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【秘】 激昂 フィウクス → 月鏡 アオツキ「俺は あんた は何がしたいんだと聞いているんだ」「どいつもこいつも綺麗事や立場や肩書きを言い訳にして 自分が何をしたいのかをはっきりとさせない奴ばかりだ ──どいつもこいつも、具体的な事は何一つ言いやしない!! 」抑圧し切れなかったヒステリーの発露。 声を荒らげて、自身の顔の片側を隠す髪をぐしゃりと掴んだ。 誰も彼も具体的な事は何も言ってくれはしない。 どうしたらいいのかは教えてくれはしない。 この病と正しく向き合ってくれはしない。 鬱屈した感情を吐露しかけて、膨大な理性が押し留めた。 「……まどろっこしいのは嫌いだ。」 (-81) 2022/05/01(Sun) 16:00:35 |
【秘】 苛々 フィウクス → 月鏡 アオツキ「俺は依怙贔屓されたいわけじゃない。 他の奴等と平等に扱われたいわけでもない …… 教育実習生だから 、建前としてそういうふうにしなきゃならないってなら。 好きにすりゃいいさ。俺はそんなもの望んじゃいないがな」 「これは受け取っておくが。 あんたからの贔屓だとは思ってない。 不愉快なものを隔離するのは──当然の処置だからな」 溜息混じり、どこか投げやりに言い放って。 指先が机に置かれた鍵を叩く。 優しさで救えないものに対しできる事は、悪化させない事だ。 或いは、他を助ける為の尊い犠牲くらいにはなるだろうか。 同室の彼とは、今までの数年間。 何だかんだと大きな仲違いを起こす事もなく、 上手くやって来た方ではあるけれど。 場合によっては。これからは、そうもいかないだろう。 (-82) 2022/05/01(Sun) 16:05:14 |
【秘】 失意 フィウクス → 月鏡 アオツキ「……たとえ今この一瞬が有意義なものであろうと」 ぽつり、殆ど独り言のように。 立ち去ろうとするあなたを引き留めはしない。 だから、これを聞かずに立ち去る事も、あなたの自由だ。 「きっと未来がそれを台無しにする。 …俺達に新しい何かを見せず、聞かせず 外の世界から隔離して、立ち止まらせているのは」 「俺から卒業したその先を奪っているのは。」 「他でもない、この場所«ギムナジウム»だろうが…」 (-83) 2022/05/01(Sun) 16:05:59 |
【秘】 神経質 フィウクス → 月鏡 アオツキ/* オーブンの息子です。 失礼、レスがデカくなってしまいましたわ。 このオレンジ……いったいどこから…… ブンッ… (-84) 2022/05/01(Sun) 16:08:40 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット今日も上の二つの返答は変わらない。 怪我は相変わらずなく、異常なし。 報告はこれだけですんでしまうのが実情だ。 上は解決に手を貸してくれず、生徒のためを考える実習生という立場になんでも乗せたがっている 成功も失敗も関係ない、うまくいかなければ廃止されるだけの使い捨てだ。 「森のことは……今日はこれでよしとしましょう。 話せないことはそれ以上聞きません……、おやおや? ええ、なんでも良いですよ〜」 そんな不満も読み取られているのか、酷く、本当に、居心地が悪いほど良い。 ダメにされそうだ、ここの部屋は。 思わず変な声が出そうになる、気を引き締めなければ。 (-89) 2022/05/01(Sun) 16:53:05 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「ここに、"何を"、ですか……。 はじめに実習生として聞いている事を説明をしましょう。 この学園の中で暮らしている生徒たちは、 小さくとも大きくとも悩みを抱えています。 先生方は、心の病や身体的なものに詳しい人から あまり知らない人まで様々です。 彼らは全力を尽くして ……治療または改善に取り組んでいると聞かされています」 実情を完全に理解はしていない、暗にそう含めながら言葉を続けた。 「バットくんの今のご両親は、君に何かしらの不安を抱えていたのかもしれません。 ここに連れて来た理由で思い当たるのは、 君の治療、または……自由を押さえつけない為。 