20:47:32

人狼物語 三日月国


70 【第36回TRPG村】百鬼夜行綺譚

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【人】 京職 一葉

>>0
サービスシーン
■状況:全裸
■解決:調物で解決
■アイテム:牛車


 * * *

────それは、場市場での事。

賑わうその場所では喧噪の中に細々とした小さな諍いもある。
それは商売上の齟齬ゆえのものであったり、男女間の縺れであったり。

そういったものを見回り止めるのも仕事ゆえ、その日も私は昼下がりの市場を訪れていた。

「────あ、ぶな……ッ!」

それは濃茶薄茶を商う露店。
碗に注がれた茶を盆に並べる店の者に、余所見ではしゃぐ童子が突っ込みそうになり。

  ────だばびしゃあー


もっと幾らか良い方策があった筈なのだ。
童子の手を引いて止めようとした私は、諸共盆に突っ込んで、頭から足までしこたまの量の茶を浴びたのだった。
(22) Valkyrie 2021/04/21(Wed) 23:55:11

【人】 京職 一葉

「この陽気ならすぐに乾きましょう。気になさらず」

そして私は、茶店物影の長椅子で手拭い1枚を腹下にかけ、つくねんと座っていた。

「躑躅が満開、だな」

恐縮する店の者も、そして周囲の店の者もそのほとんどが顔見知り。
染みになるからと狩衣その他諸々全て剥かれ、敷地内の井戸水で綺麗に洗ってくれたは良いが、いくらか乾かさないことには帰る事もままならず。

「…………────────んん?」

いつもの癖でつい呆けたように花を眺めていたところ、木板に張り干していた服全てが忽然と消えているのに気がついた。

がばりと立ち上がり周囲を見渡せば、この界隈御用達の洗濯屋が何を勘違いしたものか、市場の者達からの依頼品と共に私の衣服もまとめて荷車に積んだ状態で、ぎいぎいと遠ざかっていくのが見える。場市場を抜けてしまえば、人の往来が更に多い大通りはほど近い。

「待った!その洗濯屋、待った!」

叫びたかったがそうもいかぬ。

私は全裸。
華麗なる全裸。
詳らかに全裸。
(23) Valkyrie 2021/04/21(Wed) 23:55:39

【人】 京職 一葉

狼狽える私の傍ら、ぎいぎいと聞き覚えのある音が響いた。
広くはない場市場通りに邪魔な事極まりない、例の(>>1:35)牛車。

しかし今の私にはこの牛車が何より代えがたい光明だった。

「失礼。火急の案件である」

半裸で牛車を引く美丈夫らの間に割って入る。何、奴らも上半身は裸だ。違うのは下半身だけだ。紛れてしまえばきっとわからない。大丈夫。多分。

「あの荷車を追わせて欲しい。いや追わねばならぬ。
追え


は?牛車の主の奥方はそこの店に用事がある?
知った事か。奥方の店より私の服だ。

「ふんがああああああああああああ」


渋る男衆を叱咤して、牛車は不自然な豪速で無事荷車に辿り着き。

私は大過なく元の姿に戻ることができたのだった。
そう、全く、大過なく。*
(24) Valkyrie 2021/04/21(Wed) 23:56:36
京職 一葉は、メモを貼った。
(a3) Valkyrie 2021/04/22(Thu) 0:01:14

【人】 武官 継置

>>1:23>>1:24
一葉 返事


強くあらなければならなかった。

百鬼夜行の悲劇を断ち切るために。
遺されたものを守るために。

ひたすらに、しかし、がむしゃらに刀を振るう、
独りではそのような稽古しか一人ではできなかった
少年にとって、一葉は正しく師であった。

ぎぃん、と刀と刀がぶつかり、一葉の持つ刀が弾かれる。
この9年、幾度も一葉と手合わせをしてきた故に
癖などはすっかり理解してしまったのだろうが、それでも、
継置は、百鬼夜行を前に調子が良いという手ごたえを感じていた。

