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![]() | 【人】 口に金貨を ルチアーノ>>3 エルヴィーノ 「げっ、Ciao……エル。 そうだな、散歩できるぐらいには調子はいい」 話しかけられると思っていなかったのか路地を歩いていた男は、 明らかに困ったような反応をして古くからの知人に返事をした。 「……い、今は見逃してくれるかあ? 散財はしてないし、猫も漁ってない。 後で連絡するから。ほれ、サービスで貰ったクッキーでも分けてやろう」 子供に餌を与えるような言い方で貴方にそれを差し出した。 (4) 2023/09/22(Fri) 13:06:37 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ「そうだなあ、かなり割と。 いつだって顔を見れるだけでいい日になると思うぐらいにお前のことは考えてる」 「なあ……本当にありがたいと思ってくれているんなら」 「俺の頼みを聞かないか。 いや……俺の提案に乗らないか、リヴィオ・アリオスト」 頼まれてしまったんだ、そして、俺は任されてもいるんだ。 それが地獄の果てであろうと、何処までも歩かなくちゃいけない。 誰かの光になんてなるつもりはない、だけどお前は、俺の。 「俺が お前の 、お前たちの望みを叶えてやる」 (-363) 2023/09/22(Fri) 14:24:02 |
![]() | 【人】 口に金貨を ルチアーノ>>5 エルヴィーノ 「教えてやりたいのはやまやまだが、 今はその話をしたい気分ではないなあ? ……諸々整理ができてないんでね」 回答はノーコメントだった。 謝罪にも気にしないでいいといいながら携帯を見る仕草は、相変わらず何かに追われているように忙しない雰囲気である。 「……それと聞き逃しかけたが、この俺を捕まえるとか言うのはどの口だ? まるで俺が悪いやつみたいじゃないか。 こんな色男に手錠をかける真似なんてしてみろ、 冤罪だと喚いて金をふんだくるからな」 「一体この俺に、なんの罪があって捕まえられると思っている」 そう笑って、貴方の横を通り抜けようとした。 (6) 2023/09/22(Fri) 14:41:33 |
![]() | 【念】 口に金貨を ルチアーノ『ありがとうございます〜! 少しまっててくださいね!』 笑顔で猫は受け取られて行き、その店員の腕の中で伸びたり収まったりしながら店の裏手の方に運ばれた。 流石に表で飼っているわけではないようだ。 そうしていると店員は暖かな色をしたブーケを抱えてあなたのもとへ帰ってくる。 『お姉さんみたいな美人さんが来たら渡してくれって 色男さんが言っていました。こちらお届けものです』 そう言って貴方が渡されるのはピンクをベースとしたグラデーションが美しいのブーゲンビリアの花束だった。 (!7) 2023/09/22(Fri) 19:24:49 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ「……他の人間の話は少しだけ今は横に置いておこう。 俺はなあ、リヴィオ。 ここに来る間で、お友達にお前のことを聞いたんだ」 さて何処まで、一体いつから本当にお前の中身を知っていたと思う。 それとも全部この口はハッタリを言っていると思うだろうか? 狡い正直者は言わないこともあるが口に出したことは大体本当なんだ。 だけど実際、眼の前に 本物 がいるのに、他人の口コミを鵜呑みにするなんてナンセンスだろう?「……俺は見ためと態度を一番重んじていてなあ。 情報や噂は二の次だ。だから、お前がそう望むってんなら。 全部なかったことにして ここにある面だけを見てやってもいい」▼ (-415) 2023/09/22(Fri) 20:05:36 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ「だがなあ、どんな答えが返ってこようと俺はお前をこれから調べ尽くすぞ。 お前が自分から見せんのだから、おれは見に行くんだ。 自撮りから猫の写真から家族や、職場の状況にその怪我の経過。 俺が知らんと満足しない部分まで調べてその面剥いでやる」 「端から俺は、初めてあった日からお前を疑っていた」 信じていたから、疑い続けていた。 あなたが悪者ではないといいと夢見ていた。 ここでの悪者、という意味がどんなものになるか 貴方にわかる日は来るのだろうか。 