22:24:28

人狼物語 三日月国


202 【ペアRP】踊る星影、夢現【R18/R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


到着: 黒崎柚樹

【人】 黒崎柚樹

 …………"また"、夢……?

[スニーカーの下、かさかさと音を立てる、乾いた土に生える青草と枯れ葉の感触。
心地よい夕刻の風が耳元を擽って。

ここはキャンプ場で、そして武藤も一緒に来ているということを、私は最初から"知っていた"。

"あの時"から、何度か経験している不思議な現象。

今回も他愛ない、そのうちの1つだと思っていた。]
(12) 2023/02/28(Tue) 22:41:33

【人】 黒崎柚樹


>>5

 …………武藤?

[周囲を見渡し、武藤の姿が見えないなと首を傾げたところで、聞き馴染んだ大声が空気を切り裂く勢いで聞こえてきて。

木々の間へと一歩踏み出し、声の主の方向へと足早に進んでいく。
いや、駆けている、といった方が正しかったかも。

陸上部に所属し、そこそこの記録を持っている私は、足には自信があったから。]

 武藤……っ、…………いた。

[姿を認め、秒で違和を感じた。

自分と目が合って、見慣れた、はにかむ風な笑みが返って来なかったこと。
左手指の薬指、そろそろ見慣れてきていた金の輝く輪が無かったこと。

そして私を、"柚樹"と呼ばなかったこと。]
(13) 2023/02/28(Tue) 22:42:21

【人】 黒崎柚樹


 ………………っ

[ぞわり、と嫌な寒気が背筋を滑り降りていく。

震える右手で己の左手をなぞったら、あるはずの金属の輪が薬指に無かった。

耳元にあるはずのピアスも無かった。

外れたんじゃない。
まるで、最初から無かったように。]

 武藤……この間のバレンタインデーって、どうしてた……?

[あえてなんでもない風に問いかける。

────ねえ。

これは悪夢、なのかな。それともまた、天使のいたずら的なものだったりするんだろうか。*]
(14) 2023/02/28(Tue) 22:43:12
黒崎柚樹は、メモを貼った。
(a3) 2023/02/28(Tue) 22:46:04

【人】 黒崎柚樹


 …………"半年" >>23 ……?

[武藤が"くっきー"呼びを始めたのは、去年の春、一緒の研究室になってほどなくのこと。

でも"あの時"までは世間話をするほどの間柄でもなかった。少なくとも、会えて「よかった」と言って貰えるほどの仲ではなかった。

────つまり、今の武藤は、あの事故前の。

頭の中で情報の断片を組み立てながら言葉を紡ぐ。]

 ごめん、変なこと聞いた。

 そういえばさっきはチョコありがとう、"たけのこのやつ"。

[あえて間違った情報を投げてみる。
自分の予想が間違ってなければ、"さっき貰ったチョコ"は"キョロキョロした鳥のやつ"だったんだよね。

答え合わせが出来てしまえば、そういうことか……と溜息を吐くだけなんだけど。]
(35) 2023/02/28(Tue) 23:58:29

【人】 黒崎柚樹


[半年前。
私たちは、研究室の課外授業で訪れた美術館で、不思議な体験をした。

研究室の仲間だけが取り残された美術館内。
空間は閉ざされ何処へも行けず、陽も落ちず、そして食料は望むもの何でも口にすることができた。

眼前に現れた天使が言った。

────
『天に召される方をお迎えにあがりました』


────
『私が迎えにきたのはたった一人』


────
『他のみなさんは段々と現実へ覚めるでしょう』


その言葉通りに後輩女子が次々と目覚めていき、そして武藤も現実へと還っていった。

最後の4人のうちの1人になった私は、私こそが死者なのかもしれない、いや死者なのだろうと覚悟して。────でも、生還することができた。]
(36) 2023/02/28(Tue) 23:58:48

【人】 黒崎柚樹

[あの不思議な空間は、死んでしまった先輩の夢の世界だった。
生還者は皆、あの時の記憶と体験を胸に今を生きている。

美術館の屋上、大声で叫ぶように告げてくれた

  『オレは…、くっきーの、
   黒崎柚樹のことが好きなんだが?!』

という武藤の言葉もね。
────ずっとずっと、忘れてないよ?

生還して、晴れて、恋人同士になって。

ハロウィンのテーマパークに約束していたサシ飲み。
クリスマスに年越し。

そう、最近ではバレンタインデー。
頑張って手作りチョコ菓子、贈ったはずなんだけどな。

武藤の中にもあるはずのその記憶、一体何処をうろついているんだろう。]
(37) 2023/02/28(Tue) 23:59:30

【人】 黒崎柚樹


 や……皆は……、

[屈託なく"他の皆"について口にする武藤>>24に、どう返せば良いものか口籠もる。

だって、ここは夢の世界。
現実ではあり得ない。

だから"皆"は、ここに居ない。

現実の私たちは、大学4年への進級を目前にした春休み中で、些細な遊びの約束こそすれ、キャンプに行こうなんて話はしていない。

────それとも、こっちが現実なんだろうか。

楽しかった半年間の方が、全部、夢?

足元に、大きな黒い穴が空いたような気がして、膝がかくりと折れそうになった。
よろめいたりなんか、しなかったけれど。]
(38) 2023/03/01(Wed) 0:00:05

【人】 黒崎柚樹


 看板に、あっちに管理小屋があるって書いてあった。

[行ってみればわかるんじゃないかな、予約名とか人数とか、色々。

誘ってみたら、素直についてきてくれるだろうか。

この距離で並んで歩くと、どちらからともなく手を繋ぐのが常だったけれど、今はそれも出来なくて。
長めのパーカーの袖の内、きゅ、と両手を握りしめた。

今の武藤にとっては、私は、"仲良くなりつつある男友達"でしかない。

武藤のおかげで口にできるようになった"私"の一人称も封じて、いくらかの距離を取りつつ管理小屋への道を進んでいった。**]
(39) 2023/03/01(Wed) 0:00:30

【人】 黒崎柚樹


 …………そう。"平和"。
 "個別に貰った"のはまだ食べてないから……。

[  ────ああ、やっぱり。そうか。

武藤の返事 >>47 で確信できた。
この武藤は、"あの事故"に遭う直前の武藤。
不思議な事象が起こり続ける極限状態の中、私は私が女であることを告げ、互いに恋心を抱くようになって「また会おう」と再会を誓うことになる前の武藤。

  ねえ。
  武藤は、"あの時ああならなければ良かった"と
  思ったりしてる……のかな。


だから、今、武藤の側だけ、時が巻き戻っていて。

それともやっぱりこっちの方が現実だったりするのかな。
あの時から半年、重ねた日々の方が、私の泡沫の夢だったんだろうか。

考えれば考えるほど吐き気がしてきて、でも表には出すまいと、目の奥に力を込めた。]
(62) 2023/03/01(Wed) 6:11:54

【人】 黒崎柚樹

[宿泊者として登録されている知った名前は、自分と武藤の2人だけ。

だろうな……としか自分は思わなかったけれど、武藤は管理小屋で心底不思議そうな声をあげていて、どうしたものかなと眉尻を下げる。

鍵を受け取り小屋を出ようとした時、管理人から"荷物が届いている"と声をかけられて、数泊分の着替え等々が入っているらしい各々の宿泊荷物を受け取った。

私のは、部の合宿で毎度使う、手に馴染んだドラムバッグ。]

 ………………。

[一応と中身を改めれば、"半年前までよく着ていた服"ばかりが詰まっていて、小さく溜息を吐いた。

そこには勇気を出して買うようになったスカートや、かわいいかわいいと武藤に絶賛されながら買った春色の服は何も無く、身体の線を隠すような大きめサイズのモノトーンかつユニセックスのものばかり。

取り巻く状況の何もかもに、"男であれ""男に戻れ"と告げられているようなものだった。]
(63) 2023/03/01(Wed) 6:13:57

【人】 黒崎柚樹


 ────うん。
 こっちも武藤と一緒なら安心だな。

["女子と一緒だったりしたら"の他意無き言葉にツキリと胸の奥を痛めつつ、微かに笑顔を作ってみた。

あの事故の時も、武藤の明るさや行動力に幾度も救われたよ。
肝心なところで逃げようとする自分に、武藤が幾度も踏み込んでくれて。]

 寝てる時、やかましかったら蹴り飛ばすから。

[そんなこと、したことないけどね。

抱き締められたまま眠りに落ちて、朝になってもやっぱり抱き締められていて……という夜と朝が、幾度訪れたことか
武藤の寝相は、誰より自分が良く知って────、なんて、一瞬思い浮かべてしまった事は慌てて脳内で打ち消した。]

 とりあえずコテージじゃない?
 そろそろ日も暮れるし場所くらいは確認しておかないと。

[荷物もあるし、と、さして重くはないドラムバッグを揺らして見せて、温泉なんて、一緒に行ったら慌てふためくことになるのは武藤の側なんだけどなと今日幾度目かの溜息を吐いた。]
(64) 2023/03/01(Wed) 6:15:42

【人】 黒崎柚樹

[そうして訪れたコテージは、確かに"男2人の滞在"ならこういうのなんだろうな、とは。

奥の寝室にはシングルベッドが2つ。
入り口近くのリビングスペースには、いかにもキャンプ場的な、無骨なテーブルセットとシンプルな炊事施設。
屋外にもバーベキュー用なのだろう、テラスに諸々の設備が整っている風だった。

風呂は温泉に行くことが想定されているらしく、それでもお愛想のように小さめのユニットバスがついていたことには密かに安堵して。]

 "ご注文の食材は冷蔵庫にございます"……。

[テーブル上のリーフレットにそんな文字列を認めれば、冷蔵庫の中にいかにもなバーベキュー用食材の他、脇の棚にはパンや米、果物なども積まれていて。]

 …………っふ、……。

[この夢──夢だとして──、主はどちらかというと武藤なんじゃないかな。
いかにも"こういうの食べたい"みたいな、パンケーキミックスにチョコソースまであるんだもの。]

 敷地内にレストランや売店もあるみたいだけど、食事はなんとかなりそう、かな。

[言わなかったっけ。自分、料理はひと通りできるからさ。*]
(65) 2023/03/01(Wed) 6:17:17

【人】 黒崎柚樹


[男女誰にでも、先輩後輩も関わらず、適度な距離感で踏み込んでくる武藤は、でも絶対に"ある一線"からは越えようとはしない臆病さもあって。

ここから先は踏み入れては駄目だと思うと潔しすぎるくらいに身を引く彼だから。

自分の溜息に気付いた風な表情をした武藤に、溜息も控えないとな、と、気を引き締めて、貰った鍵に記されたナンバーを辿るようにコテージへと辿り着いた。

このコテージは川の近くにあるんだろうか。

遠くないところからせせらぎの音が聞こえてきたものの、河原らしきものが視界に入ることは無かった。

静かな林の中に建つログハウス、と言ったところ。]

 ん……きれいだね。

 "ちゃんとしてる"。

[あの美術館は、特段眠くもならなかったものの、寝床らしい寝床はスタッフルームにあった仮眠用ベッドぐらいしか無かったし。

レストランにあったソファに転がってたりしていたな……なんて思い出す。]
(80) 2023/03/01(Wed) 9:26:07

【人】 黒崎柚樹


[他の生還者たちと、そのあたり、報告しあう機会は無いけれど。

私と武藤はあれ以来、幾度も"同じ夢"をみている。

切っ掛けは、私が最後の一人になって、死ぬ悪夢。

何度も思い描き覚悟していたことが鮮明な夢となって、そこへ武藤を引きずり込んでしまった。

泣きながら目覚める朝を迎えたのは一度や二度じゃない。

それからも、他愛ない夢の共有が何度かはあったものだから、今回のこれも、私はその1つだと思っていた。

「どうか幸せに」と、武藤の幸せだけを願いながら世界から消えなければいけなかった地獄を思えば、半年分の記憶諸共に恋心も消えた武藤の傍らに居ることは、それほどにはつらい事でもないよ。

だから大丈夫……と、自分で自分に言い聞かせて。]
(81) 2023/03/01(Wed) 9:26:48

【人】 黒崎柚樹


 うん。任せてくれていいよ。

[私の手料理、さんざん食べてるはずなんだけどね?

