06:41:45

人狼物語 三日月国


203 三月うさぎの不思議なテーブル

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:

全て表示


【人】 客 クリス

[だから俺は]


うん!
いいよ。次会ったらシェアしよっか。
言っとくけど、俺。肉しか頼まないから。
それでも良いなら。


[笑いながら貝沢さんの申し出を快諾していた。
今日は貝沢さんに好き放題弄られたけど。
もしも貝沢さんが俺に遠慮してたり、気を遣ったりしてたら、俺はこの申し出を受ける事は出来なかったと思う。
会話の最後の笑顔>>0:298は、きっと素だったと思うから。
まあ夢とか拘りとかは、一旦全部脇に置いても良いかなって思った。それくらい今日が楽しかったから。]
(28) 2023/03/03(Fri) 5:05:39

【人】 客 クリス

[幸い俺に好き嫌いは無い。いや好きはある。肉。
嫌いな食べ物とか無いから。シェアで困る事はないだろう。
次に会う日が何時になるかは分からないけど。
再会した時の約束を交わして。]


またね。貝沢さん。


[彼女の背を見送ると。
お店に初めて会う人が入って来るのが同じだった。
そこから繰り広げられる『あちらおお客様からです。』>>9などを横目で見ながら堪能しつつ。
えー。自分も常連に入っちゃう。とか内心きゃっきゃしながら。美味しいパスタを完食した。**]
(29) 2023/03/03(Fri) 5:06:19

【人】 厨房担当 マシロ

 ─ 出勤前・駅前 ─



[ それは本当に偶然だった。
  うさぎの穴のシフトは昼は非番で夜だけの日だったから、
  通勤のためにそこそこ大きな駅をそれはもう迷いなく
  足早に歩いていた大崎の足が
  ある一点で、ピタ、と止まる。

  視線の先には、出張スイーツ店の臨時カウンター。
  SNS流行を利用してかフォトジェニックが話題と知ってか
  撮影用の小さなブースで女子数名がはしゃいでいるだけだ。
  最近美味しいと話題の、しかしここからだと遠方にあるお店
  たまたま今日からの数日間、駅前で臨時出店するという。
  朝や昼と比べればお客さんも減って来ていたのか、偶然か
  大咲は少し遠くからでもショーケースの中身を眺められた。

  ────似ている、と思ったのだ。
 
あの日自分が作って、捨てられた、母の日のケーキに
 ]

 
(30) 2023/03/03(Fri) 5:20:06

【人】 厨房担当 マシロ

 

[ しばらくの間、大咲は邪魔にならない位置から動けなかった。
  過日のランチタイム営業の時にふと古傷が傷んで以来
  ずっと、ケーキを作りたい、と思っていた大咲にとっては
  過去に酷似したこのケーキは簡単に無視出来なかったのだ。

  ……結局十数分の時間を掛けて、己の中の大咲と折り合いをつけて
  大咲は今日の夜出勤メンバー分の
  おすすめ! と書かれたシュークリームを購入した。
  賄いのお供に、たまには他店のおやつがあっても良いだろう。
  遠くからとはいえ長時間見続けたくせに
  なんにも買わないのもバツが悪いというものだし。 ]


  …………ケーキ、か


[ うさぎの穴は駅から徒歩五分。
  ゆっくり歩きながら、小さく大咲は呟いて、溜息を吐いた。
  …こんな情けない顔は、出勤中は見せられない。 ]
 
(31) 2023/03/03(Fri) 5:20:37

【人】 厨房担当 マシロ

 

  (あー、やめやめ!!
    なーんでいっつも暗い方に考えちゃうんだ私!)


[ それより今日の夜シフトの方を考えよう。
  大咲はぺち、と自分の両頬を軽く叩いて息を吐き、
  うさぎの穴へ向かう道中を歩いた。

  へこんだ時も困った時も楽しい時も、うさぎの穴が一番。
  今日は何を作ろうかな、と
  従業員達への差し入れを手に下げて。** ]

 
(32) 2023/03/03(Fri) 5:25:18
厨房担当 マシロは、メモを貼った。
(a7) 2023/03/03(Fri) 5:27:49

【人】 客 クリス

── 夜の楽しみ ──

[俺は相変わらず家ではラジオを垂れ流してた。
自分で投稿する事は無かったけど。
時々ね。『ピュアマーメイド』の曲とか流れたりするから。
そんな時は、ちょっとラッキーな気分。
7年経った今も、『ピュアマーメイド』は特別で。
でも不思議な事に『ローレライ』と貝沢さんは、全くの別の人のように思えた。