孤独の猫はそれでも前に進み続け、暴き続ける。 貴方は己にとっての裏切り者にたりうるか? ▼ (-416) 2023/09/22(Fri) 20:09:46 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ「今日は俺を捕まえろ」 「その代わり、提案を受けるってんなら お前から俺たちに会いに来て牢屋にぶち込まれろ」 「中でも外でも全部面倒見てやるよ」 (-417) 2023/09/22(Fri) 20:19:25 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオノックに返事はなかったが扉が開けられると珈琲のような香りが漂っていた。 中に人がいる証拠だっただろうか、それ以外にも何やら人の気配はするようなしないような。 奥のもう閉じた店内まで行ってみると、昼間でも暗くなるほどの細いブラインドから漏れる僅かな陽光を浴びながら、三人がけほどのソファーに横たわるルチアーノの姿があった。 足元には未開封のクッキーの袋が何故か落ちていて、少し離れた場所にあるテーブルには冷めた珈琲がおいてあった。 「ぁー……?」 息はありそうだが、貴方を認識していないのか顔も体も上がってはこなさそうだ。 (-428) 2023/09/22(Fri) 21:07:23 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ落とされた問の答えはすぐには出せなかった、しかしたっぷりの時間と苦し紛れの空白を開けて返される。 「どうして、俺が殺さないといけない」 罰したいと思えない、苦しんでほしいと思えない。 貴方を信頼してもなければ、嫌ってもいない。 そんな他人事に囚われていても、この胸の中には甘ったれの信条がある。 「……あんたは俺が裁くんじゃない、少なくとも黒眼鏡やボスの指示を仰ぐ。 ノッテファミリーの一員として、私刑は起こさない」 絞り出したものはとんだ弱虫の逃げだったか。 貴方にかかる火の粉を想像すれば全てを振り払うことなど一人では出来ないだろう。 だから裁かれるその日まで誰かの手を借りることを選んだ。 「何も言わないまま楽になんてなるな! 俺は必ずお前のことを調べきってやる。 どんなに地獄みたいなところにその欠片があったとして、必ず真実を見つけにいく」 これも自分が満足したいから言う言葉だ。 貴方のその空っぽの中身に何があったのか。 いつの日にか暴いて、自分の答えを出してやりたい。 「精々それまで、早くしょっ引かれて待っていろ」 ここに来て貴方の顔を何度まともに見られただろう。 生死を委ねるようなその仕草を否定することも無碍にすることも出来ない、眼の前の男を見捨てたくはないのだ。 たとえ民衆全てが指を指して貴方が断頭台に連れて行かれようと、自分は貴方を、罪を抱えた伽藍堂の一片を見てしまったのだから。 (-458) 2023/09/22(Fri) 22:50:03 |
ルチアーノは、真っ直ぐに睨みつけた。 (a16) 2023/09/22(Fri) 22:51:54 |
ルチアーノは、もうその目を逸らしたりはしない。 (a17) 2023/09/22(Fri) 22:53:11 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ「 」 その口から溢れて音にならなかったものは。 貴方の名前に似ていて、貴方の名前ではなかった。 男は眼の前の首に腕をまわし自分の顔を近づける。 ゆらりと誘うようなその動きは普段の姿から想像つくだろうか。 怠惰に緩くなったその口元を僅かに開かせて、しばらく顔を見つめていれば小さくつぶやいた。 「疲れた」 シーグリーンの瞳は翠をじっと見つめている。 (-465) 2023/09/22(Fri) 23:21:12 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオそうでしょう、お疲れ様、 食べられそうですか。 何かしてほしいことはありますか。 心地よさそうに降ってくる言葉を受け止めて、目を細める。 自分がしたいことなんて、ずっと決まってる。 だけど今言ってしまえば何処にも歩けなくなってしまうから。 「……俺を抱」 「…………」 「高い高いしてから膝に乗せて頭を撫でてくれ」 この男はその姿勢から微動だにせずそれを言い切った。 (-499) 2023/09/23(Sat) 1:20:31 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡「いい加減にしてくれよアレ……ッ」 それは非難の声ではなく呆れと諦めが入った嘆き。 昔と変わったのは敬語がなくなったことと、二度と敬語を話してやるものかと決めたこと。 「どーなってもいいとは言わん。 俺はあの人の罪を調べ尽くすまで見限らないと決めている。 だがあんたのシマの話だ、やりたいことに口出しはしないし ボスからの命令に逆らうつもりもない。 ソルジャー一人が決めて良い問題じゃないと判断したまでだ」 「それまで生かすつもりだった。意見は変えん」 「はあぁああ、………… 本当変わってないな! 「俺がどれだけ今回走り回ったと思ってる! どれほどお前のせいで迷惑を被ったか!! その喧嘩もボスにどれぐらい迷惑かけるつもりだ!? 俺は文句は言うぞ!」 疲れさた、考えさせるなと叫べば乾いた喉を思い出したように潤してため息を付いた。 まだ、この男はまだ休めないのだ、誰かさん達のせいで。 (-505) 2023/09/23(Sat) 1:46:12 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ素直に腕を解かれるとものさみしげに貴方のことを見返したが、 触れられ促されるままに体制を変えればなんとなくその先を理解した。 「……あれ、されたことないんだよなあ」 「旦那に頼めばしてもらえるかね……面倒くさがりそうだ」 重力に逆らわず膝に落ちると声は少し控えめだが普段と変わらぬトーンに戻す。 ぐったりと体を預けて動く様子もない。抵抗も、文句もない。 何処か己の価値に対して無気力なところは似ていると思ったのに、本当に貴方は自分と何もかも違う。 丁寧に都合良く振る舞う貴方と更に違うところは、その献身の先に何を見据えているのかということだ。 どうして救おうとするのかわからない、自分に手を差し伸べて何が変わるのだろう。 「なんで来て……いや…………すまん」 これも俺が来させたようなものだったな。 自惚れて期待するには、貴方は都合が良すぎて困った。 (-519) 2023/09/23(Sat) 2:41:40 |
![]() | 【念】 口に金貨を ルチアーノ灰色の猫はもう見えない。温もりも風と共に消えていった。 代わりにやってきたのは、秋の訪れに色鮮やかな葉を見せる花束だ。 『ええ、よく来ますよ! よかったらケーキも買っていって下さいね』 おまけしますから、と言って店員は笑顔で応対している。 二人の間の花は勿論静かで何も語らない。 (!9) 2023/09/23(Sat) 3:10:29 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 傷入りのネイル ダニエラあなたは今か、後ほどか。 花束の中にメッセージカードが入っていることがわかるかもしれない。 それは丁寧に書かれた読みやすい文字だ。 『もし俺が逮捕されることがあったなら。 一番最後に会っていた奴はリヴィオ・アリオストだ』 そこに含まれている全ての意味を知る事は難しいだろう。 ただ電子文で送られた最後という言葉にも、 このインクで綴られた最後という言葉にも、 誰かを信じて裏切られるつもりがない男の意思が籠もっていた。 男は今でも 貴方 を。自分の信じたいと思った者達 を信じている。 (-522) 2023/09/23(Sat) 3:14:48 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ「たとえだよ、たとえ。 ――だが漸く得心いった。それがお前の源流か。 ……ああすまん、手の怪我は適当に言った。 お前もしかして怪我をこじらせたな? ちゃんと今のうちに行けよ、病院」 ほの暗い過去を持ち隠す人間はごまんといる。 それの一つが、自分と同じような仮面を作る人間だ。 その点においては圧倒的にお前の方がエキスパートだったのだろう。 だが一体俺が何人の厄介な事情を抱えた女を見てきたと思っている。 お前のお墨付きだぞ、子猫ちゃんを見る目に関しては。 あと、まあ。俺は都合のいい仲良しがいるんでね。 ▼ (-533) 2023/09/23(Sat) 5:32:01 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ「俺を捕まえる利点? そんなの簡単だ。 