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【人】 諦念 セナハラきつい消毒液の臭いを纏った男が、重い足取りで歩いている。 目指す先は己が寝泊りをしている宿直室だった。 老いとは恐ろしい。 できる事は増えているはずなのに、 できない事はそれを上回る速さで増えていく。 未だやるべき事は残っている。 しかし一度、身体を休めたかった。 (0) 2021/07/04(Sun) 21:17:20 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ「……そう、ですか。安心しました」 それは薬が効いている事に対してか、 貴方が殺めなかったことに対してか。 眠るニエカワを抱き抱えると、手術台へ乗せる。 ポケットから取り出したのは、古いラベルの薬だった。 英語で書かれた機械へ薬を仕込み、管の付いたマスクを口元に被せていく。 「ここのツマミで濃度の調節ができます。 色々書いてありますが、最大にすれば大丈夫です」 どうせ殺すのだから。 感情を殺した、冷たい抑揚の言葉を連ねていく。 ──が、ふと。 「もしメイジくんさえ良ければ、ですけど。 きみの頭を撫でても良いですか?」 柔和な声が、貴方の鼓膜を揺らした。 /* お疲れ様よ、ほんとに……!! (-13) 2021/07/04(Sun) 22:34:03 |
【独】 諦念 セナハラ私は今慌てて吸入麻酔薬の歴史を調べていました 日本だと昭和25年っぽいですね 田舎の病院にあるかは微妙なとこです (なので輸入品のお古ということにした) (-14) 2021/07/04(Sun) 22:36:02 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ「……はは、なんででしょうね」 渇いた笑いが手術室に響く。本当はわかっていた。 大きな手がそっと貴方の頭に乗る。 包帯の巻かれた箇所を触れないように。 隠れているかもしれない痣を刺激しないように。 撫でるというよりは、なぞるような力加減だった。 「よく、頑張りました」 どうかこの慈愛にも似た想いが伝わらない様にと、願った。 そんな資格は、自分に無いのだから。 (-16) 2021/07/04(Sun) 23:36:25 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ「……良かった。 もう泣けないのかと、思ってました」 今手術台に横たわる彼にも、 ほんの少し前、同じ事をされた。 掴まれた白衣を振り払う事はなく、今度は背中を撫でる。 「人を殺す事は、……怖い事です。 悲しい事です。悔しい事です。つらい事です。 その気持ちにね、嘘は吐かないでほしくて。 ここを出た後、また人を殺めない為に。 一度傷付ける事に慣れると、 感覚が麻痺してしまいますから」 きみの父親のように。 言外にそう滲ませて、男は自らにも言い聞かせた。 (-28) 2021/07/05(Mon) 11:15:43 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ/* 調理実習が終わった後時空として、 干しアユミさんを表で配ってくるわ。 食べるか否かはお任せするわよ! (-30) 2021/07/05(Mon) 11:18:57 |
【人】 諦念 セナハラ宿直室で一眠りした後のこと。 男は、調理室にいた。 調理台には 干し肉が並んでいる。 一夜干しのようだ。弱火でじっくりと焼いていく。 塩と胡椒と、何かの焼かれる匂いが漂った。 /* 察して…… (3) 2021/07/05(Mon) 11:29:50 |
セナハラは、懐かしい臭いに顔を顰めた。 (a0) 2021/07/05(Mon) 11:40:52 |
【秘】 諦念 セナハラ → 発熱 ニエカワ*/ 最終的にはバラして同じことになるわ。 時間が無さそうだったので、 ニエカワくんを殺した後って体でお肉を配ってます! メイジくんとのロールが一段落したら、狼窓でニエカワくんの調理実習をする予定よ…… 看取ったのは狼二人ってことになるかしらね…… (-41) 2021/07/05(Mon) 12:03:45 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ「うん、僕も、……彼に、嘘吐いちゃいました」 出かける約束をした。卵焼きを作ると言った。 叶わない未来だと知りながら。 涙を拭った貴方の頭を、もう一度撫でてから手を離す。 あの日壕の中で笑った父の気持ちが、今ならわかる気がした。 「────始め、ますか」 それは、冷たく あろうとした 、抑揚の無い声だった。 (-58) 2021/07/05(Mon) 15:27:24 |
