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人狼物語 三日月国


205 【身内】いちごの国の三月うさぎ

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 それは興味あるね、とても。

[ 話題は夜を思わせるものでも、
 まだこの時は、さほどそれを匂わせるような
 触れ方はしていなかった、かな。 ]

 付けられたことないから

[ 仕事柄、気をつけろとは再三言われていたのは
 過去の話。

 一度だって付けられたことはないのだが
 それでも口酸っぱく、言われていたのを
 思い出して笑う。

 現在もそしてこれからも、売り物にする
 つもりは毛頭ないので、気にしたことは
 なかったけれど、

 そういう相手だという意識があったのかもしれない。
 一度だって刻もうとしなかったのは。

 ――単純に興味がないだけである可能性も
 否めないけど。 ]

 どうせなら、この辺とか

[ 顎を緩く持ち上げれば、
 まっさらな首筋が見えただろうか。

 これからの季節、特に隠す理由も
 なければ晒している場所へ、

 ――の印は誰かに見つかったところで
 いいでしょ、と言わんばかりに微笑むだけだろう。

 己は、という話ではあるので、
 見知った顔にそれを見つけられた彼の
 気持ちまでは汲んでいない、冗談の類。 ]

[ でもその想像が、この後の行動を
 後押ししたのは間違いない。

 どこに何をされると、"そう"なって
 しまうのか、心得は十分にある。

 思惑通り後ろから抱え込むような
 形に落ち着いて、濡れた後ろ頭を
 眼前に捉えたら、ゆるく両手を握って。

 ――その状態で逃げるか問うのは
 この夜に星の数を数え切るのと同じくらい、

 意味のない、問いだったのに。

 期待に震えるみたいに、顎を逸らして
 律儀に答えをくれるから。 ]

 ……、ちょっと興奮してるの、
 分かっちゃう?

[ 腹に回した手でほんのすこし、
 体を抱き寄せたら、反応し始めてる熱が
 腰の当たりに触れるだろう。

 声を潜めれば、かけ流しの湯の音に
 紛れるだろうし、そもそも隣がどうで
 あるかなど知る術もないというのに。

 その状況に、酔ってるみたいに
 興奮してはいる。してはいるけど。 ]

 こっち向いて?

[ 手も、舌も、くちびるも。
 やさしくしたい、と訴えて。

 目線がぶつかったなら、先に目を閉じたのは
 こちらのほう。* ]

[真昼間の車内で濃密な口接けを交わしている。
駐車場は広いし平日ということもあり前後左右には停められていなかったから、少しくらい声が漏れたところで即聞かれてしまうということはないだろうが。
それでも聞かれるかもしれないという危機感が鼓動を速め、
その鼓動を脳が興奮によるものと勘違いしたのか、
――或いは元から自分がそういうことに興奮する変態だったのか、
危険性を知りつつも暫く離してはやれなかった。

車内に消臭剤をスプレーして、不快な香水の匂いは目立たなくなったけれども、こんなに甘いキスをしていたら、興奮で立ち上る自分達の体臭が車内に充満しそうだ。
それは同行者に対して申し訳がないから、後でまたスプレーをしておこう。

自分が兆している、段階で。
彼女が鼻に抜けた声を堪え切れず出した段階で。
彼女の方も内から滲む情欲があったことは察している。

おあいこ――おそろい。]

[練乳の件では白うさぎさんの天然ぶりを痛感したものだけれど、
告げられた「お願い」のタイミングは、意図的だったようだ。

初めての夜に急いでしまった自分の慾に、
追いついた、ということだろうか。
嫉妬によってそれが早足になったようだけれど。]


 ……寂しくなっちゃった?