そんなある日、気になると言うか、思わせぶりと言うか。
"見つけても内緒にしてね">>15そんなワード。]


えー。気になるじゃん。


[そう言えば前もこのワード聞いたぞ?>>0:206
アレはそうだ。『月が綺麗ですね』>>0:203の人だ。
ちょっと待って。今のラジオ番組の名前何?
誰が司会してんの??]
(33) 2023/03/03(Fri) 5:32:37

【人】 客 クリス

[『高野景斗』の名前はすぐに出て来たけど。
じゃあその”内緒”の内容は何かはすぐには出て来なかった。
思わず色々調べてたら。]


あっ。



[この人、ウサギの穴で見た事ある。
こないだの『常連さんから』>>9の時にも、お店に居た人だ。
俺はちょっと驚いた。

え?なに?あの店実は芸能人御用達なの???

でもまあ、驚いたのは一瞬だった。
だからと言って、俺が何か変わるわけでもないし。
それになにより、本人が居るからと言って、本人に答えを聞くと言うのは、なんだか酷く悔しいのだ。
内に秘めた負けず嫌いの血が、メラメラと燃えていた。**]
(34) 2023/03/03(Fri) 5:32:45
厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a8) 2023/03/03(Fri) 7:17:46

客 クリスは、メモを貼った。
(a9) 2023/03/03(Fri) 7:25:54

【人】 厨房担当 ゲイザー

― 本日のバックヤード ―

[あの目が回るようなボロネーゼ日和の日から時は流れ。
 今日も通し出勤で昼から『うさぎ』にいた速崎が、この店で遠藤と顔を合わせるのも、あのボロネーゼ日和以来>>7>>8だった。]


 シャミーおかえりえり〜!
 いやマジでお久だね。今日もよろしくねん。


[つい、「おはよう」でも「こんばんは」ですらもなく、「ただいま」に合わせての挨拶になってしまったが、実際そんな気分だった。
 昔と違って、今の遠藤がケータリングという形で自分の事業を構えていることは知っている(しかも今は時期が時期だ)。
 だから日が空いての「古巣」での再会に、こんな返しが自然と口を吐く。]
(35) 2023/03/03(Fri) 8:14:25

【人】 厨房担当 ゲイザー

[それでつい、瑞野>>22に対しても「おかえり」が口を吐きかけた。]


 ナギーおかえ……じゃなかったおはよう!
 今日もよろしく〜!


[店長共々昼からいる身としての出迎え、というのも少しあったに違いない。多分。おそらく。
 そして瑞野のトレードマークの紺色は、いつものキャスケットではなく眼鏡のほう。
 常よりも少しだけ――なんとなく程度ではあるが――違和感を覚えたが、この時点では口に出さなかった。]
(36) 2023/03/03(Fri) 8:18:59

【人】 厨房担当 ゲイザー

[さて、店長が今日仕入れてきたオススメ食材>>2
 季節のそれらの中から、鯛の昆布締めにカルパッチョ、豚の煮込み、といった案が早速出てくる>>18>>23
 まだ夜に向けてプレートをOpenに戻していない時間帯だからこそ、余裕をもってできる情報交換。]


 それにしても芽キャベツいいっすね……。
 それこそポークと合わせて
 バター炒めのサイドディッシュとかー。
 あ、ポークは今日のイベリコ豚じゃなくて、
 いつもの厚切りベーコンでも全然いいんだけれど。


[イベリコ豚の余りに余裕ができそうであればそれを使えるかな、という程度。
 無論、お客様からのオーダー次第でまた話は変わってくる。
 ここでは、ひとまず案を事前に共有する程度のこと。]
(37) 2023/03/03(Fri) 8:19:54

【人】 厨房担当 ゲイザー


 オレンジはねー…
 フィエちならどんな案あるかな〜。


[ここにその後輩がいたなら、魚捌きを遠藤>>18から学ぶ方が今は先だったかもしれないが、それは兎も角]


 デザートの主役にしちゃってもいいんだけど、
 それこそカルパッチョに使っちゃってもいいし、
 ポークソテーのソースでもいいんだよねー。
 そうだ、今日のカブやセロリと一緒に
 さわやかめのサラダにしちゃうとかもあるし。


[などなど、案を出せばきりがない。]
(38) 2023/03/03(Fri) 8:23:01

【人】 厨房担当 ゲイザー

[さて、ここで口にした芽キャベツとベーコン炒め。
 ここに栗を加えれば、クリスマスの時期のサイドディッシュにもなりはするのだけれど]


