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人狼物語 三日月国


12 【完全身内村】アラビアンナイト

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視点:

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月が姿を変え、新たな一日が始まった。村人は集まり、互いの姿を確認する。
ダリアが無残な姿で発見された。

伝承は真実だった。異形の刃を持つ魔物“人狼”は、確かに存在するのだ。

もはや村人たちに猶予は無い。早く人狼を見つけ出し、処刑しなければ。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ない……。

楽観
人狼なんているわけないじゃん。みんな大げさだなあ。
誰かが死んでしまったのも部外者の仕業だよ。人狼なんているわけない。

だから処刑だなんて、そんな物騒なことはやめようよ。

現在の生存者は、ぽきゃ、ハーレフ、アールアレフ、ヘイダルの4名

【人】 未亡人 アールアレフ

>ハーレフへの返答、>>29>>30>>31に繋げて

「あぁ、そうなの。」

自由になりたい。魔神の彼女はそう笑う。
自分自身でありたいと真っ直ぐに言う。なんて眩しい。

「それでしたら、私達はよく似ているのかもしれないわね。」

私も、昔は親の、次には夫の、そして今は、この家の付属品だから。女とはそういうものだから。
それでも夫がいないから、私は他の女よりずっと自由に生きている。
似ているけれども私の方が、自由を手にしている。
それでも、可哀想とは思っても、私は私の願いを譲らない。

「私、あなたの考えていることがわかるわ。」

「私は、魔神にはならない。花がどんなに美しく咲いていても、見られなければ意味が無いのよ。」
(0) sacura 2019/06/15(Sat) 0:01:07

【人】 未亡人 アールアレフ

持てども持てども良くは尽きない。
持っているからこそもっと欲しくなるものよ。
(1) sacura 2019/06/15(Sat) 0:04:04
アールアレフは、おやすみなさい。
(a0) sacura 2019/06/15(Sat) 0:33:50

【人】 孤児 ヘイダル


■ハーレフと (感情書換無)


「……今まで、さあ。1人も居なかったの?」

  1人ぐらい。

  だって、お前が叶える願いは1つじゃないんだろ?
  3つもある。

  3つあれば、1つぐらい、こいつの望む
  "自由になりたい"
  を叶えてくれる奴がいたって、良かったろうに。

  まあ、こいつも多分、自分からは言わなかったんだろう。

  欲しいものはあるのかと問われて初めて口にするような、
  そんな妙なとこ控えめな感じが、こいつにはあるから。

  ……ちんちくりんのくせに。

心中渦巻く言葉は、腹の中に押し込める。

聞いたところでどうにもならない。
俺は魔神じゃないから、こいつの願いは叶えられない。

「あー……もう……っ」

片手の中、握り締めた自作のサイコロが擦れてカリコリと乾いた音を立てる。
乱暴に投げた風に放ったそれらは乾いた床の上、全てが6を上にしていた。
(2) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 6:35:40

【人】 孤児 ヘイダル


もう俺は、こいつが魔神である事を疑ってはいなかった。

「自由になりたい」と言ったこいつの眼は、そのくらいに本物だった。
ずっと自由じゃないところにいた奴の瞳だった。

────あの銀獅子と、おんなじくらいには。

「………………俺、さ」

長い沈黙の後、ぽつりと零れたのは、紛れもない本心。

俺達は1つの願いを奪い合う"敵"同士。
こんなこと思っちゃいけないのかもしれない。

そして勿論だけど、己の願いを引き下げるつもりも毛頭ない。

でも。
でも、さ。

「……俺、お前の願いも叶うと良いなと思う」
(3) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 6:36:37

【人】 孤児 ヘイダル


あーもー!
ガラじゃねーのになこういうの!

世の中勝つか負けるか白か黒かくらいに思ってた方が楽なんだよ色々と!
俺はずっとそうやって、折り合いつけて生きてきたってのに!

この!ちんちくりん!!

