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サルガスは、助けを求めない。求められない。諦めたように俯いて、唇を噛んで。けれども何が言えるだろう。 (a32) 2021/05/31(Mon) 12:59:22 |
サルガスは、だって。己のしたことを知っている、彼らは知らない、でも自分は、知っている。 (a33) 2021/05/31(Mon) 12:59:48 |
ルヘナは、スピカの行いに報いたい。 (c40) 2021/05/31(Mon) 13:03:17 |
【置】 演者 シェルタン「え?いやオレが教員棟に行ったのは、 授業欠席に対する謝罪、反省の為ですよ。 先生に会いに行った後はすぐ帰ったんで、 特に何にもしてませんけど……」 今日の分の授業終わりに、大人に呼び止められて。 これ幸いと堂々と受け答えをする。 でも、何かが引っ掛かった。教員棟に来たことを、 わざわざ今更問いただすようなことがあるものか?と。 何か。 何かが。 ──取り返しのつかない、何かが起きている? ただその時点では、ただの予感であり。 体格も決して“小さな足跡”ではない彼は、 特に何事もなく、そのまま解放されたのだった。 (L3) 2021/05/31(Mon) 13:10:35 公開: 2021/05/31(Mon) 13:30:00 |
シェルタンは、確かな違和感に気付いた。 (a34) 2021/05/31(Mon) 13:11:14 |
シェルタンは、悪い予感がしたことを、誰にも言えないでいる。 (a35) 2021/05/31(Mon) 13:11:48 |
シェルタンは、“いつも通り”であることを、自分に課している。 (a36) 2021/05/31(Mon) 13:12:20 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+13 君しかいないんだよ。 部屋には散乱した文章、いくつかの本、お菓子、お茶。 大きな兎のぬいぐるみ。 纏めかけられている、荷物。 「に、にいさんがいなく、なるわけ…… か!鏡、鏡の中 にとじこ 」……そ、それ で……「 ……待って、 ルヘナ どうして「どうして、僕を呼んで、 今の 」カストル を、僕だって思ったの?「どうして カストル じゃないって治ってしまった双子は、優しく聡明で、無論ポルクスだってそうである。 気弱な分、細やかに所に勘付き、勉学では兄より少し優れていて。集中力もあり、やさしく。多くを重んじるっことができた。 張り巡らされた狂気が目減りしている以上、盾としては使えないが…… ルヘナとカストルと、ルヴァは(?)別だ。 「ごめん、ごめんなさい」 めそめそしながらもルヘナを片手にお茶を入れようとする。間違いなく手遅れだった。 取り合えずベッドの上に座らせて、お茶を飲む。 「 何から、どれが。何の話を。 」僕から何が、聞きたい? (+19) 2021/05/31(Mon) 13:31:10 |
カストルは、友達が少ない。 (c41) 2021/05/31(Mon) 13:32:12 |
【墓】 いたかった ルヘナ>>+19 知ってるよ。 「何年の付き合いがあると思ってるんだ、それくらいわかる。 お前だって俺のこと、少しくらいは分かっているんだろ?」 ずっと彼ら『二人分』の狂気を受け取っていたのだ、 明らかに目減りしたそれに気付かない訳もない。 ……それはきっと、自分だけではないだろうけど。 謝られる間も片手に確保されているため お茶を入れる手伝いができない。 とはいえこれもある種いつものことではあった。 三人でお茶会をする時はいつも、二人が用意してくれていて、 自分が用意したのはテーブル上を片付けるくらいだったから。 ベッドの上、彼を見上げながらお茶を一口飲む。 「……正直、つい最近までお前達がどうして 『そうだった』のかを俺自身忘れていたからな。 お前の口から聞きたいよ、お前の…… 事件も、悪性も。 それ以外でもいい、お前が話したいことならなんでも」 (+20) 2021/05/31(Mon) 14:03:21 |
