【人】 無口な使用人 ジゼル[ 思いの外、大きな荷物になってしまった。 紙袋の中で(ふたつめの紙袋!)フルーツポンチ>>175の入った缶がちゃぽちゃぽと音を鳴らす。] (…大丈夫、子供たちは、きっと好きよね) [ 何故わざわざこんな重いものを選んだのか自分でも首を傾げるけれど、ともかく買い物を終えてゆきのやをあとにする。 店主のおばあさんはニコニコと手を振ってくれた。] (やっぱり嵩張るわね…先に孤児院に寄ろうかしら…あら?) [ 思わず目を疑った。 店を出てすぐの所で、またぴょこんと飛び出している獣の耳! よくよく考えてみれば装飾屋さんにはたくさん売っていたので、同じものをつけている人がいても不思議ではない。 けれど、その様相は、少し前に道案内をしてくれたあの優しい騎士さんに間違いと気付いて、ドキンと心臓が跳ねた。>>177] (201) 2020/05/14(Thu) 22:05:15 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ こんなに早くまた会えるなんてと、今買ったばかりの金平糖を握りしめて声を掛けようと近づく。その時。] ……あ、ごめん。 あまりに、綺麗だったから。>>178 [ …優しい騎士さん、クレソンさんの声が耳に触れた。 ピタリと足が止まる。 クレソンさんの前には、見慣れない衣装に身を包んだ女性がいた。…それもとびきり美しい、まるで異国のお姫様のような、素敵な女性。 …瞬間的に踵を返す。 絶対に足音を立てないように、そして紙袋を高く持ち上げて、顔が見えないようにして、後退りする。 そうねこれ昨日もしたわね、と自嘲しながら。 1秒でも早くこの場から離れようと思った。 …絶対に、気づかれないように、逃げ出すように走り去った。]* (203) 2020/05/14(Thu) 22:11:19 |
無口な使用人 ジゼルは、メモを貼った。 (a93) 2020/05/14(Thu) 22:15:16 |
無口な使用人 ジゼルは、メモを貼った。 (a94) 2020/05/14(Thu) 22:16:48 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ どうか気付かれていませんように、と走りながら、あの女性と目が合ったような気もする>>239 ものだからますます恥ずかしさでいたたまれない。 ( いっそここで転んでしまえば、紙袋から転がったものを拾い上げてくれる王子様に出会えたりするかしらね!) [ なんて毒づいたりしたけれど、舗装された道でわざわざ転ぶ勇気などもちろんなく。 そもそもそんな御伽話を純粋に信じる程もう子供じゃなくなってしまったわと、乱れた呼吸と共に吐き出した。 ただただ重くなった紙袋二つを抱えて、ようやく足を止める。孤児院まであと少しのところまで来ていたことに気づいて、鉛のような足を引きずって歩を進めた。] (251) 2020/05/15(Fri) 9:25:44 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ 孤児院の窓からは、子供たちの賑やかな笑い声や、なにか本を読み聞かせているような声も漏れ聞こえてくる>>236 人懐こい子供たちは本当に大好きなのだけれど、今日は呼び鈴を鳴らさずに、 孤児院の玄関先に、ちょっとくしゃくしゃになってしまった紙袋 そして少し離れたところで座り込んだ。]* (252) 2020/05/15(Fri) 9:27:36 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ ふ、と硬い道路の感触で我に帰る。 どれくらいそこに座っていたのだろう。 見上げれば空は少しずつその濃さを増し、キラキラと輝く星がひとつまたひとつと姿をあらわにしていて。] (…え、もうこんなに暗く?) [ あわてて立ち上がろうとしたら、足がミシリと軋んだ。 孤児院に目をやると、ちらりと見えた影が二つ、仲良さげな風で星を眺めているように伸びている>>234 人がいたなら、こちらに気づいただろうか。 気づいてなにかを話しかけてくれていても、きっとなにも言えないだろうけど。 昨日から何かを邪魔してばかりな気がする。]* (264) 2020/05/15(Fri) 14:16:46 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ …別に、これが恋だとはっきり断言出来るような思いを彼>>0:7に対して持っていた訳ではないし、 100歩譲って彼との出会いが、一目惚れ、なんて陳腐な言葉で言い表すことが出来るものだったとしても、それこそ失恋確定的な決定的場面 (きっ、きっ、キスとか!?) (なのにどうしてこんなに沈んだ気持ちになるのかしら) [ 痺れた足に手をやろうとして、渡しそびれて握りしめていた金平糖が手の中でガサリと音を立てたのに気づく。 ほんの少し悩んだがすぐに包みをあけて、5、6個まとめて口に放り込んだ。 がりがりと噛み砕きながら、うちへ戻ろう、と思った。 楽しみにしていたタナバタの舞は、もう終わってしまっただろうな>>234と考えながら。]* (265) 2020/05/15(Fri) 14:26:51 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ うちへ戻ろう(と言っても厳密には自分の家ではないのだが)と歩き出したけれど、よくよく考えてみれば帰ったところでだれもいない。 おまけに空腹にも気付いてしまった。 