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人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 黒眼鏡

「……救わせてくれん奴らが何言ってもなあ」

拗ねているだけだ、本当の傷には触れさせない、そんな態度に。

「おー、何もかも腐ってるこの世の中にはもう驚かん。
 それよりも俺はあんたがどこまで手を回してるのかが怖くなってきた」

「俺のこともどうしたいんだか」

多分どうもしない、これまで通りにほうっておくだけ。
だけど数人に俺の根幹が知れ渡ってるような気がした、
本当に気がするだけで、確信はないのだが……何のつもりだ……。
甘えたがりの姿なぞ見せた人間なんて片手もいなくて。
本当にわかるところは全てわかられているのだから末恐ろしい。

「あー」

「…………なかったよ」

ずっと調べられたのに手を出さなかったのは自分だ。
本当に少しでも嫌われたくなくて、離れたくなかったから。
最近はどうでも良くなっていればいいと願っていたからだが。

手遅れであろうと構わない、端から解決なんてしないのだから。

溢れる知識欲と、信頼の先にまっているもの、
その日のいつか、全てを知りきったとしても
自分たちの関係性は何ら変わることはない。もう、信じられた。
(-432) 2023/09/25(Mon) 22:15:26

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ


「お前はやっぱり、ちゃんと考えてるんだなあ。
 ……俺はやっぱり口では止める、ボスが一番だ。
 だけど――――お前は好きにしていい。何かあっても全部責任はとってやる」

「フィオレは良い子だからなあ、少しぐらい暴れてこい。
 それはそうと、もしその気が収められるようなことがあったら何でも言え。
 何でもやってきて良いし、手伝ってやる」

買い物でも、エステでも、美容院でも……。
貴方はもう少しストレス発散をすればいいと。

「お前が生きて今手に入れた地位を全部使って、落ち着いた時。
 まだその感情が残ってるのなら、目に物みせてやればいい」

「お前が救われるっていうんなら、その子供達も嬉しがってるだろうよ。
 同時に、他の方法だってある。だから気負うなよ、フィオレ。
 そして何か起こすんだったら、――顔だけは守ってくれえ。
 傷がついたら泣いちまうかもしれん」
(-448) 2023/09/25(Mon) 23:17:58

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ


「〜〜ッ!! アッ……は……」

貴方が欲してくれている、何処までも傍にいてくれると言ったその言葉に生理的な涙以外の物が零れそうになる。
叶わないと思っていた願いが今だけは手に入っているような気がして。抱きしめ返す腕に力を入れた。
ここに来たばかりの時の弱い抱きつき方とは打って変わって、しっかりと貴方に縋り付いている。
もう昔の幻覚は見えていないし、名前なんてすっかり消えてしまった。

挿れられただけでキツく締め付けられたそこは細かな痙攣をしながらあなたを呑み込んでいく。
その間足の先をぴんと伸ばし浅く呼吸を繰り返す様子は、
熱い飛沫を吐き出すことなく一つの絶頂を向かえていた。

奥まで押し込められれば悦びのあまりうまく声すら上げられなかった。
酸素が足りない、頭が上手く回らない、苦しくて、気持ちいい。
死にそうなほどに、好きで、焦がれて、愛おしい。

「……っ、……好き、だ」

だから、遠慮なんていらない。
そう言ってやるようにまた、キスを重ねた。
(-463) 2023/09/25(Mon) 23:52:20

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ

「……わお。
 ごきげんようヴァレンティノ」

軽快な声を返した男は頬を誰かに叩かれ殴られ腫らしていた。

「元気だが、……そうだなあ。
 お前も、ストレスや疲れは溜まってるだろ。
 それが全部解消される代わりに別の問題が乗っかってきたら、ため息も付きたくなるよなあ?」

