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人狼物語 三日月国


54 【半再演RP】異世界温泉物語【R18】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


 ほら……まず、こっちを上にして合わせる。
 逆だと死体だからな?
 そして、ここを持って……。


[最初は自分がやり方を見せて、それから彼に自分がもっていた場所を持たせる。
しかし、はだけた胸とか、布一枚下が裸だとか、意識するととてもやりにくくて]


 膝枕?
 別にいいけれど………。


[彼の願いはとても些細なものだった。なんでだろう。
ドラマか映画の影響だろうか。
もっときわどいおねだりかと思ったからホッとすると同時に、残念な気持ちがしてしまう自分を殴りたくなったけれど。

襟元を直す前に彼の視線が自分の裸の胸を巡ったような気がした。
どうしたのだろうと思えば、彼は意味不明なことを述べてから離れていく。

そして、救急セットから絆創膏を持って戻ってきた。
怪我でもしたのだろうか。
彼の躰をじろじろと見やるが、怪我をした痕跡が見えず、彼を見上げたが]


 ―――!???
 んぅっ


[何かと思えば、絆創膏が貼られたのは意外にも自分で。
過敏な箇所を擦られて思わず声を上げてしまって、また顔が赤くなってしまった]


 おいっ!!!
 ニプレスなんて必要ないだろ!!


[確かにちょうど乳首の辺りは白地の部分だから透けるかもしれない場所だが、大体男の乳首が透けていたとしても、誰も気にしないだろうし、そもそもこんなに人がうようよいるところで、浴衣の下が裸状態で外を歩いたりするつもりはない。
思わず襟を正して、胸元を隠す。
まるで、胸を隠す女の子のようなポーズになってしまった*]

[彼に教えてもらうのもいいな。と思った。
なるほどと頷きつつも、彼に浴衣を着つけていこう。
その際、彼に願い事について聞かれたら少し恥ずかしがりつつも、膝枕をしてほしいと答えた。その願いはどうやら叶うらしい。…彼は気づいているんだろうか。布一枚下が裸で膝枕をするという事に。気づいていないのなら、これ幸いと考え、ありがとうと彼の許しに後で頼むと告げただろう。

――彼がきわどいおねだりを望んでいたと知れば
どんなおねだりを想像したのか。と言葉と手で責めたが。彼の反応に違和感を覚えたものの、生憎今回はその機会は訪れず、代わりに彼へ浴衣を着つけていくうちにある事に気づき。

彼の元を一回離れることにした]

[そして取り出したのは絆創膏。
彼が心配してくれたのは嬉しいが、残念ながらこれが必要なのは彼の方だ。貼りつければ、感度の良い声が上がる。赤くそまった顔が擦れた事で感じたと知らせ、やはり必要だったかと確信させる。

だが、彼は違ったようで]


 …何を言っているんだ。
 こんなに感じやすいくせに、必要だろ?


[胸を隠すポーズは女性的だ。
男の乳首が透けた処で誰も気にしないなんて冗談だと思う。現に自分がそれをみたら気にすると確信する。最も彼のものだからという前提がつくが、胸を隠す彼に近づけば、じりじりと距離詰めて片手を伸ばせば、腕を掴み。じっと彼を見つめた。

本当に必要ないのか、と問う視線は
彼の身体を眺め見て]

[片手が彼の腰に回る。
肌に直接纏う浴衣は、身体のラインを分かりやすくしてくれている。彼はこの恰好で外を歩く気がないようだが、確かに見せられない。彼の肉体が抱かれ上手に出来ていることは、見ればわかる。浴衣越しに臀部をなぞり、尻の割れ目を指でたどり、線を引き]


 俺に襲われたくて
 片方の乳首だけ育っているのが分かる
 そんな恰好で居たいのなら
  止めないが


[こんなに感じやすくて
普段はどうしているんだ。と彼の身体を見つめ。
片手が腕を撫でる。彼が隠している場所を強引に暴くのもいいが、ねっとりとした視線で其処を探ることで彼の意識を引き出そうとすれば、そのままもう一方の手がぱらぱらと動き、なぞる割れ目の奥。秘所を探るのは、彼の身体を自分はよく知っているというアピールで]

 …さっき、何を期待した?
 俺が何をお願いすると思った?


[先ほどの些細なやり取りを自分は見逃さない。
素直になれない素直な彼の身体は正直だ。啼かせる程に光、妖艶さを増す。愛すれば愛する程に、愛され上手に抱かれ上手になっていく。彼は自分で思うよりもずっとオネダリが上手い。

もうすっかり雌の乳首をしている癖に。と隠す手を外すように
――手の力をゆっくりと強めていく。]


 ほら、見せて


[何をされたい。
どういう身体をしているのか。
隠した其処は、きちんと収まっているのか。
視線は雪を溶かす程の情欲を孕み。唇は口角を吊り上げた。*]

[抱きしめられたら転がれないなぁ。
転がり出したい衝動を、君の背に手を回すことで堪える。
顔を埋めてぎゅうぎゅう。ふふ、あったかいなぁ]


きみすぐついてきてしまうものなぁ。
ああ、いや、責めているわけではない。
一緒にいられて嬉しい。が……

形式だけとはいえきみが処刑されているのは……
でも以前の犠牲者よりは響きがましか…悩ましいな。

[ぎゅっぎゅしたままおふとん潜ろ。
エピでもよろしくだなんて言わずにその先も末永く。
この手を離すつもりはないので諦めて欲しい。ぎゅ。]


 こんな躰にしたのはお前だろ……っ
 それに、俺を襲うのお前だけだし……っ


[それに誰に見せるわけでもない。
外に出なくてはいけなかったとしたら丹前を上に着るし。
そう言おうとする前に、彼が腰に手を回してきていて。そのまま当たり前のように臀部に触れてくる]


 お、おいっ


[薄い布地一枚の下、彼の手の熱が容易に伝わってくる。
しかし、布地がぴんと張っているため、尻の割れ目に彼の指が届くこともなく、その奥の箇所がもどかしい思いをもするのだけれど。

勝手なことを言う彼の口。
襲われたくて片方の乳首だけが育ったわけではなくて、そちらの方が感じやすいということに気づいた彼がそちらばかり触れるものだから、ますます感じやすくなっただけだというのに。
腕の拘束を自ら解けとでもいうように、彼の視線がその奥に隠された箇所を暴くように見据えてくるのに、ぞくりと快楽由来の戦慄が背筋を襲う]


 なんの話だよ………。


[彼から目をそらす。
彼の願い……膝枕が思ったよりたやすい願いでほっとしたのは事実だ。
しかし、自分が何を想像していたか、なんて彼に言うようなことは羞恥心的にできなくて。

思いだすのは前に浴衣を着た時のこと。
蛍の淡い光の中、激しく彼に抱かれた夜を思いだした瞬間、自分の顔は淫蕩な表情をこぼしていなかっただろうか。
彼の手が徐々に力を増していく。
それと反比例して自分の躰の力は抜けていって。

彼の手によって隠蔽された自分の乳首は、まだ着付け途中の浴衣の胸から大きくはだけて、見え隠れしている。
中途半端に貼られた絆創膏は少し浮いていて。彼の視線を受けてそこがチリチリと燃えだしてしまいそうだ*]



 だから、俺に襲われたいのかって聞いているんだが。
 ……どうした?


[ただ触れているだけだと彼の抗議には答えよう。
臀部を這う指は、もどかしさを彼に伝えているようだ。感じやすい躰は、此方の愛撫ですぐに火照る。その感度のよさが愛おしいと同時に少し心配でもあるのは内緒の話だ。誰か、他の男が彼の魅力に気づき、その感度よい躰を蹂躙しようとするかもしれない。そんな事はないと彼は言うだろう。けれどそんな彼は自分の魅力に気づいていない。

どれ程、美しくいやらしいかを。
今もそうだ。此方の視線に陰る瞳は艶めいて
逸らした目が、妙な色気を放っている]



 別に? …
 もっといやらしい事をお願いされたいのかなってさ
 …例えば、あのときみたいに、エッチになりたいとか。


 ――俺にオネダリしてって


[お願いされたいのか。と尋ね。
彼の腕を解いていく。彼が普段言えないことを。行動で示すように。欲に飛んだときの言動を思い出せば、力が抜けていく彼に覚えていないのかと声を落とした。夜とはいえ、誰かが通るかもわからない場所で見せた淫靡な姿。そして、此方を誘うための、いやらしい行為を自分は覚えている。彼が素直になれないのなら、素直になってとお願いすればいい。

――素直じゃない癖に素直な彼が好きだけど。
あえて、言葉攻めのような事をしつつ

秘された場所を暴き]



 ほら、絆創膏でも隠せないぐらい
 大きいじゃないか。


[着付け途中の浴衣から
はだけ見える肌の上に乗る花を指摘する。それは絆創膏をしていても分かるぐらいに浮き出ている。少し浮いている場所へと腕から離れた指は向かい。中途半端に貼られた為に、見える乳の輪をなぞり。

指腹でその輪郭を辿れば
口角はますます上がり]


 …愛されたいって


[ここが言っていると唇を耳元へ寄せ。
片方の手は相も変わらず臀部をなぞり、もう一方は焦らすようにはだけ見える胸の部分をなぞりながら、彼の様子を伺っては、息をかけ。羞恥心と淫靡な感情を擽るように耳穴へと舌を進めれば、いやらしい唾液音を彼の鼓膜に直接届けながら、一言を囁こう。]



 俺はお前を襲いたい。


[いや、違うか。]


    愛したくて堪らない。


[どちらも同じ意味だけど。
あえて一言に付け足したのは、感情の問題であり、彼の答えを聞く前に指は爪をたてて、なぞっていた乳輪を強く押し、赤い円を広げるような行動をとった*]


君の居ない世界に独りで取り残されるよりずっといいよ。
僕にとっては寧ろご褒美さ。以前の犠牲者もね。

僕自身がそう感じていても、
君は複雑な気持ちになってしまうかい……?
例え地の果てでも君に着いて行くよ。僕はしぶといんだ。

[……さて、僕は今この上なく転がり回りたい気分なんだが
しっかりホールドされていてそれは叶わないらしい。
乱れた呼吸をはくはく整えながら、
エネルギーを別のところに回そうか。]

これだけ先に言っておこう。すき。

[深刻に酸素が足りない。求む人工呼吸。
僕は面倒な上に執拗いぞ?
なんて念押しせずともそろそろ伝わっているよねきっと。
生憎とこの手を離す気はさらさらないから、君も諦めておくれ。末永くよろしくね。ぎゅぎゅ。]

[襲われたいとか臆面もなく言える人間が存在するのか!?と聞き返したいが、それは藪蛇でしかないだろうから、ぐっと言葉を飲み込む。
きっと彼はいえるだろう人だから。それを自分は知っているから。

それに、追い詰めるように囁かれては、彼が自分に屈服しろと言ってるようだともわかる。
しかし、あの時のおねだりと言われても首を傾げるだけしかない。可愛げもない誘い方だったとしか思えないのだけれど。
耳に伝わる水音と共に、彼の慾を抑えたような荒い息づかいが聞こえて、それでも興奮する。
彼の指が自分の過敏な箇所を軽くなでる。
敏感な箇所の周囲を丸くなぞるようにして。
片方の手は尻を撫で、片方の手は胸に躍り。そうして彼においつめられていく。
そのどこか背徳感と罪悪感が入り混じるような感覚に息を吐いた]



 お前は俺を甘やかしすぎだな………。


[恋人からパートナーへ。
俺たちはイーブンの関係になるのだから俺からだって誘えるようにならなければいけないのに。
お前はいつでも俺を待ってくれて、そして俺を欲しがってくれている。
こんな拙い俺を許してくれる。

彼の指が爪を立て、隠された箇所の際を押して。決断を迫るようにされるが、そうされる前に自分から彼を抱きしめた]


 ―――俺も、お前のように愛したいって言えればいいのにな。
 俺はお前に、愛されたくてたまらないんだ。



[こういう時、どういえばいいのだろう。
自分は彼に求められ抱かれたいのに、彼が自分を欲しがるように抱きたいわけではなくて。
だからいつも受け身になってしまう。
もし彼に求めてほしいと思っても、それが自分の慾とかちあわなかったらと思うと怖くて誘えない。

きっと世の女の子はこんな気持ちなのかもしれない。そう思えば自分は彼の雌なのだと思う。
しかしこの胎が彼の子を孕むことができれば、自分の雄に対して優位にでもなれるのだろうけれど、自分はただ彼の欲を受け止めるだけでそんなこともできなくて。

それが彼と生活を共にしたいと自分から言い出せなかった弱さだ。

彼がなぜか自分を想って、嫉妬したり他の男を牽制したりする様を、不思議な思いで見つめていたが、そのようなことはあり得ないとしか思えなくて。
彼のために変わった自分は、彼以外の男に認知されるはずもないのだから]

[彼に見せつけるように、胸元を開き、裾を大きく割って足を出す。
布が腕にかかるだけの状態のまま、彼に貼られた右乳首の絆創膏を自分の右の人差し指と中指の間で摘まむようにして見せつけて]


 ここ、隠してしまっていいのか?
 しゃぶりつくの好きなんだろ?


[まるで赤子のように吸うの好きだろう?と彼を煽って、そしてちらちらと布で見え隠れする熱を持ち始めた箇所を、彼の腰に押し付ける]


 こんなんじゃ、膝枕できないな。


[それともこっちを吸いたいのか?あの時のように、と艶やかに笑ってみせた*]

[自分こそ、彼に甘やかされている。
自分の自信に満ちた言動は彼に愛されているからこそだ。
愛想をいつかつかされるんじゃないか、と怯えながらも彼が沢山愛してくれているのだと分かるからこそ、自分は彼にいくつもの言葉を投げた。そして、それに彼は行動で返してくれる。彼自身は気づいていないが、あのときだってとてもかわいらしくそして何より魅力的だった。

慾を煽る手が、彼を追い詰める。
背徳と罪悪を残す息は、甘く聞こえて]

 …?
 それはこっちの台詞だと思うぞ。
 俺はずっとお前に愛され、甘やかされている。

 ……互いにそう思っているのならいいじゃないか。


[恋人からパートナーへ。
関係が変わっていくのであってもこの甘えは忘れずにいたいと思う。彼をリードする大人になりたいと行動しても根っこの部分はきっと甘えん坊だ。今だって彼が煽られてくれると信じて甘えて、自分は行動している。
指先が、彼の隠された箇所の際を押そうとするが

其れよりも先に、抱きしめられ
息を飲んだ]




 ……。


[ああ、やはり
俺は彼に甘やかされている。
彼は最終的に答えを、愛しい言葉をくれるのだから。この甘露な関係を辞められる訳がないのだ。ずぶずぶに溶けてしまいそうだ。手が彼の背に触れる。背のぬくもりは衣一枚分では隔てられないほどだった。手は震えてないだろうか、喜びで堪らなくなっているのが伝わっているかもしれない。彼が恐れるものは何もないのだと伝えたい]


 …言ってくれるじゃないか。
 俺はそんなお前が大好きだよ。
 少し恥ずかしがり屋で、臆病な処もあって
 素直じゃないのに素直で

 誰よりも恰好いくて

          ――可愛い。


[そう、彼は恰好いい。
凛とした佇まいも広い視野も周りをよく見て気が利く姿も彼を恰好よくしている。そんな彼が俺の前だけで雌になる。恋をして、愛されたいと願ってくれる。こんな幸せなことがあるだろうか。彼は自分を弱いと思っているようだが、そんな事はない。自分は彼の強さに。

揺るぎのない土台に助けられたのだから。

一生敵わない。
敵わなくていい。]


 俺の前にいるお前が何より好きだ。


[だから嫉妬深いのは許して欲しい。
彼は自分の前ではより一層魅力的になるのだから。他の誰かに俺に恋をしている美しい彼を見られたくないのだ。そうと気づけば、そのまま抱きしめる力を強めて、未着しようとするが、彼の行動の方が早く。

その扇情的な行動に息を飲んだ]



 ……ああ、好きだな。


[自らの胸粒を摘むように見せつける彼は
淫魔ではないかと感じる程に精力的だ。
時折みせる積極的な行動が堪らないと彼は気づいているのだろうか。ずっしりと下半身が重くなる。遮る下着のない下半身は、彼の痴情に形を育て浴衣を押し上げようとしていた。
彼の指の邪魔をしないように。

際を辿るように指を辿らせ。

煽る熱がいやらしも見え隠れするのを目撃するどこか
押し付けられれば抱きしめかけていた手で
臀部をがしっと掴み。

浴衣にいくつもの皺を作り]


 できるだろ。
 絶景がきっと見える。


[艶やかに微笑む彼の耳元から唇を離せば
その艶めく唇にちゅっと触れるだけのキスをして、ゆっくりとその手を引こう。あの時は外でのスリルがあった。けれど、今はそのスリルがない分、室内というアドバンテージがある。敷かれたままの布団にと彼を連れさり、煽ったのはお前だぞ。と笑う顏はあまりいい顔でなかっただろう。

目に宿った欲望はしかりと光り。
彼と共に布団へと倒れ込めば]



 けど、困ったな
 何処も吸いたくて仕方ない、何処も愛したい。
 だから、全部吸っていいか。


[彼の指が摘まんでいた胸粒を撫で。
浴衣の間から手を入れて、そうして横向きのまま彼に欲望の丈を伝えていく。此処も、此処も、此処も。と指は熱源とその奥をさして。いやらしくも焦れた花の周りをなぞれば]



 先に此処を吸いたいな。

  ――此処を、お前の雌口を吸わせてくれないか。


[ほら、と求めれば、
指を離し、そのまま布団の上に仰向けになり、此処に乗せてと自らの顔を示した。顔面に自分からあのとき、吸った箇所を自ら寄越して欲しいと訴えるのは彼にとっては最悪のおねだりかもしれない。彼が無理だというのなら、自分から身体を起こして、押し倒し、足を開かせ吸うのだが。

――此方の熱は綺麗に
浴衣を盛り上げて、じんわりと汚しそうだった。
何より室内を照らす明りは、あの時と異なり

くっきりと映しだす*]

[きみがどこまでもついてきてくれることも
きみがこの手を握り返してくれることも
諦めるも何も、わたしにとっては
ご褒美であり、救いでしかないんだけどね?
どうやら認識にずれがあるらしい?]

