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【人】 環 由人[ と、甘さの滲んだ朝の挨拶を。 今日は札幌のほうに行く。 オルゴール美術館に行って、海鮮を堪能して、 それからもう少し北海道の下の方。 登別にある温泉へと向かうのだ。 …昨晩は入れなかった、温泉。 時計はきっとまだ、朝食にも 早い時間を指しているはずだから。] …昨日シャワーで済ませたし、 ざっと温泉に浸かってから、 朝飯食いに行かない?せっかくだし。 [ そんな誘いをかけて、笑った。]* (56) 2020/09/22(Tue) 0:13:45 |
【人】 希壱[表紙に描かれた少年を見たことがある。 ……というより、 見た事ない人の方が少ないんじゃないだろうか。 見たことはあっても、読んだことは無い。 強請って買ってもらう、なんて事が出来なかったから。 ストーリー その物語だって未知数だ。 彼がいったいどんな話を繰り広げていくかが全くわからない。 …なんとなく、海賊がどうの、って話を聞いたことはあったけど。 だから、とりあえずと、一冊だけ手に取った。] (59) 2020/09/22(Tue) 13:30:12 |
【人】 希壱泥棒なんてしないよ。 そんなことしたら、なずなに顔向けできねぇしな。 [欠伸をする店員に向かって苦笑する。 たとえ、もう死んでたとしても。 俺はいつまでもあの子の兄なんだから。 悪いことはしちゃダメだぞって 普段から言って聞かせてたんだ。 死んだらセーフ、なんて甘い事言えないさ。 …というか、死後の世界にも泥棒なんて概念があるんだな なんて、ほんの少し関心してしまった。 もしかすると、 過去に誰かが盗みを働いたのかもしれないな。 …それが誰かは皆目見当がつかないけれど。 ] (60) 2020/09/22(Tue) 13:30:44 |
【人】 希壱教えてくれてありがとう。 ソファ、借りるな。 [ひと言断りを入れてから、本を片手にソファに座る。 辺りはとても静かで、 誰かが捲ったページの音が聞こえてくるくらいだろう。 目を閉じて、深呼吸をして。 その音に耳をすませた。] (61) 2020/09/22(Tue) 13:31:03 |
【人】 希壱[久しぶりの一人の時間。 久しぶりの読書の時間。 ほんの少しのわくわくと、ほんの少しの罪悪感。 …けれど、気持ちは驚くほどに穏やかだ。] (63) 2020/09/22(Tue) 13:31:57 |
【人】 橋本 雅治[情交の後しばらくは、火照りの余韻の中 二人で抱き合って過ごしたろうか。 そのまま泥のように抱き合って 眠ってしまいたかったけど 一日の汚れは洗い流そうと 二人でシャワーを浴びることになった。 汗も、涙も、お互いの体液も 石鹸の泡と一緒に洗い流して 明日を生きるために、清い身体を作っていく。 特産のラベンダーを使った 石鹸の香に包まれると、 目まぐるしがった一日のことが 何だか落ち着いた心持ちで思い返されて。] (69) 2020/09/22(Tue) 14:07:00 |
【人】 橋本 雅治[ハーブの香りと、由人の体温に包まれながら ベッドで温もりを分かちあって───── 気が付けばぐっすり、眠りの底。 カーテン越しに差し込む光から逃げるように むずかるような声を上げて うっすら目を開くと……] ………………う、 [由人のじっと注がれた視線と交わって 目をぱちくり。 何時からそうしてたのか、 気恥ずかしくて聞けやしないけど。] (70) 2020/09/22(Tue) 14:07:25 |
【人】 橋本 雅治温泉!やっと入れるな! [なんて、今日の予定を頭の中で組みたてながら うん……と上へ伸びをして。 室内温泉に足を踏み入れると ふわ……と湿気を含んだ暖かい空気が 優しく裸の体を包み込んでくれる。 檜で作った湯船の中には とろりと白く濁った湯が揺蕩っていて 指先を浸すと、なかなか熱い。] 外は寒いのかな。 露天だったら外に 出られなくなっちゃうとこだった。 [そんなことを言いながら湯に浸かって 二人で今日と明日の話でもしたろうか。 海鮮ならいくらや蟹が食べたい、とか 時間があったらヒグマ牧場に行ってみたい、とか。 ─────そんな中、ぽつり、と一言。] (71) 2020/09/22(Tue) 14:08:27 |
【人】 橋本 雅治……こうしてずっと一緒にいると 帰った時、寂しくなっちゃうかな。 由人が昼に生きて、俺は夜。 夕食と明け方だけの逢瀬、って感じの。 [白く濁った湯を掬って、ぱしゃり、顔を拭う。 俺の視線の先は濁り湯の中。 先の見通せない湯を見つめながら] …………店、任せられる子が育ったら 俺も昼に生きられる、かな? [今更、迎え入れて貰える気もしないし どんな仕事があるかも分からないけど、 もう少し長く一緒にいられるなら……なんて。] (72) 2020/09/22(Tue) 14:09:04 |
【人】 橋本 雅治[そんな独り言に、どんな答えがあったやら。 温泉から上がって服に袖を通して…… 俺達は今日という日を歩いていく。 知らない場所も、知ってる場所も 君と一緒なら、きっともう何も怖くない。]* (73) 2020/09/22(Tue) 14:22:08 |
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