俺が捕まったらお前に 視線 が行くように仕組んである」「すると遠くない未来でお前達を狙っていた一人の女、 ダニエラ・エコーが動き出す」 正直者は漸く此処で初めて一人の女の名前を出した。 もう隠す必要もない、そしてあなた達は会う必要がある。そう判断して。 「これまでもニコロ、上手くいけばアリーチェ・チェステが連れて行かれる。 摘発チームは3人編成らしいなあ」 「あとひとり。後にリヴィオは何らかの罪状で検挙される。 これで執行は終わって、つかの間の平穏が訪れる。 お前と俺には罰が食らって大変な事になる」 「ついでにダニエラも連れて行かれちまえばいいんだ。頼めんか? 何人もムショにぶち込んでよお、休みたいだろあいつも。 お嬢さん一人でずっと戦ってたんだ、なにか自棄を起こす前に座らせてやりたい」 そうしたらこの町の執行役が全員いなくなれば、平和だと思わないか。 綺麗事のように掌にある情報を告げる男はそう笑った。 ▼ (-534) 2023/09/23(Sat) 5:32:44 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ「……と、ここまではただの俺の想像で」 全て上手くいって欲しいだなんて思わない。 けれどもう俺が用意した舞台はほぼ整っている。 常に周りを疑ってばかりの男が信用した人間達の物語。 「そんなのがどうでも良いほど。 俺はお前が好きだからだよ、リヴィオ」 男はただの正直者で、貴方にとっては猫のエキスパートだ。 「 物好き らしいな。お揃い じゃないか。お好みの地獄に落としてやってもいいが、俺はタダでは落としてやらん。 それを管理するのも、好きに引っ張り出すのもこの俺だ。 まあー牢に居る期間はしらんけどな、此処が長いと次のデートが遠そうだ」 (-535) 2023/09/23(Sat) 5:41:57 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「碌でもないが理性があるんでね。 なんだ、俺が居なくなったら寂しいか? 手を握ってくれてもいいぞ」 誤魔化し方が上手いのは向こうだ。態とらしい程に。 警察の方がよっぽど猫をかぶってるなと、最近であった彼らをみてひとりごち。 「うーん、かわいらしいなあ。 馬鹿にしてないぞ、そこにある想いは感心するが……。 そんな心中を目論んでたカップルを見たことある」 片方が先に死んで結局物理的にバラバラになった。 「……何が何でも……。 何が、なんでも……頭が痛くなる単語だ。 執着なんてするもんじゃない。 はあぁあ〜〜……酒飲み仲間がみんな居なくなるんだが……」 どうしてなんだ、と項垂れ始めた男は少し酔っている。 特に後半は苦々しい表情と一緒に告げられ、そのあとガンと机に脚をぶつけた。 追加で酒を頼もうとしてぎりぎりで水を頼んだ。まだ理性があったらしい。 (-543) 2023/09/23(Sat) 8:21:21 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノその日、貴方が居たバーに男は来なかった。 いくら待てど姿を見せることはなく、 不在の日と変わらぬ時間がすぎていく。 ふと、頼んでもない酒とお皿が貴方の元に運ばれてくる。 それは一本のロゼワインとサーモンのカルパッチョ。 添えられたメッセージカードには 『これ食ったら早く帰って寝ろ』とだけ。 渡した店主は苦笑して、お代は頂きますと伝票に数行を追加した。 (-546) 2023/09/23(Sat) 8:45:10 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 月桂樹の花 ニコロ「お前が持つんじゃない。 縋ってきたのを俺が引きずってやるんだ、間違えるな」 助けを求めるのはお前だ、と言わんばかりに。 「なんだ……可愛がられ慣れてないのか? もっと褒めて欲しかったのならたくさん言い聞かせてやろう。 ん〜……」 「阿呆に見えて、可愛らしい、それでも真っすぐな色男。 限界を勝手に決めて抱え込んで、潰れちまう前によお。 こうやってまた俺を捕まえるか、連絡して来い。 大体助けてやる。 俺はお前らの敵じゃない。味方とも言えんが。 ――俺はなあ、ちゃあんとお前のことも好きだぞニコロ」 疑っている、信じてもいない、それでもそこに好意はある。 だから助けてやるし、ただでさえ託された仲だ。 お前から消そうとしても何処までも追いかけてやる、と。 此方も貴方とはまた違う感情で簡単に逃がさないつもりでいた。 (-553) 2023/09/23(Sat) 9:04:02 |
