174 完全RP村【crush apple〜誰の林檎が砕けたの?】
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おはようございます…?
[何かを抱き締めていた感覚が空を切って、
どうしようもない空虚な気持ちを抱えたまた目を開く。
能天気な声が聞こえたから。*]*
| ──現在・天使の言葉を受けて >>0── ……………………。 [工藤は天使を見つめたまま、ただ沈黙していた。 痛切な叫びが、自分の中から湧き上がるのを感じた。 だがそれが表情として現れることは無く。] よ、…… [天使の言葉をなぞろうとして、もう一度口を噤む。 それから朝霞さんの方を向くと、] 良かったですね。大事が無くて。 [天使の言葉をそのままなぞった。]* (1) 2022/09/10(Sat) 0:11:23 |
| (a5) 2022/09/10(Sat) 0:13:32 |
びょういん…。
[なんとなく、いろいろ思い出す。
夢の中のこと、帰ってきたのだということ。
怪我の具合はと聞かれ>>*1、
体を見たがいくらか擦り傷が手の甲などにある以外は
見当たらなかった。
やはり笑えるほど健康なのだ、自分の体は。
然程嬉しくもなかったけれど。
あの夢が本当なら、
まあ、天使が見えるので本当なのだろうが、
ムーンも病院のどこかにいるのだろう。
後で確かめようと思いながら、
今は何も考えられず、目を閉じた。]*
──夢──
[夢の中で、皆の姿が見れる。>>*3
それは望んでいたはずなのに、見るのがつらいような気もする。
天使の声を聞く皆の姿が見える。
ミサミサとじゅじゅか…。
よかったな、とはいえないのは、二人の顔を見て。
そして先程までの自分と重ねて。
素直に喜べないこと、知っているから。
ああこれで、あいつは女子一人になってしまうな、とか、
そんなことを考える余裕はなくて。
ただ、無言のまま浮かべた表情に、
やはりひどく残酷なことを頼んでしまったのだと自覚する。]
……、ごめん。
[届かない言葉が虚しく響いて、静寂に吸い込まれた。]**
[天使にじゅじゅの名前が呼ばれて思うのは徹っちんのことだが、大丈夫だろうか。
皆がいるレストランから最後に会った第14展示室に行ってみる。]
……、ちゃんと話せると良いな。
後悔ないように。
[聞こえない声をかけてみるけど、それは心から願うことでもあって。
この展示室で伝えたのも本音だったが、オレの言葉では響いていなかった気がしたし。
名前を呼ばれてから消えるまでに、皆と話して、伝えたいことも伝えて。
できる限りはしたつもりだが。
徹っちんのあからさま沈んでるような雰囲気に、オレでは役に立てなかったのが少し心残りで。
多分それを何とかしてやれるのは彼女くらいだからと、レストランに戻れば、徹っちんへとだろう電話をかけているじゅじゅに]
徹っちんをよろしくな。
[と改めて、声をかけておいた。
聞こえないとはわかっていても、オレはどうやら、"誰かと話してないと死んじゃうマン"らしいので。
と、くっきーがムーンに対して言っていたオレのことらしい謎の呼称を思い出したりとしていた。]*
[最後に送ったLINEを先輩が見ているのを覗き込む。
何を言わずとも何となく、先輩なら「武藤もな」とか思ってるのだろうなって。
そういや徹っちんには個人的にもメッセージを送ったが気づいたろうか、とか。
自分が残してきた痕跡が本当にあるのかという不安がどこかにあって。
とりあえず研究室LINEには残ってたことに安堵した。
消える間際くらい、ミサミサへのまつもっちゃんからの優しい冗談、還ってオレに問い詰めろという言葉が本当になるとは、その会話は最早あの時は意識を向けられてはなかったオレには知らない話だけど。
知ることがあるなら、戻ってきたミサミサには存分問い詰められてやってもいいと思うだろう。
無事に還るならなんでも嬉しいからと。
どこかいつもとは違う何かを思わせる無表情に、彼女にとっても何か得たものがこの夢の中であるならば、最後の時間も有意義に過ごして欲しいと思うのだ。
オレからくだらないジョークを学んでくれたみたいに、きっと、いろんなことを周りから少しずつ教えられているのだと、そうなら良いなと思うから。]*
[皆が幸せになることを願ってて、
周りにばかり気を回して、
気づけばふらっと消えているまつもっちゃんは、
呼ばれなかったことを安堵しているのだろうか。
たくさんかけてほしい言葉を貰って、背中を押されて。
なにも返せてないこと、返す機会はあるんだろうか。
