【人】 4年 井田 嶺― いつか/後輩を慰めながら ― [犬の字の朴念仁は筋金入りだ。 今では俺と藤の字くらいしか知らないけれど、あいつは新入生のころ、同期の女子に口説かれて付き合ってたときがある。 そう、付き合ってた。そして何にもしなかった。 俺が山に行って、そして帰ってきたら別れてた。 まるで70年代のパルプフィクションだ。 そんなあいつが山田さんに何かしたって、考えるのも難しいんだよな。 そっとそっと撫でながら、そんな益体もないことを考えていた。*] (11) 2020/11/11(Wed) 0:15:35 |
【人】 4年 井田 嶺 時間つぶし。 今日講義もゼミもなくてさ。 [コンロにヤカンをかけながら、コーヒー豆を漁る。 いつもたいてい誰かが持ってきてくれるから、まだ残ってるはず。] 今日、天音と映画会の予定なんだよ。 だから、それまでの間なにか観ながら筋トレでもしてようかって話。 あ、コーヒーと紅茶と緑茶どれにする? [DVDを漁る様子に、チョイスは任せておく。 犬の字なら、そこまでへんな映画は選ばないだろきっと。*] (16) 2020/11/11(Wed) 0:34:41 |
【人】 4年 井田 嶺 そっか。 まあ、映画観るときにはインスタントコーヒーくらいのほうがいいってのは俺もわかるけどさ。 [作り置きのインスタントコーヒーは嫌いじゃない。 山ならいつもだし、観慣れた映画をながすときもそんなもんだ。 暖かいだけでもありがたい。] ああ、土産の鹿肉。北アルプスの山小屋で売ってたんだよ。 ついでに冷蔵庫に五平餅も入ってるぞ。 誰か、鍋か馬刺しにでもしてくれるだろ。 [酒は各自で買えよという意味だよなあ、この冷蔵庫。 ま、俺は土産入れておくのに重宝してるけど。*] (22) 2020/11/11(Wed) 0:45:22 |
【人】 4年 井田 嶺 しないよ。 すると食に貪欲になる。 貪欲になると山に登れない。 [食に無頓着なのはこの同期と似たり寄ったりかもしれない。 それこそ一週間クスクスだけ食べていても、街に戻ってこなければたぶん耐えられる。] 買ってきたのは、部室に持ってくれば誰かが喜びそうだと思ったからだけ。 誰かが料理してくれれば俺も喰えるし。 [流れ出したワイルド・スピードの音を聴きながら、椅子に座る。 いつもは差し入れ持ってこない分、たまに買ってくる土産くらいはみんなが驚きそうなものを持ってくることにしてるのだ。*] (31) 2020/11/11(Wed) 1:16:34 |
【人】 4年 井田 嶺 おはよう、高藤さん。 [その時扉が開いて、飛び込んできた高藤さん>>27に振り返って。 おっとコーヒーいる?] ああ、もう観たんだ。 エンディングは、本当にあそこで切ってくれてよかったよね。 あの前でもあの後でも、メイソンJr.の人生に影がかかったままだったと思うし。 ああじゃなければ、縛られたままだったよ、きっと。 [もともとが非現実的な企画と、馬鹿みたいに書き直された脚本。 それでもリンクレイターはあのラストは決めていたと、インタビューで言っていた。 その思いが、すごくよくわかる絵だった。] 山のことは、本当のところは俺だってわかってないよ、きっと。 けど、気持ちよくなってもらえたみたいで、お勧めした甲斐があったよ。 肉とかは冷蔵庫入ってるから、あとはよろしくね。 [にっこり笑う。 自分が進めた映画を誰かが気に入ってくれるのは、それだけで気持ちいい。*] (32) 2020/11/11(Wed) 1:17:48 |
【人】 4年 井田 嶺 なんでって、そりゃまあ。 山屋だからじゃないかな。 [犬の字>>33のことなんだから純粋な疑問なんだろうな。 いつかの小鳥遊とのやり取りみたいに撃ち返す必要もないくらいには。] わざわざ好き好んで同じ山に登るのに危ないルートで登ったりするやつは、どこかネジが吹っ飛んでるものだよ。 時間もそこまで暇ってわけじゃないし。 なかなか話が合う相手も少ないし。 自分で作りに行くほど余裕はないし、惚れられるのもまあない。 [欲しくないわけじゃないけど、もし惚れてくれる物好きがいたら少し冷静になって考えてみろとは言いそうな気がするな。*] (48) 2020/11/11(Wed) 8:47:48 |
【人】 4年 井田 嶺― 朝 ― おはよう、天音。 [噂をすればというべきか。 なんだかいつもより大荷物の天音が部室に姿を現した。 コーヒー啜りながらのんびり挨拶する。] 今日は朝から千客万来だな。 おう、行ってらっしゃい。待ってるわ。 [荷物を置いてそそくさと出ていく姿に、こちらもひらりと手を振って返す。 必修はめんどうだからな。大変だ。*] (54) 2020/11/11(Wed) 9:03:19 |
【人】 4年 井田 嶺 ところで最近サクのやつって生きてる? 講義であわなくなると生存確認できなくなるよな。 [椅子に座ってダンベルしながら、なんとなく。 去年単位計算をミスって留年した同期の顔を結構な期間みてないことに気が付いた。 まあ、俺が山の準備とかで部室に来る頻度が減ってたから、そのせいだけれど。] サクの場合、姿を見ないと本当にどこかで倒れてるかもしれないって気にならない? [画面に映る愉快なハゲどもを横目に入れながら、不謹慎極まりない一言。 だってあいつ、放っておくと映画見たまんま丸一日部屋から出てこなかったりするし。*] (57) 2020/11/11(Wed) 11:01:03 |
