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![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → favorire アリーチェ「あはー。」 あなたの様子に、からからと控えめに笑う。 無線をホルダーに提げまたかつかつと進んだ。 「わかんないなあ。何の話ですう?」 しれりとしらばっくれ肩を竦める。 指先をくるくると顔の横で回すと、小指にだけ塗られたマリーゴールド色のエナメルがやけに目に付いた。 「あたしはただ、 お仕事 しにきただけですよお。」「……ほんとおに、残念ですう。」 間の言葉を全て省略してそんな感想だけ告げて。 そんな頃にはもうあなたの目前まで足を運んでいる。 その手の中に鈍色が光るのにあなたもそろそろ気付くだろうか。 …気付いた時には、もう、遅いのだが。 「――ね。アリーチェ・チェステ。」 そっと、顔を寄せて耳打ちを。 「だから詐欺には気をつけろって、言ったじゃないですかあ。」 今度こそ、これであなたが見限ってくれることを、ただ祈って。 (-4) oO832mk 2023/09/23(Sat) 21:09:20 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 無敵の リヴィオ「はいー。」 「犬カフェも、楽しみにしていますねえ」 そう朗らかに笑っては、持ち込んだ自分のデスクの椅子を引き摺って。 「絶対ですよお!」 …このとき女の頭の片隅にあったのは あなたの服に滑らせた銀のヘアピン。 …何もなければいい。 ただそれだけを、秘かに祈っていた。 (-6) oO832mk 2023/09/23(Sat) 21:23:15 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 無敵の リヴィオ/* お疲れ様です、おさとうかえでです。 いつもありがとうございます。 という形で、リヴィオさんの衣服に盗聴器を仕掛けさせて頂きました。 カンターミネさんが使っていた盗聴器で、これはダニエラにとっても少しリスクのある行動になります。 この盗聴器にて得た情報によりあなたが此度の検挙のいづれかに関わっていることが発覚しました場合、リヴィオさんをダニエラの最後の標的にさせて頂きたいと思います。 また、盗聴器に気付いて破棄いただくなどもご自由にお任せ致しますが、その場合もダニエラはリヴィオさんを標的にするということも、並べてお伝えさせて頂きたいと思います。 お手数おかけしますが、上記状況について何かしらご返答頂けますと幸いです。 何卒よろしくお願いいたします。 波魔 (-7) oO832mk 2023/09/23(Sat) 21:25:13 |
![]() | 【神】 傷入りのネイル ダニエラ「………」 「……」 「…巡回」 「行ってきまあす」 朝礼が終わり次第、すぐ。 それ以上何も告げることなく、女は革靴を鳴らして立ち去った。 途中聞こえた下らない囁き声は、全部、聞かなかったことにした。 #警察署_朝礼 (G2) oO832mk 2023/09/23(Sat) 21:40:03 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 無敵の リヴィオ /* ご回答ありがとうございます、おさとうかえでです。 相互襲撃、可能性は察しておりましたが……すごーい(語彙) というわけで委細承知致しました。 この相互の処理さえ上手く片付きましたら、早々にお話を行いたいなと思っています。 相談事は以下になります。 @ この5日目の襲撃のみ、拘留者への扱いがやや特殊になっていますが、どのような形を希望しますか? (discordサーバー#アンケートの部分) こちらはどちらでも構いませんが、そちらも同様でしたらせっかくだし2かな…と思っています。 A ダニエラも、リヴィオさんに検挙される場合のみ抵抗を何一つ行いません。 状況は5分 (強いていうなら盗聴器という物的証拠の分こちらの方が分が悪い) かと思うのですが、どちらが先に仕掛けることにしましょうか。一応参考までにお伝え致しますと、ダニエラには自首などができない理由がありまして…… ダニエラが先に動きリヴィオさんを摘発する場合、何らかの後発性の罠を用いて摘発しなければならなくなりそうです。 (そちらも自首など不可の場合はお教えいただけると!) B 上記が片付き何となくの流れが確定したあとで構わないのですが、摘発ロールはどこで行いますか? というのも最終日だし秘話じゃなくてもよくない?という気持ちでいます。 夏に瓶ラムネさんが秘話がいい!と仰るようなら全然秘話で構いません。 ぱっと思いつくのでこれくらい…でしょうか。 重ね重ねお手数おかけしますが、お互い最後の摘発ロールを存分にやりきっていきましょうm(_ _)m (-21) oO832mk 2023/09/23(Sat) 23:04:15 |
![]() | 【念】 傷入りのネイル ダニエラ「…………。」 アジトのデスク。女は今日もひとり膝を抱えていた。 耳につけていたイヤホンを外す。 ふうと浅い息を吐き天を仰いだ。 「 …知りたくなかったなあ。 」素直な気持ちをぽつりと零す。 誰に聞かれることもなく霧散した。 それでも胸の蟠りは簡単に解けてくれそうにない。 「……取り敢えずう」 「出勤、しましょおかあ。」 徹夜明けの身体を持ち上げて。 なるほど確かにこれは眠れないと、カフェインの香りを思い出していた。 (!0) oO832mk 2023/09/23(Sat) 23:14:42 |
傷入りのネイル ダニエラ(匿名)は、メモを貼った。 ![]() oO832mk 2023/09/23(Sat) 23:28:35 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 黒眼鏡/* お疲れ様です。いつもお世話になっております。 おさとうかえでです。 此度、狼陣営の最後の襲撃対象に選ばれました。 ダニエラは大変無念そうですが、『プラン』の実行は不可となりそうです。 上記業務連絡のみ先んじてお伝えにまいりました…。 どうかよろしくお願いしますm(_ _)m (-28) oO832mk 2023/09/23(Sat) 23:33:30 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 黒眼鏡/* 追伸です! 上記連絡をお送りしている間にペネロペさんから秘話がありました。 彼に諸々を託すことは可能になりますし、ダニエラは行いたいそうですが行ってもよろしいでしょうか? その場合、飴と一緒に頂いたチップと例のボストンバッグとをそのままお渡しするかと思います。 やめてね。とか不要よ!