しっているとも。
だが何度聴いてもいいな。
何度でも言ってくれ。

きみももうとっくに知っていると思うが。
何度でも聞いてくれるだろうか?

愛しているよ、キネレト。


[物理的にちょっとおピンクにしてみました。
恋窓がないからね、仕方ないね。
おピンク色の声色がどんな音色だったかは
ご想像にお任せ致しますね。

きみにひつようだからでなくて
わたしがしたいので自分勝手なキスをする。
に、ちゅ。]

お義父さん(※ラ神)がきびしい。
あーる15の世界線に帰れと言われている気がする。

何百回でも何千回でも聴きたいな。

愛しているよ、アザレアくん。


[鼻の頭首筋にちゅっちゅっちゅーー
僕も二重に手が遅くてすまな

うとうと、ちょっと寝そう……ぎゅむむ]

[寝ぼけまなこで調子に乗って君の唇を深く塞いで19秒間
あーる15の世界線では見せられないよ!な濃厚なやつをだな……]

[パパに許された時間は19秒……
MAX100を思えば短いがそれなりに長さはあるのでは?

アザレアくん、おくちあけて……?あーん??
そろりと舌を君の舌へと這わせて雪崩れ込む唾液を混ぜていく。
ディープキスには免疫力を高める力があるとかないとからしいよ。
今年も一年健康で居ようね……
(僕ら仲良くしんでるけど)
]

[別の窓ではわたしこそがパパだった気がするので
わたし以外をきみがパパと呼ぶことへの違和感すごい]

お……、っと、珍しく積極的だな。
ふふ、さてはきみ、寝惚けていて
自分が何をしているか理解していないだろう?

[怖々と触れてくる舌先を掬い取るよう迎え
表面を擦り合わせて唾液の味を混ぜ合わせる。
柔らかく、優しく、……言ってしまえば生温く
微睡みの延長みたいな口付けの最後に
混じった唾液で軟らかく湿った唇同士を重ね合わせて
ちゅ、と随分と可愛らしいと音を立てて啄んだ。

これで満足かい?わたしの眠り姫。
無理に目覚めさせたりなんてしないから
眠いなら寝てしまいなさいね。ねんね、ねんね。]

[そうだよ君がパパだ……]

ふふ……失礼だなぁ、
自分が何をしているかくらい理解しているさ……
いつだってしたいけれど我慢していただけでね…………

[ねむい!もういっかい!!
満足できませんとばかり君の唇を唇で塞ぎ直し
舌を雪崩込ませて絡ませる。今度は86秒じっくり……うと…………]

[口で言うより行動で。
そうして彼に抱かれるように煽りたいと思った自分の意図は成功したようだった。
彼に寝所に連れ込まれる。
男の貌をして自分を見つめられ、自分の行動の成果だとばかりに悪い顔をして微笑まれても、後悔なんかするはずもなくて。
その欲望の光を引き出せたことすら誇ってしまいそうだ]


 全部……お前のだからぁっ


[彼の手が、指が、彼によって封じられた快感の箇所も、熟れ始めた快楽を訴える場所をも焦らすように触れ、指さしていく。
それを否定するどころか呼応するように、その手に擦り付ける自分はどうかしていると思う]

 ―――え……っ
 

[横たわった彼の意図を把握して、どうすれば、と、一瞬、目線を揺らす。
しかし、目が座った彼を見れば強引にでも押し倒されて、彼の希望は絶対に叶えさせられるということが分かってしまっていた。
もじもじとしながらも、彼をまたぎ、そして尻を突き出すようにして、彼の頭の上でちょうどそこが見えるように腰を下ろして。

恥ずかしい。

素面というか、彼に強引にされているわけでもなく、冷静さを損なうくらい乱れさせられているわけでもないのに、彼にこんなことをするのは初めてで。

顔を隠して恥じ入るのが似合う図体をしているわけでもないのに。

でも、彼にこんなことを仕掛けていること自体に興奮しているのも事実で。
熱を持ち、張り詰めていた屹立が固く勃ちあがり腹を打つ。
先端から溢れた露が屹立を伝い、蟻の門渡りを伝っていくのを感じて、慌てて浴衣の裾を持ってそこを拭くように塞ごうとしたその姿は、彼からすれば、下の口を隠す行為に見えただろうか。
彼の顔を汚したくなくて、慌てて手で前から拭こうとすればバランスを崩して、慌てて手を彼の下腹部の辺りに突いてしまう。


そして、目の前にあるものにぎょっとする]


 これ―――俺の、だよな。


[しげしげと浴衣を盛り上げているそれを裾を分けて取り上げて。
大きく勃ちあがるそれをうっとりと眺めて、先端部分にちゅっと口づける。
彼がそう望んでこの体勢に持ち込んだかどうかは知らない。
ただ、それを愛するのは自分の義務であり権利であり。
何より味わいたいと思って、口の中に迷わず招き入れる。
元々狼の力を発露している自分は本能部分が強くなると、動物的になってしまう。
舌で味わい匂いを嗅いで、五感を使って知りたくなる。
特にこのように明るいところで交わってるならなおさら。


恥ずかしいというのを吹っ切ってしまったら、後は本能で快楽を貪るだけだ。

ぴちゃぴちゃと音を立てて舐めて唾液で湿すと、くびれ部分を唇で締め付けて割れ目部分を舌先でこじ開けるように舐めて。
この一年で覚えた彼の弱点を責めていく。


彼に躰を開発された一年だったけれど、それは逆も同じだから。
彼の躰も自分に合わせて開かれた一年でもあるのだから*]

[愛し恋しい唇が紡ぐ事実。
殻が破れていくのが手に取るように分かる。
そうだ、彼は全部自分のものだ。そして逆もしかり。
彼によく言えたと微笑んで、指先は欲しい場所を求めるが、
自分は意地が悪い処がある。

――此方の行動に戸惑う声に喉が鳴った。
理解できていない訳ではないのは目線を揺らす姿からも察せられる。本当に嫌ならば自分から行動を起こすつもりでいたが、彼の本質が選ぶのは恥かしがりながらも、自ら動く事を選んだ。

やはり淫魔だ、俺専用の。]



 …良い子だな、鬼走。
 ん、興奮している?


[彼がもじもじとしながら、臀部を突き出した。
浴衣から見え隠れしていた白い肌が浴衣の濃い色によって目立ち、明り下で輝いてみえた。恥ずかしがっていると同時に彼が興奮しているのは明白で先ほどからちらちらとしていた逸物が垂らす蜜が顔にも近づき。

はくはくとする可愛い下の口が見えて
後少しというところで隠された]


…っ、


[まるで雲に隠れる月のようだ。
後少しのところで、隠れたものを求めて手が動く。それと同時に彼は場ダンスを崩し、此方の下腹部を手で突いた。軽く呻き声をあげれば、びっくりした。と怒ってはいない声音で告げるが、彼の目の前には彼によって育った熱が存在を主張していた。

くもぐった声は彼の言葉に対しての解]



 …ああ、お前のだよ。
 んっ、……お前の、だから好きにしていい。


[彼は自分のものであり
自分は彼のものだ。大きく勃ちあがったそれを見つめる視線だけでも先端かが固くなるのがわかる。それを感じながら自分は彼の浴衣を捲り、臀部を露わにしていく。隠れてしまったお月様を暴く如く。
その間にも彼の本能は欲望に忠実にとなり

逸物の先端へと唇の感触を感じ
先走りがぽこっと漏れた]


 …はぁ…く
 やらしい、キスだな。俺も


[お前の此処に。
そう告げて、彼の臀部の奥、下の口へキスをしよう。
綺麗な縁にキスをすれば其処ははくはくと応えてくれるか。まるで彼の口が酸素を求めるように動く姿に本当にいやらしいキスだなと思いつつ、快楽を貪りはじめた彼の愛撫に声を噛み。かわりに此方からもびちゃびちゃと卑猥な音を立て、淫花を愛ではじめた。]



 美味しいか?…ん
 こっちは美味しいぞ。

  ――お前の、雌穴はとても美味しい。


[お前の味がする。と囁き。
夢中で頬張り舐める彼に感想を求めた。重点的に弱点を煽られ、虐められて熱源は固さを増して彼の咥内で重さを増していく。彼を求めるよう躾けられた其処は圧迫感とともに腰を無意識のうちに上げて、もっと奥を味わいたがった。溢れる蜜は彼の咥内を汚すだろう。此方もまた、彼の先走りを吸い。唾液と混ぜて、縁にぬり、舌先を中へと侵入させた。ディープキスだなと笑い。

片手が彼の熱源の付け根へと触れる。
指で蟻の門渡りを抑え
そのまま玉袋を転がして]


 …… ふ


[もう一方の手で臀部を撫でれば
少し押して、彼の中に入ろう。愛されたがりの其処に唾液という滑油剤を仕込ませながら、縁を少し捲りその赤さに弾む息を乗せて、彼が絶頂を促すのなら、此方も彼の絶頂を促す為に指を潜らせよう。ただ彼に与える快感の中心はいやらしい雌穴で。

存在を主張する熱棒には一切触れず。
触れたとしても玉袋までで留め
唇と指は彼のいい処を、自分の雌となった処を愛で押す頃
此方の熱が限界を訴えて彼の頬肉に内側からすり寄るだろう。*]

 
[仏の顔も三度まで
 三度目の正直
 …などという言葉は知らぬが、

 今度は躾けたとおり
 イクと申告してから達せたことに
 満足気に目を細め、その痴態を鑑賞する。]


   
……っ、



[布地を突き抜け
 足裏に感じる脈動に合わせて
 嬉し汁が派手に飛び散ったのには
 少しばかり驚いたが、

 所有を主張するかのように性器を覆う
 胸糞の悪い黒い布は
 ベタベタに塗り潰して捨ててやるつもりだったから
 そこに降り注いだのは丁度良い。]
 

 
[まだ吐精が続きそうな気配に
 足裏を貸したままにしてやれば、
 余の名を呼びながら
 気持ち良さそうに擦り付け始めた。

 指の合間に
 靴下ごと亀頭をめり込ませて
 懸命に腰を振るのが、
可愛くて
堪らない。]



   ふ…、まったく、どうしようもない駄犬だな



[呆れたような口調だが、
 
甘さ
が滲むのは止められなかった。]
 

 
[吐精が終われば
 ぬとり…糸を引かせながら
 畳に足を下ろし、仁王立ちになる。

 じとじとした感触は
 決して心地よいとは言い難いが
 可愛い駄犬にされたマーキングだと思えば
 脱ぐ気にはならなかった。


 お前が余のものであるように
 余もまた、お前のものなのだ。



 あえて伝えるつもりは無い気持ちを
 青い香りとして纏ったまま
 手首の拘束を解き、命ずる。]
 

 
[忌々しい黒い布に向ける視線は冷ややかだが、
 素直に脱ぎ捨てたジャックへ
 掛ける声音には
 柔らかさと温度があった。]



   嗚呼、その方がいい。 ……唆られる、



[はだけて顕わになった肌に首輪が映え、
 達した直後の色気も相まって、
 言葉通り、酷く唆られた。

 はしたなく盛る様を目の当たりにして
 熱り立った猛獣が
 更に、たらり…と涎を垂らす。


 ────ジャックを貪りたくて堪らない。
 

 即刻、牙を剥いてしまいたいが
 久方ぶりだからこそ、獣欲をぐっと抑え込み、
 頬をぺちり…叩いて
 準備を急がせるに留め置いた。]
 

 
[奉仕の仕方も、余が覚え込ませた。

 忘れられていたらという危惧は、
 あの日々のような
 挨拶に続く、恭しい愛撫に消し飛んだ。
 刀身が嬉しいと、ひくひく跳ねる。

 先端を辿る指にも喜び
 掬われた傍からまた蜜が溢れ出るし、
 掛かる吐息はもどかしくて
 早く、早く、と欲が募る一方だ。

 感じている時のジャックの良さを
 知ってしまっている分、
 準備のためと分かっていても
 先にナカへ潜れる指が羨ましくて仕方ない。]
 

 
[そんな気持ちを知ってか知らずか
 焦れる雄刀を唾液濡れの口の中に咥え込まれ、
 舌で舐め回されて、



   く、…… はぁっ



[思わず声が漏れた。
 緩急をつけろと教えたが、今日は随分と激しい。
 余の好みを熟知した動きと吸い上げに
 一気に快感が迫り上がってくる。

 そんな折に潤んだ瞳で見上げられて、
 ぷつり、唐突に限界が来た。

 指を咥えこんでいる孔に
 涸れるまで注ぎ込んでやろうと思っていたが
 そんなことを考える余裕も無い。]
 

 
[後頭部に両手を回して、強く引き寄せ
 ガチガチに勃ち切った肉の刀を
 喉奥の壁に触れるまで押し込み、
 擦り付けながら激しく揺すった。

 脚の付け根の筋が浮き、下腹部が戦慄く。]



   
っ、 …ぁ、 ジャック!
 



[切羽詰まった必死な声で
 名前を呼ぶのと同時、───爆ぜた。

 自慰では味気なくて
 処理を怠って来たせいで
 やけに粘っこい、ゼリー状の精が
 執着の塊のようにジャックの喉と口を犯す。

 
しい相手を染め上げようとする
 脈動と快感は、長く長く尾を引いた。]*
 

むにゃ…………

[自分が何をしているか自体は理解してた。してたが。
寝て起きて改めて振り返ると
顔を覆いたくなることってあるよね。
君はないかい?ないか。そうか……
でもいいんだ幸せだったから。すきだよ。

ところで今日はやたらと冷え込むね。
こんな寒い日は一日中君の腕の中に居たいね。ごろごろ。]

 んぅんん………っ


[バカなことばかり言うな、と言いたいけれど、彼の剛直を頬張っている今は何もいえなくて。
自分の唾液と彼の先走りが合わさって口腔を満たすのを、こくん、と飲み下す。
自分が彼の匂いを体内に受け入れていれば、彼が自分の下の口から深く口づけをしてきて。
それだけでなく普段はカードやステッキを器用に扱う魔法使いは、片手を巧みに動かして指先で濡れぼそった箇所をくすぐってくる。
中に入ってきているのは、舌だろうか。指だろうか。
彼の味に集中したいのに、全然集中できない]


 あ……だめだ………っ


[ふるっと頭を震わせて、口から熱棒を取り出す。
このまま頬にこすりつけたら、彼が吐き出す熱を求めてしまうだろうから。
普通はあまり悦ばないらしいことを進んでやりたがる自分は変態なのだろうかと悩んだこともあるけれど、でも、彼がそれを嫌がらないのだからいいということにした。
かけられるのも、飲まされるのも嫌いじゃない。むしろ好きで。
彼のモノのように扱われるのに悦びを感じる被虐体質は、彼に抱かれることで気づかされた自分の本性。

彼のここから出るものは全部自分のものだから、と表す独占欲。
この先一緒に暮らすのなら、自分の知らないところでこっそり一人で処理なんてさせない。
そういう決意もこめて、太く血管が浮いてるような彼のそれの根元をぎゅっと抑え込む。
そして躰を半回転させた]


 こっちで………っ



[膝ががくがくしているけれど。震える手を突っ張って、彼が育てた雌孔で彼の太いものを飲み込んでいく。
彼の頭の両脇に自分の手をついていれば、彼を押したおして襲っているよう。
間近にある彼の唇に自分から口づける。

彼は覚えているだろうか。以前にどちらの口が好きかと戯れに聞いたことを。
上の口は上の口が、下の口は下の口が好きだと答えた彼がますます好きになったのだけれど。
唇をほぐすように舌先で彼の唇の合わせ部分を舐める。
彼の舌が出てきたら舌を絡めて、彼と繋がっている場所を深く味わうように腰を落として]


 今日は、こっちで甘やかしてほしいから……。


[唇を離してそう囁いて。
すりっと彼の頬に自分の頬を擦りつけた*]

[彼が紡ぐ声は可愛らしい。
けれど行動はやはり淫魔めいて何処かアンバランスな姿が此方の情欲を掻き立てた。だめだ、と静止をかけた言葉がなければ、自分は彼の頬肉に甘え、精を彼の咥内に吐き出していただろう。そして、そのまま彼の花の奥を愛し、達するようにしかけていたか。唇は少しばかり不満げに彼の花に触れる。抗議とばかり、雌穴を吸って縁を赤く染めた。

加虐趣味があるわけではないはずだ。
けれど、あまりにも彼が悦びを見せてくれるから
――虐めたくなる。酷くしたくなる。彼に躾られているのはきっと自分の方だ。彼が自分のものであると同時に、彼のものである事を知らしめる。見え隠れする独占欲を心地よく思うものの。

達せなかった事を不満げに雄は尖り]



 …ん?ああ……っ


[抑え込む手をぎちぎちと押すだろう。
太く浮かぶ血管が欲しがるのは彼の肉体だ。彼の身体が半回転するのを眺めていれば、まるで押し倒されているような体勢になった。これではどちらが襲われているか、分かったものじゃない。彼の下の口が雄を飲み込んでいくと同時に唇は塞がれ、熱い息が彼の咥内に染みるか。


交わりが深まる程に、口づけも深まっていく。
指先はそっと彼の臀部を撫で
結合部を確かめるように

たどり]