気にすんなと言うだろうけど。
オレは忘れてないから。
オムライス、食いに来いって言ってくれたこと。
くっきーと徹っちん、それから全員連れて。って。
でも全員連れてける場所ってさ…、あの時詰まった言葉の先、考えるのはやめておく。
そうやって、残してきた皆を見て。
思うところ、願うこと、たくさんあるのだけど。
手は二本しかないからと、
その手で掴めるものだけでも守れと言われたから。
一人外に出ていく一番心配な、消える時、一番負担をかけた相手の後を追う。]
| ──現在・天使のお告げ後朝霞さんと── ……………………。 [心なしか険を含んだような返答 >>4。もちろん工藤が彼女の心境を慮ることは無い。 無いが、彼女の目をじっと見つめていた。 背中を撫でられて、びくりと震えた。] 工藤さんが帰れるのは。 主語が変わりました。 [背中に当たる感触。その手の温度を感じ取りながら、工藤は小泉先輩から教わったこと >>3:220をそのまま口にした。] 『私は良かったですねと思ったけど、実際は違うのでしょうか。』 朝霞さんに大事が無くて。 [彼女が津崎先輩に電話をかけ始めるまで、その後多少の会話があっただろうか。]* (26) 2022/09/10(Sat) 7:52:22 |
| ──回想・黒崎先輩とガールズトーク >>3:381── [黒崎先輩は言いよどむと、左手を持ち上げて、体液の滲む絆創膏を見せた。 空気が動いて、匂いがさらに濃くなる。 工藤はじっと切れた指先を見つめると、唐突に黒崎先輩の傷ついた指を掴んだ。] 血じゃなくて林檎の果汁が出てきた。 津崎先輩も、ここで怪我すると、血であって血じゃないものが流れるみたいなんでと言っていました。 >>3:232 ……ここから、悲鳴が聞こえてくるようです。 [工藤は、己が感じ取る匂いを、そのように表現した。 それから黒崎先輩の手首に二本の指を押し当てると、脈の音を確認する。 何の異常も見られない脈音。 この命の管には、いったい何が流れているのだろう。 正体を黒崎先輩から告げられたところで、不気味なことには変わりがなかった。] (30) 2022/09/10(Sat) 8:19:11 |
| [そしてお酒の話でも黒崎先輩は再び口ごもり >>3:382、しかし共犯者不在のため一人で詰問されることになる。 「そうですか。武藤先輩も酒臭かったです」 「武藤先輩と一緒に飲んだんですか」 「武藤先輩と一緒に飲むお酒は楽しかったですか」 「一人で飲んでもそう思わないのに、武藤先輩と一緒に飲むお酒は楽しかったんですか」 などと、全くの無表情のまま詰められることになっただろう。 いじっている自覚は無い。]** (31) 2022/09/10(Sat) 8:21:30 |
| (a13) 2022/09/10(Sat) 8:23:21 |
[館内を歩きながら小さく独りごつのが聞こえた。
零れ落ちる前に何か思考していたのだろう。
「でも」の前にあった言葉は文脈から想像するしかなかったが。]
肉体的には確実にあの二人より強いが
[これまでの出来事を思えば脆い部分、不安定なものを抱えていそうだった後輩たちのことを思えば、精神的な話だろうとはわかるので]
……、どうだろうな、
少なくともオレ的には"そっち"にいた時の方が安定していた。
[独り言に独り言で返しながら隣を歩く。
独り言は零しても涙を溢す様子はないことに少し、安心する。
ただ、無理をさせているなら。
泣いた方が楽になるものがあるなら。
泣くなよと取り付けてしまった約束を申し訳なくも思う。]
| ──現在・天使のお告げの後朝霞さんと会話 >>28── 朝霞さんが帰るということは、他の誰かが帰れない。 それを思うと、素直に喜べない。 では朝霞さんが死にたかったのですか。 [工藤にはその複雑な心境を、共有できない。] 私は朝霞さんが呼ばれて良かったと思っています。 死んでほしい人は他にいます。 [そのように、決して口にしてはいけない言葉を使った。 同じ立場に置かれた相手が、工藤でなければ。分かり合えたのかもしれないけれど。]* (34) 2022/09/10(Sat) 8:57:02 |
| ──現在・スタッフルームに行く松本先輩を呼び止める── なんかありました。 [皿を水に浸した後 >>11、スタッフルームに行こうとする松本先輩の手首を掴んで呼び止めた。 疲れているなら後にしようとか、そこそこのところで会話を切り上げようとかいう気遣いは無い。] 武藤先輩は私をハメました。 そして、松本先輩が置いてくれた湿布を貼ったので、私の足の痛みが弱くなり、松本先輩に礼を言うと喜ぶとも言いました。 これは私はハメられてないと思うのですが、実際は違うのでしょうか。 [とはいえその後も何度もぶつけたから、脛以外の場所にも痣はいろいろできている。] (35) 2022/09/10(Sat) 8:58:25 |