模範解答はこの辺りでしょう。 私がみる限り、君には……夢遊病に近しいもの。 または過眠症がみられます。 強いストレスなどで生活のバランスが崩れてしまうことです。 これが起きると、周りの人間は君を心配します。 朝起きて、昼に活動して、夜に寝ることができなくなり君も周りも困ってしまうのです。 人間は眠る時間と社会での活動時間が決まっていますから。 病であるか体質であるかの判断ができなかったのかもしれませんね〜。 どうでしょうか、彼らは以前何か言っていませんでしたか?」 (-90) 2022/05/01(Sun) 16:57:09 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ「うん」「そうなんだって知った」 「ここはどこかに傷のある子どもを」「治してあげる場所」 ギムナジウムはどんな場所なのか。貴方の口を通して噛み砕かれて。 元あった認識とまじり、それが何かというのはきちんと理解された。 おそらくは大きく違えているわけではない、その背後に何があるとしても。 病や心の瑕疵に対するアプローチは確かに成されているはずなのだ。 「そう……」「ツキにも、心配させてる」 「でも僕は」「夜の方がうまく身体が動くから」 「上手く寝られないと」「うるさくしてしまうし」 まごつくような言い回し。決して困らせるために問題行動をしているのではないと。 けれども現状貴方の悩みのタネの一つとなっているのだから、それは詭弁だ。 弱々しい反論は、本当は自分の行動は良いものではないというのがわかっているから。 しゅんとしたように大きな体は肩を下げて、普段よりも小さくなったように見える。 貴方の言っていることは優しいし、正しいものなのだ。 それから。貴方への問いには随分時間をかけて答えた。 言うべきか迷ったふうではあった。これもまた、Noと答えてしまえばよかったかも。 けれどちらちらと貴方の目を盗み見て、反応を伺って。 たっぷりと時間を掛けた後に、青年は答えた。 → (-112) 2022/05/01(Sun) 19:59:53 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキ「僕がいると」「空気が悪くなる」 「眠れずにいるのが」「もぞもぞうるさい」「鬱陶しい」 「昼間は働け」「役立たず」「"病気のこども"を引き受けるんじゃなかった」 並べられた言葉は、"彼らが以前言っていた言葉"だ。 写しのように並べられた言い回しにはたっぷりの悪意が含まれていた。 青年のものではない誰かの感情は、決して子供に向けるものではない。 青年がギムナジウムにやってきたのは小等部の頃、五年以上前の話だ。 当然それ以降、家族らしき人々と顔を合わせたことというのは、無い。 「僕がここにいるのは"病気のこども"だから」 「みんなは、"病気の"子供」「違うものなのは、ここに来て知った」 「僕は"病気の""病気のこども"なのかな」 (-113) 2022/05/01(Sun) 20:00:14 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 高等部 ラピス「ラピスさんはそんなことまで気にしているんですね〜。 私や先生達がが言わなくとも、きっと君は我慢してしまうのでしょう」 僅かに声が小さくなる。図星だった。 大人は合理的な事を望み、そして都合が悪いものを後回しにして。 時には、不幸だって利用する。 「謝れなくて、ごめんなさい。 君につきっきりになれず、治療に専念出来ないことを 私の立場から心を込めて謝罪することが出来なくて。 全員に手を伸ばして救えるほど出来た大人達じゃ無いんです。 隠れて意地悪する悪い人もいました、今もいるかもしれません。 それでも治療法が見つかってその手が治ることを 少なくとも"私たち"は望んでいます。それだけは確かです。 病気で居続けて欲しいなんて思っていません」 そっと傷つけないように深い青に手を伸ばした。 美しいのに、その輝きが彼女の心をむしばみ続けてしまう。 「……応援させてくれますか? 助けになると言いながら、何にも出来ないままの先生ですが〜。 