スピカは、自分の本音から逃げ出した。 (c42) 2021/05/31(Mon) 14:25:56 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:30 朝の食堂 シェルタン 「ありがとう。ほんとうに、ありがとう。 いつだって、弱音をはいていいからね。ぼくでなくても、寄りかかれるだれかに、そうしてね。 ……たとえば、メレフとか。ぼくは、なにも聞いていないけれど……」 二人の間に、あの日の深夜に何かがあったのだと言うことは聞いている。それが何かは、敢えて問いたださなかった。 けれど、二人がそれを同じく抱えているのなら、二人なら何とかできると、信じている。 言葉少ない彼と、優しさで口を隠した貴方が。互いを大切にしようとしていること。 互いの言葉の中に言外に抱えた見えないものを、なんとなく、信じているのだ。 「いつか、また、あのひの音色を聴きたいな。 愛の喜び 、こんどはあたまからちゃんと、さんにんで……」くしゃくしゃになった涙声は、俯いた頭の下側からのぼるやうに聞こえる。それを、鼻を啜って押し返して。 あまり小綺麗ではなくなってしまった顔をぱっと上げると、両手をやさしい腕から離した。 人のほとんど捌けかけそうな食堂の出口へ、くるりと足を向けて、振り返らないように駆けていく。 「じゃあね! みんなのこと、よろしくね!」 (31) 2021/05/31(Mon) 14:42:20 |
【墓】 臆病者 スピカ>>+16 「こんにちは、イクリールさん」 まあ、実際のお目当てはイクリールだった。 スピカから見て、もっともわからない子、 それがイクリール。 「ねえ、私ずっと疑問だったの。 こうなった子って、多かれ少なかれ変わるものじゃない? 私だって、多少は変わってると思う。 だけど、あなたは変わらない」 「他人からの扱いなんて関係ないかのように振る舞うし、 今日もこうして、まるで『いる』ように、ここにいる」 「みんな救いたい、なんていうけど、 あなたに関してはとっかかりも、問題も掴めない」 これは詰問とか、そういう意図はないんだけど、 と前置きして。 「ねえ、あなた、一体何を抱えてるの?」 (+21) 2021/05/31(Mon) 14:48:14 |
【墓】 甘夢 イクリール>>+21 スピカ 「なんだと思う?」 その疑問の向けられた先が自分だった事に、 ほんの一瞬だけ、イクリールは瞠目した。 てっきり、スピカは手を差し伸べるべき『誰か』を 探しに来たものだと、そう思っていたから。 けれどそれも一瞬の事で、 その後にはいつものように穏やかな笑みを浮かべていた。 「ここに居る子は……ギムナジウムに居るわたしたちは。 かならずしも『何か』を抱えていなければならないのかしら? それは、全てが全て、解決しなければならないもの? わたしたちの中に、けっしてあってはいけないものかしら」 ねえ、スピカ。 イクリールは、問いに問いを返す事を恐れない。 だって、自分が答えた分、相手だって答えても良いはずだ。 「わたしは……なにも、ではないけれど。 それでも、みんなと比べたらずっと。 悩みごとは、少ないはずよ。不便なことだって、一つも。 だから、みんなのことを気にかけてあげたいの 『せんせい』も、きっとそれを望んでいるわ。」 それでもまだわからないことがあるのなら、 これからもっと知っていけばいいわ。 そう言って、イクリールはもう一度、スピカに笑い掛けた。 少なくとも、それがイクリールにとっての『真実』だ。 (+22) 2021/05/31(Mon) 15:02:10 |
アルレシャは、 が向けてくれたお辞儀に、笑顔 を返した。 (t2) 2021/05/31(Mon) 15:08:07 |
【墓】 臆病者 スピカ>>+22 イクリール 「ああ、確かにイクリールさんの言う通り。 手を施さなくてもいい病気だってある。 それが病気かどうかすらわからない子も。 ただ、大人から見たら異常というだけで、 ここにいる子もいますものね」 自分だってそうだ。 こんなところに押し込められるという点で、 スピカはこの病気が嫌いだったが、 今はもうそうではない。 彼の盾になれるから。 「オーケー。私が間違ってるわね、確かに。 いない子と向き合うのに、 偏見を持っていたらどうしようもないわ」 「……あなたに余裕があるのなら。 イクリールさんも手伝ってくれる? 私に何ができるかなんてわからないけど、 でも、こうやって私たちが日常を過ごすだけで。 人を受け入れられると示すだけで。 助かる子たちがいるはずなのよ」 そう、ルヘナに教えてもらったから。 (+23) 2021/05/31(Mon) 15:51:41 |
