148 霧の夜、惑え酒場のタランテラ
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視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
[命もない、魔法も使えない一人の子供が、
目的を果たすためには、ここに居る他なかった。
あれから5年ほど経つ、時が経てば経つほど、
運命的な再会を果たす可能性は低くなる。
正直、焦っている。
でも僕はこの店に運よく相手が来ることを願い、
待ち続ける以外に出来ることはない。
会いたいだけなら、探しに行けばいい。
世界中を探すのは簡単な事ではないけれど、
ただここで待っているよりは、まだ希望がある。
でも厳密に言うと、会う事が目的ではない。
僕が本当に果たしたいのは―――――……。]
[僕だって気付いている。
一寸先は闇。未来はどう転ぶか分からない。
問題の先延ばしをしているだけかもしれない。
運命を変えたはいいが、より悲惨な末路を辿るかもしれない。
知ってしまったからこそ、悲劇が生まれるかもしれない。
占い自体は当たっているのに、
それを伝えることで未来の展開にずれが生じて、
占いが外れてしまったような形になるかもしれない。]
| ― 回想:カイル ― はは、そうかそうかよ [良い人なんて、己に似合わない。 >>2:244 駄目な大人にそんな事言うのはお前位だと そう思った。 そう確信してくれるのは、まぁ嬉しいが。 迷いの先が闇だったとして 闇だけが待ってるなんて理不尽あって欲しくない。 そう願うだけはいいだろ?] (18) 2022/05/27(Fri) 7:56:23 |
| [手はすぐ離れた。 >>2:245 もう少し、と思ったけど引き止めはしなかった。] そうだな。悪い。 カイルは見た目知り合いと 年が近いからつい、な [生前最後に見た娘も似た年頃だった。 珍しく、自分から自分の事を零した気がする。 死亡からの年月足しても自分の方がずっと年上だけど この子の方がずっと大人にも感じる。 子どもの内は子どもで居ていいのに、とは思うが しっかりしているのは悪い事でないから言わない。] (19) 2022/05/27(Fri) 7:56:26 |
| ああ、行って来るな >>2:246 [いつも通りの調子で、ひらりと手を振った。]** (20) 2022/05/27(Fri) 7:56:29 |
―
回想:僕たちの船が沈んだ理由
―
[ウルティマ・トゥーレへと向かう途中に、
僕たちは救援信号を出している船を発見した。
近づいて双眼鏡を覗けば、
船の甲板にがりがりに瘦せ細って、
最早服とは言えないぼろぼろの布を纏った青年が、
膝を抱えているのが見えた。
勿論、僕たちは救助に向かった。
父さんをはじめとした乗組員たちが船を移り、
青年に気をとられている隙に、
僕たちの船に待機していた賊が侵入した。]
[初めに人質に取られたのは、僕より幼い乗客の少女。
そして少女を盾にして、人質は増えていった。
当然、僕もその中に含まれた。
「私たちはどうなってもいい。
どうか乗客の命だけは助けて欲しい」
最後まで懇願する父を無視して、
下卑た笑みを浮かべながら、父の首を撥ねる光景を、
僕の瞳はしっかりと映した。
それを皮切りに、大人の男性は乗組員・乗客を問わず、
一人残らず命を刈られた。
僕はもうこの時点で、
後生だからいっそ今すぐ僕も殺して欲しいと思ったよ。
けれど、地獄の宴は終わらなかった。]
[次に狙われたのは女性。
「クルーの皆さんが噂しているのを聞いたの。
貴方がとってもお料理上手だって。
プロのお料理も良いけれど、
貴方の作った料理も食べてみたいわ」
どこかで僕の境遇を知って、
優しく接してくれた乗客の奥さんが……。
「私は途中で下船して、恋人の元へ行くの。
二人暮らしが安定したら、結婚するわ。
ハネムーンで、再会できると良いわね」
幸せを約束されていた筈の、乗客のお姉さんが……。]
[他にも船に乗っていた花は一輪残らず、
海賊どもに踏み荒らされた。
奴らが何をしたのか、子供には分からない。
彼女たちが何をされたのか、子供には分からない。
でも、死んだ方がマシな事をされているだろうことは、
分かってしまった……。]
[こんな所に最高にイイ女など居ようものなら、
どんな酷い目に遭ったことか、子供の僕にも知れたこと。
既にこの世に存在しないものを盗むことは出来ない。