とかだったらお教えいただければ! (-30) oO832mk 2023/09/23(Sat) 23:40:58 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → コピーキャット ペネロペ呼び止められた女は、あなたの顔を見ると嬉しそうに笑う。 「わあ。本当にいいんですかあ?」 巡回中でも気にするなかれ。 どうせ最近は警察も人手が足りなくて、サボりに目を留める時間もない。 「んふふー。ありがとおございますう。」 「…ええとお、お姉さん。」 多少配慮の効いた呼称で呼び止めて。 こちらは小声に頼ることなく。 「ちょっと、家に寄っていきませんかあ?」 ぐい、と些か強引に。 女はあなたの手を、引いてでも。 (-34) oO832mk 2023/09/24(Sun) 0:04:48 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 黒眼鏡/* 何と言うか、蓋を開けてみたら成る可くして成ったなという感想しか浮かびません。 ありがとうございます! ではペネロペさんに迅速に託して参りたいと思います! スーツケースの決着はエピになりそうですね!!!(ここに任意の罵詈雑言) よろしくお願いします!!!!!!!! (-35) oO832mk 2023/09/24(Sun) 0:08:13 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 無敵の リヴィオ/* おさとうかえでです。ありがとうございます! お忙しいこともあるかと思いますのでレス速度は気にせず…気にせず……。 @ ありがとうございます。 では暫く拘留されてからのエピローグということで、 お互いよろしくお願いします。 A 拉致。 今裏でもぞもぞやっているところですが、罪を突きつけられれば自首できるところくらいまでは落ち着けることができそうです。 というのと、すっかりお伝えを忘れておりました大事な設定ですのでこちらも。 ダニエラ・エーコは本当はマフィアに所属する内通者 です。この事を知っているPCは、村全体で2人しかいません。 (PLレベルで察している方はいるかもしれませんが) そこをつついても自首できそうです。なにかご参考になりましたら。 B やったー!ありがとうございます! 速度は全然、お気になさらず!(再放送) こうなりますか?こうなります。 特にAについてまだ何かご質問などありましたら何でもどうぞ! (-38) oO832mk 2023/09/24(Sun) 0:27:43 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → コピーキャット ペネロペそうして女が連れたったのは、大通りから1本離れたアパルトメント――ではなく、アジトにしているホテル。 「最近はここから職場に通っててえ。」 なんてあなたもきっと知っている話をふわふわ語り。 がちゃりと後ろ手に扉を閉めたあと、やっぱりふにゃりと脱力した笑顔であなたに言った。 「実は、預かって欲しいものがあるんですよお」 すた、すたと女は部屋の隅、置かれたボストンバッグとスーツケースの前へあなたを誘った。 ボストンバッグを指さして、「これなんですけどお」と少し困ったみたいな笑顔で。 (-41) oO832mk 2023/09/24(Sun) 0:39:00 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 無敵の リヴィオ/* おさとうかえでです。 夜も遅くなってきましたし寝る時は寝てくださいね…。 @ エルヴィーノさんはこれから最後まで残った警察として表彰されるかもしれませんね。 という冗談はさておき警察の減りがすごい原因のひとつに自分がいるので何も言えなくなっています。ふふ…… A 拉致の中でも平和そうな拉致だ(?) というかルチアーノさん。なるほど。あいつう。 ダニエラも当社比マイルドになりそうな気配です。 体調不良を知ってしまっているもので……。 閑話休題。こちらが先に置いた方がいいですか? というか置きがちでしたらなんかタグとか作りましょうか。 今こちらは2人について「鏡」くらいの感想しかパッと出てきませんが………それ関連とか…………? モブ先輩……。なんてことを。 リヴィオさん無理しないで……(無理) こちらこそよろしくお願いします。 必要なことがありましたら、襲撃ロール中でもなんなりと御相談ください。 (-54) oO832mk 2023/09/24(Sun) 1:28:10 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → コピーキャット ペネロペ「…ふふ。はあい。構いませえん。」 「寧ろこれは、 あなたたち に持っていてもらいたいものでえ。」ボストンバッグはよく見ると、『開けずに家に置いておけ』と誰かの言葉。 けれど女は躊躇なくそれを開けて、 一瞬眉間に皺を寄せ、 中から紙を1枚抜きだした。そうしてその上であなたにその中身を見せる。 引き摺る様子や音を見るに、どうやら物凄く重そうだ。 /* 【ボストンバッグ】 ・武器弾薬 (ピストル、ソードオフ・ショットガンライフル、カービンライフル、グレネード数種、サブマシンガン、およびその弾薬─いずれもセルフディフェンス用では許可の下りない軍用弾薬使用モデル) ・ “目が飛び出る”のに十分な量の爆薬 ・ 市内の地図、特に下水道や駐車場に書き込みがある ・ 車のキーがいくつか 上記がこのボストンバッグの中身になります。(原文ママ) ダニエラもこれを、ある人から預かりました。 (-60) oO832mk 2023/09/24(Sun) 1:37:56 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 無敵の リヴィオ/* おさとうかえでもそろそろ🍁くらいに略して良くなっていたりしませんか? 冗談です。以後は省略していきましょう。びしばし。 @ 拷問あるんですよね。 なければ天国かもしれませんか? ダニエラは微妙そうな顔をしています。 A 平和な拉致だ!! ルチアーノさん……。あいつう。 ですが不思議な話、ダニエラにリヴィオさんの調査を命じたのはルチアーノさんではないんですよね。 ふふ。こちらもそれは秘話参照ということで。 あと体調不良気にしないができれば夕方頃の会話はああはならなかったのでは……??気にします。 でしたらどうしても行いたいRPがありましたので、そちらを置かせていただければ。 時間的には定時退社後、街中での話になるかと思います。 すごくどうでもいいんですけど、果たして『定時退社』でいいのか常にもやもやしていました。 タグもイタリア語の『鏡』、#specchio で参ろうかと思います。 イタリア語ってだけでおしゃれでいいですね!(?) リヴィオさんを嫌っている……?(宇宙猫) あまり無理せず(どちらも…!)これから起きます。よろしくお願いしますね。 (-67) oO832mk 2023/09/24(Sun) 2:18:36 |