【墓】 甘夢 イクリール>>+23 スピカ 「うん…わたしのこと、わかってくれてうれしいわ、スピカ。 でも……レヴァティのいうように、 きっと、それを受けいれられないことだって 誰かには、受けいれられてもいいはずなのよね。」 でも、と続く言葉はぽつり、独り言のように。 人には誰だって許せない事と許したい事があって、 間違ってしまう事だって、何度でもあって 知らなかったのなら、知った上でそうしたいと思うなら。 自身の誤ちを、正したいと思えるなら。 誰かの事を、好きになりたいと思えたなら。 つまりまったく、それでいいのだ。 「いいわ。わたしにできることなら、なんだって。 なにができるかは、わたしにもまだわからない。 だから、これから一緒に考えましょう?」 大丈夫。 あなたはもう、 弱くて小さな、独りぼっちのスピカではない。 一緒に手を取って、戦ってくれる人が こうして確かに居るのだから。 (+24) 2021/05/31(Mon) 16:08:54 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+20 「 ……7年弱? 人生の半分か全部くらい?四十割。 これは素だ。 「だよね、カ スト…… 」いつか虚空に話しかけていたブラキウムを、思い出した。 どんな気持ちだったかなんて想像するのも難しいけど。 「少しは知っているつもり、だけど。 ルヘナのストーカー めいた部分は、あるし、僕らブラキウムは、凄い人だ、今なら尊敬できる。 今なら少しルヴァが怖がった理由も、ちょっとだけ。 それにイクリールだって、そうだ。 シトゥラ。良くしてもらってたのに、たまに名前を間違える。 メレフは僕ら普通に叱ってくれた。 他の子の、名前や良いところも今なら分かる。 ヘイズの名前くらいは。デポラが言っていたこと。 「それは僕が悪いと思う。確証は持てないけど」 「認識の伝搬……みたいな。」 「例えば、 風紀委員のスピカはご飯いっぱい食べて 森に行ってキノコを食べる のは、まあそういうものとして認識するだろ?」 (+25) 2021/05/31(Mon) 16:12:49 |
スピカは、ルヘナに抱かれている。 (c43) 2021/05/31(Mon) 16:15:06 |
ルヘナは、スピカを抱きしめた。また傷付けてしまった、のだろう。 (c44) 2021/05/31(Mon) 16:16:41 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+25 「これ、 普通におかしい んだよ。何もかも。ここの風紀ってそもそもなんだ? 」兄とルヘナだけにしか興味はなかった。 いる子、いない子の意味も分からないくらいに。 「……改めて考えて、この後も考えると、本当に 『僕らお前?!』 とも思う。思うよ。いやだ、やだ。いえないよ。いやなんだ。」 「 皆、 」いろんな虐待されてた みたいだし「……たまにそこから雑に手を引いたり、ごまかしたり。 視野から隠して、 他の子に罪を作ったり。塗ったり。 」「 うわぁ……こわすぎる 」「 るへなぁ ……まだまだ余罪もある。 狂気と愛情の災害めいた奴に手を出そうとする奴は子供大人関係なく。 そして一部には有益な部分をチラつかせて。 ヤバそうなやつがいるときは、ほどほどに それらしく しておいて。ああ、手を出すも、出さないもないなぁ。 「 僕ら、 」狂ってるけど、大分頭が良すぎた 発言はただのアホなのが、さらに問題だったのかもしれない。 (+26) 2021/05/31(Mon) 16:18:49 |