なんて、と笑うのだ。

「上手くやれてるか?……ボスは、まだか……」
(-482) 2023/09/26(Tue) 0:49:21

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ

「っ、……!くっ……」

思わずその笑みでぞくぞくと背筋が波打つのがわかる。
ただでさえ快感を拾いやすくある、その固い膨みを大きくして自分で自分を苦しめた。


殺すつもりでなんて、言われなくとも。
片手で再び添えた頸動脈の路、本来であればそれで十分足りうる圧迫をもう片方の手を添えて与えていく。
一、二、……と数えることは途中からやめた。

たとえ殺してしまってもきっともう自分は後悔しない。
だってそうだろう、目の前の男がこんな表情を見せるのだ。

「ヴィンセンツィオ……っ」

その顔に見惚れていれば、思い出したように力を緩め、また指を押し込む。
簡単に折れるようでもないその身体が酷く都合が良くて、その口から息が溢れるたびに嗜虐心をそそられた。
指に力を込めるだけでうねる肉壁と体の震えを感じる、耐えきれずに何も言わずにそのナカに迸るものを吐き出せば、浅く息を吐いて熱の籠もった視線を向けてやった。

これの何処が壊れた人間か、自分の評価を改めなければいけない。
もっといくらでも丁寧に結んで繋いで、
そしてまた壊しかけてやって、貴方も満足出来たらいい。
しかし今のその心には破滅的な望みしか残ってはいない。
直ぐにこの言葉も届けるつもりもない、ああ、本当に勿体無いな。

限界を迎えしばらく息を整えれば、熱はまた貴方を求めるように擡げ注挿をはじめていた。
快楽を貪りながら嬉々としてその首に手を這わす姿は、
先程まで男にあった理性が少なからず削がされていて。
多少は貴方が求めた粗雑さを含んだ責め苦が彼の手から与えられていただろうか。
(-488) 2023/09/26(Tue) 1:42:10

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ

「美少女とドライブデートしたのが懐かしいな」

今はこんなところでお部屋デートってやつだろうか。

「……幼馴染にマフィアを辞めろと言われている。
 はっきりこんな言い方じゃあない。
 ……だが……俺の傍にいたがるんだ……。はあ……。
 正直まともな恋心でもないそいつをどう扱っていいかわからん。
 できることしか俺はできん」

あれはなんだ、と、嫌悪ではなく困惑の色を見せて男はぶつぶつと嘆き始めた
(-489) 2023/09/26(Tue) 1:48:14

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

「殺意……はあ。
 俺が殺すから手を出すなよ?」

そこは譲らないらしい。そして振り向いてくれるまで、と続き何の話だと首を傾げる。

生きる意義をはじめに与えてくれたのはファミリーだった。
そうして裏切られて失ってから、
ずっと他人に依存をしない暮らしをしてきた。
誰にも告げたことのない性質、奇しくもその予想は全て当てはまっている。


「エルヴィーノ……? お前、何言って……
 俺はあいつのことなんか……気にしてない、本当だ」

「ずっと傍に居るだなんて何をするつもりなんだ、
 なんだか様子がおかしいぞお前。
 ……裏切らないのは当たり前だ……わざわざ言うと信用が減るぞ」
(-491) 2023/09/26(Tue) 2:17:08

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ

「……無理だな、俺が此処を抜ける話だ」

マフィアにいる自分が、どうやら駄目らしい。
そこにあるこだわりは、まぁ悪いものをやめさせるようなノリであると。複雑である。

「俺が心に決めた人間が出来ると思うか?
 そんな直ぐにバレる嘘なんてつけるかそれに、……ああ」

「……期間限定でも恋人を作れば流石にそっとしておいてくれるだろうか」

嫌な信頼だけは貰っているそうだ。
誰ともまともに付き合えなさそうなことも、まともではないなら付き合えそうなことも。
(-498) 2023/09/26(Tue) 3:28:44

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ

「――んっ、うう、……」

男が意味をなす言葉を吐かなくなるほど快楽に溺れている姿は、
色を売る女のように媚びる仕草でなくとも、一般的な恋人同士で行われる睦言にしては随分と乱れているように見える。
そのような相手が常に居た可能性があるにしろ快楽には弱く、力の抜き具合や誤魔化しようもなく体を預けている状況は明らかにリラックスをしていて、一番を気を許せている時間なのは確かであった。