[言葉だけ聞いていれば、先刻の自分の行為で
放置されたことを指すようで。

そっと下腹を撫でる。
真白がよく表現する「胎で自分の熱を感じたい」という欲求を指すように。]



[  一生僕に
せをプラスしてくれるんでしょう?  ]
 
 

[煽った狼の獰猛さを思い知らせるように囁いた言葉は、
狙い通り真白の内側をざわつかせたらしい。

脳を鈍らせることに成功した狼は容赦をせずに白い肌を摘まみ食い。
怒られても笑うだけ。]


 首周りは綺麗なままだよ?
 腕を上げなければ大丈夫。


[そもそも女性の脇付近なんて、見せられないとじろじろ見ないものだろうし。

それでも意識してしまうのだろう、随分と動きが不自然だ。
くすくすと上機嫌のまま合流したが、二人には単にデートに浮かれた男にしか見られなかっただろう。]

[爪痕のことは意識から抜け落ちていたのか、
 指摘してみて、一瞬呆けたような顔。

 自ら痕をつけました、なんて。
 口にさせるのは止めて欲しい。
 それが、堪らずに縋ってしまった痕だから。

 はにかむようにされたら、居た堪れなくなって。
 湯を掬って、ぱしゃんとそちらの方に向かって、
 訴えるみたいに、肌にかけて顔を背けた。

 彼の背中を見るのは、自身の身体にしっかりと
 残された彼の刻印を見るよりも恥ずかしいから。

 これ以上は突っ込まないでほしい。
 と、暗に示すつもりの水掛け。]


[「一緒に入る」だって?

 ――"飛んで狼の腕に入る白うさぎ" ってところかな?]
 

[けれど、キスマークなら話は別。
 興味を示す彼に、笑って。

 にぎにぎと繋ぎ合わせた手を、握って離して。
 弄ぶように、指同士遊びながら。]


  俺も、付けたことないですね。


[初めて同士の挨拶を向けて、ふ、と笑みを深める。
 まるで付けてほしいみたいな口振りが可笑しくて。
 だけど、こちらから付けましょうか、とは言わない。
 
 求められれば別の話だけれど、
 望まれなければ特に肌に痕を残すことはしない。
 
爪痕は意図的に付けたわけじゃないからカウントしない。


 身体を資本とする彼に、あまり。
 そういった縛りを付けたくない思いがあるから。]

[どちらが誘ったのか、これじゃあもう分からない。
 首筋から腕を下ろして、もう一度手を握り合って。
 お湯の温度と同じくらい馴染んだ彼の掌に包まれる。

 逃げるつもりなど毛頭ない。
 もとより、逃がす気がないことも知っている。

 そこで逃がすような彼だったなら、
 今、こうして一緒に過ごしてはいないだろう。

 耳朶に近づいた声が甘く、誘う。
 湯を割って腹部に腕が回って身体を引き寄せられ。]


  …… ッ、…… 



[ここがどこか分からせるみたいな台詞に、
 薄く唇を噛んで、零れそうになった声を殺して。]

――宿――

[荷物を置いて、ドアに貼ってある避難経路を一応チェックして頭に入れておく。
部屋によっては家族風呂が部屋とは別棟にあるようだが、この部屋は内風呂を挟んで続きの間のような構造になっているらしい。

つまり、内風呂で身体を清めてから露天に向かうも良し、
家族形態によっては内風呂だけで済ませる場合もあることを見越しての設計だろう。]


 マシロちゃん。
 ――外すよ?


[正面を向いて腕を回す。
首の後ろでチェーンの金具を外す間、前髪にキスをして。

脱衣所の湿気で傷んでしまわないように、部屋付きのドレッサーの上に置いておく。
服を脱ぐなら脱衣所のつもりでいるだろうか?

待てる筈がないでしょう?
コルセットスカートから、トップスを抜こうと触れた。]

[抱き寄せられた腰の下、臀部の辺りに。
 膨らみ始めた彼のものが、つん、と当たる。]


  ……ん、 当た、ってる 、……


[囁き合って、手を絡めただけ。
 直接的な刺激はまだ、互いに与えあってもいないのに。
 自身の身体で、また反応を示してくれているのかと思えば、
 背徳感に、ぞくぞくと震えが走る。

 ぽたり、とまた雫が落ちる。
 それが、きっかけだったみたいに。
 
 振り向かせるようとする声に、
 おず、と俯きがちに首を傾けていった。]

[伏せた眼で覗き込むみたいに、見上げたら。
 それを待ち望んでいたみたいに細められて、
 瞼が降りていくのに、自然。

 こちらも、再び眼が伏せられていく。]


  ……、 
は、
 ン、ぅ ……


[ちゅ、と啄むだけのキスを何度か交わして。
 じわりと熱を高めていくみたい。

 そのうち、触れ合わせるだけじゃ足りなくなって、
 薄っすらと眼を開き、唇を開いて、舌を差し出して。*]




 バンザイして、さっき僕がつけた痕、
 見せてみて?


