【人】 帰宅部 津崎絵音[ どうも落ち着くことが出来ないのか、元通りになっただけか 早朝まで眠ることは叶わなかったけれど。 昨日の反省を踏まえ、 しっかりコンビニでパンを買うのも忘れなかった。 ええ、荷物が置いてあるのに遅刻したオレを 結構な人数が見ていたらしいんでね。気をつけましたよ。 ギリギリだけど遅刻してないんだから 今日は誰にも笑われないし珍しがられもしない筈。 朝から千葉に自慢してやった。 普段に戻っただけで自慢出来るのは志低い底辺の特権だ。 ま、怒られてるところを見てオレも笑ったし>>1:344 実のところ痛み分けの結果だったけどあれは。 ──なんて、色々頭に浮かぶことはあったけれど。 出来るだけいつもどおりにいくつもりだった。 ] (11) 2022/10/17(Mon) 0:52:30 |
【人】 帰宅部 津崎絵音[ 別クラスの友人に声を掛けられたのは 生徒指導の教師に服装と昨日の件を説教され、C組に帰る途中 どうもオレを探し、待っていたらしい。 昨日に引き続きよく起きているから、会いに来たのか。 連絡すればいいのにな。同じ学校にいてそれも億劫か? しかし、ネクタイ締めろって言われてもね 締めたら締めたで文句言うじゃん。 まあ上手く結べないせいなんだけど、 結果が変わらないなら楽な方がいいに決まってる。 ] 「それでさ、これって津崎だよな?」 [ 教師の悪口の言い合いが途切れた時、 スマホをいじり始めたそいつに、問いと共に向けられた画面。 心臓が跳ねる────中学生の自分が映っていたのだから。 従妹にスマホのカメラスクロールを見せてたところ オレを知ってるって言ったんだと、そんなパターンある? ] (12) 2022/10/17(Mon) 0:53:09 |
【人】 帰宅部 津崎絵音── 午前中/どこかの廊下にて ── [ 中学時代の全国コンクールの記事。 灰色の髪と青い目の男子が演奏している動画つき わざわざ名前にルビまで振ってある。 記者の温かな気遣いが傷口に染みますね。 デジタルタトゥーってやつか、これ。 いつも自分が生きてる世界で精一杯で ネット上のこととか、考えてなかったわ。 咄嗟に動けずにいる当人を余所に、 友達のつもりでいた男子生徒が、悪意無く画面をタップする。 流れ始めるピアノ・ソナタ第1番第1楽章 ざわめきにかき消しきられるのには、音量が大きい。 ] (13) 2022/10/17(Mon) 0:53:24 |
【人】 帰宅部 津崎絵音ごめん、それ……止めて [ やっとのことで出した声は小さすぎた。 聞こえてないのか照れていると思いこんでるのか、反応は無く 「よく分からないけど、すげーじゃん!」 心からだろう褒め言葉と共に快活に笑いかけられて目眩がした。 興味を引かれたらしい女子が立ち止まり、 画面を見せてもらい「え、意外」と 驚きと興味を含む表情でこちらを見る。 少し離れたところで囁き合ってる二人は中学からの同級生 向けられた覚えのある同情の目に、気づいてしまった。 やめろ、 やめてくれ ] (14) 2022/10/17(Mon) 0:53:40 |
【人】 帰宅部 津崎絵音止めろって言ってるだろ [ 気がつけばスマホを無理矢理奪い取っていた。 低い音で吐き捨てるような言葉は、衝動的なもので 自分でも驚き、固まった。 停止した動画と共に、周囲の声まで無くなって 全ての音を消してしまったようだ。 多分それは錯覚なのだけども。 誰がそこにいたとかはあまり認識出来ていない。 オレらの学年もそれ以外も、誰がいても不思議じゃないだろう。 何も気づかず歩き去った奴も、それ以外も沢山いただろう。 ただただ、誤魔化せるだけ誤魔化して 逃げ出すことしか頭には無かった。 ] (15) 2022/10/17(Mon) 0:53:55 |
【人】 帰宅部 津崎絵音本当恥ずかしー 親に無理矢理やらせられてただけだって もう辞めたから弾けねーし、マジで忘れろよこんなのさー [ 無理矢理に明るい声を作り、笑ってスマホを返した。 実のところ高校入ってからも昔の話は振られてた そんな大人数いるところでは無かったんだけどね。 相手はオレが事故って学校休んでたことも、 久しぶりに登校した後の様子も 進路が変わったことも知ってる奴らだったから。 多分裏で色々言われてはいたんだろうけど、 こんなことにはならなかっただけ。 あーあ。 遠くの高校を受験するなんて余裕は オレにも親にも無かったし、いつかはこうなったんだろうな。 ] (16) 2022/10/17(Mon) 0:54:12 |
【人】 帰宅部 津崎絵音……そんなことよりさ、ダルいからサボるわ [ 「次オギ先の授業だぞ?」と返した元凶は 不思議そうなような、ホッとしたような表情。 いいかもう、こいつやあいつらがどう思っても。 多分これから色んなとこで話されるんだろう 今起きたことも、交通事故の後音楽高校から進路を変えた話も。 何もかもどうでもいいとしか今は思えなかった。 踵を返し、保健室に向かう為に早足で逃げて、逃げて 辿り着く前に力が入らなくなり 壁に手をついて時間を掛けて、 なんとか保健室へ歩み続ける。** ] (17) 2022/10/17(Mon) 0:54:28 |
帰宅部 津崎絵音は、メモを貼った。 (a4) 2022/10/17(Mon) 0:55:45 |
【人】 帰宅部 津崎絵音── →保健室── [ こちらを確認するや否や思いっきり眉を寄せた養護教諭が 何故かその後すぐ態度を変え、ベッドまで肩すら貸された。 もう常習犯として顔と名前を覚えられて、 なんとか追い返そうとされるようになっていたのだが。 そんなに目に見えて酷い状態かな。 顔もろくに見えないだろうに、やっぱり教師は分かるのかな。 後者であることを祈りたい。 カーテンで隔離された独りの空間。 息苦しくていつものマスクは外し枕元に、 頭まで布団を被って暖かい空気に包まれた。 行動が矛盾してる?そうかもしれない。 でも隠れきらないと落ち着けなかったんだよ。 ] (176) 2022/10/17(Mon) 20:47:25 |
【人】 帰宅部 津崎絵音[ スマホを置いて、目を閉じる。 保健室にはオレと養護教諭と、 他にも誰かがいたとして、静かな場所には違いない。 そうすると一晩中耳元で聞こえ続けていた声が、 鮮明に記憶し消せずにいる光景が 蘇ってきてしまう。* ] (177) 2022/10/17(Mon) 20:49:03 |
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