48 【恋愛RP】映画のおともにポップコーンはいかが?【R18】
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| ─ ある朴念仁の失恋 ─
[如月大学に入り、それから映研に入った。 もともと映画が好きだということもあったし、他にこれといったものもなかった。
入部してすぐに、今と変わらず映画作品に対する造詣には定評があって、そういう方面において一目置かれていた。 そして知識や蘊蓄は、それに興味のある人にとっては魅力的に見えることもあるのだろう。]
「付き合おうよ」
その子のその一言で二人は恋人関係になった。 以前よりよく一緒に映画を見に行くなどはしていた。下心とかはなかったのだけど、そう、相手は“勘違い”した。
だけど付き合い始めて二人の関係にほとんど変化はなかった。 自分は相変わらず勉学と映画ばかり、だけどその女の子はもっと他のこともしたいと言い始めた。 映画ばかりでつまらないと、映画以外には無いのかと。そんなことは付き合う前からわかっていたのではないのかと思ったが、恋人関係という以上、彼女の要求を受け入れた。
そうして間もなく別れを切り出された。 “一緒に居てもつまらない“ それが理由、単純明快、わかりやすい理由に納得しかなくて、あっさりと首を縦に振ったら大層怒られた。
映画にもありそうな場面だったが、当事者になってみるとこんなにも面倒なのかと思った。
そんなようなことが二度もあれば、興味も失うというのも致し方ないのではないだろうか。 きっと、そう。
恋を失うと書いて失恋だ。 だけど、そもそも恋をしていたのだろうか。 恋人はいたのに、恋をしたことはない。 そう思えば安いラブコメディが出来上がりそうだ。]* (1) 2020/11/11(Wed) 0:01:20 |
| (a0) 2020/11/11(Wed) 0:03:56 |
| ─ 朝 ─
ふぁ〜あ。
[欠伸混じりに部室へとやって来た。 流石に朝は寒いが、防寒さえしていればさほど苦にはならない程度。 だけど、季節は確かに秋も終わりに向かっていた。]
おはようございます。
[この時間、他の部員に出会うことはあまりない。 コートを脱いで掛けると、さっそくDVDの棚を物色し始めた。目当ての何かがあるわけではなかったが。]* (6) 2020/11/11(Wed) 0:10:18 |
── 愛すべきB級映画 ──
[ある日の映画研究会。
周りの迷惑顧みず、私は今日も一押し映画を持参したのです。]
『ギャラクシークエスト』
とてもとても面白いB級映画なんです。
B級のふりしたA級映画なんです。
スタートレックのオマージュ作品のような、ギャラクシークエストと言うテレビドラマシリーズが昔あって。
主人公達は、その成功だけで20年食いつないでる役者さん達なんですけど。
ある宇宙人が、そのドラマを歴史ドキュメンタリーと勘違いしてしまうんです。
『嘘』の概念が無いから、史実だと思っちゃうの。
そうしてドラマを参考にして作られた宇宙船で、本物の宇宙人と戦いに挑むことになる…………
登場人物に愛すべきオタクが多くてね。
本当に面白いの!是非見てください!!
[以前話した邦訳
もこの映画の台詞です。*]
| なんですかこれは……
[思わず絶句した。 B級といえばそうなのだけど。 ゾンビに囲まれてたと思えば、どのからか取り出したバズーカをぶっ放したり、かと思えば突然サメが襲って来てチェーンソーで滅多切りにしている。]
……朝イチで見るものではないです。
[インディーズだろうか。 支離滅裂な展開と破茶滅茶な設定。 どこ産の作品かもわからないそのパッケージには──
ホラー映画『サイファー』
と、書かれていた。 何だろう、頭が痛くなって来た。]* (13) 2020/11/11(Wed) 0:22:17 |
| おはようございます、井田くん。 すでに一つ見たのですが。
[あまりの酷さに途中で見るのをやめてしまった。 口直しの様な感じでまともな何かを見ようと再び棚を漁っていたら珍しい顔があった。]
僕はよく居ますけどね、朝。 どうしたんですか?
