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【人】 銀の弾丸 リカルド【バー:アマラント】>>65>>66 マキアート 「楽しめるように……ですか。 えぇ、そうなると良いですがね」 諜報活動を自らも行おうと思ったのは、今回の狙撃があったからだ。 でなければ調査は別の部下に頼んでいただろうし、この祭に顔をだすことはなかっただろう。 今後とて、調査が終わればこういう場に出向くことは二度とないかもしれない。 「様々なものにそういった言葉がついてるんですね。 生憎俺は花言葉すらほとんど知りませんが……貴方は随分詳しいようだ」 ではこれは何というのでしょう? と、ソムリエが持ってきたスプモーニのグラスを軽く揺らす。 ほろ苦さがあるさっぱりとしたカンパリのカクテルは赤く、ピザにはもってこいの爽やかなカクテルだ。 いつだったか。 貴方には抗争の場でもにこやかに挨拶をされ、顔が引きつった記憶がある。 あの時はただの馬鹿なのか、それとも油断させる作戦なのかと勘ぐったが、その謎が解決したことはついぞ無い。 「はは……流石にお客様に案内をさせるわけにはいかないでしょう。 ですがまぁ、またこういう機会があるとしたらゆっくり接待をさせていただきますよ」 敵対組織の人間と取引を望んでやろうとする人間は、どうであれ肝が座っているものだろう。 その思惑を探るのもまた、自分のような仕事を持つ人間の役割だと、そう決め込んでカクテルで一口喉を潤した。 (71) 2022/08/14(Sun) 16:27:12 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 花で語るは ソニー「昔は孤児だったからな、院の外に出ることは殆どなかった」 今でこそ金回りは良いが、当時からすると逆にこのような店や祭は敷居が高かった。 医者の家に養子で入ってからは教養を身につけるための勉強漬けだったし、急にいい服を着せられたから、何分中間、普通を知らない。 家出をしたあとは直ぐにノッテに拾われて、そこからは死にものぐるいであったから、青春らしい青春を経験したことはない。 「それでも一番、普通に遊べたのは孤児院に居た頃だったかもしれないな」 幼馴染の手を引いて、夢を語ったりしたあの頃が懐かしい。 デニムを身体に当てられ、その新鮮さに「ほぉ」と相槌を打ち色々な服を代わる代わる見せられた。 余りこだわったことはなかったが、服の合わせ次第で十分に上品に見えることを初めて知っただろう。 「随分軽い生地だな……。 試着、ここで着替えるのか……?」 一瞬迷いを見せたが、ここに見張りなどはどうやら居ないらしい。 とはいえ、試着室は他の目のない狭い場所。 無防備に服を脱ぐのはいかがなものか。 いや……銃は肌見放さず持っている。 このような場所で騒ぎを起こすのは互いにとって本望ではあるまい。 そう思えば一言「わかった」と諦めた様子で頷き、試着室へ入る。 一緒に入ってくるのがみえると「おい!」と声を上げかけたが、その寸前で飲み込んだ。 (-249) 2022/08/14(Sun) 17:15:03 |
【秘】 銀の弾丸 リカルド → 冷たい炸薬 ストレガ「全くだ。……まぁ、狙撃場所くらいなら直ぐに割り出せたからな。 いくつか候補地点があるから、視察には行くつもりだ」 敵が油断でもしていようものなら痕跡が残ってることだろう。 同じ狙撃手であるからこそわかることを探すのは務めではあるはずだ。 「ふむ、君もいつも忙しそうだからな……休めるときには休むと良い。 正直、君を失うのは惜しい。どうか命は大事にしてくれ」 それは腕のいいメンテナンスの技師としてなのか、同じファミリーの者としてなのかは甚だ不明な言い方だが。 少なくとも、余り緊張せずとも話せる数少ない女であるという認識ではあるからこそのねぎらいだ。 こちらに背を向けた貴方に「ではまた」と言葉を残し、男もまた背を向ける。 ライフルの入ったケースを持ち、静かに部屋を出ていったことだろう。 (-253) 2022/08/14(Sun) 18:10:19 |
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