201 【身内】甲斐なき星の夜明け前
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| [心配をかけていたのは分かっているから、 大仰なリアクションにも驚くことはなかった。 >>11 別段何かに期待して、 母の作ったクマのぬいぐるみを持ち続けていた訳ではない。 今のこの部屋に引越す際に、 これを機会に捨てようとしたが、 敢え無くそれは阻まれた。 オレには前髪で隠れた部分に、 変わった配置のほくろがあるが、 それと同じく、 身分証として持っていこうかと思ったのだ。] (14) 2023/02/19(Sun) 18:10:28 |
| [ 絶対についていく! と固い決意をしているのを見て、 >>13 やっぱりそうなってしまうよな……と思った。 誤解を避けられるか分からないけれど、 これには誠心誠意お願いする他ない。] 善意なのは分かっている。気持ちは有り難い。 だが、今回は遠慮して欲しい。 (15) 2023/02/19(Sun) 18:11:12 |
| まず、話し合いの席に着くことに関してだが、 これは絶対にやめて欲しい。 オレたちのような闇落ちした戦士と違って、 一般人の場合は 自分が敵の支配を受けて戦った記憶はなくなる。 オレは装備品になっていたから、 向こうは認知していないけど、 君は直接戦ったんだ。 記憶の残滓が眠っている可能性がある。 あれから時が経っているから記憶はきっとないだろう。 でも、あの時戦った人間の顔を見て、 記憶がフラッシュバックしないと言い切れるか? [言い切れるはずがない。 そして、オレの父は自分が敵の支配を受け、 世界に仇なす存在になったこと、家族に手を上げたこと…… それを悔やんで自ら命を絶ったんだ。 母にも同じ道を、辿らせるわけにはいかない。 過度な心配かもしれないが、命に関わりかねない以上、 慎重になるに越したことはない。] (16) 2023/02/19(Sun) 18:12:47 |
| ちゃんと帰ってきたら、全部説明する。 出来たらオレのことを、 一人で送り出しては貰えないだろうか。
これは決して、君を軽んじているからとか、 のけ者にしようとかいう訳じゃない。
10年を超える年月、オレが抱え続けてきた問題だ。 人にはどうしても、一人で考えたい時がある。 今がその時なんだ。 どうか、オレの気持ちを尊重して欲しい。 お願いします。
[頭を下げた。 清濁併せ持つ自分の心を、清濁併せ呑むのは覚悟のいること。 そしてそれは、自分自身にしか出来ないことだ。 君も今苦しんでいるからこそ、分かって欲しい。 これは、一人で立ち向かわなければいけないことなんだ。**] (17) 2023/02/19(Sun) 18:13:44 |
―
回想
―
[こんな辺鄙な所に足繁く通う人間が、
自分以外にいるとは思わなかった。
警戒心、距離感……
色んなものがバグっていると、最初はそう思った。
同じ願いを持っていると、だからペアを組んで戦うのだと、
女神に囁かれたその時には頭痛がした。
脳内の人種が異なっている目の前の彼女と、
同じ物なんてある訳ないだろうと。
世界に破滅をもたらす存在と戦えば、願いを叶えて貰える。
それだって、まず先に疑った。
]
[彼女の余りにも早すぎる決意に、
今度は眩暈がしたよ。
]
世界のために戦わなきゃいけない事の、何が素敵なんだ?
怪我はおろか、死ぬ可能性だってあるんじゃないか?
願いと言っても人によって難易度の高さが違うと思うが、
その辺の設定はどうなるってるんだ?
どの程度戦えば、願いが叶うのかも聞いてない。
君はもう少し契約書を
ちゃんと読むようにした方が良いぞ。
[耳障りのよい言葉だけで構成された、
氷山の一角な説明だけ聞いて、まともに契約書を読まずに、
後で隅っこに小さく書かれた注意書きに
足元を掬われるタイプに違いない。]
[とは言え、放っておいて不幸のどん底に
叩き落されてたら寝覚めが悪いし、
……オレはオレで、
普通に生きていたらきっとたどり着けなかった、
真相に辿り着けるような気がしたから、
結局戦うことを決めたんだ。**]
| [その返答が耳に届けば >>15 どうして、と反論したくなるのを堪えて ちゃんと聞く耳持って聞こうと黙ったよ。] うっ…… [記憶に関しては否定する要素はない。 >>16 全部可能性の話だけど、私は確かにあの時 アルカ君のお母さんと対面していた。 だから会ってほしくない。 それに関しては納得するしかないんだ。 私だって記憶を掘り返したい訳じゃないよ。] (18) 2023/02/19(Sun) 19:45:37 |
| ……アルカ君が長い間抱えていたことなのは 知っているつもり、だよ [理解している、とまでは言わない。] [それが私の願いだ。でもそれは望まれてない。] (19) 2023/02/19(Sun) 19:45:56 |
| [少しの間、黙って迷って考えた。 私は無言で立ち上がって部屋からくまを持ってきて それをアルカ君に差し出した。 丁寧に手入れされて大事にされてたのは 見ればわかるかもしれないね。] (20) 2023/02/19(Sun) 19:46:12 |
| ……今の私はね 絶対に人に触れられなくない そんな心の場所があることを知ってると思うよ [どれだけ大事な相手でも どれだけ愛してると思う存在でも だからこそ触れられたくない。そんな心もある 以前の私なら絶対に分からなかったことだ。] (21) 2023/02/19(Sun) 19:46:30 |
| ───── 私は…… 何が出来ますか? [そう理解出来ても感情は別。 好きな人の隣に肝心な時に求められないのは やっぱり寂しいよ。] (22) 2023/02/19(Sun) 19:46:45 |
- 回想 -
……お兄さんってさ
後ろ向きって言われない?
