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【秘】 かれがれ ユメカワ → 怖怖 ライカ/* ごきげんようダーリン 俺狼なんだけど(再放送) 多分襲撃予定は覆らないので、白々しい襲撃予告を送っておきます。一応。 無事に 今日がお前の命日だ! を言えそうでオレは嬉しいです 敬具 (-7) 2022/07/10(Sun) 21:48:20 |
【秘】 元弓道 マユミ → かれがれ ユメカワ『納得、出来ていたらよかったのですが』 入力中。 『拙のこれはきっと納得ではなく』 『 諦めだと思います 』 文章量はたいして多いわけではなかった。それにしては、送信されるまでの時間が掛かっているように感じたかもしれない。 『拙は、変わることが嫌です』 『皆がいなくなることも、違う道を歩むことも、周りががらりと変わるのも』 『でも、そんな事はいくら願っても止まることはないって分かっているから』 どれだけ嫌がっても、現実は自分たちを押し流す。 『見て見ぬふりをしているだけですよ、深雪』 『泣いても嫌がっても叫んでも、意味がないから』 『いつも通り元気に過ごして忘れようとしているだけ。難しいことを考えないようにしているだけ』 『嫌だって思うことも、捨てているだけ』 子供のように何も知らないままならよかった。 大人のように上手く折り合いをつけることができたらよかった。 そのどちらでもない、大人と子供の境界にいる少女は取れた行動は、これ以上傷つかないように諦念と座視で心身を守ることだけだった。 『深雪は、どうしたいですか? 受け入れられないのなら。どうするつもりですか?』 (-19) 2022/07/10(Sun) 22:56:47 |
【赤】 かれがれ ユメカワどこかの教室。 並べられた机。 人影ひとつ。足音も無く、いつの間にやらそこにいる。 「………ん、…」 出席を取る声へと返す声は、以前よりも浮かないもの。 けれどもその理由は近付く夜明けではなくて、 ましてやひとつ増えた名前でもない。 それは以前あなたに問いを投げ掛けた時に 挙がった名前の内のひとつだから。ただ納得だけがあった。 「……ねえ、先生。 前に……できることがあれば、って言ってたよね」 「聞きたい事があるんだ」 『生徒』として扱われる事に疑問を持たない子どもは、 教卓に立つ少女が、頼るべき『先生』であると信じて疑わない。 だからきっと、自分にわからなかった答えを知っていると信じている。 (*2) 2022/07/10(Sun) 23:29:29 |
【赤】 かれがれ ユメカワ「俺、あのあと夏彦と話をしたんだよ」 「ちゃんとあの日をやり直して、本音で話してさ 夏彦も俺と離れたくないって、好きだって言ってくれたから 一緒に来てくれるか聞いたんだ。 ……そうしたら、頷いてくれたから」 夢川深雪という人間が、既に死んでいる事を思い出した上で。 言葉に詰まりはしても、確かに頷いてくれた。 だからあの時、まさか拒まれるなんて夢にも思っていなくて。 あっという間に、殆どわけもわからず死んだ人間には 目前に迫った死の恐怖への理解なんて無くて。 「あんまり怖がらせたくなかったし、 俺みたいに……酷い見た目になってほしくなくて。 できるだけ優しく首を絞めたんだけど 結局怖がらせたみたいで、何処かに行っちゃって」 「何を間違えたんだろう」 ぽつり、ぽつり、前提から何から何まで狂った相談はそこで一区切り。 その内容に反して、それこそ生徒が教師に対してするような ごくありふれた、けれど当人にとっては深刻な悩みのような。 最初から最後まで、ただただそんな調子だった。 こうして確からしい答えを探すのは、 未だやり直す事を諦めてなどいない事の証左だ。 (*3) 2022/07/10(Sun) 23:30:41 |
【人】 かれがれ ユメカワ【空き教室】 >>0 ネコジマ 君が戻って来てすぐの話。 ふと、視界の端で何かが動いた気がして、視線を向けて。 それが誰かわかれば、ひらひらと手を振った。 「……おかえり、稔」 「何かあった?良い事、そうでもない事、なんでも」 選ぶのが下手くそだから机を椅子代わりにする事は諦めて、 床に座って、時折液晶を流れるメッセージを眺めていた所。 君の事を待ってると言ったから、有言実行。 直前に、また少し気まずい別れ方を誰かとしてしまったものだから この空き教室に入る時、少し中の様子を窺ってたりとか、したけど。 きっと誰にも見られてはいなかった。多分。 (3) 2022/07/11(Mon) 0:12:25 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 怖怖 ライカ廊下での出来事から、暫く経って。 空き教室で誰かを待った、そのもう少し後。 君が誰かと話を終えた、そのもう少し後。 君を捜しに行こうと思って、悩んで、でも諦めたくなくて。 けれども広い廃校内を闇雲に捜し回ったってどうにもならないし、 何より、あんな別れ方をしてしまった後だから。 すぐに面と向かって話すのは、また怖がらせてしまいそうで。 ──怯えた君の眼が忘れられない。 『怖がらせてごめん』 『できるだけ怖がらせないようにしたつもりだったんだ』 『そのつもりになってただけみたいだけど』 『一つだけ聞きたい事があって』 『夏彦は今、どうしたいと思ってる?』 だから結局、君に問い掛けるのは画面越し。 そんな文章を送信して考える事は、返信が来なかったら── きっと言葉が足りない。 きっと時間が足りない。 君と言葉を交わせるこの時間が、いつまで続くかもわからない。 だから消極的になっている余裕なんてもう無いんだ。 (-45) 2022/07/11(Mon) 3:23:56 |
【人】 かれがれ ユメカワ【空き教室】 >>4 ネコジマ 再び空っぽになってしまった隣が埋まって、 今は空っぽの手にも掴めるものがあって。寂しさは少し和らいだ。 寂しがり屋にとって、君達は鍵のようなもの。 二つとして同じ形のものはないから、代わりに刺してみても きっとぴったりとは嵌らないけど、まったく合わないわけでもない。 つまるところはこうやって、一人で居る時に。 自分から人と接点を持つ事をあまりしない、少し不器用な君が 少し寂しさを汲んでくれるだけで嬉しくなれるような、単純な人間だ。 「ん……栗栖と? そっか。それは確かに良い事だね、……」 物言いはやっぱり捻くれていても、嬉しげなのは何となくわかる。 君達の間柄は、以前から結構そんな調子だったとしても。 ここに来て早々の事だったから、 単純に心配していた夢川にとってもそれは良い知らせだ。 「…何度も喧嘩して、何度も仲直りできるのは」 「ちょっと羨ましいな。簡単な事じゃないと思うから」 なんてのは、当事者じゃないから思う事かもしれないけど。 でも君の機嫌が幾らか良さそうなのも事実だしなあ。 思考をそんな脇道に逃して、浮かんだ寂しさを誤魔化した。 (10) 2022/07/11(Mon) 4:41:32 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 元弓道 マユミ『ずっと変わらずにいられたらいいのにね』 『本当はきっと 嫌だって、寂しいって皆が思ってる』 この願望を言葉にするのは、もう何度目だろう。 言葉にしたって、子どもにできる事なんてたかが知れている。 到底叶いもしない我儘を言って、駄々をこねる事だけ。 それは何処までも願望であって、建設的な展望なんてありはせず、 『思ってもどうにもならなくて、そう思う事に意味は無くて 早くに諦めをつけた方が楽なんだとしても』 『我儘でも、俺は諦める事だけはしたくないよ』 けれど、どうせ。 諦めたつもりになったところで、期待を捨てた気になったって。 常に思考に感情が伴うとは限らず、喪失の疵というものは 結局はいつまでもじくじくと痛み続け、人を苛むものだ。 それなら、諦める事にも意味なんてありはしない。 最初から何もかもを諦めて掛かる人生の何と空々しいことだろう。 けれど自分達は大人と子どものきざはしの上に立っていて、 いつまでもその場に立ち止まり続ける事はできない。 誰しもいつかはその背が現実に追い立てられる時が来る。 (-49) 2022/07/11(Mon) 13:11:10 |