 …分かったよ、おいで、鬼走。



[唇を離して囁く彼に微笑み。
擦り付けられた頬を此方からも寄せて、先ほど舐められた唇で彼の頬を食せば、彼を抱きしめてゆっくりと上に乗った彼を布団の上にと入れ替えよう。此方が押し倒す形になれば、彼の雌穴に入ったままの逸物も彼の中で抉る場所を変える。くっと快感を押し殺す声を出せば、そのまま、片手で彼の太腿を持てば、少しずつ彼の中から雄を抜き。
縁の部分に亀頭を擦り付ければ、また

ゆっくりと中に挿れ]



 はっ…く
 ゆっくりな、ゆっくり甘やかすよ。
 お前の中をこうして


[彼の内側をくまなく雄が進む。
此方の肉棒の形に媚肉が変わっていくのを楽しむように。彼の中に雄を刻みつけていく。緩やかな動きを繰り返しては、時折彼の唇に触れるだけのキスをして、指も緩慢な快感を与えるように絆創膏が貼られたままの胸粒を擽るように擦る。被虐的な処のある彼に渡すのは、緩やかに甘やかす快感。彼の中にしかりと雄の存在を教えていく。]


 分かるか …俺の形。


[狭いが自分の形に馴染む筒道を
緩やかに進み戻るため、先ほど舐めていた形が
通るのを意識させるだろうか*]

[彼の行動は随分と丁寧だ。
まるで淑女を抱く紳士のように丁寧に扱われるのは気恥ずかしくて。
体勢を入れ替えた拍子に、自分の中を抉る彼の肉棒が中を動くのは当然で。
それが感じる箇所を掠めた瞬間、息をのんで四肢をこわばらせてしまった。

自分に覆いかぶさる彼の顔が男らしく、一瞬歪められて。
もしかして自分で彼が感じたのだろうか。
それなら嬉しい、とふわりと笑みをこぼす。

しかし、そのまま彼は剛直を少しずつ抜いていき、縁を遊ぶように先端でいじって、またゆっくりと納めていく]


 ん………っ
 焦らすなよ………っ



[まるで中を探るような動き。
もう自分の躰の中なんか知り尽くしてるくせに。
自分を唯一、貪っていい存在のくせに。優しすぎて残酷だ。
ゆっくりと甘やかされて、逆に辛くて。
もっとしっかりした存在が欲しくて。
同じ様に指も、絆創膏の上からだけしか刺激を与えられなくてもどかしい]


 お前の形しか知らない………っ



[覚えさせられた彼の形。
快感の中に苦痛も同時にあったはずの時間はとっくに過ぎ去り、今では軽く唾液を絡めた指で中を探られるだけで、彼を受け入れるように形が整ってしまうくらいになっていて。
先ほどの下より、もっと確かなものが、言い聞かせるかのように押し込まれては抜かれていって。

我慢しきれなくなって、足で彼の腰を回して引き付けて、動けなくした]



 あんまりからかうと………っ


[そこで何か脅迫に類するようなセリフを吐きたいのに思いつかない。
例えば浮気するぞ、とか別れるぞ、とか言えればいいのにそういう言葉を思いつかないというより、思いついても、言った自分の方が落ち込みそうで言えない。
彼にダメージを与えられる言葉を持たない自分が情けなかった。

悔しいので唇を噛んで言葉を途切れさせると、腰をひねり、中を意図的に締め付けた。
腰を動かして、強引に達かせてやろうとしながら、自分の雄を両手で押さえて。
その様は彼からしたら自慰しているように見えたかもしれない*]



 焦らしているんじゃない。
 …お前を甘やかしているだけさ。


[お前の中を肉棒で甘やかしている。
あやすように優しく媚肉を撫で彼の中を行こう。彼の体内は早くと焦がれるように縮まっては、逸物が通ればその形になる。すっかり性器の形に収まっていて、彼の身体が自分のものであると実感させた。緩やかな快楽は此方の身体にも毒だ。隠れた胸粒を強く摘まめないのも含めて。

でも、こうして緩やかに愛するのも悪くない。
そう思っており]



 俺以外の形を知っていたら
 ……怒るぞ。


[はっと嗤う声は独占欲。
本当は怒るでは済まないのだが、それ以上の表現が出てこなかった。明らかに不機嫌は一瞬、勢いよく彼の中を擦ってしまう。はっと気づけば、再び彼の中を緩やかに揺らしだす。彼にとっては焦らすような動きになったのは分かっていても甘やかすという言葉を優先しようとして
腰に回る足によって動けなくなってしまった。

んっとくもぐった声が漏れ
揶揄うと、の先を聞こうとして先が出ない彼を見つめ
それから――ああ、出ないのかと気づき。
愛おしさが胸をついた]


 ……はっ く
 揶揄っていないさ。
 甘やかそうと思ってただけ、…って
 ああ…


[でも、中を意図的に締めて
自ら腰を振り、雄を抑えて自慰を始める姿は焦らしすぎたと感じるもので、同時にひどくいやらしく見えた。自ら快感を欲する程に彼の身体は淫靡に仕上がっているのだ。何処までも美しくいやらしい獣を囲い。
手が彼の頬を撫でて、彼の両手を掴めば]


 …お前は、此処より…っ
 こっちだろ――。


[その手を止め、
腰を一度引けば、逸物の先が抜けるか抜けまいかという際まで寄せて一気に最奥を貫いた。先ほどまで緩慢な刺激しか与えられなかった彼の肉体に勢いよい刺激が走る。のぞけった身体を敷いて、笑う唇は先ほどの彼を思い出した。彼が此方が感じるのを喜ぶように自分も彼が感じるのが嬉しくて堪らない。ふぅと自らの髪を掻きあげ

彼の前髪を掬い]

 …オナニーはまた今度見せてっ
 今は、こっちで

   ……俺を感じろ。


[逸物を掴んで離さぬ媚肉ごと肉棒を引き。
裏返る心地を楽しめば、また強く彼の尻を打った。パンパンとリズムよく彼の中を逸物が泳ぐ。緩やかな挿入に焦れた中に与える刺激としては勢いよく、彼の腰を持ち上げるように身を起こせば、挿入の角度を少し変えて、彼の良いところ。
――しった箇所を蹂躙する。

その間も彼に自らの肉棒を揺らす事を禁じ
彼が少しでも指で其処を触れようとするのなら奥をついて
快感で黙らせ、なかし]


 もっと、啼いて。 


[指先が声を奏でるように促し
胸を隠す絆創膏を、自らが貼ったそれを
一気に剥がし、中で焦れて勃ったものを外気に晒しだした*]

[寝室へ続く続く襖を開けてみたら
広さはあるのにぴたりとふたつ
隣にに並べて敷かれたお布団の光景。

なんかこういうの何処かで見たことあるなと
ちょっと謎の感動をしながら
一緒に眺めてる隣に視線を落とす。

なんかこういうの恥じらいそうだなぁって期待が半分
そういうのじゃない意味の期待を
もうしてもいいんだよね?って確認が半分]


 いい子で「待て」ができたご褒美を
 そろそろ貰っても……?


[いいよね、いいね。
いいとその口で言わせたかったけれど
聞けばそれでまた満足してしまいそうな自分に気付いて
返事を待たずに自己完結すれば、少し屈んで唇を塞ぐ。

けれど返事はいらないというかわかっているの
合図をしたかっただけなので、柔らかく食んだだけで
すぐに離れ、手を引くでもなく先に一人布団の上へ。]

[心の準備ができたのなら、その戸を閉めてこっちにおいで。
布団の上に腰を下ろして、振り返れば
言葉にせずに微笑んで見せて。
隣の布団でなく自分の隣をぽんぽんと叩いて呼んでみる。

それでも隣の布団を選ぶのならそれでもいいけれど。
きみはすきだろう?わたしのおふとん。
なら誘うのはこっちで正解のはずだ。


……などと表と秘話は使用中なのでこっちで振ってみる。
今始めて終わるのかって?無理だろ。HAHAHA★]

[自身を掴む両手を彼の両手で拘束される。
その驚きの拍子に、彼の腰に回していた足をほどいてしまった。
その間隙を縫うかのように、彼の腰が引かれ、彼が中から逃げていきそうになるのを感じる。
一瞬外れるかと思った。
しかし、それから一息に奥まで質量のあるもので急激に襲われて。
脳髄まで届きそうな衝撃に息ができなくなる。
口が吸気を求めてぱくぱくと動くのに、肺が空気を受け入れない。
一瞬、意識が飛んでいたのか。意識が戻ったのは、彼が前髪に触れた時だった]


 あ………や………っ


[何が起きているのかわからなくて。
彼の命令だけが耳に届き、脳にしみわたる。
彼がまた強く激しく、中を苛んで、激しい律動を繰り返す。
二人の肌が打ち付けられて、そしてずり上がる腰が彼を受け入れて、躰が丸まって。

躰の向きが変われば、角度も変わる。彼に知られた好きな場所、感じる場所を容赦なく責めて抉って踏みにじられる。

あまりの強い快感についていけなくて、逃げようと手を巡らせれば、彼がそれを許さずさらなる蹂躙で上書きをしてくる。

彼の与える快感が波のように後から後から押し寄せて溺れてしまいそうだ。
泣いて、啼いて、
やり過ごそうとする電流のような気持ちよさを、彼が許してくれない。
触れ合った肌はきっとお互いの肌を赤く染めているけれど、その痛みと痺れが心を追い詰めて、勝手に躰は快感を得ていく]

 ―――っ!!!


[彼が胸の絆創膏を一息に剥がし、曝け出した瞬間、目の前が真っ白になる。
高まり切っていた快感は、自分の雄に触れてなかったのに、中を擦られるだけで、そして胸の粒への刺激だけで弾けてしまって。
二人の間で弾けたそれは、己の躰を汚していく。
続けて収縮した内側は彼を搾り取ろうとさざ波のような動きと、握りしめるような動きを交互に繰り返し。
彼に調教されて彼専用となった躰は、彼を悦ばすように自然と動いてしまう。それは自分の意識の下でも本能でも。

ああ、彼がここを雌穴だと言うのもわかる。

そのように躰が作り変えられてしまっていて。
こういう時に彼なしでは生きていけないんだ、と思い知らされる。
なぜか彼によって命を与えられているように感じて、どこか不思議で不安で。
このように女々しく思う自分を、彼は重いとか不快だと思わないだろうか、と恐怖がよぎるが。
快感に紛れて、感情が高ぶったことで浮かんだ涙が、目尻を伝って、シーツを濡らす。
目ざとい彼に、その涙を追及されれば、感じすぎただけだと力なく笑うだけだろう*]

 
[行くあてのなかったオレたち兄妹に
 手を差し伸べてくれたのはこの人。
 オレの肉体に快楽をいちから教えたのもこの人。]


   (ああ……)


[畳の上で無様な姿を晒すオレに
 意味としては罵りでも
 優しさの感じられる言葉が降りてくるから
 涙の浮かぶ目は細まり、唇は震える。]
 

 


   …はい、オレは…っ 貴方の…

   っイノセントさまの…ダメな犬、です…っ


[眉を寄せて、すこしだけ悔しげに。
 けれど熱を孕む眼差しで主人を見上げながら認めた。
 屈辱を自ら受け入れる言葉を口にすると、
 身体の中心に愉悦が走り抜けるばかりでなく
 柵から解き放たれて、満たされる心地がする。]
 

 
[誰かの兄ではない。
 誰かの為の何かではない。
 誰も守らなくて良い。
 何も果たさなくて良い。
 思考を手放して尊厳すら捨てて
 馬鹿な犬に成り下がれるひととき。
 懐かしく――心地良い。]
 

 
[────だけど、貴方に全部は渡せない。]
 

 
[下着は習慣で畳みたくなったが――、
 そんなことをすれば
 また機嫌を損ねてしまうのは明白だ。

 脱いだ後は不要とばかり
 ぱさりと畳の上にぞんざいに落とした。]


    ……はい、ありがとう、ございます


[主人は身につけていない方が良いと言い
 自分は唆られてくれることについて礼を言うが
 込み上げてくる切なさもまた懐かしい。]
 

 
[下着は存外良いものだなどと主張しても
 きっと貴方は聴いてくれない。

 聴こうともしてくれない。

 貴方の庇護の下から離れようとした時
 妹を捕らえられ、従わされた。

 身体は半ば無理矢理開かされた。]
 

 
[理由を訊ねても、答えては貰えない。
 

 
[いつもオレの意見は無視されてきた。

 オレは、貴方にとって道具でしかないから、
 意思を持つことを許してくれないのだろう。

 ────そう思い込んで

 身体がどれほど堕落しようとも
 心だけは、預けられずにきた。]
 

 
[妹を守るためならどんなこともした。

 性技を教えられればそのまま憶えたし
 自分から相手の悦ぶ方法を探ることもした。
 その方が満足して貰えて早く解放されると思ったから。]


    ぢゅ、る っ …っんく、 はぁ んぢゅ…っ


[彼のはすごく長くて、大きい。
 自力で咥内に招けるのは亀頭の部分だけ。
 溢れてくる蜜は少し塩っぱくて懐かしくて
 美味しくないのに美味しくて堪らない。

 彼の体液を飲めば飲むほど身体が熱くなって
 我を失うほど求めてしまうことはわかっている。
 
だけど吸い付いて啜らずに居られないし

 わかっているからこそ、進んで体内に取り込んだ。]
 

 
[今はもう人質を取られてもいないのに
 敵対組織の首領である彼に
 従ってしまう理由が、欲しかった。

 理性を飛ばしてしまいたい。

 唇で咥えるのも舌を這わすのも気持ちいい。
 イノセント様の雄臭さが口の中から鼻に届き
 後ろを解しているために半分捲れた浴衣の裾から
 顔を出している竿は涎を溢す。
 口に咥えるコレで早く貫かれて揺さぶられたくて
 自分の指を切なく締め付ける。

 それらのわけはすべて体液であって
 オレ自身が煽られているのではない
と信じたかった
。]
 

 
[今日だけではなく
 もうずっとずっとずっと犯して欲しかったから
 物欲しそうな表情は隠せていない。

 声を漏らしてくれるのにほっとして
 見上げると、目が合った。]


    
ッンぐ、ぅ……っ



[雄の顔をした彼に頭を強く引き寄せられて
 巨大な亀頭が喉奥にぐっぽりと嵌まり込む。

 ぶわ、と元々潤んでいた両目に一層涙が集まった。]
 

 
[ぐぽ、じゅぽ…っと体内に重たげな水音が響く。
 ひどく苦しい。
 けれど深く咥え込むことに慣れた喉は
 彼のものを異物と認識せず
 吐き戻す動きを放棄している。]


    
っ……ん、ぐ……ふ……っっ



[そして苦しさに比例して
 彼のもので埋め尽くされ伸び切るようにして
 繋がる粘膜から愉悦が拡がっていった。

 唇も上顎も下顎も舌の表面も喉の奥も
 禍々しい肉矛に擦られて突かれて
 堪らなく気持ちいいのだ。

 後ろに入れた指は添えるだけになり
 意識は全てクチの中にいく。]
 

 
[長過ぎて、押し込まれても
 半ばほどしか咥えられない肉竿が
 さらに質量を増すのを唇で感じた。

 彼のは中程が最も太いから
 唇の両端が裂けそうになったり
 顎が外れてしまいそうになったりするけれど

 もう、それすらも、気持ちいい。]


    
っぅ、ンン……っ



[名を呼ばれてしまうと
 追いかけるように頭の中が白く染まる。

 彼の方を見上げて勃つものから
 びゅっ、びゅくっとマーキング汁が噴き出た。
 支えなしに跳ね汚れてなかった方の靴下まで汚していく。]
 

 
[喉にはどろどろの濃いものを受ける。
 飛び切り雄くさい匂いに
 頭がクラクラして、腹の奥が切なくなる。

 長い吐精が落ち着いた後
 ず、ぽ…っと喉奥から抜くことを許して貰えたなら
 管に残る精液を吸い出しながら唇を離し

 堰き止めていた精液と吸い出したもの纏めて
 濃い味を舌の上で味わってから――、
 幾度かに分けて喉を鳴らし、飲み干していった。]


     ……はぁ、 はぁ…っ …?


[いつも味わっていたものより濃かった、気がする。
 オレの代わりの夜伽役が見つからないから
 抱きに来たということだろうか?