[言われた言葉に目を丸くして返した一声がこれだった。]
だって、ここには大好きな人たちがいるもん
その世界を守れるのってとっても素敵だよっ!
[反論は認めませんっ! って笑顔で圧をかけた。]
うん、そうだね。
命をかけるようなものかもしれないし
とーっても長い道のりかもね。
だったらなおの事
人に任せるだけじゃ私は嫌だなっ!
辛い事ならなおの事、自分の力で頑張りたいよ
[契約書はそうかもね、って苦笑いで返した。
何を言っても私が前向きに返して意見は交わらない。
それが私たちのいつも通りだったね。]
[命がかかってるって話に笑う私は
現実が見えてないよう見えてたかもね。
実際命をかけた事なんてないし、そうだったかも
それでも私はちゃんと、この身をかけて戦ったよ
だから嘘じゃなかったって証明したつもりだよ。]
[その後結局戦うのを決めた時にはビックリしたよ。
乗り気に見えてなかったしさ。
一緒に戦う相手になってくれる。
それを私は素直に喜んで、握手を求めて手を差し出した。]
ありがとうっ! 決めてくれて。
私はね、シオン=ステッレって言うんだ。
これからよろしくねっ
| [急にしんとなった部屋。 ぽつりぽつりと零れ落ちる言葉を、 >>19 丁寧に拾って噛み締めた。 けれどオレは沈黙したまま、 君が部屋に戻るのを見届ける。 >>20 こちらに戻ってきたその腕には、例のクマのぬいぐるみ。 所有者がオレだった時から時間は経過しているのに、 オレの部屋の隅に鎮座していた時よりずっと綺麗だった。] [沈痛な面持ちに胸が痛んだ。] (23) 2023/02/19(Sun) 21:09:48 |
| (24) 2023/02/19(Sun) 21:10:11 |
| ただし、母親と顔を合わせることは絶対に避けて欲しい。 今あの人の住んでいる町で、 話をすることになっているから、 隣駅の町で待っていて欲しい。
それでいいかな?** (25) 2023/02/19(Sun) 21:11:10 |
―
回想
―
[態々後ろ向きだと指摘する人間はいなかったが。
]
後ろを向いて生きているのは、いけない事か?
石橋を全力で叩き割った末に、
迂回をするのは愚かな事か?
[今にして思えば大人気がなさ過ぎるが、
当時のオレがそれだけ捻くれていても
おかしくはないと思えるくらい、
今の自分も大概であることは自覚している。]
(大切な人なんて、誰一人いない。
勿論それには、自分も含まれている)
[お幸せそうで何よりだ。反論はしなかった。]
自分が頑張ってしまった結果、
大好きな人達が生きる世界が滅ぶかも知れなくても?
[既に呼吸するより簡単に、
絶望を思い描けるようになっていた。]
(君が考えているよりもずっと、
命が軽い事を知っているか?)
[滅ばないように、負けないように、
頑張るつもりかもしれないが。
頑張るなんて根性論が通用するのは、
ごく限られた範囲の事象だけ。
でも色々思惑はありつつも、結局戦うと決めたからには、
オレも精々頑張るとしよう。]
アルカ=ポラリス。
どうやら戦う役割を担ったのは君の方らしい。
危なっかしくて見ていられないが、助力はする。
[差し出された小さな掌を、緩く握り返した。]
(想定はしていたことだけど、
とんだパンドラボックスだったな**)
| ……それって? [どういう事かわからなくて首を傾げた。 >>24 意見を変えると思わなかったから。 ほら、だって私達意固地だし。]
─────……うん そっちには行かない。それは絶対約束する。 [言わせちゃったな……。 >>25 そう思えば胸が痛くなるんだ。] (26) 2023/02/19(Sun) 22:11:33 |
| [私の事で心配かけないように、笑顔を作った。]
アルカ君がその時さ やっぱり会えないと思ったらさ それでいいよ その時はアルカ君の事ちゃんと尊重する。 願う通りに動いて。 (27) 2023/02/19(Sun) 22:11:47 |
- 回想 -
別にいけなくないよ
石橋叩き割るのは他の渡りたい人が困ると思うっ
回り道するのは色々な景色見えていいよねっ!
[石橋の下りは諺の例えって分かってて言ってるよ。
にーっこりと笑いながら返してみせた。
それくらいじゃへこたれないもんだっ、ふふん。]
私が頑張った結果で? あ、負けちゃうって事?
成程それは考えなかったなぁ。
ん〜、でもでもやる前から負けるかもって
そんな怖がって逃げる方が嫌だなっ
それは可能性の話だからそうならないようするよっ
出来るなんて断言はしないけど
簡単に負けてあげたりはしないつもりだよ、私
やってみなければ結果は分からないよね?
[絶望より、希望を描くのが当然なのが私だった。]
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