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![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 路地の花 フィオレ貴方が名を呼んでくれると安堵する。 内心で息を吐きながらも、やっぱりそういうことかとは納得して。 「──ぜんぜん! 大丈夫だよ、オレは。 今日も仕事元気にしてたし」 「今さ、ちょうどねえさんに連絡しようかなって思ってて。 だから電話来てうれしくもなって、さらに元気になったところ!」 「ねえさんも大丈夫そう? 困ってることとか、ない?」 (-388) mspn 2023/09/17(Sun) 1:30:43 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 無敵の リヴィオ迷路の中にいる、と。 貴方に指摘されて気が付く、ああそうなんだって。 出口が見えなくて、見つけられなくて、何が正しいのかよくわからない。 だからやっぱりだめなのかもしれないと過った気持ちは、けれどすぐ。 「────」 ……塗り替えられる。 落としていた視線を上げて、丸くさせた瞳に貴方を映した。 不可能ではないと言ってもらえたこと。 大丈夫だって、信じてもらえたこと。 そのどちらもがこの心を打ったから、今度はせり上がってきてしまいそうなものですぐに言葉を紡げない。 とはいえ目の前でみっともなく泣いてしまうのは情けなくて恥ずかしいから。 堪えた代わりに眉を下げて、なんとか笑えた。 [1/2] (-427) mspn 2023/09/17(Sun) 9:51:24 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 無敵の リヴィオ「……ありがとう、リヴィオせんぱい。 せんぱいに信じてもらえるの、うれしい、……です」 「せんぱいが言う通りにオレ、きっと迷路の中に居る。 一緒で、ずっと、誰かが望んだ道を歩んでるだけで。 なるところまでは来れたけれど…… 本当にオレはここに相応しいのかなって足元、ぐらついてた」 「居続けるのが正しいのかわからない、です。 でも、わかんなくても。 ……いつかせんぱいみたいになってみたい」 ラベルを貼れず形を掴めない。 そんなものばかりが埋め尽くす胸中にも、はっきりと見える心はある。 それは例えば、貴方へ抱く憧憬、だとか。 「そうなれるの、ずっとずっと先かもしれない、けれど。 その、よかったら見守っていてほしいってねだるのは……」 「……甘えすぎ、ですか?」 [2/2] (-428) mspn 2023/09/17(Sun) 9:53:44 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 月桂樹の下で ニコロ「ううん。 ……誰かに聞いてほしかった、んだと思います。 だからせんぱいが聞いてくれてうれしい」 つまりは告白はこちらの弱さでもあるのだと示しながら。 続く問いには瞬き、首を傾げ、それからうーんと悩む様子を見せた。 「…………」 「……悪いことは悪いことだって、割り切れて。 揺らがない信念のもとに動ける……ひと?」 それは己がそうあっていたい、と願う憧れも含んだ言葉ではあったが。 ひとまずは答え、どうかな……と貴方を窺い見た。 (-430) mspn 2023/09/17(Sun) 9:58:15 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「? はーい」 名前を呼ばれると本日の書類に向けていた視線を上げる。 いつもの雑談かなと思ったところ……どうやら表情を見れば違うようで。 だから席を立ち貴方の方へと駆け寄って行った。 「どうしました? オレ、何か失敗やらかしました……?」 貴方がそういう表情を浮かべていることは少ないから、過るのは悪い予感だ。 恐る恐ると尋ねている。 (-432) mspn 2023/09/17(Sun) 10:00:36 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡──ひとつ、袋を片手にまた喫茶店の扉を開ける。 この前会ったばかりだけれど用事ができたので足を運んだ。 なんていうのはただの建前で……こんな騒動の中。 貴方と顔を合わせて少し安心したかっただけかもしれない。 「にーさん、いる〜〜〜?」 呼び出した声はいつものそれとおんなじ。 また不在だろうか、くるり、店内を見回した。 (-434) mspn 2023/09/17(Sun) 10:05:05 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡電気が消えていた。 珍しいことだから居ないのかなとふと過るも。 ちゃんとカウンターにはその姿があって、瞬く。 なんていうか、うん……すごく、機嫌が悪そう。 どこか昔の貴方を思い出した、ぼんやりと。 