だから僕は心の底から、
母さんが生きていなくて良かったなどと、
罰当たりなこと思ったんだ。]
[希望と愛を乗せていた船から、
幸福は残らず奪われた。
最後に僕たちの船は油を撒かれて火をつけられ、
夕日みたいに沈んでいった。
僕たち女子供は、そのまま海賊のアジトへ拉致された。
最早暴れて抵抗する元気を持つ者も、
泣き叫ぶ元気のある者もいなかった。
アジトには他にも何処かで僕たちのように
拉致されてきたのであろう、
女性や子供たちが沢山いた。]
[そして今度は、僕たちを奴隷として売るために、
船で奴隷市場のある場所へと移動する。
不衛生な船室には、絶望に塗れた子供たちが、
ぎゅうぎゅうに犇めき合っていた。
一日に一度、魚に餌をやるように、
パンくずが僕たちの押し込められた
船室にばら撒かれる。
それをわれ先にと、奪い合いながら貪った。
最早、人としてまともに生きているとは、
到底言えない有様だった。]
[いつしか狭い船室内で、しきりに咳をする子供が出てきた。
人数はどんどん増えていき、死者も出始める。
海賊は子供がこと切れているのを確認すると、
面倒くさそうに船室の外へ運んでいった。
まともに葬ってくれるような連中じゃない。
船外へと子供たちの屍は投げ捨てられていたのだろう。
当然医者が診ることなどありえないから、
これは僕の推測だけれど、
あれは恐らく肺結核だったのだと思う。
生きているだけで満身創痍な子供たちに、
病は翼を開く様に軽やかに蔓延した。
当然僕も、同じ病気を患った。]
[高熱に、止まらない咳、血痰……。
最初はすし詰めだった船室内に、
ぽつりぽつりと穴が開いていく。
「助けて」と、声にならない叫びをあげた時、
僕の瞳が捉えたのは、幸せだったころの幻。
助けて欲しいのは、皆の方だったと思う。
僕は今の今まで、のうのうと生きてしまった。]
[高熱で痛む節々に無理をさせ伸ばした手は、
何も掴むことなく沈んでいった。
を叶えることもできず、
を守ることもできず、
に一矢報いることもできなかった。
悪寒で震える体に、熱に浮かされ燃える憎悪。]
[その最期は、さながら沈んでいった僕達の船の様だった。**]
私が行動を起こして、もし未来が変わっていたならば
セシリーが、生きている未来があるならば。
一つの国が混乱に陥っていたかもしれない。
二人が幸せになる未来
が招くのは
大勢が不幸になる未来
。
私は、選んでしまったの。
未来を変えないことを。
| ─ 小話:厨房で ─ [ウーヴェに声をかけられれば >>97 その足を止めた。] いいよ、別に隠すように 話した訳じゃないんだし ……お前それブーメランだろ? 秘密主義さんよぅ。人の事ばーっかでさ [互いに踏み込み切れなかったのは >>0:452 棚上げしておいた。 ウーヴェがあちこちで話をしていたのは気付いていた。 人たらしが発動していたのを分かっている。] (118) 2022/05/29(Sun) 12:57:16 |
| ……そうだな、 晴らすつもりだ。 って、おいおい 保護者同伴で遠足行くんじゃねーんだから [流石にそこを見られるのはこう、 なんというか、こう、 むずがゆい。 未練が晴れる時は、一人でいい。 >>98] (119) 2022/05/29(Sun) 12:57:29 |
| [ 娘はやらん 。という父心というのは こういう心情なのだろうか。 いい奴だと分かっているし、そもそも こっちが死者というのを含めても 警戒心が無駄に芽生えたのは悪いと思ってる。] (120) 2022/05/29(Sun) 12:58:06 |
| と、まぁそれは置いておいてさ [折角の機会。 もう少しだけ話を続ける事にした。] 俺さ、家とか家族とか仲間とかさ 上手く作れないくせに憧れはあったんだんだと思う [心をさらけ出すのは怖い。 それでも、相手に踏み込むのなら 己も同等のものを差し出すのが礼儀だ。] 娘が出来たのはだから、幸せだった。 [髪をかきあげて、視線は相手を捉える。] (121) 2022/05/29(Sun) 12:58:16 |
| ここもさ、俺にとっては 居心地よかったんだわ。 [このままここにいたら、まだここに居たい。 そんな未練が出来る気がしている。 だから、どうなったとしても一度は出る。 そのつもりだ。 >>2:181 自分が死者なのは弁えている。] お前が言えないなら >>1:123 無理にただいまって言わなくてもいいけどさ 俺を送り出す時は、 行って来いって送り出してくれよ。 [仲間を持っていたのに、 同じ答えを返すかわらかなくなっている。 >>0:445 そして死んでいる。 その意味が分からない程鈍くはない。 自分は彼に対して何が言えるのか 考えた末に出て来たのはこの言葉だった。] (122) 2022/05/29(Sun) 12:58:37 |
