205 【身内】いちごの国の三月うさぎ
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| いちごピザ、うちでも出したら喜ばれるかも。 作り方、覚えて帰りたいな。
[その時は、いちごを好きになってくれた彼に。 一番に出すことにしようか。**] (9) 2023/03/26(Sun) 0:36:26 |
[ 一度受け取られたペットボトルは
風が開かれないまま転がされる。
問いかけには頷きを得たが、
よもや起きれない程辛いのではあるまいな
と覗き込むように見て、 ]
ふふ、……ん、
[ 甘えているだけだと分かれば、
またペットボトルを傾けて、そのまま
唇を合わせ、流し込むように少しずつ
唇を開いた。こくり、嚥下する音を聞いても、
啄むように、数度。 ]
転んだら困るからね
[ 一緒にと誘われれば、笑いながら
そう言って。蕩けた顔にまたキスを。
顔を見る度、したくなりそうで、困ったものだが。
一度立ち上がり風呂場までの扉を全て
開いて、給湯のスイッチを入れようとしたところで
いつでも入れるようにしていたことを思い出した。 ]
[ ――そういえばシャワー浴びる間もなく、
なだれこんでしまった、……若さってこわい、
なんて他人事のように思いながら、 ]
しんどいなら抱っこする?
[ ベッドまで戻り腰を撫でつつ ]
――そういえば前にもそんな話したね
[ 浴室まで向かって――。
二人一緒に浸かれる浴槽にゆっくりと沈み。
させて?と髪を洗う事や、体を洗う事も
引き受けて、先に浴室を後にした。
汚れたシーツの取替と、ドライヤーで
髪を乾かすのに時間を食うために。
そうしてゆっくりしていれば、夜も更けて。
寝巻きを貸すこともできたけれど、
肌の触れ合う幸福に抗えず、下着だけ纏い
その日は眠りについたのだったか。 ]
[ ――翌昼、君より早く目が覚めて、
ベッドを抜け出そうとすると、むずがるような声。
音を立てずに小さく笑う俺は、
その夜、自分の腹、火傷痕の残る部分に
口付けられたことは、知らない。
だから、掛け布団をめくり、
君の腰のあたりに、吸い付いた。
今度するときには、してね、と言いたげに。
散らした赤を隠すように掛け布団をかけ、
顔を洗い、歯を磨いたあと、 ]
おはよう、よく眠れた?
[ そう声を掛けたのと、コーヒーマシンが
抽出完了の合図をしたのは、同時くらい。 ]
コーヒー飲む?*
―― 忙しい日々の中で ――
[ 時間が取れれば会いに行き、
運が良ければ、二人で帰り道を歩む日も。 ]
泊まってく?
[ そう聞く日もあれば、自然と、
初めての日、よりはスムーズに
ベッドへ誘う事も出来た、だろうか。
ベッドの上では素直に甘えてくれない君の代わりに ]
したい、
[ 直接そう伝えて後ろから抱き込んだ日もある。
あの日だけが特別なわけじゃなく、
いつだって、溺れる感覚はあった。
むしろ体を重ねれば重ねるほど深く。 ]
[ ――だというのに、俺と来たら。
手放してやれなくなる だとか。
普通の幸せを奪ってしまった だとか。
抱けば抱くほど、深みに嵌まるほど、
身勝手な罪悪感を募らせていた。
愛される覚悟というものを
根本的に理解した日もあった。
嫉妬に駆られた夜なんかは、
痛みを感じるほどに抱きしめて、
苛めてしまったというのに。 ]
――……まだ、だよ。
甘やかしてくれるんでしょう?
ね、ここ好きでしょ?
好きだよもっとして、って言ってくれたら
ずっとずっとしてあげるのに。
俺の指、好きだもんね?
