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【人】 配信者 秋月壮真[同じリズムで足を前に出しても進む距離が違う。 それだけ歩幅に差があるのだと気づけば 彼女の小ささをより実感したし 同じ速度で進むように調整しながら 彼女を大事に丁重に扱おうと胸に刻むのだった。 きみは誰からも傷つけられてはいけない 特別で大切なひと。] (0) 2024/05/22(Wed) 11:17:17 |
【人】 配信者 秋月壮真ええ、母はプロのピアニストで 私に色々教えてくれた先生です ……近くにお住まいでしたか それは……、奇遇ですね [知っていても知らなかったフリをする。 そのことに胸が痛まぬわけではないけれど。 見上げてくる小動物のように可愛らしい彼女に 醜い現実を教えるのは少なくとも今じゃない。] (1) 2024/05/22(Wed) 11:18:12 |
【人】 配信者 秋月壮真お口に合ってよかった ……桃以外に好きなもの、ですか [貴方です、の言葉は飲み込んだ。 うーん、と考えている間に 料理が運ばれてきて一度口を噤む。 空になった彼女のグラスには 先ほどとは別のボトルから 桃のジュースが再び注がれる。] (4) 2024/05/22(Wed) 11:20:53 |
【人】 配信者 秋月壮真[前菜、スズキのカルパッチョを ナイフとフォークで一口大に切って 口に運ぶ合間に続きを話す。] 何でも食べますけど 甘い味付けのものが好き……、 かも知れません [断定できないのは、食への関心が薄かったから。 スズキを口に含む。 ……うん。飲み込んで小さく頷く。 バルサミコ酢と言っていた、 この酸っぱい味付けも悪くない。 彼女に出逢うまではもっと酷かった。] (5) 2024/05/22(Wed) 11:21:40 |
【人】 配信者 秋月壮真ハツナさんは、何がお好きですか? 食べ物でもそれ以外でも ハツナさんのこと、知りたいです [真っ直ぐに見つめて、問いを返す。 SNSにあげられたことなら隅々まで知っている。 恐らく好物だと思われるものは、 この後のコースに盛り込んでもある。 それでも、 知っていたことを改めて彼女の口から聴きたいし 知らなかったことは素直に知りたい。 知らないところがなくなるくらいきみを知りたい。*] (6) 2024/05/22(Wed) 14:36:53 |
【人】 配信者 秋月壮真[そう言えば、今日は自分が知っている 彼女に比べると随分大人しいような気がする。 テーブルマナーはきちんとしているし 上品な服装や髪型がよく似合っていて 素敵なお嬢さんそのものだ。 ただ大人しいと言っても 楽しめていないという訳ではなさそうで 「幸せです」「美味しい」など 喜びの気持ちを真っ直ぐに伝えてくれるから こちらまで嬉しくなる。 普段の元気な彼女。 気品漂う今夜の彼女。 どちらにも惹かれてやまない。 彼女への想いが膨れ上がっていくのを 自覚するとともに むしょうにピアノが弾きたくなった。 言葉を話すのが得意でない自分の第一言語だから。] (15) 2024/05/23(Thu) 10:22:44 |
【人】 配信者 秋月壮真[だけど今日は初めてのデート。 この時間だって何事にも代え難い。] そう、てりやきの甘辛さが好きで…… ……砂糖入りの玉子焼き? 伊達巻ではなく、玉子焼きも 砂糖を入れて良いんですか? ……それは食べてみたい きっと、絶対。好きな味です [食べ慣れた方も出汁が効いていて旨いが 彼女が予想するなら、気に入るに決まってる。 自分でも知らなかった自分に幾つも 気づかせてくれる彼女がこちらを見れば その度に見つめ返して目をそっと細くする。 この席は彼女の顔がよく見えて良い。] (16) 2024/05/23(Thu) 10:23:15 |