【墓】 いたかった ルヘナ>>+25 >>+26 ポルクス 「それは盛り過ぎ。四十割は人生四周してるだろ」 前前前世から? 「まあでも、長い付き合いなことには変わりないよな。 ここに入ってからほぼずっと一緒だったはずだ」 自分も自分で知識欲の権化だったし彼らも頭が良いから 懐に入った時に居心地が良かったのは確かだ。 だからこそ周囲が寄り付かない三人きりでも過ごせていた。 こっそり夜更かしをして読書会もした。楽しかったな。 ……彼らの狂気と悪性は、多くのものに向けられた。 自分や彼らを害そうとした者が至った結末を、 自分はいくつも知っている。 彼らという台風の中心に収まった自分は その様子をただ遠くで認識するだけだった。 出ようとすれば彼らはきっと自分を害するだろうと思っていたから。 「人には一長一短がある…… では済ませられない気質があることは知ってるよ。 お前は自然や草花……あとは家族か。 それら以外には 残忍 ……その残忍さが俺に向けられたことはなかった、がな」 彼らから向けられているものは一貫している。 ―――― 執着 と、狂気 と、愛。 彼らの持つそれが愛なのか、自分は知らないけれど。 (+27) 2021/05/31(Mon) 17:40:43 |
【墓】 臆病者 スピカ>>+24 イクリール 「そうね…… 受け入れられなかった子を、 受け入れられればいいんだけど」 スピカは裏切られても許したいと思っていて、 誰にだって隠し事はあるから、それも許したくて、 話したくないことを話さなくても 受け入れたいと思っていた。 止まり木になるべきだと言い聞かせてきたスピカには、 当然の道理だった。 「うん……やっぱり、イクリールさん、年上じゃない?」 精神的に勝てる気がしなかった。勝負するものでもないが。 「ま、毎日増える『いない』人を探すところからですかねえ」 解決すべき問題があろうとなかろうと。 孤独に完全に耐えられる子供は、きっといないだろうから。 (+28) 2021/05/31(Mon) 17:52:10 |
【人】 目明き ブラキウム>>19 朝の食堂 サルガス 「焦る気持ちもわかるんだ。 好きなものの為にできることを探したくなる気持ちも否定したくはない。 僕だってそうだったから。 だけどそれだけじゃうまくいくとは限らない」 人の顔も随分と認識できるようになってきた。 あなたの事もよりはっきりと認識できる。 自分の身体中に張り付いた重みを振り払いながら、もっと多くのしがらみに囚われようとしているあなたを連れ出そうとする。 「そう言ってもらえると上に立つものとしては誇らしいね。 少しだけ頑張ったんだ。 サルガスも変わったのがわかるだろう? まぁこれは僕一人じゃなくてみんなの頑張りだから、きっと凄いのはここの子ども達なんだよ」 もちろん君もその一人だよ。 そう笑いかけて食事に取り掛かる。 「もう見失わないように、逸れないようにしたいんだ。 僕は君を置いてきぼりにはしたくないよ」 足取りが重いなら肩を貸そう。 足並みが揃わないなら手を引こう。 それでもあなたはいつのまにか穴の中に飛び込んでしまうんだろうね。 昨日も一昨日もそうだったように。 それがとても残念で緑色のうさぎを齧りながら願いを零していた。 (32) 2021/05/31(Mon) 18:06:20 |
スピカは、スピカを鼓舞した。 (c45) 2021/05/31(Mon) 18:08:07 |
スピカは、スピカを鼓舞した。 (c46) 2021/05/31(Mon) 18:08:16 |
【墓】 甘夢 イクリール>>+28 スピカ 「受けいれられればいいのになって そう思えるなら、きっとスピカは大丈夫よ。」 『みんな』がそうかはわからないけれど。 そう言って、少しだけ寂しそうに、 けれどやはり曇り無く笑って見せた。 「…あら、どうかしら。 でもね、スピカ。考えることって、ひとを思いやることって そこに年上とか、年上とかって、そんなに重要なこと?」 3年前より以前にも。 このギムナジウムで、イクリールの姿を見た者が居る。 この学校の関係者の大人に連れられて。 高等部のスピカなら、それを目にした事もあるかもしれない。 イクリールは、その頃から何も変わっていない。 外見の話ではない。その在り方の事だ。 イクリールは、その頃からずっと、『誰か』に手を差し伸べ続けて来た。 「うん……まずは、そこからね。 まだ誰が『いない』のかもわからないのだもの。 これは…手わけをして探したほうがよさそうね。」 まだ幼く、監視の目もあるイクリールの行動範囲は きっと、スピカほど広くはない。 教師や生徒達に聞くという手段も、今や通用しない。 けれど、『わたしたち』には立って歩く足があるのだ。 今はそれだけで十分だ。 (+29) 2021/05/31(Mon) 18:26:51 |