こうしてされると、泣いちゃうくらい
やだ、って言っても今日は聞かない。
[ 嫉妬に駆られた日には、
どろどろに煮詰まった愛を囁きながら。 ]
おいていかないよ、
[ 泣きそうな顔で、そう言ったのは、
君があまりにも愛おしげに、生きた証に
口付けたから。
そうして順当に、死んでしまったら
君を一人にしてしまうこと。
大事な人に紹介したいくらい、
君に愛されていること。
一つずつ、覚えて、確かめて――。
明日が旅行当日という日にも。 ]
すっかり綺麗になっちゃって、
……こう綺麗だと、……はい しません
[ 貸し切りや部屋付きの風呂のことはまだ
知らないから。旅行に向けて消えていった
痕を指でなぞり、つまらなそうに唇を尖らせて。
――そうして、旅行当日を迎える頃には、
愛する覚悟、愛される覚悟、
この先ずっと、ふたりで居る未来を、
確定的に捉えられるように、なっていただろう。* ]
| [ ――小悪魔がいる。 この車内には今、天使と小悪魔と 生贄が二体、乗っています。 そちらカップルの事情は知らないが きっとそう、多分そう。 重ねた手の上、合図が送られて ポーカーフェイスを保ったけれど、 横顔見て、笑った >>5の、知っているからね。 ] (10) 2023/03/26(Sun) 1:39:44 |
| [ うきうきと苺を探す姿を、 休日のお父さんよろしく、のんびりと 追いかけて、好きなものなのに 先にくれるというから遠慮なく。 ]
酸味の強いのも結構好きなんだよね これってどうだろう?
……そっか、食べたいだけ 食べて良いんだから、食べて 確かめれば良いね。 (11) 2023/03/26(Sun) 1:40:08 |
| [ 旨い >>7と零した彼が嬉しそうに一つ、 また一つと、口に運んだり籠に摘んでいく。 はしゃいでるなぁ、という感想を抱くが こちらもこちらで、 これ気に入った、絶対名前覚えて 帰りたい。とか。 パンフレット片手に、通販やってるんだ 今度お世話になろうとか。概ねはしゃいで いたんだけどね。 ] (12) 2023/03/26(Sun) 1:40:20 |
| [ さすが目利きはプロといった所。 籠に摘まれた苺は二人共山のように なっていたけれど、自分のものより 彼の籠のほうが、赤く、大きく、艶々と した粒揃いで。
職場への土産に生物は持っていけない というより、全員に回るには足りなすぎる ので、立ち寄ったお土産売り場で、 配りやすいものを探し購入した。
買い取った苺はしばらくの間 自宅でのデザートになってもらうとして。
苺のピザは流石に興味津々だったようで 作り方を覚えて帰りたいと言えば、 それはいいね、と同意して。 ] (13) 2023/03/26(Sun) 1:40:35 |
| 飽きるかなって思ったけど 全然そんなことなかったな。 まだ食べれる気すらする。
[ ――とは言うものの、生のいちごに いちごピザに、結構な量を収めていたし 温泉宿に向かえば夕食もあるだろうから ほどほど、に落ち着いたと思うよ。** ] (14) 2023/03/26(Sun) 1:40:48 |
[水を飲みたいという甘えを正確に読み取った恋人が、
愉しげに笑う様につられて目を細める。
今度は口に含むだけだから、喉は動かない。
倒れ込んでいる自身に覆い被さるように、
傾いてくる身体に細めた目を軽く伏せて、]
…… ン、ぅ……
[薄く唇を開いて水を招き入れて、こくんと喉を鳴らす。
乾いた喉が水分で潤っていく。
飲み干した後も、触れ合わせたままの唇を
堪能するように味わって、離れていく間際。
つぅ、と舌先で彼の唇を舐めたのは、物足りなさからか。]
[転ぶような覚束ない足元にはなりたくないけれど。
初めて受け入れた、腰はまだ少し異物感が残っていたか。
転んだら、と言い訳するのが少し歯がゆくて。]
そんな理由がないと、入れないんですか?