若獅子と呼ばれれば素直に笑顔を返し、
しかし、次に昔の事を引き合いに出されると
「もう昔の事だろう」
そう、少しだけ、拗ねて見せて。
百継にとって継置が兄代わりなら、
一葉もまた継置にとって師であり、兄のような物であった。
(25) 青磁 2021/04/22(Thu) 0:26:19

【人】 武官 継置

「まだまだ老いるのは先だろう、一葉。
百鬼夜行を封印したとしても、これからも百継を……
否、当主様を守る刀であってくれ」

老いる一方だと軽口を返す師に、
もどかしさを感じるのも、――成長した証なのだろうか。*

[保護(+)取得]
(26) 青磁 2021/04/22(Thu) 0:27:25
武官 継置は、メモを貼った。
(a4) 青磁 2021/04/22(Thu) 0:28:49

誘蛾は、>>3 受動3) 保護/支配欲vil
(a5) plmi 2021/04/22(Thu) 0:34:23

誘蛾は、>>10 受動4) 信頼/猜疑心vil
(a6) plmi 2021/04/22(Thu) 0:34:31

【人】 宮廷音楽家 誘蛾

■サービスシーン
@:状況(1)1d6
A:解決(2)1d4

相手:氐宿 アイテム:(3)1d6
テラーダイス取得判定:(1)(4)2d6
(27) plmi 2021/04/22(Thu) 0:36:39

【人】 武官 継置

>>1:31>>1:32 
徽子


[”百鬼夜行の犠牲者”を弔う慰霊碑には、
誰も眠ってはいない。

――百鬼夜行の一部となり、
地獄の住人へと変貌してしまった者が、
そこに在る訳も無く。

慰霊碑の前には萎れた白い花が供えてあったが、
その花を取り除いて、桜の樹の枝を供える。

人々の心の拠り所であったとしても、滅多に継置が
慰霊碑に詣でる事は無い――生者にとって必要な意味はあるが、
犠牲者にとって、その場所が重要ではないであろうからだ]
(28) 青磁 2021/04/22(Thu) 1:26:19

【人】 武官 継置

-----------------
-------------
--------

ああ、ただいま。
今日もまた桜が見事なものだった。

[屋敷へ帰ると、偶然にか、徽子が顔を出す。
微笑みを返し、履物を脱ぎ揃えるのだが、
その後に続いた徽子の言葉に、首を傾げる。]


………何故そう思う?

[慰霊碑へと誓ったのは、百鬼夜行封印の成就であり、
気分はこの上なく澄んでいた。感情が波立つとしても、
それは、――憂いとは別のものだ。

寺の香の匂いがしたから、という理由を聞けば、
継置の事を案じての事だと得心は行った。

だが、自分の衣服の匂いを嗅いでいるうちに、
何やら別の香りが混ざっているようで、]
(29) 青磁 2021/04/22(Thu) 1:27:47

【人】 武官 継置

>>1:37
 ドラマシーン@ 徽子 秘密取得


[その香りは、徽子から密やかに漂うようであった。
全てが謎めいた女。百継が、ねえやと慕う女。
何故だか急にその笑顔が、普段とは異なる物に感じたのは、
――如何なる訳か。]

徽子。おれが気になっているのは、……徽子の事だな?

[少しばかり、感覚が鋭敏になっていて、
気にしなくとも良いものが、
気になっているだけかもしれない。しかし。]*

[pass]
(30) 青磁 2021/04/22(Thu) 1:38:01
武官 継置は、メモを貼った。
(a7) 青磁 2021/04/22(Thu) 1:39:14

【人】 京職 一葉

■ドラマシーン 秘密取得
■相手:百継
■場 所:E場市場

成否判定:(2)(1)2d6
(31) Valkyrie 2021/04/22(Thu) 6:05:18
一葉は、>>31 判定振り直し (6)(5)2d6
(a8) Valkyrie 2021/04/22(Thu) 7:23:40

【人】 武官 継置

>>1:39
サービスシーン


すぱっ。

柔らかい物を切る手応えと共に、
烏賊の足のような物が切断され地に落ちる。

烏賊の足(?)はえらく足癖が悪いようで
捕まりそうにはなったが、このように斬る事はできるらしい。

往来でうねうねしているとあっては、
あやかしであろうが何か別の物であろうが
駆除するしかないのではあるが、肝心なのは数の多さだ。
桜の樹のあやかしも退散したのだから、と一句。