[脱がせたら今日は明るいところで下着が見られるだろう。
オフショルダーって、ブラジャーはどうなっているんだろうね。*]

[ つけてしまった、という側からの
 水掛けをもろに食らっても、機嫌は少しも
 損なわれない。

 その痕がどうして出来たのか
 を考えれば答えは明白なので。

 縋らなければ耐えられないほど。
 その先は今は考えるまい。

 濡れた前髪を掻き上げたそばから
 もう一発、喰らいかねないので。 ]

[ 握って離して。湯の中で
 遊ばせるようにすると、水面が波打って ]

 じゃ、つけて、今度。

[ 今、でも勿論いいんだけれど。
 今つけられたらまず間違いなく、明日の朝
 見せつけてしまう気がしたので。堂々と。自分から。

 ――見えないような所になら?

 大歓迎では在るけれど、それより。 ]

[ 掠める唇の感触を覚えている体が
 ゆるく反応してくれるので、自分に
 付けられる痕の話は、のちほど。

 振り返られる瞳に淡い欲のいろ。
 自身の指でなぞる首筋が、より
 "そう"しやすいように、逸らされる。 ]

 
ほしいくせに、


[ 目視で確認できるかぎりでは、
 まっさらになった白い肌が温まって
 上気して、今はほんのり桜の色。 ]

 さっきは素直に言ってくれたのにな?

[ せっかく綺麗になったのに。
 伺うような視線と絡んだなら。

 互いの 望み通り。まずひとつ、
 シャツを着れば隠れてしまう場所に赤を散らして。 ]

[ 本当に逃がすつもりがあるならば、
 わざわざ両手両足を駆使して、捕まえようとは
 しないだろう。

 これがただの、戯れであることは
 互い知れている。

 声を漏らすまいとしている姿に、
 ふ、と笑ってしまったから、その息がまた
 耳を触って。 ]

 ん、また勃っちゃってる。

[ 聞こえてしまうかも、その背徳感が
 更に煽ったことは認めるけど。

 温まりながら手を取り合って、
 なんでも無いことで笑っていても
 白い背中を、染まる耳を、
 見ていたら、つい。

 熱くなってる君もまた、見たくなって。 ]

[ 受け入れるように、瞳を伏せるその瞬間が
 たまらなく、すきで。

 唇を合わせたときに、僅かに口角は
 あがって。 ]

 …… ン 、 
ふふ


[ 啄み離れて、また吸い付いて。
 合間に、笑い声を滲ませて。

 もっと、が聞こえない代わりに、
 舌先で唇をつついて。

 開かれた唇から、赤い舌が覗けば
 おいで、という代わりに、ちう、と
 やさしく吸い付いて。 ]

[ ちゃぷ、とお湯の跳ねる音が聞こえたら
 絡まる舌先をそのままに、片手が腹から
 そっと這い上がっていることに気づくだろう。

 つん、と胸の尖りをつつき、
 親指の腹で、くるりとそれの輪郭を一周。

 甘やかな声が上がりそうなタイミングで
 唇を解放し、抱き寄せれば、先程より顕著に
 反応していることが、伝わるか。

 ゆっくり、やさしくあいしたい。
 から、抱き寄せたほうの手は、
 撫でるように背を登り、とんとんと叩いて。* ]

 

[ 問いかけられた言葉の真意は分かっている。
  ──彼の掌が、そっと優しく
  熱を慾して疼いたままの下腹を撫でたから。

  さみしい。……そうだ、二重の意味で。
  さっき離れていた時間への寂寞と、
  埋まらない胎の熱への寂しさが絡まり合っているのだ。 ]