イクリールは、スピカに笑い掛けた。あなたが許す限りは、イクリールはあなたの味方だ。 (c47) 2021/05/31(Mon) 18:28:02 |
【置】 目明き ブラキウムあの日あなたに抱いた黒いきもち。 僕がいっそーー そう思った気持ちも嘘じゃない。 間違いだと戒めて繋ぎ止めてしまえと、 醜い支配欲が簡単に消えはしない。 中庭でのあなたを見てしまった。 会いたい人に会えて喜ぶあなたを。 僕が君に手を伸ばすことの方が君を苦しめるのだろうか。 あぁサルガス。いい子で馬鹿な子。 いっそ全部"お願い"してくれればいいのに。 (L4) 2021/05/31(Mon) 18:36:43 公開: 2021/05/31(Mon) 18:40:00 |
ブラキウムは、あなたを悲しませる為に手を伸ばしたくはない。 (a37) 2021/05/31(Mon) 18:41:07 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+27 「 はい 」狂気で構成される世界と、大昔の温厚な感性で見直した視界。それは本当にまるで違うものだから三十割だった 「自然とかは趣味の方向性が 過激になってそこそこ酷いことしました。」 ( ルヘナぁ…… どうしようカストル……)簡単な言い方をすれば、元から 解剖も観察も好き なのである。「 ルヘナが大好き これはいつもの、言いたい、し言っているしことだ。 いやというほど、しってるだろうけれど。 「 あ〜……ルヘナに見えないってことは、カストルはホントにいないんだね 」少し落ち着いたのかもれない、お茶をのんでひと息つく。 「それじゃあ、うん。はなすよ。 『ボク』 がやったこと……」「 意地悪なだれかと、カストルを壊した話 「 最後の話は、さいごにさせて 」 (+30) 2021/05/31(Mon) 18:47:40 |
【人】 大好き ルヴァ――森の中で、一人寝転んでいる。 朝食も取っていない、どうしても食欲が湧かなかったし、 何より今日誰が居なくなっているかを確かめるのが、 怖くて怖くて仕方がなかった。 だから、逃げてきたというのが正しいのだろう。 小さいころから、自分が逃げる先はいつもこの森の中だった。 森は、外と中とを明確に隔ててくれる。 そこに寄り添うように寝ていると、 羽を持った自由な鳥が空を横切っていく。 それが羨ましく思うのと同時に、 自分のいるこの閉じられた世界も、 まだ外側と繋がっていると感じられて おれさまは、とても好きだった。 (33) 2021/05/31(Mon) 19:03:37 |
【墓】 いたかった ルヘナ>>+30 ポルクス 「そうか。お前にとってそうならきっと、そうなんだろうな」 二人が見ている世界を自分は知らない。 だから、二人が見る世界を否定はしない。 彼らの『人生』に口を出せるほど自分は多くを見ていない。 「過激性、上がっていたのか…… そういえばあまり、園芸部に行けてなかったな 」色々あって様子を見に行く頻度が減っていたのは確かだ。 ここ数日は特に、全く行けていなかったと言ってもいい。 彼から受け取ったいつも通りの言葉に、 今までまともに受け取って来なかった感情の大きさを 改めて実感する。 「好きな順番で話すといい。俺はちゃんと聞いている、 ……最後までちゃんと、な」 (+32) 2021/05/31(Mon) 19:07:18 |