だし巻き卵、ぶり大根に唐揚げ、ハンバーグ。

家族のためにと磨いていた腕前はおおむね家庭料理にしか発揮されていなかったけれど、武藤が喜ぶならと、お菓子作りやパン焼きにまで手を伸ばしつつあって。

1月の誕生日にはリクエストに応えてチキンマカロニグラタンと、フォンダンショコラも作ったんだけどな。

そのあたりもぜーんぶ忘れてるんだねこの男は……と思うと、こめかみに青筋が立ちそうだ。

手伝いは味見くらいしか出来ないこと >>77 もね、よーく知ってるよ。]
(82) 2023/03/01(Wed) 9:27:44

【人】 黒崎柚樹


 ん、ベッド、そっちどうぞ。

[自覚、あるんだろうか。無いだろうな。
武藤が一人暮らししているマンションのベッドで共に眠る時、武藤はいつも私の左側にいる。

当たり前のように左側のベッドを選ばれたことに、ほんの少し、泣きたくなった。]

 夕飯……材料があるものなら、なんでも。

 武藤はサークル関係とかでバーベキューもしたりするんでしょう?

[私も部の企画でしたことあるけど、火起こしとかまで慣れてるわけではなくて。

お互い不慣れでも、まあ、火を熾して肉や魚介焼いて食べるのも楽しそうだよね、とは。]

 それとも、"オムライス"、とか?

[試すように告げてしまったのは、美術館で、武藤と2人、作ったメニュー。
大丈夫と言いきかせつつも、私、武藤に記憶を取り戻して欲しくて仕方がないみたいだ。*]
(83) 2023/03/01(Wed) 9:28:52

【人】 黒崎柚樹


 ……そうだね。
 水辺に行くのは明るくなってからの方が良いかも。

[道中に見た地図には湖があったし、コテージを示す印が湖畔に複数あるのが見てとれた。

随分と広大な敷地を擁しているようで、ぽつぽつとかなりのゆとりをもって建てられているらしいコテージはけっこうな森の奥にもあるようで。

遊ぼうと思えばいくらでも遊べそうな、素敵な空間。
アスリート的には、早朝のジョギングがいかにも気持ちよさそうだな、とも。

  …………普通にデートで来たかったな。


心中ぼやいたところで、それを解決してくれる天使が現れてくれるはずもなく。]
(108) 2023/03/01(Wed) 15:18:11

【人】 黒崎柚樹

[とりあえず荷物の確認をと、私もベッド上に色々出してみた。
陸上部の合宿に持って行くのとほぼ同じ、Tシャツにジャージにパーカー……と使い込んだものばかり。

悲しいほどに凹凸がない、ほぼ真っ平らな己の胸には必要ないのではとすら思われるスポーツブラも何枚か。

まあそんなものだろうと思いつつ、]

 ベッドの左右にこだわりとか無いから、大丈夫。

[案外人の顔をよく見ている武藤に、己の表情の変化を見咎められたのを誤魔化すように、ぶっきらぼうに返しておいた。

失敗したなと思ったのは、料理が出来ることをさらりと告げてしまったこと。

あの美術館でそう告げた時には既に自分が女であることを告げた後だったし、もう諸々隠し立てするのは止めようと思ってからの事だった。
だから、今の武藤に言うことではなかったかもしれない。]

 あー……うち、母子家庭で。弟もいて。
 母親が看護師で忙しいから、食事作り、やってる。

[だから家庭料理っぽいのしかできないけど、と早口で言い添えておいた。]
(109) 2023/03/01(Wed) 15:20:23

【人】 黒崎柚樹


[でもまさか、オムライス食べたいと言い出すとは思わなかった。武藤の中では、つい先刻食べたメニューじゃなかったのかな。

何か思い出したのかな……と、ほんの数瞬、武藤の顔を見つめてしまったけれど。]

 まあ……バーベキューするなら、下ごしらえはしたいかな。
 下味つけたりとか。

[火を熾してただ肉焼いて塩かタレつけて食うでも充分美味しいだろうけど。

冷蔵庫の中には自分の好物のスペアリブまで入ってたから、焼くなら色々してみたい的なこだわりは、正直、あったりはするものだから。]

 そういえば、下の棚も見た?
 酒もあったよ。

[誰の好みなんだろうね。チューハイとかビールとか。

キャンプには今ひとつそぐわない、カルーアミルクと日本酒の瓶まであったことには苦笑いするしかなかった。]
(110) 2023/03/01(Wed) 15:21:58

【人】 黒崎柚樹

[武藤がオムライス言い出したから、フライパンとボウルと……と調理器具の有無を確認し出した私に、「卵何個くらい?」なんて問いかけが飛んできて。]

 とりあえず1人2個。

[贅沢に1人3個使ってもいいけど、と続けた言葉に被せるように、「なんか少なくない?」と返されて、再び私は武藤の顔を見返してしまう。

うん、私、"あの時"は「とりあえず6個」って言ったよね。
3人分サイズのを一度に作ろうとしてたから。

なんなんだろう。これ。ちらちらと、"先の時間"の武藤が見える。

あの時も一緒に──というか私が半ば強制的に手伝わせて──オムライスを作った。一緒に食べて、その後、少しだけサシ飲みもした。

その少し後、武藤が現実に戻れることになって。

────そして。]
(111) 2023/03/01(Wed) 15:23:26

【人】 黒崎柚樹


 ………………っ。

[私は。
私からは、何も言わない。

この状況は、天使か神かの気まぐれかもしれないけれど、武藤が望んだ状況なのかもしれなくて。
だったらと、私はとことん"武藤の今"に合わせていくつもりでいた。]

 いや……とりあえず米だけ研いどく。
 米が炊けないと何も始まらないし。

[吸水させたりにいくらか時間がかかるし、少しだけ外に出てみる?と、慣れた手つきで3合分の米を研ぐ。
炊飯器にセットして、30分後に炊飯が始まるように設定しておいた。

外に出ると言っても川辺が暗かったりしたら危ないんだけど、キャンプ場なのだし、それなりに照明はついていたりするんだろうか。*]
(112) 2023/03/01(Wed) 15:24:43

【人】 黒崎柚樹


[「すごい」 >>122 とか、「えらい」>>93 とか。

武藤という男は相当にストレートに人を褒めてくるのだと、私はよくよく知っている。

恋人同士になってから(いや、その少し前からも)向けられた「かわいい」の数を第三者に告げたら100%絶句されるだろうくらいには、言いまくられている。

でも、「か……」というか、微妙に「かー……」と伸ばされた風な言葉には、目を眇めることにはなったかな。

女と知られてからの事だけど、一度ならず二度までも、武藤からは"かーちゃんっぽい"呼ばわりされている。

世話焼きだとかのプラスの評価を含めての言葉だろうけど、かーちゃん呼びされて喜ぶ女は(男も!)そうそう転がってはいないからね?]

 "かー"……、何?

[問うたところで言い淀んだそのままな感じに否定されるのだろうけど。]
(131) 2023/03/01(Wed) 18:19:29

【人】 黒崎柚樹


 それだけ解ってれば充分じゃない?
 料理しない人は、工程を想像するのも難しいと思うし。

[どこか申し訳なさそうに料理の手順のイメージが沸かないと言ってきた武藤には、

  でも武藤、お正月に玉子焼き焼いたよ?
  一緒にね。


ちらりとそんな事を思ったものの、おくびには出さず。]

 ちょっとした下準備で美味しくなるしね。
 美味しくなるなら自分も一緒に食べる人も嬉しいものでしょ。

[別に、武藤に美味しいもの食べさせたいと思ってるわけじゃない。
思ってるけど。

内心の思いと表出する思いがずっと分離しているようなこの状況、そろそろ熱でも出してもおかしくない気もしてくるけれど、あいにくなまじな事では体調を崩さない程度には強靱なので。]
(132) 2023/03/01(Wed) 18:19:58

【人】 黒崎柚樹


[酒の存在に素直に喜んでいる武藤の笑顔は、長く見知ったものだったからこちらも微笑んでしまったし、]

 さすがにこの場所で一升瓶空けるほど飲まないけどね。

[と、しれっと告げるくらいの余裕はあった。]

 そうだね。
 走れるところあると、嬉し……、

 ………………。

 なんで、走りたがると思った……?

[だって、今の武藤が知っている私は、"仲良くなりかけの、陸上やってるクールガイ"程度のものでしょう?

息が詰まると走りたくなったり、大学でのトレーニングの他、家の周囲を早朝や夜に走っていることは、今の武藤はまだ知らないだろうことなのに。]
(134) 2023/03/01(Wed) 18:20:36

【人】 黒崎柚樹

[  武藤は、忘れてしまっているだけで。

  半年分の時が、消えてしまったわけじゃない……?


それは希望的観測に過ぎないこと。

でもそう思わせる言葉の欠片が、会話を交わす度、光る砂粒のようにキラキラと私のところに降ってくるようで。
でもそのキラキラが、自分には眩しすぎて。]

 ────……それは過保護に過ぎるよ。

[ほら、また。

武藤は"危ないから一人で出ない"とか、しないだろうに。

身長も体格もほぼ変わらない自分が(なんなら腕力はともかく脚力は絶対に負けない自信はある)なんで危ないと思うのか。

方向感覚は動物並だから、初めて歩く街で迷うとか、自分はしたこともない。

────でも。]
(136) 2023/03/01(Wed) 18:21:54

【人】 黒崎柚樹


 あー…………スマホ……。

[なんとなく想像はついていた。

美術館事故後の10月にめでたく買い換えたはずのスマホ。
ポケットから取り出してみれば、以前に使っていた数世代前のポンコツに戻っていた。]

 ライト機能は死んでるね……。

[メッセージを送ろうとすればエラーで大量送信される。写真も撮れない。

それでもメールやLINEの受信やブラウザは立ち上がるからと騙し騙し使っていた傷だらけのスマホが手の中で淡い光を放っていた。

そうなると、確かに一人行動は"危ない"のかもしれないけれど。]

 …………新月?