わけのわからない悪態つきで、魔神の前、俺はわしゃわしゃと己の髪をかき混ぜる。

「だから。だから、全力で奪いに来い」

俺も、負けねー。*
(4) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 6:38:01

【人】 孤児 ヘイダル


■アールアレフと (感情書換無)


「えー…………それいつか、逆に死にたくならない?」

アールアレフの願いを知ったのは、昨日、彼女に呼ばれた豪華な自邸での事。己の願いを伝えた直後に、彼女の口から聞かされた。

「えー……」は、それを聞いた反応、第一声。
(5) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 7:43:16

【人】 孤児 ヘイダル


だってさあ。
しんどくない?"永遠"だなんて。
それは想像もつかないほどの遥か遥か先、蜃気楼のようなもの。

「俺は、早く大人になりたくてしょーがないのにさ」

ぼやいたところで、俺にこいつの感覚が理解できないように、俺の感覚はこいつには既に遠く過ぎ去ったものなんだろう。

仮に俺がすっげイケメンになるとして、いや、仮じゃなく確定なんだけどさ。

でも20歳の俺より25歳の俺の方がきっと"いい感じ"になってると思うし、30歳、40歳になるのが嫌だとか怖いとかも思わない。

何歳で死ぬかなんて知らねーけど、死ぬ時に悔いが残ってなきゃそれでいい。

だから俺には、こいつの望みがまったくもって理解できないのだった。
(6) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 7:44:04

【人】 孤児 ヘイダル


"勝負"は明日なんだって。今日は何をしてもしなくても良いらしい。

だから俺は、もやもやあれこれ考えながらアールアレフの家に押しかけた。

理解できないからくだらない望みだなどと一蹴するつもりはない。

今だって十二分に美しく、生きていくのにひとかけらの苦労もせずにいられてる風なこいつが。
化粧品とか、美容術とか、知らないけど金がかかるものが山とあるんだろ?
そんなのも使い放題やり放題だろう、こいつが。

それでもなお、"永遠の若さと美しさ"が欲しいんだ??

今日は昨日よりも尊大に、ソファでぐてんと胸を張り。思い至った結論をぽそりと告げる。

「あんたの望み、さあ。"大事な人"が今いなくて、この先作る気もない望みだよね」

だってそうだろ?
時の流れの中、ひとりぼっちで留まろうとしている。

「この先、どんなに素敵な人と出会ってもさ、それじゃあんた、ずっと見送り続けるだけだ。……それって、虚しくない?」
(7) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 7:44:59

【人】 孤児 ヘイダル


言いながら気付く。
踏み込みすぎ?穿ちすぎ?それでも口は止まらない。歯に衣着せるなんて、俺にそんな技術は無い。

「────あんた、何に絶望してんの?なんでそんなに、"生きること"に希望が無いの?」

「俺は、さ。"今"を楽しんで生きてるあんたの方が、綺麗だし格好いいと思う」

  なあ、アールアレフ。

  あんたの格好いい生き様、俺に見せてよ。

  んでおんなじだけ年を取ってさ。
  イケメンに成長してく俺を見ててよ。

  その方がきっと楽しい。

「だから俺は、あんたの願いを叩きつぶすよ」

絶対、負けねー。*
(8) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 7:46:08

【見】 物語を記録したい イオリ

おはよう!
ヘイダル君は朝が早いね。
ボクはまだ眠いや……。

さて、今日も記録を開始するよ!

[にっこりと笑って、一礼した]
(@0) TSO 2019/06/15(Sat) 7:51:12
ヘイダルは、そういやもちもち、ベッドに引きずり込んだら俺の下でぺたんこになってたわ。
(a1) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 10:10:10

ヘイダルは、ぺたんこになってたもちもちを成形しなおしている。
(a2) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 10:11:58

【人】 魔神 ハーレフ

■アールアレフへ(支配欲→友情)


>>0

言おうと思ったとっておきの提案は、さらっと却下された。
ほんとうアールアレフってずるいなぁ。

そして…そういうとこがきっと、私は羨ましいなぁ。

「そっか!」

ざーんねん、なんて茶化して言いながら、茶器をテーブルに戻す。
何でか手が震えて落としちゃいそうだったから。

ああ、今すぐ膝を抱えて丸くなりたい。
窮屈で嫌なはずなのに、あの体勢が一番落ち着くの。


花はどんなに美しく咲いていても、見られなきゃ意味が無いんだって。
いつまでも美しく咲いて居たいんだって。
アールアレフの眩い様な願いを聞いていると、私はなんにも言えなくなる。
言葉が喉につっかえる。