「きもち、…! んっあっ」「こん、なに」
「いて……くれて…あつ、くて」「いっぱい……」

子供のように甘美な刺激の中に温もりを求めている。
擦り込まれている甘言が、今このときだけは目の前のあなたのすべてが自分に捧げられていると伝えてくる。
それだけでよかった、夢は一度でも見れたら十分だ。

そう思ったら、ぽたり、何かが込み上げてきて零れそうになった。
思わずあなたの目を塞いで浅く息を吐く。
早く快楽の海に戻らなければと、それはほんの数秒で離され、誤魔化すように身を捩り抱きついた。

「すき、だ……」「はぁっ…、おれは」
「おまえが……好きだよ」

それを愛や恋と言えるのならば、どれほど良かったか。
諦めきれるから、捨てられるのが怖いと言い訳して受け取ることを拒めたのだから。
そして本当にそんな気持ちを抱けたというのなら、自分自身のことぐらい簡単に証明をしてほしいものだ。
両思いだなんて綺麗事、望んだことなんて一度もない。
片想いだけで期間限定の甘いひとときを送ることぐらい出来る。
どんな関係にも終わりが来て、誰かを同じ気持ちで想い続けるなんて出来やしない、だからその刹那の時間をより良いものに出来たらいい。

だから今は喜ばないと。こんなに嬉しいことは、今だけだ。
無理やり酔わせた身体で貴方を誘う。
ごめんなと、瞳からまた雫をこぼせば、あとはお互いに達するために身体を揺らし甘い声を上げ続けたた。
(-501) 2023/09/26(Tue) 4:49:51

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ

「昔馴染に昔の女の設定を突然つけるか。
 出来なくもなかったがいないともう言ってしまって……」

「……
は?


男は冗談抜きで貴方を恋人にしてみたいと思ったことは、ある。
どうせ三ヶ月ほどしか続かないと思ったし、それぐらいの間デートが出来るものなら楽しいと思って。
何年も一緒に仲良く睦まじく過ごす姿は全く想像もできなかった。

「……お前の名前と姿が……都度、変わる」

ペネロペでない時期を思い出して口元を抑える。
あのときの彼とペネロペを自分は同じように見ただろうか、新しい人間として接しただろうか。
そもそも、新しく作った面をいちいち愛することは前の貴方に対して不遜ではないか。

「……おれは、……」

自分はオルフェオ・ギロッティという人間を知らない。

そう思った瞬間、男はボロボロと涙を溢し始める。
え、と本人も驚いたのか袖で拭えば一瞬で顔はもとに戻った。

「すまん、お前が分からなくなった……」
(-502) 2023/09/26(Tue) 5:06:12

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ

「……? おー。そうだな」

男は大体の懲悪勧善主義は五月蠅い御託を並べるものだと思っていた。
しかしそれは単純明快かつ、自分の問いとはまったく噛み合わず、されど理解が出来てしまった。
この男、一体どこの忠犬なのかと。警察に所属しているのではなかったのか?
それにしても、こんな人間早々いないだろうとも思った。

不遜であることも倫理観からして承知だが、
ここ数日で人間らしくない人間を連続で見てしまって感覚が麻痺してきていた。

教えられた通りのことを信じて疑わず、一途にその手をふるって裁きを下す。
本当に、似たものばかりが集まっているのかこの煮凝りのような牢獄は。

「この国をめちゃくちゃにした輩がのうのうと暮らすのが悪い。
 ここにきて罰を受け自分が悪人であると、わからなければいけない」

「そこに償いは?
 罰を受けた後は赦されてもいいんじゃないか」

「お前、――自分が悪人でないと思っていないか。
 世間はお前を罰を受けて償いをしなければいけない存在だと捉えている。
 そして、俺も、ここに入るべくして入った輩だと思っている。
 思想が違う人間皆悪人だなんて言わないよな」
(-505) 2023/09/26(Tue) 5:51:05