[確かにこの季節、夕方あたりから月が見えていたかな。そのあたりの記憶は曖昧だ。]
(137) 2023/03/01(Wed) 18:22:32

【人】 黒崎柚樹


 ……武藤はどれだけ大声出したいの……。

[最初はトンネルの中、だっけ。あと美術館の入り口で、館内だと大声出せないから発散したいとか何とか。静かでも大声出したくなるとか、どんだけなんだろう。

若干の呆れ顔で眺めるも、本気で叫ぶつもりはないのは解ってた。

その呆れ顔が継続したのは、王子様よろしく、"手でも繋いでく?"なんて手のひらを向けられたからで。]

 ────……いらない。

[ばーか。
そういう風な繋ぎ方なんて、おふざけでもない限り、最近はしてないよ。

当たり前みたいに、歩調が同じ私たち、歩きながら手を繋ぐのが常だったのに。

出された手を、パシンとはたくように叩いたら、武藤はどんな顔、するのかな。*]
(138) 2023/03/01(Wed) 18:23:15

【人】 黒崎柚樹


 よ、め…………?

[よめ、とか、だんな、とか。 >>156

料理が出来るというスキルは往々にして伴侶に求められるあれそれだから、例えとして解らないでもないけれど。

でも先に"嫁"って単語が出てきたあたり、記憶が戻りかけてるのかな……なんて儚い希望が沸いてしまう。

そんな訳ない、って、打ち消すみたいに否定して。]

 こんなごついのに対して"嫁"とか、ないでしょ……。

[自分で言ってて胸の奥がツキリと痛むんだから世話が無い。

怒ってはいないよという口調にはしたつもりだし、"褒めてるんだが?"と続けられた言葉には、解ってるよという風に片手を上げた。

でもそのもやもやをぶつけるように武藤の手をはたき落としてしまったのは……申し訳ないと、思ってるよ。]
(174) 2023/03/01(Wed) 22:12:52

【人】 黒崎柚樹


[その後も、ぽろぽろと溢れ続ける、私の良く知る武藤の、片鱗。
今の武藤は知らないはずのことが、ぽろぽろ、キラキラ、と。]

 確かに、叫びたいような気持ちになる時は走るけど。

 ……御存知の通りよく食べるしね。
 食べるのもストレス解消の一つではあるかも。

[心の動揺を表に出すまいとすると、どうしてもぶっきらぼう気味になってしまう。

武藤に"クールガイ"と思われ続けていたくらいには、常の自分はそれほど笑わないし、そうなると目つきが悪い自覚も十二分にあるし、あんまり印象良くないよね、と、解ってはいるんだけど。

  ────……そう、か。

  今の武藤も、
  "くっきーは笑ってるとかわいい、と思うぞ"
  と言ってくれた武藤であることには、変わりないんだ。


唐突にすとんと腑に落ちたものの、落ちただけで、今は上手く笑える自信もない……はずだった、のだけど。]
(175) 2023/03/01(Wed) 22:13:22

【人】 黒崎柚樹


["オレは大声を出すと元気が出る" >>161 という台詞があまりにも納得感しかなくて、小さく吹き出してしまった。]

 ……ふ、ふふ、確かにね。

 大声出すのがストレス発散だったんだ……?

 なら、仕方ないか……、はは。

[確かにその声量で呼んでくれたら、迷って戻れない事になっていてもきっと気付けるし、この界隈に居る人たちも何事かと思ってはくれそうだけれど。

そういうことじゃないんだよなあ、と、くすくす笑っていた自分が、その数秒後には過剰反応気味に武藤の手を叩いてしまっていたのは情緒不安定にもほどがあったと、我ながら思う。]
(176) 2023/03/01(Wed) 22:13:46

【人】 黒崎柚樹


 や……、こっちこそ、ごめん。
 叩くつもり、なかった。

[なんか、すごく嫌だと思ってしまったんだ。
武藤のことだから、きっと女子にはしないだろう、この仕草。

大事な人にするでもない、いかにも仲良しの友人相手にする風な。何の特別感もない、無邪気に差し出された手。

そんなのは要らない、って、思ってしまった。]

 ううん、そんなこと、ない。

["気になる女子にしかやらん方がいいやつ"では、なくて。
むしろ気になる女子にはしてほしくないやつ、というか。

いや、現状、自分は武藤にとっての"女子"ではないのだし。
武藤にとっての自分は、男。

何度も何度も言い聞かせ。]
(177) 2023/03/01(Wed) 22:14:42

【人】 黒崎柚樹


 ちょっと驚いただけ。

 ────ごめん。

[いくらか重くなった空気を変えられる話術なんて、あいにく持ち合わせていない。

気にしていないよと言外に伝えるように、武藤が普段通りに話しかけてくれることに感謝して。

ぽつぽつ話をしながら歩いていたら、つい、いつもの距離感になってしまっていたようだった。]

 んー……そうだね、直線あったらダッシュできるし……、
 …………っと、ごめん。

[細い輪が1つ足りてないだけで、なんだかすうすうする風に感じていた左手がうっかり武藤の右手に触れてしまい、ひくりと肩を跳ねさせる。

ごめんちょっと近かった、と並ぶ距離を一歩横にずらし、パーカーのポケットに両手をねじ込んだ。]
(178) 2023/03/01(Wed) 22:15:05

【人】 黒崎柚樹


[いくらかの沈黙を流しつつ、歩みだけは止めずに────多分、迷ったら困るしと何度も曲がったりはしなかったとは思うのだけど、気付けば目の前に湖が広がっていた。

辿り着いた一画にはウッドデッキが整備され、本数は少ないものの淡い光を放つ街灯と、その下にはベンチがいくつか並んでいた。]

 へえ……きれいだね。

[昼の光が無ければ湖の透明度などは解らないけれど、きっと昼には格別に美しいに違いない。

林間の小道、ずっと木で覆われていた空が一気に開ければ、それだけで開放感は格別なもので、私はデッキへと、一歩踏み出し、そのまま湖畔のそう長くはない手すり沿い、端まで小走りで駆けてみた。

なんか、あれだな。武藤と行ったテーマパーク、こんな場所で追いかけっこ、したな。
そんなことを思い出し。

少しだけ思った。
忘れているのが武藤の側で良かった、と。

私は忘れたくないよ。
ずっと覚えていたいよ。
あれが私一人の夢だったのかもしれなくても。**]
(179) 2023/03/01(Wed) 22:15:53

【人】 黒崎柚樹


 ……ゴツいよ?

[別に、ムキになる必要なんてないのに。
武藤の言う「ゴツくはなくね?」 >>194 につい言い返してしまい、目を伏せる。

  アスリートとして恵まれてる体型だと思うけど。

  武藤と1cmしか違わないくらいに伸びた背丈、
  やたら長い手足。

  鍛えても今ひとつ見た目にはあらわれはしないけど、
  それでも普通の女の子に比べれば、ね。

  せめて声がもう少し高かったら、とか。
  せめて顔つきがもう少し柔らかかったら、とか。
  せめて名前がもう少し女性らしかったら、とか。

  そう思うこともあったよ。
]
(207) 2023/03/02(Thu) 5:25:57

【人】 黒崎柚樹

[別に女であることを隠してるわけじゃない。
男だと偽ったことは……バイトの選択肢が広がるから、バイト先で詐称したことはある。でもそれ以外の場所で自分は男だという偽りを口にしたことはない。

ただあまりにも勘違いされる事が多くて、否定するのを諦めた。
男が女装している風に見られるから、女の子っぽい服を着るのも諦めた。

いつかスカート履いて、パフェ食べに行ったり、かわいい雑貨買いに行ったりしてみたい。
そう思っていたのが、武藤と言葉を交わすようになった頃の自分。]

 ……チョコなら、アーモンドチョコ、好き。

 シンプルなのも、割と好きだけど。

[いつだったかな。
照れて動けなくなった私に、"おまじない"ってチョコを口に放り込んでくれたことがあった。

手ぶらで来てたのに、なんでキスチョコ持ってるの?って笑ってしまったのは、なんだかもう、遠い記憶のよう。

あの時は、けっこうな勇気を出して春色の華やかな色のブラウス、買ったんだっけ。
今の自分には不要な服。]
(208) 2023/03/02(Thu) 5:26:52

【人】 黒崎柚樹


 ん、夕方……綺麗だろうね。

[そも方角が定かじゃないから、夜明けの太陽が見えるのか、日没のなのか、案外どちらも拝めないという可能性も無くは無かったりするけれど。

でも、茜色に染まった空の下の湖はきっと綺麗だろうなと思った。

夜風に背を押されるようにデッキを駆け出し、でも端まで行ったら武藤のところへ戻るつもりではあった、のだけれど。]

 …………っえ、

[歩幅を戻しかけたところで肘の下あたりを掴まれ、驚きに目を見開いた。

別に危ないことなんて、していない。
普段やりとりしている"友人"が突然駆けたところで、武藤は追いかけたりなんてしないだろうに。

……というか、武藤、ずっと口調が柔らかいよね。
何度か遭遇したことのある、気の置けない友人たちとのやりとりは、何て言うか……もっとぶっきらぼうだし、もっと雑だということを私は知っている。

研究室の面々は、友人とはちょっと違う関係だから、全員に対して柔らかい物言いなのは、まあ、当然ではあるのだけれど。]
(209) 2023/03/02(Thu) 5:27:58

【人】 黒崎柚樹


[
  期待、してもいいのかな。
  武藤は戻るって、期待してもいいのかな。

  でも、そうはならなかった時のことを考えるのが、
  ────怖い。
]

 …………う、ん。

[休みたいからとベンチに座った武藤に誘われ、私も同じベンチに腰掛ける。距離はいくらか離したけれど。]

 そうなんだ……?ちょっと意外。

[武藤は友達多そうだから、こういうイベント事は大体経験してると思ってたよ、なんて。

武藤が想定しているだろう返答をなぞらえるように投げ返す。]
(210) 2023/03/02(Thu) 5:28:44

【人】 黒崎柚樹

[知ってるけどね。

他人に深く踏み込まれることを厭う武藤は、大勢との飲み会には頻繁に足を向けても、誰かとサシ飲みしたことは一度もなかったし、自宅に誰かを招くこともなかった。

武藤のそういう初めては、全部、私が貰ってる。

今こうして2人で歩いて話をしていることも、というか、コテージで一緒に寝ることも、今の武藤にとっては初めてのことばかり。いや、2人でキャンプに来たことはないから、私も初めての事ではあるのだけど。

改めて意識したら、すごく今更ながら緊張がじわじわと押し寄せてきて。

照明が暗めのもので良かった。きっと今、自分の顔は赤いから。
それでも少しでも街灯から遠ざかるように、武藤から遠ざかる方向、暗い側へと腰を少しずらしていった。]

 キャンプは……父さんが生きてた頃に、何度か。
 部の合宿でもこういうキャンプは無かったから久しぶり。

[そういえば、と視線を巡らせれば、デッキの逆側には小さな船着き場もあって。

ボートも乗れたりするのかな。
白鳥型の足こぎ型のもいくつか見てとれたのは、自分的には"それじゃない"な感覚でしかないけれど。*]
(211) 2023/03/02(Thu) 5:29:49
黒崎柚樹は、メモを貼った。
(a21) 2023/03/02(Thu) 6:50:05

【人】 黒崎柚樹


[脱いだら?>>216

すごいとかは解らないけど、女性的魅力という観点からは貧相だと思ってるよ。

アスリート的には足のみならず、上腕二頭筋や三角筋もそれなりついてると思うけど。

でも鍛えてる割にはそれほどには筋肥大しない体質のようで、同じ内容のトレーニングをしているのに男子はわかりやすく筋肉の線が出てくるのに、なんだか少し悔しいな、とは。

そんなあれそれは、絶対口には出さないけれど。]

 ……やっぱり持ってるんだ?

