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【人】 司書 エルナト姿を再び見せてくれる人。 入れ替わるように消えていく人。 今日はちゃんと定刻より早く、つまりいつも通りの時間に 食堂の椅子に座って、周りを見て。 昨日、待っててと言ったまま消えた子は。 案の定今日の朝は現れないことを確認して。 あぁ、と一人、納得の息をついて。 「……皆、ご飯はちゃんと食べようね。」 昨日、食べたご飯のおかげで、随分ましになった空腹感に 安堵の息をついて、そう言葉を吐くのだった。 (0) 2022/05/06(Fri) 21:08:13 |
エルナトは、「昨日までの君の方が好きだった」とはっきり告げた。たとえ今の君も君だとしても。 (a3) 2022/05/06(Fri) 21:21:49 |
エルナトは、喪失感を覚えている。それは、それは例えるなら………… (a4) 2022/05/06(Fri) 21:23:21 |
エルナトは、………朝、部屋の置手紙にひとつ、息を吐いてから食堂に来たのだろう。 (a5) 2022/05/06(Fri) 21:24:28 |
【人】 司書 エルナト「……なら、いいけれど。」 明らかに様子がおかしい姿。 でも、問いただしても仕方ないから、そのまま見送る。 ………随分と変わり果てた、同級生の姿も。 君の声、好きだったんだけどな。 お腹をさすった。 「…そろそろ行こうかな。」 「図書室は今日も営業中だから、よろしくね。」 そうとだけ告げて、食堂を出て行った。 (5) 2022/05/06(Fri) 21:57:53 |
司書 エルナト(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/06(Fri) 22:00:53 |
エルナトは、今日も図書室で本を読んでいる。いつも通り。 (a10) 2022/05/06(Fri) 22:12:23 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン「リアンさん。」 食堂から、図書室に向かうまでの廊下。 ゆったりとした動作で歩いてる所に声を掛けられて、 振り返ってその姿を見る。 端麗な顔………は、もう随分仮面で見えなくなっているが。 それでも直ぐに誰か判断できる程度には、聞き慣れた声だった。 「………。」 質問に、少しの間。 いつも浮かべてる柔らかな笑みは変わらないまま。 「昨日はね、ちゃんと食べたんだ。」 「でも、やっぱりお腹いっぱいには食べられないね。」 「成長期だからか、すぐお腹が空いちゃって。」 あはは、と笑う。 少年の食事の風景は、多くの人が一度も見たことがない。 (-23) 2022/05/06(Fri) 22:34:46 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン「あはは………そうだね、人前では食べないかな。」 「可哀想だから。」 という、なんだか普通とはずれた回答。 てく、てくとそちらに近づいて、目の前まで立てば、 身長差分、少し見上げる形。 続けられる質問には、くすくす、と笑い。 「もしかして、心配してくれている?」 「やっぱり上級生は、下級生の事が気になるのかな。」 あなた それとも、"王"だからかな?なんて首を傾げて。 うーん、と顎に指をあてて、思案して。 「まぁ、そうだね。体質……というか、病気かな。」 「人と同じものが食べられないから。」 「……あなたなら僕のご飯が作れるよって言ったら」 「食べさせてくれる?」 ちらり、と鷹色の目が君を見る。 お腹をさする。 お腹が空いて仕方ないな。仕方ないよ。 ご飯を目の前にしたら、お腹が減るのは仕方のない事。 じわり、溢れる唾液を、こくりと飲み込んだ。 (-26) 2022/05/06(Fri) 23:07:26 |
司書 エルナト(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/06(Fri) 23:08:29 |