それは………たぶん、すごく、怖いから。
(9) ときいろ 2019/06/15(Sat) 10:19:27

【人】 魔神 ハーレフ

「アールアレフってランプの魔神の理想的なご主人様だね!」

あなたって、私に私の身の程を思い知らせる人だね。


笑顔の練習、やっぱりしておいて良かった。
にっこり笑って、思ったままに言う。

欲は尽きないし皆欲しがる。
持っているからこそもっと欲しくなる。その通りだと思う。
ランプの魔神を手にするのは一様に欲深い権力者とかお金持ち。
時に砂漠に埋もれ、時に遺跡に隠れ。世界のどこにあるかもわからないランプを探し出すなんて普通の人だったらやりはしない。大変だもん。

私だって…もし、“自由”になったとして。
今度はきっとアールアレフみたいに“女である不自由”に悩むんだ。

欲に終わりはない。愚かなランプの魔神でも良く知っている。

………怖い事ばっかり。
外の世界は楽しいと思ったけど、同じくらい怖い。

────でも。

「………あのね!」

私はぱっと立ち上がって、美しいけど閉め切られて薄暗い部屋の窓を開け放つ。
沈みかけの太陽が地平線を赤く染めて、その反対側からは夜が忍び寄っていた。
昼間の熱気は薄らいでいて、ひんやりした夜風が頬を撫でふわりと薄い紗と戯れて去って行く。
(10) ときいろ 2019/06/15(Sat) 10:21:31

【人】 魔神 ハーレフ

「私の名前…ハーレフってね。光輪って意味なんだよ!」


窓の桟に腰掛けて、ぷらりぷらりと足を揺らす。

誰がつけてくれた名前なんだろう。
多くを持たない私が持っている、確かなもの。
でも私は、ランプの内壁を照らすだけで終わりたくなんかない。

弱虫だけど。きっと何にも分かってないけど。
でもね、こんなにも風が気持ち良いのは知ってるんだよ。


「アールアレフ。私ね、自由になれたらね。
あなたと友達になりたい」



あなたには“私”を“ランプの魔神”に押し留める要素がいっぱい。

私って喋るランプ以上の何者でもないのかな、とか。
魔神風情がおこがましくも自分自身の為に動いて良いのかな、とか。
そもそも私は外の世界に存在して居て良い存在なのかな、とか。
願いを持つご主人様の願いを叶えないなんて、あって良いのかな、とか。

色々思わされるよ。話していて胸が痛いよ。
(11) ときいろ 2019/06/15(Sat) 10:22:54

【人】 魔神 ハーレフ

でも…でもね!

私は、恐怖すらも友にして生きていたい。
だって、綺麗じゃないからこそ綺麗な世界を、知っているから。
ランプの中の世界は安全で平和だけど…そこにアールアレフは居ないから。

怖くて、鋭くて、でも本当に美しい人。
私にとって外の世界の象徴みたいな人。

今はまだ怖いけど、震えてしまうけど。
それでもいつか絶対に、大変だけど楽しいよって笑えるようになるから。


「新しい生での最初のお友達は、あなたが良いな」*
(12) ときいろ 2019/06/15(Sat) 10:23:55
ヘイダルは、とりあえずもちもちをちぎってみようと試みている。「ちぎれねーなー……」
(a3) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 10:37:19

ぽきゃは、ああっやーめーてーくださいませぇええええ[びたんびたん]
(a4) rein-joir 2019/06/15(Sat) 10:38:28

【人】 魔神 ハーレフ

>>2>>3>>4 ヘイダルへのお返事



「居なかった、ねー」

膝小僧に頬を預けて、私はふにゃりと笑う。

っていうか居たら私は此処に居ないのである!
今なんかちょっと格好良い事考えた気がするな私!
こっそり自画自賛する私だけど、ヘイダルが投げたサイコロがこんこん、っと床を跳ねる音にびっくりして顔を上げた。

