![人狼物語 三日月国](./img/mptitle_prov_v0.jpg)
203 三月うさぎの不思議なテーブル
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え!
フレ……えーと……香水屋さん?
行ったことない。香水、つけてみるの?
[その発想はなかった。
面白い。今までの自分には絶対に知れなかった、店の外の世界のいろが鮮やかに光る]
体質的にダメなのは、酸化した揚げ油の匂いくらいかな
たぶん売ってないと思うから大丈夫
[それはそう、と誰もが賛同してくれるだろう]
自分の部屋や、オフの日にだけ使う香りってこと
一緒に選ぶの? それって、それはなんだか……
[言いさして、唇を閉じる。
もう一度チエの顔を見た*]
でしょう?
しかもこれ、ほぼ確定事項だと思うから
返事したら即決定みたいなものだよね。
[ 画面を見せて、年末……?と
言われれば、そうだよ、と頷いた。
察するような仕草があれば、
スマホを手元に引き戻して ]
そう魅力的。
でもリハのこととか考えると
年末、ほぼ埋まるんじゃないかと思うんだよね
[ 悩ましげに片手で片目を覆いながら、
ライトが消え真っ黒になった画面を
とんとん、と指で叩いて見せる。 ]
そうかな、そうだったら恋人の方が
大人かもしれないな。
俺、今まで素通りしてたイベント
全部体験してみたいからさ。
年末っていったらクリスマスも
潰れちゃいそうで。
[ 店員のお兄さん、曰く、
不満を言うような人ではない、らしい。
そうだろうなと胸中で笑ってしまう。 ]
[ なんだろうね、
堂々と宣言できないことよりも、
暗号の受け渡しをしているようで、
楽しくなってしまって。
二人だけで共有する秘密。
なかなか、いい味がする。 ]
[ ――とは言え、だ。
クリスマス、はもしかしたら相手の方が
都合つかなくなるのではないか。
きっとこの店も大盛況だろう、
予約で埋まったりもあるのでは。
その大変な日に、稼ぎ頭である
彼を連れ出してしまうのは、どうだろう。 ]
いいね、温泉。
恋人と旅行ってしたことないから
出来たら嬉しいし、今度誘ってみよう。
[ どうですか?だってさ。
このしれっとしたところが、また――良い。 ]
[ そうではない、顔を思い出して
にやけてしまう前に、スマホの画面を
明るくし、返信をした。
『前向きに検討させていただきます』
たった一言、打ち込んだ後は
いつも通り、カウンターの中で料理をする姿を
見つめていた。
ちょうど玉ねぎを炒めている頃だったか。
相変わらずの手際の良さに惚れ惚れしながら
完成を待つ時間も、愛おしいもの。
それ以上の視線を感じてしまっても、
まぁそこはご愛嬌、というやつです。
やがて、白の器にクリームを足した
抹茶のような柔らかな色のスープが
盛られて、カウンターから差し出されたなら ]
きれいな色だねぇ
[ 瞬き三つ分、それを眺めてから ]
いただきます
[ そっとスプーンを沈め、掬い上げ口元へ
軽く角度を変えると、なめらかなスープが
口の中に転がりこんでくる。
シンプルな味付けがより、そら豆の風味を
引き立てて ]
あぁ美味しいこれ ポタージュも
美味しいんだね、好きだなぁこれ
[ 実に美味しかった。
彼が自分の身体を作り変えようと
していることまでは、気づかないけれど。
好きな味を増やしてくれていることと、
愛情持って、作ってくれていることは、
身をもって、知っておりますとも。* ]
上……じゃない、かな? たぶん……?
2、3年。
[それってつまり、えっと?
自分が店に入ってからの期間を、思い出す。
就活してたのがあの頃だから……いや、深く考えると余計恥ずかしい。
なんにも気づいてなかった自分を悔やむ。情けないスタンプ一個追加。
ここにも鈍感がいますと首から看板下げられたような気持ちだ。]
[結局、ミモザは見つけられない。
代わりに、結構いろんな花が咲いてるのには気づけたけど。
菜の花が風に揺れている。]
メガネ、する?
この前ナギさんが眼鏡だったの、良かったよね。
借りてかけさせてもらったら、結構度強くてびっくりしたけど。
[一応ありがたいことに生まれてこの方裸眼だが、じんわりじんわり下がりつつある。
遠くない将来コンタクトになるんだろうという予感はしてたけど、シャミさんが眼鏡にするんなら、伊達でフレームだけでもかけようかな。]
……うん、香水屋さん。
ちょうどコーヒーでリセットしてるし、どう?
飲食だと、つけてらんないもんね。
[酸化した揚げ油は、たぶんボクでも嫌だから。
そこのところは、苦しまずに済むだろう。]
休みの日とか、部屋ではつけてるよ。
寝る前も多いかな。
今日もつけてこようかなって、思ったんだけど。
シャミさんの前でつけるのは、シャミさんの好きな香りがいいなって思ったから、やめちゃった。
……いっしょに、選んでよ。
その香りがするたび、シャミさんを好きになる。もっと。
[閉じた唇。それを開いてとは言わない。
でも、特別がほしいと、欲を滲ませて求める。
顔を見られれば、視線を合わせて。笑みの形に目を細める*]
行く
[私の前でつけるのは、私の好きな香りがいい
あまりにも、ぐらぐらと揺さぶるような口説き文句じゃないか]
……行きたい、いっしょに選びたい
[その香りがするたび好きになる。
視線が絡んで、誘う笑顔に。
閉じた口を開いた。眉を下げる]
こんなこと言っていいのかな?
その
[香りの重要性は知っている。
料理の要素の中でもっとも、深いところの本能を刺激する嗅覚]
それって……官能的
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