【秘】 つれづれ ユメカワ → 元弓道 マユミ生きている限りは。 『一つだけ思うんだ』 『嫌な事を我慢して、息苦しいなって思いながら』 『そうやってまで生きてる事に』 『意味なんてあるのかな?』 なら、そんなものは落としてしまえばいい。 前に進む事ができなくなれば、それ以上の変化は無い。 皆で一緒に、終わりの先で永遠を共にできたなら。 少なくとも、今以上の喪失を味わう事なんて無いのだから。 (-50) 2022/07/11(Mon) 13:11:52 |
ユメカワは、それそのものに意味など無いと思っている。何もかも。 (a16) 2022/07/11(Mon) 13:15:50 |
ユメカワは、だからそれは、きっと罰などではない。 (a17) 2022/07/11(Mon) 13:21:43 |
ユメカワは、そして君達は、岐路に立っているだけだ。 (a18) 2022/07/11(Mon) 13:22:55 |
【独】 かれがれ ユメカワ/* そろそろ本腰入れて宗教勧誘し始めないとなんだけど あいつら(虚空を指差す)はいったい何をするつもりなんだ オレ愚かだからわかんねえ…… (-52) 2022/07/11(Mon) 13:29:58 |
【秘】 怖怖 ライカ → かれがれ ユメカワ──画面の向こう側。 またグループLINEが鳴っているのかとスマホを確認すれば 君の名前が目に入る。 君を傷つけてしまった、だろうか。 それはそうか。無理もないか。 僅か思い悩んで、文字を打つ。 君がWひとのそとWへ成りかけていたとしても、気付く筈もない。 だって君は、大切な君のままなんだから。 覚悟を、決めなきゃ。 『僕こそごめん』 『もう大丈夫』 『どうしたいかって』 『深雪と居たい』 『今どこにいる?』 (-55) 2022/07/11(Mon) 14:26:10 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 不知 ミナイぴろん。君に宛てた数件のメッセージ。 きっと行方知れずになった少女の死が伝えられた後の話。 『ねえ、明日香ちゃん』 これは取るに足らない問い掛けだ。 こちら側に少し近い君にだからできる、他愛無い話。 『人が死ぬって、どういう事だと思う?』 『人が死んだ時って』 『どういう気持ちでいたらいいんだろう』 自分にとって、もはやそれは永遠の離別ではないから。 できる限り苦しむ事の無いように、とは願いこそすれど 他の皆のように動転したり、悲しむ事なんてできなくて。 (-56) 2022/07/11(Mon) 14:41:38 |
【秘】 元弓道 マユミ → かれがれ ユメカワ「諦めることだけはしたくない」 液晶に視線を落としたまま彼の言葉を繰り返す。無意識に、きゅうと目が細められた。 『辛さと苦しさに苛まれ続けるとしても、ですか? それでも深雪は、諦めないと?』 叶わぬ願いに手を伸ばす愚かさを、虚しさを、改めて痛感する。 掴めないものに手を伸ばし続ける限り、内側を蝕む淀みは湧き続けるまま、心は痛みに泣き続けるままだ。 ▽ (-57) 2022/07/11(Mon) 15:12:56 |
【秘】 元弓道 マユミ → かれがれ ユメカワ『意味ですか?』 『……少なくとも、今の拙では見いだせません』 一瞬でもあらゆる痛みすら掻っ攫うような、冷たい水を被ったかのよう。 続くメッセージを見た感想を見て、何故だか血の気が引くような心地に襲われる。 なんだかそれは、温度のない終わりに手招きされているような気がして。 『死んでしまえばもう変わることなどありませんから。そう考えれば、無理に生きるよりもずっと魅力的に思えます』 『でも』 『今しかないのに、その今は変化していく』 『その曖昧な今という範囲をきみは好きなんだろ』 『変化しないわけないじゃん、今だって』 『どっかで飽きるよ、きみだって』 『そんでまた新しい今を欲しがる』 『好きな今を。楽しい今を』 『或いは、悪魔がいたとして』 『満足したという事実を忘れてまた今を繰り返す』 『別に、態々いう事でもないでしょ、こんなこと』 入力中。入力中。入力中。 入力中………… ▽ (-58) 2022/07/11(Mon) 15:13:34 |
【秘】 元弓道 マユミ → かれがれ ユメカワ貴方の考えは痛いほどに理解できる。 そこに反対の気持ちなど欠片も無くて、稼働している頭の殆どが夢川の意見に頷いている。 『でも』 それでもまだはっきりと答えを口に出来ないのは、 『まだ拙は、自分自身のことを、理解しきれていないから。このままだとあちこちに流されてしまいそうだから』 『本当に意味が無いのかもう少し考えます。 拙自身の結論を、ちゃんと出します』 答えを出したくないと思考することを拒んでいるのか。 或いは、未だ微かに少女の中で諦めたくないという気持ちが息をしているのか。 『……深雪は』 『生きていることよりも、生きることを手放すことに』 『意味を見出しているのですね?』 (-59) 2022/07/11(Mon) 15:15:07 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 怖怖 ライカあの時、あの場所で、逃げ道も無く。 死への恐怖と死者への感情を天秤に掛けざるを得なかった。 そんな君の言葉を信じて疑わなかったのは、きっと身勝手な盲信。 けれど傷付かなかったと言えば、嘘になる。 それでも悪い事ばかりではなかった。 事実君からの拒絶で足は竦み、何もかもが遠い世界の事のようになって。 どうして、ただそれだけしか考えられなかったけれど。 その絶望の深さも、それでもなお諦めたくないと思った事も きっと君が好きだという事の証左だと思えた。 理不尽な死は、この場所に吹き溜まる幾多の想いは ただの人だったものの在り方を少なからず歪めてしまった。 それでも、君を好きだと思う気持ちだけはずっと変わらないままだ。 『三階の、階段上がってすぐの教室』 迎えに行こうか、と打ちかけて、やめた。 君から来てくれたら、それ以上に嬉しい事なんて無いから。 画面をタップしてアプリを閉じれば、壁紙は二人で撮った写真のまま。 液晶はひび割れ、ところどころが血で少し汚れている。 虚像が剥がれ落ちて、あるべき姿に戻りつつあるその様に暫し目を伏せて。 窓枠に座り、僅かに明るくなりつつある遠くの空を見て、君を待っていた。 夢の終わりが、少しずつ近付いている。 (-64) 2022/07/11(Mon) 17:49:47 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 友達 ネコジマ「皆とこうして居られるのは、今だけだろうし」 「生きてたら、なんでもできちゃうけどさ」 「俺はもう死んでて、なんにもできないはずなのに──」 (-68) 2022/07/11(Mon) 19:11:11 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 友達 ネコジマ「……ああ、違うな。できてもしない方がいいだけ しない方がいいってわかってるのに、でもそうしたい」 「今やらないと取り返しが付かないけど、 やったらやったで結局取り返しが付かないんだよ」 「稔は──それでもやるべきだと思う?」 いやに静かに感じる空き教室。付き纏う違和感。 その中で、うっそりと笑って死者が囁いた。 夢川は確かに君の隣に居て、君の腕にだって触れている。 それでもそこに死の気配を感じるのは、どうしてだろうね。 (-69) 2022/07/11(Mon) 19:12:11 |
ユメカワは、猫島と内緒話。 (a21) 2022/07/11(Mon) 19:12:30 |