[珍しいのは井田の方だ。]* (15) 2020/11/11(Wed) 0:27:25 |
─ ギャラクシークエスト ─
前々から思っていたのですが。
高藤のチョイスは変です。
[当たりも有ればハズレもあるのは仕方ないとして、一体どこから選んでくるのかという作品なのだ。
かと思えばメジャーな作品も出してくるから趣味の幅が広い。]
よくそのチョイスで面白いのを拾ってこれますね。
[一応念の為に言っておくと、褒めてるつもりではあった。]*
― 愛すべきB級映画の世界 ―
これ、たしかティム・アレンが主演してるんだよな。
B級もC級もZ級も、妙なスマッシュヒットが埋まってるから侮れないんだよ。
[よくもまあ、こんな作品を選んできたよね、高藤さんも。
しげしげとパッケージを見ながら、どういうセンスで選んでるのか少し考える。]
これが楽しめるなら『デス・レース2000』とかも楽しめるかもね。
たぶん才能がないと無理だけど。
[B級映画の一種の極北と呼ばれる作品だ。なお内容は不謹慎の頂点。*]
| そうですか。 いえ、僕はいつものコーヒーでいいです。
[電気ポットに作り置きしたインスタントコーヒー。 香りなんてものは飛んでしまって苦味と酸味ぐらいしかない、コーヒー好きには飲めない代物。 ボタンを押してジャーとマグカップに注ぐ。 湯気が立ち上って温かさだけは本物だった。]
そういえばさっき何か入れてました?
[いつの間にか設置されていた冷凍室付きの大きめの冷蔵庫。誰がおいたのかはわからないが、何のためかはよくわかる。]* (19) 2020/11/11(Wed) 0:40:40 |
映画はレンタル屋さんで、手書きのポップでお勧めされてたから借りて見ました!!
ワクワクするのが好きなだけです。
古いのも、新しいのも、B級も、A級も。
見てる時、ワクワクするのが好き。
[台詞はでした。]
── 愛すべきB級映画 ──
[知らないのがでてきたなというのが率直な意見である。]
相変わらず解説とか色々いえてしまう先輩がたの知識の幅広さよ。
[浅瀬で楽しめる性質だが、別に映画を見るのは直感でいいので聞き専には楽な環境だ。]
でも話聞く限り面白そうだな。
[すれ違い、勘違いから生じてしまうコミカルでシリアスなのだろうか。そんなことを思いながら上映されるのを呑気に定位置でみている勢であった*]
| そうなんですか。 鍋も馬刺しも美味しそうですね。
[何た言ったが、この男は食に無頓着だった。 面倒が続けば一週間毎日マックとかやりかねないほどに。]
井田くんは調理できないんですか?
[素朴な疑問。 自分が扱えない食材を買ってきたのだろうかと。 と言いながら『サイファー』を取り出して、新しいディスクを入れる。
入れたのは車で無茶苦茶するシリーズの最新作。 元プロレスラーのハゲと、世界一かっこいいハゲが悪に立ち向かう作品だ。]* (28) 2020/11/11(Wed) 1:00:58 |
| おはようございます、高藤。
[ちょうど『スーパーコンボ』をセットしたところで高藤がやってきた。]
今日も元気ですね。
[当たり障りのない普通の朝の挨拶。]* (29) 2020/11/11(Wed) 1:02:52 |
| そうなんですね。
[社交性も高く、ストイックで気もよく回る。 同じ男として嫉妬、は覚えないがいい男だと思う。]
井田君はなぜ彼女がいないんですか?
