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【人】 聖杯のジン ナディル話したいことがたくさんあるのに 何も言えなくなったり 伝えたいと思うこととは 真逆の言葉を口にしてしまったり そんなふうに、 自分を上手く制御できないことがあるなんて。 煉獄に堕ちなければ きっと知らないままだった。 (5) kintoto 2021/09/20(Mon) 22:55:59 |
【人】 聖杯のジン ナディル>>5 長い沈黙のあと、 やっとのように伝えられた懇願とともに 目の前に差し出された サーリフの白い手を見つめながら、 ナディルはずっと抱いていた疑問の 答えを探していた 「あのさ……俺はさ。 別にこんな鎖があろうとなかろうと 地上になんか戻りたくないし サーリフが何を言っても言わなくても それは変わらない。 俺が俺で在れるのは煉獄だけだ。」 サーリフはそれを聞くとふにゃあと力を抜き、 あからさまに安心した顔を見せた。 (6) kintoto 2021/09/20(Mon) 23:01:14 |
【人】 聖杯のジン ナディル「でもそうじゃなくてさ……」 膝の上に落とされたサーリフの手に そっと…本当にそっと触れて、 自分の掌に載せるように掬い上げる。 「俺の願いはお前の願いだって言ったよな?」 俺の願いがなにか、サーリフは知ってるのか? サーリフの願いがなにか、俺は知らない。 サラに戻りたいとかそっちじゃなくて…、 なんでお前は俺を導きたいの? [パス] (7) kintoto 2021/09/20(Mon) 23:02:50 |
【人】 聖杯のジン ナディル── 『キミと共にいたいから』 本気で言ってんのか?って思ったけど、 頬に指先が触れて、それで。 ちょっと温いその手も外側から包むように握った。 「あのさ……、」 言いかけて、 サーリフの俺を覗き込むような視線を避けて 目を逸らす。 「それがサーリフの願いなのか?」 ──なんでお前はナチュラルに俺もそうだって 思ってんだ? とか ──『サーリフの一番が俺』じゃなくて 『俺の一番がサーリフ』なのはなんで?? ずるくねそれ?? とか ──だいたい俺がサーリフを放っておいたんじゃなくて 逆だよな??? とか 諸々言いたいことはあったが飲み込んだ。 (13) kintoto 2021/09/21(Tue) 6:22:41 |
【人】 聖杯のジン ナディル「俺はお前に『導かれたい』と思ったことはないよ。 『導く』のも『導かれる』のも、もう要らない。」 ……俺はそんなに変わったんだろうか。 少なくとも『サーリフに望むこと』は あんまり変わってないと思うんだが。 サーリフはなんだか少し神妙な面持ちで 俺の言葉を待っている。 そうして黙っていれば、 ちゃんと天使らしいのに。 けれど天使らしく在ろうとする故に 懸命にもがいて滑って転ぶ、飛べない片翼の姿は 地上での俺の姿に重なった。 「………堕天しないか?」 翼なんかラナーにあげてしまえばいい。 煉獄に居るなら要らないだろ。 誰の目を憚ることもないはずなのに ごく密やかに頬を寄せて、 俺はサーリフの耳に囁いた。 [パス] (14) kintoto 2021/09/21(Tue) 6:23:42 |
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