ユメカワは、肯定が欲しいわけじゃない。ただ訊きたかっただけ。 (a22) 2022/07/11(Mon) 19:12:35 |
ユメカワは、やっぱり笑ったままでした。ただ、前より少し複雑そうに。 (a23) 2022/07/11(Mon) 19:13:51 |
【秘】 不知 ミナイ → かれがれ ユメカワ『死ぬこと?』 そうだな。 『時が止まること』『じゃないかな』 『痛みを感じることもない』『怪我を治すこともできない』 『今日見えたキミ達のこと 普段は見えないキミ達のこと』 『何も追いつけない 追いつかせられない』 『置いていくし 置いていかれる』 『同じ時を進めなくなること』 『それが死ぬこと』 『みたいな』 悲しいと、言葉にはする。 彼らに告げるのは命を失わないで欲しいという願いだ。 生きて居て欲しい、時を刻み続けて欲しい祈りだ。 それはすべて自分の為ではあるが、 気持ちとは裏腹に言葉は美しく飾られている。 『気持ちなんて望みがあるなら本人に聞けたら一番だけど 遺書にでも書いてもらいたいね』 『頼まれてもないから 怖かったら怖くて 驚いたら驚いて 悲しかったら悲しんで 忘れたくないとおもったら』 『忘れないようにしているよ ボクは』 (-72) 2022/07/11(Mon) 19:40:25 |
【秘】 夢の先 ライカ → かれがれ ユメカワ3階の、階段を上がってすぐの教室。 ぱた、ぱた、からり──床板とドアが鳴って、 君の前に再び姿を表す。 お気に入りのカメラは、手中にない。 これが自分なりの覚悟で、誠意。のつもり。 「おまたせ、 ………さっきは、ごめんな。」 もう、怖がったりしないから。 だから、君の側に居させて欲しい。 ──君以外の全てを、捨てるから。 「好きだ、深雪。 僕も、ずっと一緒に居たい。」 宵闇の空が、白んでいく。 ぼやけた月明かりに照らされる君が、あんまりにも綺麗で。 惹かれる様に、君の側へと、歩み寄る。 辿り着けば、いつもみたいににっと笑ってみせた。 もうその瞳に、恐怖はない。 (-84) 2022/07/11(Mon) 21:25:37 |
【秘】 友達 ネコジマ → かれがれ ユメカワ「殺したら死んでくれないと」 全身に冷水を浴びせられたみたいな心地になった。 あなたの腕が急に冷たくなったりしたわけじゃないのに。 あなたの言うことを質の悪い冗談だとか、そんなふうには思えなかった。 できてしまうのなら、猫島はたすからない。 猫島は、死んで漸くなんにもできなくなってくれると思っているから。 だからあなたが生きている人と同じでいてくれないと困る。 だからあなたは生きている。 (-85) 2022/07/11(Mon) 21:37:30 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 元弓道 マユミ『意味なんて無いよ』 短い返信。 自分から意味はあるのかと問うたのに、 意味など無いと返すのはどこか破綻しているようで、けれど。 『生きてる事にも、それをやめる事にも』 『それそのものに大層な意味を付加しようなんてナンセンスだ』 『生きてる理由があるから生きてるように、 生きてるのをやめる理由があるから生きてるのをやめるだけ』 『どっちもただの手段でしかなくて、その先に目的があるだけ』 君とはそもそも思考の重点を置く箇所がずれているのだと思う。 生きる事も、生きる事をやめる事も、単なる手段でしかない。 少なくとも、夢川にとっては。 (-97) 2022/07/11(Mon) 23:52:29 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 元弓道 マユミ『それでも、生きていく事なんて分の悪い賭けだよ』 『確かに生きていないとできない事は多いけど、 それが生きている事で味わう辛い思いに釣り合うとは限らない』 『その上賭けに乗るには『今』を賭け続けないといけないし、 配当金は常に理不尽に変動し続けて 急に一方的に不利なルールを課される事だってある』 『何より、唐突に賭けを台無しにされる可能性だって』 (-98) 2022/07/11(Mon) 23:58:26 |
【秘】 海市蜃楼 ユメカワ → 元弓道 マユミ『俺があの日死んじゃったみたいにね』 ──夢川深雪は、死んだ人間だ。 来家に引っ越す事を打ち明けた少し後のいつかの日。 最後にもう一度だけ話をしようと彼の家を訪ねようとして、 そのまま、不幸な事故であっけなく帰らぬ人となってしまった。 前触れも、理由も、意味も無く、何処までも唐突に、理不尽に。 『弓道部であった事も、牧夫兄の事も、突然だったでしょ』 『生きていたら、これからも何度も同じ経験をするんだよ』 『もっとひどい事があるかもしれないし、俺みたいになるかもね』 『見て見ぬ振りは長続きしない。いつかは限界が来るよ』 『それとも、麻弓ちゃん達が生きていく内に』 『新しく得たものが少しずつ 俺達の事を遠くへ追い遣っていくのかな』 『麻弓ちゃんが嫌だって思う事を捨てていくみたいに』 メッセージが送信されるテンポは、他愛無い日常会話と同じ。 君を責めるつもりは無い。どう思うかは君次第だけれど。 (-99) 2022/07/12(Tue) 0:00:20 |
【秘】 海雪 ユメカワ → 元弓道 マユミ『俺はそんなのは嫌だ』 『皆一緒の、いつも通りの日常があればそれでいい。 今が今のままあればいい。新しいものなんて要らなかった』 『だから、皆で一緒にずっと居られる場所を選ぶだけ』 たとえそれが、死の先であっても。 我儘な子どもは、自らの望む不変の為に他者の不変を壊す。 鳥飼の死という形で既に一つ壊していて、 そしてこれから幾つも壊していく。自らの信じるものと共に。 『きっと先生が皆を連れて行ってくれる』 『離れ離れにならなくていいようにしてくれるんだ』 『おいでよ、麻弓ちゃん』 『皆が待ってるよ』 強欲な子どもの願望は、皆で変わらず共に居続けられる事。 皆とは、今日ここに来た全員の事だ。 飽くまでもそれは願望、分不相応な高望みだけれど いつか君が来てくれるなら、確かに一つ実現に近付くだろうな。 (-100) 2022/07/12(Tue) 0:01:27 |
【独】 かれがれ ユメカワ/* マリン‐スノー【marine snow】 の解説 海の表層から深海まで観察される、雪のように降るもの。不定形で壊れやすく、プランクトンの死体などが緩く結合したものといわれる。海雪。 出典:デジタル大辞泉(小学館) これをずっと使いたかったけど使い所が無かったんや 助かる (-101) 2022/07/12(Tue) 0:29:40 |
【赤】 かれがれ ユメカワ──つん、と鉄臭い臭いが鼻をついた、錯覚。 「………死ぬのが、怖い……」 最期の日の、最期の瞬間の記憶。 俯いて考え事をしていたから、周りは見えていなくて。 音も遠くの事のようで、それに気付いた時にはもう手遅れで。 は頭を強く打ち即死だったと── その後の記憶は、何も無い。 最初は自分が死んでいる自覚も殆ど無いまま、 気付けばここに居たようなものだった。 「……即死かあ」 どろり、生暖かいものが額を頬を流れ落ちる感覚。 けれど何も滴り落ちはしない。これも、錯覚だ。 (*6) 2022/07/12(Tue) 1:57:50 |
