10/30(Sat) 2:22:53 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「吸血鬼か蚊しか喜ばないジュースバーだな……。 献血の後はジュースとかあげるものだから、それはいいけど」 入った方がいい?という言葉に……ほんのすこし躊躇うように詰まらせる。 「……血を吸うと異能も起動するから……入ると危ないと思うな。今の私だとなにするか分かったものじゃないし。 吸いづらいけど、ポータルを首に当ててくれればリスクは減らせると思う」 (-116) eiya 2021/10/30(Sat) 2:35:30 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「たぶんそう。あとはどれぐらい強くなってるかなんだけど……衝動ばっかり増えてていやになりそう」 ふー、と深く呼吸する。 「……絵莉の首、綺麗だよね」 一段と強く喉をならした。 ポータル越しに首筋に舌を這わせ、誘うようなかおりと脈動。 口付けをするように唇を押し当てたのは一瞬。 「ん、く……!」 歯で無理やり皮膚をこじ開け、滴る血液を嚥下し始めた。 (-125) eiya 2021/10/30(Sat) 3:04:59 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「ふーっ……!」 こんな姿を見られなくて良かった。薬の影響で膨れ上がった血を求める欲望を貪る姿。 差し伸べられる手を、命の水を。 「ん、ぐ……」 こくこく、と喉を鳴らして飲み込む。熱い吐息をふきかけて、何度かそれを欲した後。 「……かっふ」 ポータル越しに食らいついていた首筋から離れた。荒々しい呼吸から、次第に落ち着いていく。」 (-192) eiya 2021/10/30(Sat) 13:38:47 |
【秘】 竹村茜 → 鼓動を鳴らせ! 若井匠海走る音に反応する。爆速で縄を手に持って走る姿は、流石に気脅されるものがあった。 振り返り、一歩下がって僅かばかりに目を見開く。 大して早くない、頑張れば逃げられる、しかし。 「……!」 捕まえられた。縄が巻かれ、あざやかな手口で縛られる。 「若井、いい加減ふざけてないで……!」 (-194) eiya 2021/10/30(Sat) 13:44:48 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「……ごめん。大丈夫」 ごん、と扉越しにくぐもった声と手をかざした。 荒げた呼吸を元に戻すために深くため息をつく。 「顔合わせないで、なんか卑怯なことしてる気分」 (-201) eiya 2021/10/30(Sat) 14:39:52 |
【秘】 竹村茜 → 市川 夢助「いいよ。別にみてて面白いものじゃないだろうけど」 プールの方へと歩き出そうと歩み出したところで、また足を止める。 ポケットに手を突っ込みながら、肩を竦める。 「私にとっての異能……? 面白いことが出来るもの……ではあるかな。自分の手のひらの上でどうとでもできる使い方ができるから悪いものではないし。 市川くんはどう?自分にとっての異能ってやつ。 なんか噂で色々あるけど。強くなりたいとか不満があるとか、そういうのがあったりしない?」 (-213) eiya 2021/10/30(Sat) 15:30:57 |
【秘】 竹村茜 → 鼓動を鳴らせ! 若井匠海「折れればいいのに……」 呪詛を吐いて嘆息する。へらへらとしているものの――内心あるいはビビり散らしているのか。 生存本能に訴えかけるタイプの異能だろうか。心臓が跳ねると過集中と手先が器用になる――地味ではあるが、堅実な能力だ。 ある意味強迫観念にも似たその命令の遂行は――。 「……若井、なんか利用されてる? 脅されでもした?」 薬一錠に付き一度の命令しか出せないのか。異能を振りかざす言葉は出ない。 「……分かった、飲む」 縄に完全に巻き付かれる前に、薬を寄こせと手を伸ばした。 (-218) eiya 2021/10/30(Sat) 15:38:37 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「いや――」 竹村茜は、あなたの血を飲んだ。 「絵莉、 『お願いだからこっちにきて』 」懇願とも、あるいは命令とも。 血を飲むことで起動する異能は 自分の言葉を強くする力 。威圧・支配・懇願・憐憫。竹村茜が口にする言葉に説得力と拘束を与える魅了の一種。 強い意志さえあれば抜け出すことはできるが、異能は薬の影響で力を増している。 (-222) eiya 2021/10/30(Sat) 15:47:17 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「ひどい顔してる」 扉を開けて入ったあなたの姿を見て肩を竦めた。 