傍で見続けて、声をかけることは出来ると思うんです」 (-124) 2022/05/01(Sun) 21:43:08 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「――君は」 ギムナジウムで、君に対する正しい治療は行われてこなかった。 素人でもわかる、早く密接に話し、確かめれば良かった。 だが一体何ができただろう。 「君たちは、数多く居る"普通の子"とは違います。 それは、"病気の子"というひとくくりにして語るにはあまりに難しいです。 治らない子は居たんですよ。 医学やまじないでどうにもならなかった、 体の体質から、異常がでていた子が」 「だから私から見て、 君が"病気のこども"かどうかは――わかりません!」 病気という言葉は悪い言葉ではない。 しかし、君に対して"病気のこども"という言葉は、 深く鈍く重りのように積み重なっているように見えた。 (-125) 2022/05/01(Sun) 21:44:02 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 雷鳴 バット「人は、"病気"となんでもかんでも一つの言葉に納め過ぎですよ〜。 君の保護者の方も、金銭面や心情にゆとりがあれば、 もう少し優しい言葉をかけてくれたと思います。 ここに送ったのは、解決方法がわからなかっただけなのです」 君が夜眠れないのなら、その手を引いて一緒に歩きます。 一度学業は休んで、昼間は眠って貰って。 徐々に時間をずらせば、皆と同じように過ごせるのかも。 一日か二日ぐらい、私がなんとかしてみせます。 「起きられるようになっても、 朝日や日光を浴びて体調が悪くなる体質もあるようです。 そうなれば簡単に解消できる問題ではなく、 ……君の言う"病気のこども"、ということになるでしょうか。 だから、今はわかりません。 君の病を、正しく知りたい。 これから私に、向き合わせてくれませんか」 そっと右の手を君のどこか悲しそうな顔に伸ばす。 幼い子供に降りかかり続けた悪意。 正しい生活リズムという形で治り続けなかったものが、歪みを見せている。 もう少し気付くのが早ければ、しっかりとその手を掴んでいれば。 何かが急速に変わることもなく、緩やかに君を見続けられていたのだろうか (-127) 2022/05/01(Sun) 21:48:40 |
【秘】 高等部 ラピス → 月鏡 アオツキ「………」 緩く首を振る。 謝るべきはあなたではないと思ったから。 優先されるものが何かわからないほど、子どもでもなかったから。 鉱石特有の滑らかな感触が指先に伝わるだろう。 ことり。 机と触れ合った部分から、作りものみたいな硬い音がする。 指先が触れた部分から、慮る気持ちが沁み込む。 目を閉じてその言葉を反芻した。 『ありがとうございます、先生』 『誰か一人でも自分の味方がいると知っていれば』 『きっと私はまだ頑張れます』 治ることを望んでくれる人がいるのなら。 見守っていてくれる人がいるのなら。 『病気を治して外に行こうって、指切りをした子もいるんです』 『だから、大丈夫です』 (-137) 2022/05/01(Sun) 23:58:49 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「何がしたいかって、 先生になるための勉強と経験に決まってるじゃないですか〜」 模範的な回答なら、生徒の健やかな生活と不安をなくすこと。 「朝食の時間から日が落ちるまでは教育実習生です。 プライベートなことも話せないですし、 上から聞いたことも大してないで曖昧なことしか…… あらら、こんなことは聞きたくないですか。 建前は大事なんですよ〜。 仕方ないですね、今は……私が作った個人面談の時間。 私の善意がひねくれて伝わるのも、 君が諦め続けているのも放置したくありませんし、 その無駄と言われたことに口を出しましょう」 → (-138) 2022/05/02(Mon) 0:04:37 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス扉を閉めて、一言。 一つ笑いでもすれば和らぐ空間は冷え切っていて。 「君の卒業の先を奪っているものは知りませんが〜 私はここに来たときから」 「この場所《ギムナジウム》を壊したいんです」 「だから戻ってきたんですよ〜。 私の愛した子を奪ったこの場所に。 君の心が和らぐことも、ここの暮らしが多く変わることも。 私が先生になって、ルールを作れるように。 みーんな、先の未来を見せるためにですよ」 (-139) 2022/05/02(Mon) 0:06:01 |