【赤】 かれがれ ユメカワあなたの言葉をなぞるように繰り返す傍らに。 ふと視線を上げた。 今際の記憶を語るその声が、徐々に淀んでいったから。 「わかった。次はそうしてみる」 優しい──中途半端なやり方ではだめらしい。 どんなに甘く言葉を重ねても、迫り来る死の恐怖は拭えない。 死してなお残るほどに強いものなのだと、理解した。 自分と同じような死に方の方が、皆にとって優しいのだと。 「ありがと、先生。俺一人だったらずっと迷ってたかも」 提案はあっさりと『次』の手段の一つとなり、 少女に掛けられる言葉は、気遣いではなく感謝だった。 この場に於いて、あなたは『理想の先生』だから。 『生徒』に気遣われるなんて、きっとあってはならない事だ。 「…もう一回、夏彦に会いに行って来るね」 浮かない表情を、そっと笑みに変えて。 またね、少女や物言わぬ友達に手を振ったのちに踵を返した。 (*7) 2022/07/12(Tue) 1:58:23 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 不知 ミナイ『そう』 『じゃあ やっぱり、俺は悲しめそうにないな』 『時が止まってくれたら、それが一番だから』 『同じ時を進んでいたって、いつかは皆少しずつずれていくから』 そうして"今"がずれて綻んで、ばらばらになってしまう前に。 大好きな皆で一緒に、一斉に同じ所で立ち止まる。 きっとそれ以上に素晴らしい事は無いだろうな。 『そうやってずれていくものを見送って、見送られて』 『忘れたくないものを覚えているしかできないのは』 『互いに置き去りにされるだけは、寂しいな』 なんてのは独り善がりな寂しがり屋の思う事。 君がどう思っているかは定かじゃない。 人間は、忘れる生き物だ。 忘れる事で自分を守る、そういうふうにできているものだ。 記憶もずっとは続かない。過去はいつかは底へ底へ埋もれていく。 『寂しいけど、でも』 『死ぬのが怖いから、だから生き続けるのかな、君達は』 今を今のまま止めてしまえば、それは決して過去にはならない。 そうしたら、きっと。 置き去りにするもされるも、忘れるも忘れないも無いのにな。 (-104) 2022/07/12(Tue) 3:04:56 |
【秘】 夢の境 ユメカワ → 夢の先 ライカ小さな足音が、一人分。 夏の夜の空気と、夜明け前の物寂しさの中。 聞こえた軽い音は、確かに待ち人の訪れを告げていた。 それだけでどうしようもなく嬉しくなるくらい、やっぱり単純だ。 「……夏彦」 名前を呼んで、そっと君と向き合って、いつもと違う事に気付く。 ああ、ずるいな。俺が証明できる事なんてそう多くないのに。 「俺、やっぱり頑張るのは下手くそみたい」 「さっきだって、やり直そうとして、また空回って」 「そんな俺でも、いいの」 なんて、聞いたら決意を鈍らせてしまうかな。 まっすぐな月白色。君の瞳と目が合って、 ちょっと困ったように、けれども自然と笑みを返した。 思えば、始まりも君と目が合った日の事だった。 周囲の同年代とは少し違う雰囲気。少し違う距離感。 それが何だか気になって、駄目元で話し掛けたのが初対面。 実のところ、鬱陶しく思われてしまわないか少し不安だったから。 だから君がこっちを向いてくれたのが本当に嬉しかったんだ。 切っ掛けは、本当にただそれだけ。単純だって笑われてしまうかな。 (-105) 2022/07/12(Tue) 6:13:47 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ「…………苦しむ、時間が……長ければ、」 「それだけ恐ろしく思う時間も長くなる。」 「即死とか、それに近い死に方なら」 「きっと怖がらせないんじゃないかな」 「一緒なら、飛び降りても怖く無いかも」 「…よく、なくても。俺も、夏彦の事が好き」 座っていた窓枠から降りて、一度教室の床に足をつけて。 今はすぐ傍の君に我儘な愛を囁くだけ。 三階の高さは、ちょっと心もとないから。 「諦めたくても、諦められないくらい──大好きで、 愛してるから、離れたくない。離したくないから、だから…」 「今度は、一緒に死のうか」 思い返すのは、猫が屋根の上で月を見上げている写真。 屋根裏に行ったらしきあの子が撮った写真。 屋根に開いた穴からなら、校舎の屋根の上に出られそうだった。 (-106) 2022/07/12(Tue) 6:15:11 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ/* というわけで結婚式と書いて死因の相談なんですけど 飛び降り心中or絞殺リベンジorその他(なんも考えてない) の三択くらい人生に一度の晴れ舞台だし好きな死因を選んでくれな 要望は最大限聞く 個人的には飛び降りで上手く頭からいって即死だと 死因がお揃いになって激アツです (-107) 2022/07/12(Tue) 6:19:49 |
【秘】 かれがれ ユメカワ → 友達 ネコジマ「────あは、」 「そうだなあ できちゃいけないんだ あっちゃいけない」 「死んだらそこで終わらなきゃいけない」 「じゃあこれって何なんだろうな 全部悪い夢だったのかな」 「起きた記憶なんて無いしさ」 「これが夢なら──覚めてみようか」 覚めるのはきっと、君の夢。 何にしたって、もうじき夢は綻んで、君達は朝に目覚める。 夢から覚めた君達は、現実にいったい何を思うんだろうな。 一瞬。鉄臭いにおいがしたような、錯覚。 (-108) 2022/07/12(Tue) 8:00:56 |
ユメカワは、その言葉の理由が自分勝手だろうと気にしない。 (a40) 2022/07/12(Tue) 8:01:09 |
ユメカワは、きっと。もっと自分勝手だから。 (a41) 2022/07/12(Tue) 8:01:15 |
ユメカワは、それから暫しの後、裏道達が戻って来る前に。 (a42) 2022/07/12(Tue) 8:08:05 |
ユメカワは、いつの間にやら、空き教室から姿を消していた。 (a43) 2022/07/12(Tue) 8:08:30 |
【独】 夏の雪 ユメカワ/* なんか知らんけどSANチェックばら撒きテロリストと化してるな 今多分ミナイだけだよSANチェック成功したの マユミはどう? (-109) 2022/07/12(Tue) 8:12:10 |
【秘】 友達 ネコジマ → 夏の雪 ユメカワ「ゆめ」 「そすね、ゆめ」 「ゆめ、ゆめ、ゆめ」 繰り返し口にするけれど、夢なんてものにはとても思えなくて。 猫島はよく逃げるけれど、それは自分を納得させられることで。 「夢みたいでも、夢なわけないじゃないですか」 夢と言っただけで逃れられてしまうほど、 猫島はいままで夢の中に生きていなかった。 逃げようにも、引き戻されていたものだから。 「だから」 「だから猫島は見届けられますよ、雪ニイ」 (-121) 2022/07/12(Tue) 13:26:29 |
ユメカワは、そこにいる。 (a53) 2022/07/12(Tue) 15:28:09 |
ユメカワは、それはきっとどうしようもなく現実で、だから (a54) 2022/07/12(Tue) 15:28:29 |
ユメカワは、現実から覚めて、夢に起きる。 (a55) 2022/07/12(Tue) 15:28:45 |
【独】 夏の雪 ユメカワ/* みんなモッチャクチャになってる中 このユメカワとかいう異常者だけ𝑯𝒂𝒑𝒑𝒚なのなんか変だな なぜ?みんながやさしいからやね……(事実) (-150) 2022/07/12(Tue) 20:20:57 |
【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ君のすぐ隣は、自分の定位置。 頭ひとつ分高いところから、君の声が聞こえるのが、酷く心地良い。 笑い合えば、Wいつも通りWみたいな空気が流れていって それがなんだか懐かしくて、また笑った。 「どんなでも、良いよ。 だってそんな深雪が……す、好きなんだから。」 ああやっぱり、慣れないな。 歯の浮く様な台詞は、何度吐いても照れ臭くて。 いつか自然と言える日が来るかな、なんて考えてたけど、どうやら来ないらしい。 「……もう、一人にしないから。 空回っても、ダイジョーブでしょ。」 幼い頃は、ちょっと体が弱くて。 自分の為にと越してきた先が、この広大な田舎で。 初めはうまく友達が作れなくて、ずっとカメラばかり触ってたから 君が声を掛けてくれるよりも、ずっと前──インスタントカメラを持っている君の姿を見つけてた。 思い返せば、きっとあれが一目惚れ。 (-154) 2022/07/12(Tue) 21:05:38 |