[疑問に思ったのでどストレートに投げつけた。 井田ならこっちのこともよく知っているて、面倒な反撃はこないし。 スピーカーからはテンポの良いヒップホップが流れていた。]* (33) 2020/11/11(Wed) 2:24:52 |
─ ポルノ映画 ─
[日活ポルノやピンク映画の話題が出た少し後、一つの作品を見つけ、それを“面白い”と思い購入した。もちろん部費で。
『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』
恋愛映画とされるが、実質的にポルノに分類していいと思われる。実際、映倫のレーティングでは「R18+」だ。性的倒錯、愛情と契約、支配と従属、他人への要求と受容、その限界。そして葛藤。
青年実業家のグレイ、そして女子大生のアナ。
二人は惹かれ合うが、徐々に性的倒錯を抑えられなくなるグレイ、アナもまたその倒錯に染まりつつもその全てを受け入れることができないと、互いを受容することの葛藤に苦しんで行く。
グレイは言う「自分には50の歪み(fifty shades)」がある、と。
比較的人の少ない夜。
犬鳴は、ジっと真剣な眼差しでそれを観ていた。]*
| ─ ある日の自室 ─
[とある人物の伝記的作品を二つ観た。 一つは『Jobs』 もう一つは『Steve Jobs』 Appleの創業者スティーブ・ジョブズの映画だ。
前者は2013年に公開され、バタフライエフェクトの主演を務めたアシュトン・カッチャーがジョブズを演じている。 Appleの創業から追い出され、そして復帰するまでを伝記的に描いている。何よりこの映画のすごいところはビジュアルだ。ラストのクレジットで役者と本当人物が並べられるのだが、これがよく似ている。 初めて観たときはアシュトン・カッチャーがイケメン過ぎるのではと思ったが、若いジョブズは全然負けていなかった。 なお、Apple関係者からは「もっとくずだ」と不評であった。
後者は2015年に公開され、原作はジョブズや関係者に取材して製作された伝記「スティーブ・ジョブズ」で、Apple関係者からはかなり実像に近いと評されていて、実際見比べるとこちらの方が格段にクズである。
どちらが面白いから賛否分かれるところだろう。 前者はエンターテイメントとして見る分にはいいし、伝記として見るなら後者ということになる。]
どのみち。 “クズ野郎”ですね。
[だが、世界で最も偉大な経営者の一人であった事実は変わらない。]* (34) 2020/11/11(Wed) 3:10:49 |
| ─ いつか >>35 ─ [何があったのかはわからない。 挙動不審な山田が、いつの間にか泣き出していた。 まさか“犬の字何かした疑惑”なんてことになってるとはつゆ知らず、ただ、山田が井田に甘える仕草にほっと胸を撫で下ろす。 それが自分である必要はない。 誰も知らず苦しんでいる人も、感動の涙に濡れている人も、意味もわからず混乱している人も、誰かの手が届けばいい。 そうと分かれば、山田から視線を切ってコーヒーをひと啜り。今日も映研の平和は保たれている、なんてことを思っていた。]* (36) 2020/11/11(Wed) 3:45:06 |
| ─ いつか >>37 ─ [だからそれは少し驚きだった。 甘えさせる先輩、甘える後輩、なのに山田が突然駆け出したから。] 井田くん。 ……法学部、呼びますか? [思い切り誤解した。]* (39) 2020/11/11(Wed) 4:17:35 |
| おはようございます、わかちゃん。
[今日は朝から人がやってくる日だ。 天音も何やら冷蔵庫に収めているし、意外と大人数になるのかもしれない。]
いってらっしゃい。
[そうして忙しなく出て行く天音を見送った。]* (42) 2020/11/11(Wed) 5:39:11 |
── 回想・男子部員に聞いてみた ─江藤犬鳴
物語って感じじゃないのか…。
情緒もない。
うーん、やることだけやってる感じ?
それにしてはものすごい作品数だよね。
[レンタルショップの一角がそのコーナーなのだから。
それを思うと、それだけ人の好みがあるということだろうか。]
ふうむ?それを、映画館で上映できる仕様にしたのがロマンポルノでありぴんくえいがなのかなあ。
[謎は案外深まっていく。]
って、冗談なんですかー!
ちぇー、一緒に来てくれると思ったのにー。
[ちょっとドキッとした分損した気分だ。
だがしかしまあ本当に行ったとして、気まずい気持ちになるかもしれない。それを思うとどうなんだとも思うし、痴漢の言葉には口をへの字に曲げた。]
いや、1人では流石に。
痴漢…やだなあ、わたし映画のキスシーンでカップルがいちゃつくのとかもイラッとするんですよね、割と。
[過去の自分の事はさておき、やるなら映画を見終わってからしていただきたいものだと。
しかし、そうだ。まだ井田がいた。]
井田先輩……?
[両手を胸の前で組み合わせて上目遣い。
期待してますビームを送ろう。]**
── 回想・男子部員に聞いてみた ─胡桃塚
[まちがいない。
自分はパニック映画で真っ先に死んでいくタイプだし、誘拐犯にだまれ!と言われても「でもー!だって!!」と叫んで頭撃たれて死ぬタイプだ。
鉄筋の橋を全力で踏み抜きながら歩くタイプ。]
ちなみに胡桃塚くんは、箱でやってたらそれ観る?