【人】 大好き ルヴァ小さなころから、その森の向こう側に、 きっと『正義の味方』がいて、 自分が本当に困ったら、鳥のように空を飛んで、 助けに来てくれるんだと信じていた。 どうしようもなくなったとき、 自分が助けを求めたときに、 自分の前に降り立って助けてくれる。 そんなヒーローの存在を、信じていた。 「………」 森は、深く、そして静かにざわめくだけだ。 ――心のどこかで。 正義の味方なんていうものはどこにもいなくて、 自分が心の底から助けてほしいときでも、 誰も助けてくれないんじゃないかということに、 ずっと怯えてもいた。 本当に、喉奥が枯れるほど叫んでも、 誰も助けに来てくれなかったら、 自分は、どうすればいいのか。 考えるだけで、夜も眠れない日が続いた。 (34) 2021/05/31(Mon) 19:09:41 |
【人】 大好き ルヴァ「だからずっと。 『団長』に、なりたかったんだよね……」 ずぶ濡れの中で傘も挿せずにいる誰かを。 夜の暗がりから現れる手が怖くて泣いている誰かを。 生きているだけで辛いと思うような苦しい誰かを。 団員だからっていう理由だけで、 助けられる誰かに、ずっと、なりたかった。 自分では。 なれないことも、 一番最初から知っていたけれど。 カストルと、ポルクスのことを。 ルヴァ団と名乗ってくれたみんなのことを思い出して。 何もできなかった自分の無力さを噛み締めながら。 ただ一人、森の中にいる。 (35) 2021/05/31(Mon) 19:14:37 |
【墓】 どこにもいない カストル>>+27>>+32 「たまにさ、石とか投げたりそういうひといるよね?」 「入って、まだ完全に恐怖が行き渡っていないころ さ、殴られたんだよ。何人かに。」 当然だと思う、と眉間をほぐして。 「見てる 『ボク』 はなにもできなくて、状況を見てて」「眩暈がしたころ、視界が変わって。 僕の位置には 見えていた道具を使った いっぱい血が出て 、思ったんだ『ボクでも役に立てる』 それが嬉しくて、ちょっと笑っちゃったら 何人か逃げて、 起き上がろうしたから 、そいつの足を何回かさした。 それで、どうしようかなっていう時に 呼ばれたんだ。でも」 『ボクはカストルじゃない』 「それで、次に起きた時、兄さんはもっと狂ってしまった。もっと無邪気?……に・」 「 おしまい 」 (+33) 2021/05/31(Mon) 19:19:46 |
カストルは、いない。ポルクスはとても苦しく思うことが、一杯あった。 (c48) 2021/05/31(Mon) 19:22:15 |
ブラキウムは、盲目のまま約束の為に頑張ってきた。 (a38) 2021/05/31(Mon) 19:35:33 |
ブラキウムは、知るべきことも知らない方が良い事も知らない。 (a39) 2021/05/31(Mon) 19:37:13 |
【墓】 いたかった ルヘナ>>+33 ポルクス 「――――……ああ、あの時の騒ぎか。 あの後にお前、何日か寝込んでた……」 血濡れの"カストル"がそう言っていた、とは聞いている。 騒ぎの場に自分はいなかったから詳細は知らなかったが、 きっと彼自身が語るそれらのことは真実で ……殴る蹴るの暴力の代償としては 相当大きなものを支払ったのだろう、とどこか遠くで考えるも。 ポルクスは、家族が大切なポルクスは、 家族を守っただけ なのだろう。そのための手段とその程度については少し、間違ってはいたが。 先程から少しずつ飲んでいた、 彼から入れてもらったお茶を飲み干して。 「なるほど。……話してくれてありがとう」 結果的にポルクスは、 守りたかった家族を狂わせ、壊してしまったのだ。 自分もまた、壊れた様子の彼について特段気にもしないままで。 殺してしまった、ようなものなのかもしれない。 「ポルクス。お前はこれからどうしたい?」 (+34) 2021/05/31(Mon) 19:51:01 |
【墓】 乙女座 スピカ>>+29 イクリール 「っあー……駄目ね。全く。 年齢とか、病気とか、 そんなものに囚われる頭は、なかなか直らないわ」 自分の想い人だって、結構な年齢差だというのに。 ――記憶の端にいるイクリールの姿が、 ようやく理解に及ぶ範囲にやってきた気がした。 ああ、なるほど。彼女は私なんかよりも、ずっと…… なんて強くて、立派なんだ。 「あ、それはイクリールさんも知らない感じなのね。 なんとなく、なんでも知ってる感じかと思ったけど」 それじゃあ、一緒に探しましょう、 と微笑んだ。 一人より二人、そこにある意思は、 確かに何かを変えると信じているから。 (+35) 2021/05/31(Mon) 20:05:48 |