![]() | 【人】 傷入りのネイル ダニエラ仕事帰り。 いつものジェラート屋。 近くバタついてあまり訪れられなかったここを、数日ぶりに訪れる。 「イチゴをお、コーンでえ」 間の抜けた明るい声。 会計を済ませ暫しして、薄紅色のジェラートが差し出された。 通り雨もあるかもしれないと聞く女の手には傘がひとつ。 食べ歩かずに今日は食べて帰ろうと、パラソルの下のテラス席にちょこんと座った。 #specchio (7) oO832mk 2023/09/24(Sun) 2:27:51 |
![]() | 【影】 傷入りのネイル ダニエライチゴのジェラート。 アジトに置いたバスボムを思い出す。 これ、間に合うのかなあ。 少し時間がかかるようなことを言っていたような気もしている。 …間に合うといいなあ。 そう浮かべながら、ジェラートを口へ。 (&0) oO832mk 2023/09/24(Sun) 2:31:26 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → コピーキャット ペネロペ「ふふー。そおですねえ。」 心当たりが正解かはさておき。 あなたのその態度で女は少し 安心 したらしかった。そうしてあなたが車を取りに行く間にひとつ思案。 仕舞っていたSDチップを封筒に入れ、その表紙に文字を滑らせた。 …知る名がひとつしかないものだから、そこに記されたのは『カンターミネへ』の文字。 あなたが彼女の業務は引き継いだと言っていたし、開けて中身を確認してくれるとよいのだけれども。 そんな博打を置きながら、その封筒もボストンバッグに放り込む。 あとはあなたが戻ってきたら鞄ごと受け渡すだけ。 どうか、届きますように。 (-69) oO832mk 2023/09/24(Sun) 2:40:48 |
![]() | 【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>8 リヴィオ 「…あー。リヴィオさあん。」 到底上司に見せるとは思えない仏頂面。 尖らせた唇でその名を呼んで、前髪を見て、ジェラートを見て。 そのヘアピンは、何の変哲もなければ飾り気のひとつもないシンプルなヘアピンで。 だけど不思議と他の似たヘアピンでなく、 それ なんだろうと思えた。「あたしは明日お会い出来た方が嬉しかったですけどお。」 拗ねた顔のまま拗ねた声でいう。 こういうとき、女が告げるのは本心だ。 けれど、まあ。察しが悪いわけでも決してなかったわけだから、自分を納得させるための溜息だけついてまたその顔を見上げた。 「…まあ、いいですう。」 「なんですかあ、話ってえ」 微かに形作った笑顔は歓迎の証。 どうぞどうぞ、寧ろお座りくださいな。 それに関しては本当に、嫌な顔ひとつせず。 #specchio (9) oO832mk 2023/09/24(Sun) 3:12:29 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → コピーキャット ペネロペあなたが名に釣られ封筒を開けて。 尚且つ中のチップのデータを確認してくれたなら。 そのチップには、『プラン』とやらが書かれている。 どうやって調べたのか留置所まわりの機密に触れうる各種情報と、 『合図があった場合、あるいは取締法が突如廃止になった場合、混乱と立場を利して脱獄を手伝うこと』という文言。 どこかの誰かが何やら大層な計画を、そのくせかなり人任せな状態で立てていたものらしい。 (-75) oO832mk 2023/09/24(Sun) 3:17:20 |
![]() | 【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>11 >>12 リヴィオ 「……。」 匙ですくったジェラートを口に運ぶ。 そのまま流すような視線であなたの取り出したものを見た。 …最後の最後に、賭けに負けたのだ。女は。 但し賭けに負けたという事実はこの一晩のうちに確定しており、こうなることを女も薄々勘づいていたわけであるが。 「…そおですねえ。」 日頃の暢気な空気をまとわりつかせたまま女は頷く。 今日この日も会話の内容さえ加味しなければ、平和で平穏な日常の1ページであるようだった。 「本当に無能な人って、存在するんですねえ。」 よく顔も覚えていない代理様とか。 こちらはそれは態度には示さなかった。 多少の棘だとかいうレベルで済ませられる気がしなかったのだ。 #specchio (13) oO832mk 2023/09/24(Sun) 8:48:37 |
![]() | 【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>11 >>12 >>13 リヴィオ 「…あたしも、行きたかったんですけどねえ。犬カフェ。」 『銀のヘアピン』について、女は言い訳のひとつもしなかった。 それには女なりの理由があるが、少なくとも今口にする気はない。 「でも、やっぱり似てるなんですかあ。」 「……残念ですう。」 「やっとリヴィオさんのこと、少しは分かってきたような気がしてましたのにい。」 女が惜しむらくはそこだ。 いつもと違う笑みを浮かべるあなたに、少しだけ困ったように笑いかける。 …そっちの方がいいですよなんて、果たしてどの口でいえばいいのやら。 「――それで」 場違いにジェラートを食べ進めながら。 もう少しだけ、踏み込んでみる。 「 リヴィオさんは 」「 あたしにどうして欲しいんですかあ? 」#specchio (14) oO832mk 2023/09/24(Sun) 8:50:02 |
傷入りのネイル ダニエラ(匿名)は、メモを貼った。 ![]() oO832mk 2023/09/24(Sun) 8:56:35 |
![]() | 【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>15 >>16 リヴィオ きっと女が昔のままの女だったなら。 あなたに贈られたものは『銀のヘアピン』であり、愛らしいヘアクリップは今も女の手元に残されていた。 そもそも、いつも通りに何の脈絡もなく突然ヘアピンを贈りつけるだけで全ては事足り、今こうして共にパラソルの落とす影の下語り合うことだってなかったはずだ。 そうしなかったことが、女の敗因であり。 そして、あなたの救いであるらしかった。 女の手が止まる。 しゃくり、と匙をジェラートとコーンの隙間に刺した。 ミントブルーの瞳がそんなあなたを映す。 だけど女にはどうしても口にしなければならないことがあった。 「…リヴィオさん。」 #specchio (17) oO832mk 2023/09/24(Sun) 11:07:50 |
傷入りのネイル ダニエラ(匿名)は、メモを貼った。 ![]() oO832mk 2023/09/24(Sun) 11:09:21 |