司書 エルナト(匿名)は、メモを貼った。 2022/05/06(Fri) 23:08:48 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン少年はほとんどの時間をここで過ごしてきた。 親には捨てられたと自認しているし、実際にそう。 此処での暮らしは、どちらかと言えば育ちが良い方、 になるのかもしれないが。 「へぇ、どんな思惑?」 「ラピスさんは優しそうだよね、あんまり関わりはないけど。」 「よく、下級生のお世話をしてるのをみるし。」 何にせよ気にかけられているのは事実。 嬉しいね、なんて笑う。無邪気な笑み。 異彩の両眼をじっと眺めて。 「本当に?」 「うん、大丈夫、貴方でも用意できるよ。」 「人なら誰だって用意できる。」 その言葉を聞けば。 嬉しそうに、身体を寄せる。 許しまで得たら、もう我慢できない。 空腹は耐えがたい。 ▼ (-29) 2022/05/06(Fri) 23:35:38 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアンそれから、手を君の頬へ伸ばす。 拒まれなければ、両の手で触れる。 「僕ね。」 「……人の体液しか食べられないんだ。」 そうして、告白する。 自らの病を、自らの食事の対象を。 「汗とか、涙とか、唾液とか。」 「…血とか、尿とか、精液とか。」 「そういうものしか食べられなくて。」 だから、人前でそれを食べるようなことはしないし。 お腹いっぱい、食べる事も出来ない。 そもそも、分け与えてくれる人自体が少ないから。 気持ち悪いから。 だから、お腹が減って仕方ない時は。 自分でも抑えつけられるような、初等部の子を無理やり。 "食事"にしていた。これまで、ずっと。 他の班の子を。……最近は、この班の子まで。 「リアンさん。」 「食べてもいいの?」 少し荒くなった息。熱を上らせた顔は。 餌を前にした、飢えた獣のようであった。 空腹の抑えが利かない。 (-32) 2022/05/06(Fri) 23:42:35 |
司書 エルナトは、メモを貼った。 (a14) 2022/05/06(Fri) 23:56:50 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアン「殊勝な考えだね。素敵なことだと思う。」 「どんな理由であれ、気にかけてくれて悪い気はしないもの。」 「……悪い気がする人もいるだろうけど。」 赤髪の彼を思い浮かべつつ。 まぁ、あれは特殊な例というものだろう。 「高く評価してるんだね。ラピスさんの事。」 「仲はいいの?」 なんていう雑談。 普通の少年らしく、人の事には興味があった。 ▼ (-45) 2022/05/07(Sat) 0:30:21 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアンでも、普通の少年ではないから。 今、こんなに飢えに苦しんでいる。 「………わぁ。」 はらりと取れた化粧。 その内側にある黒いものに、声を上げ。 「どうしたの?これ。貴方の病気?」 「すごいね、気付かなかったな。」 もう少し化粧を爪で落として、しげしげと見つめる。 それから、齎される言葉には。 ふ、と思わず吹き出して、それから、笑い声をあげた。 「あっはははは…………おかしい事言うんだ、リアンさん。」 「貴方はミルクを飲むときに、牛の柄を気にするの?」 「僕にとっての貴方達は、そういう存在なんだ。」 ずっとこの食性で生きてきたから。 人間を牛や豚と同じ『家畜』としてしか見れない。 自分に食糧を提供するだけの生き物。 良くてかわいいペット、その程度の、認知。 空き教室に、後ろからついていき。 扉を閉めれば、そのまま鍵まで。 ▼ (-46) 2022/05/07(Sat) 0:37:08 |
【秘】 司書 エルナト → 王として リアンそれから、貴方に抱き着いた。 ぎゅっと、身体を押し付け熱を伝えるのは。 愛や恋や性によるものではなく。 ただ、熱して汗を出させるためだけの捕食行動。 首に腕を回して、見上げる。 「……ちゅーしていい?」 汗も涙も、今は出ていない。 だから一番すぐに取れる給餌手段を、口に出した。 (-47) 2022/05/07(Sat) 0:40:39 |