| [それから、手首の脈を感じながら、じっと松本先輩を見上げた。] 松本先輩の名前は呼ばれませんでした。 良かったですね。死んでるかもしれない側に残れて。 [脈を測った時に松本先輩 >>1:54がこぼした言葉。 生きることを厭う理由は知らない。その苦しさも想像できない。 だが、誰が命を落としたとしても、どうせ胸はざわめくのだ。 ならばせめて、一つの死が、心から望む人に訪れればいい。]* (36) 2022/09/10(Sat) 8:58:55 |
[あの時と同じように、一人で走る姿を美術館エントランス前で座りながら眺める。
今のオレの体、形はあってもおそらく意識だけなのだろう、幽霊のような姿は疲れたりはしないかもしれないが、一緒に走るのはしんどそうだし。
くっきーが走っているところを見るのは好きだ。
ぼんやりと見ながらどうにも走る様子が前とは違うとは思っていた矢先、植え込みに向かい体を曲げるのが見える。
嘔吐しているところを女子が見られるのは嫌だろうとは思ったがそのようなことを考えてる暇はなくて駆け寄った。
オレの姿は見えないのだから気にしなくて良いのだろうけど、まあ、心情的に。]
……、
[緩く背中をさする仕草をしてみてもそこに温度は感じない。
驚愕を孕んだ声に視線を移すと、吐き出されたそれらは林檎の残骸だった。
正しく夢の中なのに、果実の腐り落ちたような香りは感じられた気はして。
林檎そんなに食ってたっけ、なんて思ってもカレーとか他のもの食ってたのは知ってるし。
異常現象のひとつなのだろうとは理解して。
これらが何を表すのかわからないけれど、この中を生きてる皆の精神に優しくないのはわかるから。
添えた手で背を軽く叩いた。]
| (a15) 2022/09/10(Sat) 9:03:34 |
[ふらふらと荷物の方へ向かい座り込んだ先、隣に腰をかけて苦しげな顔を見つめる。
水飲まなくて平気だろうかとは、その心の内までは知らないから心配になるけれど。
無理をしているのは明白で、何故オレはそばにいてやれないのだろうと思う。]
帰ったら、泣ける映画でどちらが先に泣くか競争だっけ。
いや、泣かないでいられるか、だったか。
[ぽつぽつと小さく話したことを思い返して呟く。
あの時はもう時間がなくて、意識の薄れゆく感覚に抗いたくて、あの場所から消えたくなくて、咄嗟に抱きしめてしまったけど。]
……あー、映画の勝負なら多分、
負けないとは思うんだがな、
………、
この場では、オレの負けで良い、……、
[隣で座り込み、声を殺す必要もないのに口元に当てた自分の手の甲の下、唇を噛み締める。
代わりに泣いてやれれば、なんて思ったけど。
結局のところ自分が寂しいだけで。
何もしてやれないのが歯痒いだけで。
言葉が届かないことが、触れられないことがもどかしくて。]
………、っ、
、ああもう、くそダセェ…
[目頭に溜まった熱いものが頬をつたう感覚だけはリアルで。
融通の効かない夢だなと思うけれど。
おそらく現実で眠る自身の感覚をそのまま感じているのだろうと思えば、涙を流しているだろう寝顔は誰にも気づかれなければ良い。]**
──現実・病院──
[やけに開きづらい瞼を無理矢理押し上げ、目元を擦る。
オレの怪我は大したことないどころかほぼないのだが、
一応いろいろ調べたりは必要なようで、
すぐに元の生活に戻れるというわけではなさそうだ。
実家の両親が着替えやら何やら持ってきてはくれたらしい。
スマホを開くとLINEの未読バッジが大量に増えていて。
ああ、時間が動いている、と思う。
『大丈夫?』
『武藤死んだってマジ?』
『なんで昨日の飲み会来なかったの』
…
自分に関する話題だけ探そうとしても、ほかの話題も入り乱れていて面倒くさい。
とりあえず上から順に、虎の寝ているスタンプを送信していく作業をした。
研究室LINEはかなり下の方に置いやられていて、最新は集合写真で止まっていた。
それを見てまた目の奥がズキンと痛んだから、スマホを閉じてベッドから降りた。]
とりあえずムーンの病室探すか…
[病院の廊下を歩き、売店で菓子や飲み物を買う。
それから病棟に戻り、『香坂柚月 様』と書かれたプレートを探した。
ムーンのいる病室を見つければ、入って声をかける。]
おはよ、ムーンも天使にはいろいろ聞いたか?