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ

「知るか……誰かさんのせいで急に涙腺がもろくなった。
 いや、いい……こっちの話だ」

「もう、
直近でお前の身辺に捜査を入れる


これは、男が言う情報収集だ。貴方という人間を調べあげるという宣言だ。

「もう身内を調べることに躊躇が無くなってなあ。
 何もかもわからないままで消えられて嘆くぐらいなら、
 下着の色まで全部調べ上げておこうかと」

同期の下着の色を知って自分が安心できるとも思わないが。
少なくとも連絡先や、周りの交友関係を調べておけばよかったと後悔することもないだろう。

そういった事情に踏み込んで嫌われることを男は常に拒んでいたが、何かかなり吹っ切れているようだ。
貴方にもその変装の事情も何も聞いてこずにこれまで過ごしていたのだから。

「そうだよなあ、そうだな。
 恋人にするかもしれない人間のことを
 調べないわけにはいかないよなあ。

 生憎嘘を吐くのは下手くそだ、いつも通り馬鹿正直にする。
 これは仕方ないことだ、なあ? ヴァレンティノ。
 ……男の名前だな、だから直ぐに覚えられんかったのか」
(-506) 2023/09/26(Tue) 6:04:31

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 傷入りのネイル ダニエラ

「…………だって終わりだったろ……。
 あんたが働かなくてもいいようにしたかったんだよ」

「リヴィオのこともあんたなら連れて行ってくれると思ってな」

だから、ではないが。リヴィオが執行役だとは一度も男は言わなかったのだ。
それは分かりやすい嘘を貫き通そうとした不器用な男の気遣いだ。
何方にしろ貴方に負担をかけたのには変わりないので罪悪感は持っている。

「そうか? まあ、じゃあ次に守る約束はどうするかね……。
 出かけるにしてもなあ……
 どこぞの誰かが俺を見張っていてなあ。隠れていくか。
 ネイルショップにでも連れていきたいんだ。
 お嬢さんには碧のネイルの方が似合うとおもうんだが、
 やっぱり黄色が好きなのか?」

その意味を知ってか知らずか、男は貴方にそう尋ねる。
(-512) 2023/09/26(Tue) 7:12:43

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → マスター エリカ

【情報屋ロッシ】

「ああ御機嫌よう、――なんだ。
 本当にあるんだなあ夢の中に情報屋が」

ゆめうつつ。揺れる視界の先に見えた人影。
いつの間にか語られる声。何処となく貴方の事は忘れそうな気がする。
それでも知りたいことは?と問われれば直近はあれだなあとすぐに思い当たったことがある。
欲しい情報はいくらでもあるが、これからの先に自分の手で調べなければいけないことだ。

「『黒眼鏡の旦那の十年前にあった事件のことを知りたい。
 昔の上司……名前、なんだったか?レオ・ルッカか。
 それともう一つ頼めたらその頃にいた赤髪の白人女性について』だ」
(-514) 2023/09/26(Tue) 7:28:58

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 傷入りのネイル ダニエラ

「同じ土地に居た方が顔が見れるだろ、前向きに考えるといい。
 案外元気にやっていたぞ?」
「ちょっと怪我人が多かったがな……」

致命的な怪我こそないが、明らかにここに来てから負った傷を持つ囚人が多かった。
誰かが私刑をしているのか、はたまた。
まだこの時は調べ切れていなかったので軽い注意だけになる。

「ほお。願掛けみたいなものかあ。
 そんなことがねえ、大方最後までやり切る為だったんだろうが。
 結局無理してるんじゃ、世話ないな。
 そんなことをやらせた上は何を考えているんだか」