【人】 配信者 秋月壮真[彼女は桃とパンナコッタが好きだと言う。 好みが似ていて嬉しい。 豆腐、漬物、練り物、きのこは これまで余り意識してきたことがなかっ──、 いやいま好きになった。好きだ。] ラザニア、ですか 自分には……、特にないですが とっておきがあるのは素敵ですね [節目に必ず登場するから好きだと予想していた。 だけどそこまで特別なものだとは知らなかったから 狡いような気が、少しだけしなくもない。] (18) 2024/05/23(Thu) 10:24:01 |
【人】 配信者 秋月壮真[今度こそ不意打ちに好きなものに挙げられた。 自分自身ではなく、ピアノのことだけれど。 ……いや、自分自身のことも知りたいと、 彼女は言った?] ……どちらもありがとう その……、嬉しいです [そう願ってくれるのは嬉しい、事実。 照れと戸惑いを半分ずつ浮かべて 顔を俯かせて 短く気持ちを伝えた。] (19) 2024/05/23(Thu) 10:25:13 |
【人】 配信者 秋月壮真[前菜の皿が下げられ、次が運ばれてくる。 イタリアンの二品目はパスタ。] ……お呼び出しした理由、 気になりますよね。お話します けど、良ければ、ハツナさんには お話より先に次の料理を温かい内に 召し上がって頂けたらと思います 先ほど自分には特別な料理は ないと言いましたが……、 今日からはこれになりそうです [熱々のラザニアがそれぞれの前に置かれる。 貴方は、今日この日のことも とっておきに思ってくれますか。*] (20) 2024/05/23(Thu) 10:27:07 |
【人】 配信者 秋月壮真……幸せそうに召し上がりますね [ラザニアを美味しそうに頬張る彼女ほど 愛らしいものがこの世に存在するだろうか。 居やしない。 こちらまで幸せな気持ちになって、 いつまでも眺めていたくなる。 暫く見惚れてしまってから、 思い出したように自分も手をつけた。] 本当に、美味しいですね [一番上のチーズはこんがり焼けているし 平たいパスタと二種のソースが何重もの層になっていて 料理に明るくない自分でも手間のかかるものだとわかる。 祝い事のたびにこの一皿を用意されてきた彼女は ご家族に大切にされていたのだろうと想像した。] (29) 2024/05/24(Fri) 16:31:01 |
【人】 配信者 秋月壮真[互いの誕生日だとか、クリスマスだとか、 先の祝い事は二人でこの料理を頂こう。] 夢だなんて……、どうかしましたか? [ そう、夢は覚めるものだ。 ラザニアを半分ほど腹に収めたところで 彼女の方には異変が生じた。 どうやら効いてきたようだ。 膝に載せていたナプキンをテーブルに戻し 椅子から立ち上がる。 彼女の肌に火傷などさせられないし 彼女の髪を料理で汚させるわけもない。] (30) 2024/05/24(Fri) 16:32:02 |
【人】 配信者 秋月壮真[崩れ落ちそうになった身体を腕で支え そのまま横抱きに抱え上げた。 羽根のように軽くて吃驚する。 長い睫毛が伏せられた寝顔は美しい。 本当に物語のお姫様みたいだ。 ……などと間近にある顔を無遠慮に眺めていると 不意に目蓋が開いて。] えっ [いや、気のせいか? 目蓋が開いて目と目があった気がした。] (32) 2024/05/24(Fri) 16:33:26 |
【人】 配信者 秋月壮真[規則正しい寝息が聴こえる。 家族に大事にされてきただろう彼女は 今日から自分がそうするのだ。] ……連れが体調不良のため 料理の途中ですが失礼します タクシーの手配をお願いできますか? [惜しまれるのはドルチェまでいけなかったことか。 ほかのどの祝いの投稿よりも嬉しかった 桃のパンナコッタを再現して貰っていたのだけれど。 "暁ソウマ"のその先の己を知ったなら 彼女はもうきっと作ってくれないだろうから。] (33) 2024/05/24(Fri) 16:36:08 |
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