![]() | 【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>15 >>16 >>17 リヴィオ 「あたし、捕まる訳にはいかないんですよねえ。」 女は、中途半端な蝙蝠だった。 獣の仲間にも鳥の仲間にもなれないままの、そんな本物の半端者だった。 それでも、女の心だけはいつだってひとつであったつもりだ。 だから女の言葉はその通りで。 ただやっぱり少し困ったような顔で、あなたのことを見つめている。 「…見逃してくれませんかあ?」 そんな甘言。 法を悪用した罪人の、それは最後の足掻きであるはずだった。 そして女は足掻かなければならないはずだった。 空浮かぶ雲の色濃く深い曇り空。パラソルの影と同じだけ、周囲の景色も暗くなる。 #specchio (18) oO832mk 2023/09/24(Sun) 11:10:00 |
![]() | 【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>15 >>16 >>17 >>18 リヴィオ 匙をとり、ジェラートをそっと口に運ぶ。 「そおいうわけには行きませんよねえ。」 「そおしたら、また別の人が逮捕されちゃうかもしれませんしい」 それはあたしも困ります、と。 女はここにきてようやく、いつものようにけらけらと控えめに笑った。 「ただひとつだけえ、聞かせてくださあい。」 「あたしはずうっと、 あなたたち を探していたんですけどお。」「…リヴィオさんは、最後のひとり…ですかあ?」 それだけは、聞けないと安心だってできないもので。 でも、もし違っていたら、どうしようか。 もう少し足掻かないといけないな、そのときは。 #specchio (19) oO832mk 2023/09/24(Sun) 11:12:42 |
![]() | 【影】 傷入りのネイル ダニエラ自分が捕まった時、波及する人間を考える。 直属の上司。昔馴染み。 1番守りたいのはその2つなのに、それではなんの意味もない。 であれば2つとも、そしてマフィアとも何も関係のない愉快犯として捕まるのが妥当であろう。 …この法案がそれを許してくれるなら、だ。 そしてその秘密を、自分はその後絶対に守り抜き続けなければならなくなる。 (&1) oO832mk 2023/09/24(Sun) 11:37:08 |
![]() | 【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>20 >>21 >>22 リヴィオ 「頼み…彼?……あー。」 わかるような、わからないような。 でもわかる寄り。理由なんかがそれらしい。 女が抱いた 協力者 への印象は、ひとつめのアジトを放棄したときからあまり変わりはないらしい。だからそのことに腹を立てることはなかった。 彼に伝えた言葉に嘘なんてなかったから。 女は裏切られてもいいと思える相手だけを、信じていた。 それにしても、その 彼 はさておきだ。ではどうしてあの人は、あなたのことを知っていたのだろう。 …こっちには少し腹が立つ。 顔を合わせぬ間に、伝えたい文句ばかりが増えていく。 それはそれで、女の信頼の証ではあったけど。 #specchio (23) oO832mk 2023/09/24(Sun) 14:36:42 |
![]() | 【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>20 >>21 >>22 >>23 リヴィオ コーンを崩して、口の中。 歯触りに微かな香ばしさとイチゴの味が少しして。 ふう、と一息。口元にはいつもと同じ笑み。 「…でも、そおですかあ。」 「リヴィオさんで、ほんとおに、最後…。」 そんな中、沁みるような声に滲んだのは、安堵だっただろうか。 少しだけ、違うような気もしている。 でも肩の荷がひとつ降りたのだけは、紛れもない事実であったらしい。 あなたの胸中こそ知らないが、女はずっと、早く地獄に堕ちればいいと思っていた。 静かに座る権利なんてどこにも残っていないと思っていた。 だからこれから往く先が、冷たく狭い地獄だとしても構わない。 そういう場所に、女はあの優しい人たちを送り込んできたのだから。 手錠をかけたとき、誰一人として、女を責めた人はいなかった。 女は本当にそのことが、ずっとずっと、哀しかった。 左手小指のエナメルを撫でる。 いつもはつるりと陶器みたいな感触なのに、その表面は傷だらけで少しざらついて感じる。 「…わかりましたあ。」 「デートのお誘い、お受けしますう」 そうして女は、歌うような声で、朗らかに告げた。 #specchio (24) oO832mk 2023/09/24(Sun) 14:37:33 |
![]() | 【人】 傷入りのネイル ダニエラ>>20 >>21 >>22 >>23 >>24 リヴィオ 女の虚実は意図しない限り曖昧だ。 今こうして晴れた心地でいることが、本当なのか嘘なのか、女にだってもうよくわかりはしなかった。 でも、ひとつだけ。 「――ところでリヴィオさん。」 「そんなお身体で、まさかエスコートなんて言いませんよねえ。」 半日休むって、言ったくせに。 それについて抱いた感情は本物だろう。 まだあと少しコーンが残っていたけれど席を立つ。 座るあなたを、見下ろして。 「病院でも、風邪薬でも、何でもいいですけどお。」 「雨が降る前に、少し寄り道しませんとお。」 「…デート相手が素直だった分」 「時間に余裕は、まだありますよねえ。」 …聞くところによると、今日は通り雨が降るらしい。 そんなものに、今のあなたを晒すわけにもいかないだろう。 …これが、女が『銀のヘアピン』について、言い訳ひとつしなかった理由だ。 きっと、してやったりと、女はにこりと笑っていた。 (25) oO832mk 2023/09/24(Sun) 14:38:28 |
![]() | 【念】 傷入りのネイル ダニエラそういえば。 女はこの日、勤務中、このアジトに1人だけ人間を招いた。 部屋の隅に置かれたボストンバッグを預け、 自分のことを何一つ告げぬまま 、2人は別れ、今に至る。結果として、その後のリヴィオ・アリオストとの対面を思えば、正しい判断だったのだろう。 女が不在の今も、この一室の明かりはついたまま。 デスクの上には、女がもらった大切な贈り物たちが並んでいた。 (!1) oO832mk 2023/09/24(Sun) 20:31:13 |