ここで知っているらしく振舞うのも知らないように振舞うのも、何方も会話の処世術だ。
今考えれば貴方の仕草は精錬されたようであった。
一つ一つの情報も分かりにくい伝え方であったのにまるで伝わっているような。
知識が偏っている不思議な育ちをしていて、中々余罪はありそうだと男も思っていた。

――――もうそろそろ事情を調べてもいいだろうか。
黙って調べても怒られはしないだろう、今となっては文句は言われるかもしれないが。

「その色はなあ。
 お嬢さんの瞳の色に近い系統だ、そこらは随分多くてな。
 一つの色を言ってもなぜか数種類のバリエーションがある」

それは、貴方の瞳の色だったり、貴方の友人の髪の色だったり。
この町に広がる空のような色だったり、海のような色だったり。

「ああ、お勧めだ。時間が出来たら試してくれ」
(-522) 2023/09/26(Tue) 8:47:02

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

貴方が告げる愛という言葉が、全てが入ってこない。
家族で、恋人で、それで。何度も頭の中で繰り返そうとして、やはり思考が止まってしまう。
ただ、頭に過るのは誰かの姿。そして、自分はこんな貴方の姿を見たかったわけではないということ。

「ま、て。エル――」

ひく、と一瞬貴方に見せたのは怯えと期待の色だ。
それでも、眉を顰めれば、貴方が距離を詰めた時一歩分だけ後ずさりをした。

「っあ……ん、」

口づけをされれば途端がくりと崩れ落ちるように力が抜け、抵抗する間もなく貴方に体重をかけてしまう。
何度も唇を重ねられるうちに、初めは反射で拒んでいた体も入ってくる舌に拙く絡めながら水音を鳴らしはじめた。
呼吸が上手くできないまま息を荒くし、漸く離されるころには、つぅと糸を引きながら蕩けた表情で貴方のことを見つめている。
甘く淫靡さを纏う顔は、明らかに甘えていただけの時とは違っていた。

「ま、……あ、待って、くれ。
 こんな、の……いらない……っ、……」

「お、俺は……お前と同じように愛せやしない……。
 無茶を、するなあ……」
(-523) 2023/09/26(Tue) 9:27:03

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 新芽 テオドロ

「こっちでは誉め言葉だぞ?
 お前は度胸があって立派だという意味にも使う。
 向いてないってのは甘えん坊のクソガキって意味も含まれる」

諸説ありだ。
一応は誉め言葉のつもりだったが不名誉である可能性もあるかと肩をすくめた。

「ああ、成程、へえ」
「それは悪くない提案だが――俺の面倒が増えちまうなあ?」

その取って付けた突き放しに満面の笑みを返す。
正しく言葉と表情があっていないまま言葉を続けた。

「一緒なんて気にせずさっさと昇進してくれんか?
 それである程度の地位の奴俺のことも命令出せるほど万能になって。
 是非とも俺を楽にしてくれ」

アジトでは誰かが男を好き勝手に振舞うどら猫だといったが、その実一度決めたことは必ずやり遂げる真面目な人間だ。
そして心から怠惰で生きたいと、職務怠慢を願っている働き者でもある。

「なんてな、融通は利かせてやろう。
 荷物纏めたら連絡するでも、いつもの店に飲みに来るでもいい。
 いつでもちゃんと俺が見てやるからな」

こういう安請け合いが自分の仕事を増やすのだが。
少なくともしばらくはこの牢の中で休めるだろうとこの時は安心しきっている。

貴方の言葉の端々に含まれているものに喜ばしく思いながら、
男はいつも通りの態度を保って満足げにしていただろう。
(-527) 2023/09/26(Tue) 10:31:53

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

「エルっ、エルヴィーノ!」

聞いてくれ、と言うまでに首に歯が当てられれば言葉は呑み込まれてしまった。
それでもゆるく首を横に振って貴方の服にしがみつく、今まででここまで抵抗を見せたり意見を言うのは珍しい方であろう。