こうした元凶の顔は、口の端からだらしなく血で汚した状態でへたり込んでいた。 「……ほんのすこしだけマシになったかも。味も悪くなかった」 (-243) eiya 2021/10/30(Sat) 16:37:50 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「見知った顔が相手だから……まあ、相対的にマシ」 ほんの少し震えているように見えた。それが血を吸ったことによる急性の貧血が影響なのか、不安がっているのかは分からなかった。 分からないから、むしろ気にしないでいられる。ここで何でもない風に振舞われたらそれこそ不気味だ。 恐る恐るあなたに抱き着く形で、深く息をついた。 「ヤバヤバ。もう少しこうしてたら落ち着ける……。 傷、痛いでしょ。午後には塞がるだろうけど。 ……普通さ、こんなことまでしてくれる人いないよ」 (-252) eiya 2021/10/30(Sat) 17:08:18 |
【秘】 竹村茜 → 鼓動を鳴らせ! 若井匠海「何その片言。……まあいいよ。その調子を貫いてそう口にするなら、言質取ったってことにするけど。 若井が誰かに利用されていようが、私から何か聞き出せることもないんだし」 異能を十全に使えれば、あるいは元凶を吐かせることもできたかもしれない。 それもできないのなら、今はおとなしく従うのが吉だ。 「つっかえな……」 舌打ちをして、目の前に提示された薬をひったくる。 自分の持っている薬と違って、何の変哲もない色合い。これを飲めば異能が『強化されてしまう』 あるいはガセだと思えば――幾分か躊躇いはなくなる。 だから一縷の望みをかけて、薬を口に含んで飲み込んだ。 → (-255) eiya 2021/10/30(Sat) 17:15:10 |
【秘】 竹村茜 → 鼓動を鳴らせ! 若井匠海「ん、……っァ、ア……!」 ――まず感じたのは気怠い感覚。頭がぼうっとして、縛られた状態のままバランスを取ることも出来ず倒れ込む。 混濁とする意識と、突如として表れる自分の異能の発動条件――血への渇望が止まらなくなる。 喉が渇く、のどがかわく、ノドガカワク 「……ふ、ざけ……」 そんなことがあっていいはずがない。恨み節を込めながら、若井をにらみつけていた竹村は次第に意識を落としていった。 (-256) eiya 2021/10/30(Sat) 17:15:32 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「こういう状況にはなってほしくなかったけど。 ……絵莉なら物分かり良いだろうから、大丈夫そうかなとは思った。 私の異能、血を飲まないと体調悪くなるくせに血を飲んだら異能が発動するから融通利かなくて。 見知った人の血を吸うのは禍根が残りそうだから吸いたくなかったんだけどなー……あー、めんど」 少なくとも、相手が自分に悪感情を抱いているようには見えなかった。それを感じ取れただけでも、まだ収穫はあった。 だからようやく、普段のように怠そうな調子に戻れた。 (-274) eiya 2021/10/30(Sat) 18:19:48 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「…………それは、そう」 あまり核心を突かれたくなかった。 ただ一緒にいて安心したいからというわけでもない。 そんか殊勝な考え、持ち合わせてはいない。 自分のため、自分が楽をするため。そのためなら……。 「もっと欲しくて……足りなくて……。 くれたりするの、血」 (-294) eiya 2021/10/30(Sat) 20:33:11 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「……なら、分かった」 保健室の扉を閉めて鍵をかける。両手であなたの肩を掴み、先ほどと同じように首筋に顔を寄せる。 誰も来てはならない、誰も来させてはならない。 最近の異能強化の騒ぎでけが人がこちらに来るかもしれないけど――この時ばかりは誰も来ないことを祈って。 衰弱したあなたに更に追撃する真似をするのも気が引けたけど。 さっきと違って、直に体温が伝わる。触れている実感が湧いてくる。 こんなことをして、まるで吸血鬼のようだ。 「――優しくするから」 まるで睦言のようにそう添えて、あなたにしなだれかかり、押し倒すように。 ゆっくりと舌で舐り、強張る体に向けて。 あなたに牙を突き立てた。 (-296) eiya 2021/10/30(Sat) 21:11:27 |