 ……栗はいいや。
 寒いっていってもクリスマスは過ぎちゃってるし
 なんでもない日の料理でいいって感じだし。


[速崎はここで、御堂>>1の内心を読んだ訳ではない。ただ偶然、率直に思ったことを口に出しただけ。
 そして独り言でもあったので、特に厨房班内で共有しなくてもいい言葉でもあった。]
(39) 2023/03/03(Fri) 8:25:15

【人】 厨房担当 那岐

―― 回想 ――

[共犯者の帰り際、レジへと向かっていた足がこちらに向かう。
 話を聞けばどうやら、しっかりとギャラリーをしていたらしい。
 土産話の必要は無さそうだ。>>12


  お役に立てたなら何よりです。


[癖でついた帽子のつばをまた無意識に抑えた。
 駄賃の代わりに貰った名前は、高野と言うらしい。
 やはりどこかで、聞いたことがあるな、と既視感を感じている間にレジへと向かっていくので、こちらが名乗るのは次回に任せた。]
  

  またのお越しを。

  ……………………あ。


[軽く頭を下げながら、少しの間、物思いに耽り。
 既視感に思い至った原因がようやく判明した。
 『高野景斗です』。
 ラジオと同じフレーズに思わず小さな声を漏らしたけれど、気づく頃には彼は店を出て行ってしまった後だった。]
(40) 2023/03/03(Fri) 8:26:54

【人】 厨房担当 那岐

[その後、耳にしたラジオを聴いていれば。
 無機質なAIの向こうからしっかりと声とともに表情が再生されていく。

 見たことは無いが、どうやら戦隊モノの黒だったらしい。
 それはラジオで時折語られる昔話のように紡がれていて、今は戦隊ではないのかとぼんやり思ったものだった。

 穏やかなトークから一転、流れるBGMが雰囲気を変える。
 コーナーが変わったのだろう。
 決め台詞らしいモノに少しエコーが掛けられて。>>16

 どんな表情で言っているのかと、ふとまた缶ビールを片手に目が細くなる。
 その後もいくつか続いた決め台詞たちは、ファンの熱烈な要望からなのだろう。>>17
 普段あまり言わなそうな台詞から、何気ない日常のような台詞まで。
 望むままに口にする姿は、確かに店では見ることがない、役者の姿だった。**]
(41) 2023/03/03(Fri) 8:27:53

【人】 厨房担当 ゲイザー


 ……そういやなんだけど。
 ナギー、今日どうしたん?


[速崎はここで、瑞野から感じた違和感について口に出す。
 未だ冷えるとはいえ、この時期に、見慣れない眼鏡。
 そこから例のアレを連想するというのは、安直ではあったかもしれないが――]


 もしかして……アレ……?
(42) 2023/03/03(Fri) 8:35:50

【人】 厨房担当 ゲイザー


 
花粉症デビューかい……?


 音はガンガンうるさくなるけど、
 空清の出力キツめにしちゃってもいいんだぜ?


[口調は大分ふざけているが、これでも速崎はわりと心配している。
 ヘイヘイフィーバーなんて他人事めいた戯言は口にせず、バックヤードやホールの空気清浄機の方をそれぞれ一瞥しながら、瑞野に一応問うていた。]
(43) 2023/03/03(Fri) 8:36:06

【人】 厨房担当 シャミ



 そうー久しぶりー
 ゲイザーに会いたすぎて、星空を見上げては涙していたよ


[死んだイワシのような目で、というわけではなかったけど>>35
それからナギが出てくると同じく挨拶を交わし、それから少し首を傾げた]
(44) 2023/03/03(Fri) 8:51:21

【人】 厨房担当 ゲイザー

[瑞野の反応がどうであれ、また店内の空気清浄機がどうなろうとも。
 速崎は食材のこと――というより単純に「ディナーの最後のほうのこと」を、ふと考えて]


 デザートは今日のオススメ的に
 オレンジ使ったオーダー増えそうだし、
 私ももうちょっと色々考えてみる。
 
チョコレートまだストック余裕あるし、ガトーショコラオレンジとか……



[もうひとりの同僚が、『うさぎ』の穴を落ちていく――もとい道を辿るまでの間の物語>>30>>31>>32は、少なくともこの時の速崎は知らない。
 知らないまま、「デザートを作れない者がいる」ことを考慮した上での言葉を、ここで口に出していた。

 こうしてブレインストーミングや仕込みが終わるうちに、店のプレートはCloseからOpenに反転する。
 さあ、今夜も『不思議の国の扉』を潜るお客様をお迎えしよう。**]
(45) 2023/03/03(Fri) 8:51:55