[なんて、視線を流して揶揄を含ませる。
どうにも理由をつけたがる彼のこと。
キスを降らせる割には、理性が戻ってきたのか。
それとも、別の理由があるのか。
水面下でまだ元気になりそうな気配があると知ったなら、
さすがにこちらも赤面してしまっただろうけれど。
それは預かり知らぬところ。
浴室に向かうのを見送りながら、ようやく。
転がしたペットボトルの封を開けて、
喉を鳴らして、半分ぐらいまで一気に飲み干した。]
[二度目の抱っこには、さすがに賢者タイムの照れが勝って、
丁重にお断りして、手の支えだけを借りた。
男が二人入ればさすがに少し狭いけれど、
足を軽く折り曲げれば、彼の股の間に落ち着くことはできる。
べたついた身体をシャワーで洗い流して、
少し呆けたように湯船に浸かり。
率先して洗いたがる申し出には、身を委ね。
専属の洗髪屋よろしく髪を洗われた。
身体を洗うときばかりは、さすがに擽ったくて、
身を捩ったり、掠めた手にまた熱が上がりそうになったけど。
悪戯する手は軽く制して、一人残されたなら。
足を伸ばしてゆっくりと広い風呂を堪能させてもらう。]
[一人、気配がなくなって、静かになった浴室。
ぽたり、ぽたりとスポンジから落ちる雫の音を聞きながら。
ちゃぷ、と湯を揺らして、膝を折り曲げ。
膝を立てたら、そこに腕を乗せて沈む。
彼と初めて交じりあった身体。
一人でいくらしても慣れなかった快楽。
彼の手で簡単に拾えてしまったことを、
思い返して、ほぅ、と甘い息が溢れる。]
……癖に、なるかも。
[湯船に身体を沈めながら、ほつり、呟く。
彼には零せない秘密の感想は。
浴室のボディスポンジだけが、知っている。]
[着替えはもってきたものの、寝間着はその日の
服のまま眠ればいいかというぐらいに思っていたから、
風呂上がり、寝間着がないことに気づいたのは後の祭り。
そのままでいいと言われた、布団に滑り込めば、
肌が直接触れ合って温かさを分け合えるから。
それも、いいかと温かくなってきた気候も借りて。
寄り添うように肌を合わせて、眠りに就いて。
まだ朝日も差さない頃。
一人、目が覚めたなら。
規則正しく呼吸する彼を確かめて。
腰元の傷跡に、
慈しむように、口づけを落とした。
]
[翌朝、一番に耳にするのは。
いつもの目覚まし音ではなく、彼の声。]
……ん、
[薄っすらと開けていく視界は、いつもの自分の部屋じゃない。
コーヒーの香りを漂わせる室内に、
愛しい彼の姿が、ぼんやりと視力の悪い目に映り込む。]
……はよ、……ンッ、
……おはよ、 ございます……。
[掠れた声を飲んで、挨拶を言い直して。
気だるさの残る身体を起こせば、
彼が夜更けに変えてくれたシーツが肩から滑り落ちてく。]
[ 名も無い夜が更けて、二人で迎えた朝は、
それはそれは、とても幸福な――一日。**]
―― 流れ行く季節 ――
[付き合う、少し前、からだけど。
来店する頻度が以前よりも増えた気がするのは、
気の所為じゃない、気がしている。
例えば、隙間時間をを縫うみたいに突然。
例えば、会いたい、と一言メッセージが送られた後。
例えば、片付け当番がなく早上がりの日。
俺と過ごす時間を確保するみたいに。
店で待って居られたりすると、ほんのり擽ったい。
そういう頻度増えてきているから、
泊まっていく?という、甘い誘いも断れずに、
頷いて、彼の部屋に行く時間も増えて。
ベッドの上で二人沈むことも、増えていく。]
……明日、早いっ、から……
[そう嗜めた日も、結局。
抱き込まれる腕に抗えずに、肌を這う手に身悶えて。
押し殺そうとする声を、引き出され。
彼の下で、啼いてしまった日も、あった。]
[手放せなくなっていくのは此方も同じ。
それを直接伝えることはなかったかもしれないけれど、