| マスターがさ、言ってくれたんだ。 大切なのは忘れないことだって >>0:108[己は人に殺された。 相手を恨んでいるか、と問われるのなら 怒りはなくもないが、そこまで恨んではいない。 現在の娘の扱いによっては絶対に許さないが 娘を、家族をくれたのは間違いなく彼女だ あの子が居なかったら生涯孤独のままだった その点でだけで感謝はしている。 己が幸せでいる大事さを、彼には忘れて欲しくない。] 居場所ってさ、あると幸せなものだよな 俺たちは死んでるけど、ここに居て誰かと関われている。 その幸せを、ウーヴェもさ しっかり抱えられるようなるといいな。 (123) 2022/05/29(Sun) 12:59:20 |
| [一度でも失えば人は怖くなる。 それでも、無いままよりある方がいいと 家族に飢えた己は信じている。 人に向き合って言葉をかけられる奴が、 しけた顔したままでいい訳がない。 ここはゴーストの酒場。 居ていいと >>0:210、気付いてほしい。 この言葉が届いてほしい。 それが仮初の宿だとしても 居心地はいい方がいい。 彼なら大事に出来ると、今でも男は信じている >>0:-144]** (124) 2022/05/29(Sun) 12:59:32 |
| [お客がクレープを食べてくれるのを少しだけ見ていた。 >>49 首を振ったかと思えば余すことなく食べてくれるようで。 美味しそうにしてくれるのを見届ければ 満足げにその場を離れた。 食べ終わった後の綺麗な皿は >>80 自分が片付けさせて貰った。] 綺麗に食べて頂けて、有難うございました。 [心底嬉しそうに笑って、一声かけておいた。 作った物を美味しく食べて貰えるのは 幸せな事だった。]** (125) 2022/05/29(Sun) 13:30:08 |
セシリーが殺されたと聞かされた時
私は涙を
流さなかった。
流せなかった。
絶望に心が麻痺したから、とかならよかったのに。
どこか、受け入れてしまった私のせいで
私は泣けなかったの。
セシリーはもういない。
何処にも、いない。
目をそむけたくなるほどの
残酷な現実。
涙ひとつ見せず。
その時、教えてくれた兵士に向かって
微かに
笑
いさえした私は、
間違っても妹になんて見えなかっただろう。
泣いたのは夢の中でだけ。
| おう、ノア。 考えはまとまったか? [呼ばれれば振り返る。 >>162 会話出来るのも後どのくらいか。] ……そっか。分かった。 >>163 ああ、言ったな。 ……ああ、ああ。そうか。 そりゃあ何よりだ。 [悩み、苦しみ、逃避願望。 それらは生きているからこそ抱えるものだ。 死の方が救いの時がないとは言わない。 その上で生を選んでくれたのを喜んだ。] (167) 2022/05/29(Sun) 21:05:51 |
| あ、でもそうだ。俺も手紙届ける時 側についていかせて欲しい。そこは頼む。 娘の手がかりを聞きたいからな。 ま、その時は見えないだろうから いないものとして扱ってくれていいけどな。 行くのはお前さんの都合いい日でいい。 行ける時に、こっちに顔出してくれよ その時までには手紙を用意しておくからさ [霧の夜が次、いつになるか分からない。 なるべく早く、娘の無事を確認したい。 そんな焦燥感は消えている訳じゃなかった。] 指輪は好きな時に取りにくればいいさ マスターに置いておくよう頼んでおくよ。 その時多分、俺はもういないだろうからな。 [そう言って、笑った。] (168) 2022/05/29(Sun) 21:07:26 |
|
お、と。そろそろ時間か? んじゃ、またな。待ってるよ。
[カラっと、何でもないように笑って 彼の姿は段々見えなくなっていった事だろう。] (169) 2022/05/29(Sun) 21:07:47 |
