201 【身内】甲斐なき星の夜明け前
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(アルカ君に希望が勝つ未来を
私、あげたかったな────…… )**
| [とりあえず何とか話は纏まったので、安堵した。]
有難う。 話が終わったら、連絡するから。
[それなりに待たせてしまう事にはなるだろうけど、 カフェとか、色んなお店とか、駅前なら不便はないだろう。] (28) 2023/02/20(Mon) 0:03:13 |
| [その後は夕食の食器を一緒に片付けた。 夜も更ければ、明日の出発時間を伝える。]
お休み。 明日は宜しくな。
[撫でようと、緩やかにカーブを描く髪に手を伸ばした。] (29) 2023/02/20(Mon) 0:03:45 |
―
回想
―
[願いさえ一致すれば、
性格の不一致はガン無視なんだろうか……。
願いを叶えるために戦う事を選んだオレたちは、
何故か寮の部屋が変わることになり、しかもお隣になった。
どう考えても作為的で、
女神なんてファンタジックな存在だけが
これらに携わっている訳ではないことを悟った。]
(もうこんなもの、取っておくこともないか)
[白いゴミ袋に、布製のクマが収まる。]
[願いを同じくしているのだから、
改めて「貴方の願いも叶うよう精一杯戦うから!」
と宣言することに意味はあるのか。
無意味なことを考えながら迎えたオレたちの初戦。
これを運命の悪戯の一言で片付けられたら、
堪ったものではない。
そんな悲劇の舞台が洗礼だった。]
(母さん……?)
[聞こえるのは彼女だけ、声にならない呟きが漏れた。
生きているかどうかも分からなかった存在が、目の前に。**]
| うん。無理はしなくていいけど …… 待ってるね [時間を聞けば寝坊しないよう目覚まししないと と心に誓った。寝坊は流石に格好悪すぎるよね。] はーいっ [いつも通りののーてんき風に返答。] (30) 2023/02/20(Mon) 8:12:51 |
| [アルカ君の手が、私の髪にのびて ふわり、と桃色が揺れた。
私の顔色は、桃色よりずっと濃い朱に染まる。]
……っ
[衝動のままに、私はアルカ君に抱き着こうとする。 それが叶うのなら、私の強い鼓動が アルカ君にも伝わるかもしれないし 拒否するなら一歩離れた距離のまま。] (31) 2023/02/20(Mon) 8:13:26 |
- 回想 -
[私の方は真逆なら足りないとこ補いあえていいねって
のーてんきに笑っていたな。
全然違う考え方、でも願いは同じ。
それが面白いなって思っていたよ。
なお、宣言は大事だと思うんだ。
気合いというかさ、言葉にするのに意味があるんだよっ
初戦はでも、そんな甘ったるい思考を吹き飛ばす
そんなものだった。]
えっ……!?
[その言葉を聞いて流石に強く動揺したんだ。
初めてなんだから勿論戦いは不慣れ。
仲間はいたけど、私は場所が悪く敵の攻撃を受けて
一回動けなくなるくらいの状態になったんだ。]
[情けなかった。
私の心はこんな、弱かったのかって。]
…‥ほん、とに アルカ君のお母さんなんだ?
[ぐっと力を入れ直した。
戦う仲間に下がっていていいって言われたけど
それを聞き入れずに、無理をした。
してしまった。
]
だったら、なおのこと……負けたりしないっ!
世界を壊させたりしないから、
絶対にっ!
[私がそのくまさんを見たのは戦いの後だったかな。
処分するくらいなら私が貰うっ!
と保護したんだったよね。
ぬいぐるみコレクターとしても放置出来なかったし。
それがお母さんの手作りだって、教えて貰えたかな。
アルカ君みたいな性格の人が持つには違和感あったし
アルカ君のなの? って聞くくらいはしたよ。]**
| [格好の良し悪しはさておいて、 寝坊しようものなら容赦なく置いて行くぞ。 どことなく、もぞもぞしているように感じたが、 髪に手が届けば頭の丸みをなぞり、柔らかく梳る。 互いの身体はゼロ距離。鼓動が早く聞こえた。 >>31] よし、オレももう休むことにするよ。 [そう言って、部屋のドアを開けた。 当然だ。 未だ嘗てオレから この部屋に泊まることを提案したことは1度もない。*] (32) 2023/02/20(Mon) 19:02:43 |
| [翌日、別段用意するものはないけれど、 兎に角身支度などを済ませた。 クマはオレの部屋にあっただろうか。 >>23 それなら適当な紙袋に入れて、 恥ずかしくなく持ち運べるようにする。 時間は厳守。 本当に寝坊したら置いていくつもりで、部屋で待った。**] (33) 2023/02/20(Mon) 19:03:40 |
―
回想
―
[一度零れ落ちた水は、二度と盆に返ることはない。
動揺を出さないようにはしたものの、
そんなもの無意味に決まっている。
初戦で不慣れな上に、敵に対する困惑、
更に輪をかけてシオンが無理を通すものだから、
あの時共闘した人たちには、迷惑をかけてしまった。
オレの所為だと思ったが、
自責以上に戸惑いの気持ちが強かった。]
[もう少し落ち着いて戦えていたら、
オレは自分の身の上を話さなかっただろう。
でも、その所為で色々な人に迷惑をかけたのも、
シオンに無茶をさせてしまったのも事実。
オレの母親は父親の自死を受け入れられずに、
幼いオレを置いて何処かへ行ってしまったこと。
父親も嘗て同じように敵の支配を受けて、
それを苦に死を選んだこと。
心への負荷が重くなりすぎないよう、ざっくりと説明した。
だから、ゴミ袋の中のクマが
誰の手によって生み出されたのかも、
君が見つけたその時に話していた。**]