[アーモンドチョコ。
ありがとう、食べたくなったら貰う、と、それには素直に頷いておいた。]
(222) 2023/03/02(Thu) 11:22:46

【人】 黒崎柚樹

[武藤に掴まれたところの腕が、なんだか熱い気がして。

左腕を右手で押さえるようにしながら、夜の湖面を眺めながらぽつぽつと言葉を交わした。]

 いや……案外、平気。

 男も女もごちゃ混ぜで男部屋でカード大会して、
 眠くなってその場で爆睡して怒られたくらいには。

 …………って、いや、男部屋じゃなく。
 女部屋、で。

[気が緩んでたのかな。

いくらかの懐かしさを感じる湖の風景に、ウッドデッキに置かれたベンチ。
表情を隠す薄暗さもあって、うん、緩んでいたんだろうな。

大部屋云々の話を向けられて、つい、去年の合宿の事を語りかけ。

慌てて訂正しながら、そもそも夜そんな強くないから早く寝てしまうと思う、と早口めに言い添えた。]
(223) 2023/03/02(Thu) 11:23:21

【人】 黒崎柚樹


 ……どうだろ、あれも子供の頃にしか乗ったことないな……。

[スワンボートを視界に収めつつ、でもああいうのは恋人同士で乗るものじゃないの?と武藤へは胡乱な視線を向けてしまう。

漕げと言うなら漕ぐけど。全力で。

多分、すごい勢いで湖面を爆走するスワンという、あんまりない光景が見られるだろうなとは思うけど。]

 スワンも案外運動には良いかもだけど……、
 でも、ボート漕ぐ方がしたいな。

[あれも良い運動なんだよ、マシンジムにボート漕ぎの動きを模したローイングマシンというのがあるくらいなんだから。]

 広背筋と僧帽筋。効くよ?

[そんな話をしていたら、照れたり焦ったりで不穏だった顔色もいくらか平常に戻りかけてきていたというのに。]
(224) 2023/03/02(Thu) 11:24:57

【人】 黒崎柚樹


 ────………………え……。

[絶句した。

突き出された拳に、反射的に受け止めるよう広げた手のひら。
三角形みたいな、円錐みたいな、個性的な形のチョコの包みが落とされて。

────『なんか食べたら落ち着くかなって』
────『それにチョコは特に落ち着くので』

耳奥に、あの時の武藤の言葉が蘇る。

あれは、今年のお正月。
二人の名を刻んだ指輪を、一緒に受け取りに行った。

指輪は武藤からのクリスマスプレゼントで、イブの日に指輪を選び、刻印する文字を決めて。

年明けの当日、緊張や照れでどうしようもなくなってしまった私が、"おまじないの言葉とかは無い?"と武藤に無茶振りした結果が、口の中に放り込まれたこのチョコだった。]
(225) 2023/03/02(Thu) 11:25:38

【人】 黒崎柚樹


[ああもう、悲しいくらいに武藤だなあ。

私への恋心とか、性別の認識とか。
そんなものが全部消えてしまっていても、優しいのは変わらないし、私はやっぱり武藤の事が大好きで。]

 ……………………っ。

[俯いたら、ベンチの板張りにぽつぽつと水滴が落ちた。

肩も震わせず、声も漏らさず。
ただ泣き出した私に、武藤が焦らないわけないのは解ってるのに。

涙を止めようとすればするほど喉奥から変な音が出てしまいそうで、せめてとチョコを持たない方のパーカーの袖を目のあたりに強く押し当てた。]

 ごめ……ちょ、と、思い出すこと、あって。
 たいしたことじゃ、ない。

[大丈夫。武藤には、関係ないことだから。*]
(226) 2023/03/02(Thu) 11:27:15

【人】 黒崎柚樹


[ごく僅か、風で立った波とも言えないくらいの波が、岸に当たって微かな水音を立てているくらいの静けさの中。

武藤の「……は?」はそこそこしっかり耳に届いた。

囁き程度の声量にしたところで、武藤の地声は大きいから。]

 ………………?

[ああ、"クールガイ"が女子部員の部屋で遊んでそのままそこで寝るとか、デリカシー無さすぎるとかそういう?と理解して、そこをとやかく突っ込むことはせず。

そもこの話は元々の武藤にもしたことがない。
見た目の印象より遙かに慎重で警戒心の強い武藤は、私に常々警戒心を持てと言い続けていたから、過去の話とはいえそんなエピソードを口にしたら渋い顔をするだろうことは想像に難くなかったから。

でも、今の武藤が、今の自分に対して警戒心云々で渋い顔をする理由はないのだし。]
(242) 2023/03/02(Thu) 15:43:39

【人】 黒崎柚樹


 筋トレっていうか……スポーツ?

[不思議そうにボート漕ぎは筋トレの一環なのかと武藤に問われ >>236 、まあ大体そんな感じ、と、真面目に頷いてしまう。

テニスや水泳と一緒だよと続けたけど、そういえば、"海遊び"みたいな記憶は子供の頃が最後のもので、水着になったらガチ泳ぎするみたいなのしかしてないな、とは。

そういえば、数多のサークルに所属しているコミュ強の武藤は、バーベキューもしたことあると言ってたから、夏の水遊びも色々行ってるんだろうな。

先の事すぎて特段約束をしてるとかは無いけれど、武藤と海かプールに行くなら、いかにもなスポーツ用の水着しか持っていない自分は新調しなきゃなとうっすら考え、いや、そんな未来も、今は来るかも解らないじゃない、と打ち消して。

武藤と2人で居られるのが楽しいのと、苦しいのと。

多分、積もりに積もった感情は、コップの縁から溢れる寸前だったんだろう。]
(243) 2023/03/02(Thu) 15:44:32

【人】 黒崎柚樹


 …………っ…………、

[涙、止まってよ。

武藤、困ってるじゃん……と、自分で自分を宥めようとしても、ぽたぽたどころかぼろぼろと溢れ続ける涙は、涙腺が壊れてしまったのかなと思うほど。

目を覆っている今は、武藤がどんな顔をしているのか、呆れてるのか困ってるのかも解らなかったけど。けれど、泣いている友人を前に去って行くような人でもないから、ひたすら、ごめん、って思っていた。

なんでもないんだよ、と伝えるように、私は緩慢に首をふるふると左右に振っていたのだけれど。]
(244) 2023/03/02(Thu) 15:45:08

【人】 黒崎柚樹


 ……ッ!?……へ……?

[とても覚えがあるよ。その、"バチン!" >>239 って音。
冷静になろうとか、気合い入れようみたいな時、時々武藤がする仕草。

泣き濡れた顔を思わず上げてしまったら、武藤が両頬から手を外すところだった。]

 ど、した、の…………。

[目を見開いたら、最後の涙の1滴が目縁から溢れていったけど、びっくりしたあまりに涙は止まった風だった。

ふに、と銀紙が外されたキスチョコが、口元に押し当てられ、おずおず口を開いたらそのままころんと口中に押し込められて。

記憶、無いんだろうに。自覚もきっと無いんだろうに。
あの時と同じ、"おまじない"のつもりなのかな。]

 ………………。

[じわ、と体温で溶けていく甘くてほろ苦い武藤の大好物に、かし、と奥歯を立てて、俯きながら十数秒ばかり、私は無言でもぐもぐと口を動かしていた。]
(245) 2023/03/02(Thu) 15:45:43

【人】 黒崎柚樹


[本当は、武藤にして、って言いたかったけど。

でも今はそれをしちゃいけない気がしたから、私は左手だけゆるりと上げ、そこそこの勢いで自分の頬をバシン!と叩いた。]

 ……ッ…………ったぁ……。

[痛いなあ。
痛いけど。

でも胸の方がずっと痛くて、それでもまだいくらかは頑張れる、と思えた。頑張らなくちゃ、って。]

 ……ごめん。もう大丈夫。

 そろそろ御飯炊き始めてるだろうし、コテージに帰ろう?

[武藤が言う通り、何か食べれば元気出るし、今、出たし。大丈夫だよと立ち上がった。*]
(246) 2023/03/02(Thu) 15:46:26

【人】 黒崎柚樹


 うん、大丈夫。
 象並に皮膚、丈夫だから。

[とか言ったら象が可愛そうなくらいには丈夫だから、と、小さく返す。

"あんまりやると顔腫れるぞ"は、以前、同じことをした時にも武藤に言われた言葉。

懐かしさに目を細めつつまた泣きたくなってしまったけれど、泣く前に手のひらを頬に押し立てられて、ひくりと激しく肩を揺らすことになった。]

 な、に……してる、の。

[男友達の頬をこするとか、する人だっけ。しないよね。

半ば無意識だろうそんな行動や、言葉の端々、私の知ってる武藤が確かに存在する気配は、確かにあって。]
(256) 2023/03/02(Thu) 18:29:56

【人】 黒崎柚樹


[けど、私の側からはやっぱり何も言えなくて、告げられた言葉は"コテージに帰ろう"くらいのもの。

張っていた気がいくらか緩んでしまっていたのか、眼前、差し出された手には素直に甘え、く、と力を入れて立ち上がってから離して良いよと力を抜いた。

その手のぬくもりに縋る未練は絶対持つものか、と、そこだけは強い意志を抱き続けていたけれど。]

 ……うん。新月って、本当に暗いんだね。

[こういう風な"ちゃんと暗い夜"って日常暮らしてる空間だとあまり出会えないしね、と、会話はぽつぽつととりとめなく、穏やかに続いて。

往路よりもさして時間もかからなかった感覚と共に私たちはコテージに辿り着いたのだった。]
(257) 2023/03/02(Thu) 18:30:50

【人】 黒崎柚樹

 簡単に言えば、具を刻んで炒めて、御飯も混ぜて炒めて。
 器によそって卵を最後に乗せる。以上。

[そう難しいものでもないでしょう?と告げながら、私は手早く玉ねぎと人参とピーマンを刻み始める。あと、鶏肉も。

武藤に包丁を持たせるのはまだ少し早いと私はよく知っているので、缶詰のがあったマッシュルームを開けてざるにあけてもらうのと、卵を割ってもらうのをまずはやってもらった。

いっぱい食べたいし、卵1人3個かな。3個だな。]

 あと食器。出しておいて。
 オムライス用のと……お酒は缶のまま飲めばいいか。

 あ、でも冷やさないと。

[20分もあれば冷凍庫でそこそこ冷えるからそれでいいかな。
私はビールにする、500缶冷凍庫に入れておいてと容赦なく武藤をこき使えば、数十分前の涙の余韻も綺麗に消えていた。

料理って、刻むとか炒めるとか以外にも、細かい仕事は大量にあるものだから。

炊けた米をこのフライパンに入れろだの、そこのケチャップの蓋あけて良いって言うまでここに絞れだの、本当に色々やっていただいたよ?]
(258) 2023/03/02(Thu) 18:31:45

【人】 黒崎柚樹


 武藤は、卵にかけるのはケチャップ派、だよね?

[デミグラスソースと言われたら、缶詰もあったから出来なくもないけれど。
でも缶詰のソースよりはケチャップの方が、今日のところはきっと美味しいとは思う。]

 卵。
 薄焼き卵でくるむ系のと、上にオムレツ乗ってる系なのと。
 どっちがいい?

