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【墓】 高野 景斗[ 指を飲み込むくらいに解れたとしても それより遥かに大きいものを難なく受け入れられる とは到底思えない。 それでも欲してくれる。 大事にしたい、優しくしたい 乱暴に覚え込ませたい、ほかのだれとも できなくなってしまうくらい。 痛みで与えるのではなく、 幸せで、快楽で。 僅かな焦りが、判断力を鈍らせて、 想定より性急に押し入ってしまうと、 痛みを感じたのか、息を詰めて、濁った声が 耳に届く。 言葉で力を抜くことができていれば 苦労しないだろう。 ぽたりと落ちた汗を拭うように 頬を撫でて。 ] (+6) 2023/03/25(Sat) 2:41:58 |
【墓】 高野 景斗[ 息を吐いたところを見計らって、 もう少し進むか、それとも――。 迷ううちに、肩をつかむ手の力が 緩められて。 ――もう、食いちぎられてもいいな なんて非現実的なことを、空想した。 性行為を食事に例えることがある。 食べちゃうよ、とか食べて、とか。 この場合は、どうなのだろうと 考えることに意味など、あってないようなもの。 どっちだって、構わないんだ。 君と繋がれるなら。 ぐ、と押し込みながら ] (+7) 2023/03/25(Sat) 2:42:27 |
【墓】 高野 景斗 ――泣かないで、 可愛くて、 ……手加減、できなくなっちゃう [ 戯れるような言葉を投げても、 聞ける余裕はなさそうだけど。 頬に伸ばしていた指で、両の目から 溢れる涙を掬い取って、 一番奥まで到達すると、余裕もなさそうのに、 浅く首を揺らして、頷くから。 ぎりぎりのところで踏ん張っているのにまた、 ずくん、と熱が集中して、質量が増して しまうのを感じてしまう。本当に堪え性のないことで。 ] (+8) 2023/03/25(Sat) 2:43:29 |
【墓】 高野 景斗 わかる? 今ここに、いるよ。 [ 薄い腹の下、臍のあたりを撫でる。 どくん、とひときわ大きい鼓動が 限界を訴えて、緩やかに動き始めると まだ、と引き止める声がする。 ――それを拾えても、一度熱を上げた体は そうそう、止まれない。 でもせめて、指で覚えた場所を 今また、当てることができれば、 少しは、苦しさから救ってやれるだろうか。 ] (+9) 2023/03/25(Sat) 2:43:57 |
【墓】 高野 景斗[ 抜き挿しを繰り返す度、 濁った声が耳を触る。 肉のぶつかり合う音と、 その肉の間、ローションが泡立つような音。 ぎゅうぎゅうと圧迫されて 今にも。って程、余裕がないのに。 ] んっとに、……、煽り上手 、ほんと、余裕ない、……気持ち良いよ、 今まで、ない、くらい、 本当に、――溶けそ、 うっ、 熱くて、……ぎゅうぎゅうで、 [ 涙を浮かべながら伸ばされた手を取り、 また律動を早めていく中で、奇しくも すき、の言葉を聞いた直後。 こちらでも、探し当てた事を感じ取ったので ] (+10) 2023/03/25(Sat) 2:45:17 |
【墓】 高野 景斗 那岐、……好き、 好きだよ、 君も、 今は、無理でも 良く、なって[ 苦しみが、幸せに、 痛みが、快楽に変わるよう、丁寧に、 何度も、そこを突くように、動きを変えていく。 不規則な動きから、規則的な動きへ。 今は難しくともいずれ、その行為も 好きだから、気持ち良いから、したいと 思えるように、なって欲しい。 ] (+11) 2023/03/25(Sat) 2:45:54 |
【墓】 高野 景斗 ここ、好き? じゃあ、もっと――。 [ うねる内部が、収縮を繰り返し、 離すまいとするように、ぎゅう、と締まれば ] ッ……! 締、まる……ッ も、たな い…… イク……ッ…… ッ……うっ、…っん… [ 繋がった手をシーツに押し付けて、 体全体で伸し掛かるように、抱き締めながら 彼の中で、どくん、と脈打ち、精を放つ。 それがおさまるまで、そうしていた。 やがて、幸せの滲んだため息が、 君の耳を擽れば、 ] すごく、良かった…… もう少しだけ、こうしてたい [ そうねだるように言いながら、やさしく 額を撫でて。** ] (+12) 2023/03/25(Sat) 2:47:23 |