| ― 閉店後:MiraggiO ― [掃除、食器洗い、片付けとやっていく。 これが最期の予感しかないから、丁寧に。 時に、むいたジャガイモが >>0:236余った気しかしない。 メニューにあったのに余ったのがここにある。安心しろ。 カイルがお疲れ様会を提案すれば、良いなとのっかる。 >>46 ウーヴェの煮物の残りに気付けば独り占めするな、とよこせコールはした。 ジャガイモはフライドポテトにしたり、 コロッケにしたりするか、と考える。 揚げ物は日持ちするしな。] (170) 2022/05/29(Sun) 21:08:06 |
| [ウーヴェは乗り気じゃない雰囲気だった。 >>126 外に行く背中を見て声をかける。] 気ぃつけろよ [やはり、いつも通りに。 >>0:235 言いたいことは言ったつもりだ。 カイルの方を向いてニカッと笑う。] う、し。残り物処分かねた料理するか? そんでさ、マスターも誘って飲んで食おうぜ。 [自分なりに終わりを定めた後であっても やはり自分はいつも通りのままだった。]** (171) 2022/05/29(Sun) 21:08:53 |
[生きている間に、終ぞ叶えることが出来なかった。
―――
復讐
を果たすことが出来る。]
[この五年ほどの間、
憎い奴らの顔を忘れることはひと時もなかった。
全員しっかり覚えている。
……残念ながら、未だ巡り会えてはいないんだけどね。
僕が知る限りお客様たちは、基本良い人ばかり。
それが世界中の善人比率が高いということの証左なら、
それはそれで良い事だとも思うけれど。
流石に僕も良い人相手に悪さをすることはしないよ?
あんな死を遂げたからこそ、
良い人が理不尽に不幸な目に合うのは、大嫌いだし。]
[復讐は何も生まないとはよく言ったもので。
確かに生まない。
僕が悪党の魂をその身から引き抜けば、
悪党から生まれる筈だった被害者も
生まれなくなる
。
だからといって、自分の行いを正当化するつもりはない。
命を奪う事は、例え相手がどんな人間であろうと、
それが正しいなんてことは、決してあり得ないと思う。]
[運命の再会を果たし、
内心で
「ここで会ったが百年目」
なんて
ほくそ笑む日はきっと来る。
それが僕の持つ、強くて暗い願望。]
[霧の夜に惑い、一歩でもこの店に足を踏み入れたら最期。]
置いていこうとする仲間には拒絶を
俺を受け入れてくれるやつには
仲間だと言って
そしてまた俺は置いていかれることに怯える **
| ─ 小話:厨房で ─ へーへー。 そうかよ。 [面白い死の話は物語の中だけだ。 現実に死亡している自分たちにとって 面白くないのは当然だと思っている。 もう半分はそうだな、 あのハーレム(誤解)騎士に似合うな。] おいおい、俺のが年上だっての。 [まぁ確かに、ふらふらした大人だし? 世話になってなかったとは言わない。 口の言葉とは裏腹に、そうかよって 笑って受け入れておいた。 >>201 世話した覚えはどうだろうか。 気にはかけているけれど。] (240) 2022/05/30(Mon) 8:18:05 |
| ─ 小話:厨房で ─ へーへー。 そうかよ。 [面白い死の話は物語の中だけだ。 現実に死亡している自分たちにとって 面白くないのは当然だと思っている。 もう半分はそうだな、 あのハーレム(誤解)騎士に似合うな。] おいおい、俺のが年上だっての。 [まぁ確かに、ふらふらした大人だし? 世話になってなかったとは言わない。 口の言葉とは裏腹に、そうかよって 笑って受け入れておいた。 >>201 世話した覚えはどうだろうか。 気にはかけているけれど。] (241) 2022/05/30(Mon) 8:18:05 |
| ……まぁな。 あ、でもあの客は居る可能性高いぞ? [付き合わせるのだから当然だ。 どうせその時自分は相手に見えないし抵抗はない。] あのなぁ、 俺の娘は可愛いんだ。 一目惚れでもしてみろ。未練が増えるぞ [この言葉が冗談なのか本気なのか。 そこは受け取り手に任せる。 >>203 己の未練なんて、抱えなくていい。] ……そっか。 [言葉は続かなかった。 それに気遣いを感じて苦笑い。 >>204 やっぱ、良い奴だよな。と再確認する。] (242) 2022/05/30(Mon) 8:18:20 |
| おーおー、そうかよ。 それはどうもな。 [背を押す言葉に笑って返す。 >>205] ……そうだな。 俺には幸せがあったし 残っている可能性がある。 [そう言って、一度言葉を区切って そうして続けた。] (243) 2022/05/30(Mon) 8:18:34 |
| なぁ、こうやって酒場開いてさ 客をもてなしたり、話したり 俺は楽しかった。 お前はどうだった?