【秘】 神経質 フィウクス → 月鏡 アオツキ「……動機のわからない善意は気味が悪い」 理由の無い善意や建前ばかり見せられたって気味が悪い。 悪意であった方がまだ幾らかマシだ 。大人だから、実習生だから、それが普通の事だから。 そんな薄っぺらなものではなくて。 大抵は何か、行動の動機となるものが、その奥底にあって。 そうでないものは、ただ、なにもない。 「それと比べれば、まだ理解が及ぶ。 俺があんたの思い通りになるかは知った事じゃないが。 いつかあんたがルールを作り、暮らしを変え、 この場所の在り方を変える事は否定も肯定もしない」 それが真実にしろ、偽りにしろ、それらのほんの一端でも。 何れにしても、がらんどうか、何かが在るのかさえわかれば良い。 今この場に於いて、それ以上を追及する事は重要な事ではない。 「だが、もしも、万が一 ──」 「──あんたの個人的な報復の為に、無理矢理に 外では生きられないような 、ここにしか居場所が無い奴等が追い立てられる事になるなら」 (-161) 2022/05/02(Mon) 2:48:44 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「あらあら〜……そうですね〜。 私は どっちも 、です。先生には内緒ですよ」「ここでは、マニュアルに従わないと先生になれません。 でも従順に聞いているだけでも目指す先生にはなれません」 「大人になるとずるいことばっかりおもいつきますから〜。 つまり望まず規律正しく見せています」 全てマニュアル通りに。 そうしなければ、長くここには居られない。 ギムナジウムの中で"悪い子"と判断されてしまえば、 先生になれそうなこの人生に傷がついてしまうかも知れない。 (=9) 2022/05/02(Mon) 3:00:14 |
【鳴】 月鏡 アオツキ「私は、"病を治せる先生"になるために来たんです。 それを私だけじゃなくて、生徒達みんなが喜ぶように。 バレンタインくんの重荷にならないのならよかった〜。 君は私の大切な、 実習生として受け持ったはじめの生徒です。 幸せになってくれませんと、泣いちゃいますよ」 たとえ、この抱える病が治らなくとも。 「報酬がなければ、私だって心が病んでしまいますからね。 もっと笑顔が溢れる学園にしていきましょう〜」 無表情で見つめ返し、自分の口元をわざと指であげる。 夢の中のような、絵空事のような。 そんな甘い言葉を吐いて励ますのが、アオツキだった。 (=10) 2022/05/02(Mon) 3:02:33 |
【人】 月鏡 アオツキ>>42 イシュカ 「イシュカ? あらあら〜、一人でこんな時間に。 甘い香りに釣られてきちゃいましたよ〜。 何か作るなら教えてください、何作るんですか?」 ラピスとすれ違いざまにあらわれたのは無表情でストールを肩にかけ出歩くアオツキだ。 消灯時間に一人でである。 声は小声で騒ぎたてはしないが、 君の手元を見れば納得したように頷き。 適当な椅子に座って膝を組みながら頬杖をついた。 「丁度良かった、例の定例会。 この間出来なかったじゃないですか〜。 いつにします? 小等部の子達の話沢山ききたかったところなんです」 今日も静かで、何事もなければいいのだけれど。 そんな事を宙に呟きながら、同僚を見守っていた。 (43) 2022/05/02(Mon) 3:16:57 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 高等部 ラピス「あら〜指切りは、もしかして同室の…… あまり外の話は私はしていないんですよね。 そうですか……大丈夫……。 少し安心しました、そう言ってもらえて。 さあて、今日はこれで終わりにしましょう〜。 お時間ありがとうございました」 形だけの書類に書いたのは異常なしと、 治療の経過の報告申請あり。二つの文字列の最後にアオツキと一筆続けて。 「私たちは"生徒たち"の味方です。 卒業しても、ずっと」 「あ、でも声は病気で出せなくなったるんですか? それとも他の? 今度は悩み事じゃなくても、楽しいことがあったら知らせてくださいね」 (-172) 2022/05/02(Mon) 6:16:20 |