【墓】 高野 景斗[ 泣かないでと目尻を拭いながら、 奥歯を噛んでも少し遅かった。 今までなら、理性を削り切られることなく 行為に及びながらも冷静に相手を観察し 射精のコントロールも効いていた。 相手の状況を見て、達するのを待つことすら 出来ていたのに。 自制が出来ず、質量を増したことにも 気づかれて、薄く笑う。 過去に起こったことは、 子供のままごとの延長線上にあったのでは ないか、と思うほど。 抑える事すら、愉しいだとか思っていた 数時間前のことが、遙か過去の出来事みたいに ―― 欲しい 、それが抑えられなくて。 ] (+19) 2023/03/25(Sat) 13:56:43 |
【墓】 高野 景斗 ……どうして、 恥ずかしい? [ 恥ずかしくなるような事、してるのに。 そこまで続けて、 ] ッン また、締まった [ きゅん、と悦ぶみたいに、収縮するから。 実はそういうの好きなんじゃ?とか思うけど 生まれた疑問を今解決するには、 余裕がなさすぎるから、今は捨て置くけど。 ] (+20) 2023/03/25(Sat) 13:57:17 |
【墓】 高野 景斗可愛い [ 打ち付ける度に上がる声に、 苦しみ以外のものが滲んでくれば 殊更に、止まれなくなる。 そうなってしまうくらい、 君を感じているよと伝えようとした言葉に また、言わなくていい、と啼くから、 捨て置いた疑問の答えを、 こちらで勝手に得たような気持ちになる。 ] (+21) 2023/03/25(Sat) 13:57:44 |
【墓】 高野 景斗 うん、……うん、 [ わかったよ、の代わりに頷いて。 告げるためではなく、溢れてくるから こぼれ落ちて言った好き、の言葉への 応えを得て、快楽を拾い、戸惑うような声を 聞けば、本能が望むままに、何度も 繰り返し、腰を打ち付けた。 ] ダメ?……ん、 分かった [ けだもののように、深く貪るように。 ] (+22) 2023/03/25(Sat) 13:58:31 |
【墓】 高野 景斗[ 食われている、最後のひとくちまで。 意識的にしているのか、無意識なのか 最後まで搾り取られるように抱き締められて。 ] ……は、 ……、 [ 受け止めて撫でられる。 達した後の、気怠いため息、熱を孕む呼吸が 落ち着くまで、甘やかされる手に縋っていた。 ] (+23) 2023/03/25(Sat) 13:58:50 |
【墓】 高野 景斗[ 触れ合わせた唇の合間で笑い 体を起こし、ずるりと質量を失った肉を引き抜いて 処理を終えると。 にっこり、満足そうにと言うよりは、 艶が滲むような笑い方をして、 するすると体を再び、下方へと向かわせていく。 萎れることなく、熱を持ったままであれば 尚笑みは深くなる。その顔のまま、べ、と 舌を出すと、 ] ……ん、む、 [ 片手で支えるように持ち、口の中へ。 追い立てるように、ではなく、甘やかすように 緩やかに舌先を遊ばせて。* ] (+24) 2023/03/25(Sat) 13:59:13 |
【墓】 高野 景斗[ たった一晩では、互いの好きなこと 好きなふれあい方、全てを知るには至れない。 一つずつ、欠片をつなぎ合わせるように、 知っていく中のひとつ。 恥ずかしそうにしながらも、素直な反応を 示されれば応えるように、笑って。 涙混じりに可愛らしく詰ってくることすら、 自分に届く頃には悦びにかわる。 熱を与える与えられるからという以上に、 よく、顔を赤くすることも、今日知れたこと。 大胆な物言いをするくせに、 すぐに照れて顔を背けちゃうとこも。 ] (+30) 2023/03/25(Sat) 19:09:53 |
【墓】 高野 景斗[ 淡白どころか、 自分とおなじくらい、欲張りなところも。 愛しくて愛しくて。 口から零れ落ちる言葉くらいは許して欲しい。 熱を上げさせるようなつもりもなく、ただ 知った事を、伝えたいだけなので。 引き抜くときにもまた、艶めかしい声を 上げて。さみしげに、こぽ、と泡だって 白くなったローションをとろりと、こぼして。 唇をなぞり、物憂げに瞳を伏せられたら 喉が鳴りそうになるのを、ぐ、と堪えた。 今日のところはこれ以上、無体を働くような ことをするつもりはないので。 体への負担も相応だろう、当然。 ] (+31) 2023/03/25(Sat) 19:10:47 |
