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【人】 高山 智恵 さて、ちょっと気に掛かっていたバイトの子――霧ヶ峰さんのことなのだけれど。 今日のシフトにはちゃんと無事に来てくれて(少なくともこの時は、無事なように見えた)ピークタイムの戦力になってくれたものだったよ>>75。 その後は、店長指示でバックヤードに行ったのだけれど。 (クリスマス向けの準備は早めに行っている。おそらくお客様方が思うより、ね) ( あの子ももしかして……ううん、 ) 余計なこと考える暇もないくらいの怒涛のランチタイムが、この前の「推し」俳優の報道のあれこれを忘れさせてくれてた……なんて(それこそ余計な)考えは一旦脇に置いた。私自身も今はあまり――自分の身に幾らかでも重なることは――考えたくない。ランチタイムを過ぎてもお客様はまだまだ来られるのだからね。 ところで私、バイトの子の好き嫌いとか趣味とか、仕事に関わる個々の特性とかは、店長からの共有事項も含めてある程度把握している心算だったのだけれど――。 何か盛大な聞き漏らし事項その他>>*9があったりしない?? いや、今はそれを気にしている場合でもなかったね。うん。 (77) 2022/10/18(Tue) 17:58:27 |
【人】 高山 智恵 さて、今日の開店後に電話での問い合わせがあったっていう話は、私も把握している。 昨日うちに残されていた忘れ物の片方の件らしい>>73。 で、霧ヶ峰さんが表に出ていた時>>76だったかな――問い合わせ主のお客様の姿をちらっとカウンター越しに遠目に捉えて。 その人の顔が記憶に新しい顔だったものだから、思わずぱちりと瞬いてしまったものだった。 そういえば、ちょっと前にもこんな心当たりがあったな――勿論、今来ている人とは別のお客様のことなんだけれどね。 一期一会かと思えば意外にそうでもなく、かと思えば本当に一期一会になったりする――って、これは接客業に限ったことじゃ、きっと、ないんだろうな。** (78) 2022/10/18(Tue) 17:59:06 |
【人】 楯山 一利この店を訪れるようになったのは 高校を卒業してからで、多分3年近く前になるかな? アイツと一緒に入店する時は 智恵さん(と、俺は勝手に呼んでる)の 勤務時間と被る事が多かったと思う。 智恵さんは接客も上手くて、 いつもこうやって気さくに話し掛けてくれる。>>65 だから自然と、こっちも他愛のない話とか、 ブレイクダンスをやってる話もした事があっただろう。 そん時のアイツは、あまり良い顔してなかったな…。 幼馴染のアイツも、自分がこの近くの大学生で 『此処のご飯凄く美味しくて大好きなんです〜!』 とか、話したこともあったと思う。 週2〜3回のペースで、よくワンコインランチを 食べに来てるんだぁって話してたっけ。 『ご飯もお茶も美味しいです!』って いつも来る度に、智恵さんに伝えてたと思う。 (79) 2022/10/18(Tue) 18:51:05 |
【人】 楯山 一利確かにワンコインランチも、常設メニューも どれもこれも美味そうだなぁ…って SNSをチェックするたびに思ってはいるものの 昼はバイトが入ってカフェ来る機会が少ないし カロリー気にしてもいるから、 食べられたのはせいぜいペペロンチーノ。 それも、一度だけだったと思う。 ニンニクとコショウがよく効いてて 母ちゃんが作ったのよりメチャクチャ美味かったっけ。 だからきっと他のご飯だって美味しいはず。 俺も、1度で良いから ハンバーグとかオムライスとか食べてみたいな…。 今はハロウィンの限定メニューもあるし 特にこの“ジャック・オー・ランタン”が… くっ。オムライス好きには堪らない代物だ。 (80) 2022/10/18(Tue) 18:52:16 |
【人】 楯山 一利とはいえ、今はそういう食欲すら湧かない状況。 今日の結果によって、明日の俺だって どうなるかも分かんないけど……。 いつかは食べてみたい。 その気持ちは大いにあるのだ。 (81) 2022/10/18(Tue) 18:53:18 |
【人】 楯山 一利「えっ!そうなんすか?? さすがセンス良いっすね〜! SNSでチェックして こんなんインスタ映え待ったなしじゃん! って、思って頼んでみたんすよね。 うわー!めっちゃ楽しみだなー!!」 って、ウザいくらいハイテンションで 言いたい気持ちにはなったんだけど ホント今日はそんな気分じゃなくて 申し訳ないくらいテンションダダ下がりでした。 (84) 2022/10/18(Tue) 18:58:07 |
