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【人】 幻想 アリア――それはとある、夢の中での話。 祭りの日の前日。和室に通されて、浴衣を着付けられている少女が一人。 「ね、ね。この色似合うかな?」 少女はその場でひらりと回り、初めて纏った浴衣を二人に見せる。 このお話は、夢の続き。夢だから、何だって叶う。 だから例えばこんな光景を、誰かが夢見ていたのかもしれない。 (0) 2023/08/31(Thu) 12:39:35 |
(n0) 2023/08/31(Thu) 12:55:42 |
(n1) 2023/08/31(Thu) 12:56:45 |
(n2) 2023/08/31(Thu) 13:07:03 |
【人】 神仙様の 祭囃子季節は、晩夏の候。 枯葉の匂いの気配すらまだない、夏の終わり。 仙境のふもとにある村で東方の文化である夏祭りの準備が ひっそりと行われているらしかった。 少女が前日から浴衣を纏ってはしゃいでいるのも "神仙様"を崇める祭りだとか、そんな風の噂があったからだ。 (1) 2023/08/31(Thu) 13:20:57 |
【人】 ご主人様 マオ「ほれほれ、似合うかな?と かわいい妹が言うておるぞ、 お兄ちゃん♡ 」すぃとアリアの後ろに回り込んでその肩にとん、と両手を置く。 その上品さと可愛いらしさが同居した浴衣姿を、よおく見せつけるように。一緒になってはしゃぐおとな。 なにせ、少女が着ているもののほかにも、色鮮やかな浴衣をたんと持ってきたのはこの男だからだ。 (2) 2023/08/31(Thu) 18:48:16 |
【人】 しもべ レグナ「何であんたまでお兄ちゃん呼ばわりしてんだ」 一緒になってはしゃいでいるおとなには、相変わらずの呆れの一言。 "妹"に対しては「いいんじゃないか?」と。言われた本人はというと「でもこっちの色も好きなんだよね〜」なんて迷っている姿勢。 「それにしても、よくそれだけ持ってきたモンだな。 神仙様の祭りなあ……ここに来る前に像なら見てきたけど、やっぱあんたの事だよな?アレ」 (3) 2023/08/31(Thu) 19:51:28 |
【人】 ご主人様 マオ「お兄ちゃんは、お兄ちゃんなんじゃから わしが呼んでもべつにいいじゃろ。のう、アリア〜」 レグナに向かってつーんと口をとがらせた。 わしは、こっちの水色も似合うと思うぞ〜なんて 口を挟みながら、アリアの頭をよ〜しよしと撫でている。 「おまえのお兄ちゃん、やはり"しもべ"のほうが お気に入りなのかのう? ならしもべは わしに似合う浴衣を選んでもらおうかの〜? あの像は似ておらんが、マオ様を崇める祭りじゃからの〜?」 チラッチラッ。 (4) 2023/08/31(Thu) 20:44:16 |
マオは、マオ様にぴったりな美しいやつがいいのじゃ!と命令している。 (a0) 2023/08/31(Thu) 20:46:57 |
【人】 しもべ レグナ「何かとアリアを味方に付けようとするのずるいぞ」 恐らくそのアリアの方は「ねー」とマオに同意する仕草をしているのだが。 水色の浴衣を示されれば、この金魚柄がいい!とぱちり、一つ手を叩いた。 「まーた無茶振りして。俺よりあんたのがそういうの詳しいだろ。 ……あー、白や緑だと普段の服装と被るか? 紺とかで暗めに統一してみるのもたまにはいいんじゃねえの」 そうは言いながらも、何だかんだで選ぼうとはする。 指し示したのは紺色に縞模様の入った浴衣だ。 (5) 2023/08/31(Thu) 21:13:52 |
【人】 ご主人様 マオ「なにがずるいんじゃあ? 兄ばかのレグナ〜」 とぼけた笑顔(この顔)に煽りを添えて。 「ねー」と妹と顔を見合わせる。 どれこっちの浴衣も試しにママに着せてもらっておいで〜と となりの、襖の向こうへアリアを見送ってから。 どれどれ〜? 滑るようにすすす、とレグナのとなりに ぴったりとついて。指し示された浴衣を覗き込む。 なんだかんだで選んでくれるすがたをみて 機嫌をよくしたように、にんまりと笑う。 ▼ (6) 2023/08/31(Thu) 22:48:42 |