【墓】 高野 景斗[ それでも、痛みを苦しみを散らすためとは いえ、好き放題熱を覚えさせられた、 いとしいからだを、そのままにしては おけないから。 招き入れて、嬲るように、舌を絡ませる。 目が細まったら、先端をちう、と吸い上げて ] (+32) 2023/03/25(Sat) 19:11:08 |
【墓】 高野 景斗 そんな寂しいこと言わないで 気持ち良くなって? [ 手と口とで、ゆるゆると快楽を与えながら。 さみしげに、ひくつく蕾にもそっと指を挿し入れた。 一人で試した時には感じられなかったものを 感じ取れるようになったなら、いずれ ここでしか得られないものも、 拾えるようになるかもしれない。 そうしたらまた、 ] ン………、 [ 君も知らない、君の姿を、見られるような気がして。 ] (+33) 2023/03/25(Sat) 19:11:31 |
【墓】 高野 景斗[ 二度も達して、どこもかしこも 敏感になってしまった体、 追い立てるようにしなくても、 勃ち上がり、熱を蓄えていく塊、 待っていたと言わんばかりに、 指を締め付ける、体内。 ] ふ、……ン、 いつでも、 らして、 ね [ 口の中に収めたままでは 呂律の回らないような言葉しか 出せないけれど、伝わればそれでいい。 なにかしら、応えるような反応があれば こりこりと中を引っ掻くようにしながら 奥まで咥え込んで、 添えるだけだった手も、 愛おしげに、君を撫でた。* ] (+34) 2023/03/25(Sat) 19:12:34 |
【墓】 高野 景斗[ 素直にこうして、ああしてと ねだってくれたらいいのに。 見たいだけだろうと言われれば、そうだけれど。 快楽に弱いところがあるのは、 男として諸手を挙げて、歓迎したいところ。 先程から時々、逃げるように、 否定の言葉を言い掛けるくせに、 もっとってねだるみたいに、 押し付けてくれるのが愛おしい。 その刺激に慣れていないのか ――それとも、相手が俺だからか。 ] (+39) 2023/03/25(Sat) 22:10:51 |
【墓】 高野 景斗[ 赤く染まった顔を覆い隠しても、 唇を噛んで声を逃がそうとしても、 抗いきれずに、隠しきれずに、 ちらりと見える赤が、声が。 震える体が、望んでくれると 思わせてくれるから。 誘われるままに――。 ] (+40) 2023/03/25(Sat) 22:11:12 |
【墓】 高野 景斗[ くしゃりと髪を混ぜる手と あまく締め付ける蕾、 だめ、と紡ぎながら、 悦いとはねる体。 そのどちらも、愛おしいから、 ] ン、……ァ ん、 いいよ [ 涙ながらの離して、 という願いは聞き届けられそうにない。 蕩け切った目をゆるく閉じて、 抱き寄せられるままに、奥の奥まで 迎え入れると、熱い液体が喉へ口腔内へ 飛び散って。 こくり、喉を鳴らしたのはわざとではなく 勢いに負けるような形で。 ] (+41) 2023/03/25(Sat) 22:11:31 |
【墓】 高野 景斗 ――んん、 [ 最後の一滴まで搾り取るように、 根本から吸い上げ、ちゅぽ、と音を立て解放してから もう一度、惜しむようにキスをする。 同時にゆっくりと指も引き抜いた。 刺激しないよう注意を払って。 しかし、その瞬間に締め付けられた力の強さに 入っていたら本当に食いちぎられていたかも 知れないな、と思えば笑って。 ] (+42) 2023/03/25(Sat) 22:12:38 |
【墓】 高野 景斗 いいこ、 疲れた? [ 体を起こし、頭を撫でながら 封を切ったほうのミネラルウォーターを 片手であけて、こくり、こくり。 ] 那岐くんも、水分とったほうがいい [ 随分汗かいちゃったから、と 封を切っていないほうを渡して、 ] お風呂入る? ……立てそう? [ 難しそうならこのまま、くっついて 一つの生き物みたいに、眠ってしまうのもいい。 だけどすぐに眠ってしまうには、少し惜しい。 そんな顔をしていただろう。* ] (+43) 2023/03/25(Sat) 22:13:05 |