「……俺はっ、……」

たしかにこの首に物理的な首輪はついていないが、
貴方はそれをつけることを拒んでいたと思っている。
どうして、こんなことになってしまったのか。
誰かに唆されたのだろうか?
こんなことを考えるような男だったか、貴方は。
今まで見てきた貴方が分からなくなってどうしょうもなく不安になれば、それ以上言葉を紡げず動けなくなってしまった。

そのあとは貴方が声をかけるまでただ無抵抗な姿を晒しながら、
痕を付けられるたびにあえかな声を漏らすだけ。
(-530) 2023/09/26(Tue) 10:56:45

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 暗雲の陰に ニーノ

「ずるいかあ……本当モテ男だよなあ。
 俺も時々、あの人と言うことが被ってることが気味が悪いんだ」

「それに俺だって……お前がうらやましいぞ。
 この間高い高いをされてみたいと思いついたが、この身長と歳が許さんのだ」

この時々いい男ではなくなる男は、所々に下らない子供のような部分が残っている奇妙な男だ。

口調は真似したんだったか、もう思い出せない。
全部ガキの頃で、敬語が無くなったのはあの人のせい。
上司として、全く尊敬に値しなかったからだ。

マフィアに拾われたまだ13か4の頃、反抗期も来ない頃に面倒を見たのがあの男だった。
親子とよ言うよりは兄弟のように扱われて居たが、大体振り回されていたのについていっただけ。
こちらも十年以上追うだけをしてきた、隣にはいないが見てきた面が違ったのだろう。

男はそれを不満げに扱うが、内心喜んでいるのは言うまでもない。

「仕方ないなこの甘えたは……可愛がられるわけだ。
 俺の手が無事だったら次は中で一緒に食うか!」

あんな奴の話はやめだと切り替える姿はさっぱりとしていて。
彼ら同士も独特の距離感で信頼をし合っているのが伝わるだろうか。
貴方の誘いにも満更でもなく了承すれば、踵を返し靴音を弾ませながら手を振って牢を後にしただろう。
(-533) 2023/09/26(Tue) 11:17:59

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ

その名前も、見えない聞こえないふりをした。
初めから分かっていた、だから何かが変わるわけでもない。
そこからは揺さぶっても反応が鈍くなったその体に打ち付け、
ただ自分の処理をするためだけに、果てた。

最低限身なりを整えて、目の前に転がる死体のような男に視線を移す。
死んでいないよな、と伺う視線にもう熱は籠っていない。

「……片付けは、いるよな……」

おかしいな、体が酷く怠い。気分も重い。
また動きたくないと脳が生きることを止めようとしてくる。
先程までの高揚感が不意に頭に浮かんで、かき消しながら足を動かして、悪夢に見そうだと小さく呟いた。

「……」

嫌々その零れだす窪みから乱雑に白く濁った体液を掻き出し、体を拭うにも小さなハンカチで掬い取って捨てた。
もう一生使う予定もない。下着類をまとめて投げ渡せば動き出すのはいつだろうかとため息を吐く。
憐憫や同情もそこには抱けなかった、本当に確かに、自分は貴方の思い通りに嫌な目に遭わされた気分になった。
敵う者も届くものもこの場ではなかった。
すべてが無駄な足掻きだったわけではないだろう、だがこの手に持てる量にも限りはある。
覚悟も何もかも足りはしなかった、そう思うことでしかこのやるせない感情を納得させることなどできなかった。

(-539) 2023/09/26(Tue) 12:14:45

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ


ふ、と。
今なら何も苦しめることなく殺すことが出来るのではないか。
それが彼にとって幸せではないのだろうかと考えた。

(-540) 2023/09/26(Tue) 12:16:01
ルチアーノは、拳銃を取り出し、こめかみにあてた。
(c35) 2023/09/26(Tue) 12:16:15

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Scorri, fiume eterno! ヴィンセンツィオ