啼いて、縋って、抱き込む腕で伝わっていると、
思っていたのに。心というものは難しい。
彼の言う普通の幸せが、男女での恋や結婚を見据えて、
将来のことを言っているのであれば。
今この手に掴んでいる幸せを失うことのほうが、
怖い、と苦笑を浮かべる夜もあっただろう。
あれだけファンにも愛されているというのに、
時に自分に自信が持てないあなたを、
抱き寄せて、慰めたりする中で、
憂いたり、嫉妬したり、後悔する顔を見れるのは、
俺だけかもしれないという悦に浸っているというのは、
彼にはまだ知られていないと、いい。
俺にもそういった仄暗い独占欲だって、あるんですよ。
]
[ただ、そんな表情を見せた日の彼は、
泣きそうな顔をしながらも、意地悪なことを言う。]
……ぁっ、……ぅ、んッ……、
だ、
め
、 ……それ以上、ッ…あッ
ンぅッ、……は、……ぅッ……、
[甘やかしてといいながら、ぐずぐずに俺の身体を溶かして、
恍惚とした表情を浮かべて、中の弱い部分を。
台本を持つ長い指が、ぐちゃぐちゃと犯す。
好きかと問われれば、そう、なんだけど。
こんな場面じゃなければいくらでも頷けるものを、
後ろで銜えさせられて、指の形を覚え込まされながら。
言うのは、話が違う。]
……は、……ぁ、ッ……、も、ぅッ、
や
[さんざん弄られて、きゅうと甘く指を締め付けて。
そこで感じる、と、知った日から少しずつ。
身体を開かれていくみたいに、性感帯を増やされて。]
[こり、と膨らみを押されて、とん、とんと。
同じ場所を何度も刺激するみたいに、叩く。
ぶわりと一気に上る熱。]
ぁ、ッ……、やッ、 さわらな、で ……ッ
そ、こッ、
……されたらッ……ぁ、ぁッ
[羞恥と快楽を煽られて、ぼろぼろと涙を零しながら。
首を振って、抗うのに。やめない、と宣告されて。
弄られてもいない前が、後孔を探るだけでそそり勃つ。
チカ、とまた襲い来る明滅。
あ、だめ。
と、思うのに。]
……、っふ、ぅッ……
[びく、びく、と痙攣するように腰が跳ねる。
前を弄られないまま、彼の指だけを飲み込んで、
後ろだけで達してしまう程に、感じて。]
[散々啼いて、泣いた、後の微睡みの中。
囁かれた言葉に、
うん、と小さく応えたのは夢現。
分かってる。そんなこと。
生きることを願ったあなただから。
簡単に生を手放しはしないこと。
興味が好意に代わり、好意が愛情になっていく。
好きをもらう代わりに、愛で応えて。
抱き合って、確かめ合って、変えられていく。]
[しばらく痕はつけないで欲しいと願った旅行前日。
正面から抱き竦められて、彼の膝の上。
痕がすっかり薄れた鎖骨に彼の唇が触れる。
ン、と小さく息を詰めながら、髪を引いて。]
だめ、ですよ。
温泉に入れなくなるでしょう?
[ジト目で肌を眺める恋人を窘めつつも、
指でなぞられるだけで、期待に身が震えるくらい。
開発されてしまった身体を必死で抑え込みながら。
ふに、と尖らせた唇を指で押し返す。
そんな拗ねる姿も愛しいと思うくらいに育った感情。
旅行を心待ちにしていたのは、彼だけじゃない。
一緒に、「初めて」を経験する楽しさを、
タンデムしたあの日から、教えられてしまったから。]
[ 思えば、それが――初めての恋だった。
人を好きになってコントロールが聞かなくなる
心の有り様も。欲の有様も。
狭量な男だと思われたくないと思ったのもはじめて
それを口にすることも。
それもそうだ、会いたいも、抱かれたいも
そういう空気を察して、叶えてやらねばと
考えた結果こちらから申し出ていた過去の恋愛と
今は天と地ほどに、違う。 ]
本当にだめ?
それなら本気で拒絶して。諦めるから。
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