【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ「……あのさ、 この町の──夜景が見たい。 いちばん高い所から、二人でさ。」 自分達が出会って、関係を育んで、 生きていた景色が見たい。 カメラは置いてきたから、 レンズの代わりに、自分の目で。 「この校舎あんま高くないし 灯りも少ないけど……まあ、 ギラギラしてるよりは綺麗だと思う。」 最期の、デートの誘い。 自分から何か切り出すのは、数えられる程しか無かったから さいごくらい、自分から。 「……深雪と見たいんだ。」 そっと君へと、手を差し出す。 屋根の登り方なんて知らないけれど 少しだけ格好付けるくらいは、させてくれ。 (-155) 2022/07/12(Tue) 21:06:37 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカああ、少しずつ、いつも通りが戻って来た。 君が隣に居て、こっちを見てくれて、笑い掛けてくれて。 ちょっとずるい言葉を掛けても、気恥ずかしくたって ちゃんとこたえてくれるから、つい君の優しさに甘えてしまう。 少し背伸びをする君が、どうしようもなく愛おしくって。 たったそれだけの なんでもなくて、かけがえのない日々。 「………あは、じゃあ、…このままでも、いいのかな。」 「…うん。俺、夏彦が居ないとだめみたい」 寂しがり屋だから、を免罪符にして、図々しく誰かの傍を陣取って。 毒にも薬にもならない言葉を吐く事なら、いくらでもできるけど。 努力は下手で、取り柄は無くて、得意な事は人に甘える事、くらい。 結局はそんな人間だ。 また甘えてしまっていいのかな。 なんて、今更なんだろうけど。 (-181) 2022/07/13(Wed) 1:28:58 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ「いいよ。見に行こう、二人だけで どうせ怒る人なんて居ないから、屋根まで登っちゃおう」 「同じ場所で、同じものを見よう。 嘘のない、ありのままの綺麗なものを見に行こう。 きっと今なら、それがよく見えるから……」 自分達が生きていた事も、想い出も、過去になっていくけれど。 現実はきっと、自分達を置き去りにしていくけれど。 これからは。ずっと変わらずに、二人一緒に居られるから。 ずっと、同じ場所で、同じ今を見ていられるから。 カメラが無くたって、楽しくないから、写真が撮れなくたって。 今を今のまま、切り取る事はできるから。 「………夏彦、」 差し出された君の手に手を重ねて、 ──ぐ、と引き寄せて、不意打ち気味に唇を重ねた。 できるなら、ただ触れ合うだけよりもずっと深く。 理由は単にやり返しておきたかったのと、それと。 今しておかないと、終わりを先延ばしにしてしまいそうだから。 だからきっと、これがちょうどいい。 少ししたらちゃんと仕切り直して、 また格好付けてエスコートしてくれるかな。 (-182) 2022/07/13(Wed) 1:30:22 |
ユメカワは、本当は。君の事をもっともっと深く感じていたい。 (a65) 2022/07/13(Wed) 1:32:33 |
ユメカワは、けれど、今は時間が足りなくて。 (a66) 2022/07/13(Wed) 1:39:45 |
【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ「──……〜〜っ、!?」 懐かしい唇の感触。目を見開いて、次にぎゅっと閉じて。 ──もっと、と、唇を薄く開いて、控えめに舌を絡めていく。 静かな教室内に似つかわしく無いリップ音を立てて。 「……、ん、」 自分達が付き合って、だいたい一年くらい。深いキス。君と数えきれない程交わした筈なのに、上達しなかった、とぼんやり思う。 ───暫く、そうしていて。 息苦しさに胸を叩いて、どちらからともなく唇を離す。 「……やるなら、やるって、」 ちゃんと言ってよ。なんて、どの口で言うのか。 君をじとりとねめつけて、それでも繋がれたままの手を引けば 「……行こう。 僕が居るから、大丈夫。」 もう離さないから、命を終わらせに。 夢の先へ、向かう為に。 さて。 「や……屋根って、 どう行ったら……良いんだろな。」 (-189) 2022/07/13(Wed) 11:31:08 |
【秘】 不知 ミナイ → 夏の雪 ユメカワ『時が止まってくれたらか』 やっぱり寂しかったりするのだろうか、 一緒の場所に居て欲しいのだろうか。 そうでないと、ここにはこなくて、 彼を連れて行ったりもしなかっただろう。 『いいね、そんなことができたら』 『寂しいな、ずっとばらばらでいるのは』 同じように、離ればなれになどなりたくない。 またこうやって話せたら、なんて。 もう戻れない場所に来てしまっている。 今まで避けていた事をこうもまで簡単に突破されてしまっては。 あゝ君達が愛おしい、欲しくなる、二度と手に入らないのに。 自分が君達に近づいてしまっているのを感じてしまっている。 (-196) 2022/07/13(Wed) 12:28:45 |
【秘】 不知 ミナイ → 夏の雪 ユメカワ『世界はいつだって残酷だ このメッセージも消えてしまうのかも知れないけれど』 『ボクは 止まったキミたちに いつか追いつくよ』 『ごめんね』 共にゆけないで。 寂しさを和らげられなくて。これはボクのわがままだ。 『皆は怖いのかな、それを訪ねるのも楽しそうだ。 だけどボクは違う』 『この命が動いているうちは 誰かのように輝きたい 。価値を持ちたい、変わりたい、このままの自分で死にたくない。 いつか止まるとするならば』 『ボク自身という存在を全て捧げて無くしてしまった時が良い』 キミが欲しいな、キミの物が欲しいな。 誰かが欲しがった価値のある物で染まりたいな。 この真っ白な髪も、肌も、傷も、身体の中まで。 全部自分じゃなくなって、誰かの綺麗で染まれたら。 全部貰って、全部 お返し が出来たら。この命に価値があったと思って、それはもう。 気持ちよく、止まることができるのだろうな。 (-197) 2022/07/13(Wed) 12:32:07 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカふたりきりの教室に、微かな吐息と濡れた音。 そっと舌を重ねて、優しくその輪郭をなぞって、深く深く。 薄い粘膜同士で触れ合って、誰よりもずっと近くで君を感じられる。 どうしようもない多幸感でじわじわと満たされていく。 それでももっと欲しくなる。 「………あは、」 そうしている内に、とん、と胸を叩かれて。 名残を惜しむようにゆっくりと唇を離して、息を吐く。 いつになっても君の息継ぎは少し辿々しくて、 だからいつも音を上げるのは君が先だったな。 「俺、夏彦と同じ事しただけじゃん」 先に不意打ちしたのはそっち。 なんてのは、子どもの言う屁理屈みたいなもの。 君の様子は想定内で、手を引かれながら、目を細めて笑った。 繋いだ手は、今度はきっと、恋人同士のかたち。 今度こそ──同じ夢を見て、その先へ。 (-198) 2022/07/13(Wed) 14:01:54 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ「ここ出て右の方の突き当たり、」 廊下の隅、目立たない階段。 普段使われる事の少ない場所だろうし、それはそうだよな。 一度見に行って、そんな事を思ったのを覚えている。 「から、屋根裏に上がれて。 屋根に穴が開いてるみたいだから、 適当に何か積めば屋根の上に出られると思うんだけど」 屋根裏に無造作に積み上がった箱や瓦礫は、 猫にとっては階段のようなものだっただろうけど。 人間が登ろうとしたら、少し頑張らないといけないだろうな。 「連れていってくれる?」 とぼけたふりして先導はせず、 さいごのデートは君に手を引いてもらおう。 だってほら、君達に甘えるのは俺の特権だからさ。 (-199) 2022/07/13(Wed) 14:02:22 |