【人】 4年 井田 嶺― いつか>>69 ― 口くらい達者じゃないとそれこそ朴念仁になるでしょ。 まあ、犬の字が関係ないっていうなら関係ないんだろうな。 [態度だけで全部わかるなんてエスパーになれるわけがないじゃないか。 優しいふりしたセンパイとしちゃ、必要と思ったことくらいは言うことにしてるだけだ。 気の置けない同期なら別。] 残念ながらダスティン・ホフマンほど男前じゃないし、現実はあそこまで綺麗じゃないでしょ。 今度何か奢って、悪いことしちゃった分は謝るよ。 [世の中、『卒業』のようにうまくいくわけじゃないのだ。 動転してる後輩女性を追いかける男とか、それこそ法学部事案になりかねない*] (71) 2020/11/11(Wed) 12:54:55 |
【人】 4年 井田 嶺[恐ろしい先輩にもそれなりに切実に訓練した理由はあるのだ。 音に鈍感だと落石と雪崩で死ぬ。なんなら一度巻き込まれかけた。 ダンベルを置いて、コーヒーを温めなおす。 そうそう、ダンベルは安全な柔らか素材だやったね!] いつも言ってるけど、そんなこそこそしなくてもいいからね。 なんだったら一番いい席でふんぞり返ってもここの連中は気にしないから。 [コーヒーを入れたマグカップを差し出しながら、冗談交じりに。 そういうことする人じゃないってのはわかってるけど、な。*] (76) 2020/11/11(Wed) 13:11:46 |
【人】 4年 井田 嶺[根本的に人に淡泊だ。 自然の前では、人はすぐに狂気に陥る。本性がはがれおちる。 山での醜い争いなんてそこら中に転がっている。だから気にしないようになった。 そういう意味では、本当に朴念仁なのは俺だろう。 だから、せめて後輩の前でくらい優しいふりをしていたい。 とはいえ、出来る範囲で、だけれど。] いいよ? ただ明日は午後にゼミがあるからそれまでの間でならね。 [だから犬鳴の意趣返しもできる範囲でなら受けようじゃないか。 しっぺ返しはいつでも自分に返ってくるものだ。わかってるよ。*] (85) 2020/11/11(Wed) 14:45:33 |
【人】 4年 井田 嶺― 回想・ほんとにどうしてこうなった>>94 ― [本格男装とはなんだったのか。 芸能人の変装と変わらないレベルの出で立ちに、まあどこかでこうなるんじゃないかって気がしてた。 今のご時世じゃマスクは普通だし。 映画を観る前からすでに疲れているのは気のせいだと思いたい。] よお、おまたせ。 なんでもいいけど全然女性にしか見えないからな。 ちゃんと自衛は気を付けとくんだよ。小鳥遊は普通にかわいいんだから。 ……まあ、劣情持ってこの作品観に来るやつもいないと思うけどさ。 [ロマンポルノの傑作と名高い作品だが、その名声は「映画として」のほうが圧倒的だ。 石井隆のバイオレンスな脚本と、曽根中生らしい前衛的な演出で70年代邦画としては圧倒的な絵を見せてくれるけれど、濡れ場が濡れ場になってない。 裸が出てくるだけで、正直劣情を満足させるものじゃないのだ。AVとかと比べてはいけない。 女性ファンが結構多いというのもなんとなくわかる。 意気揚々と歩く小鳥遊の隣に並んで、せめて映画館に入るまでは気を抜いておくか。*] (105) 2020/11/11(Wed) 18:39:41 |
【人】 4年 井田 嶺― 回想・小鳥遊と映画館>>115 ― [なにが本格かと思えばその方向で来たか。 詰め物までする努力と知識欲は俺も見習うべきなのかもしれないな。 方向性がどうなんだって気はするけど。] そうきたか。 まあパーカーの前はちゃんと閉じておけよ。潰しててもわかるものはわかるんだから。 あと、安心しろ。 勘違いしなそうな小鳥遊だから素直に言ってるだけだから。 まあ、俺相手に勘違いするやつがいたら「冷静になれ?」って一回言うとは思うけど。 [なんだかんだ言いつつも映画が始まってしまえば真剣に見始めるのだ、お互い。 個人的に最初に出てくる感想は「蟹江敬三の演技すごいな」なんだけども。*] (123) 2020/11/11(Wed) 20:22:19 |
【人】 4年 井田 嶺― 鍋だ! ― よーし、食おう。 いやもう食ってるけど。 [挨拶とかそういうのはいいのだ。いくら食に無頓着でも美味そうな匂いは暴力だ。 すき焼き風の桜鍋を、もくもくと食べ始める。 どちらかというと野菜ばっかり食べているけれど。] 小鳥遊のカクテルはもうちょっと後でもらうな。 せっかくだからたまには呑みたい。 [ザックの中からウィスキーの小瓶を出して自分のマグカップに注ぐ。 山じゃ飲まないから随分ひさしぶりだ。 鍋も酒も美味い。久し振りだな美味いのを味わうのは。*] (135) 2020/11/11(Wed) 21:26:15 |
【人】 4年 井田 嶺 おい誰だ山田さんにこんなに飲ませたの。 あ、俺のボトルが空いてる…… [つまり犯人は俺。俺というか俺のボトル。 なら介抱するべきなんだろうけど、なあ。] ごめん高藤さん、水飲ませてあげて。 辛そうならトイレ連れてってあげて。 [今朝のことを考えると、手を出しにくい。 というか出しちゃだめだとすら感じて。マグカップの中のウィスキーを一息に呷った*] (162) 2020/11/11(Wed) 22:08:16 |
[|<] [<<] [<] [1] [2] [>] [>>] [>|]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新