[半年前までは、薄焼き卵でくるむ系しか作れなかったんだよね。

今はいくらか練習して、ふわふわオムレツが乗ってるやつも作れるようになったんだよ────とは、武藤の知らないだろう事だけど、どっちがいい?と問うてみた。*]
(259) 2023/03/02(Thu) 18:33:13

【人】 黒崎柚樹


  "ツラの皮"もまあまあ厚いよ?

[普段の調子を取り戻そうとするように、武藤の軽口 >>263 にこちらも軽口をお返しする。

それでもいくらか囁く風な小声になってしまうのは、嗚咽を堪えていたあまりに掠れ声になってしまいそうだったから。]

 ……い、たくはないけど……っ。

[痛くないから触っても良いというものでもないし、ハンカチが貸せる状態じゃないから触っても良いというものでもないと思う。

いや、触って良い悪いというお話でもなくて、そんな行為をする意図を知りたかったのだけれど、こちらか問うてはいけない気がした。]
(279) 2023/03/02(Thu) 22:23:16

【人】 黒崎柚樹


 ん、家の近所だと星が見えてもせいぜいオリオン座だよね。

[あれは明るいし形も解りやすいから見てすぐわかるけど。
今の季節の星座がどんなのかは知らないから、スマホのアプリとか見ながらなら解るだろうか……、なんて。]

 …………武藤の実家って、地方なんだ?

[とうに知っていることを、どころか、訪れたことすらある場所のことを、初めて知ったような口調で返す。

飼い猫は虎千代。飼い犬は太郎。
広い庭には家庭菜園と言うには立派すぎる畑があって、果樹が何本も植わっていた。

武藤と目元がよく似た朗らかなお母様と、穏やかに話しかけてきてくれたお父様と。
そう、武藤は一人っ子なんだよね。いかにもそんな感じはしていたけど。

あの時は、私が武藤の高校時代のジャージを借りたんだっけ。
体型がほぼ同じだと、ああいう時はお互い便利で助かるね。

似たような事を似たようなタイミングで武藤の側でも考えていたとは、知らぬまま。]
(280) 2023/03/02(Thu) 22:23:39

【人】 黒崎柚樹

[包丁は、ね。
オムライス用の野菜はかなり細かく切らなきゃだし、鶏肉も、あれもなかなか滑って切りづらい食材だし、で。

バーベキュー用の茄子や玉ねぎだったら雑に切っても大丈夫だから──なんならピーマンは両断するだけだから、とっても簡単──その時には武藤にお願いできると思う。]

 ……ふふ、良い子。

["かーちゃん"と揶揄されても仕方が無いくらいには、こういう時の私は人使いが荒いという自覚はある。

けど武藤は良いお返事と共に頼んだことを全部してくれた。

いや、これまでもずっとそうではあったのだけど、恋人ゆえの態度なのかなと思っていたものが、どうやらもっと幅広い対象に発揮される素直さであったらしいな?と。

今の私は知り得ないはずの、関係性と距離感の武藤。

せっかくだからこの状況を楽しむ心づもりで居れば良いのかな……くらいには、気分は上向いていた。

結局のところ、私は料理をすることと食べることが大好きで。

それを与えておけばそうそう長くはへこんでいられない、単純な脳味噌なんだよね。]
(281) 2023/03/02(Thu) 22:24:10

【人】 黒崎柚樹


 うん。弟が好きだからね、オムライス。

[半分本当。半分嘘。

弟がその方向のオムライスを好むのは本当だけど、練習して綺麗に作れるようにしようと思ったのは、武藤がこのタイプも好きだと言ったから。

くるりと卵の膜でライスを包むのと、上にオムレツ乗せるのと、どっちでも作れるよと言いたくて練習した。

けっこうな数の失敗作はスタッフが美味しくいただきました……ということで、あらたか私と弟のお腹の中に(あと、少しだけ母さんのお腹の中にも)。

見ていていいよ、もうあと卵焼くだけだし、と、大皿に楕円型に盛ったチキンライスはコンロの傍らに置いてもらった。

フライパンに多めにバターを溶かして、しっかり馴染ませて。

卵液一気に注いで、菜箸でくるくる混ぜながら奥側に寄せていき、頃合いに固まったところでぽん、ぽん、と持ち手を叩くようにしながらレモン型した黄金色のオムレツに調えたらできあがり。

ぎりぎり固まった風なやわらかな状態のまま、御飯の上に滑らせたら、たゆんと揺れた。

うん上出来、と頷いて、同じ風にオムレツ作りをもう1回。]
(282) 2023/03/02(Thu) 22:24:37

【人】 黒崎柚樹


 そっちの皿が、武藤ね。

[言ったら不思議そうな顔をされるかな。
そっちのがきっと、オムレツが上手くできたと思うから。]

 ふふ、何への乾杯、なんだろうね。

 でも、うん、…………乾杯。

[触れあわせる程度に缶を合わせ、そういえば、すごく喉渇いてたかも……とは、唇にひんやりした液体が当たったところで自覚した。

こくこくこく、と喉を鳴らしつつ、一気に半量近くは飲み干してしまったんじゃないかな。]

 "サシ飲み"だけど"宅飲み"じゃないしね。
 ……とりあえずノーカン?

[武藤が口籠もる理由を、多分正確に把握して、だから話し辛いことを話すのは今日じゃなくても良いよ、とは。

本当のところは、あのとき告げてしまいたいと思った私の秘密は、今の武藤には言えなくなってしまったことだから、互いが抱える秘密の告白は、日延べをお願いしたい心境ではあった。]
(283) 2023/03/02(Thu) 22:25:00

【人】 黒崎柚樹


[オムライスは、手前味噌だけどよく出来たと思う。

塩気もばっちり、オムレツにケチャップかけるからと、チキンライスのケチャップはいくらか薄めにしておいた。あとはまあ、肉が割と多めなのは私の好み。]

 ……それはさすがにお世辞に過ぎるんじゃない?

 でも、ありがとう。

[あの美術館のレストランで食べたのより美味しいというのは、随分な過大評価だとは思うけど。

でもいつか御馳走したいと思っていた人に、こんな状況下でも食べて貰って美味しいと言って貰えたのは、幸せなことだった。]

 うん……おいしいね。

[今日、何度もは無かった本気の笑顔でふにゃりと笑み崩れながら、大口開けて大きめにすくった御飯と卵を口に運び。

何度目かの缶を口へと傾ければ、早々に缶は空になってしまっていた。]
(284) 2023/03/02(Thu) 22:25:19

【人】 黒崎柚樹


 ……チョコのリキュール、出そうか?

[お酒入ってた棚、奥にチョコレートのもあったよとキッチンの方をちらりと見やる。

こっちもビールもう1缶という気分でもないから、武藤が飲むなら自分もお相伴に預かろうかな、なんて。**]
(285) 2023/03/02(Thu) 22:25:39

【人】 黒崎柚樹


[────そう。武藤も案外、涙脆いよね。

私が無事、生還した時──それは死んでしまっていたのが誰なのか確定した時でもあって──二人で抱き締め合って泣きまくった。

他にも何度かは武藤の涙を見たことがあって、それは多分、私が武藤に見せていた涙の回数とそう離れては居なかった気がするよ。]

 ……どうだろう、ね。

[武藤と共に夜空を仰ぎ見る。

私の感覚なら今は春のはじめなのだけど、武藤の感覚なら秋のただ中。

首筋を擽る夜風は春のものよりは数段温かく、そも、夢の世界なのだとしたら現実の季節と乖離していても不思議じゃない。

"○○しないと出られない部屋"的な夢まで共有したことのある私たちだから、季節を知ったところで現実への手がかりには繋がらないかもしれない……けど、星の配列を確かめるのは、少し怖い気もして。]
(310) 2023/03/03(Fri) 6:51:57

【人】 黒崎柚樹


 うん、そう。
 ずっと実家住まい。

 あの大学はスポーツ特待で行けたところで、
 一番条件、良くて。

 自宅からも通えるとこだったし。

[一人暮らしするほどの金銭的余裕は無かったし、働いてる母さんの代わりに家事を担う必要もあったから、家からは出る選択肢は無かった。母さんは好きなところに行って良いのよと言ってくれていたけれど。

とうに武藤が知ってるだろうはずのことを初めて口にするように告げ、とうに私が知っていることを初めて聞いた風に返す。

それは私の半年を否定するような行為だったけれど。
武藤と一緒に居られるなら、こうして話していられるなら、ちっともつらくなんかない、と自分に言い聞かせ。

恋人の不在を悲しむ自分を、心の隅、ぎゅうぎゅうと押し込めて冷凍するみたいに固めてしまえば、いくらか気は楽になった気がした。]
(311) 2023/03/03(Fri) 6:52:21

【人】 黒崎柚樹


 すごく褒めてる。

[褒めてるのか? >>299 と、少しばかり納得していない風な口調で言われたことには真顔で返す。

どうしてもこういう時に"ねーちゃん節"(かーちゃん節ではない。断じて)的なものが出てしまうのは、もはや癖のようなもの。
弟とは、兄弟みたいと言われることが多々だから、"にーちゃん"呼ばわりもあながち間違ってないとは思うけどね。]

 弟、5歳下だからね。まだまだ子供だよ。

[言いつつ、使い終わった調理器具は端から洗っていく。
料理を終えた時にシンクに器具が山盛りっていう状況、自分は好きじゃないもので。]

 …………、そう。

["同じ年の従姉妹"の声には、少しだけ動かしていた手が固まった。
弟と同い年の、武藤に恋する女の子。

もや、と沸き上がった思いは、ボウルの泡を落とす湯と共に排水口へ洗い流し。]
(312) 2023/03/03(Fri) 6:52:44

【人】 黒崎柚樹


[武藤曰くの"仲良くなれた記念" >>301 の酒は、あっという間に消えていった。

これまで武藤と酌み交わした酒の量は、10リットルに収まらないと思う(下手したら50リットル……までは無いと思いたい)けど、今の武藤にとっては初めての500ml。

そう思ったら、もうちょっと味わいながら飲めば良かったかな。]

 …………それは、どうも。

[こういう時、10割「かわいい」と告げられるはずの言葉は「幸せそう」 >>302 にすげ替えられていて。

ありがとうと笑顔で言うことでもなかろうと、いくらか憮然と、でも面映ゆい気持ちでぽそりと返しておいた。]

 武藤も、チョコ食べてる時は幸せそうだよ。

[このくらいの反撃は許されて良いと思う。]
(313) 2023/03/03(Fri) 6:53:21

【人】 黒崎柚樹


[そして目の前には、チョコの甘い香りのお酒。

オムライスのお供にするには甘ったるい気もしたけれど、お互いの皿はもう残り僅かになってたし、まあ良いかと、武藤が用意してくれたカフェオレ色の酒をビール缶の代わりに皿脇へ。]

 ………………あま。

[思わず呟いてしまう。不味くはない。チョコの味……と、アルコールの風味。

そういえばこれを口にしたのは、美術館で武藤と飲んで以来だったかも。

私は甘い系のお酒……というか清涼飲料もほとんど口にしないから、こういう甘さは武藤を象徴するもののようで。

今はむしろ、この甘さがありがたいと思った。]