「……お、お裾分け……」 貴方の癖を受け継いだ男は、何かあればこうやって渡しに来るので。 今日もその一環だったらしい、カウンターへと寄っていく。 袋をぽすんと置きつつも改めて近くから窺い見ては。 「…………機嫌悪そう、なんかあった?」 素直に聞いた。 (-440) mspn 2023/09/17(Sun) 10:38:38 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 月桂樹の下で ニコロ揺らされた指を視線で追う。 貴方が伝えてくれた答えには瞬き、そうして。 「正義は、個人の物差し……」 教えてもらえた考えを繰り返した。 数拍の空白を開ける間は瞬きを。 じきに動いた唇はひとつの疑問をあなたへと投げかける。 「……誰かを。 思いやりながらも、疑うんですか?」 この男は幼いころから、他人を信じ続けてきた。 疑いを持つよりも信じて裏切られた方がいい気がして、だから。 貴方の言葉の意味を少しでも飲み込めるようにと、問いの理由はそんなところ。 (-444) mspn 2023/09/17(Sun) 10:48:05 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡「なるほど……? お疲れ、大変だったんだな」 仕事がうまくいかなかったのかと納得。 貴方の素顔を久々に少し見つつも、普段通りの笑みが戻ればほっと安堵した。 「これは〜フルーツとお菓子! 職場のせんぱいがいっぱい果物貰ったんだって。 お裾分け貰ったんだけど食べ切れないから持ってきた。 キウイとかりんごとかざくろとか……」 とん、とん、とん。 カウンターに並べていくのは秋のフルーツ詰め合わせセットだ。 日持ちするなら自分でどうにかもちょっと考えたが、果物は傷みやすいので、と。 「で、こっちはオレが作ったクロスタータ。 苺のやつね、うまくできたからにいさんにもって」 次に袋から一切れ取り出したのはラップで包んだ苺のクロスタータ。 最近せんぱいに菓子作りを学んでいるのは貴方にも伝えていたことだろう、ようやく食べてもらえそうな出来になったのでこちらも渡したかったらしい。 並べてから満足気だったが、ふと味気のないパンを食べていた姿を思い出した。 「……味は甘いかも、食べられるかな、にいさん」 (-447) mspn 2023/09/17(Sun) 10:59:14 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラご、ごくり……。 せんぱいから怒られることは、まあままあるのだが。 同じ階級の貴方から何か……というのはないので。 緊張したのも束の間のこと。 「……あ、あれ?怒られるわけじゃない?」 拍子抜けした様子で瞬き、それから。 「!!!」 "お手伝い"と聞けば分かりやすく表情を明るくさせた。 「よ〜やく決まったんですか? なになに?オレができることならなんでも!」 (-449) mspn 2023/09/17(Sun) 11:01:44 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 路地の花 フィオレ「オレだってそうだよ、ねえさんのことがいっつも心配」 いつものように気遣ってくれる言葉が胸に染み渡る。 電話越しに伝わる声は喜色を帯びたものだと、そちらにも伝わることだろう。 ただ届いた不安を耳にすれば表情を引き締めて。 「……そんなこと、ないのが一番だけどな。 でもどうなるのか全然わかんないもんなぁ……」 「えっと、オレも空いた時間は様子見に行くようにするよ。 ちょうど持っていったらいいかなってものもあったし……」 貴方は変わらない、昔からずっとそうだ。 子どもたちを大切にして、愛してくれる。 そんな貴方がいるから今の自分が居るのだと、改めて噛み締めるような思いを抱きながら。 すればなんだか顔が見たくなってしまったものだし、元より用事もあったことだから、と続けた。 「ねえ、フィオねえって今どこにいる? ちょっとだけ会えたりしないかな、渡したいものあって。 ただのお裾分けなんだけどさ、にいさんには渡したからねえさんにもって思ったんだけど……」 (-450) mspn 2023/09/17(Sun) 11:09:10 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 月桂樹の下で ニコロ男は黙って、真剣な表情を浮かべ、貴方の言葉に耳を傾けていた。 聞き落とさぬように、聞き零さぬように。 その内容は今の自分に足りないものを示してくれている、と思ったから。 「……だから。 思いやれて疑える人が、警察に向いている」 貴方の説明に唱えたい異はなかった。 聞き終えた頃には心から納得して、腑に落ちていた。 「独裁者には、なりたくないです。 今みたいなのはいやだって」 「でもオレ、割となんでも信じがちで。 ……今からでもせんぱいが言うみたいな。 向いているひとには、なれるのかな。 疑い続けるのが癖になったら、今度は信じるのができなくなりそうで……」 弱音ばっかり吐いていてよくないな、とは思うのだけれど。 