ユメカワは、君に連れていってほしい。 (a73) 2022/07/13(Wed) 14:04:19 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 不知 ミナイ『俺はさ やっぱり今の明日香ちゃんが好きだよ』 『今の皆が好き』 『きっと皆だって、本当はそう思ってる』 『それでも変わらないものは無いって、諦めてる』 『俺は諦めたくはないよ』 『今を今のままにする為に、今の皆が欲しい』 (-200) 2022/07/13(Wed) 15:17:17 |
ユメカワは、自分勝手だ。 (a74) 2022/07/13(Wed) 15:17:24 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 不知 ミナイ『ねえ、明日香ちゃん』 『生きていたって、今以上の価値を持てるかなんて』 『今より良い方向に変われるなんて保証は無いんだ』 『どんなに綺麗なものも、時間が経てば徐々に色褪せていく』 『時が動く限り、自分以外の誰かの価値観の変動は止められない』 『君が見た誰かの輝きは、 明日には見向きもされなくなっているかもしれない』 (-201) 2022/07/13(Wed) 15:24:28 |
ユメカワは、未来をあんまり信じていない。 (a75) 2022/07/13(Wed) 15:25:06 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 不知 ミナイ『要らない自分なら、俺にくれてもいいでしょ』 夢川は君の願望を肯定している。 「──なりたいようになれるのが一番素敵だよ。」 『先生だって、自分の為の生徒を探してる』 それは君が"君"でなくなったとしても続く価値だ。 「──でも生徒がいなくちゃ、先生はできないだろう?」 『おいでよ、明日香ちゃん』 選ぶも、選ばないも、それは君達の自由。 けれど選ばなかった君達にとっては、きっと失うものは多い。 『俺達はどんな君でも 君に居てほしいんだ』 誰かが欲しがったものを欲しがる、そんな君を欲しがったなら そうしたら君はどうするんだろうな。 君が"君"のままであっても、君が"君"でなくなったとしても 夢川達にとっての価値は、何れにしたって不変のものだ。 (-202) 2022/07/13(Wed) 15:26:33 |
ユメカワは、何一つとして失くしたくはない、ひどく欲張りな子どもだった。 (a76) 2022/07/13(Wed) 15:30:47 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 夏の雪 ユメカワ『難しいことを考えているのですね。 拙より深雪のほうが、ずっと大人です』 少女はただ、避けようのない事実から目を逸らして駄々をこねていただけ。 逃れられないと知っていながら、それでも何もせず意識しないよう遊び呆けていただけ。 「……」 入力中。 それは、貴方が故人であると知ってから。 暫く、入力中の三文字が貴方の視界に映るかもしれない。 『死んだ人と会話をしたと、とある子から聞いていましたが』 『深雪がそうなのですね』 『まず、拙達に会いにきてくれたことに、お礼を言いたいです。 ありがとうございます、深雪』 ▽ (-204) 2022/07/13(Wed) 15:51:04 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 夏の雪 ユメカワ『そうですね。突然でした』 『突然、拙の"いつも通り"が崩れました。 完全に元に戻ることはありません。 どれほど拙が大丈夫なように振る舞っても、周りが意識するのです。壊れた時の傷跡は、必ず何処かに残っている』 それは不可逆の変化。 知ってしまったら、知らない頃に戻ることなど出来やしない。 『あの日、崩れた時から』 『拙はずっと考えていました。子供のままいられたら、と。大人になるにつれ皆と離れ離れになることが嫌で、叶うならばずっとずっと皆と何も難しいことを考えることなく遊んで楽しく過ごしていたい』 『まさに深雪の考えと同じです』 『けれど生きている以上、歩むことを放棄し時を止めることが出来ない以上、叶えることは無理難題と同義で』 『それこそ死ななければ、深雪のいる場所に行かなければ掴めないことです』 ▽ (-205) 2022/07/13(Wed) 15:51:28 |
【秘】 傷弓之鳥 マユミ → 夏の雪 ユメカワ『でも』 『見て見ぬ振りは長続きしないと言ってくれたように』 『ずっと続く"今"に浸り続けても決して満足しないだろうと言ってくれた人もいます』 『拙にとっては、深雪もその人も大事な友達です。無視できない言葉です』 液晶をなぞる指の動きは緩慢で、けれど着実に。 『拙は考えることを沢山やめてきました』 『辛いのが嫌だからと、痛みを感じたくないからと、何も考えないようにしていました』 『けれど、今ここで何も考えずに答えを出してしまったら。今まで通り、流されるまま流されていたら』 『真摯に拙に言葉をくれた深雪にもその人にも、同じだけ返せたとは言えません。誠実ではありません』 『深雪はきっと、自分側に来てくれるだけで構わないと思うかもしれませんが……拙が納得できないのです。 話をちゃんと聞いて自分で考えて出した答えでなければ、拙はきっと死んでも死にきれない。昔通りの楽しい気持ちで深雪と一緒にいられない』 『それこそ、"楽しかったあの頃そのもの"になれない』 思考は錆びついている。動かすことは容易ではない。けれど、同じものを同じだけ返せないまま流されることも許容できなかった。 『ですからどうか、皆ともう少しだけ待っていてください。 答えを出して、改めて話に来ます』 (-206) 2022/07/13(Wed) 15:53:21 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 傷弓之鳥 マユミ『おかしな事言うね』 『結局俺は大人になれないまま終わっちゃったのにさ』 「────大人になったら、」 そんないつかの終わりが来る前に、全ては終わってしまった。 『俺がそうかはわからないけど』 『俺は会いに行こうと思って来たわけじゃないんだ』 『多分、呼ばれただけ』 『皆が居た事は俺がここに来た要因の一つだろうけど』 『誰かにとかじゃなくて』 『この場所そのものが呼んだようなものなのかも』 古くから異界の地、或いは神域とされる山のほど近く。 今や人の営みの痕跡だけが残り、打ち棄てられ寂れた廃校。 行き場のない幾多の想いが吹き溜まり、滞り、蟠る。 人ならざるものの時間である夜半の、そんな場所だから。 そんな場所に、鳥飼が皆を連れて来てしまったから。 だからきっと、こうして確かにここに居て。 死者の声が、死者の手が、君達に届いてしまう。 そこにあるから、諦めきれず手を伸ばしてしまう。 皆にまた会えた事は、あの日をやり直す機会を得られたのは。 確かに嬉しかったけれど、そうあるべきではなかったとも思ってはいた。 今となっては、何もかも全て、ほんとうに今更なのだけど。 (-228) 2022/07/13(Wed) 21:38:05 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 傷弓之鳥 マユミそうして、ゆっくりと流れていく文字を見る。 君達が自分から来てくれたら、それが一番だとは思っていて。 けれど、そう簡単に頷いてはくれないだろうな、とも思っていた。 自分が君達に向ける好きと、君達の好きが同じとも限らないから。 この時点では、ただそれだけ。 そこにどんな理由が、どんな想いがあろうとも。 人は生と死を天秤に掛ける時、そうすんなりとは決断できないのだと。 それを正しく理解するのは、もう少し後の事だった。 『どっちを選んでも きっと完全には納得できないよ』 『納得できなかったでしょ、今までも』 『俺達はそれを納得できるようにはできてないんだよ』 『どうやったって昔には戻れない 今は今のままだけど』 『それでも 一緒に来てくれたら、俺達は傍に居てあげられる』 『生きてる限り、ずっとは無いけど 俺達ならそれができる』 『今を手放した後に、麻弓ちゃんの傍に居てくれる人は居るの?』 今を引き延ばして繋ぎ留めて、そうして作った世界というものは いつかはきっと澱んで膿んでいく。永い時は死者をも狂わせる。 けれど、そうだとしても、それでも。 寂しがり屋はそんな停滞をどうしようもなく愛してしまったから。 『答えは次の時に聞ければいいからさ』 『待ってるよ』 (-229) 2022/07/13(Wed) 21:41:01 |