銃口を向けた瞬間に、やっぱりわかる。
震える指も、泣きそうな気分も、自分は酷く正直者だった。
全身を持って自分は最後まで甘ったれであると知らしめてくる。

その銃を降ろして、踵を返す。
アタッシュケースに視線を向ければ持ち帰るため、完全にソファーからは背を向けた。

せめて貴方を真に裁く存在が現れてくれるようにと祈らせて欲しい。
永遠に現れないと、自分だけは思いたくはない。
俺が調べ探し、必ずそこに罪への贖罪の方法を見つけてみせよう。
それまでどうか、しばしの休みを。
微睡みの中でだけ会える存在とは穏やかな時間を過ごしてほしいと願うのだ。

(-541) 2023/09/26(Tue) 12:18:38

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

続く刺激には、触れられるだけでもくすぐったいのか普段の姿からは到底想像できないほど甘やかな声を漏らす。
快楽を感じやすいその体はやけに敏感で、赤い痕が散らされた後は無気力な姿と相まって煽情的であった。

男はぼんやりと、まだ理性の残る頭で考えている。
貴方はこの後自分がどうなるのかわかっているのだろうか。
誰かの前でこの姿をさらした瞬間獣に食われる餌よろしく人気者になってしまう気がするのだが。
甘いなあ、甘い。俺が不安なのは、そんなことじゃあないんだとどうやれば伝わるのかはついぞわからないまま。

その己に触れる手を取り上げれば、包むように一本一本指を絡めていく。
そのまま貴方の手の甲を口元へと寄せていき、へにゃと柔らかに口を緩ませたのも一瞬。

「なあ――幼馴染エル
「お前がただの盛った犬だと俺に思われたくなければ今すぐ止めろ」

失望手前、最後の通告だと言わんばかりに貴方を見据えた。
(-547) 2023/09/26(Tue) 13:12:20

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ

誰も邪魔の入らないその空間、聞こえるはたった二人の吐息だけ。
しばらく互いに余韻から返ってくることはできなかっただろうか。
繋がった結合部をあまり刺激しないように、許す限りその時間を味いたくて目を閉じる。
言葉はなくとも、そこに熱があればいい、夢なら覚めないでほしかった。



「……まだ、電気は通ってる」

従業員用のシャワーが一つだけある、と男は告げた。
最低限の処理はなされたあとだ、その時も反応仕かけた自分の身体は理性を総動員してなんとか収めてやった。
下着やらなにやらを身に纏い、ふらふらと立ち上がれば、男はまともに身体を洗わないまま何処かへと向かおうとする。
貴方にシャワーを譲るためだ。

「ロメオ、来てくれて助かった」



楽に、なれたと落とした声は何処か寂しげであった。
あの時と変わらない、変わるには怖がり過ぎていて。


(-555) 2023/09/26(Tue) 14:29:26

【墓】 口に金貨を ルチアーノ

「……面倒なことの気配がする」

硬い布団に潜って丸くなる。
ああ、
恋人
が恋しいな、態とらしく呟いて眠ろうとした。
身体は休めておいたほうがいいと長年の勘が告げている。



「……」

「くっそ……ラウル!」

結局起き上がって一人の部下の名をよんだ。
(+76) 2023/09/26(Tue) 15:32:16

【独】 口に金貨を ルチアーノ

/*ダニエラ笑わんでくれ!!おまえ、お前!!
悲しいときや笑えないときに笑うRPはやめるんだ!
(-563) 2023/09/26(Tue) 15:39:18

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

「何を言ってる、俺は誰にもつかまってない。
 俺はいつだって自由だ」

貴方が囚われてると思った影は今目の前にあるか?
鳴りを潜めているだけではあるのだろう、それでも。


「……いやすまん、ここには放り込まれたな。
 カウントするな。だがここに来たのは俺の意思だ。
 俺から連れて行けと、とある奴に頼んだ。だから、捕まってはない」
  
「なあエル、……俺はお前に何かを期待していたかと言えば嘘だ。
 そこにいるだけで良くて都合良く待ってろと言って、
 変わらないことを望むのが一番気楽で甘えてたんだ」