つい落ちてしまった、情けないなとは頭の片隅に。 (-464) mspn 2023/09/17(Sun) 12:35:02 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡「オレだって大人だけど……?」 聞き捨てならなかったのでついそれだけは異を唱えつつ。 フルーツには興味を示してくれているようだからよかった、と微笑んでいた。 しかしクロスタータに対しての驚愕の声にはびくっと肩を震わせて。 ……なんだかそうやってまじまじと眺められると恥ずかしいんだよな。 「うん」と頷きと共に返した声は小さく、少し視線が逸れていたが。 「……ゎ、」 髪をぐしゃぐしゃに撫でられてきゅっと目を瞑る。 いつものそれよりも力強くて……痛い。 「ほ、褒め過ぎだって! まだ見た目くちゃってなってるし…… あと髪取れる!ちょっと痛い!」 声を荒げたのは照れ隠しも込みだ、むす、と頬が膨らんだ。 でも嬉しいのも間違いないから忙しない感情に顔に熱が灯る。 貴方の顔は真っ直ぐに見られないまま、ぼそぼそと付け足した。 「……なんか大変だったみたいだし。 息抜きにでも食べて」 (-465) mspn 2023/09/17(Sun) 12:42:46 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「うんうん!」 困ってること、があるのはよくないが。 それでも手伝えることがあるのは嬉しいから前のめりだ。 「……お友達、ですか? ええっと、そういっぱいってわけじゃないけど。 いるにはいます」 「友達じゃないけれど繋がりって意味なら。 多いところもある……かな」 貴方の頼みごとにそれらが何の関わりがあるのかは分からないが、素直に答える。 前者は警察じゃなくても遊びに行く家族のような人や、友達は確かに居るしの意味。 後者は出自からスラムや養育院にはよく足を運ぶから、顔見知りは多いの意味。 「それがどうかしました?」 こてんと首を傾ぐ。 何にも気が付かないまま。 (-466) mspn 2023/09/17(Sun) 12:47:24 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 月桂樹の下で ニコロ「ニコロせんぱい……」 ぽんぽんと肩を叩かれながらも貴方の瞳を見つめる。 自分ではなれるかどうかなんて、全然想像がつかない。 それでもせんぱいはそうやって言葉にしてくれるから。 「……はい」 例え未来が上手く見えなくても、教えてもらえたこと。 貴方の言う通りたくさんの言葉を聞く必要があるのだと。 その行為を通して見えてくるものはきっとたくさんあるのだ。 今教えてもらえたみたいに。 「ありがとうございます。 ……へへ、なんかそういわれるとちょっと照れるかも」 「今日はニコロせんぱいに色々話聞いてもらっちゃった。 すみません、折角の休憩中なのに。 でもオレ、話せてよかったです! なんかちょっと、すっきりしたっていうか」 いつか貴方みたいに、己も誰かにアドバイスできる日が来るだろうか。 来たらいいなと思う、だから今はその為に一生懸命を尽くすしかないのだろう。 「そろそろ時間終わりですよね? ……途中まで着いていってもいいですか?」 (-482) mspn 2023/09/17(Sun) 14:22:37 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「蟹の次は果物が……?」 以前貴方が話していたPapà gambalungaの新しいお届け物だろうか。 しかし冷蔵庫が蟹で埋まっているとなればそれは大変だろう。 だって果物は傷みやすいし、と。 何も疑わない。だから。 (-487) mspn 2023/09/17(Sun) 14:36:32 |
ニーノは、笑って頷いた。 (a24) mspn 2023/09/17(Sun) 14:37:07 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「──任せてください!」 「それぐらいならお安い御用……っていうか。 お手伝い権なくても手伝うぐらいですよ。 いっぱい届くとほんと大変ですもんね〜」 職場に持ってきているのだろうか。 それとも大量だって言うぐらいだから家に置いたままだろうか。 そんなことを考えながらも男はただ。 「あ、ちょっとだけオレの分も貰っていいですか? 家族も食べるかなって思って……」 貴方に頼ってもらえた事実に、嬉しそうにしていた。 (-489) mspn 2023/09/17(Sun) 14:39:12 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 無敵の リヴィオ「────」 ……あ、やっぱだめかも。 過った次の瞬間には一滴だけ零れてしまった。 だってあんまりにも貴方が真っ直ぐに、己を信じてくれるから。 