【秘】 高等部 ラピス → 月鏡 アオツキ同室者と交わした約束。 見守ってくれる大人たち。 それらがいるなら、大丈夫だと思えた。 『声も病気のひとつです』 『中等部に入った頃に。』 それまでは普通に発話ができていたことを記録で知っているかもしれないし、実際に見たことがあるかもしれない。 『またお話をしたいです』 『私もアオツキ先生のお話が気になりますから』 『先生のご病気は治ったのか、とか』 かつてこの施設に居たのなら、同じように何かを抱えていた筈だと。 ペンを走らせている間に自分も黒板にかつかつ、チョークを走らせる。 『今日はありがとうございました』 始めと同じようにお辞儀をして。 何もなければそのまま空き教室を後にする。 (-182) 2022/05/02(Mon) 11:51:20 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「動機がわからないですか? 親が子を育て、先生が生徒の話を聞き最善を尽くす。 これが善意だなんて おかしいですよ〜。 野生の動物にすらある本能、、 その善意と呼ばれるものの正体は社会的責務です。 君は本当の善意というものから遠ざけられすぎました。 社会にすら出ておらず人生の殆どをここに費やし、 ……改善もされなければばそうもなる、 そう言いたいんでしょう? 14年間いた私がいっているんです。 おかしくない、自然のことですよ。 かけらも理解できない子には少々過激な言葉を使わないと 理解してもらえないと思ったので……おわかりになってもらえて良かったです」 お断り、と告げられてさて。 「君に関係ない。何年も先のことだ」 返したのは、表情に唯一合った冷たい言葉だ。 (-188) 2022/05/02(Mon) 15:19:19 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「"外では生きられないような"? "其れは一体どんな方"でしょうね」 例えば。ここが好きだと言う誰か。 例えば。ここでないと家が与えられない子供達。 例えば。ここの教師になるといって卒業後した、誰か。 例えば。外の世界に行かず生涯をここに捧げようとした、誰か。 「それが"生徒"である限り私はそんなことをしませんよ。 なにかあれば……動きやしませんか。 そんな無駄な善意、あるわけありませんから」 (-189) 2022/05/02(Mon) 15:21:10 |
【人】 月鏡 アオツキ>>44 イシュカ 「一時間ぐらい誤差ですよ〜。 味見させてくれますか? それとも、余分に小さなケーキを作ってくれてもいいですよ、二つです」 期待をしないかる口を叩いて瞳を閉じた。 夜更かしをして明日の朝に響くのは自分だ。 規則正しく生徒の模範を求められている限り、体力は使わぬよう休息は取っている。アオツキは不良のイシュカとはちがう。 「なにいってるんですか、イシュカ」 「受け持つ可能性が一番たかいのは小等部の子、ですよ〜。 私たち、なんのために教育実習生をしているんですか」 先生 、になるためでしょう?静かな夜の後ろで小さな獣たちが戯れている。 「明日ですね〜、仕事が終わったらにしましょう。 もちろん私よりは生徒を優先するんですよ、 夜眠れない子はここにたくさん居るんですから」 夜更かしをしすぎて朝に影響が出なければ良いけれど。 変わったものも、変わらないものもある。嫌でもわかったことだ。 (48) 2022/05/02(Mon) 16:31:05 |
【秘】 失意 フィウクス → 月鏡 アオツキ「いいや」 冷たい言葉に動揺は示さない。 薄っぺらな、或いは本心からの、何れにしても。 善意で接されるよりよほどやりやすい。 「俺の価値はこの病だけで、」 「俺の居場所はここしかない」 「外の世界に居場所は無い。 俺は今更、健全な人間になんかなりたくはない 仮にそれが否定されるなら──停滞が、許されないなら。 それは俺にとって無関係な事ではない。」 (-197) 2022/05/02(Mon) 16:38:51 |