ユメカワは、約束をまたひとつ。いつかの事。 (a79) 2022/07/13(Wed) 21:42:19 |
【置】 夏の雪 ユメカワそんないつかのどこかでの、ひとりごと。 「…悩める時間があるっていうのは、いいよな」 「そんなの、俺にはもう無いのに」 楽しい時間は、既に終わりを告げて。 自分達の立つ境のきざはしは今既に、半ば落ちつつある。 引き返す道などとうに無く、 進むも飛び降りるも、決断までの猶予はそう長くはない。 待ってる時間くらいは、あるんだけどさ。 (L4) 2022/07/13(Wed) 21:51:29 公開: 2022/07/13(Wed) 22:00:00 |
【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ同じではない気がする。いつだって君の方が一枚上手だ。 ……なんて言ったところで、水掛論。 「………もう。」 仕方ないな、と独りごちれば 五指を絡めた手を引いて、君の言葉の通りに空き教室を後にする。 「連れて行くよ。 離さないからさ、安心して。」 ここを出て、右の突き当たり。 廊下の隅の目立たない階段。 屋根裏に上がる──前に、音楽室からパイプ椅子を拝借してやった。 足りなければ、瓦礫でも何でもかき集めてやればいい。 「さっきセンパイと来た時、 階段なんて見逃してたな……。」 情けないけれど 君以外見えていない、証左。 さて。 パイプ椅子を引き摺って屋根裏へと登れば、確かに上へと続く穴がある。 ぎし、とパイプの鉄錆を鳴らして踏み付けて、屋根の上──いちばん高い場所へと辿り着くだろう。 君を先導して、手を引いて。 存分に甘やかすのは、僕の特権。 ▽ (-241) 2022/07/14(Thu) 1:15:18 |
【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ───屋根上。 星空にいちばん近い場所。 落ちてしまわないように、確と足腰へ力を込めて ゆるりと屋根へ腰を下ろす。勿論、君を隣へ誘って。 「……カメラじゃ、 上手く撮れないんだよね、星って。」 電気の灯りが少ない町では 夜空に星々が力一杯煌めいていて、 そうして、大きな月が、僕たちをいっとう優しく照らす。 まるで二人の選んだ夢を、 見守ってくれるみたいだ。 「……綺麗。」 星空、それから君が。 僅かに残る死への恐怖を、全部飲み込んでしまいそう。 「夜景は、見に行った事無かったよね。 夜は……いつも、家で……、だったし…………。」 ……もう少し。 もう少しだけ、デートを楽しませて欲しい。 これから踏み出す一歩は、あまりにも大き過ぎるから。 (-243) 2022/07/14(Thu) 1:17:23 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカ仕方ないな。 隣から聞こえた言葉は期待していた通りで、嬉しくて。 また一つ笑みを零して廊下を行く。一緒だから、大丈夫。 途中踏み台代わりに椅子を拝借して、そうして── 一歩、そして一歩、そしてまた一歩。 ふたり階段を上るたび、少しずつ最後の一瞬へと近付いていく。 屋根裏に辿り着けば、軋んだ音を立てて、また一つ上る。 椅子を踏んで、君が引く手に行き先を委ねて、屋根の上へ。 終わりの先へ辿り着く為に。 (-244) 2022/07/14(Thu) 3:45:30 |
ユメカワは、君に手を引かれるままに。 (a83) 2022/07/14(Thu) 3:45:42 |
ユメカワは、ぎ、と踏み台を踏んだ。 (a84) 2022/07/14(Thu) 3:45:48 |
【置】 夏の雪 ユメカワ夢川が空き教室から姿を消した後、 グループメッセージの既読の数はまたひとつ減った。 ──三階の、階段を上がってすぐの教室。 置き去りにされたスマートフォンが、時折虚しく通知音を鳴らす。 その液晶は罅割れて、ところどころが血で汚れていた。 持ち主の手の中にある間は、確かに綺麗だったはずなのに。 (L5) 2022/07/14(Thu) 3:47:33 公開: 2022/07/14(Thu) 4:00:00 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカそうして校舎の外へと出てしまえば、 静かな夏の夜の空気は先ほどまでよりずっと澄んだものに感じて 月明かりだって差し込むだけのものよりもっと明るくて。 屋根の上に居る特別感も合わさって、違う世界に来たみたいだ。 「ん……撮るのも忘れちゃいそうなくらい、」 傾きつつある月は、手を伸ばせば届きそうなくらい近くに見えて。 その後ろでは大小さまざまの星がまだ暗い空を飾っていて、 高層建築も少ない土地だから、そんな空が遠くまでよく見える。 君の隣で見るこの景色が、この時間が、ずっと続けばいいのにね。 「きれいだね」 それだけを言って、隣に座る君にそっと肩を寄せた。 ずっとは続かない。この先に行かない限り、それは叶わない。 けれど、けれど、せめて。 記憶の中に切り取る今が、少しでも多くなればいい。 「………あは、いちゃいちゃするのに忙しかったね? 俺は夏彦の事を構う方が好きだし、何より二人きりの時は 普段よりもっと可愛いから。別にいいんだけどね…」 声を潜めて囁くように、ちょっと意地の悪い言い方をする。 レンズ越しじゃない君の月白色の瞳が、 自分だけを見ているのは、事実とっても気分が良かった。 これからもそうなるのだと思えば、 やっぱり諦められそうにはない。まだ少し、時間はあるけれど。 (-245) 2022/07/14(Thu) 3:49:29 |
【置】 夏の雪 ユメカワ皆と居る日々が好きだった。なんでもない日々がよかった。 それさえあればよかったんだ。 夏彦が隣に居て、ふと目が合って、なんだか嬉しくなって。 栗栖が面白そうな事を持ってきて、稔がひょっこり顔出して 麻弓ちゃんが元気にやって来て、牧夫兄が苦笑しながらそこに加わって。 明日香ちゃんが怪我したらおいでって声掛けて、 不意に鹿乃姉がぴゃって声上げて、つられて裏道がびっくりして。 そんな二人を梢ちゃんが上手く宥めて、皆を纏めてくれて。 そんな日々が、 (L6) 2022/07/14(Thu) 4:50:45 公開: 2022/07/14(Thu) 5:00:00 |
【置】 夏の雪 ユメカワもう戻らないなら、どうしたらいい? 全部全部がいっぺんに叶う方法なんて、もうこれしかないじゃん。 他にどうしたらいいんだ、教えてくれよ。わかんないよ。 俺は楽しければそれでいいからって、今まで全然頑張ってこなかった。 甘えてばっかのやらなきゃできないだめな子なんだよ。 吁、だからか。 (L7) 2022/07/14(Thu) 4:51:17 公開: 2022/07/14(Thu) 5:00:00 |
ユメカワは、鏡の前で呟いた。「俺が悪いの?」 (a85) 2022/07/14(Thu) 4:51:30 |
ユメカワは、鏡の中で笑っていた。ただただくらく笑っていた。 (a86) 2022/07/14(Thu) 4:52:35 |
ユメカワは、そんな、いつかのどこかでのお話。 (a87) 2022/07/14(Thu) 4:52:42 |