【人】 厨房担当 シャミ

[お洒落でしているわけではなかろう、青いフレーム>>22。度が入っているかどうかはレンズの屈折でおおよそわかる。

彼のことを見るとき、いつも手の記憶ばかりだったと知る。
繊細で正確で迷いの少ない、氷水にも蒸気の熱にも耐える美しい料理人の指。それがソースを飾り付けるときどう動くのかはすぐ思い出せるのに。

帽子のつばの翳りにある目元が、常はどうだったかしばらく考えた。いままでも眼鏡だったっけ?と]


 いめちぇん……なるほど、新鮮だ
 無帽もいいじゃないか
 この場合、似合うと言うのかわからないけど──髪が綺麗ですね?


[よくわからないけど可愛い、という大雑把な感想は、花粉症デビュー、と言う単語を聞いて>>43それは流石に慌てて眉を下げる。
嗅覚がダメになっては大変なことだ]
(46) 2023/03/03(Fri) 8:56:01
厨房担当 ゲイザーは、メモを貼った。
(a10) 2023/03/03(Fri) 8:57:02

【人】 厨房担当 シャミ

[空気清浄機はどちらにしてもしっかりかけようと言う結論になっただろう。
お客様の目と鼻は断固として守らないと]


 ああ、芽キャベツにカブに豚。大変だ、ポトフを作らないと


[私的なやり取りと本日の食材へのブレストのうち、不意にマダム三月の天啓を受けたり、など。そして]
(47) 2023/03/03(Fri) 9:02:00

【人】 厨房担当 シャミ



 いらっしゃいませタカノさん
 もちろん、お待ちしていました。どうぞお好きなお席に


[ひょこりと顔を出したお客様>>20は会いたかった常連の一人。
胸が浮き立つような、程よい緊張で指が温まるような。

お勧め食材のブラックボードはどの席からでも見える]


 本日はどんなご気分かな


[ランチタイムの賑やかさも本当に大好きだけど。
やっぱりこの熱情には変えられない。ようこそ、夜のアリス**]
(48) 2023/03/03(Fri) 9:06:53

【人】 厨房担当 ゲイザー

― 本日の、開店前のバックヤード ―


 マジか。泣いてくれたかシャミー……!
 おおお〜嬉しいぜ〜! 星の導きに感謝せねば……!

[パイの中の死んだ魚ではないその人の言葉>>44に、冗談めかして泣き真似しながら告げた言葉は、「大先輩」に対してのそれではない。
 勤務当時には一応意識していた筈の先輩後輩関係は、年を経る程に、次第に呼称の上で曖昧になっていた>>0:92
 「遠藤さん」は「シャミさん」になり、やがて「シャミ」に、そして、今の通りの「シャミー」に。
 どこから呼び方が変遷したのかの記憶も、かつて「ちゃん」付けされていたゲイザーの中で曖昧になっている。

 ともあれ、そんな他愛ない挨拶から、自分では頭に過らなかった「瑞野イメチェン説」>>46にぱちりと瞬いたり。
 何はともあれ、お客様内でも花粉症者続出の件を考慮して、空気清浄機のパワーを強めたり>>47
 こうして鯛の昆布締めやポトフなどなどの仕込みを終えて、今日の夜の開店を迎えたのだった。]
(49) 2023/03/03(Fri) 9:29:07

【人】 会社員 レイラ

― ランチタイム・退店前 ―

[栗栖にシェアを提案すれば少々考え込まれた。>>27
あーやっぱちょっと図々しかったかな〜、と
思案する様子を見ながら思う。

一緒に楽しくご飯が食べられそうな人だな、なんて
勝手に思ったとは言えど。
向こうはさしてよく知らない相手と皿を囲むのに
抵抗があるかもしれないし、
そもそも自分で頼んだ分は自分で食べたい人もいるだろう。]

あ、もちろん…

[嫌なら全然いいんだけどもさ。
そう口にしようとして。]
(50) 2023/03/03(Fri) 10:21:33

【人】 会社員 レイラ


あ、ほんと??良かった〜!
じゃあ約束!

[少しの間の後笑みと共に快諾され、
安堵したようにぱっと表情を明るくする。
にへら、と屈託なく笑むさまも、
多分"ローレライ"時代には
あまり見せなかった顔かもしれない。]

あはは、それは別に構わないけどさ。
別にお肉以外は食べないってわけじゃないんでしょ?

