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【人】 夢見る乙女 シャルロッテ食堂を訪れれば、少女は「おはよう、フィウクス」と隅のテーブルへ声をかけて。 それから、他のみんなにも挨拶を。 ――いつもの快活な声は、今日も聞こえない。 そうして食堂を見回すさなか、忙しなく歩き回るルームメイトの姿をみとめれば、そっと、そばへ歩み寄る。 「……レン、」 (7) 2022/04/30(Sat) 22:22:48 |
【人】 夢見る乙女 シャルロッテ>>10 バレンタイン 「うん、うん……」 少女は、あなたの言葉にただ、相槌を返す。 そうして、すべてきちんと聞いてから。 「だいじょうぶ」 あなたの言葉を、ゆっくりと繰り返す。 「あのね、レンのおなかが空いてたら、うまく探せないかも。 だからね、そう、まずは朝ごはん」 机に置かれたトレイを示す。 >>11 フィウクス 「フィウクスも」 「レンのこと気に掛けてくれて、ありがとう」 それから、背を向ける上級生にも一言。 (14) 2022/04/30(Sat) 23:14:43 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニあなたに名前を呼ばれると、少女はくるりと振り返る。 髪に結わえたリボンが揺れる。 けれど、あなたが何でもないと続けるから、「へんなバラニ」なんて笑って。 かつて、美しいソプラノだったその声は、今は、すこし掠れている。 「うーん、歌のほかには……」 「そうだな、人の役に立つことが好き。 上級生のみんなみたいには、まだ、気が付けないことも多いけど……」 だからこそ、ここで学び、立派に成長したい。 少女は勤勉だ。クラスでも率先して雑事を引き受けている。 「バラニは何が好き?」 (-30) 2022/05/01(Sun) 1:01:39 |
【人】 夢見る乙女 シャルロッテ>>25 バレンタイン 「ううん、いいよ。 ルームメイトだもん」 他の子たちだって同じ班に所属している分、親しみを持っているけれど。 寝起きを共にしているから、あなたのことは、更に。 詰め込むように食事するのを見れば、コップに水を汲み、あなたの前へ。喉に詰まるといけないから。 「……そうだね、ここであれこれ憶測するより、それがいいかも」 「レンだって、突然のことに不安になって、びっくりしちゃったんだよ、きっと」 (26) 2022/05/01(Sun) 13:30:35 |
【人】 夢見る乙女 シャルロッテ>>27 バレンタイン その通り、少女は特に迷惑を感じてはいない。 それでも、彼女がいないことを不安に思う気持ちは同じくあるから、意識して、穏やかな表情を保つ。 「少しずつよくなれるように、ロッテたちは一緒にいるんだもん。 今はまだ難しくても、だいじょうぶ」 「本当はもう少しゆっくり、よく噛んで食べてほしかったけど。 それも今日は難しそうだから、だいじょうぶ」 「お薬飲んだら、落ち着く?」 (37) 2022/05/01(Sun) 20:31:04 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ「そうだよ、ロッテにもバラニのことを、もっと教えてほしいな」 同じ問いを返しただけなのに。 予想だにしないあなたの反応に、少女はこてんと首を傾げた。やわらかな髪が、かすかに揺れる。 「あ、バラニとエルナトは同じ部屋だもんね。 おすすめの本があったら、ロッテも読んでみたい」 「それに、ふふ。 おんなじことが好きなのも、うれしい。 たくさん頑張って人の役に立ついいこになって、それから」 「大人になったら、お母さんになりたいな……」 最後、夢見るようにぽつりと。 少女がこぼしたのは、将来の夢だろうか。 (-134) 2022/05/01(Sun) 23:20:25 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ困らせてしまっただろうか、と思うけれど、善処すると答えてもらうと、ひとつ頷いた。 誰しも言いづらいことがあるものだ。 それでも、できる範囲で構わないから、あなたのことが知りたかった。今ここにいる、あなたのことを。 「ロッテの好きな本じゃなくて、バラニの好きな本が知りたいんだってば。 でも、ロッテのために選んでくれるなら、それは楽しみだな」 待ってるからね——と。 言葉通り心待ちにした様子で、少女はうっとりと瞼を伏せた。 ▼ (-179) 2022/05/02(Mon) 9:16:00 |
【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ瞼を上げる。 赤い瞳がやわらかに弧を描く。 「そう、お母さん」 「いつも笑顔で優しいんだって」 「今もできてるかな? そうだったら、うれしいな」 あなたの言葉はいつも優しい。 こんな風に少女を肯定してくれて、背を支えてくれて。 あたたかな心地を胸に抱いて、少女は微笑んだ。花の綻ぶように。 「——それじゃあ、行こっか」 準備したトレイを掲げる。 そうして、二人はジャステシアを探すだろう。 ————けれど、彼女に会うことはできない。 (-180) 2022/05/02(Mon) 9:17:40 |
【人】 夢見る乙女 シャルロッテ>>47 バレンタイン 「副作用はつらいけど、落ち着くなら、ちゃんと合ってる薬ってことだよね。 お薬にも相性とか、あるって聞くし……」 あまり詳しくは知らないのだけれど。 それであなたが落ち着くのなら、よかったと思うのだ。 明日からはよく噛んで食べるをがんばってくれるようだし、少女は満足そうに頷いた。 「できない方を見てたら、そっちに引きずられていっちゃうよ。 レンはだいじょうぶ。 今もほら、いつも通りになってきたでしょう」 それはある種、無責任な言葉だ。 それは或いは、少女自身にも言い聞かせるような。 (51) 2022/05/02(Mon) 20:08:06 |
【人】 夢見る乙女 シャルロッテ>>52 バレンタイン 「ん」 短く頷いて、少女もまた、周囲へ視線を向けた。 あなたも随分と持ち直したから、もう、そうじっと見ている必要はなさそうだ。 「目の前にある、できることからちょっとずつ」 「だからロッテは、朝ごはんを食べます」 少女はあなたばかり見ていて、自分の食事はまだ、用意さえしていない。 一度席を立ち、食事を取りにゆく途中。行儀の悪い子を嗜めたり何だりして。 そんな風に、朝の時間は過ぎていっただろう。 (53) 2022/05/02(Mon) 20:52:20 |
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