[幸せっていうのはささやかでも そういう感情の中に生まれるんじゃないかと 沢山の人と話していたのは 人との関りを嫌ってないからだと 身勝手でも思いたかった。] (244) 2022/05/30(Mon) 8:19:32 |
| ……それ、 は [珍しい言葉に目を丸くした。 >>207 やっと彼の心の中を零して貰えたような。] ……嘘でも何でもいいさ。 [優し気な笑みを相手に向ける。] 同じ場所にいてさ、一緒に過ごしているとさ 同じように居られるって思うよな。 でも実際はさ、 それぞれの人生を歩んでいる。 俺はもう、行く時間になっちまった。 ……だからさ、俺はちょっと先に行って お前らを待っててやるよ。 (245) 2022/05/30(Mon) 8:19:52 |
| [未練を果たさない選択肢は己にない。 どう言いつくろっても置いていく。 その事実は変わらない。 幸せを願って貰えるのに甘え >>209 優しい嘘に甘え 世話になったのは、こっちの方だったな。] (246) 2022/05/30(Mon) 8:20:04 |
| ― 閉店後:MiraggiO ― そうだな。 賄いってさなんか美味い気がするよな それにしてもカイルの料理はよく売れたな。 流石だな、料理長。 [そう言って笑った。 厨房に入れば、カイルからも >>217 聞いてしまったカミングアウトがやってきた] ああ、いるな。 可愛いぞー。 [謝罪の言葉には気にすんな、と軽く。 聞かれたくなければ声をもっと潜める。] (247) 2022/05/30(Mon) 8:20:24 |
| なんだ、まだそんな話覚えてたのかよ。 そうだよ。あたりだ。 ───── ん? いや、あいつは俺に似てはないぞ? いや、垂れ目ではあるが…… [血が繋がっているかどうかは未だにはっきりしないし 多分今後もしない。 まさかあの発言から己に似ているなんて 発想が来ると思わなかった。 >>218] (248) 2022/05/30(Mon) 8:20:41 |
| [カイルからも、彼の事を聞く。 >>219 てっきり船で共に死んだと思っていた。 だから目が丸くなった。] ……そうか。 いや、お前の視点ならそうなるだろ。 [おいて行かれるのも辛いな、と 言うのは簡単だがそんな言葉一つで終わらない。終われないからゴーストになっているのだろうから。 傷付けそうで簡単に、言葉に出来ない。] ああ、そうするよ。 ありがとうな、カイル。
[今度こそ、その頭に手を伸ばした。 受け入れて貰えたかどうかは 二人だけが知る。] (249) 2022/05/30(Mon) 8:21:02 |
| [そのブイヤベースを口にすれば 前よりうまくなったな、と素直に称賛した。 マスターに一緒に飲もうぜと酒を注ごうとし この場にウーヴェが戻れば歓迎するし ヴィムも加わるのなら来いよ、と手招きする ゴーストたちの宴は、まだ終わらない。] (250) 2022/05/30(Mon) 8:21:17 |
| ― 夜明け前:ノアと ― 受け取らない訳ないだろ [言葉の約束をどれ程かわしたとて、 果たされる保証がないのは自分もよく その指輪を大事に指でなぞる。] 了解。 こっちもそのつもりで準備しておくな。 [3年。他の奴に比べればまだ短くても 己にとって楽しい事もあれど苦しい3年だった。 それに比べればあと3週間待つのは何てことない。 >>193 こことの別れの準備も出来るしな。 話せるから、見えるから まるで生きているかのように錯覚しかねない けれども、ここに居る全員は死んでいる。 その事実は目を伏せようが決して変わらない。] (251) 2022/05/30(Mon) 8:21:53 |
| ああ、またな。 >>194[自分が見えなくなっていたとしても 彼が無事帰れるよう姿が見えなくなるまで その場で見送った。] 無事に、帰れよ (252) 2022/05/30(Mon) 8:22:07 |
| ― それから ― マスター、この指輪さ 預かってくれないか? [そう言って、約束の指輪を差し出した。] この前来た綺麗な青い髪の客のなんだけど 俺が返すのは多分無理だからさ。どうか、お願いします。 [そう言って、深く頭を下げて願った。] 俺、未練を晴らすために動くよ。 出来るかはまだ分からないけど 一応きちんと別れを言っておく。 ここに居ていい、と受けいれてくれて >>0:108 不真面目してたのに追い出さないでくれて 今まで本当に有難うございました。 [これで出戻りになったら恥ずかしいな。 そんな事を思った。 でも、そうならない予感もあった。] (253) 2022/05/30(Mon) 8:22:25 |