 なんか、つまみ探す。

[けどさすがに甘くない添え物が欲しいよこれは……と、食料棚を漁りに行ったら燻製ナッツの袋が出てきて。

冷蔵庫の野菜庫の中身も把握していたから、きゅうりと人参とセロリをスティックにしてマヨネーズにバーベキュー用のパウダースパイスを混ぜたものも添えてテーブルに戻った。]
(314) 2023/03/03(Fri) 6:53:54

【人】 黒崎柚樹


 楽しいと思ってくれるなら良かったけど……。
 武藤ほど口、回らないし、愛想ないし。
 自分で良いのかな…………、とは。

[グラスを傾けるいくらか緩んだ顔は、私のよく知る武藤の表情。

ずっと思ってたよ。
武藤は私と居ると楽しいって言うけど、私は特段面白い人間では無いと思うし、陸上と勉強と家のことだけで遊びらしい遊びもほとんど知らない。不真面目ではないけれど、頭もそんなに良くないし。

大学生なら当たり前に知るお洒落なスポットも、美味しいお店もなんにも知らなくて、子供の頃から行ってる地元のおすすめ店くらいしか言えるものはない。

女らしからぬ身長と見た目で、女子高時代から王子様王子様言われてたけど、その賞賛には何の中身もなくて。]

 や……、楽しいけど。こっちは。
 一緒に居るのが武藤で良かったな、って……。

[投げかけられた視線に、"くっきーは楽しくないの?"という色を感じて、そう、慌てたように付け加えて。

こくりと多めに喉に流し込んだ甘いお酒に、けほ、と小さく咽せそうになった。*]
(315) 2023/03/03(Fri) 6:54:50

【人】 黒崎柚樹


 ん……あまり地方に行くとかは考えてないかな。
 結婚とかは……、わかんないけど。

[結婚、なんて言葉が武藤の口から出てきて >>319 、少しばかり背を強張らせながら言葉を紡ぐ。

無意識、右手が探すように左手指を辿ってしまうけれど、細く硬質な金属が指先に触れることはやっぱり無くて。

────『卒業したら多少稼げるところに就職しようとは思うので』

そう告げられたのは、互いの思いを通わせ、また会おうと夢の世界で約束した後に再会した、現実世界の病院でのこと。

武藤のそんな言葉に、まさかプロポーズの意味があったとは知らず、「そうなの?」と軽く頷いていた、あの時の自分。

"今の武藤"は就職、どう考えてるの?なんて、聞けるわけがなかった。]
(327) 2023/03/03(Fri) 12:05:16

【人】 黒崎柚樹


 ん……、だろうなとは思った。

["チョコ食いながらこれ飲むでもオレは構わない"という武藤の言葉 >>322 に、すごく知ってるよと頷いてしまいつつ、武藤の備蓄以外にこんなのも出てきた、と麦チョコの大袋も卓上に出しておく。

確かに酒と麦チョコは合うけどね。なんなら日本酒にもお似合いだし。

私は生野菜が好きだから、こういう時、すぐ野菜(か肉か)を出そうとしてしまうけど。]

 ……作れるものは、作るよ。

[何の情報も渡せていない返事をしてしまい、それじゃあまりにそっけないか、と。
でも何をどこまで言って良いのか悩んでしまう。この、なんにも知らない無邪気な武藤に。]

 普段の御飯もどっちかっていうと和食多いからな……。
 ぶり大根とかイカの塩辛とか。ああ、モツ煮とかも好きだけど。

[とはいえ、きゅうりや豆腐あたりも好物だから、ただ切って味噌つけるだけ、醤油と葱かけるだけ、みたいなものも多いけどねと肩を竦めた。

まあおおよそ渋茶色のものばかりで、後輩女子あたりが部室で話している、"異性を惹きつけるモテ料理"的要素は限りなく少ない自覚はあるし、惹きつけるべき異性も、私にはずっと存在しなかったので。]
(328) 2023/03/03(Fri) 12:05:50

【人】 黒崎柚樹


[よく笑う? >>323

そんなに笑ってはいないと思う。
もっと笑いたいのに、笑えていないとも思っている。

けど、武藤は、"よく笑う"と言ってくれて。
そんなに私、武藤の前では笑ってるのかな……と、思い返しても自覚は遠い。

不思議そうな顔になったり、笑顔になったり、今日の武藤は(いや、今日の武藤も)ころころと表情がよく変わる。

ごくほのか、緊張を緩める酔いの気配に身を任せて、武藤の顔を呆けたように見つめてしまっていたら、にょ、と眼前に手を突き出され、頬を軽く摘ままれた。 >>323 ]

 …………ちょ、……な、に……。

[頬を染めて身体を引くも、欠片も悪びれず、"象ではない"とか言ってくるし。

ねえ、今の話に象とか関係なかったよね??
なんでそう、へらへらと御機嫌に笑ってるかな!?]
(329) 2023/03/03(Fri) 12:06:24

【人】 黒崎柚樹


 武藤もよく笑うし、象ではないね。

[それはほんの意趣返し。
赤い顔は隠さないまま、でもしかめ面で、武藤の頬に手を伸ばし、むに、と強めに引っ張ってやった。

ばーか。
武藤の、ばーか。

人の気も知らないで。]

 温泉…………。

[でも続く武藤の言葉には、顔を強張らせた。

温泉、好きだよ。すごい入りたいよ。
でも男風呂に入るわけにはいかないし、女性トイレに行って悲鳴を上げられた経験二桁ある自分が、女風呂に行けるはずもなくて。

  いつか武藤と2人、
  貸切風呂みたいなのに行けたらなとは、思ってたけど。]
(330) 2023/03/03(Fri) 12:07:39

【人】 黒崎柚樹


 …………や、苦手なんだ。
 銭湯、とか。

[そんなんで運動部の合宿大丈夫だったのかとか、思われてしまいそうだけれど。
絞り出した拒否の言葉は、俯いた口から溢れて、カフェオレ色のお酒に溶けていった。]

 ……武藤は、温泉行ってきなよ。

[場所確認するとかなら、それは一緒に行くからさ。*]
(331) 2023/03/03(Fri) 12:09:04

【人】 黒崎柚樹


["全部好きなやつ" >>333 ?だろうね。
ぶり大根と塩辛は、武藤のリクエストで作った酒のアテだもの。

最初は……なんだっけ、酒盗食べたいとか言い出したから作り方調べたんだけど、あれは発酵食品でマグロの内臓を1ヶ月塩漬けにして……みたいな品だったから「それは無理」ってなって。

塩辛なら作った翌日には食べられるからそれでいい?とこちらから言ったんだった。

材料からよく解ってなかったらしい武藤は、目の前でイカ捌いて見せたらやたら感心してたっけ。]

 いや、別にチョコだけでもいいし……。
 お邪魔する時には、何かアテ、持ってくし。

[実際、持って行ったし……と思いながら、開けられた麦チョコの袋と、流れるように手酌で注がれてるリキュールのおかわりをちら、と見やる。

ついでにとこちらにも注いでくれてるけど、明らか、武藤のグラスのは色が濃くなりつつあって。

そっと引き寄せて確認したラベルに記されたアルコール度数は、日本酒より少し強いくらいの値だったからいくらか安堵したものの、でも一瓶空ける勢いで飲んでいたら、さすがに酔うんじゃなかろうか。]
(343) 2023/03/03(Fri) 15:00:50

【人】 黒崎柚樹


[だから、頬に伸びてきた手に、"やばい"、と思った。
それこそ、宅飲みの時がやばかったんだ。

2人で一升瓶+αくらい飲み干して、べろんべろんになって。
その時、酔った武藤はやたら触ってきたがるということを知った。

その後、うちの自宅で飲んだ時も、武藤の実家で飲んだ時も、まあまあそんな感じになって。

いやでも、武藤が、研究室の飲み会とか、サークル飲みや友人飲みで触り魔になっているという話は聞いたことはないから、私限定なのだろうとは思ってた……けど。

────男でもいいのかよ。


イラァとした気持ちが沸いてきたとしても、仕方がないと思う。

実際のところは、記憶が無くとも、身体が覚えている感覚が武藤をそうさせていたのかもしれないけれど、そのあたりまで私が察することは難しく。

沸き上がった怒りにまかせ、むに、と武藤へ伸ばしてしまった手は、それでもなんだか嬉しそうにされてしまった。

ばーか。武藤のばーか。]
(345) 2023/03/03(Fri) 15:01:22

【人】 黒崎柚樹


 そう?
 なんか、ごめん。

[温泉は、自分自身が大好きなだけに、"やめとく"とさらりと告げられた声 >>335 には申し訳なくなる。

確かに、人と顔を合わせたくないということでなら、早朝に行ってみれば良いことだし、幸い、自分は相当な早起き体質ではあるし。
"朝行ってみたら"の提案には素直に頷いたし、正直、嬉しそうな顔にもなってしまっていたと思う。

そうしているうちに、武藤のグラスにはまた新たな酒が注がれていて。
この程度で泥酔に至る彼ではないと知ってるから、特段口も出さなかったけれど。]

 …………ッ……!?

 !?!?!?!?!?!?

[でも何の脈絡もなく、スティック野菜に伸ばしかけた手を取られ、肘の上あたりをぺたぺたと触られた。

いや、他意が無いのは解るよ?解るけど。
他意ある時の触り方を、私は嫌というほど良く知って────。]
(346) 2023/03/03(Fri) 15:02:09

【人】 黒崎柚樹

 ────……ッ。

[ああ、私も酔ってるのかな。酔ってるんだな。きっと。
触られた拍子、引きずられるように色々記憶が蘇って、頬がぶわりと熱くなる。]

 な、んか……あ、つく、ない……?

[立ち上がりながら慌てたように告げるも、熱くも寒くもないよね快適だよね知ってるよ。おろ、と周囲を見渡して。]

 お、言葉に甘えて。
 先、お風呂使う…………。
 なんか、汗かいた、し……。

[言い訳にも説明にもなってない気がするけれど、どうしようもなく居たたまれない気持ちになって。
一人になれるところと言ったらバスルームくらいしかないわけで。

寝室に置いたドラムバッグから着替えを適当に取り出しひっつかんで、私はバスルームへと消えたのだった。

なんなんだよ、もう。
ほんと、もう、なんなんだよ……!*]
(347) 2023/03/03(Fri) 15:03:51

【人】 黒崎柚樹


[結果的に、後片付けを全部任せてしまったのは申し訳ないと思う。

武藤がきゅうり好きなのは知ってたから、野菜は人参とセロリを多めに口にしていたけど、でもいくらかまだ残ってたし……まあ、ナッツとチョコは湿気ないようにだけして片付ければ良いだけの話だけれど。]

 …………しっかりしようよ、私……。

[水浴びをができるほどの気温ではないけれど、体温以下くらいのぬるま湯を頭から浴びながら独りごちる。

私を男と思っている武藤を、困らせるようなことはするまい、言うまい、と思っていた。

この状況は、武藤が望んだことかもしれなくて。

つまり、彼の表の言動がどうであれ、深層心理では、私を好きにはなりたくなかった、恋人同士になったことを後悔していた、そも、女と知りたくはなかった────みたいなことではなかったのでは、と。