面はすべて6だった。ヘイダルの細工ってすごい。

────そして。
長いけど窮屈ではない沈黙の後、ヘイダルは呟いた。

私の願いも叶うと良いなって、思ってくれるんだって。
………優しいね、ヘイダルは。
あなたに想われたあの銀獅子くんは、幸せ者だね。

「ありがと」

短く、そう囁く。

その後続けられた言葉には勢い良すぎてついていけなかったけど。
ヘイダルが私の事を考えてくれてるのは分かった。

あっでもちゃんと断っておくと、ちんちくりんってまた言われたのは不満なんだからね!?
(13) ときいろ 2019/06/15(Sat) 11:02:30

【人】 魔神 ハーレフ

「うん、私、がんばる」


沢山練習したはずなのに全然面白おかしく喋れないけど。
ヘイダルの前ならそれでも良い気がするのは、不思議だね。*
(14) ときいろ 2019/06/15(Sat) 11:03:07

【人】 魔神 ハーレフ

■ヘイダルへ(感情変更なし)



夜市に連れてってよ、ってお願いした。

ヘイダルの事情は知ってる。
ほんとは私を連れ回してる場合じゃないんだと思う。
一応“敵同士”なんだし、慣れ合うのだって良くないんだと思う。

優しい彼に甘えているのだとは自分でも分かってるけど。
それでも悪態吐きながら良いよって言ってくれたから、私達は夜の街に繰り出したのだ。

「わ、わ!」

すれ違った人と軽くぶつかってよろめく。
夜市は昨晩も来たけど、その時は近くで眺めていただけ。

人の多い所なんて歩いたこと無い。
一見人と同じだけど体重が人の何十分の一も無い私は、ちょっと肩がぶつかっただけで吹き飛んでしまいそうになる。

店の軒先には置物とか小物とかアールアレフのような綺麗なヒジャブとか。
良い匂いのする揚げ物とか、ヘイダルがくれたようなスモモとか。

あるのは目に入ってるけど、歩くので精一杯!

こういう事も出来るようにならなきゃいけないなぁ。
だって自由になった私には“御主人様”は居ないんだから。
悠々と前を行く彼の背を追って、こっそり思ったりして。

街中央、噴水の近くに来た頃にはだいぶへろへろだった。
(15) ときいろ 2019/06/15(Sat) 13:29:56

【人】 魔神 ハーレフ

でも、本当に楽しかった!

噴水の縁に腰掛けて、歩いてきた夜市を眺めながらぷらりと足を揺らす。
そんな私に、ん、と差し出されたヘイダルの手にはおいしそうな林檎が乗っていて…私はまたびっくりして瞬いてしまう。
いつ手に入れて来たんだろ?

「ありがと」

お礼を言って受け取って、しゃり、と齧り付いた。

林檎って、あまくてすっぱい。
外に出て色々口にしたけど、これが一番好き。

「ヘイダル、あのね。

ヘイダルはあの銀獅子…ゾラフ?に望む自由をあげたいって言うじゃない?
何がゾラフにとっての一番の幸福かは、私にも分からないけど。
でも絶対、ゾラフは幸せだと思う。

ヘイダルと会えて、幸せだと思うよ」

纏まらないままに、ぽろぽろと言葉が溢れていく。

たぶん私は、ゾラフに自分を重ねているんだと思う。
でもゾラフを羨ましいとか妬ましいとかは思わない。
(16) ときいろ 2019/06/15(Sat) 13:30:56

【人】 魔神 ハーレフ

素直に良かったねって思えるのはきっと、“特別な人”に会えるのがどんなに幸運かって、普通には在り得ない事象かって事を知ってるから。
偶々私は会えなかったけど、ゾラフは偶々会えた。
すごい機会に恵まれる事ができて良かったね!って思う。