| *** あのさ、俺暫くしたら 未練晴らす為に出ていくわ。 ま、でもいつも通りでいてくれな。 [けじめとして皆にそう言いだしたのは霧の日からすぐ。 反応はどうだったかな。 後にヴィムには酒に付き合えよ、と果実酒を差し出した。 付き合ってくれたのなら、いつも通りのありきたりで、普通の会話をしただろう。
ウーヴェには、行く時ついてくんなよ、と笑って言っておいた。
カイルには、受け取って貰えるのなら自分が作れる限りのレシピを伝授しておいた。
他の奴はそれぞれの未練に対してどうだっただろうか。 何か告げられたのならその時々で反応しただろう。] (254) 2022/05/30(Mon) 8:22:53 |
| [手紙を書く。 ノアにまずは受けてくれた感謝と渡す手紙の説明。 宿屋の二人には感謝しているし迷ったが、 死者からの言葉は普通はないものだから。 ご老人の夫婦だし、あっちで会えたらと そう思う事にした。 娘には……悩んだ。 唸りながら紙に向かうユスターシュの姿は 何度も見られた事だろう。 伝えたいことが多すぎる。 悩みに悩んだあげく、自分らしくと開きなおり ぱぱっと最後は書き上げた。 後は待つだけ。] (255) 2022/05/30(Mon) 8:23:23 |
| *** [ノアは約束通りやってきた。 >>195 俺は席を立って、手紙をもって扉に向かう。 相手から見れば手紙だけふわふわと浮いて 動いている状態だっただろう。ホラーだ。] んじゃあな。 [最後はいつも通りに。 見送ってくれた奴はどれ程いたか。 誰がいてもいなくても、笑顔で手を振って その場を後にした。] 聞こえねーだろうけど、よっす。ノア [そう言って、扉から手紙を出した。 そうした途端、それは自分で持てなくなって、 するり、と手から零れた。 相手は上手く受け取れたか、はたまた地面に落ちたか。 どちらにしても悪い、と。聞こえなくても声をかけた。 ノアへの手紙にはこう書いてある。 性格に似合わない綺麗な字だ。] (256) 2022/05/30(Mon) 8:23:55 |
| [まずは宿屋に向かう。勿論ついていっている。 そこで話を聞く。 >>196 お姫さんがお嫁にいったこと。 おめでとさん、と言っておいた。 届かなくても、ちゃんと返してる。 こっちの話を未来にねだられれば ] わーったよ。 付き合って貰った礼だ。 その時は、でもお前の話も聞かせろよ? 出来ればさ、俺より長生きしてから来いよ? [人生望まず死ぬこともある。だから願いは願うだけ。 それでも、人は願う事はやめられない。 そこは街の出入り口からちょっと不便な位置。 だからこそ割安で好きこのんで使っていたのだけど。 そこにいる老夫婦はいつも通りだった。 ノアに話しかけられれば、二人は不思議そうに顔を見合わせて、困ったような顔をした。 自分の代わりに、頭を下げてくれるのに 目頭が熱くなったのは秘密だ。] (257) 2022/05/30(Mon) 8:25:09 |
| 「ええと、貴方は一体……? もしかして、美人の剣士の女性に頼まれました? だとしたら、やめた方がいいわよ? あの人ね、二度も娘さんを捨てているの 何を言われたとしても あの人にあの子といる権利はもうないわ 御免なさいね、あの子をもう 大人の都合で振り回してあげたくないの」 [そう告げれば、苦笑いした。 ノアがユスターシュからの手紙を見せるか その名を出せば、そのご夫婦の誤解は解ける そうすれば聞けるだろう。 彼女は今、この老夫婦の親戚の宿にいると ここに居たら、またあの母親に見つかって 面倒になるから少し離れた町に行かせたと そこで、冒険者ギルドに依頼を出して 今でもユスターシュの情報を求めている、と。] (258) 2022/05/30(Mon) 8:25:32 |
| ― 少し離れた町 ― [そこのギルドには、埃を被った情報を求める依頼が 張られている。 >>0:94 『依頼:消えた冒険者ユスターシュの情報。 何でもいいのでお願いします。 依頼人:アイシャ』 その宿屋に辿り着けば、髪を二つに結ってリボンをつけた、16歳の少女がいる。 ユスターシュと似ているか、と言われると垂れ目同士ではあるが……といった具合だ。 どう見ても、健康そうな姿で、宿の受付に立っている。 彼女の元に向かうのなら、 その子は花が咲くような笑顔で言葉を紡ぐ。] 「いらっしゃいませ。 お客様でしょうか。」 ** (259) 2022/05/30(Mon) 8:26:28 |
[一目見た瞬間に、ありもしない心臓の高鳴りを感じた。
電撃が走るように鮮烈な、運命の出会い。]
[やっと
会
いに来てくれたんだね!