【秘】 不知 ミナイ → 夏の雪 ユメカワ『保証はないね』 自己満足だ。 『言うとおりだ、誰かの視線なんてすぐにかわって』 健康になったと思ったら、すぐに。 『いつになっても置いていかれる』 躓いて、皆の差が縮まらない。 だから、人のものが、 (-274) 2022/07/14(Thu) 18:56:21 |
【秘】 不知 ミナイ → 夏の雪 ユメカワ『欲張りさんめ』 失う物が何もない、皮肉すぎるよそんなもの。 『それならキミをくれないと』 キミはこうして誘ってくれたね、 でも、彼は二人っきりがよかったのかもよ? 『ボクだってキミ達が欲しかったんだから』 それでももう少し押せばその間に挟まれたのかなとか。 でもあいにく、それはボクの性癖に沿ってないんだ。 『なんで』 なんで死んでしまったんだよ もっと、共に話しておきたかった、 仲良しな姿を見ていたかったよ ちょっと拗ねた姿も見たかった (-275) 2022/07/14(Thu) 18:58:35 |
【秘】 不知 ミナイ → 夏の雪 ユメカワ『ボクはキミ達に生きて欲しかったよ』 『生きて居るキミ達が良かったよ』 『この事だけは 嘘を吐けない』 『死んでいても良かったなんて』 『言わないんだって』 『だから お別れ』 『止めないから 惜しまないから』 『ずっと手に入らないキミ達を欲しがり続ける』 喪って悼んで、いつか。追いつくから。 『ばいばいだ』 (-276) 2022/07/14(Thu) 19:00:30 |
【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワ君と当たり前みたいに隣り合って、 綺麗なものを綺麗だと、好きなものを好きだと言って まるで普段と変わらないW日常Wを、味わって。 レンズを通さずに見上げた空は、いつもよりも綺麗に見えた。 嗚呼、これから死ぬんだ、なんて。実感は未だ湧かない。 「か、わいいって……僕が………?」 そうして、君のストレートな言葉には、むっと眉を顰める。 可愛がられるのも嬉しいけれど、 他の誰でもない君には、もっと─── 「格好良いとか、頼り甲斐があるとか そういう方が嬉しいんだけど……?」 ……そっとその横顔に、頬に唇を触れさせて 意地悪には、不意打ちで仕返してやった。 ▽ (-278) 2022/07/14(Thu) 20:04:32 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 不知 ミナイ『そんなの、知ってたでしょ』 俺が欲張りで、自分本位で、寂しがり屋な事なんて。 それでもしょうがないなって許してくれる君達に甘えてた。 『言ってくれなきゃわかんないよ』 寂しいからって、甘えたふりをして。 図々しく君達の傍に、心に踏み込むのは、確かに俺の特権だったよ。 それでもそれは、それを許してくれる君達の優しさに ただ甘えていただけなんだから。 『なんでだろうね』 理由なんて無い。意味も無い。 俺だって、あの時、あんな形で死にたくなんかなかったよ。 いつも通りの、けれどかけがえのない日々の中で。 皆ともっとずっと一緒に居たかった。もっと話していたかった。 離れ離れになったって、連絡が取れなくなるわけじゃない。 だからきっと、あの先にもまだ道はあったはずなのに。 (-279) 2022/07/14(Thu) 20:04:32 |
【秘】 残雪 ユメカワ → 不知 ミナイ「………あは、」 画面越しに告げられた別れに、いつも通り笑った。 もう手に入らないものを欲しがり続ける。 好きだけど、好きだから、諦めきれないし、譲れない。 我儘はお互い様。なら、しょうがないな。 『残念』 『君が止めないなら、俺も止めないよ でも』 『生きてる俺も 俺のこれからも もうあげられないけど』 『これまでの俺と、今の俺はあげられる だから』 『夢川深雪を君の中に連れていって』 『髪を切って、染めて、寂しがって』 『君の中で価値が無くなるまで。』 『君の時が止まるまで、俺の代わりに生き続けて』 ばいばいも、さようならも、君には言わない。 いっぱいいっぱいの君の手の中に、重さをもうひとつ。 この程度の重みを耐え難く思うなら、今、全部下ろしてしまいなよ。 きっとこれから先、もっとたくさんのものを抱えていくんだから。 (-280) 2022/07/14(Thu) 20:05:33 |
ユメカワは、いつも通り笑って。 (a92) 2022/07/14(Thu) 20:05:57 |
ユメカワは、君にお別れをしない。 (a93) 2022/07/14(Thu) 20:06:04 |
【秘】 夢の先 ライカ → 夏の雪 ユメカワそんなふうに君と笑い合って、戯れて。 どれだけの時間が経っただろう。 軽口から、意地悪、愛の言葉まで。 伝え合って、何となく互いに言葉が止まる頃。 「………、」 そろそろかな、なんて 誘うように両腕を広げて、君をまっすぐに見据える。 「好きだよ、深雪。 ずっと……一緒に居よう。」 太陽が目を覚ます前に。 行かなくちゃ。僕たちの夢の先へ。 君をこの腕に抱いて、その後はどうしよう。 何もかもに逆らって、空でも飛んでやろうか。 (-281) 2022/07/14(Thu) 20:06:12 |
【置】 夏の雪 ユメカワひらひら はらはら 夏の雪が降る ぱらぱら、ぱらぱら、降るのはちいさな写真。 まっくらでなにも写っていない、さみしい写真が10枚ほど。 インスタントカメラが写したはずの、写せなかった光景。 楽しくなかったから撮れなかったのかな。 そうじゃなくても、どのみちもう撮れなかったのかな。 今となってはわからないけど、もういいんだ。 もう 大切な今は、写真に切り取らなくたっていいから。 記憶の中に切り取って、そのままのかたちで、ずっとこの手の中に。 だからこのさみしい一瞬は、すべてここに置いていこう。 壊れたものだって大切だから、壊れたまま共に在ろう。 終わりの先で、永遠を共にしよう。 ひらひら はらはら 夏の雪が降る (L9) 2022/07/14(Thu) 20:51:55 公開: 2022/07/14(Thu) 20:55:00 |
【秘】 夏の雪 ユメカワ → 夢の先 ライカふたりきりの世界で、今は他愛無い戯れを。 肩を寄せ合って、言葉を交わして、愛を謳って。 かけがえのない時間の中、広がる沈黙は心地良い。 そうして、ふと。 まっくらな、なにも写っていない写真を取り出して。 屋根の端の向こうへ少し腕を伸ばして手放せば、 ひらひら はらはら 風に舞って屋根の下へと落ちていく。 それを暫し眺めた後に、君がゆっくりと腕を広げて。 まっすぐな君の眼を見て、一歩。 「うん。…大好きだよ、夏彦。」 ああ、幸せだ。そっと笑って、誘われるまま君の腕の中へ。 片手を繋いで、そっと身体を寄せて、 「これからも一緒に居よう、ずっと、ずっと……」 「──そのリボンで小指と小指繋いでみたらどうだろう、」 小指、だけじゃ、嫌だな。 そう思って、胸元のリボンを解いて、繋いだ手に結んで。 そうしたらあとの片手は君の背に回して、 「ずっと、離さないから」 ぎゅっと抱き合って、宙を舞う写真達の後を追う。 そのまま、同じ夢の底へ落ちていく。 (-285) 2022/07/14(Thu) 20:53:45 |
ユメカワは、校舎の屋根の上。 (a94) 2022/07/14(Thu) 20:54:53 |
ユメカワは、君と手を繋いで、君と抱き合ったまま、 (a95) 2022/07/14(Thu) 20:54:58 |
ユメカワは、屋根の端、その向こうへ、身を投げだした。 (a96) 2022/07/14(Thu) 20:55:09 |
ユメカワは、君と同じ夢の底へ落ちていく。 (a97) 2022/07/14(Thu) 20:55:14 |
ユメカワは、そして──現実から覚めて、夢に起きる。 (a98) 2022/07/14(Thu) 20:55:18 |
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