 組織は彼を慕う者で溢れている。
 自分の立場は、羨まれていた。
 代わりをしたい者は山のように居る筈だが。**]
 

[一瞬彼の意識が飛んだのが分かった。
髪に触れた事で彼の意識が戻った事にほっとしたのに
それ程気持ちよかったのか、と唇は弧を描く。そんな自分に嫌悪感が広がった。なのに止められない。彼を愛おしく思うと同時に蹂躙し、啼く姿が見たいという矛盾を抱えて、や、とか細く抱く彼を抱いた。

泣いて啼く彼が快感を拾ってくれるのが、嬉しい。自分を求めてくれるのが分かる。赤く染まった肌がぶつかるたびに、彼は更なる快感を得ていく。何処まで淫靡に育つのだろう。知った場所なのに、穿つたびに新しい発見がある。
新しい目覚めがある。

指先が、新たな性感を生むように
一息に絆創膏を剥がし]



 …っ !!!く。



[肌の上に覗くのは熟れた果実だ。
絆創膏の中で育ったそれが、ピンっと張ると同時に彼の中が締まり、此方を貪る穴になる。それと同時に彼が達したのがわかった。眼下に広がる白。逸物に触れるのは止めていたから、彼が弾けたのは中と胸への快感だけだ。それは、堪らなく愛おしい顔をしていた。

快感が叫ぶ声が、普段は清廉としたまじめな顔が
絶頂に達した姿が、呼応する媚肉が。

――愛おしく、彼の中で白が弾けた]



 ……は…っ、
 ああ。…


[好きだ、好きでたまらない。
自分が開いた体、自分によって変わる姿。
それを彼が受け入れてくれている奇跡に、涙が溢れる気がした。自分は彼なしでは生きれない程に溺れている。快感とともに湧き上がる感情はとめどなく、彼を求めるもので、それをなんと伝えるか、息を吐いたとき。瞳が流す涙に気づけば、その頬を撫で雫を掬った。快楽の涙ではないのは、彼の笑みで気づいた。

そのまま、ゆっくりと目尻にキスをして]


 鬼走、俺はお前に弱いんだ…。
 俺はお前が、好きで

       好きでたまらないから


[お前の苦しみや悲しみは全部取り払いたい。
其れが自分自身であっても。仕事で寂しい思いをさせていた事を思い出せばそれだけで胸が痛んだ。彼が納得してくれていてもとても悔しかった。掻き抱くように彼を抱く。はだけた着物から身体を取りあげ、放たれた精が二人の腹部で混じりあう。種をまくことのない精液を抱く。
彼の中では揺蕩う白濁がある。

――優しい彼ならきっと
いい父親になっただろう。けれどもう離せない。
離す気がないから]

 ああ、しまったな。
 お前が啼くのは見たいけれど、
 泣く姿は見たくないのに。

 ……その原因が、俺なら、………俺は


[自分勝手な結論に気づき。
目を伏せた。何かに彼が怯えているようだった。それが自分に対してだったら、自分を自分で排除する。そう考えて無理だと悟った。大人になりきれない己が歯がゆい。けれど、掻き抱く体は暖かく。ぬくもりを与えてくれる。そのぬくもりが在るのが何よりも掛けがえない事実だ。
そう、彼は忘れているかもしれない。

彼が自分を撫でてくれた事を。
あのときの嬉しさを、ぬくもりを]


 どうすることも出来ない。
 旭が、好きすぎて。


[名前を呼んで。困ったような笑みを浮かべれば]

[まるで何かの贖罪のように、“好き”を繰り返す彼。
どうしたのだろう、となぜか苦しそうな顔をしている彼を見つめる。
唐突に抱きしめられて。
ほとんど裸のようになっていた躰にかかっていた精液が彼を汚すのを厭うが、彼は気にしていないように抱きしめられた]



 ………どうした?


[どうしたのだろうか。彼は泣いているような顔で笑っている。
その顔を覗き込もうとしたら、彼に頭を撫でられた]


 ―――だから………。


[気持ちよすぎたから。
そう言葉を濁して逃げようとしたのに、彼の顔はそれは嘘だと言っていて。
本当のことをどううまく伝えたらいいのかもわからない。
彼が心配しないように。
傷つかないように、そして嘘でもなく、伝えられる言葉を自分はもっているだろうか。
彼は自分にとって、嬉しい言葉しか与えないのに。
自分の態度は彼をを動揺させてしまう。それが悔しい]


 ………幸せすぎて、怖いだけだ。


[そして、男としてもどこか卑屈な思いをしてしまっているだけなのだろう。
彼を見ていた一年で、彼はどんどんと男らしく頼りがいがあって、たくましくなっていっている。
それに比べてどうだろう自分は。停滞どころか退化してないだろうか。
彼の腕の中でだけ、彼の雌となりはてて。それでいいと思っているのに、男として劣等感を抱いているのかもしれない。自分を蔑んでいるわけではないけれど。

―――彼が眩しすぎるから]



 お前が好きすぎて、苦しい。

 

[ただ、それだけだ、と顔を両手で覆う。
きっと今の自分はひどい顔をしている。
そんな顔を見て彼が不愉快にならないように。いや、優しい彼は心配をするだろうから、だから俯いて。

そうすれば、自らの精に汚れた躰が視界に入り、彼に愛された中を思いだす。
まだ熱さが残る躰にしみじみと。彼からの愛を感じて。
……本当に、いつまでもこの時が続けばいいのに*]

[襖の向こうに並んでふたつ、お布団が仲良く敷かれている。
十分に広さはある部屋なのに、敢えて
ぴたりと並べて敷かれているのがはずかしい。

そういう仲だって理解された上で
敷かれてるってことだろ??? 恥ずかしい。
いや間違いではないんだけれど。大正解だけれど。
普段同じ一枚の布団に潜り込んでるけれども。

ごくり、喉を鳴らしてふかふかのお布団を暫し見つめ
問いかけにそろりと隣の君を見上げれば、
返事をする前にくちづけが降ってきた。

もちろんだよ。いいこだった。
ご褒美はここに。君の目の前に。
そう答える代わりに擦り寄せようとした唇は、
中途半端に甘い痺れを残してあっさり離れていく。]


 ……ふ。


[するすると襖を動かしてとん、と軽く音を立てて閉め
淡い光の中で吸い寄せられるように君の瞳を見つめた。
向かう先は迷いなく大好きな君のおふとんだ。

ぽんぽん叩かれた辺りへと真っすぐ歩を進めて、
浴衣の裾を踏んでしまわないように君の隣に腰を下ろす。]

[幸せ過ぎて怖い――。
その言葉に声が詰まった。

それは自分も感じていた恐怖だ。
この関係は、彼の深い愛によって繋がっている。いくら自分が恋をしても彼が答えてくれなかったら、生まれなかった関係だった。脈があると告げてくれた言葉が今も胸に刻まれている。そんな事ではないと分かっていても、彼に赦されたからこそ、存在しているのだと思ってしまう事すら、思っていた。

だって彼はとても恰好いい。
眩しくてたまらない。


だが、同じ怖いでも
自分の感じる恐怖と彼の感じる恐怖はきっと違う。それは彼が抱かれる側で自分が抱く側だからこそか。
自分が無力を嘆くように彼もまた何か(劣等感)を抱えているのかもしれない。
全ては憶測でしかないが。]



 …鬼走。


[好きすぎて苦しいだなんて。
両手を顔で覆う彼をじっと見つめる。
顔を見せて、というのは簡単だ。けれど俯く彼のひび割れた殻を割ってしまう。そんな気がした。決して割ってはいけない殻を。未だ中に入ったままの雄が存在を主張する。彼の身体はすっかり此方の肉棒に、従順だ。甘やかすようにこのまま抱く事も出来る。
けれど]


 ……俺は
 好きすぎて苦しい、と言ってくれる。
 そんなお前が好きだよ。


[これは彼が望む言葉ではないかもしれない。
ずっと俺の事を考えてくれればいいのに。今、こうして苦しんでいる彼を見て、苦しいのに、悔しいのに。同時に愛しさが溢れてくる。自分が好きになった鬼走という存在が此処に変わらず居るのだと感じて]


 ああ、鬼走だって
 …お前自身が感じられるのが嬉しいんだ。
 ……今でも時々夢かと思うときがある。


[抱きしめて心臓の音を重ね合わせて、
何度も彼の存在を確かめる。]


 だってお前は憧れなんだ。


[いくら抱いてもきっと彼の根本はぶれない。
男としての劣等感を彼が感じていると知れば、それでこそ自分が惚れた鬼走だと告げただろう。自分にとって彼は追いつきたい男だ。誰よりも恰好いい彼が自分に抱かれる事を雌になる事を、許容している。これ程、恰好いい事があるだろうか。唇がそっと顔を覆う両手に触れた。

彼の反応や行動を可愛いと思うのと同時に
彼の反応や行動を恰好いいと思うのは
決して矛盾していない]



 もちろん。おいで……


[その手を掬って重ねて、掌に唇を寄せてから。
言葉とは反対に、君の胸の中に飛び込んだ。

猶当方のいろんな意味でののろさは御存じのとおりです。]

 …鬼走って名字も
 お前の、らしい顔も


   全部、含めて


[旭。と時折呼ぶようになったけど
自分を助けてくれたときからずっと彼は鬼走だったから、その呼び方は特別だった。彼の顔がらしくて、好きだ。いや]


 愛しているんだ。
 …お前が愛してくれるのも含めて


[褪せぬ思いを抱いている。
このまま二人、ずっと抱き合っていたい。
彼に釣り合う男になりたい。と願ったのと同じぐらいに年下として甘えている自覚を何度も繰り返す。それが悔しいのに、俺の事、愛しているだろ。と疑わぬ声色で問いかける癖に、唇は彼の手に再び触れて、

――今度はお前が撫でてくれ。
と甘えるように頭部を押し付けた*]

[自分の弱さを全部曝け出して、愛してほしい、ずっと愛し続けてほしい、と彼の足元に跪きたくなることもある。
でも、それはできなかった。
彼が好きだけれど、卑屈な態度にはなれない。しかし、抱える劣等感が自分を男としてあるままで抱く彼への捻じ曲がる心にもなり、結局は卑屈な気持ちを抱えるのだ。
それが素直になりきれない自分の原因でもある。
その矛盾に自分の心にひびが入る。

自分をそのまま受け入れてしまえるほど、自分はまだ強くなくて。
いつかそれの折り合いをつけられる時がくるのだろうか。
彼と過ごす年月の方が長くなれば、こんな思いは消え失せるのだろうか。

揺れ動き、壊れそうになる男としての矜持。
それを抱きしめて彼が癒してくれる]



 ………
 

[彼の言葉を聞いていると、心が癒される。
彼はきっと、本能的に自分の痛みに気づいているのだろう。
変わらない、変えられない自分だからこそ愛してくれているのだと、その言葉は自分に伝えていて。
柔らかいものが手に触れた。
彼の唇だとすぐにわかるのは、全身に彼の唇が何度も触れていて、その感触を体中で覚えているから。
それくらいの彼との触れ合った経験は重なっていた。
まだ二年目の恋。一巡した季節の中でも彼への思いが冷めることはなかった。想いが醒めることもなかった。
その上で、彼が自分を憧れと言ってくれる。
初めて会った頃の彼も似たようなことを言ってくれていたが、それが淡い夢だったらもう覚めていてもよかったはずなのに]


 俺も、愛してるんだ。
 伸忠。お前が思っているより、たぶん、もっと多くな。



[自分からの愛を疑うことなく当たり前のように言う彼に、顔を覆う手の中でほほ笑んでしまう。

言葉にすると陳腐になりそうなのに、気持ちを確認するために言葉にする。
何より自分の心を確認したくて。

さらりとした髪が手に触れて。言われた通りに彼の頭を撫でてやる。
涙がにじんだ目を見られたくなくて、その頭を抱きしめてそしてその髪を撫で続けた。

ああ、彼に恋している。
彼を好きになってよかった。愛されてよかった。
そう思えば、細い息を吐いて。崩れ落ちそうになっていた心が快復していくのが分かった]


 ―――ありがとな。
 

[撫でるだけでは飽き足らず、彼の首に両腕を回して抱きしめる]


 借りたばかりの浴衣―――、汚れちまっただろ。
 どうすんだよ。


[着てきた服も彼のおいたでずぶ濡れのままで。
やんちゃが過ぎるだろう?と窘める顔は、もういつもの顔だった*]

[手を伸ばして抱きしめる事はできる。
けれど彼の心にまで触れる事ができない。硝子一枚の先に彼がいる。そんな気がして呼吸が乱れた。素直になり切れない、けれど素直な彼。彼のぶれない顔を好きだと思った。今も彼の根本は変わらない。それが愛おしく――同時に、悔しかった。

何時かこの思いも伝える事が出来るだろうか。
憧れをもったまま、彼に恋をしている。触れた手のぬくもりは唇を通しても、あのときと同じ温度を通けてくれた。年月を重ねる程に、きっとこの思いは重くなる。

いつか、彼が窒息するんじゃないか。

そんな危うさを何処かに秘めて
でも、何処かで彼なら
その前に正してくれると甘えている節があったけど]



 ……旭。
 

[自分が思っているよりも、愛している。と彼が言う。
其れは幸せなことだった。彼はやはり恰好いい。覆い隠された顔は見えないけれど、微笑んでいるように思えて、その手が頭に触れるのを目を閉じて受け入れた。暖かなぬくもりが大好きだ。撫で続けられた髪がくしゃくしゃになってもいい。
そのまま抱きしめてくれる彼に合わせ
此方の手も彼の背に回し、力を込めた。]


 なら、俺だって同じだ。
 …俺だって、お前が思っているより、ずっと。


[ずっと思っている。
言葉にすれば伝わっているか心配になるのはきっと繰り返しているから、何時か彼に聞き飽きたと言われそうで、でも俺はこれ以外の言葉を知らない。愛していると言ってくれた彼に沢山を返したい。

撫でるだけでなく、抱きしめてくれ
そして、言葉にしてくれる彼に]



 …それも俺の台詞だ。


[感謝を述べたい。のに。
ああこういうとき、叶わないな。と思う。
彼に抱きしめられたまま、目を開けばいつもの顔が見えて少しだけ悔しく感じてしまったのは許してほしい。彼の心の中にある劣等感を包み込みたいのに。彼が隠した矜持を知りたいのに。彼は自分で立ってしまう。
強いなぁと、悔しさが滲みかけた声を飲み。

同時にだからこそ
惚れたんだと、考える。
――凛とした姿に胸が痛い程の愛おしさが溢れ]


 謝るしかないな。
 …謝るしかないから、後は開き直るしかないだろ。


[それにもっと色んなお前を味わいたい。
そう呟けば、存在を忘れるなと言わんばかりに彼の中を熱源が軽く突き。動かした拍子に少し白が零れ、くもぐった息を残し。そうだ。といつもの顔の彼に忘れていた。と頬を寄せて]



 忘れる処だった。
 膝枕お願いしてもいいか?


[この状況にそぐわない細やかな願いを口にすれば
ふと思い出したように、彼をじっと見つめ。
わざと場の雰囲気を変えるごとく]


 それとも変態プレイ的なお願いを?


[冗談めいた声で彼の中を、
奥をとんっと逸物で突けば、反応を伺う
悪戯っ子の顔を覗かせた*]

[おいで、の破壊力に一瞬硬直した。
きみは女の子誑かすの天職だよね。しってた。
ときめいたというより怯んだほうが正しい。

少しの積極性を見せただけで恥じらっていた頃の君が
走馬灯に流れはじめて……
……おっといけない、これではギャグ路線だ。
慌ててハンドルを切り直す。

胸の中に収まる彼女の肩を押して
重なった体を少しだけ離させる。
密着したままではキスができないので
苦情は受け付けておりません。

灯りを消すか問おうとして
自分が見ていたいから、聞くのをやめた。

普段とはまるで違う顔に見える彼女を見下ろして
きれいだ、と思ったままに、おもわず言葉が溢れた]


 きみ触れるたびに、なにか、こう、
 神聖なものを穢す様な
 ……背徳感をいつも抱いている。って

 言えば笑われてしまうかな。

[きみのお義父さまもといラ神からの圧とかね。
すごいから。とっても。
でもここでなら別な神様が隠してくれるだろうか?
そんな存在知りはしないので神頼みなんてしないけれど。

触れることへの許しを与えられた気がする
くちづけを受けた手のひらで、頬を包み込むように撫でて
綺麗なだけの物語の中の手本みたいな
キスを落として、うっとりと目を細め見つめ合う。

物足りなさに焦れるのはどちらが先だったか。
二度、三度と重なるごとに
次第に水音が溢れる交わりに変わってゆく。

帯を解くより先にはだけた裾へ手のひらを差し入れて
温泉で堪能し損ねた太ももに掌を這わせた。
内側のやわい皮膚を撫で擦って
彼女から押し付けてきた場所を探る。
きみがそこで触れるのが好きなのか
そこが柔らかいからこそ押し付けてくるのか
ささやかな疑問が頭の中を通り過ぎて、きえた*]

 謝る前に、最大限できることはしておかないとな。


[浴衣だから水洗いはできるし、と続けようとして、中を動かされて、高い声をあげてしまう。
そして、目元を赤くして彼を睨む。
こんな状態で頼むようなことではないだろう?という意図を孕んだ視線で、彼を見つめるが奥をさらに突かれれば、彼に育てられた胸の粒も、赤くさらに固く凝っただろうか]

 変態的なプレイより、常識的なことをまずしなきゃだろ。
 どうせ汚れたんだから、このまま風呂で洗うぞ……っ
 風呂も洗わなきゃだし。


[足を開き、彼の逸物が自分と繋がっている部分を露わにする。
放ってなお、固さがまだ残る彼に感心しながら一度腰を回すと、ゆっくりと焦らすように彼の躰を放して、躰から剛直を引き抜いていく。
そして、見せつけるように、彼の上にのりあげるようにしたまま、座位ではだけた浴衣を重ね、そして汚れた裸の上から帯を締め直す。
裾の辺りが緩いのは、立位で着ていないせいだが、それは意図的だったかもしれない。
少しばかりいつもよりだらしなく襟の辺りを抜いているのは、わざとだが。

誘うように彼に背中を向け、そして部屋に備え付けの露天風呂の扉の方へと向かう。
扉を開け放したままにすれば、彼がその気でないとしても寒さに扉を閉じに来るだろうし。

薄い着物1枚で雪が積もる外気は冷たい。
ぶるっ、と躰を震わせれば、ほこほこと湯気を出すかけ流しの源泉の湯でそっと足先を洗う。

それから裾をからげて、足を出し、そして湯舟の縁に座れば足を湯につけて、彼を振り返る。
ちゃぷちゃぷと揺れる水面は、どうしても浴衣を裾から濡らして染みた湯が這いあがっていく]

 ほら、膝枕するんだろ?