ずっとずっと、僕はここで
待
ち焦がれていたんだよ。]
[そ知らぬ顔で近づいて、注文を取り料理や酒を提供する。
最初はビールを飲んでいたけれど、
「お薦めはあるか?」と聞かれたから、
オリンピックとブラッディマリーを出してやった。
その意図に気付くこともなく、美味しそうに飲んでいたよ。
滑稽だね。さてはこの人、教養がないな?]
[
子供らしい笑顔で、話を聞いた。
その裏で、賢しさと殺意を研いで。
この日は他が疎かになってしまったけれど、
どうか許して欲しい。
何年も待ちわびた、千載一遇のチャンスなんだ。
「海賊は格好良い!」「僕たち海の男の心は一つ」
そんな虫唾が走るような嘘も、平気で吐いた。
店員が、お客様に嘘を吐くわけにはいかない?
奴はお客様じゃない。憎い仇だよ?]
[ブラッディマリーでの宣言通り、
霧が晴れる前に僕は無念を晴らした。]
| ― 旅路の果て― アイ、シャ…… [彼女は自分に気付かない。 娘の視線は ノアにだけ向かう。] アイシャ…… アイシャ、 アイシャ!!! [無我夢中で手を伸ばして、 抱きしめようとして、 その体はすり抜けた。 ] ……あ…ぁ…… あぁ…… [会えたのに。娘はそこにいるのに。 自分は彼女を抱きしめるどころか、触れることも、声をかけることも、存在を認識してもらう事すらもう、出来ない。 その事実が、嫌という程刺さる。] (276) 2022/05/30(Mon) 19:43:17 |
| [膝をついて、崩れおちた。 頭では理解していた。三年だ。もう三年。 とっくに己の死を受け入れていたのに。 一目会えれば、元気でいるのを見る事さえできれば、それで十分過ぎるというのに。 いざ娘を目の前にしたら 死 という終わりを迎えている。 (277) 2022/05/30(Mon) 19:43:25 |
| [アイシャは手紙を渡されるのなら 明らかに動揺したように大きな瞳を見開く。 死んだ旨をはっきり告げるかどうかはノア次第。 どちらにしても、少女は泣きながら父の事を教えて欲しいと必死に聞き出そうとする事となる。 彼女はそうして、渡された後手紙を開く事になる。] 『アイシャへ 何かあった時の為に手紙を残しておく。 悪いな、帰れなくなって。 側で守り切れなくて本当に御免。 アイシャ、お前は今元気か? 幸せで、いられているか? 父親として、お前の幸せをずっと 願って、祈っている。 どうか、笑って生きてくれな。 お父さんより』 (278) 2022/05/30(Mon) 19:43:49 |
| [手紙に涙が零れる。 大きなものが一つ、二つ、そしてボロボロと。 お父さん、と繰り返し呼びながら。 そんな娘を後ろから抱きしめるように包む。 でも、何一つ、伝えられない。 共に泣いても、意味が何一つない。
愛した娘の涙一つ、もう拭ってやれない。 それに、自分も涙をこぼす。] アイシャ…… 悪い、ごめん、本当、死んで…… ごめっ…… (279) 2022/05/30(Mon) 19:43:59 |
| [そんな後悔をしていたら、アイシャは自分で泣き止んで ゆっくりゆっくりノアの方を見る。] 「すみません、取り乱して。 ……父はもう、居ないのですね。 分かっていたのです」 [母親から聞いたのです、と彼女は告げた。] 「あのですね、父の遺品…… 何もなかったのです。捨てられてしまって だから、本当にありがとうございます。 父の一部が帰って来てくれたのが…… 今、本当に嬉しいのです」 [彼女は笑顔を浮かべて、言葉を続ける。] (280) 2022/05/30(Mon) 19:44:11 |
| 「あのですね、私は一人になって知ったんです。 私はいかに守られていたのか、と 守られているだけじゃ駄目だって思ったんです。 父は私の為に、色々お酒とか 我慢してくれていたのです。 ですから、これからは あっちで安心して好きな事していいよって そう伝えられるように 私、ちゃんと笑って生きていこうって 決めて生きているんです。 だから、心配しないで下さい」 [小さな少女は、守られるだけじゃなくて 成長して、強くなっていた。] (281) 2022/05/30(Mon) 19:44:23 |