『突然の 面妖奇怪な 触手道
斬り捨て御免で 押し通る』






――今度は退散していかなかったのでむちゃくちゃ倒した。
【ダイス取得成功】
(32) 青磁 2021/04/22(Thu) 9:21:04
武官 継置は、メモを貼った。
(a9) 青磁 2021/04/22(Thu) 10:08:00

【見】 混沌 ファンドン

(舞監の仕事捌きは舞台のクオリティに直結するでのう……)

[…などと呟きつつ朧に姿を消す]
(@1) てば(tevasaki) 2021/04/22(Thu) 12:07:54
鬼一 百継は、>>a8 一葉へ対抗 (4)(6)2d6
(a10) TSO 2021/04/22(Thu) 12:17:53

鬼一 百継は、また後に**
(a11) TSO 2021/04/22(Thu) 12:42:38

【人】 京職 一葉

>>31
■ドラマシーンA 秘密取得
■相手:百継
■場所:場市場→大通りに変更
■成否判定:


>>15 >>16 返し含

 * * *

百継様は、その年齢にそぐわず滅多な事では我が侭を言わない方。
さあ来いすぐ来いと言わんばかりに外出に誘われたのは、ゆえに珍しい事で。

「勿論でございますとも」

垂れ桜の大樹の下、覚えているかと問われれば、返事は一つしかない。

まだ僅か、薄紅色が残るしなやかな枝を共に見上げる。

桜は散り様ですら美しい。
躑躅や牡丹のようにぐずぐずと茶変することもなく、美しいままに散り果てる。
その儚さこそが、人の生そのもののようにも思われて。

  ────存じております。


百継の言葉に差し挟むことは無かったが、心中、深く頷く。
(33) Valkyrie 2021/04/22(Thu) 16:53:47

【人】 京職 一葉

  信じる明日が来るとは限らない。
  呆気なく消え果てる明日が来るやもしれない。
  己の無力さに歯噛みする日も、また。


「────はい。はい、百継様」

なのに、まだ薄い双肩に重すぎるものを背負う少年は、こちらを見上げ真っ直ぐに告げるのだ。
約束すると。百鬼夜行を彼方へ封じると。

知らず、私は百継様の御前に片膝を折り、頭を深く垂れていた。

「一葉は、百継様の御力に」

「この命ある限り、御仕えすると誓います」

  私は百継様を信じている。
  気高き心も、その類稀なる力も。

  だが、喉奥に石が詰まっているに似た重みを感じる、のは。


「百継様。どうかお聞かせください。百継様の全てを」

  私にも、これまで誰にも告げることの無かったものはある。
  でも、告げても良いと。
  告げてしまいたいと、思う己が頭の片隅で強く主張する。


「私の全ても、いずれ。いずれ、百継様の御前に」

[百継の秘密取得]

[こちらからは〆]
(34) Valkyrie 2021/04/22(Thu) 16:56:09
鬼一 百継は、一葉に感謝した。
(a12) TSO 2021/04/22(Thu) 17:25:56