【秘】 竹村茜 → 鼓動を鳴らせ! 若井匠海「気が付いたらタレコミするから覚えておきなさいよ……」 ここまで大々的にしておいて、無事で済むと思うなよ、と。 この行為そのものが上位的な存在の仕組みであったとして、告げ口をすることも厭わない。 面倒ごとに巻き込んだ男に、そう混濁とした意識の中でつぶやく。 「……分かった。なら存分に休ませてもらうから……せめてちゃんとしたところで……」 寝かせて欲しい。そう告げる前に意識は落ちた。耳に残って、記憶には残らない何かのやり取りを受け流しながら。 そうして目覚める時には、誰が何をどうしたかの記憶の整理をするのは容易だった。 ――何が目的だったんだか、と思いながら、鍵のかかっていない扉を前に呟きながら。 明日、無事に登校する姿が見えていたのかもしれない。 (-297) eiya 2021/10/30(Sat) 21:16:11 |
竹村茜は、押し倒した (c10) eiya 2021/10/30(Sat) 21:17:14 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉――そんなに急ぐ必要はなかった。 別に恥も外聞も気にする性質じゃなかったのに。 ましてや気心知れた友達。これからするのはイジメでもなく、同意の上でのこと。 「そうさせてもらう」 奢りのジュースはダブルがいいかな―― 場違いなことを考えながら、あなたに覆いかぶさる。 逃がさないよう、寵愛するように、優しく肩を抱いたまま。 先ほどよりも強くあなたを求めて、鮮血を貪っていた。 (-302) eiya 2021/10/30(Sat) 21:47:09 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「ん……」 ニュアンスとして、『うん』に相当する音だった。 『食事中』は静かにするのが礼儀だが、親しい友人との間なら無礼講も許されよう。 時折上がる小さな悲鳴に視線のみ誘導するが、こくこくと喉を鳴らして飲む動作は止まらない。 乳飲み子を育てるにしては大仰な冗談だが、欲望のまま食らいたがるのは似ているのかもしれない。 献血は針を刺すのが一番痛くて、血が流れる部分はそう大きな痛みがあるわけでもないが、これは肌に合わない牙と、スムージーを啜るような不均一な吸出しによる捕食だ。 先ほどの吸血よりも長くたくさんの血を吸い続けて、やっと唇を離した。 「ごちそうさま。これで暫くは持ちそう」 止血しつつ、あなたの顔色を伺うために覗き込んだ。 (-311) eiya 2021/10/30(Sat) 22:13:11 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「…………」 あなたを保健室のベッドへと運び込むために抱き上げる。 ベッドへと移動することが出来たなら、深く息を吐く。衰弱するあなたに寄り添う。額を撫でて、その手を握る。 「……ごめん、絵莉。さすがに……悪かった。 今日は保健室に居続けるつもりだったから……看病していくよ。必要なものとかほしいものがあればなんでも言って」 (-320) eiya 2021/10/30(Sat) 22:56:34 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「お陰で元気になったから」 その恩返し……というほど大層なものではないけど。いつも自分が愛飲しているトマトベースのスムージーを渡したのだった。 (-334) eiya 2021/10/31(Sun) 0:10:38 |
竹村茜は、プールが恋しくなった。 (c11) eiya 2021/10/31(Sun) 0:11:43 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「……まあね」 ストローを差して、だらんと空いた口許に運ぶ。カップを固定しながら飲ませる。 トマトの他にリンゴやクラッシュされたナッツも入った甘酸っぱいスムージーである。 (-347) eiya 2021/10/31(Sun) 0:38:16 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「おきるまではこうしているから、しっかり寝ておいて。 血の欠乏で死なれたら困るから見張ってるし」 おざなりに、あなたの頭を撫でながらベッドにもたれ掛かった。 (-354) eiya 2021/10/31(Sun) 1:02:14 |
【秘】 竹村茜 → 笹原絵莉「……おやすみ、絵莉」 顔色や呼吸を気にしながら、あなたがしっかりと眠れるように寝顔を観察していた。 起きるまで、ずっと。 (-372) eiya 2021/10/31(Sun) 1:49:27 |
竹村茜は、プールで泳いでいる (c12) eiya 2021/10/31(Sun) 9:43:26 |
【墓】 竹村茜「だる…………」 一頻り休んでから顔を出したのはプールだった。しっかり泳ぐでもなく水面に背を向けて浮かぶように進む。 (+11) eiya 2021/10/31(Sun) 10:30:17 |
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