今更こんな気持ちのまま、あの広いキッチンで、たった1人で、自分のためだけに食事を作るなんて…どう考えても気が滅入る。] (…なにか、食べて帰りましょう)* (276) 2020/05/15(Fri) 17:26:12 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ 星の祭りの夜のはじまり。 あちらこちらでの男女の楽しげな様子は、目のやり場に困ってしまう事もしばしばあって。 (…こんな中で私、1人だし、あんまりとぼとぼ歩いていたら 可哀想な人 実際のところまぁまぁ可哀想な人のような気はするけど、なんて呟いてみれば、萎びた笑いが漏れ出た。] (277) 2020/05/15(Fri) 17:29:01 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ 背筋をぴんと伸ばす。 それからふと思い出して、紙袋の中から、あの魚の頭の被り物を出した。 これを被って、いかにもお祭りを楽しんでいる人のように、屋台で何か食べよう、と決めた。] [ 実際に被ってみるのは勇気が必要だったけれど、それでも恐る恐るそれを被ってみる。 自分の姿をパスタ屋さんの窓ガラスに映しちらりと見て、耐えきれず、ぶはっ、と吹き出してしまった。] (…なにこれ可愛いじゃない。) (278) 2020/05/15(Fri) 17:33:41 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ 道行く人も、こちらを見て笑っている。 恥ずかしかったけれど、笑う人笑う人に優雅なお辞儀を返してみればさらに笑いが止まらなくなった。 ちょっとずつ、楽しくなったような気がする。 そうだ、あの犬耳は、旦那様と奥様に差し上げようか。 それとも、ノアと、レオンハルトさんにあげようかな。] なんの気なくそう考えて、 落ち着きのある、 いつも素晴らしい香りに包まれた、 王国指折りの名店で、 優雅に接客をする二人の頭に、 ぴょこんと立つ耳を想像したら…! おかしくておかしくて、声を上げて笑っていた…(ノア、レオンハルトさん、ごめんね)]* (279) 2020/05/15(Fri) 17:36:08 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ ひとしきり笑って、足を止めた。 高揚していた気持ちが少し収まって、はぁ、と見上げた空にはたくさんの星。 さっき噛み砕いた金平糖を思い出して、今度は苦笑いする。] (…そう言えばお腹空いてたの、忘れてた…) [ 屋台を見廻して、ふと思いつく。 朝食べた、タコヤキと言うあの食べ物を買って、昨日ノアやハニエルと出会った、あの丘に行ってみよう。 こんな時間だし、もうきっと誰もいないだろうから、 誰かを邪魔することもきっとない。 そして少し高いあの場所には、ここよりも星の光がたくさん降り注いでいるかもしれない、そんなことを思ったりした。 …その時。] ……ジゼル?>>295 [ 誰かに呼ばれたような気がして、振り返る。]* (297) 2020/05/15(Fri) 23:10:57 |
無口な使用人 ジゼルは、メモを貼った。 (a121) 2020/05/15(Fri) 23:12:37 |
【人】 無口な使用人 ジゼル… …… ……… ( あぁぁぁぁぁぁあ!) [ 一瞬の硬直のち、声の主が誰なのか理解して、 声にならない悲鳴が喉を震わせた。 幸い声にはならなかったので、この時初めて不自由な喉に心から感謝したかもしれない。] ( くっ、くっ、クレソンさん…!!) ( まっ、まさか魚の被り物を被って、くるくる回り踊っていたの見られていたの…? いや被り物はまだ被ってるわ…いま脱ぐのも変よね…?) ( って言うか動揺しすぎると人って動けないのね!) [ なんて頭の中でいろんな言葉が駆け回る。] (302) 2020/05/15(Fri) 23:30:11 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ そんなことを知るはずもない、朝にあったままの笑顔で、クレソンさんはこちらに向かって手を振っている。] [おまけに、] 朝ぶりだね。 ふふ、似合ってる、って言ったら 傷ついちゃうかな。 [ なんて最高に素敵な顔で言うものだから、振り返す手を持ち上げるのに、相当なチカラを要した。 はは、は…と多分間抜けな笑顔で、なんとか右手を振り返すことが出来てほっとした(被り物を笑われたのは、この際置いておこう、と思った。)]* (303) 2020/05/15(Fri) 23:36:39 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ クレソンさんは、1人のようだった。 (あの異国のお姫様のような女性とは、ご一緒ではないのですか?) [ なんて!聞けるはずもなく! そんな私にクレソンさんは、] 一人? なら、折角だから一緒に食べない? 俺これだけじゃ足りなくて、 他に何食べようか迷ってたんだ。>>301 なんて言って、これも不思議な魚の形(!)の食べ物を掲げて見せてくれた。 [ また魚!と思ったら急に笑いがこみあげてきて。 ゆるゆると、声を出せば。] 私も、今からタコヤキ、という食べ物を買いに行くつもりです [ と、やっぱりいつもより少し、大きな声が出た気がした。]* (304) 2020/05/15(Fri) 23:45:06 |
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