[膝の上をおいでとばかりに叩いて。
ちょっと寝づらいかもしれないけれど、彼が湯舟に浸かりながら頭をのせればそれなりに寝心地は悪くないはずだ。
でも、先ほどのとは違い、ここの場の足湯は躰が冷えてしまうから。

桶を手に取ると、ばしゃ、と自分に向けて湯をかけるが、気化熱でもっと躰が冷えるの忘れてたとびしゃびしゃの浴衣を纏って笑おうか*]

[諭してくれるのが嬉しい。
目元を赤くして睨む姿が可愛くて、先ほどまでのギャップに心がきゅんとなった。最大限にできることをと言った彼が、常識的なことを。と促すのだから、今更では、と一瞬思ったが、彼の足が開くのを見て。そちらを凝視してしまった。胸の粒を赤く固くしながら、身体から剛直を引きぬく様に息を飲む。焦らすように引き抜いていくのに感じてしまい。


はっと息を吐いて]


 …色っぽいな。


[風呂で洗うとは何を洗うのか。
座ったまま衣を重ねていく様は、此方を誘っているように見えた。意図的だろうと内心舌を巻きつつも、背を向ける彼をおいかけ立ち上がったとき、自らの帯が解けていることに気づき、それを手にして追いかけた。扉を締めて、このまま部屋を過ごすなんて選択肢はない。

だらしなく襟の辺りを抜いている彼の姿は
赤くのる胸の飾りをちらつかせていた
自らの熱源は重く]



 …無茶を言うな。


[浴衣を濡らして、縁に座る彼に息を吐く。
白い息は、空気が冷えている証拠だ。肌に貼り付いた布が彼の身体を形どる。裸体を見るよりも色っぽく。びしゃびしゃの浴衣の襟を軽くひっぱり。そのまま、湯舟につかれば、彼の膝を一撫でをして湯をかければしみこむ湯が彼の太腿を露わにする。いや太腿だけでなく。

――彼の綺麗な熱も。]


 このままいたら、風邪をひくだろ?


[彼の申し出はとても魅力的だった。
だが、盛り上がった熱を濡れた布越しに撫で
玉を揉み、じっと見上げれば、おいでとその腕を引いた。ぱしゃりと音がなり湯舟が揺れる。そのまま抱きしめた身体は冷たく。少しの間に冷えてしまった事を感じさせ、心配するように吐いた息が彼の耳にかかるか。濡れた肩に湯をかけて、そうして先ほど、軽く結びなおした帯をといて、彼の目を隠してしまおう。]



 …煽っただろ?仕返し。


[そのまま抗議の唇をちゅとキスで奪い。
舌先を唇の中にと侵入させていく。開いた其処も冷えている気がして、暖めようと歯列をなぞり、頬肉をつつき。舌を吸い、暖かな唾液を混ぜあわせ、ちゅぽっと音を鳴らした。その間も片手は彼の身体に冷えた処がないか、と肩を濡らし、背を撫でて――離す頃には、銀糸がひくか。

ゆっくりと唇をなぞり。
駄目か、と彼の様子を伺った*]

[君に並び立てる自分になれるように、あわよくば
君を組み敷けるくらいの僕になれるように……

……と強さを意識しすぎた結果
どうも方向性を誤ったらしい。
君の反応がすべてを物語っている。失敗した。

固まってしまった君の気配に
またじわじわと恥ずかしさが込み上げてきて、
額を肩に押し付けて誤魔化そうとしたけれど
君に押されてあっさり顔を上げることになった。]


 ──ふふ。

 神聖な……そんなもの、
 僕には何も備わってはいないのにね。

 そっか。僕に触れるたびに
 君はそんなことを考えていたのかぁ……


[見上げた瞳が、淋しさの色を帯びて揺れた。
神様の加護とかそういった類のものも
僕は何も持ってはいない(はずな)のに。]

[神聖な、と言うならば
聖女様だったり司教様だったりした君の方が
きっとよっぽど神聖だろう。

あれほど喉から手が出る程欲しがっていた神力が、
今はちっとも欲しいと思わない。
好きな人に敬遠されてしまうような自分なんて要らない。
僕がもし何の変哲もない本当にただの普通の人間だったなら、
君はそんなこと考えずに済んだろうか。それとも、
それでもやっぱり背徳感を覚えてしまったろうか。]


 背徳感、なら……
 道理に背くのではないと納得出来たなら

 君は堂々と、
 安心して僕に触れられるのかな……?


[君の中で僕への神聖視が揺るがないのなら、
例えば、僕が君に
触れられることを望むのであれば。

頬を包み込んでくれる大きな手に手のひらを重ねて、
幼い日に絵本で憧れたようなキスを交わして
鼻先の擦れ合う距離で、
君と同じように目を細めて蕩けるように微笑んだ。]

[じっと見つめ合ったままで
甘えるように君の項へと両腕を伸ばす。
触れ合わせるだけの優しいキスでは
いまは、大分、物足りない。

もっと長く。
もっと深く。
息が出来なくなるくらいに。

言葉を紡ぐ代わりに唇を寄せて、
温泉の水音とは違う艶かしい水音に目眩がした。]


 ん ぁ…………っ



[温泉に浸かることでしっとりと整えられた肌を
君の掌が順に滑っていくにつれて、
少しずつ呼吸が乱れていく。
つい先程自分から君に押し付けていた場所に
その掌が触れたところで、
自然とまた甘ったるい声が喉奥から漏れた。

そこで触れるのが特別好き……
なのかどうかは正直自分でもよくわからない。
なぜならあんな大胆なことは滅多にしないからだ。
けれど、やたらと身体が反応してしまうのは
おそらくはつまりそういうことなんだろう。]



 ……アザレアくん、僕も
 君に触れても構わないかな……?


[袷の隙間からそろりと指先を差し入れる。

胸板の狭間をそっとなぞってから掌を広げて
君の鼓動をより強く感じられる場所を手探りながら滑り落ちた。]*

[色っぽい、と彼がため息がてら呟くのが聞こえて、内心ほっとする。
常識的なことを、と言っておきながら非常識なことにいざなっていることに自覚しているのだから。
彼が内心舌を巻いていることはともかく、意図的なのは当然で。
彼が扉を越えて追いかけてきてくれてよかった。

短時間だったのなら、彼の望みを叶えてもよかったのに。
彼にかからないように、何度も湯を布に染み渡らせれば寒さをしのげただろうから。
でも、彼は自分の方を優先してくれた。

裸体に貼りついた布は透けて、自分の雄も太腿をも露わにしていたから、彼はそれを当たり前のように触れ、そして引っ張ってくる。
湯舟の落ちる前に彼の腕に落ちた躰。
そして、彼の躰で温められ、温度差に火傷しそうな気持ちになるが、ほう、と息を漏らしていたら、気付けば目を彼の帯で覆われていた]

 おい……。


[まったく、と肩をすくめるが、彼は触れているから不安はまるでない。
彼の息遣いや水の音、そして唇を犯される音がやけに響くだけで。
彼の舌の柔らかさと、彼の味、口の中でくちゅりと音を立てて混ざる二人分の唾液の音などが生々しくて。
そして、自分の躰を撫でまわす彼の手の熱さと優しさに酔ってしまいそうだった。

離れた唇を追いかけず、上がった息を整えてから口を開いた]



 煽ってはない。………だけれど誘っているだけだ。



[それなのに仕返しされてはかなわないとくすくす笑う。

いつかどこかで似たような言葉を言ったことを彼は覚えているだろうか。
あの時も浴衣を着ていた自分。
彼が贈ってくれた浴衣を全裸の上に纏い、彼が誘いかけてくれるのをただ待っていた。
でも今はもう違う。今度は自分から誘ったのだから。
それだけでも成長したと言っていいだろうか。

躰に貼りついた布地は、先ほど彼が危惧したように完全に透けているだろう。
見えないからわからないけれど。
でも、湯の中でうごめき、足にまとわりつくもの。
そして空気中で自分の肌に触れているもの、その感触はざりり、と自分の敏感な箇所ばかりを擦っているようで。

わざと膝を立てて、ゆるゆると彼の股間に当たるようにして、くいくいと押し付けるのは視界を奪われた異種返し*]

『真里花はしっかりしてるからお母さん助かるわ』
『真里花ちゃん、何でも一人でできちゃうんだね』

『おかあさん!まりお姉ちゃんがやさしくしてくれない!』
『おとうさん!まりお姉ちゃんが柚理と遊んでくれない!』

『あらあら"お姉ちゃん"なんだから』


「……うん、でもこれはだめ。他のであそぼ」

[ 妹の、見えるところに置いていたわたしがわるい。
  ――いつでも見える場所に、置いておきたかったのに

 妹が興味を示すようなものなのだから
 隠して置かなかった、私が悪い?
  ――兄がプレゼントしてくれたもので遊べるのは、
     妹が寝静まった後の話。

 いつも、遊べなくても。
 いつも、眺められなくても。

 汚されたり、壊されたりするよりはずっとまし。

 妹は、姉の持っているものを自分も持ちたがり、
 姉のやっていることはなんでもやりたいと言う

 かわいいいもうとで。

 姉は、そんな妹のわがままにすべて「いいよ」で
 答えなければいけない、

 てのかからないあね なのだから――。 ]

[色っぽい彼の膝に甘えるのもきっと心地よい。
けれど、彼が寒い思いをするのを見過ごせる訳がない。彼を甘やかしたいという気持ちと同時に持つ甘やかされたいという気持ちだが、それは彼自身より優先される事はない。濡れた浴衣が貼り付いた体はやはり冷たく、腕の中に招いて正解だったと確信に至る。濡れた姿は綺麗だったから今度、雪のない日にお願いするのもいいかもしれない。

仕返しと評して隠した瞳。
肩をすくめる彼に笑いかけて]


 これぐらい可愛いものだろ?


[届けた声は咎められなかった。と
唇を奪い。体内からも彼を暖めた。ぬくもりが増す程に、彼の吐息の温度が上がっていく。そんな気がしてもっとと熱を与えたがる。生々しい唾液音と彼の身体に触れる手は、意識を持って。
彼の肌を焦がすが、

上がった息ととも離れた唇が紡ぐ言葉に瞬き。
少しだけ、首を傾ければ
なつかしさに息を吐く]



 …誘っているのか。
 そうか。懐かしいな、なんだか。
 あのときとは違うけど。


[自分が投げた言葉も
其れに返された言葉もあのときと似た言葉だった。蛍を思えば、視線の先には雪粒が見えて、ああこれも輝くのだな。と一人思う。彼の目は隠され、輝く白は見えない。濡れた浴衣も秘された目も、あの頃からの延長線であり、同時に成長の証でもあった。こうやって少しずつ自分たちの関係は変わっていくのだろう。もちろんいい方向に。

纏わりつく浴衣が彼を際立たせる。]


 …っ、こら。


[敏感な処を目立たせる其れを
見つめていれば、どうやら彼の方が誘いかけてくれたようだ。足が逸物に触れて、思わず息を噛み殺せば、抗議めいた声でその体を抱きしめた。いけないことを、そんな事を告げたのち、その体にと手で触れて。

指は濡れた衣類の上から胸粒を引っ張り]



 なあ、鬼走。
 一つゲームをしないか?

 …今からお前の口に挿れるものを当てて


[彼の足を片手で押さえ、
正解したら、これを中に挿れるからと甘い声を響かせるととも、自らの熱源へと彼の足裏を導き。すでに勃ちあがったそれで彼の其処擽るように擦れば、手を離し。どうだろうと彼に尋ねるがてら、見えない彼の頬を撫で。まずはテストな。と彼の唇の中に指を滑り込ませると同時に。
彼の逸物を浴衣越しに扱きあげだし。

こんな感じでどうだ。と問いかけた。
――問題は次だ、と薄く笑う顏を彼が見なくてきっとよかった*]

[恋人に対してとことん甘くて、どこかで理性的な彼に膝枕は拒絶されてしまったから今度する時は、彼がくれた浴衣かな、と思う。
その時ももしかしたらまた、二人で抱き合った思い出がよぎるのかもしれないけれど、今度こそはちゃんと正しい浴衣の着方を教えないと、とも思ってもいて。

誘った言葉は、ちゃんと彼の記憶の中に残っていたようだ。
あの時は煽るのが精一杯で。
夏の蛍に冬の雪。
昔の人はその傍らで勉学に励んだというのに、自分達は睦みあい、お互いの肌を彩る道具にしか使ってなくて。
ただお互いを見つめるためだけの添え物になっている。
もっとも今、自分は視界を奪われているから、雪は雑音を吸い、世界が彼が放つ物音だけにするための演出装置になっているが。


そして、この自分が大胆に行動させるための道具にもなり果てていて、彼の雄を自ら触れれば、彼の慌てた声がして抱き締められた。
お返しとばかりに胸の感じる箇所を引っ張られて、甘い声をあげてしまう。
見えていないからこそ、唐突にすら感じられて、驚きの方が大きくて、悦びが大きい]

 ん………?


[なんだろう、と見えないまま彼の方に顔を向ける。
変なものは入れないだろうと信頼はしているが、足をもちあげられ彼の熱に触れられれば、湯の中とはいえ、足を開くという大胆な格好をしているというのもあって、かっと躰が熱くなる。
足の裏がくすぐったい。足裏は性感帯の1つでもあるので、そこに触れられて自分も過敏に反応してしまったことを、彼に気づかれただろうか。
彼に頬を撫でられて、了承の意を見せるように口を開けた]


 これ、指………あ、ちょっと……っ!


[左手は頬に触れているから、右手の……大きさ的に人差し指だろ、と推理を披露しようとしたら、その考えを散らかすように屹立に触れられる。
思わず、きゅっと唇を締めて、舌で指を抑えてしまう。
それは感じた時に中がそのように彼の逸物を押さえこむ時にも似ていて。
歯を立てないように、できてよかった。
危ないから舌で頬の側に彼の指を押しやって。もごもごと抗議をしようとすれば、彼からの出題はまだ続くらしくて。
見えないからこそちょっと面白くて、鼻とか耳という可能性も……と色々と思考を巡らせていた*]

[甘い時間を繰返している。
けれど繰り返しは少しずつ変化をしている。
いい方向に、前に。それが嬉しくて仕方ない。
次に浴衣を着るときは、彼の膝に甘えよう。彼を自分で着飾ることを企みつつも、今は雪に光る彼の色に夢中だった。眼隠しをした彼には雪の壁は音を閉じ込めるアクセントになっただろう。大胆に行動する彼に虚を突かれて、抱きしめて、悪戯っ子のような彼に対して仕返しをすれば、反応はよく。

甘い声が普段よりも大きい事に興奮して]

[彼に仕掛けたのはクイズという甘いゲーム。
彼の足裏にて育った肉欲が主張する。其処が感じているのだと肉棒はダイレクトに伝え、次は此処を育てるのもありかもしれないと密かに思うのだ。彼の身体は何処も魅惑の果実だ。打てば響くとはこのことで、彼に触れるたびにのめり込む。ゲームの了承の意を見せる口にとまず挿れたのは指だった。人差し指とまで気づかれているとは知らず]


 …正解。


[彼が一発で当てた事で機嫌をよくし。
ゆっくりとそのまま指で咥内を撫でようとすれば、屹立に触れたせいか、咥えられてしまった。もごもごと舌で此方の指を頬側に押し込むのは何だかいやらしい。挿入のとき、セックスをしているときのようだと思いおこせば、触れたままの熱源を軽くまた扱いて。

思考を巡らせている様子の彼から
ゆっくりと指を抜き]



 …そういえば後で大浴場にも入りたかったんだよな。
 でも、無理そうだな。


[雑談を挟みつつ、焦らすように
彼の肉体に指が触れていく。次は何を出そう。また指を入れて混乱させるのもいいかもしれない。そう考えながらも紡ぐのは、彼の羞恥を煽るためと独占欲を覗かせるため。無理な理由を知らせるようにぷっくりと腫れた胸粒を引っ張りて]


 此処、こんなになってさ。
 ――それに、何より

    俺が、お前の裸を誰にも見せたくない。


[無茶苦茶を言うと呆れられたかもしれない。
ただ自分の独占欲は伝えたくて言葉にしたかった。
そうして、彼の逸物から指を離し、身体を少し離し、大丈夫だから。と声をかけて立ち上がろう。周りが見えない状態の彼が不安に思わぬように声をかけつつも、頭を手で撫でて、彼の唇にと逸物を近づけ]



 次の問題な、これって何だと思う?


[お前の大好物。と笑気を含み。
彼の唇にと自らの逸物を押し付ければ、そのまま唇の間に亀頭を滑り込ませた。其処から先には進まぬ自制は、彼が答えられるようにするため。本当はもっと色んな問題を出したかったのだが、つい。

自制が止まらなかった*]

 大浴場が大欲情になるから止めとけ……。
 ひうっ……。


[指が口から引き抜かれる。
舌先が少し寂しく感じてしまっていたら、彼が胸の飾りをいじるので、声を上げてしまう。
彼が独占欲を露わにする言葉は少し嬉しくて。
仄かに悦びを感じていたら、彼が自分から離れたが。
―――次の出題は簡単すぎた。
見なくても味でも触感でも匂いでもわかる。
曲りなりにも狼。温泉で洗い流されていたとしても、これだけ近ければそれだけでもわかる。
目を隠されていてよかったと思う。
彼のそれを間近に近づけられて、目を輝かせて受け入れるようなはしたない姿を見せなくてよかったから。
少しは冷静そうに見えただろうか]
 

 これ、中にくれるって言ってたご褒美じゃないのか?