【秘】 苛々 フィウクス → 月鏡 アオツキ「人間は社会の中で生きるべきだとか、」 「ただ、病気が治って、卒業する事が万人の幸せだとか」 「そんなのは幻想だ、押し付けがましい、やめてくれ」 どこか投げやりに、吐き捨てるように言い放って。 手の掛かる問題児は、それきり口を噤んだ。 (-198) 2022/05/02(Mon) 16:39:14 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「君は愛されているんですね〜、その病に」 「心地良いですか? そうですか〜」 「その言葉が真意かはともかく。 君の主張としては上に伝えておきましょうか。 個人面談ですからね〜、将来の道をどう進みたいか 本人の口から出たことは伝えるようにしているんです。 素直になれば良いのに気難しいですね。でも…… 停滞を選ばせるのは大人ですよ? 私が動いても動かなくても、君は望まない道を行くんです。 君に関係ないんです、此れから先の話なんて。 あははっ、建物を爆発させたら関係あるかもしれませんね〜」 ■■■■は、卒業の先の未来を語らなかった。 ■■■■は、共にいる事だけを誓ってこの手を取ったのだ。 (-203) 2022/05/02(Mon) 18:05:02 |
【秘】 月鏡 アオツキ → 神経質 フィウクス「君が不満に思っていたことですが……。 病気を治したい子を治さない、病気を治したくない子を治す」 「この二つに違いがありますか? 生徒たちは選べもしません。 治療法が確立しない、優先順位がある、 外の世界で解決すること故に回しにする。理由は様々です。 止まらされているのと動かされていることは 実質、変わらないんですよ〜」 治した方が都合が良い治さない方が都合が良い。 故意ではなくとも、損をする人間はいくらでもいるだろう。 外の社会も、ここでの社会でも、人の意思関係なく行われていることだ。 「嫌な話を聞いて嫌な気持ちになってさぞ嫌な気分でしょう。 きっと私は君の"平穏"を壊しかねない厭な奴です」 また、顔に感情がでないことを喜んだ。 今アオツキの顔が表情豊かであれば、きっと。 「せっかくだから、最後に。 初めから君に居場所なんて、あったんですかね? その病が治ればなくなる居場所や価値にすがるより、 君も、真の不変を愛せたらいいですね」 背を向け、ドアノブを握り、廊下へ一歩踏み出した。 ああ、食事を運ばなければ。あの子はもう食べただろうか。彼は居眠りをしているかもしれないな。今日は彼女にも声をかけないと、本当、先生をするのは大変です。 いつだって、アオツキという人間は反面教師だった。 (-206) 2022/05/02(Mon) 18:09:39 |
【秘】 雷鳴 バット → 月鏡 アオツキどうだろう、或いは適切な治療なんてのは誰にも出来なかったのかもしれない。 ギムナジウムは万能ではない。無能でもない。決して実績がないわけではない。 それでも出来ることに限りはあるものだ。 人間の頭にはどうしたって測り間違いがあるものなのだから。 ぱち、ぱちと目を瞬かせたのは貴方の言葉に驚いたからなのかもしれない。 自分の意見がそんなふうな貴方の態度を引き出すことになるだなんて、 青年のほうは少しも思いはしなかったのだろう。 ちょっとだけ怯んだ様子なのは、自分の状況を意識的には酷だと思っていなかったからだろう。 無意識的には悲鳴をあげているからにこそ、こうして挙げたのだろうけど。 「……」「ごめん」 「困らせたかったわけじゃ」「なくて」 「そういうことが」「知りたいのかと、思った」 青年の拙い頭でどれだけ貴方の言葉と、その裏にある想像を理解できたか、 それは青年自身にもはかれないことではあるけれど。 話せないことがあるのを加味した上で、貴方の伸べる手に答えたかった。 頷いて、きちんと確かに貴方の目を見る。 「わかった」「少し、考えてみる」 「全部聞くことは出来ないだろうけど」 「ツキが俺に掛けてくれる言葉とか」「気持ちとか」 「ちゃんと受け止めて」「返せたらいいと思うから」 ころ、と傾いだ頭は貴方の手の中に収まるように。 高いところに据わった重しを、果実の落ちるように預けてみた。 (-218) 2022/05/02(Mon) 20:10:54 |
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