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【人】 日の中 フカワ「ん………う、うん…………?」 ちょっと記憶が飛んだような。 青い歌が聞こえる方に行って、 そこから、そこから───どうしたんだっけ? なんだか針に刺されたみたいに痛む所を、 やっとの思いで手を伸ばして、撫でさする。 『よかった』 頭上から降り注いだ、女性の声。 呆気に取られているうちに、 矢継ぎ早に降り掛かる説明と。 手元に差し出された、“使ってない方”の薬品。 本当は説明してから打ちたかったけど、 間に合わなかったら良くないから、なんて。 マジか、と息吐く間もなく彼女は去っていった。 (1) 2022/06/12(Sun) 21:55:11 |
【人】 日の中 フカワもう歌は聞こえない。 自分から漏れ出す声もきっとない。 「──マジかあ………………」 そんな急に終わるんだ。これ。 こんなに覚悟決まってるのに。 怪物達の仲間入りしてもよかったのに。 つくづく、終わらせてもらえないものだ。 (2) 2022/06/12(Sun) 22:04:21 |
フカワは、手渡された薬に視線を落とす。 (a0) 2022/06/12(Sun) 22:04:32 |
フカワは、資料室に行かなくてはならなかった。 (a1) 2022/06/12(Sun) 22:04:43 |
【秘】 日の中 フカワ → シャッタードグラス カナイ間に合うかどうか、とかそういう問題では既にない。 間に合わなくなる前に自ら終わらせたのだから、 今からすることは単純な自己満足に過ぎないのだろう。 何かの慰めにはなるか、と思って。 薬を片手に貴方の身体の前まで辿り着く。 「……誰でもいい、ことは、いいんです。 けれど、選択の余地なんてものを寄越されたら、 結局、貴方のことしか思いつかなかったんだ」 今手に持つこれは決して幼い頃に見た蘇生薬とか、 そんなファンタジー的な代物ではない。 曲がりなりにも薬物に精通している人間が、 そんな夢想なんかするべきでもない。 ただそれでも、万能薬にはなり得る。 相手にではない。己の無様に足掻く心に対するパナセーア。 「……頼むよ、ホント」 祈るように。暫し瞳を閉じて。 手の震えが収まったので、 徐にそれを、脈の止まった血管に突き立てた。 (-0) 2022/06/13(Mon) 18:49:27 |
【秘】 ラストリゾート フカワ → クラックドグラス カナイ「───」 力の赴くままに押し倒される。 また映画か劇かを見ているようで、 それを現実のものと認識するには、暫し咀嚼が必要で。 最後の手段に頼っておいて、なんとも情けない。 「ああ……思ったよりあっけなかった、な」 ここでの戦いも、ひとりで決めた決意も、 誰かの望みの、己の祈りも、その全てが、 実にあっけなく終わって、叶って、それだけ。 所詮自分は筋書きを変えられるほど強くなくて、 だから、ご都合主義とか、誰かの献身とか、 そんなものに頼らなくちゃならなかった。 日向と西への路を、遠くまで延ばした悪夢は、 冷たくて、苦しくて、怖くて、寂しい。 ───だから この現実で、貴方といたかったんだ。 (-7) 2022/06/14(Tue) 6:46:14 |
フカワは、ますますいたくなる。貴方のせいだ。 (a7) 2022/06/14(Tue) 6:48:18 |
【秘】 ラストワード フカワ → クラックドグラス カナイ「後悔していることが、沢山あるんです」 「やらなくちゃいけないことが、まだ沢山あるんです」 もう心の音が勝手に代弁してくれるわけじゃない。 あらゆる考えを、自ら言葉にしなくてはならない。 ああなんて恐ろしくて、わくわくすることなのか。 「何からやればいいかわからなかったけれど、 やはり、真っ先に貴方を起こして正解だった。 ひとりじゃないから、怖くないと思える」 「叶さんが守ってくれたから、 あの後……誰も欠けることが無かったんですよ。 貴方のせいです。 貴方のせいで、隠し事なんて出来なくなっちゃいました」 「だから───ありがとう。 既に取り返しがつかなかったのだとしても、 これ以上失わずに済んで、本当によかった」 (-8) 2022/06/14(Tue) 7:01:20 |
【秘】 日がな向き合う フカワ → 晴の再路 カナイ「貴方がそうならないように。 今度は決して取りこぼさないように、 オレももっと、しっかりしていきます。 お互いに大事なことを突然頼んだり、 あるいは一人で抱え込んだりしなければ、 きっと───もう繰り返さないはずです」 勿論全てが上手くいくわけじゃないだろう。 やはり当たり前のように悲劇的な事は起こるだろうし、 また、追い詰められてしまうことだって、きっと。 それでも、過ちを認めて、逃げずに立ち向かい、 頼るべきものに頼るなら、同じ結果には絶対にならない。 掴んだ手をあの時のように両の手で握って、 確かにそこにある人肌の熱が、こんなにも嬉しくて。 「オレだって……結構、頭がおかしいんだと思います。 ええ、貴方の言う通り。間違いはなくって。 だから、だからこそ必要なんですよ、叶さんが」 思わず、皮肉気に言う。何を言っても、 我々は端から一人では生きていけない、強くない人間で、 力を合わせればそれなりに頑張れる、弱くもない人間。 分かってしまえば、やはりそれだけの簡単なことだ。 (-12) 2022/06/15(Wed) 12:48:10 |
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