| [髪が梳かれる感覚が心地よくて目を閉じて >>32 体を預けていた。でもそれも終わってしまう。] ……うん。ゆっくり休んでね [ ……もうちょっとくっついてたかったなぁ。 と思いつつもゆっくり離れた。 大事な日に睡眠不足はよくないからね。 時に、 愛がちょっと足りないんじゃないかな? いや、それはさ寝坊やらかしたら私が悪いけどさ。 その思考は知らぬが仏。 ] (34) 2023/02/20(Mon) 19:57:01 |
| [クマさんはアルカ君に預けて部屋に帰ったよ。 いつも部屋でお話しかけしてたから いないと変な感じしたな。
寝坊はしなかった。余裕のセーフだもんっ。 ちゃんと時間前には扉をたたいたよ。]
おはよう、アルカ君
[様子はどうかな? とこっちが緊張した顔してる。] (35) 2023/02/20(Mon) 19:57:50 |
- 回想 -
[私は迷惑とは思っていないけど
周りに心配かけちゃったのは事実だったよね。
そこは反省したよ。
そして、聞いたのはアルカ君の身の上。
それは……家族に恵まれて、愛されてきた
そんな優しい世界にいた私には想像もつかないもの
話を聞いただけで涙をぼたぼた零した。]
……そうだったん だ……
[それはどれだけの絶望なんだろう
どれだけの悲しさや、孤独なんだろう
理解出来る気が全くしなかった。
ただただ、そんな重く、哀しい世界が悲しかった。
流石の私でもうまく言葉を出せなかったよ。
ただ泣いて、ごめんって繰り返した。]
[分かってあげられなくてごめんね
悲しい思いをさせてごめんね
負けなかったから最悪だけは回避した。
でも、それだけだ。]
[─────
お節介をしよう
そう決めたのはすぐだった。
理解から遠くて、違う世界に生きてきた私でも
アルカ君の隣にいることは出来るんだから。]
あ〜るかくんっ!
今日一緒に寝よう!
[そうやって、私の突撃は始まった。
却下は聞かなかった。
]
私はアルカ君のパートナーなんだから
一緒にいるのが当然なんだよっ!
[手元にやってきたクマのぬいぐるみ
これもいつか、アルカ君に必要となる日が来る
私はそう信じて大事にしてきた。
家族ならきっと、また会える
根拠なんてないけどそう信じていた。
そして、誰も傷つかない世界を目指す理由
それがまた増えた。]
[
アルカ君が、傷つかない世界がほしい
それは今でも抱えたままの 願いなんだよ。
]**
| [くっついていた時間は、それほど長くはなかった。 どちらも明日は寝坊が許されない身だ。 更に言えば、こちらは気疲れすることになりそうな身だし、 きちんと休まないといけない。 先方にも都合があるんだ。悪く思わないでくれ。 財産も後ろ盾もない女性が、 地道に働いて一人で生活していたんだ。 今回の話し合いの時間さえ、限りがある。] (36) 2023/02/20(Mon) 23:59:45 |
| [無事寝坊せず、余裕を持って部屋に来た。 >>35 こちらの準備はもう整っている。] お早う。 君が緊張してどうする? [オレの方はいたって普通。 手紙を出した時点で、腹は括っていた。] (37) 2023/02/21(Tue) 0:00:23 |
| じゃあ、早速行くか。
[ここでじっとしていても仕方がない。 君に問題がなさそうなら、 まずは最寄り駅へと向かい電車に乗る。] (38) 2023/02/21(Tue) 0:01:15 |
| [乗車中に、オレの目的地とその手前の駅を教えた。]
話し合いが終わるのは…… まぁ話してみないと分からないことだけど、 あちらには仕事の予定があるので、 どんなに遅くても15時前には終わる筈だ。
その間は駅前で適当に時間を潰していてくれ。
[普通に利便性のいい場所なので、 それなりにお店は色々揃っている。 何なら映画でも見ていても良いのではないだろうか。] (39) 2023/02/21(Tue) 0:01:59 |
| [その後、雑多な話をしつつ、目的地手前の駅に付けば、 見送りの為にオレも一度電車を降りた。]
じゃあ、また後でな。 昨日も言ったが終わったら連絡する。
[手を小さく振って、オレはまた電車に戻る。 向こうは成長したオレの姿を知らないが、 オレは今の母の姿を知っている。少々複雑だ。**] (40) 2023/02/21(Tue) 0:02:35 |
―
回想
―
[どうしたって、こんな反応は避けられない。
説明する度にこうなるのは、
こちらも見ていてしんどいものがあり、
だからこそ身の上話をすることはもう殆どなかった。]
いや、泣くようなことじゃない。
幸い伯父さんが引き取ってくれて、
普通の生活は送ってきたから。
[父がしっかり遺産も残してくれたからな……は
別に不要な情報だと思うので、言わなかった。]
は???
[何がどうなってそうなった?
何一つ理解できる要素がなかった。
性別が逆だったら通報一つで終わる話なのに……。
オレは初めて男に生まれてきたことを呪った。
そして男性だけ圧倒的不利に立たされている法律を呪った。]
[勿論全力で却下した。
だが、どれだけ説教しても引かないので、
こちらが折れざるを得なかった。
誰か助けてください。
何度かそういうことになっても、
オレは根気強く止めてほしい旨は伝えた。
根負けしただけで、合意したことは一度もない。]
プライバシーという概念をご存じないのか?
親しき中にも礼儀あり。
パートナーだからこそ、弁えて適切な距離でいるべき。
もう率直に言おう。
迷惑だ!
[これでも引かなかったんだから、オレは悪くないよな?]
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