この"キャンプ"が何日続くかは解らないけれど、この場に居る間に決着つけろということなんだろうなとは、思っていた。

それが人ならざるものの仕組んだことか、武藤本人が仕組んだことかはわからねど。]
(362) 2023/03/03(Fri) 17:20:31

【人】 黒崎柚樹


[ともあれバスルームに入った以上、全身を洗って、頭が冷えたらさっさと出よう、とは。

自慢じゃない(全くもって自慢じゃない)けれど、ほぼ真っ平らな胸にスポブラつければ、寝間着のジャージ上下姿でも体型から女と解る人はそうそういない。

半年前の武藤は私が告白する前に私が女だと知ったけど、それは見た目からじゃなく、私が「私」と口にしてしまったからだ。

一人だけ、研究室が同じゲイの先輩に、見た目だけで女と看破されたことはあるけれど、見た目で解った人は、本当、そのくらいしか存在しない。]

 ………………。

[こういうのも"半年前の"なんだな、と小さく溜息を吐く。

水着に似た素材のスポブラと、綿のショーツは当然ながら"上下お揃い"なものではなくて、それはそういったものに頓着しなかった──する必要があるとは思っていなかった──半年前に私がしていただろう選択、そのままの旅行荷物。

最近は、武藤のためにも女の子を頑張ろうって、"寄せて上げる"系のとか、お揃いのショーツとかを身につけるのが常になっていたから、いっそ懐かしい気持ちで足を通す。

浴槽から出てバスマットに足を下ろし、バスタオルは洗面台の縁に引っかけて。

そして、スポブラに首を通そうと両腕上げた最悪のタイミングでガチャリとバスルームの扉が開けられたのだった。]
(363) 2023/03/03(Fri) 17:20:55

【人】 黒崎柚樹


[うん。
鍵なんか、かけてないよ当然。

そういうところの警戒心が足りないのだと、武藤には幾度も幾度も言われ続けていたことだけど、武藤相手に警戒心を抱けというのも無理なお話で。]

 ………………ぁ……、

[視線がいくらか下を彷徨った武藤と、かちりと目と目が噛み合って。

私ときたら、絹を裂くような悲鳴が出ることもなく、硬直したまま、晒した肢体を隠すこともなかった。
やかましいのは、"見られた"とばくばくし始めた己の心臓くらいのもの。

武藤は何か言ってたのかな。
でもあんまり私の耳には届かないまま、ぱたりと扉が閉められる。

思考も身体の硬直が取れるのに、それから何秒必要だったのかも、判然としない。頭の中がろくに動かないまま、のろのろと無表情で身支度を調えて。

髪からはぽつぽつとまだ滴が落ちてきていたけど、構いやしないと、ジャージの肩にバスタオルを羽織った状態でバスルームを出たのだった。]
(364) 2023/03/03(Fri) 17:23:02

【人】 黒崎柚樹


 ────……武藤。

[武藤、どこに居たんだろ。ベッドルーム?ダイニング?
どこであれ、私は武藤の元に近寄って、囁くように、「ごめん」と告げた。]

 ごめん。黙ってて。

[俯いたら、頬にかかった髪からぽたりと滴が落ちていく。]

 いつか言わなきゃとは、思ってた……んだけど。

[懺悔の言葉は、半年前の武藤へ告げるもの。

あの時は、言う前に武藤には気付かれてしまっていたけれど、でも、仲良くなってからずっと、自分から言わなくちゃとは思っていたんだよ。あの時。]

 私、管理小屋に行って、別のコテージ借りられるか聞いてみる。

[だって武藤、女と一緒の部屋でなんて、眠れないでしょう?
そういうことも、私は良く、知ってるんだから。*]
(365) 2023/03/03(Fri) 17:24:42

【人】 黒崎柚樹


[武藤はずっと私のこと、男だと思っていて。
そして私がそれを知りつつ、訂正してこなかった >>369 理由。

この不思議なキャンプ場に来てからの私の思いは全く別にあるけれど、半年前にそうしていたのは、"一番、何も言われないで済むのがこの形だった"から。

女の子みたいな格好して、女装かと言われるのが面倒臭かった。

自分の身体と顔に似合うのはこういうのだからと、男っぽい格好のまま自分は女だと言えば、LGBTがーとか、ジェンダーがーとか、自分はそうとは思っていないレッテルを貼られてしまう。何枚も。
それをまた否定するのも面倒で。

────色々全部が、面倒だった。

そういうのを気にしない、私を私として見てくれる人を探すのすら面倒と思っていたくらいには。

正直なところ、男の人を怖いと思ったこともなかった。

自分にそういう欲を向けてくる男なんて居るわけないと思っていたし、居たところで、いくらでも抵抗も撃退もできるだろうと。]
(383) 2023/03/03(Fri) 22:03:41

【人】 黒崎柚樹


[バスルームから出て武藤の姿を探すと、ベッドルームの隅で顔を覆っていた。 >>369
困惑極まれり、という時に、彼が時々する仕草。

ごめん、驚かせて。武藤が気付くまでは解らないようにしておくつもりだったんだけどな。]

 …………え……?

[半年前も武藤は言ってた。
黙っててごめん、と言った私に、「何がごめんなんだ…?」って。

今も武藤は同じ風なことを私に真っ直ぐ告げてくる。
記憶が無くても、私のことを好きじゃなくても、武藤は武藤で、そんなことに、私は泣きたくなってしまう。]

 や……そんなのは、

[気にしないでいいよ、と首を横に振る。

ノックしないでドア開けるのは男同士なら不思議でもないことだし、触られるのも嫌なわけではなかった。
でも知ってしまった以上、武藤は私とは居たくないだろうなと思った────のだけど。]
(384) 2023/03/03(Fri) 22:04:15

【人】 黒崎柚樹


 …………?良いの……?

[コミュ強でやたら友人が多い武藤(以前見せてもらったLINEグループは呆れるほどの数があった。未読バッジの数もすごく多かったけれど)は、でも、ある一線以上には人を踏み込ませない人で。

一人暮らししているマンションへ人を呼んだのは、男を含めても私が初めの1人だと言っていた。

言葉を交わせば交わすほど、警戒心の強さが見えてきて、同時に、人に対する臆病さも透けて見え。

なんかね……自分と似てるなと、思ったんだ。

そう気付いた時には、好きになっていた。

その武藤が、"このままでいい"なんて言ってきたから、私は心底驚いた。

今の武藤にとっての私は、まだそこまで深く踏み込み踏み込まれた存在では無いはずなのに。]
(385) 2023/03/03(Fri) 22:04:32

【人】 黒崎柚樹


 ん……私、も。
 武藤とこのまま気まずくなるのは、すごく嫌だ。

[多分、武藤には相当に口にするのが難しい言葉だったと思う。

"気まずくなりたくない"という、自分の弱さを晒すような本音を出すことは、きっと、武藤にはすごく勇気の要ることで。

だから私も本音で返した。
私も武藤と一緒に居たい。武藤が嫌でないのなら。

でもこの男は、その後もこちゃこちゃと陣地とか何とか言い募っているものだから、思わず笑い出してしまった。]

 や、まあ、"陣地"は……そんなに厳密でなくとも……?

[ベッドから出ないとかトイレ行かないとか、そんなことまで考えなくて良いことなので。うん。

いや、この場合、警戒心を持つべきは私の側なのだけど、ていうかこの武藤とえっちすることになったりしたら、それは浮気になるのかな?いや、しないけどね?でもね??貞操観念的には、同じ部屋で並んで寝るのも案外だめだったりするのかな???

武藤の混乱が伝染したのか、私の側もおかしな考えてで頭がぐるぐるし始めてしまったのだけど。]
(386) 2023/03/03(Fri) 22:05:12

【人】 黒崎柚樹


[ああ、でも、伝えたいこと、あったな。
これは言っておかないと。

床にぺたりと座り込んでいる武藤と視線を合わせるように、私もしゃがみ込む。

また前髪から水滴が落ちて、いい加減、私も髪をちゃんと拭くべきだな、どれだけ動揺してバスルームを出てきたんだかと苦笑しながら。]

 これだけ言っておくね。

 私は武藤をキモいとか、思わない。

 何考えても、何言っても、何しても、絶対思わない。

[ああ、やっと武藤の目をちゃんと見られた気がするよ。

男と思われたまま、否定せずに居続けるのはそれなりに辛くはあったものなので。

言いたいこと言ってにっこり笑った後、まだぐしょぐしょなので髪乾かしてくるねと、私は再びバスルームへ消えたのだった。**]
(387) 2023/03/03(Fri) 22:05:38

【人】 黒崎柚樹


[女子高生時代。
陸上大会で何度も顔を合わせていた他校の男の子を、私は好きになった。

週末に一緒にシューズを見に行ったり、デートとも言えないような他愛ない外出を何度かして、でも好意を口にすることはなく。

そんな時、制服のセーラー服を着ている姿の私を初めて見たその人から言われたんだ。
「女装似合わねーなー!」って。

ああそうか、私のスカート姿は女装なんだ、って。

その呪いは、ずっとずっと根深く私に刺さり続けてた。]
(413) 2023/03/04(Sat) 4:58:16

【人】 黒崎柚樹


[武藤とお付き合いするようになって、私は"女の子"を頑張るようになった。

そういう偏見はタブーとされる世の中になりつつあるとはいえ、武藤が男を恋人にしたとか、恋人は"ジェンダーちゃん"だとか、武藤が変に思われたり笑われたりするようなことには、なりたくなくて。

私自身、スカートは履けなくなっただけで、履きたくなくなったわけじゃなかった。
いつかまた、履いてみたいと思っていた。踏み出す切っ掛けが欲しかった。

恋人なんて私に出来るはずないとずっと思ってたけれど、もし出来ることがあったなら、一緒に喫茶店でケーキ食べたりパフェつついたりしてみたいな……って。

そんな願いは全部武藤が叶えてくれた。

けど、それでも、自分に女としての魅力があるとは、未だに思えてないんだと思う。]
(414) 2023/03/04(Sat) 4:59:48

【人】 黒崎柚樹


 …………?

[そんなの、ではないだろ、と。>>403
なんで武藤の方が傷ついてるみたいな顔になるのかなと、私は首を傾げてしまう。

だって実際、"そんなの"だし。

私が気にしていたのはひたすらに、"武藤に、自分が女であることの証左を晒してしまった"申し訳なさばかりで、そこには、見られてしまった恥ずかしさはほとんど含まれていなかった。

今、目の前に居る武藤は、私がよく知る"半年後の武藤"と綺麗に地続きになっていることは頭では理解しつつ。

それでも、この武藤が今の私に性的魅力を感じて云々みたいなことはありえないのだと、頑なに思っていた。

武藤曰くの"やましい気持ち" >>404 なんて、沸くも何も、最初から存在しないに違いない、と。

それは武藤を信頼しているとかとは、全く別の次元のお話で。

そして私は、何をそこまで否定したいのかという自覚もないまま。]
(415) 2023/03/04(Sat) 5:00:58

【人】 黒崎柚樹


 …………?……そう?