【人】 楯山 一利「あ……。そうなんすか? カワイイ猫さんですよね。 つい気になったんで、頼んじゃいました。 楽しみに……してます。」 と、実際にはこんな風に ちょっとぎこちない笑顔で応えるのが精一杯。 もしかしたら、いつもと違うものを頼んだ事や 自分が考えたメニューを選んだって事に 嬉しくなって、話に花を咲かせようとしたのかも? そうとは感じつつも、全然楽しい反応が出来ない 本当スミマセン…って感じだった。 (85) 2022/10/18(Tue) 19:01:32 |
【人】 楯山 一利それから少し経って、注文したココアが届く。>>67 黒猫模様のマグカップが可愛らしい。 アイツも喜びそうなビジュアルだなぁ… なんて考えながら、ちょっとほっこりする。 「あ……ハイ。 ありがとうございます。」 なんかいつもと違う声の掛けられ方だ。 俺のこの様子を見て、気遣われてるのかも…。 全然違うことを想像されてるとは露知らず。>>68 俺は彼女の優しさと、触れたマグカップの温かさに 心も体もほんのり温まったような気持ち。 早速ココアを飲んだ。 砂糖抜きにして貰っただけに ココアの苦味が口いっぱいに広がる。 甘ったるさもなく、けれども優しい味わい。 普段頼むコーヒーもスキだけど、これはこれで良い。 また頼みたいな。今度は元気な時に。 常設メニューのココアも こんな風に美味しいのかな? それともハロウィン限定で 常設とは違うレシピになってる? と、ちょっと気になったぐらいには。 (86) 2022/10/18(Tue) 19:04:27 |
【人】 楯山 一利ココアの味を堪能しながら、 不安とか鬱々とした気分が緩和されて来た頃。 (つーか、アイツ遅くない? なにやってんだろ……。) 待ち合わせた時間から、30分は経過してたかも。 時間には正確な方だし こんなに遅刻することなんてあったっけ。 …ちょっと心配になった。 スマホを取り出して、画面を開く。 最新のトーク履歴は友紀さんから届いた スタンプ連打のチャットのみ。>>*7 アイツとのトーク履歴は カフェの待ち合わせ時間を指定して 『わかった。』と返信が来て、それきりのまま。 何も連絡が入っていないのはおかしい。 いつもなら、前もって連絡くれるはずなのに…。* (87) 2022/10/18(Tue) 19:08:24 |
【置】 霧ヶ峰 友紀>>77多分、店長や社員さん、フルタイムパートさんなんかに共有されている私の情報といえば? 接客よりは雑用が得意。 逆に汚い系の仕事や力仕事も文句言わずやる。 営業スマイルが貼り付け固定気味。 お客様からナンパされたことはないが、たま〜にセクハラされるけど平気な顔でスルーする。 くらいかな? 好きなものとかは、青色が好きとか。 甘いものはものによるとか。 趣味…趣味は晒してないけどバレてんだろうな…隠してないけど晒したくない微妙なきもち。 セクハラは、ほんとにたま〜に。 お持ち帰りの方にナプキンお入れしますか?とか聞いたら 「え?あっびっくりした〜女のアレかと思ったー。」 は?飲食店でそんな事聞くわけねぇだろボケが と思いながら営業スマイルしてるよね。おっさんに「胸が大きい」的なのもたま〜に。 脚細いねとは誰も言わない辺り正直者だなあクソが と思いながら営業スマイルしてるよね。 (L1) 2022/10/18(Tue) 19:17:50 公開: 2022/10/18(Tue) 19:20:00 |
楯山 一利は、メモを貼った。 (a16) 2022/10/18(Tue) 20:08:17 |
【人】 古寺 貴菜しばらく待っていると、昨日の忘れ物の二本のペンを持った店員がやってきた。 どうも、と頭を下げ二本のペンを手に取る。 片や高そうな万年筆。 片や量産品のボールペン。 見間違えるはずもない、唯一恋人と呼べる相手からもらったもの。10年近く使っているのに未だにインクが切れない、異様に書き心地のいいボールペン。 「こっちですね」 万年筆を店員に返し、鞄の内ポケットにペンを入れる。 なお、ボールペンをくれた相手だが、結局大学進学で自然消滅し、友人に「イギリスに渡米する」と言っていたという話を聞いたっきり消息不明だ。 やつは一体アメリカに行ったのだろうか?それともイギリスに行ったのだろうか? まあなんだ……うん、バカだな。 (88) 2022/10/18(Tue) 21:57:31 |