【秘】 司書 エルナト → 優位 リアン随分周りをよく見ているのだろうな、と思った。 やはり王という自認がそうさせるのだろうか。 あるいは元から面倒見のいい性格なのかもしれないが。 「疲れるんじゃない、隠し事をするのって。」 「他に知ってる人はいないの?」 流石に同室の人に隠すのは大変な気もするし、 多少は知られているのかもしれない。 それでもきっと、多くの人は君を、見た目麗しい上級生くらいにしか思っていないだろう。自分もそうだったし。 それらの努力も全て王であるためというならば、 それはもはや、執念にも近いものだな、と思った。 「そんなに王であることが大事?」 広がる黒に、これ以上ここで暴いて、 誰かが通ったら困るだろうと、指を止めて。 ▼ (-56) 2022/05/07(Sat) 2:13:30 |
【秘】 雛鳥 エルナト → 優位 リアンそれから、"王への嘆願"が、笑い飛ばされたことに。 少年は少しだけ、泣きそうな顔をして。 ご馳走が乗ったお皿を下げられたみたいな気分。 でも、その後の行動に。 "王からの贈物"に。 「…ん……ちょうだい…………?」 舌を出して、受け止めるように。 垂らされたそれを、口の中に運んで。 ぬちゅ、と口の中で転がして、絡めて。 君の顔を、とろんとした目で見つめながらずっと、そうして。 それからようやく、こくん、と喉を鳴らして飲み込んで。 はぁ、と漏れた熱い吐息は。 すこしばかり君の香りに染まっていた。 「ねぇ、もっと……もっと欲しい…………」 上気した顔で、尚も求めるように口を開いて待つ少年は。 さながら、雛鳥のようにも見えるだろう。 (-57) 2022/05/07(Sat) 2:21:07 |
【秘】 雛鳥 エルナト → 王 リアン「おや、じゃあ意外とレアだ。」 「嬉しいね、王の秘密を知っちゃった。」 「穴倉に叫ばないといけないかもね。」 ロバ耳の王様。 本好きな少年らしいジョークであった。 勿論、実際に口外するようなことはしない。 隠されたものを暴いて広める趣味もない。 「……そう、やっぱり貴族って。」 「そう言うのがとっても、大事なんだね。」 という顔は、此処に来て初めて少しばかり陰りを見せた。 少年と同室の彼が貴族の生まれであるというのは、だれしもに知られている話。 彼も常に模範であろうと、立派な大人であろうとしている。 そのために"治療"を受け、薬の力まで借りて。 「……あんまりわかんないや。」 「肩書き通りに振舞うのって、疲れそう。」 なに一つの重荷も背負ってない少年には、 その覚悟も、プレッシャーも、理解はできないのであった。 ▼ (-79) 2022/05/07(Sat) 16:59:57 |
【秘】 雛鳥 エルナト → 王 リアン「ぅぁ………」 体を離されれば切なげな声。 しかし給餌がまだ終わらない事を知れば、 はやく、はやくとせびるように自分の体を抱いて。 鮮血が、溢れて。 「あぁ………っ」 という小さな叫びは。 その腕のグロテスクな様相に。 突き立った鋏が齎した生々しい傷に。 ……ではなく。 床に零れてしまったご飯への、悲しみから。 でも、すぐに新鮮なご飯の方に目を向けて。 君の手を、抱くように掴んで。 服が汚れようと気にすることもなく。 その傷を上から、下まで。 這うように、ぬるりとした舌が撫で上げるように。 動いて、血を掬っていく。 「…おい、しい………リアンさんの……とっても…美味しいよ………」 ほんの少し前まで、血を口にするのには抵抗があったのに。 今はもう、何も感じはしなかった。 血を吸いだそうと強く吸い付けば、 君に強い痛みを与えるだろうか。 (-80) 2022/05/07(Sat) 17:07:07 |
【人】 司書 エルナト>>+10 バレンタイン 「…そう、よかった。」 いつも少し眠たげな声。 先日ははきはきとした声。 今はそのどちらでもなく、何の感情もない電子的な声。 どうしたって、いつものように微笑むことはできない。 可愛がっていたペットが、補助具を付けないと 歩けなくなったような……そんな気持ち。 「……謝らないでよ。別にいいんだ。」 「最後まで読もうとしてくれたなら嬉しいな。」 「本は、最後まで読まないと意味がないからね。」 物語なんて、ラスト一ページで急に変わったりするものだから、と。 少し眉を下げながらも、微笑んで。 「……まだわかんないよ。何か起きるかもしれないさ。」 「……そうだ!本、今どこにある?」 「良かったら、読み聞かせしてあげようか?」 結構、初等部の子達にも好評なんだよ、なんて。 今度はしっかりと笑いかけて見せて。 (9) 2022/05/07(Sat) 19:31:32 |