[と話しかけながら、買ってきたカレー味のスナックを渡したりとしておこう。]*
[くっきーとミサミサがガールズトークしていた時はオレは別のことしてたと思うから、まさか飲酒のことで問い詰められていたとは知らない話。
一緒に問い詰められてやらなかったのは幸い、いや、くっきーには申し訳ないが、もしその場にいたなら、酒のというよりは飲み会の楽しさとかをとうとうと説いていたかもしれない。
飲みの席みたいな場にミサミサの姿を見たことはあったろうか、あまりない気もする。
面白そうなやりとりは知らない話ではあれど、ミサミサが起きたらいろいろと話したいことはあるな、と思っている。
まあ、ジョークのルールの件の弁解が先だろうけど。]**
──夢──
[地べたに寝転がっているくっきーの隣でしばらくその様子を眺める。]
悲鳴?
[何の話かは知らない独り言には首を傾げて、その後しばらくして呟いた一言に、薄く笑みを浮かべた。]
……そうだな、大丈夫だよ。
[逃げるのはやめた彼女なら、逃げることから引き留めてくれた彼女ならきっと、大丈夫だと、負けないでいてくれると信じる。
おいてきてしまったもう一人、手が2本しかないなら掴みたいもう一人は大丈夫だろうかと姿を探す。
どうにもほっておけないアイツが結構悪いモードに入ってるなって別れ際思ってたから。]
[時間の概念が曖昧だが、くっきーを追って外に出る前だったと思う、まつもっちゃんを引き留めるミサミサを見て足を止める。
おっ、湿布のお礼を言うのか?とオレは期待する。
したんだが、唐突な「武藤先輩は私をハメました」に慌てた。]
待て待て待て、ハメてない!
ジョークを言うミサミサは面白いのであれは必要な教えだった!
おかげでオレは酸欠で死にかけたくらいだ、誇って良い。
[とか、彼女の無表情の前に顔を突き出して騒いだ。
その鉄面皮から湿布の話が出れば、おとなしく見守る。]
いや、オレの言うこと全部悪質な罠みたいに思ってないか??
武藤先輩は良い人だぞ、優しくてイケメンだ。
って唱えたら上書きされてくんねえかな…。
[くらいの口は挟んだが、実際挟めることはないので問題ない。
お礼を言うこと、ちゃんと覚えてくれてたのだと思うと嬉しいと思ってしまっての照れ隠しのようなものだ。隠す必要もないのだが。]*
[徹っちんを探しに行こうとして、やってきたよっしー先輩がくっきーの側にしゃがみ込み、話しかけるのを見て少し安心する。
徹っちんに彼女を任せたとは言ったが、多分徹っちんは徹っちんで大変なのはわかっているから。
じゅじゅが目を覚ますことがわかった今ならば、尚更。
恋愛と友情と信頼の違いとか小難しい話、二人がしてるのを見かけたとしても、詳しくは聞かないだろうけど。
そういうのを盗み聞きするのはなんか、趣味ではないし。
ただもしその命題を何かの機会にでも問われたとしたら、どう答えるだろう。
感覚でしかわからないから説明が難しい気はする。
こう、胸が苦しくなったり意味もなく切なくなったり、緊張したり脈拍が上がったり、そういうのが恋愛感情なのかな、とは。
友情は、って考えて。徹っちんの顔が浮かぶと思うけど。説明にならないか。
今徹っちんがもしもオレの頼み事を気にしてるのなら、
オレのことは気にしなくて良いんだって、
自分のこと大事にしてほしいって、なんとなく、
オレのことも思い出してくれてるなら良いって願望込みで思った。]*
[それから徹っちんを探して屋上に来れば、行き倒れになってるみたいな姿を見つけるだろうか。]
?!???!
徹っちん?!大丈夫か?!