 …………そっか。

[私は、"私"が一番違和感ない、>>407 んだって。

性別誤認されているのを正しはしなかったものの、あえて"僕"とか"俺"とかを使うことは、今までに一度だってなかった。
聞き咎められるのを避けようと、ひたすらに"私"を口にはしないようにするだけで。

それは端から見ればけっこうな労力に思えたかもしれないけれど、当たり前に備わった癖のようになってしまっていた。]

 "私"って、言わないようにしてた。
 武藤が知ったら、絶対困らせる、って。

 でも、言ってしまいそうになって、ちょっと、ヤバかった。

[なんでそこまで言わないようにしてたのかを告げるつもりはないけれど。

そして、頬に伸ばされかけた手に気付いても、もう身体をあえて遠ざけることもしなかったけど。]
(416) 2023/03/04(Sat) 5:02:20

【人】 黒崎柚樹


[そして私と入れ替わりで武藤がバスルームへ消えていき >>408 、目の前にはどうにもアンバランスに、左右の壁にへばりつくように動かされたシングルベッドがあった。

ベッドの間の空間でスクワットでもしたいのかな。
スクワットどころかダンスもできそうな広さだけど。

で、勿論、次からは鍵をかけておけという助言?注意喚起?には、一応、こくこくと頷いてはおいたけど。

相手が武藤だから緩んでいるのか、武藤なのに緩んでいるのか。
そのあたりの自覚も薄いまま、私はキッチンへと戻った。

ここは夢の世界で、あの美術館と同じ現象が起きているのではと察すれば、"欲しいものは大概手に入るようになっている"ことに想像は難くなく。

食料棚に、先には無かったはずのココアを認めて、小さく笑った。]
(417) 2023/03/04(Sat) 5:03:29

【人】 黒崎柚樹


 ────おかえり。

 ココア、飲む?

[最初に粉を練る時も、水やお湯じゃなく牛乳を使ったココア。
武藤家のココアはそうしてるのだと、1月にご実家訪問した時に、お母様が教えてくれた作り方。
砂糖の量も、御馳走になったあの感じを再現した。

リキュールを割って牛乳はさんざん飲んだ気もするけれど、あったかい牛乳は安眠効果があると言うしね。

風呂上がりの武藤──やっぱりいくらか挙動不審なのかもしれないけれど、私は見て見ぬ振りをする──に、これで飲んで寝よう、と告げたら、実家と同じ味に驚かれてしまうだろうか。

種明かしはせず、黒崎家のココアもこんな感じなんだよと、私は小さな嘘を吐いておいた。*]
(418) 2023/03/04(Sat) 5:03:56

【人】 黒崎柚樹


[武藤は、半年前だろうが半年経っていようが、二言目にはすぐ"警戒心"と言う。

私、そんなにぼやっとしてるかな?してないよ?と思うのだけど、武藤に言わせるとガバガバなのであるらしい。]

 …………う?…………うん。

[「もう少し警戒心を持った方がいい」 >>421 と、この武藤にまで言われてしまい、釈然としないまま、頷いた。

うっかりドアを開けたのが武藤ではない誰か……ということは、そもそも、そんな事象はあり得ないとは思うのだけど。

そこまで仲良くない男の人がいるところでシャワーを浴びようという事にはならないし、仮にそんな事態になったらさすがに鍵はしっかりかけるし。

万が一、億が一、見られて、身に危険が迫ったら反撃もするし。

それに、今のこの武藤が、そこまで私を心配してくるのもなんだか不思議な気もしていて、それが私の不思議顔に拍車をかける。]
(427) 2023/03/04(Sat) 11:06:53

【人】 黒崎柚樹

[  だって、今の武藤は、私のこと。
  恋情的に"好き"なわけではないでしょう?


吊り橋効果で片付けたくはないけれど、私たちの仲を急速に深めたのは、あの美術館の一件があったのは否定できない。

美術館に着いて一緒にランチを摂ったところで記憶が切れている今の武藤は、
「黒崎柚樹のことが好きなんだが?!」
と屋上で雄叫びを上げ、「置いてきたくない」と抱き締めてきた、あの熱とは遠いところにあるわけで。良くも悪くも。

でも、言ってることは、やっぱり武藤で。

「くっきーはくっきーなんだし」 >>422 もね、既に言ってもらっていた言葉なんだよ。

自分でも、自分の思ってることや、感じていることが、よくわからないんだ。

私はなんだか必死で、"この武藤と私の知る武藤は別の人"だと思いたがっているみたい。

私の知る武藤は、私の、女としては貧相な身体も好きだと言う。
────でも、"貴方は違うでしょう?"
そう思いたがっている風で。]
(428) 2023/03/04(Sat) 11:07:28

【人】 黒崎柚樹


[そんな思いは胸の中、形にならずに漠然ともやもやするばかり。
自分の心を落ち着けたいというのもあって、私はココアを支度したのかもしれなかった。

ココアを美味しそうに飲んでる武藤の顔は、私のよく知る顔で、私は何を否定したいのかも、よく解らなくなってしまうのだけど。]

 …………?宅飲み?

[……そっか、私が"話したかったこと"は話してしまったわけなので。

私の側に宅飲みの約束を保つ理由は無くなってしまったんだな……と、武藤に言われて思い至った。]

 うん。武藤と宅飲み、したいよ?

[だってまだ、"貴方"のお話は、聞いてないし。
勿論ノーカンで、と微笑んだ。]
(429) 2023/03/04(Sat) 11:08:00

【人】 黒崎柚樹


 また"警戒心"って言う。

 …………"いや、来てほしくないとかではなく"。

[まるで同じことを言われたなと思い出し、武藤っぽい口調で諳んじてみれば、まんま同じタイミングで同じことを告げられて。]

 ふっ…………、ははっ。

 ほんと……変わらないよね。武藤は。

[泣きはしなかったけれど、複雑な表情で笑いつつ、不思議な事を告げる私に、武藤はどんな顔をしたんだろう。

ああもう、ほんと、武藤は武藤。悲しいほどに。

でもね、私の武藤は、あの事故の苦くて辛い記憶を抱えて半年の時を重ねてきた武藤なんだよ。

────あの武藤に、逢いたいよ。*]
(430) 2023/03/04(Sat) 11:09:18

【人】 黒崎柚樹


[この武藤も、あの武藤も、全部武藤だよ。
繋がってるよ。

自分でもそれは解ってるのに、"この武藤は違うから"と必死に否定して、否定の否定を目の前に突きつけられて、その度、泣きそうになってる。

だって。
だって、否定せず、受け入れてしまったら、私はもう二度と、"あの武藤"には会えなくなってしまう気がするんだもの。

ハロウィン当日に初めてのテーマパークに行ってゾンビに追いかけられたり、クリスマスイブに一緒に港町に遊びに行ったり。年越し、実家帰らないならうち来る?と誘って、二年参りを一緒にしておせち食べたり。

買って貰った指輪。開けて貰ったピアス。
たくさんの写真、たくさんの思い出。

そういうのが全部消えてしまう気がして、だからきっと、私は今の武藤を否定したかった。否定しなきゃいけなかった。

なのに……武藤は、やっぱり武藤なんだよ。

言ってることも考えてることも、全部、愛しい人、そのままで。]
(438) 2023/03/04(Sat) 13:12:32

【人】 黒崎柚樹

[微かに聞こえた。"ごめん"って。
囁くような真剣な声音に背がひくりと震えてしまって、視線で何をと問うても、いつもは雄弁な口も瞳も、何も答えてはくれなくて。

────そして、今度こそ、心臓が止まってしまうかと思った。

"くっきーは、笑ってるとかわいいと思うよ。"

今の武藤は、それを自覚してるのかな。してないのかもしれない。

それは美術館で言われた言葉。
私は文字通りにしか受け取らなくて、受け取れなくて、「おそれいります……?」みたいな微妙な返事しかできなかった。

両思いになってからの武藤は、呆れるほどに"かわいい"を量産し続け、私も呆れながら否定するのに疲れてしまって。

そしてある日、唐突に気がついた。

武藤は美術館で言葉を交わしたあの日から、私以外の女の子には、絶対に"かわいい"を言わなくなっていたということに。
武藤の言う"かわいい"は、そのまま"好き"に直結してるということに。

自分の思いを口にすることは苦手な武藤が、一日に何遍も言ってくる"かわいい"は、全部、"好き"と同義だった。]
(439) 2023/03/04(Sat) 13:12:54

【人】 黒崎柚樹


 ………………っ、な、んで……。


["かわいい"の返しが"なんで"なんて、"おそれいります"よりも酷いものだったろうとは思う。
でも、掠れ気味の声で呟いた私は、落ちそうになる涙を堪えるので必死だった。

なんで、そんなこと、言うの。

なんで、私の好きな武藤と、まんま同じこと言うの。

囁くような「なんで」は、武藤に届かなかったのかもしれない。
そろそろ寝るかと立ち上がった武藤とは視線を合わせないようにしながら、私も共に寝室へと移動した。]

 ……ん、あんまり起きないようなら蹴り飛ばす。

[私は早起きに慣れてるし勝手に目が覚めるから……と、ぎりぎり、普通の声音で言えたと思う。

おやすみなさい、と私も武藤に背を向けて。]
(440) 2023/03/04(Sat) 13:13:25

【人】 黒崎柚樹


[ばか武藤。
ベッド、壁にぴーったりつける必要も無いのに。

なんだか、すごく変な感じだよ。

……ばか。

必死に脳内、他愛のない悪態で埋め尽くそうとしても、涙の方がよっぽどに正直だった。

堪えきれなかった滴がぽろぽろと落ち始めてしまったら、もう、止めようがなくて。]

 …………っ……ッ。

[喉が変に軋みそうになるのを、寝間着の袖を口元に当て、吸い込ませる。

どうか気付かないで欲しい。
どうした?なんて、聞いてこないでほしい。

そうされてしまったら、今度こそ私は、武藤に抱きついて泣きじゃくってしまいそうだから。*]
(441) 2023/03/04(Sat) 13:14:05

【人】 黒崎柚樹

[千々に乱れた心より何より、思っていたのは、"武藤に気付かれたらいけない"ということ。

涙は全然止まりそうになくて。

でもそれを止めようとするよりも、吐息や引き攣るような喉の音を止めるのを優先している自分は、やっぱり相当に混乱はしていたんだと思う。]

 ………………っ……ぅ、

[それでも時折、どうしても漏れてしまう吐息はあって、どうぞ気付いてくれるなと。

そう、思ってたのに。]

 !?…………ぇ…………、

[思っていたよりずっと近くから、"くっきー?"と名を呼ぶ声 >>460 が聞こえて、その呼び名にもまた涙が溢れてしまう。
ここに、私を"柚樹"と呼んでくれる武藤は居ない。

なのに、ベッドの軋む音が。手の熱が。声にならない、戸惑うような吐息が。

全部に突き動かされるように、私は武藤に抱きついていた。]
(471) 2023/03/04(Sat) 20:51:24

【人】 黒崎柚樹


 …………ぅ……、……ふ、ぇ……っ、

[ああもう。
知ってるにおいがするよ。武藤のにおい。
私の大好きな。

この武藤は私の好きな武藤じゃない。
抱き締めていい武藤じゃない。
好きと囁いていい武藤じゃない。

全部解ってるのに、しがみつこうとする手の力は全然緩んでくれなくて。

そして抱き留めてくれている武藤の手も、緩ませよう、突き放そうとかの色もなく。

嗚咽の合間、「ばか」と「ごめん」という、武藤にはきっと全く意味のわからない、そのくせ強い意味を持つ言葉を漏らし続けていたように思う。]
(472) 2023/03/04(Sat) 20:52:16

【人】 黒崎柚樹


[いつの間にか、私は泣き疲れて眠ってしまっていたらしい。

夢をみたような気がするけれど、どんな夢だったのかは覚えていない。

でも、ひどく悲しくて、ひどく幸せな夢だった気はしてる。*]
(473) 2023/03/04(Sat) 20:53:22
 




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