[中ってこっちの意味だったのか?と舌先でちろちろと先端部分を舐めながら、不満げな声を漏らして。

そこでよぎったアイディアに、悪い笑みを浮かべてしまう。

ここで彼が果ててしまって、当てられたご褒美が自分にもらえないなんてことになったら、彼はどんな反応を見せるのだろうか。
こんな風に布越しに彼の手でも躰を熱くさせられて、中途半端にうずいた躰を持て余した恋人を目の前に、自分だけ気持ち良くなって。
でももう打ち止めで恋人を満足させることができないなんてなったら、自分の恋人は罪悪感を持ったりするのだろうか。

ちょっと優しい彼に意地悪をしたくなって。

がしっと、彼の腰に両腕を回してしがみつく。
この体勢なら、彼は足を動かして自分に悪戯することもできない。

喉奥まで一気に彼の剛直を飲み込むと、そのまま引き戻し。
中を吸い上げるというバキュームフェラを施して。
本当だったら袋の部分や蟻の門渡りもいじりたいけれど、腕を緩めたら彼が逃げそうだからできない。
だから口から吐き出して、頬で擦るようにして竿部分を刺激しながら、舌先で袋部分を持ち上げて口に含み。
外気で冷えてきそうな玉部分をこりこりと刺激してやった。

彼の肌がしっとりと濡れているのがわかる。
湯のせいではなく、発汗だろう。
興奮して体温があがっていることにほっとして、そのまま続けることにした。
もし彼の体が冷えているのなら、こんなことをしている場合ではないから]


 先に、答え言っておかないとな……。
 
ちんぽ
、だろ……? 


[何を言わせるんだ、と思いつつも、しれっと彼の思惑にのってやって。
彼の表情が見えないからできるような気がするバカなこと。
そのまま、おちんぽみるく、ちょうだい?と強請るように、彼の熱杭に顔を摺り寄せ、探りながらまたその先端を咥えなおす。

顔にかけられるのでも、飲まされるのも抵抗はない。
それは彼に躾けられたというより、元からそうだった気がする。
最初は違和感はあったが抵抗はなくて、イヤイヤとか渋々でもないし、慣れたというわけでもないし。
どちらかというと、徐々にはまっていったような気がする。
男の精液を口にすることを厭わないとはいえ、彼以外の他人のものを口にすることも、目にすることもないので比べようも調べようもないのだが。

裏筋や割れ目を重点的に刺激しながら、溢れる唾液が喉を、頤を潤していく。
ごくん、と溢れるそれらを飲み下しながら、彼からのご褒美を待った*]

[大浴場が大欲情に思わずボケた気持ちがあったが。
彼の唇から抜く際の寂しさが、此方の欲情を誘いだす。胸粒を弄れば上がる声も濃厚で、このまま様々なクイズを出して彼を焦らすのもよかったが、此方が先に折れた。――その結果、まさかの事態を引き起こし。

此方の声を押し殺す羽目になったのだが
唇に押し付けた熱源を彼は
瞬時に理解する]


 もちろん、正解したら
 下の口にもやるよっ ん、こらっ


[ん、とくもぐった声は、彼の行動に対しての抗議。
目を隠したままの彼に先端を舐められたのまではいい。不満げな声に大丈夫だ。と返したのも、だがその後の彼は大胆だった。熱源越しに悪い笑みが見えた。まて、と抑えようとした手が彼の行動によって止まる。

自ら腰にしがみつく彼は、浅ましい雌のよう。
雄を求める淫魔の如き行動に
声が上がった]



 っ …


[彼の目的は明確だった。
口を窄め、喉奥まで一気に飲み込むいやらしい姿。彼は今どんな顔をしているのか気づいているのだろうか。精を欲しがるいやしい雌の顔をしている。眼を隠した分、彼の唇は雄弁となり、吐き出された熱は、外気の寒さを盛ろともせず、屹立しており。彼の愛撫に熱い吐息を吐けば、彼の髪をくしゃっと撫でた。

腰の拘束は解こうと思えば解ける。
だがそれをしないのは…]


 ……はっ、
 正解だな …んっ

 ほしがり めっ ……


[汗がじわりと浮き上がり。
肌を燃やす、しれっと答えられた言葉に唇は弧を描いた。彼に対する言葉は、情熱で溢れている。叱咤めいてでも其処に興奮があるのは隠せない。隠さない。
彼はこのまま此方の絶頂を狙っているのだろう。熱源から溢れる白を欲しがる様に、大きく息を吐いた。先ほどは突然の行為に戸惑ってしまったが少しずつ快感を味わう余裕がでてきた。そして、この湯につかっていると、不思議な気持ちになることも。

此方が先に果てた結果
恋人を満足させられないなんて、それこそ
之から伴侶になる身としては失格もいいところだろう。だが
此処で応えないことこそが恥であろう。]



 っ、本当、雌だな
 ――雌の狼だ。


[番を変えない狼の。
何時もはきちんとセットされている髪はもうすっかり崩れ、幼く見えた。その背徳感を隠すように髪を掻き、耳にとかけてそれから両手で彼の頭部を持てば、そのまま、先端を咥え直した彼の頭を逸物の根本まで引き寄せた。じゅぼっといやらしい音が、口から聞こえる。

精液を求める姿はマーキングを好む獣のようで
その獣の番らしく、自分もまた

欲望に忠実だった]


 ……はっ …


[裏筋や割れ目など
彼は自分の良いところを知っている。それと同時に自分もまた彼の咥内のいいところを知っていた。唇の奥、舌腹を先ほど愛されたばかりの裏筋でこすり。頬肉を突き、喉奥へと先端を向かわせる。潤った喉を濡らす先走りは、彼の口を道具めかせて、彩らせ]

[覚悟しておけ、と不穏な言葉は彼に届くか。
彼が望むままに絶頂のときを駆け上がるのを感じれば
先ほど、彼が暖めた玉袋で顎を打ち。]


 次の問題っだ

    ―――これは、なんだっ


[彼が今から口で受け止めるものは。
彼の好きなちんぽから出る。それは何かそう問いかけながら、彼の咥内へ。そしてわざと腰を引けば、先端から溢れるものを彼の顔にもぶっかければ、視界を封じられた彼にも熱いものに染まる顔が分かっただろう。

――そして、それで終わらぬ熱も*]

[奉仕の最中に髪を撫でられ、彼が嫌がっていないことがわかりほっとする。
彼の顔が見えないから、彼の様子は態度から推測するしかないから。
彼は自分を拒絶することなく、むしろ楽しんでいる様子だ。

ここにきてもう三度目になるはずの吐精。さすがにこれで打ち止めになるだろうと過去の経験を元に推測して彼に仕掛けている。
両手で頭を持たれて、奥へと強引めに喉を突かれて。
苦しいのに気持ちいい。苦しいからこそキモチイイ。吐きそうになるのと酸欠になりそうなのを乗り越えて、彼を受け入れる。
お互いが戦うように相手の感度を高めていれば、言葉という手段を持っている彼の方が有利でずるいことに後で気づいた]



 (狼の姿―――?)



[狼の姿を抱くと言われて、思わずむせそうになった。
彼に完全な狼の姿を見せたことはなかったはずだ。
そして、その姿で彼に抱かれることを考え、即座にダメだ、と内心で否定する。
躰が一回り小さくなるのに、それでアレを躰の中に入れるのなんて死ぬ。
なんとしても回避せねばと思っていたが、彼が果てたのは次の瞬間だった。

口の中に放たれたそれを舌の上で転がすようにして。口を開いて彼に見せる。
大分薄くなっているようだけれど、でも、そのべたついて、ぬるついたものが舌に絡む感触を楽しんで。

ああ、彼の匂いだ。
顔に、髪に、浴びせられたそれを。
うっとりとしてしまっている顔を、彼にさらけ出しているかもしれないけれど、恍惚の表情を隠せない]


 夜長の精液だ―――。


[こくん、と飲んで、頬にかかったものを手さぐりで探して指先でぬぐい、唇にいれるのを繰り返す。
そして、その際に至近距離にまだあった彼の熱にうっかりと手を触れてしまった]



 え………。



[その熱にも固さにも驚く。
目隠しされたままの帯の下の顔から血の気が引いていった。

ちょっと待て。まだできるのか!?

もしかして今までに最高三回で終わらせてくれていたのは、セーブしてくれていたからなのか?とどこか恐怖に近いものを感じてしまう。
それなら余裕で自分の愛撫に応えていたのも当然だろうし。

本気出されたら、抱きつぶされる―――?

身の危険を感じて、自分から下の口からのご褒美をと強請っていたくせに、浴衣の前をかき合わせ、逃げるようにずりずりと風呂の端まで後ずさりをした*]
 

[彼の全てを愛したい。
温泉の効果か、興奮はいつもに増してあり。
昂る熱は彼の体内を暴きたがった。そしてそれは普段隠していた感情すらも露わにする。獣の姿の彼を見た事がない事が心に残っていた。そしてその姿を抱いたことがないのも。――彼が否定したと知らず、何せ声を紡ぐはずの唇は逸物を咥えていたのだから、言ったからな。と笑い。

彼の口淫によって果てた。]


 …エロイな。


[いやらしい口だ。と
口の中に放たれたそれを舌の上で転がすようにして、口を開き見せるのは戦利品を誇るよう。大分量は減ったが不思議と高揚はみちていた。顔に、髪にと白をかぶり、うっとりとしている彼は目を隠したまま。
その蕩ける瞳が見えないのは残念だが、
見えない分、いやらしく]



 …精液か、
 さっきはおちんぽみるくって言ってなかったか?
 まあ、いいが。ん?


[声を発した訳ではないけれど
口を動かして、求めた名称を聞きながら、頬にかかったものを手探りで飲む姿に興奮を覚えていれば、彼の手が逸物に触れた。なんのことはない、興奮したままのそれは、彼に触れられれば固さを主張し、ご褒美をあげたいと滾っていたが]


 …鬼走?


[彼が逃げた。
そう理解するのに時間はかからなかった。浴衣の前をかき合わせ、風呂の端まで後ずさる彼を見れば、ぱちぱちと瞬き。それから手を伸ばした。ばしゃっと湯が揺れる音がする。視界を封じられた彼には何がおこっているか分からないだろう。目隠しを外せばいいのに、と思うが。
敢えてそれは指摘せず。

距離を縮めれば
彼が湯舟から上がる前に浴衣の裾を捉え
此方へ引き寄せ、際と身体で押さえつけよう]


 ――逃げるなよ。

[尖った熱源が彼に触れる。
手が彼の太腿に触れて、大きく開かせた。ばしゃんと一際大きい音が鳴ると同時に彼の中、先ほどから強請っていたご褒美を、彼の下の口へねじ込もう。愛されなれた其処へと一気下から上へと突き上げて。

そのまま腰を振りはじめ]


 お前のっ 欲しがっていたご褒美だろ?
  お前の好きな、
ちんぽだ。



[妙な高揚感があった。
先ほどまで優位に立っていたはずの彼が怯えているのが可愛い。怯えているのに逃げ切らないのも、何処か誘ってみえるのも、愛おしく。その全てを蹂躙したいと気持ちが逸った。何処か暴力的な感情が眼を開く。彼の腰を揺さぶり、足を湯舟へとあげ、見えないとは言え恥ずかしい恰好で彼を抱いた。

逸物で突き、引くたびに彼の中に湯が入りこみ。
水流の助けで奥を苛んだ。]


 それとも
   お仕置きの方がよかったか?


[ああ、酷くしたい。
色っぽい彼をぐちゃぐちゃに抱きつぶしたい。湯舟で一度抱けば次は布団で彼を抱こう。重力の少ない湯の中での性交は動きやすいが、制限も多い。布団の中で体中を可愛がり、啼かせたい。そして、何もかも分からなくなるほどに落としたい。抱きつぶれた後すら抱いていたい。
凶悪なまでの思考に支配され。

熱源は、彼の最奥を、いいところを抉るように突いた*]

 ひぃっ



[目隠しを外すことも忘れて逃走本能に任せて逃げるを優先させたら、あっさりと追いつかれた。
そして目隠しをしたままだからこそ、妄想が激しくなるという悪循環もあって。
躰で押さえこまれて、耳元で逃げるな、と囁かれてはまるで、鬼に捕らえられた人の気分になった。
きっと悪い顔をしているのだろう。
たまに彼はひどく意地悪になるから。それを想像するだけで、ぞくぞくっと彼に調教された躰が反応してしまう。
追い詰められて、ひどくされるのが好きな躰の奥が悦びの声をあげている。

怯えで縮こまったから躰も、縮みあがった急所も彼は無遠慮なまでの傲慢さで触れてくる。
同じように閉じていた蜜口なのに、彼が先端をねじ込ませた瞬間に、当たり前のように主を迎えるかのように緩ませるのが恨めしい。
奥まで太い熱杭が入り込む感触。
怯えて冷え固まった躰に強引に熱いものを打ち込まれて、溶かされて痺れるほど感じた。
頭が真っ白になったが、その余韻を味わう前に彼は腰を振り出していて]


 あんっ、あんっ……あんっ、!!あん………っ


[ばしゃっばしゃっと、リズミカルに中を押し上げられる。
足を大きく開かされ、外で男に犯されている状況で喘ぎ声が止まらない。
しかし声が漏れているとか、誰かに嬌声を聞かれるとか、そんな理性は容易に吹っ飛んでしまって。
彼の精液の匂いがする口から、飲みくださいきれない唾液が漏れる]


 
 やぁ……ッ
 おちん……ちん、痛い……っ


[ゆらゆらと水流がぶつかり揺らされる屹立が痛い。
でも、それが彼から受けているお仕置きのようで。
ご褒美でも、お仕置きでも、彼にもらうものはなんでも嬉しいと思ってしまう。
特別な効果のある湯の中で、どんどんと淫靡になっている自分に気づけてなかった。
どこかとろみのある湯のおかげで、彼の屹立が入り込んで、じゅぼじゅぼと受け入れやすくなっているのも気づけずに、あんあん啼かされていた]


 あぁ……っ
 ちんぽ、好きぃ……っ
 夜長の……っ♡


[気持ちいぃ、と一啼きした時に突かれた最奥。
まるで遠吠えのような悲鳴に近い嬌声をあげて、ばしゃりと、湯の中に躰を落ちかけて。
びくびく、と躰を震わせ、まるで痙攣しているようにだらしなく彼の腕におさまって。躰に力が入らなくて、くたり、とされるがままになっていた。

しかし夜長に抱き寄せられたら、もう気持ちいいの、やぁ、こわい、と子供のようにふるふると顔を横に振っただろうか*]

[彼の悲鳴が可愛らしい。
怯えて縮こまるのに身体は色欲を反応に乗せる。はっと息を吐いて、彼を檻に閉じ込めるように抱いた。蜜壺のごとき、下の口は此方を歓迎してくれる。心の底からの拒絶がないのをいい事にその体を食らった。響く声は雪に吸われていく。外であるという意識すらないのだろう。

其れを指摘しても耳に届いているかどうか。
声を漏らす唇は唾液を溢れさせている。
其れを拭う唇は自らの精液の味に、軽く眉を潜めるが]


 ――痛いのがいいんだろ?…っ
 
な?



[彼の逸物が揺れるたびに
媚肉は締まる。此処までくればもう分かっていた。いや、今までも薄々感じていたが、彼の被虐性は中々のものだと。彼を決してモノ扱いしたい訳ではない。彼もそういった扱いは望んでいないだろう。だが、例えばこの白く綺麗な首に――青い、首輪を嵌めたらどうなるか。

悪い事を試したくなる。
あんあんと啼く、彼が落ちる声ととも
最奥を貫けば彼の果てが見えた]


 はっ く 

   …好きか、そうか


[湯の中に落ちる彼を抱けば、深く彼の身体を刺した熱が溢れだす。中に吐き出された白とともに、くたりとされるがままの彼を撫でるように肉棒は動き。髪を掬うように撫でて、やぁこわいと鳴く子の額にちゅっとキスをすれば、ゆっくりと身体から熱源を抜こう。

ドロッとした白が流れ出る。
温泉に浮かぶ其れをみて掃除を考えるが
まずは淫靡に育った彼を抱きあげて、風呂から出よう]


 怖くないさ、…大丈夫。


[そうして、両手で抱き上げた彼にちゅちゅとキスをしながら
あやし、片手で部屋の扉を開けて戻れば、おや。と気づいた。風呂場で睦み合っている間に食事の用意をしてくれていたらしい。おつくりや前菜が机の上に置かれており、鍋の準備もされていた。火をつけるものや暖かなものは、まだないところを見ると連絡するべきだろうが。

まずは、と用意された布団の上に彼を乗せ]



  鬼走、口を開けて


[くたりとしたままの彼の唇に水を含ませた唇を押し付け。
水分を取らせよう。という試みだ。その間にも此方の熱は元気を取り戻しており、布団の上ながら濡れた浴衣をゆっくりと外し落とし、漸くと彼の目隠しを取って光に慣れぬ瞳の様子を伺うように覗き込み
その頬を撫であげて、安心させるように声を落とし]


 …大丈夫。
 ―――気持ちいいの、好きだろ?