京職 一葉は、メモを貼った。
(a13) Valkyrie 2021/04/22(Thu) 17:37:08

【人】 封じ手 鬼一 百継

>>33>>34 一葉
===

――あァ、こんなにも。


儂には、心を預けられる仲間がおり、儂自信も強く成った。
9年前とは違う。

踏み出した儂の手を優しく受けた一葉。
信頼という絆で繋がっておる。
抑えきれぬ幸福感が胸をこみあげる。

百鬼夜行が如何程であろうか。
この仲間たちと共に在れば、何の問題もない。


……筈だ。

なのに何だろう、何かとても大きなことを忘れているような、畏れているような。
否、否。気のせいだ。

――百継様。


なんじゃ、一葉。
すべて順調であり、これ以上は何もないぞ。

――どうかお聞かせください。


言うておろうに。何も隠し立てしてはおらん。
何を聞きたいと申すのだ。

――百継様の全てを
(35) TSO 2021/04/22(Thu) 18:26:57

【人】 封じ手 鬼一 百継

……瞬間。

儂の頭の中を、黒い閃光が走った。
(36) TSO 2021/04/22(Thu) 18:27:13

【人】 封じ手 鬼一 百継

「……ぁ」


世界が崩れる、とは、まさにこのことを言うのだ。

荒く呼吸をしておるのに、窒息しそうだ。
体は冷え切っておるのに、汗が落ちる。


儂は只々、立ち尽くした。

【百継の秘密を一葉に送りました】

[**]
(37) TSO 2021/04/22(Thu) 18:30:49

【人】 宮廷音楽家 誘蛾

>>27
サービスシーン


[野良あやかし、と、称すれど。
 飼いあやかし、居らぬならば さして、
 等と、詰らぬ理屈は 置き去り。]


  あや、あや
  ……力比べは、不得手。


[振う剣も、拳も、在りは。
 持つは髪より細き弦か、指より弱い筆のみ。
 ─斯様な装いで、何を為すか。
 さりとて、逃げおおす脚も、足らず。]
(38) plmi 2021/04/22(Thu) 19:59:48

【人】 宮廷音楽家 誘蛾



  故に、………


[為すことは、自ずと。
 奏で奉る手練と、描き彩る手管しか。]


   おとぎ、 かへせば
  まどろみ、 から くれなゐに ………



[しゃらり、しゃらり 鈴揺らし
 鳴らすおと、は ひとの耳に拾えぬ

 何しろ、あやかし

 耳が有る とは、 限りなく。]
(39) plmi 2021/04/22(Thu) 19:59:52

【人】 宮廷音楽家 誘蛾



  うらかへし うたかた
  おもてみえし まほろばに ………



[あれよ、すっかり奉芸に夢中に。
 あやかしに目を、遣っておらず。

 ………はて、 何故 倒れているのか。
 与り知らぬ、ことで。]*

【テラーダイス取得】
(40) plmi 2021/04/22(Thu) 19:59:57

【人】 陰陽師 讃岐 氐宿

■ドラマシーン 感情取得
■相手:一葉
■場 所:D門跡地

成否判定:(4)(1)2d6
感情:5) 尊敬/嫉妬vil
(41) mile_hitugi 2021/04/22(Thu) 20:20:42

【人】 宮廷音楽家 誘蛾

■ドラマシーン 感情取得
■相手:継置
■場 所:A大通り

成否判定:(4)(1)2d6
感情:2) 友情/宿敵vil
(42) plmi 2021/04/22(Thu) 20:22:53
宮廷音楽家 誘蛾は、メモを貼った。
(a14) plmi 2021/04/22(Thu) 20:28:49

【人】 御相談役 徽子



あら、うつくしのこと・・・でございますか?

[ゆるり、首を傾げて微笑みます。
思い返してみれば──目の前の継置様のように、まっすぐにうつくしに問うてくる者はひとりもおりませんでした。

問われなかったから、答えなかっただけのこと。
敢えて隠し続けるほどの秘密でも、ありませんもので]

では───お教えさせていただきますわ。
(43) rein-joir 2021/04/22(Thu) 20:52:41

【人】 御相談役 徽子

■徽子の秘密

・強大な力を持ったあやかし。
九年前の百鬼夜行を引き起こした張本人であり、歴代の百鬼夜行もまた徽子の仕業である。
・九年前に鬼一家が幼い百継を残して壊滅した理由が、百継の姉の離反によるものだと知っている。
・百鬼夜行を引き起こし、一夜の饗宴を愉しむのが生き甲斐。

【目的:百鬼夜行の再来】
(44) rein-joir 2021/04/22(Thu) 20:53:08

【人】 御相談役 徽子

継置様────いいえ、鬼一の継子。

異能無き、まがいもの。

あなたに百鬼夜行は止められないわ。

[これを聞いて、あなたはどうするのかしら。

あなたの大切な“あの子”に、伝えるのかしら。
そうしたら、“あの子”は、どう反応するかしら。

きっととても可愛くて、可愛そうで────さぞ見物でしょうね*]
(45) rein-joir 2021/04/22(Thu) 20:55:05

【人】 封じ手 鬼一 百継

■鬼一百継の秘密


・9年前の百鬼夜行で、父、母、姉を喪った。百鬼夜行、ひいてはあやかしを深く憎んでいる。
・百継の封じ手としての力は強く、封印が成されれば1008年の間は百鬼夜行を封じることができる。
・しかし、その力は強力ゆえに不安定であり、揺らがぬ不動の心でなければ発動できない。