[流石に極端な偏食だとシェアには支障が出そうだが
嫌いなものがないのなら問題なかろう。>>29

そんなわけで、未来のちょっとした楽しみを一つ抱え。
レジへと向かえば大咲が対応してくれた。>>0:460]
(51) 2023/03/03(Fri) 10:22:05

【人】 会社員 レイラ

ごちそうさま!
パスタもデザートもめっちゃ美味しかったです!

[感想と共にガムを貰えば
用意してくれた人の感想を聞かされて。>>0:461]

へえー、
キャップの店員さん、時々見るけど。
瑞野さんって言うんですね。

こっちにはあんまり出てこない気がするから
どんな人なのかな〜ってちょっと気になってました。

[裏方を主に担う青年は
もっぱらカウンターの向こう側で
料理してるのを眺めていることが多く。
へえ〜、と興味深そうに覗き込みつつ
名前を覚えておこうと密かに思った。

見送ってくれる大咲に会釈をし、
その日は店を後にしただろうか。**]
(52) 2023/03/03(Fri) 10:24:49

【人】 グルメライター ヤワタ

――過日のランチ――

 初号機て。
 面白い言い方すんね。
 ……ああそう、シャミちゃんに……
 ん、そうだね、タイミングが合えば。

[自分が最初の相談相手ではなかったことに、少しだけ残念な気持ちになった。>>0:474
まあ人間関係の天秤を考えれば、同僚に張り合っても仕方がないことだし、これは大事な話を打ち明けられた特別感に酔いかけたのが醒めたような、我に返った時の羞恥に近い。

撮影許可をもらって相談事は一旦終わり。
「ごちそうさま」を言うまで、ゆっくり食べながら向かいの席の相手がケーキに夢中になる様子をにこにこ眺めていた。*]
(53) 2023/03/03(Fri) 10:37:05

【人】 グルメライター ヤワタ

――それから――

[歓送迎会や卒業シーズンが近いと、グルメレポの需要も高まる。
店からの依頼も多いし、ウェブマガジンの取材の件数も増える。

忙しいなりに個人のSNSも続けていた。

 『金美人参のラペ』 #きんびじんて読んだやつ挙手 #あまやわにんじん #独身男性の優雅な朝食
 『七草リゾット』 #乾燥七草余ってた #まだ春だから間に合う #ズボラCO
 『プリントースト』 #PR #塗るだけ便利
 『スフレパンケーキ甘平マーマレード添え』 #みかんは愛媛 #ふわしゅわは正義 #独身男性の優雅なおやつ

フォロワーの数は日々増えたり減ったり。
個人のSNSでは本業を明かしてはいないがインフルエンサーとしての知名度もそれなりにあるのかありがたいことに偶にPR案件も扱っている。]
(54) 2023/03/03(Fri) 10:37:44

【人】 グルメライター ヤワタ

[そんな日々を過ごす内、ホームパーティ特集の取材前のリサーチとしていくつかのケータリングを手配した中に、とても好みの味があった。
興奮してすぐに写真を撮る。
ケータリングやお取り寄せの写真は店名がわかるように袋や容器、ショップカードなども一緒に写すようにしている。

 #リピ決定 #一人パーティーメニュー

勢いで投稿してから、よくよく「本日のセット内容」を見れば、いくつかの業者が関わっているのだと知った。>>7
自分が好みだったものはどの店によるものだと取材の申し込みをしようとそれぞれを検索サイトに入力して、目を見張ったまま固まった。]

 ――シャミちゃん?

[自分より明らかに年上でもちゃんづけで呼ぶ癖は、強張った声ではどうにも間抜けに響く。
彼女があの店の専属ではなくダブルワーカーだというのは小耳に挟んだことがあったが、こんな形で出会うとは。
同姓同名ということも考えられるが、食べた時の幸福感を思えば他にこんな気持ちにさせてくれる「遠藤沙弥」は存在しないという確信が喉元で脈打つ。]
(55) 2023/03/03(Fri) 10:38:48

【人】 グルメライター ヤワタ


 ……。

[仕事として依頼されたら仕方がないと腹を括れたが、思いがけず自分で宝箱を開けてしまったような後悔に冷や汗が出てくる。
思っていたよりもずっと、自分はMadam March Hareを――そこに棲むうさぎたちを――独占したいと思っていたようだ。

通知音が届いた。
誰の目にも触れない内に削除することは出来ないという知らせだ。]
(56) 2023/03/03(Fri) 10:39:04

【人】 グルメライター ヤワタ

[しばらくSNSの更新は途絶えている。]
(57) 2023/03/03(Fri) 10:39:21