【赤】 諦念 セナハラ心拍数を示す線が動かなくなった。 計測を止め、手術台の上部にある照明を点ける。 ブリキのバケツを幾つか持って来ると、台の下に置く。 「……まずは手足から外していきましょうか。 関節にメスを入れると、すんなり切れます。 包丁や普通の刃物では上手く切れないので、 必ずメスを使ってください」 鈍く光る銀色が、まだ温もりの残る肌に触れる。 ──が、ふと気付いたのか、 「…………」 白い三角巾を遺体の顔にかけた。 人間だったものを小さくしていく姿は、やはり手馴れている。 切り口を下にしてバケツに入れていく。 血が吹き出るというよりは、滲み出るといった表現が近いだろうか。 死んだ生き物は激しく出血しない。 (*0) 2021/07/05(Mon) 15:41:59 |
【赤】 諦念 セナハラ「概ね食べられます。 しかし内臓は傷みやすいので今回は避けます。 ……申し訳ないですけれど」 手足を切り終えれば、後は胴体を残すのみとなる。 胸にメスを入れようとして、ぴたりと手を止める。 特に吐く人間が多い段階であることを、思い出したからだった。 「ここから先は他の動物と似てますね。 骨を折るようにして広げて、臓器を取り出して、」 どうせ吐いた所で、胃は空だろう。 ……むしろ、そうしてほしかった。 そしてここから逃げ出してほしいと、未だに思っている。 胸の皮膚を切ると、血だらけの手で包丁に持ち替えた。 (*4) 2021/07/05(Mon) 21:08:13 |
【赤】 諦念 セナハラ包丁で狙いを定め、肋骨を折るように切っていく。 ……たとえ貴方が吐いたとしても、泣いたとしても、 手を休めることはないだろう。 「……っ、」 両開き戸を開けるように、力を込めて肋骨を開いた。 内臓を取り出し、バケツに落としていく。 暫くすれば、以前貴方が見たような──食肉の姿になる。 (*5) 2021/07/05(Mon) 21:09:43 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ/* そういやこれ……どっち死ぬ? とりあえずアタイのこと噛み先にしといてくれると助かるわ。 もしかすると表で誰か殺してくれるかもしれないけど… (-79) 2021/07/05(Mon) 22:14:42 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ/* わ か る いや吊り先の誘導のつもりではあったけど! せっかくだから殺されたさそうな人も探しておくわ… (-81) 2021/07/05(Mon) 22:25:53 |
【赤】 諦念 セナハラ金属音に一瞬手を止めるが──、直ぐに再開する。 作業が残っていれば、無理にでも手伝おうとするだろう。 そう考えて後の作業を急いだ。 「……慣れちゃだめですからね、こんなものに」 皮を剥ぐ。骨を外す。脂を削ぐ。 「今の気持ちを忘れないでください。 でもこの景色は忘れるように、努めてください」 白衣は袖口を中心に、真っ赤に染まっている。 なるべく何も考えないように、無心で手を動かした。 (*7) 2021/07/05(Mon) 23:03:42 |
【赤】 諦念 セナハラ粗方終えてしまうと、大きなブリキのバケツを取り出した。 蓋を開けて、骨や内臓を中に入れていく。 「…………ごめんなさい、」 生首の耳元で、小さく呟いた。 それを白いシーツでそっと包み、 名残惜しそうに、バケツの中へゆっくりと置く。 蓋をしてしまえば、贄川涼という子供だと判断できる物はもう見えなくなってしまった。 ……残す作業は、 隠蔽 掃除ぐらいだろう。 (*8) 2021/07/05(Mon) 23:06:26 |
【赤】 諦念 セナハラ「馴れたというよりは、馴らしたというか。 その為に医者を目指しました」 それはあの客人に問われたものの、答えられなかった“理由”だ。 簡素な戸棚、その一番下を開ける。 同じような作りのバケツが、もうひとつあった。 「僕は忘れられなかったので、 この光景を日常にしようと思ったんです。 そうすれば、悪夢ではなくなるでしょうから」 眠る赤子を起こしてしまわないように。 そんな手付きで、優しく、隣に新たなバケツを置いた。 ゆっくりと戸を閉めれば、手術台の血や脂を丁寧に拭き取っていく。 「……今日の所はこれくらいにしましょう。 ここから先は先日もやりましたから、 見なくてもわかるでしょうし。切って糸を通すだけです」 (*10) 2021/07/06(Tue) 0:28:22 |
セナハラは、手術道具の在庫を確認した。 (a4) 2021/07/06(Tue) 10:37:30 |
セナハラは、麻酔と縫合道具が見当たらないことに気付いた。 (a5) 2021/07/06(Tue) 10:38:04 |
セナハラは、もう人を せない。 (a6) 2021/07/06(Tue) 10:40:34 |