林檎には種があるのは知ってるけど、全部齧って芯まで呑み込んでしまった。
芯だからって捨てちゃうのは何だか勿体ない気がして。

まっすぐにヘイダルを見て、私は笑う。


「ごちそうさま、ヘイダル。明日はお互い頑張ろうね」


それが並び立たない願いだったとしても。*
(17) ときいろ 2019/06/15(Sat) 13:32:13

天のお告げ(村建て人)

【クライマックス戦闘順】

@アールアレフ 99、81
Aハーレフ 98、98
Bヘイダル 89、27

・手番スキップは無し
・補正は無し
・結果決まり次第コミットするので、
 <
>ぽきゃを吊り先に指定する事<
>
 <
>時間を進める事<
>
 以上2点をお忘れなく!
(#0) 2019/06/15(Sat) 13:39:34

ヘイダルは、なんか逆らえる気がしねー語感だった……>魔神おかん
(a5) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 14:22:59

ハーレフは、魔神おかん……[不思議そうに呟いた]
(a6) ときいろ 2019/06/15(Sat) 14:34:36

【人】 孤児 ヘイダル


>>15 >>16 >>17 ハーレフへの返し


「えー、お前絶対どんくさいだろ。ぜーったい、人混みで流されて溺れて遠くでキャーとかワーとか言ってる系だろ」

だからめんどくせー、とぼやいたものの、夜市を歩いたことがないんだと眼を輝かせて言ってくるものだから、仕方ねーなと連れて行ってやることにした。

でもぶっちゃけ、いかにもな箱入り然としたこの"お嬢ちゃん"と歩くのは俺的には良い目眩まし。
俺一人が近づけば警戒されてしまうような輩でも、このちんちくりんをエスコートする素振りを見せれば相当容易に近づける。

「……っと、ごめんよ!」

人波を掻き分け彼女を助ける振りで、すれ違い様、財布をくすね。
おかげさまで、その夜の釣果も文句なしのものだった。

一応は、自分なりの流儀があるんだ。
何度も同じ店を連続して狙わないとか、通行人相手なら子供連れは標的にせず極力観光目当ての酔客(歓楽街目当てとか、まあ見ればわかるしな)に絞るとか。

今日は、場所が良いからと暴利気味の値付けをする、気に入らない青果屋台からひょいと林檎を失敬してきた。今日はとりわけ大きな林檎を狙ったから、2個だけ。
俺の分と、こいつの分。
(18) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 15:30:14

【人】 孤児 ヘイダル


「…………ん」

頬はきらきら紅潮して見えるのに、林檎を差し出した手に触れる指はひんやり冷たい。
人の波に倒されそうになっていたから咄嗟に腕を取って引き寄せたら、驚くほどに軽かったのを思い出す。

────ああ。やっぱりこいつは、人じゃないんだな、って。

そんな事からも思い知らされるのに、なのに林檎は普通に食うのかよと笑えてしまう。

ほんと、傍目からは、なーんも考えてない頭ふわふわ系ちんちくりんにしか見えないのに、な。

「幸せ?……そうかな」

でも俺、まだなんにも出来てねーよ?と浮かべる笑みにはどうしても苦さが混じる。

"助けたい"と思うだけじゃダメなんだ。
"助ける"と誓ったところで、結果が伴わなければ、俺はただの嘘吐きだ。

────そして、たぶんだけど、俺はゾラフに自分を重ねてる。
彼が自由になる姿に、己の未来を重ねて見ようとしてる。

こんな、こそ泥みたいな事だけ続けて生きていくつもりなのかと。
己には、立つべき場所が他にあるんじゃないのかと。

それは多分、目の前のこいつに対しても思ってることで────。
(19) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 15:32:14