![]() | 【置】 傷入りのネイル ダニエラマフィアを幇助する目的で、 【A.C.A】のメンバーを探り盗聴器を仕掛けた 出頭し、そのように己の罪を告白した女が逮捕された。 女もまた波魔であったために、余罪は多いとされ尋問の手配がとられることとなる。 それを待つまでの暫しの時間、檻の中での待機を命じられた女は落ち着いた様子だった。 ただ痛いだけならいくらでも我慢してやれる自信はあったけれど、 爪を剥がれるのは少し嫌だなと小指の爪を撫でていた。 (L4) oO832mk 2023/09/24(Sun) 22:23:53 公開: 2023/09/24(Sun) 22:30:00 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 口に金貨を ルチアーノ「…お兄さん。」 徐に顔を上げ、一瞬ばかりの悲しげな顔。 すぐにへらりと持ち直した。 あなたの依頼人は、 変わらず 元気そうだ。「あはー。前に比べて、かなり手狭になっちゃいましたあ。」 「でも、お兄さんにまた会えるなら良かったかもしれませんねえ。」 「…元気でしたかあ。」 (-259) oO832mk 2023/09/24(Sun) 23:55:13 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → また、歌う カンターミネ「……。」 檻の中。 冷たい壁に背を預けて、女は静かに座り込んでいた。 膝を抱えて。まるで、幼い昔の頃みたいに。 「…… ミネ… 」だとすると思い出すのは、どうしてもその名前で。 …そしてあの日に交わした約束のことで。 そっと後ろの壁に振り返り、こん、こんと。 …m.i.n.e……モールス信号。縋るみたいに、拳で刻む。 (-267) oO832mk 2023/09/25(Mon) 1:00:32 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 口に金貨を ルチアーノ「……。」 「今はあ…?」 怪訝に問う。正直者はいいことだけども。 口がへの字になるのも許されたい。 「…あははー。ご心配、頂いてますう?」 ひらひら、手を顔の前で振る。 「大丈夫ですよお。…あー。」 「でもそれだとお、お兄さんいなくなっちゃいますかあ?」 「…だったら、大丈夫じゃないで、いいですう。」 どうせ、こんな場所で顔を合わせてはならない人間しか浮かばない。 それもあったが、また別に。甘えるように女はいった。 女は元来そんなに素直じゃない。 そういう言い方をするときは本心だ。 そんなことあなたは、知らないのだろうけども。 (-303) oO832mk 2023/09/25(Mon) 6:59:07 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → また、歌う カンターミネ当然、返事の期待はしていなかった。 世の中はそう甘くないのだから、そんなことが起きるのならそれこそ月並みに奇跡とでも呼ばなければならないだろう。 そんなことを思っていたから、壁が鳴った時は自分の耳を疑った。 …声が聞こえた時は、もっと。 それが現実だと受け入れるより前に、ぐ、と目頭が熱くなるのを覚える。 「…言い出したのは、ミネだよお。」 それも堪えて、 本当は堪えきれなかった分を一筋溢れさせ、 女の声音はいつも通り。「あははー。署内に激震走る、だよお。」 「…証拠握られちゃってえ、仕方なくう。」 それでも逃走という手段だってあったものをそれには触れず。 ついでいうなら、その 証拠 が何であったかにも、女は触れはしなかった。「これから尋問らしくてえ。」 「…やったことお?言えばいいらしいんだけどお」 「……。」 「………… ごめんねえ。ミネ。 」そのままの調子で言葉を続けていた女だったが。 あなたの声音に責められずとも。 どうしても、そう零れてしまった。 (-306) oO832mk 2023/09/25(Mon) 7:28:55 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 口に金貨を ルチアーノふふー、と。あなたの様子に少し満足そうに。 「やっぱり、お兄さんで合ってたんですねえ。」 「リヴィオさんに、あたしのこと頼んだのお。」 余計なお世話だ、とは言わなかったし思いもしない。 あなたのメッセージがなくとも、女がリヴィオ・アリオストにたどり着いていたとしてもだ。 そもそもことの本質は、その部分ではないのだし。 「ええ?指を切るんですかあ。」 「……んー。」 どうしよう。そう悩む小指にはいつものエナメル。 こんな場所でも、ゆらゆら揺れて煌めいて。 「…」 「指切られるとかじゃなくても、守ってくれる方が」 「…そっちの方が、嬉しいですう」 結果、そうへにゃりと笑う。 何となく、同じ『約束を守る』でも意味合いが違う。そんな些細な受け取り方の違い。 (-333) oO832mk 2023/09/25(Mon) 12:59:28 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ/* ciao〜! そんな気はしていましたが、イレネオさんの顔でciao〜!は職場で見るには危険物ですね! 分かりやすいご解説ありがとうございます! ちなみにダニエラは、魔術師くんのお陰でイレネオさんが暗殺者であることを知っています。 なるほどなあってなるんでしょうね。なるほどなあ。 ひとつめ。 まさに1番聞き出して欲しいのは「幇助しようとしていたマフィアは誰か」また「盗聴器の入手元」となります。 というかこれは確定情報なのですが、 ダニエラは 上記以外のどの情報でも絶対に答えることがありません 。なので何聞いてくださってもどのように脅してくださっても黙秘し続けます。 それだとお困りになりそうなら、少し方向を変えて煽りながらの「愉快犯」アピールでもしようかなといった感じです。どちらの方が拷問しやすいですか? ふたつめ。 爪のことをどうぞよろしくお願いします。 左手の小指が弱点です。その他普通に暴力してくださっても構いません。 みっつめ。 何もなければ「NGないです!」と言っていたのですが、さすがにめちゃくちゃ怒られそうなので、欠損と後遺症をNGとさせていただきたいです。 ただめちゃくちゃ痛めつけられたくはあるので 爪のことをどうぞよろしくお願いします(再放送) 以上、休憩終わり間際にぎりぎりで入力しています内容となりますので、また何かご質問等ありましたら仕事の後にお答えします。 よろしくお願いしますね! (-338) oO832mk 2023/09/25(Mon) 13:26:01 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ/* 1日目で落ちなくても占われた時点で2日目で落ちることが決まってしまっていた暗殺者さん…(ほろり) ありがとうございます!では悪エラで参りたいと思います。 そして仕事中思い出したのですが、カンターミネさんとの既知にておくすりの治験(?)も多少行っており、自白剤などもがんばって耐えることができます。ご参考までに。 あとは、差分の兼ね合いでどこかで眼鏡を弾き飛ばしてもらえると大喜びします。このくらいかな… 脱臼骨折は◎です!多少の身動き(歩いたり)の余地があると本当は嬉しいですが、なくてもいいです。 本当に 取り返しがつかない範囲 を超越しなければいいかなとPLは思っています。では重ね重ね、 爪のことをどうぞよろしくお願いします。 