![]() | 【念】 口に金貨を ルチアーノ自分の予想は大体合っていて間違っていた。 それでも、 どちらでもいいだろう 、とした部分が結局丁度良くはまったので、都合よく利用させてもらった。 果たして 無実の人間 を牢に入れた事実を友人達は許してくれるだろうか。「――なるほどなあ。あの馬鹿が結局……。 やはり体が足りん……手回しも足りん。後で部下に書き直した送らんと」 誰かの背を追いながら男は一人ではない夜道を歩く。 「結局お嬢さんには会えんかったか」 「すまんな。本当の 裏切り者 はこの俺だ」 (!11) 2023/09/23(Sat) 9:30:57 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ「……、っ……」 やけに、わざとらしいな。本当に"あいつ"みたいじゃないか。 幻のように付き纏う幻影をよりくっきりさせたような、否、違う熱で上書きするその手に背筋が震えた。 大人しく撫でられていた男は思わず貴方の腕をつかんで、そのまま動きを止める。 「……人を甘やかす天才だなあ、お前。 何が目的だ、俺を放っておけないのは俺が病人だからか。 さっさと食うものを食って、治ったらもう構わんな?」 流されそうになる、この体に染みついた"教え"がその手に媚びることを覚えている。 表に出すまいと隠し通していた失態をあんなふうに晒すとは思わなかった。 その上で何の反応も示さないどころか、願い通りに甘やかしてくるこいつはいったい何なんだ。 もっと、と次を求めるような乾きがのどまで出かかった。 まるで大事にされていると錯覚しそうになって。 どうせ置いていくくせにと、いつかの己が心の中で叫んでいた。 まったく女々しいったらありゃしない、そんな他人行儀と不信を隣人に抱え理性は保っている。 (-583) 2023/09/23(Sat) 10:59:07 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ/* 突然、PL連絡にて失礼いたします。 四日目時空にてロールを送りたいのですが、三日目の秘話はあちらで〆になってよろしいでしょうか? 返し忘れかはたまた終わりかを見極められず連絡させていただきました。お忙しい所すみません! (-589) 2023/09/23(Sat) 11:19:46 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ多くを震撼させたニュースが出回った日。 姿が見えなくなった上司は貴方に連絡をしていた。 その登録されていないメッセージはやけに遅れて届いてしまっただろうか。 『明日日が昇ったら、何があってもこの俺に会いに来い』 『愛しの上司より』 姿をくらました彼への会い方は少し厄介かもしれない。 情報の少ないその電子文にまだ書かれていたのは一つの店だ、そこに行けば会えるのだろうか。 (-676) 2023/09/23(Sat) 19:33:25 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ「手遅れかどうか決めるのはこっちだ。 直接被害を被ってるのは他人だからな……!」 やけっぱちだった。 偽善の面もマフィアの面も保つのが難しくなってきてしまって。 貴方の前で見せられるのは、大人の真似ができてしまう少年だ。 口調や態度がもう崩れかけているのを自覚しつつ、自らを落ち着けるように深呼吸を繰り返す。 貴方への畏怖や敬意の念が薄れたわけではない、ただ近くで見続けた慣れ親しんだものに近く見えてしまったのだ。 どうしょうもなく救えない、救わせてくれようともしない敬愛しているあの背中に。 もしかして本当に貴方達は似た者同士で、遠い昔に全てを置いてきねしまっているような人間なのではないか。 結局は他人、ただでさえ初対面。それでもこれは。 貴方と昔から縁があればあるほど今この瞬間動けなかっただろう。 段々と現実が身に沁みてくるように冷たくなる身体に新しく吸った息を取り込んでまだ真っ直ぐ見続けている。 貴方は本当に一体どれほどの月日をその空っぽの心で過ごしていたのだろう。 事件以外、出生にも関わることだろうか。気になり始めたら何もかも知りたくなってしまう。 それ程にルチアーノの知識欲というものは強く、時にその頭脳と本質はその身を滅ぼしていた。 血は争えない、知るだけで毒である情報もなんでも読み込んで欲してしまう。 