「……ぁー……」 大丈夫の一言を貰えるだけでこんなにも安堵する。 見守ってくれる誰かがいるというだけでこんなにも幸せに満ちる。 己の為にと贈られた言葉ひとつひとつを胸の内、大切に抱きしめながら。 ぐしぐしと目元を擦り、顔を伏せながらも声を絞り出した。 「……せんぱい、だいすき」 ありがとうの方が先だったかもしれないとは形にした後に。 だから次いで震えた声で「ありがとう」もちゃんと伝える。 そうして顔を上げればまだ少し潤む瞳を細め、それでもにっと笑った。 「──へへ。 せんぱいのお陰で明日からもがんばれそー……です! ね、オレ、無敵のナンバーツー目指すんで!」 もちろんナンバーワンは既に無敵の貴方だ。 そんな軽口を叩けるぐらいどこか心が軽くなった男の声に、沈んだ色はもう無かった。 (-491) mspn 2023/09/17(Sun) 14:59:44 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 月桂樹の下で ニコロ返される笑みにこれまでの会話が貴方にとって重荷になっていないと知り、安堵した。 最後にもう一度墓石を撫でてから立ち上がり、変わる表情には肩を揺らし笑って。 「はい、オレもすっかり忘れちゃうところだったけど。 見回り再開します、今日の仕事はそれだから」 「せんぱいのお陰でさっきよりもちゃんと、皆のこと見て歩けそう」 だからと感謝をもう一度伝え、そうして貴方と共に歩きだすことだろう。 伝えた通りに道の途中までは一緒に、道中は他愛ない会話を添えて。 別れるときはまたハーモニカ聴かせてくださいね、なんてねだってから駆け出していく。 遠ざかる背がしゃんと伸びているのは、貴方がくれた元気のお陰だった。 (-502) mspn 2023/09/17(Sun) 15:53:24 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ覚悟してて、なんて言葉にはくすくすと笑っていたが。 「は〜い」なんて間延びした声も呑気に返していた。 そうして定刻後、声を掛けられれば待ってましたと言わんばかりに近寄る。 そのまま二人で貴方の家までを歩いて行くのだろう。 朝に比べれば少しマシなようには思うが、それでも街中に漂う緊張感は変わらない。 道中に交わす会話は普段通り他愛ないものと、それから。 「──そういえば本当にこうなっちゃいましたね。 やっぱり現実になると、少し無理矢理すぎるなって思うから……その内少しでも落ち着くと良いんですけど」 貴方にだけ聞こえる声でそんなことも呟いていた。 (-505) mspn 2023/09/17(Sun) 15:59:24 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 無敵の リヴィオ頭を撫でられると反射でつい目を瞑ってしまった。 それもすぐに開けて、己が目標として憧れる貴方の顔を見つめる。 未だ未熟な心はすぐに揺らぐ、視野だってきっと広くはない。 それでも与えてくれた愛情を躊躇いなく受け止める術だけは十分に知っていたから。 「リヴィオせんぱいに期待してもらえるなら、 がんばらないとなあ」 綻ぶ口元はふにゃりとした柔らかなもの。 ほんのちょっぴり、自分からも撫でてくれる手に擦り寄るように頭を押し付けたりしていた。 そんなやりとりがちょっと落ち着いた頃に、すっかり冷めきったパネッレをひとつ摘まんで。 「ご飯こうやって一緒に食べれて、うれしかったです。 でも今日は雨降るんだっけ……そろそろ食べ切らなきゃかな」 もそ、と口に運んで咀嚼し、後にオレンジジュースも飲み切る。 食事を片付けていく途中、ちらっと貴方を見上げた男は本日最後のおねだりを。 「ねえリヴィオせんぱい。 オレがんばるけど……また、もし。 ちょっと下を向きそうになったら、せんぱいに甘えても良いですか?」 「そうじゃなくても、またせんぱいの話色々聞いてみたいし…… ごはんとか……こう……」 いいかなあって、向けているのは期待を込めた瞳だ。 (-512) mspn 2023/09/17(Sun) 17:03:39 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「パオロさん……そんな風には見えなかったんですけど」 少しだけ視線が落ちそうになる、のを堪えた。 ふるふると軽く首を横に振ってから、貴方の言葉に耳を傾けつつ。 顔を覗かれて笑みを見せてもらえれば、少し眉を下げて笑う。 「心配してくれていますか? ありがとう、ダニエラさん」 「そうですね。 ……前話したときはもう、深く考えなくていいかもって思ったんですけど」 貴方なりの励ましの言葉だと、男は勝手に受け取っている。 だからこそ素直に頷けないことにほんの少しの申し訳なさを感じながら、それでも抱いた感情を言葉にした。 込められている意図も今は、見える筈もないから。 「簡単に答えが見出せなくても、やっぱり考えていたくて。 人を思いやること、信じること、疑うこと。 全部大事だってせんぱいが教えてくれたんです。 法律が絶対に正しい訳じゃなくて、そこを疑うことをやめたら……ただの独裁者になってしまうって」 「すぐにどうにかできることじゃないかもしれないけど。 ……考えて、オレなりの答えを見つけて、できることがあるならしたい。 ただの下っ端が何言ってんだ〜って感じですけどね」 気恥ずかしそうに頬を掻いた。 (-513) mspn 2023/09/17(Sun) 17:08:03 |