【人】 司書 エルナト>>+11 バレンタイン 「……うん、よかった。」 「君が、ただの器だけになってしまったらって、心配だったけど。」 「ちゃんと君が、そこにいるみたいで、良かった。」 動かぬ体、電子の声。 人と呼ぶには些かばかり冷たくなりすぎてしまったけれど。 でも、きちんと心は君のまま。 それに、何もかもを投げ捨てたりしてるわけでもない。 君が落ち込んでいないのならば。 自分が悲しんでいてはいけないなと、緩く首を振り。 「………それ、図書室から持ってった本じゃないよね?」 「数か月前から転々と帰ってきてない本があるけれど…」 すこしじと……っと君を見て。 それから、大丈夫だよ、と仕方なさそうに笑って。 「じゃあ、探してくるから少し待ってて。」 そうして一度、君達の部屋まで。 何事も無ければそれなりの時間の後、帰ってくるだろう。 (12) 2022/05/07(Sat) 20:08:04 |
エルナトは、パンの香りを良いとは思えないし、味なんてわかりもしないけど。でも、パンを食べる皆の顔は好きだった。 (a20) 2022/05/07(Sat) 20:09:18 |
エルナトは、そこかしこに置いてある本に溜息をついて、目当ての本を探す。 (a22) 2022/05/07(Sat) 20:31:24 |
エルナトは、ベッドの上にあったそれを拾い上げる。今まではここで寝ながら読んでいたのだろうか。 (a23) 2022/05/07(Sat) 20:44:46 |
エルナトは、少しだけ部屋を見まわしてから、君の元へと戻らないと、と足を出口へ向けた。 (a24) 2022/05/07(Sat) 20:56:48 |
エルナトは、本を両手で抱えて、来た道を戻る。 (a25) 2022/05/07(Sat) 21:25:33 |
エルナトは、この本の結末は、そんなに大きなどんでん返しもない、普通のものだけど。 (a26) 2022/05/07(Sat) 21:26:07 |
エルナトは、その普通をしっかりと受け止めることが、大事なのだと思うから。 (a27) 2022/05/07(Sat) 21:26:40 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン「そうしたくて振舞う………」 「……そうしたほうが、楽?だから?」 「まぁ……やりたいことをやってるなら、いいのかな。」 一方でおそらくは前者側である彼は。 責任感とプレッシャーに押しつぶされて、そうして。 自分の心の成長を、薬に頼ってしまった。 彼の止まり木になれなかったことは、少し悲しく思う。 「うーん、確かに、肩書………」 「でも僕は、元々本は好きで、丁寧に扱ってたから。」 「あんまり肩書によって、って言うのはないのかも。」 「…あ、でも本が図書室に帰ってきてないと気になったりするなぁ……。」 これが責任って言うものなのかも。 そんな風に考えたり微笑んだりする少年は、 年相応の無邪気な様子であった。 ▼ (-101) 2022/05/07(Sat) 21:37:05 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン一方で、餌を与えられる少年は。 どこか妖艶で、大人びてるような、逆に幼いような。 まるで本当に蜜月の時を交わしてるかのような、その姿は。 やっぱり、そういう姿を見せればより多くの"ご飯"を生み出してくれると わかっていてそうしている、捕食行動の一つでしかない。 「もっと…………もっと…………」 食べれど食べれど収まらない空腹。 甘ったるい声で懇願して、口の周りまで紅で汚して。 ぺろ、ぺろ、浮き出した汗まで丹念に舐め取る。 その細長い指の一つ一つを口に含んで、指の間に舌を這わせて。 それでも全然足りなくて、もっと、もっと欲しくて。 だから。 真新しい傷口に、思いっきり歯を突き立てた。 「美味しい……熱い……好き………リアンさん………好き…………」 ドバっと溢れ出した血を思いっきり吸って。 ぐい、と体を押し付けて、叶うなら押し倒してしまおうと。 愛を語るその言葉もやっぱり。 何一つの感情も灯らない、ただの捕食行動でしかない。 病で歪んだ少年の、ありふれた食事だ。 (-102) 2022/05/07(Sat) 21:47:36 |
