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人狼物語 三日月国


100 【身内RP】待宵館で月を待つ2【R18G】

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視点:


「つまり神隠しをされたら存在が消失するって訳でも無さそうでね。
 しかし懸念である事には変わりない。

 ………だから、其の真相を確認してから実行の可否を考えたいんだ。

 今クロノ君は怯えて出て来ないのだろうが、ミズガネ君なら僕らに存在を示すと思わないか?」

キエはまるで安全策であるかの様に話すが
神隠しから戻って来る為の手段についても
、実際に神隠しされた者を見る事ができるかどうかについても触れなかった。
何の保証も無い事をキエは知っている。もしも期待外れであればまた違う手段を探せば良いと考えていた。

 
「…嗚呼、勿論直ぐにでも試したいなら僕ァ構わないよ。邪魔が入るかもしれないしね?」

「ああ!? 話がムズかしくなってきやがった。
 あんまりややこしいこと言うんじゃねェ!」

この発言で、リーパーの地頭については
察することができるだろう。

「つまり、オマエが言いたいのはこうだ。違うか?

『とにかくミズガネをブッ殺せ! 話はそれからだ!』

「それならいい。あいつ、報酬のせびり方が悪質だし変なもの取り立ててくるからな」

口ぶりからこちらの吟遊詩人はほいほい契約してしまったことが分かるかもしれない。

「本当か〜?お前押しに弱そうだから心配だな。気弱なところに付け込まれて詐欺に引っかかりそうだ。
 ……それに、よくない噂の為に『なんでも言うこと聞く』なんて口にする奴だしな」

「あんまり自分を安く売るのもどうかと思うぞ。もっと大切にしろ」

なんでも言うこと聞くような流れを作るよう脅迫したのはこの男なのだが、棚に上げてしれっとそんな事を言うのだった。

「な、なんで知ってるんですか……?
 ってまさか、あ〜〜!
 ミズガネさんも契約しちゃったんですかぁ!?」

「と、とにかく。キエさんには気を付けます。
 ……えへへ……し、心配してくれるんですね……。
 あっ、ありがとうございます」

全くそれを気にした様子はない。
あなたもあなたであれば、こちらもこちらであるのだ。

「あ、あたし、その……っ。
 そろそろあなたの部屋に向かいますね!
 ホットワイン持って!」

リーパーは思索する。
この声はあなたには届かない。

「(あン……? ミズガネが何か言ってるな。
 キエには気を付けろ? フン!)」

「(アイツの言う通り、キエの野郎は
 インチキ詐欺師バケモノ探偵だが。

 ゲイザーのバカをブッ飛ばせるチャンスだ。
 それならばオレは、喩え怪しかろうが
 その話に乗っかってやる)」

「(いざとなりゃ殺してやればいいだけの話だ!)」

「煩い馬鹿!
 あーそうだよ契約しちゃったんだよ俺が!


 クソッ……今思い出しても腹が立つなあいつ……。
 別に礼を言われることなんてしていない。お前何かとんでもないことやらかすんじゃないかってハラハラするだけだ。
 何かしでかしてお喋り好きの下女達が有る事無い事言うのを止めるの、大変なんだからな」

「ああ、待ってる。来る時転ぶなよ」

ぶっきらぼうに、けれど気を悪くしていないのが分かる程度には穏やかに返して貴方との連絡を終えるだろう。

「そう、つまりそういう事だ。すまない、説明が長くなってしまったね」

キエは苦笑する。短絡的なリーパーなら自分の殺害も視野に入れているのだろう。其れはキエにとって何ら懸念にならない。

「一応別の手段…“館の力を利用せずにゲイザー君を食べる”方法も今考えているよ。此方に関してはリソースさえ在れば事足りるから、提供してくれそうな者にお願いしてみるつもりだ。その為に必要な情報が欲しい。

 
君達が枝分かれしたのは何年前だ?


  …つまり僕が食べるかもしれない記憶は何年分になるだろうか?」

「へッ、全くだぜ」

その説明は、確かに契約を結ぶには必要な情報だろう。
あなたはそれを為してくれた。
リーパーという短絡的な殺人鬼を、その掌の上に載せるために。

「4年前! じゃ、サクッと殺ってくるわ。
 そろそろ例の時間だ」

リーパーは彼独特の理論の上で行動する。
彼にとっては人の子ひとりの命ですら、
その為に消費される理由になり得る。