【人】 古寺 貴菜さすがにこれだけで帰るのもアレだろう。 表のランチメニューを思い出し、そのまま注文する。 「Bセットを、ライスは2倍で……。ドリンクはウーロン茶を」 追加注文は……、後でも大丈夫だろう。** (89) 2022/10/18(Tue) 22:07:32 |
【人】 室生 悠仁暑くなったり寒くなったり>>0:38 そんな寒暖差も落ち着いてきて 冷える時間帯は冷たさに震える程となった。 購入してきたきのこ類を鍋へと放り込む。 鍋ものの細かい作り方など知らないから レシピを見ながら作業をしている。 ( 一人で過ごす時間は気楽でいい。 気を使うことなく、気をつけることなく 自由に好きに時を過ごせるのは 望外の喜びというものだ。 それでも、きっと。 彼と過ごした時間が、 自分の中では一番なのだろうな。 ) 仕事も終わって夜の時間 夕飯を作りながら思う。 今日のご飯は、ある意味最後の晩餐と言えよう。 (90) 2022/10/19(Wed) 7:56:43 |
【人】 室生 悠仁机に置いたスマートフォンが軽快な音を鳴らす。 短く響いてすぐに消えるのは、電話の着信ではなく SMSの通知を表している>>0:39 ご飯を作る手を止めて端末を手に取った。 送ってきた相手は、─── 全く、予想通りと言える存在。 『 仕事今終わったからも少し待ってて。 』 体力がなく定時で上がる俺と違って 彼はいつも、少し遅い時間まで仕事があるようだ。 今日は酒も用意しているから 毎日遅い時間までご苦労だと労ってやろう。 反応を考えて、くすりと小さな音を響かせた。 訪れてくれることが待ち遠しく、 鍋をかき混ぜて気を逸らす。 (91) 2022/10/19(Wed) 7:57:09 |
室生 悠仁は、メモを貼った。 (a17) 2022/10/19(Wed) 8:04:38 |
高山 智恵は、メモを貼った。 (a18) 2022/10/19(Wed) 8:15:41 |
室生 悠仁は、メモを貼った。 (a19) 2022/10/19(Wed) 8:18:32 |
古寺 貴菜は、メモを貼った。 (a20) 2022/10/19(Wed) 9:09:25 |
【人】 高山 智恵 10年近く前に、私はこの街で暮らしはじめた。 詳しいいきさつは省くけれど――そう簡単に他人に話したくなるような話じゃない――私はすぐにでも地元から出たかった。離れたかった。 勉強がそこまで得意って訳でもないのに、何が何でも都会の大学への現役合格を目指したのは、大学進学を口実にしてさっさと地元を出たかったから。無論、実家ってやつに戻る心算も毛頭なかった。 そのために受験したのは文学部。偏差値が比較的低く、卒業もそこまで難しくない、という評判を塾やネットで見かけたから――本当にただそれだけの理由だった。就活に有利か不利かなんてことは気にしていられなかったし、ましてや「大学で何を学びたいか」という意識なんて、まるでなかった。 ……とにかく、「こんな閉ざされた世界には居たくない」って気持ちばかりが先走っていた。 自分がこれから具体的に何をしたいか、どこに向かって生きていたいか――あの時の私は何も考えていなかったし、考えられなかったんだ。 考えられたのはせいぜい、実家からの仕送りを何時でも絶てるように自力で稼ぎ口を見つけなきゃ、ってことくらい。入学してすぐにバイトを探していたのも、これが背景にある。 (96) 2022/10/19(Wed) 16:58:36 |
【人】 高山 智恵 そんな、行き先不明のモラトリアムな人間が文学部なんて場所に身を置いたものだったから。 文学だけじゃなく、文化人類学とか宗教学とか>>1:74、そういったコースを自然に選んでいたのは、心の拠り所みたいなものを求めていたことの表れだったのかなあ。 卒論内容は重箱の隅をつつくようなテーマにして、とりま卒業できればいいや的な姑息な纏め方したよね……。 それでもハロウィーンがスクランブル交差点で仮装するだけのお祭りじゃないってことは知ってるし、クリスマスだって恋人たちの祭典じゃないってことも理解しているくらいには、ちゃんと講義で学んで得たことは身についている……と思いたい。 まあそれはそれとして、うちのカフェの季節のイベントは大事に行っている。イベントを作って楽しむってこと自体は悪い事じゃないと思うし、それがお店の盛り上がりや売上に繋がるなら上々じゃない?>>1:62 (97) 2022/10/19(Wed) 17:00:05 |