【人】 司書 エルナト>>+13 バレンタイン 「ん、じゃあ124ページからかな。」 「結構読んではいたんだね。」 残りはそんなに長くない。 夕ご飯までには読み終われるくらいの量。 例え君から何の反応もこなくとも。 きちんと、最後まで読み終えよう。 それが友達として、君にしてあげられる事だろうから。 縮まった距離。 文字が見えた方が良いかな、と隣に寄り添う形にして。 二人で本を覗き込む姿勢になって。 「………うん、いいよ。」 「ちゃんと読むなら、いくらでも時間をかけて。」 「きっと本たちもそうしてもらいたがってる。」 にっこり微笑んで。 それから、ゆっくり、穏やかで柔らかな。 変声期の来ていない、ボーイソプラノの声で読み上げていくのだった。 (15) 2022/05/07(Sat) 22:07:39 |
エルナトは、「太陽には烏、月には兎───」「三つ足の烏は玉兎めがけてついに羽根を広げ────」 (a28) 2022/05/07(Sat) 22:08:55 |
エルナトは、静かに、読み進めていく。 (a29) 2022/05/07(Sat) 22:09:09 |
エルナトは、淀みなく読み上げていく。空が赤く染まる頃、ついに指は最後のページを捲り。 (a30) 2022/05/07(Sat) 22:30:06 |
エルナトは、「────めでたし、めでたし。」金烏玉兎の話を、君に聞かせたことだろう。 (a31) 2022/05/07(Sat) 22:31:03 |
【人】 司書 エルナト>>+15 バレンタイン 当たり前の物語が、当たり前の結末を辿る。 ありふれた恋物語。 どこにでもある、普通の。 辿るべきところを辿った物語。 きっと世の中の全ての事は、同じように。 何一つ気にかけずとも、流れていくはずで。 「………?センセイ?」 君がどこかに語った言葉は、少年宛ではなくて。 だからそれの理解はできなかったけれど。 「……満足できたかな、なら、よかった。」 「…そろそろ晩御飯時だ。バレンタインくんは、ご飯は食べられないかな。」 「顔くらいは出しておく?」 出すなら、君の車椅子を押して共に食堂に向かうし。 そうでないなら、またね、と微笑んで。 本は図書室に戻すため、抱えて。 建物の中へ歩を向ける事だろう。 (16) 2022/05/08(Sun) 0:27:32 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアンたとえ何一つ意味がなくとも、 その捕食行動はやめられない。 食虫植物が、常に虫を誘引する香りを出すように。 ただただ決められた行動を、顔を、声を出すだけ。 服も顔も、君の紅色に染まっていく。 でもそれを気にすることもない。 少年は、非力な方ではあるけれど。 血の抜かれた人間に負けるほどではなく。 引きはがされそうになれば、反発するように身を寄せて。 自分事倒れ込むように、押し倒す。 「何が違うの……?わかんない、わかんないよ……… だって、貴方達は僕のご飯でしょ………? ご飯が好き……リアンさんが好き……すき、すき………っ」 ひと 君と飯の違いが理解できない少年は。 例えば唐揚げを食べて、鶏が好きだというくらいの温度で。 君に蜂蜜のような愛を囁き続ける。 馬乗りに胴体に乗って、顔を寄せて。 「ね、ちゅー……ちゅーしよ……?」 「ちゅーしたい………お願い………ちゅーしたいの…………」 泣きそうな顔で懇願して。 それが受け入れられれば、その薄い色の唇に貪りつくし─── ▼ (-116) 2022/05/08(Sun) 0:36:09 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン受け入れられないなら。 君の手に持たれたままの鋏を、奪い取って。 「もっと……もっと………っ」 「ぼくをいっぱいにして…………」 振りかざして。 肩に思いっきり振り下ろす。 何一つの躊躇もなく。 牛肉を得るために作業のように牛を屠殺するがごとく。 樹液を出すために木の皮を剥がすがごとく。 傷つけて、溢れたそれに貪りつくだろう。 (-117) 2022/05/08(Sun) 0:40:28 |