【墓】 甘夢 イクリール>>+35 スピカ 「…きっと、ゆっくりでいいのよ。 今日や明日に何かが変わるなんて、そうないわ。 スピカが無理をしすぎてしまわないように、 疲れてしまわないくらいに。それでいいの」 きっとそれが、誰かをおもうってことよ。 そう言って、スピカの微笑にまた一つ笑顔を返した。 少しずつ、確かに前を向いて、変わりつつある『みんな』を その想いを、イクリールは何よりも愛している。 「わたしの知ってることなんて、ほとんどは 誰かから聞いたことか、それか本人から聞いたことよ。 だから…こうなってしまうと、むずかしいわね。」 でも、大丈夫。 言葉にできる根拠なんて何処にも無いけれど、 それでもきっと、やろうと思ってできない事なんて 優しくて、それでいて向こう見ずな子ども達の世界には ただの一つだって、ありはしないのだ。 (+36) 2021/05/31(Mon) 20:27:11 |
イクリールは、スピカに小さくあたたかな手を差し出した。みんなで一緒に答えを探しに行こう。 (c49) 2021/05/31(Mon) 20:27:44 |
スピカは、イクリールの手を握った。未来へ、一歩ずつ進んでいこう。 (c50) 2021/05/31(Mon) 20:37:37 |
【人】 演者 シェルタン>>『メレフ』 「うん。……茶とか菓子とか気の利いたモンなくて悪いな」 招き入れて、 以前彼が来たときに座ってた辺りに座布団をぽい、と出す。 そして、自分もその横に座布団を置いて座った。 目線を合わせたくて、用意してもらったものだ。 「ま、ゆっくりな。 焦って何か言おうとしてもあんまりよくないし」 (36) 2021/05/31(Mon) 20:39:25 |
スピカは、答えに期待していない。 (c51) 2021/05/31(Mon) 20:41:19 |
メレフは、返り血を浴びて、寮の廊下を歩いている。深夜の話だ。 (c52) 2021/05/31(Mon) 20:47:06 |
ブラキウムは、やっとルヴァの顔が見えたよ。 (a40) 2021/05/31(Mon) 21:04:36 |
ブラキウムは、ルヴァが大好きだ。 (a41) 2021/05/31(Mon) 21:04:54 |
ブラキウムは、二人ならきっと。きっと。きっと―― (a42) 2021/05/31(Mon) 21:08:33 |
【人】 小さな心臓の サルガス>>4:32 朝の食堂 ブラキウム 「……ごめん、ごめん」 貴方の声を聞くごとに。人を率いるものである姿を見るごとに。その成長と認めるごとに。 自分がやはりどれだけ愚か者であったかを知るのだ。貴方が最初に見出した通り、愚か者なのだ。 いかに貴方が自分を利用しようとしていたかを、傀儡にしようとしていたかを、どうして。 どうして、最初に理解してしまって、踏み込んで論戦することなく見ないふりをしてしまったのか。 少年を取り巻く多くのからかいと一緒くたにしてしまわなければ、今は同じ高さで戦えただろうか? いまや、貴方の前にあるのは今にも泣き出しそうなくしゃくしゃの顔ばかり。 「どうしてだろう、どうしてきみと語り合うのを、あきらめてしまっていたんだろうね。 きっとひとこと、嫌だと、いっていたなら。たがいのほんとうにほしいものを、わかっていたかな。 もっとこどもらしく、心の中の白も黒も、あかしていれば、よかったかな」 食器を持つ手が止まる。取り落とすように落ちた腕は、伸びかけて、やめてしまった。 あなたを引きずり込んでしまわないために。 大人でも、子供でも、患者でも、被害者でも、もう、なんでもなくなってしまった。 ぼろぼろと涙をこぼしながら、少年は貴方に唯一で、最後の"お願い"をする。 「ねえ、ぼくのこと、さんざんにうらんでしまってもいいよ。 きっとこれはとても残酷になるのかな。これほど、歩み寄ってくれたきみを、おこらせるかな」 → (37) 2021/05/31(Mon) 21:08:47 |
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