【人】 高山 智恵 閑話休題。 バイト先は結局、雰囲気の良いこのカフェで即決して>>1:25。 とにかく稼がなきゃって気持ちで、必死に働いていた訳だった。 私の後に雇用された“ 彼女 ”は違った。 この時既に専門学校を卒業していた彼女は、初めから「自分のカフェを開く」という目標を抱いた上で、うちの店で働きだした>>1:26>>1:27。 これから先、何をして生きていたいか――それが非常にはっきりしている人だ。 ついでに、店長をして「彼女は絶対に接客に向かない」>>1:74と言わしめる程の気質の人でもある。あの娘、張り付け固定気味のテンプレ営業スマイルすら見せなかったからね。 本当に、彼女と私は違い過ぎていた。 お客様と店員という関係性だったうちはまだしも、肩を並べる同僚同士という立場になると、いささか近寄りがたいような何かは彼女に対して初めは感じていたし、彼女のほうもそれは同じだったんだろうと思う。 (99) 2022/10/19(Wed) 17:01:15 |
【人】 高山 智恵『高山さんはアーサー王伝説に興味がないのに、 どうしてアーサー王伝説についての講義を受けたんですか? 高山さんは 変 です。』こんなふうに雑談の中でいきなり面と向かって「変」呼ばわりされたら、今の私なら「そういうところだよ」で済むけれど、初めのうちはカチンときたよ流石に。……まあ、こういうところのある人だったって訳だ。 まあ、彼女は「好きな分野を学ぶ」ことを当然として生きてきたんだから、当然のように私もアーサー王が好きだからその分野の講義を取った筈だって信じていたんだろう。 え? この講義選んだ理由? 出欠もレポートも緩くて単位取るのめちゃくちゃ楽だって聞いたからだよ。実際楽に単位取れたし。残念ながら講義内容については「聞いたことはある」レベルの記憶に留まっている。 ちなみにだけれど、私と彼女は同い年生まれだ。 年齢差も上下関係もない相手であっても、彼女はこんなふうに私に対して丁寧語で喋る。それどころか、年下の子、小さな子供や赤ちゃん、人だけでなく動物相手にも丁寧語で喋る。 彼女は接客の適性こそないと判断されても、子供からお年寄りまで誰に対しても分け隔てない態度で接する、そういう資質の人でもあるらしい。そういうところが気に入らなかった人もいたようだけれど、店長は好ましく思っているんだって。 (100) 2022/10/19(Wed) 17:01:51 |
【人】 高山 智恵 とにかく彼女は、私にとって理解できないものの塊のような人だった。イラっとすることも多々あった。 それでも、キッチンに向き合う彼女の真っすぐな背中や、食材や料理をじっと見つめる横顔は、純粋に綺麗だった――そうした一心さだって私にはないものだったから、あの時の私は彼女に妬いてもいたのだと、今になってみれば思う。 そんな彼女が、ある日バックヤードで唐突に尋ねてきた。 私が大学3年生になる直前の、まだ春というには冷える頃だった。 『高山さんはカナブンの幼虫は苦手ですか?』 「え? 何いきなり。 でもなー、そうだなー、……そんな苦手でもないかな?」 どうも他のバイト面子か知り合いかにいきなりこの話題を出して、蛇蝎の如く嫌われたことがあったらしい。 私はというと――結局、育った地元が「田舎」ってやつだったからかな――ああ、ああいうやつだなーという心当たりがあって、その上で「苦手でもない」と答えていた。好きという訳でもなかったけれど。 彼女が私にこの話題を振ったのが、私の出身が「田舎」なんだって意識したからだったのかは分からない(そう意識してなくても急に話題を振り出すところ、あったし……)。 (101) 2022/10/19(Wed) 17:05:17 |
【人】 高山 智恵 で、「なんで私に聞いたの?」と問うよりも、彼女の次の行動の方が早かった。 『判りました。じゃあ写真を見せます』 彼女はすぐに鞄からスマホを取り出して、写真画像の写された画面を私に差し出した。 それこそこれを聞いているあなたが虫を蛇蝎の如く嫌う人だったらマズいかもしれないので 画像の詳細は省くけれど――写真の中のいきものについて語っている時の彼女の目は、確かに輝いていた。『――――だるそうな感じで、可愛らしくて面白いです。 しかも畑の土を豊かにしてくれる益虫だそうです。 カナブンがいる畑の土で作った野菜とハーブを カフェのフードやドリンクに使ってみたいです』 などなど。などなど。などなど……。 私はといえば相槌を打ちながら、彼女の話の切れ目を(どうにかなんとか)見つけたところでコメントを挟んでいた。 (102) 2022/10/19(Wed) 17:07:57 |
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