エルナトは、「今の方が君の事を沢山知れるのかもね」と車椅子の彼に笑って (a35) 2022/05/08(Sun) 0:44:08 |
エルナトは、君が食堂に顔を出すと言えば、嬉しげに笑って。だって、友達と一緒の方が楽しいから。 (a36) 2022/05/08(Sun) 0:45:03 |
エルナトは、るんるんと、楽しげに君の車椅子を押しただろう。 (a37) 2022/05/08(Sun) 0:45:36 |
【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタインちなみに、道中にて。 「…ねぇねぇ、バレンタインくん。」 「君の体って、動きはしないけど……」 「汗とか、泣いたりとか……トイレとか」 「そういうのも、完全に機能してないの?」 そんな質問をしたことだろう。 (-118) 2022/05/08(Sun) 0:47:08 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン今までは、もっと奇麗に食べていた。 そりゃあ、舐めたり吸ったりはしたけれど。 傷口に貪りついて、肉ごと食らいかねないほどに 獰猛に食事することはなかった。 でも ▼ (-122) 2022/05/08(Sun) 1:19:27 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン 自 分の病 の気持ち悪 さと、病のせい で誰一人真の意味で 愛する事ができないと言 う苦痛と、それらが溜まりに 溜まった結果、重度の過食症にな ってしまって、ただでさえ満足に 取れなかった食事は、常に飢餓を 訴える体を満たすことが難しくて それでも今日まで出来るだけ頑張 って我慢してきたのだけど、もう 限界で、その時に貴方が声をかけ てくれたから、もう、飢えた 獣は貴方に縋るしかなく て、お腹をみたして (-125) 2022/05/08(Sun) 1:35:10 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン受け入れられない。 苦しい、もっと、もっと食べたいのに。 この飢えを満たして、満たして。 満たしたらきっと、ちゃんと人を人として見る事が出来て、 そしたら僕も普通に人を愛したり、愛されたりできて。 もう親に捨てられるような、気持ち悪い子供でいずに済んで。 だからもっと食べないと、もっと、もっと。 もっと食べるには、こうするしかなかった。 噴水のように溢れる血を、ごくごくと喉を鳴らしながら飲んで。 やがてその音が徐々に、徐々に感覚を長くしていって。 満腹にはなれないまでも、軽く満たされれば。 捕食行動は、もうとる必要が無くて。 顔を、あげて。 「……リアン………さん………?」 「だい、じょうぶ………?」 ようやく、欲望が覚めてきた頭で貴方の状況を見下ろして。 少年は、もう甘ったるくない声で、そう問いかけた。 (-127) 2022/05/08(Sun) 1:40:47 |
【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタイン「へぇ……そうなんだ。」 「……そうなんだ……………」 と、相槌を打つ声は。 少しばかりの熱を帯びて。 絶対に逃げない餌がここにいる。 じゃあ次、我慢できないくらいお腹が減ったら。 「……おむつとか変えてあげようか?」 「……なんてね。ふふ………」 ドキドキと高鳴る鼓動。 きっと君に聞こえることはないまま、食堂までの道を歩いた。 (-129) 2022/05/08(Sun) 1:45:10 |
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