[そう告げればうつ伏せになった彼の後ろ
乱れた花に逸物を挿入して、また腰を振り始めよう。後ろからの行為を自分はあまり好まない。彼の顔が見れないからだ。けれど、今の状態の彼にはこれがいい思った。ほら、大好きなちんぽだ。と耳元で囁き、軽く髪を引っ張りながら、緩やかにだが確実に後ろから腰を振ろう。

其れは獣の交尾めいて、
白い首筋に、唇を寄せれば、先ほど考えた
ほの暗い企みを持って噛みついた*]

[いつも以上に意地悪で、それが心地よくて嬉しい自分がいる。
痛いのが気持ちいいのが彼にばれていて、それを許容されているのも嬉しくて。
終わった後に全力で甘やかしてくれるその落差もたまらない。
彼が本当に自分のことを“わかっている”と思わされてこそばゆいのだ。
彼の逸物が抜かれると、その拍子に、こぽりと愛された証が外にあふれ出てしまうのを感じた。
そのまま抱き上げられ、しかし、せっかく風呂にいるのに後始末をされないのを不思議に思っていたが、冷たい外気に触れればそれも忘れて。

情交と湯で温まりきった躰に外の空気は心地よい。
彼が部屋へと続く扉を開けた時、先ほどにはなかった食べ物匂いがした
くん、と香りを嗅ぐとどうやら旅館で振舞われる夕餉のようで。
扉の向こうでの出来事に、宿の人は気づいていたのだろうかと思うと、今さら空恐ろしくなってしまうが。
先ほど交わった名残りとか残ってなかっただろうかと、記憶をフル回転させてしまった。


そのまま布団の上だろうか、柔らかい場所に躰を下ろされる。
躰を動かすのもおっくうなところに、彼から口移しで水が与えられる。
まるで親鳥が雛に餌を与えるような仕草だとは思いつつ、甘えてそれを受け入れるのも何かのプレイみたいだ。
今だ目隠しは取られてないから、自分で何もできないからというのもあって。
それからおもむろに、濡れた浴衣を脱がされるが、暖かい室内だからこそ素裸で容易に肌が渇いていき、ようやく目から目隠しが外された。


―――眩しい。

思わず目を隠そうとするが、彼が顔を覗き込んできて頬に触れてくる。
疲れた躰がようやく休めるとうつ伏せになって、躰を丸めて布団に潜り込もうかと………油断した]

 はぁああんっ!



[彼に囁かれたこととを、蕩けて疲れた頭は理解していなかった。
まるで躰を刺されたかのように侵入されて、驚きと濡れたままの中を押し開かれて、鼻にかかった声を上げてしまう。
このために、中の始末をしなかったのか!と合点がいってしまったが、後の祭り。
背筋をそらして、思わず彼を受け入れる姿勢を取ってしまうのは本能だ。

彼はあまり後ろからすることをしてくれなくて。
どちらかというと自分が誘う時に後ろから抱いてもらうことの方が多いような気がする。
だからこそ、後ろから抱かれると、まるで自分がおねだりしていなくても、自分が望んで抱かれているような気になってしまう]


 どう……して…っ
 あ、やぁ……そんなぁ……っ あんっ……っ もう……っ


[疑問符を口にすることも許されず、喘ぎの海に落とされる。
彼は確かにさっき達していたはずだ。
なのにもう復活していて、肉の刀を隠し持っているなんて。
どれくらい絶倫なんだよっ!!と抗議を申し入れたい。これはもう騙し討ちだ。

しかし、すぐに頬を紅潮させ蕩けた表情を見せる自分では説得力がないだろう。
彼のおちんぽのことしか考えられなくなっていく。
彼の囁きに、頷くしかできなくて。否定できなくて、彼に育てられた右乳首がじんじんと刺激を欲している。
彼の太いものに中を擦られているのが気持ちよくて、腹の奥がしびれて孕んでしまいそうな錯覚を覚え。

首に噛みつかれじん、と広がる痛みに、息が止まるほど感じてしまう。

ひくん、と一瞬、自分のナニが反応した。

―――しかしそれだけで]

 あ………あぁ………っ



[放つことなく達してしまった。
びくびくとうねる蜜壺は、彼をぎりぎりと強く締め付ける。
長い絶頂。口を開け放して躰を震わせるそれは雌のイキ方だ。
先ほどからずっと達するのが止まらない。
ぽたぽたと落ちる透明な潮が寝具に垂れていて。
ダメだ、と思うのに、腰が抜けてしまっている。
いつも以上に容赦ない彼に、ヘロヘロになっているのに、躰の疲れと反対に心が高揚して興奮して喜びが止まらない自分をどうにかしてほしい。

躰の主導権を取り戻すまでにどれくらいかかっただろうか。

真っ先にしたことは彼に苦情を申し立てることだったけれど]

 ……っ俺は、猫じゃないぞ……っ


  ………あ。


[首に噛みつくなんて猫の性交かと恥ずかし紛れに怒ったふりをしようとしたが、彼の告白を受け入れた時に自分が言った言葉を思いだしてしまった。

自分が猫だったら腹を触ってくるというような話をしていて、猫のように遠慮なく触れていいからという理由でお前の猫にしろとお願いをしたことがあって。
あれを逆手にとっての行為なら、彼のしたことは間違いでもないし、それで感じてイってしまった自分はもっと恥の上塗りだ。
慌てて咳払いをして、顔を背け]

 もう、こんなところに痕つけて………っ
 見られちゃうだろ……。



[どうしてくれるんだ、とひりつく箇所を撫でて、きまり悪さをごまかした*]

[雛鳥のように水を食する彼は可愛らしい。
甘えて其れを受け入れる姿は、籠の鳥のようでこのまま閉じ込めておきたくなった。最もそんな事できるはずもないのだが、隠されたままの目は何処か倒錯的な雰囲気を漂わせていた。このままもう一度と思うが、まずは風邪をひかぬように濡れた浴衣を脱がせ、目を覆う帯を解いた。彼の瞳を見るのは久しぶりのような気もする。

このまま彼を休ませるのもよかったかもしれない。
けれど、昂った熱は収まりどころを知らず、猫のように丸まる彼を背後から襲い、穿った。室内に甘い声が響き渡る。それは絶叫めいてだが、確実に快楽を拾う声だ。抱かれ慣れた身体がそり、曲線を描く。美しい其れは此方を歓迎する雌の仕草だった。]


 …はっ、どうして?

  ――好きだろ。


[抗議めいた声は嬌声に紛れ
抗議にもならない。頬を紅潮させて、喘ぐ彼の中は酷く蠢き、此方を歓迎する。坩堝めいた雌穴に絞り取られる感覚すら浮かべながら腰を振った。背後からだから、彼の胸が刺激を欲しているのには気づかない。いや、気づかないふりをした。臀部で受け止める快感だけで達してほしくて。

彼の中を、それこそ、自分で満たしたくて
ああけど噛みつきたい。]


 …っ、すご … ん


[びくびくとうねりを上げるそれは
彼が絶頂を迎えた証拠だ。だが、彼の雄は白を吐き出さず、代わり中で雌イキをしたのだと直に筒道が伝えて雄を搾りだす。此方の精液を求める動きに、ぐっとくもぐった声が溢れ、彼の中に孕みの種をまいた。

はぁ、はぁと肩で息すれば、うつ伏せになった彼を見降ろし
唇は弧を描いた。これも温泉の効果だろうか。
疲労は思った以上に少なく

アドレナリンが止まらない
彼の正気が戻るのを待ちてそれから抗議を聞けば]


 …猫?猫にしてくれと言ったのは誰だ?
 それに感じていただろ。
 なあ、鬼走。

  お前、酷くされるの好きか?


[咳払いをして顔を背ける。
そんな元気がある事にほくそ笑み。ひりつく箇所を撫でる彼から逸物を抜けば、そのまま抱き上げよう。後ろから抱きしめる形にすれば、くっきりと噛んだ痕が見えて、くすっと笑い。それから癒すように其処を嘗めた。びちゃびちゃといやらしい音を鳴らして]

[野外はそれで大丈夫だとして
室内はどうするんだと抗議を受けそうだが、でも嫌いじゃないだろ。と甘えるように頬を摺り寄せ、そのまま彼の身体を抱き込んでいると丁度、客室内の電話が鳴り響いたか。ああ、料理の事でかな。と思いつつも手を伸ばせば届く距離だったのでそのまま片手で彼を抱きしめたまま

受話器を取れば]


 ああ、はい。
 …それなら、客室の外に


[案の定、食事についての電話であり
もしよければ、客室の外に暖かな料理と火をつける為のマッチを置いておきましょうかという親切な申し出だった。ばれているな。とちらり彼の様子を伺えば、相槌を打ち、そのまま先ほど敢えて触れなかった胸の粒をきゅっと摘まみ。彼の腰に熱を押し付けよう。

――ああ、うん。収まらなかったんだ。

仲居さんが食事の用意を客室の外に置いてくれるのなら
其れを運び、彼を愛でながら、食事を食べさせよう。
もちろん、朝まで彼を離す気がないから、膝の上で食べてもらう事になるが二人っきりなのだ。何も気にする必要はない。電話の受け答えをしながら、彼を愛撫する手は止まらず。
受話器を置くその瞬間に]


 ええ、ありがとうございます。


[きゅっと強く胸粒を引っ張った*]


もう慣れすぎた躰からは、彼の逸物が抜かれることが淋しくて、出ていく瞬間にきゅっと無意識に締め付けてしまう。
そうしたらなおさら喪失感に苛まれてしまって、彼と繋がっている方が自然になってしまった躰に怖くなってしまった]


 んぅ……っ なに?


[後ろから抱きしめられて噛み跡を舐められてしまっては、くすぐったくて体をよじる。

クリスマスにもらったプレゼントで、つけられた傷を隠せと言われ頭が痛くなる。
ぶつぶつ文句を言おうとすれば、懐柔するかのように抱きしめられて、それで何も言えなくなる自分は彼を甘やかしすぎていると思うが。
いい加減服を着ないと、と服をどうしようかと考えていたら、室内の電話が鳴り出した。

電話に近かった夜長が出て応対しているのを傍らで聞いていれば、食事の事についてだったようで。

その間に室内を見渡し、先ほどと微妙に位置が違う布団と、そして新しい就寝用の二人分の浴衣がきちんと畳んでおかれているのに気づいた。

―――絶対仲居さんに色々ばれてる……っ気づかれているっ!!と顔を覆って呻いたが後の祭りで。

そういえばお腹が空いたな、とセッティングされている食事に目を奪われていたら、こちらに注意しろとでもいわんばかりの夜長に先ほどから放置されてばかりの胸の粒をいじられて、ひうっと高い声を上げてしまった。

こら!と目で叱ろうとすれば、押し付けられた何か。いや、ナニか。
それの正体に気づき、ぎょっとしてから青ざめる。
え、ちょっと待って、と顔が引きつらせてしまったのは、当たり前だっただろう。

電話機を置いた彼から、温かな料理とマッチが廊下に置いてもらうことを聞き出すと、慌てて替えの浴衣に袖を通し料理を中に運び、旅行のだいご味の二人きりの食事を楽しもうか]


 ほら、夜長……あーん。



[彼の口元に、茶わん蒸しを掬った匙を寄せている。つやつやした銀杏の鶯色が美しい。
自分で自分の料理を食べればいいのだが、彼が膝の上に自分を置いて離さないのだから、こんな食べ方になってしまう。

自分は彼に食べさせているが、彼は自分に食べさせてくれる。
食事の合間に、口づけを交わすのか、口づけの合間に食事をするのかわからない。
揚げ物も膾もおつゆも、何もかもが美味しくて、なのに食べきれそうにもない。
それは量が多いというより―――確かに量自体も多いのだが、そうではなくて]

 夜長ぁ………っ もうお腹、いっぱい……だからぁ……♡

 こっちの方にも、ちょーらぃ……っ



[ずっぽりと夜長の屹立を菊門に咥えこみ、躰をよじり腰を自ら揺らしておねだりをする。
震える手で皿を置き、我慢しきれなくなって彼の首元に縋りついて、彼の膝の上に足をついて、自ら上下に動きだした。
びしゃびしゃになった雄の先端部からはまたいやらしい液がにじんで、彼の腹を汚すだろうか。

理性を飛ばして本能だけの雌になって。
確かにそれは彼によって蕩かされた後では珍しくないことではあるが、あれは異常だったと思い返して羞恥にどんよりとするのは、帰ってからのこと。

旅の恥は搔き捨てというけれど、同行者は掻き捨ててくれないことを痛感してからであった*]

[恥じらうならやらなければいいのに。
なんて浮かんだ意地悪な言葉は飲み込んでおく。

驚いただけで嫌だったわけでもない。
彼女と目を合わせた女性の気持ちを
少しだけ垣間見た気分にはなったが。]


 ……普段の服装のせいもあるかもしれないな。
 きみにとってはただの制服のようなものかもしれないが。

 
[本当にそう考えていたのかそれを言い訳にしていたのか
自分でも今となってはもうよくわからない。
けれどわたしが触れなければ清らかななままだったきみの体を
すこし男に慣れさせる行為に背徳を感じていたのは事実だ。

それに後ろめたさを覚えるどころかむしろ
……その先は黙っておこう。]


 ……いいや?
 例え道理や神の教えに背こうとも今日は
 もう止める気はないな。

 きみもいい加減、それを求めてくれているだろう?

[断定に近い問いかけの返事は
求められる口付けで事足りる。

粘膜で触れる口付けのやり方も
口づけの合間の息継ぎの仕方も
口の中で感じる感覚すら
わたしで覚えたんだよなぁと思えば
「純潔を散らす」なんて表現は今更な気もした。

誘うような甘い声の音も
快楽に蕩ける瞳の色も
神聖な清らかさには程遠い。

子供たちの輪の中で、
太陽の光を浴びて微笑む無垢な少女に
わるいことを、おしえているような
背徳感だけは何時までも付き纏って

……躊躇いよりも、仄暗い興奮を覚えるなんて。
きみには言えるはずもない。]

[肥ったという意味でなく。
肉付きが良くなったと感じるのは欲目だろうか。
最初に此処に挟ませた時よりも柔らかく感じる腿を
確かめるつもりで執拗に撫で回していたら
随分と紳士的な問い掛けが投げられた。

そうだね、無遠慮に撫で回す前にそれは必要な言葉だった。
女性の肉体を持ったイケメンを地で行く彼女に
ちょっと感動すると同時
変にときめきそうになる心臓を宥める]


 ああ、もちろん。
 触れてくれ、どこへなりと。


[安心できる場所を探るみたいな
随分と幼けないく感じる触れ方に
わざわざ前置きをして一体どこに触れてくれる気か
少し期待した自分の浅ましさがぐさりと刺さるが
無視して触れる手のひらに上から手のひらを重ねた]



 なんだか、恥ずかしいね。
 伝わるだろう。

 
……こうふんしているのが。わかるかい?



[少し早い鼓動の振動が彼女の手のひら越しに
自分でも感じ取れる気がする。
その理由を教えるように潜めた声で囁いて
まるできみがそれを確認しようとしたかのように
言い聞かせて、すりかえる。

すっかりはだけはじめた袷を広げるように
彼女の同じ場所に手のひらで触れれば
柔らかな肉に無骨な指が僅かに沈む。

きみの心音も少し早い気がするのは、
興奮よりは緊張だろうか。
何時もなら落ち着くまで呑気に待ってしまうけれど
今日は構わず滑らせた手のひらが
柔らかな膨らみをすっぽりと包み込んだ。]

[どこにどう触れればきみが反応するか
もうすっかり覚えてしまった掌に迷いはなく
焦らしもせずにきみの息を乱すことばかり考えて
息苦しさに喘ぐ吐息を貪るみたいに何度も唇で塞ぐ。

肌が掌に吸い付くような気がするのは
手のひらが汗ばんでいるせいかあるいは君の肌のせいか。
あるいは体中に降らせた口づけのせいかもしれない。
心地よくて何時までも触っていたいが
今日は朝までそうしているわけにも行かない。

帯を解いていないせいで引っかかったまま
乱れきった濃い色の浴衣が
ぼんやりとした明かりの下白い肌を浮き上がらせて
ひどくいやらしい装いに見えおかしな高揚感を得る。

脚を広かせたせいで晒された下着の布地だけが
彼女の肌を隠す最後の一枚みたいに張り付いているのは
その上から隠れた場所を随分としつこく虐めたせいだろう。

臀部と脚の境目の感触を楽しんでいた指先が
肌と薄い布地の間に滑り込んで
軽く引っ張るようにして喰い込ませた 
完全に楽しんでいる顔をして目を細める笑顔は
「王子様」には程遠い、わるい顔をしていた]



 ぬがせて、いいね?


[いいか、問うのではなく、いいと言えと
命じるような強引さで尋ねて、返事を乞う。
YES以外有り得ないところまで許されて
何をいまさらと自分でも思わないでもないが
聞きたい欲求に素直に従った。

貞操帯でもなんでもない、薄っぺらな布だ。
軽く引っ張っただけで無防備に隠れた場所を晒すし
ずらしてしまえば指以上の侵入も容易く許す。
なんならこの下に隠された肌に触れるのだって
べつに初めてのことではないし。

今だって薄布越しに柔らかな肉の割れ目に
無骨な指を浅く押し込んでは
執拗に可愛がってやった後だというのに、本当に今更だ。

けれど、今日はもう、途中ではやめないと告げたから。
この先を、きみにも、求められたくて。*]



 ん?マゾヒストなのかなって


[何と問いかけられたら敢えてしれっとそう答えた。
何をされても喜ぶ身体なのだと言えないのだと答えられないと気づかずにくすぐったいと身を捩る彼の首筋を丹寧に舐めよう。暫くは痕が残りそうだとほくそ笑んだのち、掛かってきた電話に出た。傍らには彼をおいたまま、どうやら彼の方も色々ばれている事に気づいたようだが、後の祭りだしここから先は開き直ってもいいのではないか。と此方は考えていた。

少し前から開き直っていないか。と指摘されればその通りだ。と頷くが電話で食事について話し合いながら彼の胸粒に触れれば、抗議の視線が此方にと向かう。今度テレホンセックスだったか。それを試すのもいいかもしれない。もっとも直に触れるのが一番だが。

顔を青ざめさせた姿に、んと首傾げ。
熱は冷めず、それを彼に押し付けたものの
其れに怯える姿は見えても、気にしなかったのは確信犯]

[浴衣に着替え、二人っきりの食事を楽しむ時間は良いものだ。
彼を離したくないと膝の上にのせたままを許されているのも、含めて幸せな時間を過ごしている。その上、彼は此方へと匙を向け、食べさせようとしてくれるのもまた嬉しかった。口を開きて]


 ……ああ、ん
 鬼走も、ほらあーん。


[美味しいな。と銀杏を噛み。
彼の方にも、と茶碗蒸しを掬い、唇にと寄せた。そして、彼がそれを口に含めば口づけを交わし、甘く笑っただろう。鍋の火によって更に室内は暖められている。けれどそれだけではない、熱がこもっていた。先ほどの怯えが嘘のように彼は発情している。嗚呼、可愛くて堪らない。ふにゃふにゃになった身体を抱き寄せて、瞳を覗き見る。

まだ料理は残っているのに]



 …はっ、


[彼のオネダリに声が笑う。
菊門に雄を咥え込み、腰を振る姿は発情をもはや隠していない。我慢できずに上下へと動き出す彼の臀部を撫でれば、軽く一叩きしてはしたなさを窘めよう。もっとも彼の中で熱持つ逸物が興奮を伝えるから、それはただのエッセンスだと彼も気づくだろう。]


 お残しなんていけないな。


[理性を飛ばし、本能だけになった雌を舐るように
軽く腰を支えて、彼のいやらしい腰振りを楽しもう。焦らすように動かず、ほらと口を開けさせて彼の唇の中に残った天ぷらを入れれば、そのまま箸先で彼の胸粒を摘みあげよう。此処の実も美味しそうだと囁き。彼がそれに鳴いたら奥を押すように、腰を動かし。びちゃびちゃに濡れた腹で逸物を押して]



 …おもらししすぎだろ?
 ――エッチなお汁ばかり出して

  大きな 
クリトリスだな。



[箸を置けば、熱源を掴み。
そう告げてそのまま机の横に彼を押し倒そう。上で舞う彼を見るのも好きだが、こうして向かい合い、抱き合うのも好きだ。それにこれなら彼を沢山啼かせることができ、啼いている顔が見れる。髪を掻きあげさせ、腰を振れば、すっかり雌穴になった其処の良いところを突いてついて。

羞恥すら忘れた彼の身体を存分に味わった。
仲居さんが片付けにくる頃には
彼は布団の中、息も絶え絶えで気を失いかけていたかもしれない

―――片付けが終わった後、水を飲ませ
浴衣を取っ払い、また耽けて]


 全部食べるだろ
 …抱きつぶすから、覚悟しろな?