  ……わかってるでしょ……。


[ 答えなんて、貴方なら とっくに。
  ────訊くなんてステップを踏まなくても。

  「さみしいです」と素直にか細く、百点の解答。
  ざわついてうるさい自分の身体が
  まるで制御が効かなくて、自分じゃなくなったみたい。 ]

 

 


 [  それさえ
せなのだから、
    貴方も私の
プラスだ。


      仕合わせて、──しあわせになって  ]


 

 

[ つまみ食いの位置は、それはそうなのだけれど!
  意識してしまうから痕を付けさせなかったのに、
  これでは計画が失敗だ。
  笑って白うさぎの文句を流す狼に、もう、と息を吐く。 ]


  ────……悪戯ばかりだと、お預けしますからねっ


[ なんて、例え実行したところできっと
  お腹が空いて我慢出来なくなるのは此方の方な気もする。

  手綱を握っているつもりが、
  ふとした瞬間にはしれっと取り返されてしまっているので。
  ──これが惚れた弱みというやつですか、先生?
  また今度、ゆっくり教えてくださいね。
  特別授業はもう勘弁、普通の授業でお願いしたい所存。 ]

 

 ― 宿 ―



[ その気遣いは大変とっても有難く存じます!
  恋人と過ごす自分、というのを多少見せることは承知だけど
  恋愛方向の察し合いで気まずくなるのは避けたいところ。
 
親戚のお兄さんみたいな位置にいる常連様と
兄のように思っている同僚がいちゃついている場面は、
たぶん、全人類気まずくなると思いませんか?



  ────なんて閑話休題は置いておくとして。
  好奇心旺盛な白うさぎは、部屋の造りをじぃーっと見つめ
  「ふーんなるほどね」みたいな顔をした。
  今度はちゃんと理解していますとも。

  荷物を邪魔にならないところへ置き、
  休むよりとにかく早くその匂いを落とさせようと
  先に脱衣所と内風呂へ向かわせようとした が。 ]


  えっ、


[ 狼さんは少しも待ってはくれないらしい。 ]

 

 

[ 首の後ろでチェーンを外され、前髪にキスが落ちる。
  銀色がしゃらりと音を立ててドレッサーへ置かれる音。
  まさかここで脱がされるとは露程も想定していなかったから
  零れた声音には、焦りが滲んだ。 ]


  ま、まって、せめて脱衣所…で……ッ


[ 言っている間に不埒な手がスカートへ伸び、
  オフショルダーのトップスを抜こうと動いている。

  ここで脱がされたら、明るい場所で下着も肌も
  全部見られてしまうのに。
  ──ああ、でも、"好きに喰べて"と 言ったのは、自分 ]

 

 


   〜〜〜〜〜……ッッ
   …………こ、ぅ ……です、か……。


[ 恐る恐る、緩やかに両腕を上げた。
  ぴんと腕を伸ばすのではなく、痕が見えるぎりぎりの位置で
  上げるのをストップして。

  とはいえそれも、服を脱がされるならば
  無駄な弱々しいうさぎの抵抗にしかならないだろう。
  オフショルダーは簡単に脱がせてしまえるし、
  コルセットスカートも、留め具を外せばするりと落ちる。


  顔を真っ赤にして、羞恥でふるりと震える白うさぎの
  今日の"食べられるための下準備"は
  ストラップが無い代わり、胸元でリボンを結ぶことで
  膨らみを固定する造りの、薄桃のレースブラ。
  ショーツも合わせれば まるでいちごのような。* ]

 

[驚きの声が上がる。
それもそうだろう。
まだここは部屋の中で、入って5分も経たない内に脱がせようというのだから。

席に着く前に箸を持つようなものだ。]


 今日は行儀悪くても許してくれるでしょう?


[聞く耳を持たない。
悪戯ばかりだとお預け?

もう十分待った。
ここは「ご褒美」と行きたいところ。

呪文のように伝えた「これからのこと」が効いているなら
真白も相当腹が減った頃だろう。]

 




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