【人】 孤児 ヘイダル


「…………ぇ!?ちょ、芯は残せよ!?!?」

気付けばちんちくりんは、中心のほっそいところまで食べ進んだ林檎を、しょりしょりと鉛筆を食べるみたいに最後まで平らげてしまっていた。

……種あったし。
そもそも、固くわ甘くなくわで、そこは全く旨くもなかったろうに。

「もしかして、林檎の食べ方も知らないのか、お前」

呆れた風に呟いたけど、こいつの瞳が、あんまりにきらきらしていたものだから、喉の奥がおかしな音を立てた。

それは華やかな夜市の照明よりも、夏の空一面の星空よりも、ずっと綺麗な瞳で、綻んだ笑顔は大輪の花のようで。

え、このちんちくりんが綺麗とか。おかしいだろ。
おかしいだろ、俺。

だから俺は、自分がどんな顔になっているかもわからないまま、

「うん。がんばる。……絶対、負けねー」

なんだか酷く間抜けな返事しかできなかったんだ。*
(20) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 15:35:12
アールアレフは、夜に来るわ、お待ちになってね、オホホホ!
(a7) sacura 2019/06/15(Sat) 16:12:19

ハーレフは、アールアレフ了解!無理せずにね〜と手を振り振り
(a8) ときいろ 2019/06/15(Sat) 16:31:46

【人】 未亡人 アールアレフ

下男へ魔神の少女と子犬を呼ぶように伝えて、応接間に異国の花やフルーツを飾り付ける。
最近の流行は、狭い部屋の中にフェイクの樹を作り、そこに何種類もの花やフルーツを飾り付け、楽しむ仕掛けで、要は、金持ちの道楽である。
木の枝の先の葉を模して造られた皿に一口に切ったみずみずしい果実を。色とりどりの花に紛れさせて、精巧な花のゼリー菓子を。
ただおいしく美しいものを食べることに飽きた者たちだけの、食べ物を使った遊び。

きっと、あの子たちはこんなことしたことはないでしょう。
これからすることも、ないでしょう。
だから私は、彼等に与えて見たくなった、どんな反応をするのか。
喜ぶのか、憤るのか。
(21) sacura 2019/06/15(Sat) 20:00:39

【人】 未亡人 アールアレフ


嫉妬を感じ取ってなお、仲良くなりたいという少女はあらゆる意味で無垢だから。

「魔神ちゃんはきっと喜んで飛び回るわね。でも子犬ちゃんは聡いから。」


きっと、とても複雑な気持ちになるのだろう。
もてるものが持てあましているところを見せつけることになるのだから。
子犬は、自分が持たないものをして、それがあるだけで幸福であるわけではないとわかる、賢い子だから。

賢いから、今まで無事であった、かわいそうでかわいい子だから。キャンキャンと吠えながらも、自分ではない肉親でもない、獣のために願える子だからいとおしいと感じる。

私にはとてもできないことだから。
足るを知らぬものだから。

私は二人を待ちながら、もてなす準備をする。

私が持つものを与えて、彼らの願いを退ける私が、私を後ろめたく思わなくてもよいように。
(22) sacura 2019/06/15(Sat) 20:04:44
ヘイダルは、アールアレフから、不思議な招待状を貰って首を傾げている。……今頃何の用事だよ?
(a9) Valkyrie 2019/06/15(Sat) 20:37:07

【人】 魔神 ハーレフ

>>21>>22アールアレフへのお返事



アールアレフに呼ばれた応接間には、何故か木があった。

……こんな木あったっけ?前回は違う部屋だったのかな。
見た事のないものにおそるおそる近付いて、私ははっと気付く。

「これ、お菓子…!果物も!」

素直に喜んで、これは食べて良いものかとアールアレフを見やる。
彼女は優雅に頷いたから、私は喜んで木に飛び付いた。

すごい、すごいすごい!
食べ物をこんな風にするんだ、出来るんだ!

そっか、これを見せたくて呼んでくれたのかな。

そう言えばいつぞやのご主人様に世界中の美食を願われた事もあったなぁ…。
願いを叶えた途端ランプごと放り出されて、あれは…肉料理にダイブしたんだっけ。しばらくランプがお肉臭かったのを覚えてるもの。
まあその後、召使が私(というかランプ)を略奪して口で言えない下剋上をしていたから人間って血生臭い…いやお菓子の前で考える事じゃないかな。

「すごいね!これ砂糖菓子………ヘイダル?」

同意を求めて笑顔で振り返り、そこにあった表情に私は瞬いた。*
(23) ときいろ 2019/06/15(Sat) 20:48:20