[好きだろ。と甘く囁く声は
啼く声に届いたかどうか。濃厚な温泉宿での一晩は、忘れられない一生の思い出となった。帰宅後、どんよりとした彼の身体をマッサージしたり、抱きしめたりとかいがいしくも世話を焼く顔は生き生きとしていて、温泉の効果を彼に見せつけただろうか。]

 こわいゆめみたの
 いっしょにねて

[ そうじゃなくたって、潜り込むくせに。
 わたしはいいわけをしては、
 兄の布団に転がり込んでた。 ]

 おばけがきたら
 こわいから

[ ただただ、一緒に寝たいと
 そう口にすることも時々はあったかな。 ]

 
[特別に想う相手に注ぐのは、格別だった。

 余韻に浸る間にも
 しっかりと味を確かめながら
 精を飲み下していく様子が目に入り、

 吐息がさらに
く溶ける。]



   はぁ…… やはり、

   お前が良い。
   お前でなければ駄目だ。



おしむように頭を撫で
 もう片方の手で、耳の輪郭を辿りながら
 告げた。

 染み入るような声で。]
 

 
[たしかに、セーマには
 余に心酔し切っている者たちも居る。

 だが、彼らは理想を重ねているだけで
 その枠組から外れた瞬間、
 裏切られたと言って
 狂ったように批判し食って掛かってくる。
 歯止めが効かぬ分、厄介だ。

 だから、
 重要な仕事は任せぬし
 余の傍に侍らせたりもしない。


 欲の為に働く者は、
 適切な報酬や恩恵を与えることで
 WinーWinの関係を築ける。

 余に味方した方が利の大きい現状では
 叛逆を考える者もおらぬが、
 それも、利あっての話。
 血の効能が尽きれば、
 簡単に崩れてしまうものだ。]

 

 
[”疎まれている者、
 不当な扱いを受けている者たちの
 安住の地を作り上げよう”

 掲げた理念。


 何より欲していたのは自分だ。

 だが、組織が軌道に乗り
 腰を落ち着けられる土地が出来たというのに
 一向に心は休まらなかった。]

 

 
[そんな折だ。
 ふたりを見出したのは。

 互いに寄り添い、
 支え合って
 必死に生きる子どもたち。

 他人はおろか
 血の繋がりすら信じられぬ自分には
 不思議で、奇異で、実に興味深い生き物だった。


 特に、兄。

 身勝手な輩の唱える基準
 ”正義”などというものに合わせ
 妹のために、と
 生まれ持った資質を殺して生きていた。]

 

 
[彼を雁字搦めにしている”常識”から
 解き放ってやったら
 どんな姿を魅せてくれるだろう。

 素晴らしい能力を花開かせ
 今とは違う生き方を謳歌するだろうか?
 それとも────?

 見たかった。知りたかった。


 だから、策を講じ
 スグテガデール星人を嗾けて
 彼らを蔑ろにした大人ごと星を始末させ

 その渦中、
 助けるフリをして
 ふたりを手元に連れ帰った。]

 

 


   貴公らは自由だ。
   此処で好きなように生きれば良い。



[衣食住を与え、
 余の庇護を公言の元、
 セーマの同志たちとも交流させた。

 彼を縛りつける正義も無ければ
 蔑ろにする者も居ない。

 抑圧し続けていた頑な心を解きほぐし
 本来の自分へ戻すには、
 絶好の環境だ。

 蛹が蝶へ羽化するように
 ジャックも華麗な変貌を遂げるだろうと予想して
 今か今かと愉しみに待っていた。]

 

 
[だが、予想は外れた。

 彼は何よりも
 ”妹”のことを優先し、
 此処を離れることを選んだ。]

 

 
[これが、余の
執着
に火を点けた。

 絆などというものは
 幻想の産物だと思っていたが
 ふたりの間には、どうやらあるらしい。


 今、思えば……妬ましかったのだ。]



   さっさと服を脱ぎ、全裸で四つ這いになれ。
   どうした、
   やりたくなければ、構わぬぞ?
   妹に替わりをさせるだけだ。



[こんな風に、彼女を盾に脅せば
 どんなことにも耐えたし、
 何でもやった。

 妹への揺るぎない想いを
 見せ付けられる度に
 欲しい、と
 何が何でも手に入れたい、と
 ジャックの全てを望むようになり。]

 

 
[余のものにしようと
 躍起になって調教を繰り返すうちに
 己の方が、ジャックに溺れ切ってしまった。

 寝ても覚めても、
って……

 これが、
 セーマが地球に攻め込まなくなった
 期間の真相だとは
 銀河警察も知らぬ事実。]

 

 
[だから、

 何故?の問いに
 答える必要を感じぬほど、
 周知の事実だと思い込んでいた。

 傍に置いておきたいと望むのは
 後にも先にも
 ジャック、お前ひとりきりだ、などということは。

 

 
[反対の足まで
 ぐじぐじと湿った感触に
 なってしまっていることに気づいても
 
い奴だと思ってしまうことが止められない。]



   また達ったのか?
   本当に淫乱な犬だな、お前は。

   どうせ、口だけでは物足りないんだろう?

   奥までずっぷりくれてやるから、
   壁に手をついて
   尻穴がよく見えるように高く掲げろ。



[半勃ち状態になっていた男根も
 あまりの可愛さに
 急速に勢いを取り戻し、
 早く突き立てさせろと喚く凶刀へと変化する。

 欲に掠れた声で命じると
 淫靡な色の宿った瞳で舐めるように見下ろした。]*
 

 ―とある青年のこれから―


[脱衣所の棚へと何種類も詰め込まれた入浴剤に、
 うんざりと詰め込んだ犯人を見上げる。]


 おまえ、これどうやって消費しやがれってんです。


[抗議の視線も何のその、
 気分で使い分けなよとへらりと笑われては、
 二の句は飲み込むことになった。

 いくつかは妹にもおすそ分けしよう。そうしよう。
 妹から送られてきた誕生日プレゼント
 すっぽり収まったまま、片足で犯人に蹴りをいれておく。
 そうして自分はリビングへと引き上げた。
 調子っぱずれの鼻歌が聞こえるあたり、奴の機嫌は上々だ]

[ほんの数時間の不思議な小旅行から帰ってきてからというもの、
 とりあえず変わったことといえば、
 まずはメッセージアプリのIDを伝えたこと、
 年に数度の特別なやりとりが、日常に馴染みつつあること、

 それから、]

 「じーんー、これとこれどっちつかっていいやつー?」

 ひだり。

 「こっちね」

 おれからみて左だ。

[はいはーい、とわかっているんだかわかっていないんだか、
 間延びした声を返して今度はキッチンに引っ込んだ、
 件のこの"友人"との関係性が、少し変わってきたこととか。]

[誕生日のメッセージはいつも日替わりギリギリに届く。
 ――毎年律儀に。
 なぜ迎えた直後でないのかと聞けば、
 それは妹ちゃんのもの、と殊勝な答えをよこしたので、
 いちいち祝わなくていい、なんて無粋はやめておいた。

 だから今年もメッセージを受信した直後に、
 初めてコールバックした。]

 『珍しいなァ、誕生日おめでと〜』

 どーも。
 温泉に行ってきたんですよ、この前。

 『へえ、いいじゃん。どこの?』

 遠いとこ。まぁそれはいいです、
 んでおまえ、前土産に入浴剤よこしかけたでしょう。

 『雑だな! うん、オマエがいらねーっていったやつね』

 あれまだあります?
 それと、こないだ言ってた果樹園に、
 今度妹来た時行きますよ。食事場所は任せました。
 未成年入れるところで。

[旅館に居た間に書き込んでいた脳内タスクを、
 これでもか、と一度に放出して、ふうと息をつく。
 戻ってきたのは、ふわふわとした笑い声だった。]



 『めっちゃ一気に言うじゃんオマエさァ』


[言葉ばかりは呆れたようなふりをして、
 声音には喜色が滲んでいた。
 思わず唇をもごつかせて、]


 ……まあ、十年分ぐらいありますし。

 『いーよいーよ、オレがちゃあんと準備しといてあげる』


[今度こそ閉口した。
 もしやと思うが、自分が妹に声をかけているときも、
 こんな声音なんだろうか。
 こんな、     
愛おしくてたまらない、というような、


 ――途端に恥ずかしいような面映いような、
   なんとも言えない感情が押し寄せて、スマホが軋む]



  ――それだけですんで、

[いたたまれなくなって、通話を強制終了した。]


[ソファの上で、毛布にくるまって縮こまる。
 思い出してはならないものを思い出した気がする。
 無心で最近置物を脱しつつあるテレビのスイッチを入れて、
 クリスマス特集!の音声で問答無用でチャンネルを変えた。

 ――世間はクリスマスだ。
 きっと、妹のところにも、"プレゼント"が届いたころだろう。]


 「楽しみだなァ妹ちゃんに会うの」

 おまえに会わせるために呼んだわけじゃねぇですけど。

 「えー会わせてくれるんじゃねぇの?」

 …………くれぐれも言動には気をつけるように。

[ココアを入れたマグを持って、隣に腰を下ろした顔を盗み見る。
 終始ご機嫌らしい横顔は、視線に気づくとうん?と首を傾ぐ。
 自分の分で両手を温めながら、ふいと視線を外した。

 ――あの電話以来、万事が万事この調子で、まるでぬるま湯だ]

[さてこの関係に、どういうラベルを貼るべきだろうか。
 年始まで滞在する妹とのエンカウントは避けられないわけで、
 どう紹介するべきか。
 浮かれたクソ野郎なので近づかないようにとでも言おうか。

 それとも、]


   ( ――ずっと、こいつが支えてくれてたから、
       だから辛くなったらいつでも帰っておいで、
       あの頃の自分じゃない、もう今なら、
       真里花の大事なものごと、支えてやれる――)


[――なんて、少しそれは、甘えすぎかもしれないけれど*]

[花は甘い蜜を湛えて蝶を誘う。
鳥は美しい声で鳴いて番いを求める。
そのどちらも持ってはおらず
求め方さえも知らなかった僕は、
君に何もかもを教えてもらった。

君を言葉で悪戯に煽るような真似をしながら
ただただ恥ずかしさを覚えるばかりで
虚勢を張るのに必死だった僕はもう居ない。
君がそうさせた。君が、僕を変えた。]


 ……うん。そうみたい、だね……?


[君の鼓動が普段より少し早いと感じられるのは
君が頻繁に抱きしめてくれて、
通常の速度を知っているからだ。

もっとこうふんして、と皆までは言わないが
誘導されるまでもなく
君の気持ちを知りたくて手を伸ばしたのだと、
指先で円を描いて鼓動に唇を寄せる。]

[自分がしたのと同様に胸元へと触れられれば
それだけで心臓がどきりと跳ねた。
恥ずかしさより今は触れていて欲しさが勝って、
手のひらをそっと君の手に重ねた。

君の手や唇は驚くほど正確に迷いなく
僕が強く反応する箇所を撫でて触れてくる。
決して偶然ではなく憶えてくれているのだと
気恥ずかしい喜びを感じてしまう心とは裏腹に、
執拗に与えられる快楽に呼吸は苦しくなって
零れる熱い吐息もうわ言のように君を呼ぶ甘い声も
ぜんぶ君の唇に攫われていく。

心地良さと焦れったさに潤む蕩けた瞳で見上げれば
楽しそうな、悪い男の顔で微笑む君がいた。


──ずっと前にも、
同じような色を宿して笑う
楽しげな笑顔を見た覚えがある。

君があまりにも僕に甘くて優しいものだから
あれは僕の見間違いだったのじゃないかと
ずっと思っていたけれど、
やっぱり見間違いではなかったらしい。]

[君のそういう顔も僕は堪らなくすきなんだよなぁ。
そう伝えたら、君に笑われてしまうだろうか。]


 ん……
 
ぬが、して。



[尋ねずとも答えなんかわかりきっているだろうに
恥じらわせることを楽しんでいるんじゃないだろうか。

その先を期待して君を誘い招き入れるように
早々に湿り気を帯びてしまっていた薄布は、
少しも早く取り払われることを望んでいる。
仕立ての良さそうな肌触りの良い
濃い色の浴衣は濡れたら色移りして、
高額なクリーニング代を請求されてしまいそうだなぁ
なんて妙に冷静な思考が一瞬だけ浮かんで飛んだ。]



 ……どこへなりと、触れてくれと
 さっきそう言ったね……?


[君の後を追うのは得意中の得意なんだ。
焦れているのは僕だけじゃない、君もなんだろう?

君も脱いでくれるんだよね。
そう確かめるように、
熱を持った膨らみを撫でるように掌を伸ばした。]*

── それから ──

[空の部屋の合鍵を受け取って。
だからと言って、勝手に部屋に上がるような事はしなかったけれど。何時でも部屋に入れるのは、くすぐったくて、心地良い。
貴方の部屋で過ごす時間も増えて。季節は巡って。
心の中に、想いは降り積もって。
その想いが、当たり前になった頃……]


ねえ、空。……
愛してる



[睦言ではない、何気ない瞬間に。
微笑んで、告げたなら。
私は溢れる思いのままに、そっと貴方にキスをした。
2人切りの、貴方の部屋で。**]

― 後日談 ―


[二人お揃いのリングを頼む店を選ぶのは、とても大変だった。

彼の指にも邪魔にならないような細いリングに割印になるように二人の名前を彫るのは相当な技術が必要で。
それなりにお高くなってしまったのだけれど構わない。

そしてこっそりと後日、店を訪れて追加のオーダーをしたことは、彼には言わない。

細い指輪にさらに文字を入れたのだから、さらにお値段が跳ね上がったのだが。
でも、それができる技術の店だったからこそ、そこにお願いをしたのだから。


完成して指輪を受け取り、そそくさと嵌めた後は、よほどの時でないと彼の前ですら指輪を外すことはしない。

外すとしたら、どちらかというと仕事に疲れた時や、彼がいない時だけだ。


そして今日も、仕事に疲れた目を休め、指輪を回して少し浮かせる。
その隙間に現れたものを見てほほ笑んだ。


追加で字を入れてもらったのは自分の方の指輪だけ。
表からはわからない裏側に、鏡字になるように文字を入れてもらったのだ。
疲れなどで少し手がむくんだ時に、指輪の内側が食い込んで手に刻印の跡が残る。


左の薬指に現れる、彼の名前。
それを見れば自分が彼のもののような気がして嬉しくて。
肌に浮かんだ彼の名前を見て。

ああ、早く彼に会いたい。

そう思い、もう少しがんばろうと思えるのだ。



彼は知らない、誰にも言わない、自分だけの秘密。

小さな小さな秘密*]

 


    ……っ


[耳に触れられる動きに合わせて
 ぴく、ぴく、と肩を揺らした。

 降りてくる言葉は
 自分が彼にとって特別な存在だと告げている。

     泣きたいほど嬉しい。]
 

 
[ だけど、それ以上に
ましい。 ]
 

 
[やはり、ということは
 比較対象があるのだろう。

 自分の不在時
 彼がオレの替わりに抱いたのは
 あいつか、それともあいつか……。

 名前も朧げな元仲間達の顔
 それとそれらを抱く彼の姿のイメージが
 次々と湧いて……、くるしい。]
 

 
[自分から捨てた役割に
 何の執着も未練もない

 筈

 なのに、どうして胸が痛いんだろうか。]
 

 
[そんな心境でも
 奥まで……、と言われれば
 身体はぞくぞくと震えてしまう。]


    すみません……、……はい


[達したことについて謝罪してから
 立ち上がり、背を向ける。

 壁に手をつき、足を開き、尻を高く掲げた。]
 

 
[貫いて貰えれば
 けだものになって
 他の苦しみはみんな忘れられた。]