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![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ貴方の答えを受け取り、それに返答を返す前。 尋ねられれば瞬いて不思議そうに。 「? どうして?」 そうは思わない、は既にその声音に表れていた。 「身を守るのは大切だし立派なことですよ。 無謀に動くより、ずっと」 「ダニエラさんが自分を大事にできているってことじゃないですか」 それほどの価値を自身に見出せている証左に他ならない、とも。 だから今度はこちらが貴方の顔をそっと覗き込んで、笑った。 「なら、オレは嬉しいです。 きっとお母さんだって……は、決めつけすぎかな」 でもそう思いますよって、表情に暖かさを滲ませて。 (-533) mspn 2023/09/17(Sun) 19:07:20 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 黒眼鏡ぜ〜〜〜ったい思ってないなこれ……なんて考えていたわけだが。 次いでがっしと抱え込まれた後── 「──いだだだだッ!」 悲鳴が上がった。昔から変わらないやつ。 「ちょッ、痛いって、嬉しいんじゃないの!? 悪いことしてないだろ!もー!」 「身だしなみぐらい気を付けるし!大人だもん!」 どんな思いが声にその色を滲み出させているのかわからなかった。 顔を見られたらもう少しわかったのかもしれないけれど、叶わないので。 とりあえず今は突然のヘッドロックに抵抗するべく、腕辺りをべしべしとしながら「ぎぶぎぶぎぶ!」と喚いている。 (-535) mspn 2023/09/17(Sun) 19:13:04 |
![]() | 【鳴】 陽光の元で ニーノそそそ……と貴方にグラスを戻しながらも。 「エッ」 ケロっと明かされたネタ晴らしにはそんな声が出た。 飲む前に言わなかったのはつまり、とほんのちょっぴりじっとりとした視線を向ける。 「も〜〜〜……揶揄ったな? ロメオさんが悪い大人だなんて思ってないけどさあ〜。」 それでもびっくりするのはびっくりするから唇を尖らせて。 「というかなんでそういうの知ってるの? もしかして常識……?」 オレが無知すぎるだけか……?と零しつつも自分のカクテルにも口をつけてみる。 口内に広がったのはお酒とは思えないほどの、甘さ。 やっぱり度数はきついのだけれど先程のよりは飲みやすい感じがして、「デザートみたい……」を呟いていた。 (=5) mspn 2023/09/17(Sun) 20:23:03 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 日差しにまどろむ ダニエラ「うん、聞いてみてください」 死者は何も語らないけれど。 それでもこちらから語り掛けるのは自由だから。 貴方が思い浮かべている姿が、母ではなく違う誰かであることも知らないまま。 あ、そろそろ着くんだなと思えばてくてくとこちらも大人しく着いていって。 「はーい」 返事をしつつも扉の間から見えた部屋。 段ボールがたくさんあって、あれがもしかして……?と首を傾ぐ。 それなら一人で処理しきれなくて大変だろうと納得もの。 出来る限り持っていこうだなんて考えながら、貴方が戻ってくるのをのんびりと待っている。 (-555) mspn 2023/09/17(Sun) 20:25:42 |
![]() | 【秘】 陽光の元で ニーノ → 無敵の リヴィオ感謝を伝えられると、ああ誘ってよかったんだなって思えて。 甘えることを許されれば、向ける好意は膨らんでいくもの。 差し出された手には少しばかり驚いて瞬いていたが、それでもすぐ。 喜色に満ちた満面の笑みを浮かべれば── 「……はい!」 ──指先を伸ばし、重ね、その手をぎゅっと握った。 ……その後は、ゴミをきちんと片付けてから共に歩く。 真面目な話を多くしたから、帰路の道中は他愛のないものを。 例えば明日せんぱいが着けてくるピンの予想とか。 例えばねこって好きですか?とか。 話していればあっという間に分かれ道の場所。 最後は手をぶんぶんと振りながら別れたのだろう。 そうして一人、家へと向かって歩いて行く最中。 貴方から貰った信頼と勇気を忘れぬよう。 胸の内で大丈夫を繰り返し、ずっと抱きしめていた。 (-562) mspn 2023/09/17(Sun) 20:42:03 |
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