それでも、どんな現実がそこにあろうとも、真実を知って後悔をしたことなど一度もない。 → (-681) 2023/09/23(Sat) 20:20:23 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ時に、たったこれだけの逢瀬でも分かってしまったこともある。 貴方を純粋に好いた人間が、必ず、確かに居たことだ。 そして彼らが今何を思っているかも痛いほど理解ができる。 「……気前が良いなあ、まだ仕込が残ってるのか。 聞かせてくれ……言ってくれよヴィンセンツィオ」 だから今貴方の言の葉に酷く引き寄せられた。 それがどんな内容でも、地獄のような場所にでも足は踏み入れると決めていたから。 (-683) 2023/09/23(Sat) 20:23:14 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオさて昨日は美人か色男で選ばれたのは美人だったんだったか。 かなり前から知っていたんだぞ? 朝からそれを聞かされていた俺の気持ちを考えてみろ。 よくもまあマフィアの情報網を二人も抜こうとできたな。 なんて。俺はずっと気楽だ、何も気分が変わらん。 この程度、知ってしまったら嘘にも裏切りにもならないんだよ。 「だーから休ませてやるといってる。 警察の連中は好きだが、お前達の職場環境は今回の取締法で悪くなるばっかだろ」 そんな強引な罰などどんな物好きでもいらないだろうが。 「俺の幼馴染も寝不足でなあ……。 いやーあいつを牢屋にぶち込めばよかったか? そこまでお嬢さんにさせられんよなあ」 ▼ (-689) 2023/09/23(Sat) 20:40:04 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ「アリーチェはニコロが変な言い方したんでな。 白だよなあ、やっぱり。まあいいか……。 任されたが俺が世話できるのは牢の中でになるんだし。 それにしてもやっぱあのボヤ野郎。 あいつ……俺が立ち寄った直後に店を燃やしてよ、証拠全部消してやがったんだ……建て直すのに無駄な金がかかる。 経費で落ちると思ってんのか?」 声に出すと色々聞けるもんだな、と何かを正してくれる貴方に苦笑いをした。 そのまま渡されたロゼッタを咥えてあっという間に飲み込んでいく。 自分も食欲があるかと問われれば別であったが、貴方に与えられた食事を食べないわけにはいかないから。 口についたソースをぬぐいながらだったが、肩を組まれるのを拒むはずもなかった。 さっと手早く携帯を操作する、さてそろそろこの新品ともお別れの時間か。 たった一日で使えなくなるとはこいつも思わなかっただろうな。 ▼ (-691) 2023/09/23(Sat) 20:43:22 |
![]() | 【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 無敵の リヴィオ名残惜しいと感じているのは自分だけじゃないといい。 離れた熱を、その手を想いながら目を伏せた。 全て終わったらこの友達ごっこ一日ぐらいならやめてもいい。 その時の俺はお前より見るに耐えかねない自信がある。 牢屋に遊びに来てくれたら見せられるかもしれないが、 仕事は増やしてしまったから期待はしないで留守番をしよう。 「しばらく全貌は明かせなさそうだがー……まあ大方。 こうしてお前を引っ掛けられた時間が出来たと考えよう」 好きだとか嫌いだとか、愛だとか、恋だとか。 真っ当ではなくとも不器用で雑なものを受けてきてしまった分、妙にひねくれて理解をした。 それが永劫に続くことではないことを知っている。 自分も持てるわけではないことを知っている。 どんな感情もいつまで続くかなんて信じられない、いつだって信じられるのは己だけ。 「勿論一緒に行くぞ、三日月島に俺の好きな店がある」 だから何でもやりたいように好きなことをする。 不信も疑いも全て含め真実を知った上で、 信じていた時と振る舞いを変えないこの面が。 あなたの友人……になろうとしている、 ルチアーノ・ガッティ・マンチーニの本当の姿だ。 (-692) 2023/09/23(Sat) 20:53:17 |
ルチアーノは、猫は別に好きじゃない。 (a27) 2023/09/23(Sat) 20:59:28 |
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