【墓】 高野 景斗[ 一度受け取られたペットボトルは 風が開かれないまま転がされる。 問いかけには頷きを得たが、 よもや起きれない程辛いのではあるまいな と覗き込むように見て、 ] ふふ、……ん、 [ 甘えているだけだと分かれば、 またペットボトルを傾けて、そのまま 唇を合わせ、流し込むように少しずつ 唇を開いた。こくり、嚥下する音を聞いても、 啄むように、数度。 ] (+48) 2023/03/26(Sun) 0:38:43 |
【墓】 高野 景斗 転んだら困るからね [ 一緒にと誘われれば、笑いながら そう言って。蕩けた顔にまたキスを。 顔を見る度、したくなりそうで、困ったものだが。 一度立ち上がり風呂場までの扉を全て 開いて、給湯のスイッチを入れようとしたところで いつでも入れるようにしていたことを思い出した。 ] (+49) 2023/03/26(Sun) 0:39:00 |
【墓】 高野 景斗[ ――そういえばシャワー浴びる間もなく、 なだれこんでしまった、……若さってこわい、 なんて他人事のように思いながら、 ] しんどいなら抱っこする? [ ベッドまで戻り腰を撫でつつ ] ――そういえば前にもそんな話したね [ 浴室まで向かって――。 二人一緒に浸かれる浴槽にゆっくりと沈み。 させて?と髪を洗う事や、体を洗う事も 引き受けて、先に浴室を後にした。 汚れたシーツの取替と、ドライヤーで 髪を乾かすのに時間を食うために。 そうしてゆっくりしていれば、夜も更けて。 寝巻きを貸すこともできたけれど、 肌の触れ合う幸福に抗えず、下着だけ纏い その日は眠りについたのだったか。 ] (+50) 2023/03/26(Sun) 0:39:40 |
【墓】 高野 景斗[ ――翌昼、君より早く目が覚めて、 ベッドを抜け出そうとすると、むずがるような声。 音を立てずに小さく笑う俺は、 その夜、自分の腹、火傷痕の残る部分に 口付けられたことは、知らない。 だから、掛け布団をめくり、 君の腰のあたりに、吸い付いた。 今度するときには、してね、と言いたげに。 散らした赤を隠すように掛け布団をかけ、 顔を洗い、歯を磨いたあと、 ] おはよう、よく眠れた? [ そう声を掛けたのと、コーヒーマシンが 抽出完了の合図をしたのは、同時くらい。 ] コーヒー飲む?* (+51) 2023/03/26(Sun) 0:40:07 |
【墓】 高野 景斗―― 忙しい日々の中で ―― [ 時間が取れれば会いに行き、 運が良ければ、二人で帰り道を歩む日も。 ] 泊まってく? [ そう聞く日もあれば、自然と、 初めての日、よりはスムーズに ベッドへ誘う事も出来た、だろうか。 ベッドの上では素直に甘えてくれない君の代わりに ] したい、 [ 直接そう伝えて後ろから抱き込んだ日もある。 あの日だけが特別なわけじゃなく、 いつだって、溺れる感覚はあった。 むしろ体を重ねれば重ねるほど深く。 ] (+52) 2023/03/26(Sun) 1:09:51 |
【墓】 高野 景斗[ ――だというのに、俺と来たら。 手放してやれなくなる だとか。 普通の幸せを奪ってしまった だとか。 抱けば抱くほど、深みに嵌まるほど、 身勝手な罪悪感を募らせていた。 愛される覚悟というものを 根本的に理解した日もあった。 嫉妬に駆られた夜なんかは、 痛みを感じるほどに抱きしめて、 苛めてしまったというのに。 ] (+53) 2023/03/26(Sun) 1:10:11 |
【墓】 高野 景斗 ――……まだ、だよ。 甘やかしてくれるんでしょう? ね、ここ好きでしょ? 好きだよもっとして、って言ってくれたら ずっとずっとしてあげるのに。 俺の指、好きだもんね? こうしてされると、泣いちゃうくらい やだ、って言っても今日は聞かない。 [ 嫉妬に駆られた日には、 どろどろに煮詰まった愛を囁きながら。 ] (+54) 2023/03/26(Sun) 1:11:19 |
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