[誰か呼ぼうにもオレには人を呼ぶことは出来ず。
駆け寄っても何もしてやることはできない。
だから、誰か来るまでか徹っちんが自力で人のいるとこまで行けるまでかわからないけど、そっと痛そうな腹に手を添えることしかできない。]
何かあれば助けに行く、って言ったのにな。
ごめんな。
[倒れた姿の横に座り込み、なんの役にも立たない手を腹の辺りに触れさせて、ぽつぽつと聞こえない声を一番の友達にかける。]
徹っちんはさ、諦めちゃうとこあるだろ。
ほっといてくれって、気にしないでくれって。
あのとき、オレが怒鳴って周りが険悪になった時…、
悲しかった理由を話してくれたみたいに、
もっと口に出していいんじゃないか。
[オレみたいに言われなきゃわからない奴もいるから。
いや、多分大体の奴がほんとの気持ちとか、言わないとわからないのは当たり前なんだと思うから。]
諦めて一人になって、
それで傷ついてる徹っちんを見るのは…
多分、その原因かもしれないと自覚してる相手はつらいからさ
[と、独り言の最中にまつもっちゃんが現れて、心底安心する。 オレの手をすり抜けてまつもっちゃんの手が傷口らしき箇所を圧迫すれば、少し離れて様子を見た。]*
[まつもっちゃんに抱きかかえられて、時折短い言葉を交わすだけの徹っちんの具合はいくらか良くなってきているようにも見える。
手当ては必要ないのだろうかとは思うけど、無理に動かすよりも今のまつもっちゃんの対応が最適なのかもとは、何となく。
死にたい気持ちがわかるって言葉の意味は察しの悪いオレにはよくわからない。
仮にじゅじゅとのやり取り聞いてたとしても多分、オレにはよくわからなかっただろう。
だから、その気持ちの理由を徹っちんに聞くことができない自分を歯痒いと思った。
まつもっちゃんの「そういう日もある」に、好きな歌だと言ったら徹っちんが送ってくれた曲を思い出して、そう割り切れる出来事なら良いな、と。]
オレは無事だよ、笑えるくらい。
でも元気ではないかも。
徹っちんもいないし。
[話すこともできないし、一緒に飯食うことも、お菓子分けることもできないから。
だから出来るうちはやっといた方が良いよって、伝えられたら良いのに。
だけど、オレのいないとこでもオレのこと、思い出してくれるのはすごく嬉しいなって思うから、ちょっと元気出たよ。
それから「香坂ちゃんや今泉ちゃん」って言葉にアプリコットやみこの病室もわかったら顔出すかな、とか考えて。
徹っちんの寝顔を見ながらそっと(する必要はないのだが)二人のそばを離れた。]*
[そっと離れた後のこと、徹っちんが目を覚ました時の場面は見ていない。
これは夢の中で、天使から頼んだ神のご慈悲の賜らしいので。
意識すれば好きなタイミングで好きな場所に行けるのかもしれないけど、とりあえず今は心配は薄れたから。
くっきーと先輩はどうしてるだろう。
先輩なら頼りになるから彼女を元気付けられるかな。
集合写真撮った後の二人の会話は知らなくて、先輩の心の内も何も知らないから、単純にそんな風に思いながら。
屋上からエントランスに飛ぶみたいなことは、かなり現実感の薄れた幽霊みたいな今ならできるのかもしれないけど怖いのでやらなかった。
階段を降りて美術館をエントランスに向かって抜けようとすれば、じゅじゅが歩いているのが見えたろうか。
ついて行けば、あの絵の前。
ミサミサの絵に話しかけている。
偽物のミサミサのことはLINEで共有された話からしか知らないから、何か異常現象の一種くらいに思ってたけど違うのかもしれないなと少し思った。]
[じゅじゅには徹っちんのことよろしくって言ったけど、二人にとってそれは、やはり余計なお世話だったのかなと、屋上での徹っちんを見て思ったりもする。
仲良くできるよと保証したのは本音だし、じゅじゅも仲良くしたいと思ってるというのも本当だとわかる。
ただ、オレともくっきーとも仲良くしたいと言った彼女は、皆と仲良くしたいと思ってるということなのかもしれない。
いや、多分皆と仲良くしたいと思ってるとは思うんだけど。
そりゃな、それはオレもそうだし。]
オレは誰かの特別になりたくて、
誰かを特別に思いたいと思ってるけど
じゅじゅはそうじゃないのかな。
[オレは受け入れるのは難しい「皆のためなら自分を犠牲にしても良い」なんて自己犠牲を持ってるのは知らない話だけど。
還ってきたら聞いてみようかな、と思った。]*
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