[そしてこれも素朴な疑問なり。]**
── 愛すべきB級映画 ──
B級のフリしたA級…?
[後輩が持ってきた映画について、首を傾げていると丁寧に映画の解説が入った。
でも確かに、映画で演じているという設定で本当に起きる、というのは面白いかもしれない。
映画で俳優、という設定も。少し古い映画みたいだが]
── 回想・男子部員に聞いてみた ─
菊波
[頭で考えるより先に口から質問が出た。
こんな感じで、ワイワイと雑談は続いたのかもしれない。]**
── 回想・男子部員に聞いてみた ─
ええっ、見ぃひんですよ。改めて襟整えて見に行くのも…
てことなんで行くなら井田ちゃん先輩と行きはってくださいね
[改めて異性の、先輩からそういう話を振られるのは照れくさくて慌てて否定する。
実際は、好奇心で見に行く可能性もなくもない気はするが。
素朴な疑問、好奇心とは露知らず。
連れてかれてはたまらないと井田ちゃん先輩にボールをお渡ししておいた。*]
── 愛すべきB級映画 ──
愛すべきオタクって、映画だとめっちゃカッコよくならない?
[映画を見て、その後の感想戦の中。
一つのことに秀でたオタクはその中で力を発揮するシーンが多い。
高藤の言葉にうんうん、と頷いた。]
そういえばわたし、あんまりB級の範囲が分かってないかも。
気になったから見る。面白かったらまた見る。
そう言えばみんなの中で残念だった作品とかある?
わたしは結構期待して見たラブリーボーンが期待外れぇ…と思ったことあるなあ。
監督もピーター・ジャクソンだったし、全体的に綺麗ではあったんだけど。
[14歳の少女が何者かに殺される。
それをきっかけに少女の家族が崩壊していくのを少女は天国から見守り、声をかけ続けている。
のだが。冒頭で犯人は丸わかりである。
よって推理要素がなく、家族の悲痛な姿を観客はひたすら見守る。
そして、オチで「ええええええ」と声が漏れた。これは、納得がいかないオチであった。]
B級ってあれかな。こってこてってこと?
[B級グルメを思い出しながら首を傾げた。]**
― 回想・どうしてこうなった ―
そんな上目遣いしなくても。
行きたいっていうなら女性のお願いを断るほど野暮じゃないよ。
[お願いの内容がそもそも野暮というのはこの際流しておこう。]
ただしはぐれたりするなよ。どう考えても女性客の少ないところだから。
小鳥遊は見た目もいいんだからなおさら。
[たいていろくなことにならない気もするが、まあ行きたいなら別にいいか。*]
── 回想・そこに疑問があったから ─
わーいやったー!
わたしの見た目は兎も角、アレですね。男装していきますかね。
本気の男装を検索しておきますね!
[きっと男女と丸わかりの状態で行くより良いだろう。
世の中にはNTRというジャンルもあるのを知っている。
男女だからこそちょっかいを出してくるようなのがいたら堪らなく嫌だ。
しかし虎穴に入らなければ虎児は得られぬのだ!]
じゃあ、先輩が面白そうだなと思った作品、連れてってくださいね!
わたしはよくわからないのでそこはお任せします!
[その約束がどうなったか。
ウキウキして男装について調査していたのだけは事実だ。]**
― 回想・男子部員に聞いてみた ―
え、そりゃ―――で、―――とか
[以下映画ではない談義であった都合上音声はカットされました。
そんなある日の質問された日のことでした**]
── これはポルノ映画なのか ──
[犬鳴が部費で買ってきた作品。
人が少なめの部室で、それを真面目な顔で見ていたのだ。
少し眉を顰めているのは、なんというかヒロインであるアナに軽くイライラしていたからである。
人はこんなにも恋に溺れるものだろうか。
溺れたとして、アナは少し愚かすぎないか。
これが、原作が億を超えて全世界に売れてる官能小説らしいから、きっと世の中にはこういうのを求めてる人が多いのだろう。]
むぅ…。
[根底にあるのは純粋なラブストーリーだとは思う。
そしてこのエンディングは個人的にどうにもすっきりしない。
続編もあるというが、と唸っている。
結局、途中「わぁお」と思うシーンもありはしたが、真面目に見入ってしまっていたのだった。]**
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