何かあればまたご連絡をお願い致しますね! (-379) oO832mk 2023/09/25(Mon) 16:04:31 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 黒眼鏡女がそのメッセージを受け取ることは暫くはないだろう。 リヴィオ・アリオストと共に自首をしたその日にイチゴのジェラートを食べたのが最後になるはずだ。 あとはあなたの耳が聰ければ、【A.C.A】が2人自首した話が拘留所内で聞けるかどうかといったところか。 その名前まで知ったかどうかはあなたの手がどれだけ及んでいるのかによるのだろうが。 (-380) oO832mk 2023/09/25(Mon) 16:11:03 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ牢の中でも、そこから引き連れられるさなかでも。 女は怯える様子なく、むしろ落ち着きしれりとした様子を見せていた。 ただ飴玉でも転がしているかチューイングガムでも噛んでいるかと錯覚するほどの暢気な雰囲気を纏いながら。 常日頃から好んで行う食べ歩きの延長であるように、かつかつと革靴の底を鳴らしている。 「…あれえ。」 へらりと。 何故か口火を切ったのは、冷たい瞳のあなたなど意にも介さぬ間延びした声。 「イレネオさんってえ、逮捕されたんじゃなかったですっけえ?」 まるでそこがいつもの警察署のデスクであるかのごとく女は囀る。 ことりと首を傾けて、んー?と暢気に、不思議そうに。 /* ありがとうございます! それではその形で、よろしくお願いします! (-390) oO832mk 2023/09/25(Mon) 17:06:20 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → また、歌う カンターミネ「あははー。ミネのせいじゃないよお。」 それそのものは事実だと女は思う。 きっとどれだけ小型化しても、あの盗聴器はバレていた。 それは女が甘かったからだ。 非情でいられなかったからだ。 歌声に耳を傾けながら、申し訳ないような、それでも間違えたことはしなかったような、複雑な気持ち。 どっちつかずの蝙蝠は、その心までついにふらつかせてしまったのだろうか。 …そんなことはない、と女はまだ断言ができた。 (-406) oO832mk 2023/09/25(Mon) 18:34:56 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → また、歌う カンターミネだから、歌声のその次に聞こえたその言葉は少しばかり効いた。 …一瞬、言葉に詰まっただけの時間があったように感じるなら、それは気のせいではないだろう。 「……あたしは、」 「でも、…ミネたちを、守れなかった……」 俯いた顔が小さく告げる。ぎりぎり、あなたに届いたろうか。 それはここ暫くずっと胸に刺さっていた棘で、痛んでいたけど見て見ぬふりした棘だった。 「…あは。でもお、うん。」 「だからねえ、…まだ、頑張れるよお。あたし」 「まだ終わってないからあ、…頑張るんだあ」 困った時、女はすぐに笑ってしまう。 だけど今は多分それで正しかった。 …ここで頑張らないと、今度こそ、本当に守れなかったことになってしまう。 (-407) oO832mk 2023/09/25(Mon) 18:35:24 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → また、歌う カンターミネ「そんでえ、温泉行ってえ…」 「美味しいもの食べてえ…」 「…あ。」 「アレッサンドロさんにい、困らせたお詫びにコーヒーいれてもらうことになってるからあ」 「ミネも一緒に、飲んでえ…」 いつかと同じように、あなたの語った夢をなぞる。 「…式場はあ。」 「やっぱり、海の近くかなあ…。」 「…うん。そんで、ケーキの美味しいとこお。」 「それでねえ、またミネに」 「ぎゅーってしてもらいながら、寝るんだあ…」 ――うん。冷たいひとりきりの檻の中、薄く笑んで頷いた。 そんな未来のためなら、まだまだ。頑張れる。 「ぜえんぶ、付き合ってもらうからあ」 「覚悟しててねえ、ミネもお。」 咲くような、明るい声。 マリーゴールドの爪に、この日も静かに口付ける。 (-408) oO832mk 2023/09/25(Mon) 18:37:17 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ「ええー。気になるのにい。」 「はあーい。」 一瞬口を尖らせるも、次の時にはへらへらと。 私語を注意された子供の態度で笑っている。 「……。」 着席をすると、打って変わって、今度は静かな女だった。 ただそのつま先が、ぱたぱたと揺れている。 とん、とん。あなたの鳴らす音。 それに合わせて、音もなく床を叩く。 (-411) oO832mk 2023/09/25(Mon) 18:52:01 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → また、歌う カンターミネ「……。」 「…ふふー。…うん。それでえ、ミネもずっと」 「あたしの傍にいてくれたあ。」 ずっとずっと。昔から。今も。 心細い現実をこうして笑えているのは、あなたがそこにいてくれるから。 「アレッサンドロさん、びっくりするかなあ。」 「……。また、なんかたくさん高いものくれそお。」 それもたくさん。容易に浮かんで、また笑んだ。 するり、するりと小指を撫でて。 「ふふー。やったあ。」 「うれしいなあ。…王子様」 「 だいすき 」とくとく、自分の鼓動の音を聴く。 そうして真面目な声音には。 「…んー?…ふふ。」 小さな笑顔を、ひとつ。 女の中では不思議と、あなたの言葉を聞く今も、緩やかな空気が過ぎる。 (-429) oO832mk 2023/09/25(Mon) 21:57:46 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → また、歌う カンターミネ「Quando si ama, anche i sassi diventano stelle.」 ささやかな声がいう。 「ありがとお、…ミネ。」 「ちゃあんと、覚えとくよお。」 「ミネが、あたしを守ろうとしてくれてること」 「でも、ねえ。」 「ミネたちのためじゃないと、あたし頑張れないからあ」 「…ミネたちのためだから、頑張れるんだあ、あたし。」 ダニエラ・エーコは、ノッテの一員だ。 だけどそのことを知る人間は殆どいない。 それでもノッテのために、――あなたたちが逮捕されたあとも、頑張れたのは。 あなたたちの“家族”を、守りたいと思い続けたから。 「…だからあ、ミネはあ」 「挫けそうなとき、あたしの心を守っててえ」 「ミネのためならあ、石も星なの。苦しいことも苦しくない。」 「…それよりミネを売る方が、あたしはもっと、苦しいなあ。」 