【1008年のあいだ、百鬼夜行を封じる】


※この秘密が誰かに開示されると、百継は自らが「憎しみに振り回されていて、術を発動できない状態である」と自覚する。
(46) TSO 2021/04/22(Thu) 21:00:05

【人】 封じ手 鬼一 百継

莫迦な。


莫迦な、莫迦な、
迦な……!!


あやかしを
むことにより……
    ……あやかしを
じることこそを
生きて
来たというのに……
     ……
誇り
としてここにいるのに

これでは、儂の価値などなかろうよ!!
(47) TSO 2021/04/22(Thu) 21:03:59

【見】 あないみじ・くっしょん 黄色

どかーんどか―――ん!!!
空気をぶちこわす黄色だぞ―――!!!


更新まで1時間
を切った!
シーンを使い切っていないヤツは!
とりあえず建てとけ建てとけ―――!!

建てればなんとかなる!!

おまえらには―――!!
休息日という強い味方がついている―――!!!!
(@2) TSOc 2021/04/22(Thu) 21:11:00

【人】 陰陽師 讃岐 氐宿

ドラマシーン@:一葉との感情取得


──あれより九つの年が巡った。
夜を見上げれば月の花が開いている。
独り佇み門地の跡を見遣っても、そこには既に残り香もない。

故に口許に手を当てて物思いに耽るのは、故に過去を見ている訳ではなかった。

『地獄の蓋が開く』

当代の鬼一家当主、百継はそう告げた。

『此度こそこの夜行を留めるべく、力を貸してくれ』

勿論です、と頭を垂れてその前に座したのが数日前。

陰陽師としての讃岐家は星を読み、過去を視、定めを紐解く。
そうして警告と忠告を与え、帝やそれに連なる人々の道筋を整える。
それが役目であった。──今はたった一人となってしまったが。

今こうしてここに佇んでいるのは何れ起こる夜行に備え、それらが通るであろうと示した道筋を星で読み、次の対策へとつなげる為であった。
月夜であるから、灯りは必要がない。むしろ、星を読みながら辿るには邪魔ともなる。
ざり、と砂利道を踏みしめて廃墟となった門地の廃材を拾い上げた時だった。

「……これはこれは」

振り返り、会釈をする。真白い狩衣を身に纏ったその男も、数日前に顔を合わせた。

「一葉さま。夜分遅くに危のうございますよ」
(48) mile_hitugi 2021/04/22(Thu) 21:11:10

【人】 陰陽師 讃岐 氐宿

ひやり、微笑む笑みは夜気に侵されてかどこか冷え込んでいた。
──闇に蠢く気配がする。

「やつがれは構いませぬが、一葉さまは夜行に備えておかねばなりませぬでしょう」

眉を顰め、手印を組み。
木っ端に等しいあやかしへと不動明王の咒を打つ。
殆ど残滓のようなそれらは、あるいは時を感じて集ってきたものか。
じわり、じわりと数を増やしているようだった。

「どうぞ、ここはやつがれめにお任せを」

そう告げ、彼の前に立たんとする。
しかし、聞こえたのはすらりと刀を抜く音であった。

「お力を振るわれますので? ……一葉さまのお手を煩わせるものでもありませぬが」

不思議そうに問うてみれば、何を馬鹿なと返される。
──曰く。
一人に任せて逃げかえるなぞ、警吏のふるまいではない、と。

……そのような考えがあることなど、思いもしなかったものだから。
ほう、と息を吐いて、隣に並び立つ。
……今宵は長くなりそうだ。

[尊敬(+)取得]
(49) mile_hitugi 2021/04/22(Thu) 21:12:59