【人】 ご主人様 マオ「くくく。マオ様に似合う浴衣を選ぶくらいで むちゃぶりと言っているようでは、嫁もできんぞ?」 余計な一言を言いながら、ぱっと離れて 選んでもらった紺色の浴衣を広げて眺めて── 自分の体にあてがい、どうじゃ〜?と笑う。 「おまえが着せてくりゃれ♡」 着方を知っているくせ、自分では着れないらしかった。 (7) 2023/08/31(Thu) 22:58:35 |
【人】 しもべ レグナ「誰が兄馬鹿だって?」 ジトッとにらんだ後も、きっとご主人様は知らんぷり。 やれやれといった表情で、ふすまの向こうに送られるアリアを見送り。 選んだ紺色の浴衣を、あなたにも見える様に差し出して。 ▼ (8) 2023/09/01(Fri) 0:18:11 |
【人】 しもべ レグナヒラリ、離れられた後の言葉には。 「余計なお世話だっての」 自分のその手の目に関しては、自信はそこまで無いのだが。ましてや東洋の物と来れば猶更。 それでも、紺色の着物は、"猫らしい性格"のマオによく似合う気がした。 だから、「似合ってる」と口にしたのだが。 それから告げられた言葉には、 「…………は!?? あんた自分では着れないのかよ!!!」 (9) 2023/09/01(Fri) 0:19:56 |
【人】 ご主人様 マオ「……自分で着ようとすると、ぐちゃぐちゃなる。 わし、山の頂上でごろごろして暮らしてるし? たま〜に来た人間にいろいろやらせてるし?」 祭でまで崇められる神仙様とやらは 信者が快くお世話してくれるし、食べ物も捧げられる。 そんな信者でよく遊んでもいるのだが。 しもべであるなら、知っているはずだ。 調理場に立たせれば戦場と化し 掃除をさせれば嵐が過ぎ去ったあとのようになり 自分で風呂も入れない(これは、好みの問題) この男の、人間的生活能力のなさを─── 「レグナぁ」 甘えた声をのどの奥から響かせながら、おねがいする。 何かをおねだりする時の媚びの入ったそれ。 レグナの胸元に浴衣を押し付けるのと同時に ぴったりとくっついて逃がさないようにしている。 (10) 2023/09/01(Fri) 2:30:46 |
マオは、実は着物の着方の手順が載っている冊子が、着物の山の中に埋もれていることを忘れている── (a1) 2023/09/01(Fri) 2:35:52 |
マオは、颯爽と全裸になれる身軽さだ! (a2) 2023/09/01(Fri) 2:50:37 |
【人】 しもべ レグナ何かをやらせれば嵐が起きる程の生活力の無さは、それはそれはよく知っている。 その度に世話を焼き風呂に入らせ片付けをしと繰り返しているしもべには、よーくわかっている事かも知れない。 「しょうがねえなあ……」 結局押し負けるのも、この主人を調子付かせる原因の一つだと。 分かってはいるのだけれど。 (11) 2023/09/01(Fri) 16:18:59 |
レグナは、ちょろいかもしれない。本人は認めていない。 (a3) 2023/09/01(Fri) 16:22:31 |
マオは、レグナのそんなちょろいところがすき。 (a4) 2023/09/01(Fri) 19:58:34 |
マオは、全裸で逃げ回っている。まるで言うことをきかない子供のように。 (a5) 2023/09/02(Sat) 10:50:58 |
レグナは、マオを追いかけ回している。さながら猫を追うかのように。 (a6) 2023/09/02(Sat) 12:02:52 |
マオは、にゃーん! (a7) 2023/09/02(Sat) 13:09:50 |
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