女は歌う。静謐で神聖な、愛の歌。 「…そおいうのは、だめ?」とちいさく、その歌は続いた。 (-430) oO832mk 2023/09/25(Mon) 21:58:44 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオさて確かに。 女はあなたの言葉に素直に従い静かになった。 それを 従順 と呼ぶならそれできっと正しい。「……。」 ぷら、ぷら。足を揺らして。 あなたの問いからほんの少し、たった頃。 「…あー。」 「もしかしてえ」 「もう、口を慎まなくてもいい時間ですう?」 へらりと笑った。 やはり変わらぬ、デスクの態度で。 「なら、こおいう堅苦しいの、ヤなんですよねえ。」 「…それより何で、イレネオさんは逮捕されたのに自由にしてるんですかあ?」 (-436) oO832mk 2023/09/25(Mon) 22:26:37 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオぱた。 ぱた。ぱた。 ぱた。 真似をして、音もなく足が床を叩く。 「えー。やあですよお。」 けらけらと、女は控えめに笑った。 「なあんであたしだけ答えないといけないんですかあ?」 「イレネオさんだって、逮捕されたんですよねえ?」 「おんなじ警察でえ。逮捕されてえ。」 「あたしと何が違うんですかあ?」 気怠げな声。こてりとまた小首を傾げる。 (-453) oO832mk 2023/09/25(Mon) 23:28:10 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → また、歌う カンターミネ「…えへへ…。」 どうやらこれは、ずるいらしい。 覚えておこう。なんてこれはしたたかな部分。 「…うん。」 「ずっと、いっしょ。あたし、忘れないよお。」 「…ミネはね、どこにいても傍にいてくれるのお。」 目を閉じればいつだって。 瞼の裏には鮮やかなライムグリーン。 まどろむような心地で、女はあなたと歌を歌う。 「あとちょっとがんばってえ」 「無事で帰って、またミネのモーテルにお泊まりするのお」 「…あれ。結婚するなら、もうお泊まりじゃないかもお?」 けたけたと控えめな笑い声。 それでまた少しだけ気が晴れて、 「…帰ってくるねえ、無事に」 「やくそくう。」 甘えるような、声がする。 (-469) oO832mk 2023/09/26(Tue) 0:06:38 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 法の下に イレネオ「ええ?そおですう?」 ぱた。 「でもお、イレネオさんも逮捕されましたしい」 ぱた、ぱた。 「犯罪者…はおんなじですよねえ?」 ぱた、た。ぱた。 小さな子供が遊んでいる。 あなたを真似て、揚げ足をとって、そうしてへらりと笑うのだ。 頭のおかしい愉快犯。それが、今の、あたしの設定。 「――あ。」 「もしかしてえ、これが噂に聞く」 「賄賂って、やつですかあ?悪いんだあ」 けらけらけら。また、控えめな笑い声。 そうやって、女があなたのその立場を探っているのもまた事実。 痺れを切らして答えてしまえば棚ぼただ。それくらいの、淡い狙い。 (-475) oO832mk 2023/09/26(Tue) 0:26:41 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → あなたと共に カンターミネ二重奏の先。 挙げた名前に、覚えはなかったけれども。 「…あー。」 「 ……よかったあ。ちゃんと届いたみたいでえ 」その内容で、誰だかわかった。 安堵の声が、小さく落ちる。 「んん。そおだねえ。お祭りはあ」 「警察のお姉さんにはあ、なかなか縁がないからあ。」 ――この先も、それを続けられるかはさておいて。 「上司さんの許可が出ないとお」 「難しい…と、思うなあ?」 許可が出る、ということはきっとそういうことなのだろうから。 あの人の場合、そうとも限らないような気もしはした。 (-480) oO832mk 2023/09/26(Tue) 0:40:55 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → あなたと共に カンターミネ「んー、うん。わかったあ。」 「…上司さんに、もし会ったらあ…」 「……。」 「いや、やっぱいいやあ。自分で言うからあ。」 拗ねたような声音。 お怒りだろうか。真偽は不明。 「んー?ふふ、まかせてえ。」 「 …お仕事、早く終わらせて帰るからあ 」あ。新婚さんみたい。 “汚れ”の意味は…その時聞こう。そうしよう。 「そんなのあるんだあ…」 そしたらお隣じゃなくなるのかなあ。 それは少し名残惜しかったけれども。 …女の方も、これから戦いが待っているわけで。 それまでの時間は和やかに過ごす。 入れ替えか、女が呼ばれていくまでは。 まるでここが、牢屋なんかじゃないみたいに。 (-486) oO832mk 2023/09/26(Tue) 1:19:02 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ「…あは。」 大きな音。女は肩を竦めた。 「選ばれたあ」 「ふうん」 怯むことなく、間延びした声。 いつも通りの笑顔。 笑うのだけは、得意だった。 ぱた。 ぱた。ぱた。ぱた。 「正当な仕事……ああ。」 「つまり、 これ のことですかあ。」「大変ですねえ。イレネオさん」 「何人くらいとお話したんですう?」 「もしかして、ここに来た人全員ですかあ?」 「忙しそお。」 ひとつ答えるとまた次が湧く。尋問とはそういうものだろう。 女は決して尋問をしているわけではなかったが。 また楽しそうにけらけらと笑う。これは必要な事だから。 ………ほんとうは、こわい。すごく。 けれど本心なんてひとつも見せず笑うのだけは、女は得意だった。 (-503) oO832mk 2023/09/26(Tue) 5:37:44 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 口に金貨を ルチアーノ「…あは。それはあ、ありがとおございますう。」 「確かに、これはしばらくゆっくりさせられそうですねえ。」 「……あんまり連れてきたい人じゃなかったですけどねえ。」 「でもそれは、ニーノくんもニコロさんも、アリーチェさんも同じですしい…」 ふー、と伸びて。へらりと笑う。 今に始まったことじゃない。あなたが気にしなくてもいいのだ。 「…あー。これはあ」 左手小指のエナメルを見る。 傷が入っても剥がされず、そのままにしているから少し見た目がよろしくない。 それでも女はそれを見て、やおらと揺蕩う笑顔を浮かべた。 「好き、とかじゃなくてえ。」 「この色に意味があったんですけどお」 「…あの、手の甲にメモとか書いたことありません ん ?」