【赤】 諦念 セナハラ「……、……感謝されるような事ではないですよ。 何て物を食わせたんだ、と怒る人もいるでしょう」 吊るされていた干し肉を下ろし、糸を外していく。 先日作った彼女の肉が、白い皿に盛られていった。 そして新たな肉を薄く切り、糸を通し、塩と胡椒を塗し、吊るしていく。 「優しい大人はこんな事を──……いや、」 自分に生きる術を教えた父は、優しかった。 優しい大人だと、今でも思っている。 (*14) 2021/07/06(Tue) 14:11:32 |
【赤】 諦念 セナハラ「……うん。ありがとう、ございます」 貴方がそんなつもりで言ったのではないとわかっているが、 それでも、自身の父親を認められたような気がした。 「メイジくん。きみはきっと、優しい父親になれます」 「宿直室に、手紙を置いておきます。 ……封は開けちゃだめですよ。 それをここから出たとき、外の大人に渡してください」 手術台の照明を消した。 赤黒い肉が乗る皿を持ち、扉へ向かう。 (*15) 2021/07/06(Tue) 14:11:59 |
【独】 諦念 セナハラニエカワくん〜〜〜〜〜 ピクニック行こうねえ〜〜〜〜〜〜〜〜……… 万が一俺が生きたら取り憑いてくれ 連れて行く 死んだらあの世でピクニックしような (-104) 2021/07/06(Tue) 14:16:49 |
【秘】 諦念 セナハラ → 発熱 ニエカワ『全て私が脅し關わらせた事です。』 少し考えてから、再び筆を動かす。 『彼の御父上に金を借りてゐました。』 質に入れる物も無いのに、金を貸す人間はいないだろう。 気付いてから、新たに文を書き足していく。 『出世拂ゐとゐふ話でしたが催促をされ、 返すあてが無ゐのでやむなく殺めました。』 どうやら遺書を予め書いておくつもりらしい。 (-111) 2021/07/06(Tue) 18:06:54 |
【秘】 諦念 セナハラ → 発熱 ニエカワ『食糧が足りなゐ中、私は嘗て彩帆で食べた肉の味を思ひ出しました。 だうしても死ぬ前に再度味わひたゐと思ひ、明治君を脅したのです。』 『私が殺し、彼に處理を手傳わせました。 つまり彼は壱人も殺してなどゐません。』 殺した名前を書こうとして、やめた。 もしかすると、まだ増えるかもしれないのだから。 飢えは恐ろしく、人を等しく狂わせる。 『大變申し譯無く思つてをります。 私の命だけでは拭ゑぬ罪とは思ゐますけれども、 明治君は被害者と云へませう。 だうかご容赦くださひ。』 (-112) 2021/07/06(Tue) 18:07:37 |
【独】 諦念 セナハラくっそ〜〜〜〜〜 後で話すことあるってそういう事かよお!!!!!!!!!! 霊感太郎がいじめてくるよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜エンエンエン (-132) 2021/07/07(Wed) 0:24:52 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「…………は、」 約束。 彼と自分しか知らない筈の話に、目を見開いた。 もし僕が忘れても、ニエカワくんが忘れないでしょう? 「…………。何、言ってるんですか。 巫山戯るのも大概にしてくださいよ、ねえ、」 きっと、生前二人は話したのだろう。 そうに決まっている。そんな筈はない。 けれども声の震えが隠せなかった。 (-171) 2021/07/07(Wed) 11:45:10 |
セナハラは、診察室の壁を力任せに叩いた。一拍遅れて、手が痺れるように痛む。 (a9) 2021/07/07(Wed) 11:48:47 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク甘い卵焼きを作るという、些細な約束だ。 その時は彼を殺すだなんて、考えもしていなかった。 お互いが生き延びるのは難しいだろうと、内心思いながら指切りをしたのだ。 弁当を持ってピクニックに行くと約束した時には──決めていた。 確実に守れないと、知っていた。 「ぁ、貴方、何がしたいんですか。 どうして笑ってんですか。── なあ!! 殺人を指摘された事よりも、 ニエカワと交わした約束を指摘される事の方が、 男にとってはずっと重い。 (-172) 2021/07/07(Wed) 11:49:32 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク肩で息をしていた男は、俯いたまま僅かに呻く。 漸く上げた顔は、憔悴しきったものだった。 何かを言おうとして、……口を噤む。 そんな事を数度繰り返し、漸く声にした。 「……。そこまで言うなら、どうぞ」 重い足取りを隠しもせず進む。 扉を開けると、肩越しに貴方を見た。 「見る方が、早いでしょうから」 男の後ろをついて歩けば、手術室に辿り着く。 (-175) 2021/07/07(Wed) 12:33:13 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「……貴方は何があっても、生きたい人だと思ってました。 衣類も、うん。大丈夫です。 大分、僕も死にたくなってきましたから」 男は貴方と取引をしていない。 どんな人間か、大して知らなかった。 次に殺すなら貴方だろうかとも思っていたぐらいだ。 「後悔なんてね、ずっと、……ずっとしてますよ。 朝起きて、夜眠るまで。 四六時中、後悔と自責の念でいっぱいです」 手術室の扉が開かれた。 (-183) 2021/07/07(Wed) 15:27:21 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロクまず目に入るのは、吊るされた肉切れ。 机には塩や胡椒といった調味料が置かれていた。 そして僅かに、硫黄のような、酸味のある異臭がする。 戸棚の一番下を開け、大きなブリキのバケツを引っ張り出した。 男は貴方に見せるように、バケツの蓋を開ける。 ……中には、骨や内臓が詰まっていた。 最上部に贄川涼の頭部が置かれている。 少年の首は、割れ物を扱うかのように布で包まれていた。 室内の異臭が強くなったが、出所はこの一つではないらしい。 戸棚には、もう一つ蓋をされたバケツがある。 (-185) 2021/07/07(Wed) 15:31:19 |
【秘】 諦念 セナハラ → 被虐 メイジ/* 投票先って決まってるかしら? なんかさ……恋未練の気配がするのよ 誰とは言わないんだけど 自由に墓下から投票させてあげたくてね… アンタさえよければミロクに入れたげて頂戴。 アタイはミロクセット済みよ。 あと、墓下行ったあと秘話できないかな〜って思ってるわ。 墓下行ったら、アタイ殺すロールする? 自殺ルートも想定内だから、無理はしないでほしいわ…! (-188) 2021/07/07(Wed) 16:02:39 |
セナハラは、2階に上がると顔を顰めた。 (a11) 2021/07/07(Wed) 16:23:15 |
セナハラは、この匂いを知っている。 (a12) 2021/07/07(Wed) 16:23:29 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「……、……変な人ですね。気が狂いましたか」 戦場を見た人間の精神は壊れてしまう。 壊れたものは直せない。それが現代医学の結論だ。 「でも、ええ。 その誘いを魅力的に感じる僕も、気狂いでしょうね」 自決を選ぶ人々を大勢見てきた。 あの時、崖から飛び降りる勇気も無く。 万歳と叫ぶ声に、耳を塞ぐしかなかった。 (-197) 2021/07/07(Wed) 16:39:54 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク「この時期の肉は腐敗しやすいんですよ。 ……気持ちだけ受け取っておきます」 骨はともかく、歯を渡す気にはなれない。 今頭部から引き抜く気には、どうしてもなれなかったからだ。 ……これ以上死者を痛めつけるのは嫌だった。 「で、彼と取引した商品というのは? 彼を起こしておくのは忍びない。 手早く済ませてくれませんか」 言いながら中身を漁り、血に濡れた骨を一つ差し出す。 背骨のひとつ、上から二番目。 喉仏とも呼ばれる、骨上げで最も丁重に扱われる骨だ。 (-199) 2021/07/07(Wed) 16:49:39 |
諦念 セナハラは、メモを貼った。 (a14) 2021/07/07(Wed) 17:26:24 |
セナハラは、かつて父も同じ気持ちだったのだろうかと、二人の子供を見ながら考えた。 (a17) 2021/07/07(Wed) 20:36:58 |
セナハラは、広げた調理器具を片付ける。余った肉はまた明日、誰かの糧になるだろう。 (a18) 2021/07/07(Wed) 20:41:24 |
【秘】 諦念 セナハラ → 商人 ミロク骨を手渡せば、そっとバケツに蓋をする。 静かに戸棚へ戻す手付きは、眠る赤子を扱っているようにも見えるかもしれない。 「仕事なら仕方ない、と言わざるしかないですね。 埋めるなら、うんと深く掘ってください。 その内鹿や猪が戻ってきて、掘り返してしまいます」 東京に行く為の手段と言われても、 男には一体何なのか思い当たらなかった。 物品でなんとかなるものならば、既に彼の親が買い与えているだろう。 現実主義者の男は、考えるのをやめた。 「……倫理に関しては、僕も大概ですから」 まるで逃げるように立ち去る背中を、感情の無い瞳が映していた。 (-221) 2021/07/07(Wed) 20:42:53 |
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