| [針は進む。もう、止まる事はない。 未練はもう、全て果たした。 アイシャは笑ってくれた。生きてくれる。
アイシャに気付かれないよう彼女の背に 魔法を一つ、発動した。 それは、まるで蝶のように、蛍のように アイシャが気に入っていた、光の魔法。 その光が文字を描く。] ありがとう
ノアも、笑って生きてくれな [小さな光一つ、ふわりと舞って 彼女の中に、 消えた。] (282) 2022/05/30(Mon) 19:44:45 |
[一人の未練を抱えたゴーストは
そのまま、光と共に
溶けて、消えた。
その表情は、幸せそうに笑いながら───── ]
| [アイシャは時間さえあればノアの知る ユスターシュを教えて欲しいと願った。 それは叶ったか叶わなかったか。
その後どうなったかは もう、彼が知る事は、ない。]
[ 霧の夜の再会は 彼の抱えていた霧を晴らした。 ] (283) 2022/05/30(Mon) 19:44:59 |
| [ 彼の話はここまで。 いつか、長い旅の果てに 同じ場所に辿り着く時は どうか、迷わずに。 >>0:0 ]** (284) 2022/05/30(Mon) 19:45:12 |
[ 命とはどれだけ鍛えたとしても
永遠になどなれない。
人はいつかこちら側へやってくる。
きっと俺は未練が多かったんだ
迎えにきて欲しかった
(亡骸を見つけて欲しかった)
死を悲しんで欲しかった
(弔って欲しかった)
みんなで力を合わせて逃げたかった
(一緒に戦って欲しかった)
逃げたアイツらを殺してやりたかった
(後悔をして欲しかった)
どれも
正解
。
そして今はどれも
。 ]
[ 魔法の使えない人の子
君のおかげで和らいだ子もいたんだったか
料理長の不在は重たいけれど、なんとかしよう。
海に持っていくには熱すぎる炎の行先
仇
は無事に見つかったようでよかったね?
幼子が背負うには大きな傷だ
もし次来る時があれば
今度こそ最果ての地を見てくるといい
今度は幼子なんて言われないよう、成長してね。 ]
[ 誰よりも不真面目なように見えて
誰よりも真面目だったのかもしれないね
次もお客さんとして来てくれる彼には
きちんと指輪は返しておくよ
一度覚えた
絶望をもう一度
目の当たりにすることになっても
選ぶと言うなら ただ祈ろうか
君が愛した人の
生
を
次は夢でなく、現実に見るといい
まだ見ぬお酒も、出会いも 幸せも
きっと君をこの世で待っているよ。 ]
[ やっぱり君は光だったと思うよ
自らを燃やし尽くしてしまう光
話していなかったけれどね
僕の道は照らされているんだ
最愛の人は ここへ居るから。
僕に君の道を照らしてあげることは出来ないけれど
そうだね、もし戻ってきても望むなら
この世から、
消
してあげようか。
…なんてね 燃え尽きてしまう前に
灯りを見つけることを願っているよ
休暇の後
見つからなければ、帰っておいで。 ]
[ 君とはまだ長い付き合いになりそうだね
この先もずっと、かな。
失う痛みを知りながら
与える痛みを知っている
君の未練が永遠に晴れる日が来ないのだということも
気づいているから、目を瞑る
終わらない時も退屈なんだ
そろそろ
互
いの話でもしてみるかい?
───冗談さ 僕たちには必要のない話だ。 ]
「セシリー……ごめんなさい。
私にとっての正解は、選べなかった。
世界にとっての正解を、選んでしまった。」
ずっと、後悔していた。
それでも、
そんな私が祈っていいのなら、届くのなら…。
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