「あれと、同じでえ」 「でも…もうその意味も、あんましないかもしれないのでえ。」 「……碧、ですかあ?ふふ。似合うかなあ。」 「お兄さんがそおいうならあ、試してみよおかなあ。」 (-516) oO832mk 2023/09/26(Tue) 8:05:07 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 口に金貨を ルチアーノ「ええ?前向きい。」 「…合わせる顔ないですしい。いいですよお」 けらけらと女は笑った。 これに関しては、虚実どちらの笑顔か女にもわからなかった。 「んー?ふふ。お兄さあん」 「前にも言いましたけどお。あたしのあれは、誰の命令でもない独断ですよお」 「…自分の意思でやったんですう」 「誰かのせいじゃ、ありませんからあ」 少なくとも、摘発チームに入ってからの云々は、誰かの指示では決してなかった。 だから女は、その結果として今牢獄にいることに責任を持たなければならない。 …その覚悟は、自首をすると決めた時にもうできていた。 「はあい。じゃあ、やくそく。」 「…お待ちしてますねえ。いつかを」 ショップなんて行ったことないなあ。 プロがやったら、もっと上手に塗れるのかなあ。 酷く場違いに、女はくるくる、楽しそうに思いを馳せた。 (-537) oO832mk 2023/09/26(Tue) 11:54:17 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ「…なんですかあ。」 「いいじゃないですかあ、別にい」 「あたしは」 「イレネオさんをおもって、言ってるんですよお」 間延びした声で、女は述べた。 女にとって、必要なことを。 そしてあなたにとって、不必要なことを。 ――つ、と一瞬。呼吸が奪われるのはその頃か。 そんな状態で、女の口許はやおらに弧を描いた。 「…もういっかい、聞きます、けどお…、」 絞り出すような声。 塞がれた両手が抵抗を許さないから、そのままの姿勢で。 「 これ 、何人くらいに、したんです、かあ?」なんの危険も感じていなさそうに振る舞う。 こわい。こわい。こわい。こわい。でも。…でも。 (-561) oO832mk 2023/09/26(Tue) 15:36:35 |
ダニエラは、笑っている。 (a29) oO832mk 2023/09/26(Tue) 15:37:02 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ頬に鋭く、痛み。 その衝撃で、眼鏡が飛んだ。 乱視の視界は、ぼやりと霞む。 「…あははっ」 怖いと叫ぶ心を怖くないと騙す。 そうして笑ってしまえば欠片も本心は表へ出なかった。 「マフィアに…売った?」 「【A.C.A】の情報を…、ですかあ?」 「…あははっ、ふふっ、ちょっとお、」 「あんま笑わせないで、くださいよお」 肩を揺らして、控えめにからころと。 ほんとうに可笑しそうに女は哂う。 しかしそれだけ。あなたの問いには、答えない。 (-573) oO832mk 2023/09/26(Tue) 16:43:31 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 歌い続ける カンターミネふにゃり、と柔らかな笑み。 それは確かに、声音に乗った。 「…うん。」 「 またね え、ミネ。」 その約束を守るためなら。 あと少しくらい、簡単に頑張れる。 (-575) oO832mk 2023/09/26(Tue) 17:00:11 |
![]() | 【影】 傷入りのネイル ダニエラいつか描いた、出来すぎた未来をまた描く。 Inutile piangere sul latte versato. …それなら、自分には何が出来るだろう。 細い穴に糸を通す。通していく。 心だけは、もう決めていた。 (&2) oO832mk 2023/09/26(Tue) 17:11:24 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 歌い続ける カンターミネ/* お疲れ様です。おさとうかえでです。 ご連絡わざわざありがとうございます! お迎え嬉しいです。ダニエラも嬉しいと言っています。 ただ本当に尋問真っ只中なのと、この尋問でやりたいことができてしまったらしいので、エピ後もしばらくお待たせすることがある…かも?未定です。 どちらにせよあとのお話はエピローグ後のdiscordにて、になりそうでしょうか。 (多分間に合わないので……多分。未定)(再放送) この度は大変、大変、大変、大変、お世話になりました。なっています。 先んじてこの場を借りて御礼申し上げさせていただきます。愛。 親愛なる 悪魔を着たプラダ様へ (-592) oO832mk 2023/09/26(Tue) 18:49:14 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオまた頬へ、鋭い痛み。そうしてじん、と。 触らなくとも、熱を持つのがわかった。 「だか、らぁ…っ」 ――喉の奥。生理的に零れた呻き声。 それでも女は口角を上げ。零れる声も、その色を保ったままだった。 こわくない。笑え。 「売りま、せん、よぉ…っ」 「結果を、見て、わかりま…せんかぁ?」 「――あた、しはっ」 かしゃり、手錠の鎖が鳴って。 「誰が、A.C.Aか、調べ…てえ…っ」 「その人たちを、みんな、逮捕しよおとした…んです、よおっ…」 あは、とまた喉から笑い声が落ちる。 そして。これは。 あなたの望んだ、真実だ。 (-623) oO832mk 2023/09/26(Tue) 20:45:57 |
ダニエラは、真実を、自白した。 (a33) oO832mk 2023/09/26(Tue) 20:46:12 |
![]() | 【秘】 傷入りのネイル ダニエラ → 幕の中で イレネオ「こおんな、」 でも。 まだだ。終わらない。笑え。 「悪用しやすい、法案」 「作る方が、悪いってえ…っ」 「だから、ぁ」 「一般人も、巻き込んで、やりまし…たぁ…っ」 口が回るうちに。 …もう機会は、ないかもしれないから。 「――言ってる意味」 「…わかり、ますかぁ…?」 けた、けた。些か力なく、喉が鳴る。 そして。これは。 嘘だ。 …けれど。果たして今すぐに、それを判断することはできるだろうか。 虚実の境を、見つめることはできるだろうか。 女はいう。 自分は確かに悪人であると。 法を利用し、嘲った、 愉快犯 であるのだと。 (-624) oO832mk 2023/09/26(Tue) 20:46:58 |
ダニエラは、嘘を、自白した。 (a34) oO832mk 2023/09/26(Tue) 20:47:11 |
ダニエラは、笑っている。 (a35) oO832mk 2023/09/26(Tue) 20:47:35 |
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