涙をこぼす姿に少なくともなにか無理をしているじゃないかとため息をつく。
本当に誰がこの心優しい幼馴染を唆したんだ。

「……それでもなあ。コレでなにかが変わったとして、
 俺は何にも気分が良くなったりしないんだ。
 嫌なことが一つなくなって、嫌だったことが一つ増えるだけ。

 ……ファヴィオのことだろ? ……気にしとらんとは言わんが。
 居ない奴のことで気に病むのは、お前の言う通りしたくない。
 俺を信じてくれんか」
(-564) 2023/09/26(Tue) 15:44:39

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

貴方は正しく男の洗脳を解決するための術を完璧に取れていた。
男が抵抗などしなければ、甘い夢の上書きはされて貴方で頭いっぱいになっていただろう。
しかしこの時、二つほど誰かの想定外があった。
一つは男は既に夢の上書きのようなものををされていたこと。
二つ目は男がエルヴィーノへ対する気持ちを整理する時間があったこと。

「馬鹿野郎……俺から俺の本当の過去を取るな」

貴方がいなければ、貴方がいつも通りでなければ。
自分は熱に溺れながらその目を見ることなく現実を逃避し可愛がられるペットにでもなっていただろう。
まだ貴方の言う家族で恋人でを丁寧にしたほうが怒りはしなかったのにどうして弱みを引き当てられたのか……。

「大丈夫か大丈夫じゃないかは……お前がみていろ。
 また不安にさせるような奇行をしたら、もう好き勝手にして良い」

まずいことを言ったな、と今更になったが遅い。
これぐらい仕方ないだろうし、止めてもらったほうがマシだ。

「……わ、からん。けどお前には嘘を付きたくない。
 絶対なんて言えんから……指切でもするか?」
(-595) 2023/09/26(Tue) 19:02:46

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ

「…………二度と謝るな、もう怒っとらん」

苦虫を噛み潰したように嫌がって言う。
まるで自分が犯されかけて傷ついているような気になる、ほぼ無傷だ。無傷ではないな、どうしてくれるこの見た目を。

「……お前ももう少しなあ。
 ちゃんとしてくれんと、……安心して寝られん」

これは本人も気づいてない嘘だ。
この男はいつでも何処でも疲れていたらすやすやと眠ってしまう。

「できるだけ俺もなんとか……まあ、彼奴のこともう一度調べて辿って見せる。
 黒眼鏡ですら見つけられなかった男だからなあ、まあ。
 なんとかなるだろ」

そう言って、大事な幼馴染の頭を撫でた。
(-606) 2023/09/26(Tue) 19:57:04

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 幕の中で イレネオ

「…………裁判所に犬小屋でも建ててでも住んでるような男だなお前」

感心した、洗脳や諸々とも似ていて精錬された法の番犬。
自分の身内が関わっていなければ何も間違ってないと言ってやれもしたし、その上で文句を言ってもっと立ち振舞を変えるように口を出していたかもしれない。

そうだ、貴方に対する違和感はその口調と態度なのだ。
もっと柔らかければヘイトを買わずに不備なくその正義を執行できるのではないのだろうか。
なんて不毛なことを考える、こんな提案も通ることなどないし気にされることもなさそうで。

「いいや、わざわざ時間を取らせたな。
 お前の手を煩わせるときが来たらそれはもう嫌がりながら声をかけに来てやろう。
 なんとも雲行きが怪しいデートだなあ?
 その罰も、罪も関係ない。お前を見るのが楽しそうなんでね。
 俺は楽しみにしているよ、お前はどうかは知らんがな。」

そう言って踵を返して牢から離れていく。
驚くほどに悪感情も良い感情も抱かなかった。
善悪がないと言うのはこういう物でもあるのかもしれないと、興味対象として覚えてしまった。
同時にそれが真の平等かは、哲学問題は不得意なので考えるのを辞める。

危うい人間であると思ったが、さて。
思ったよりも子供みたいなやつで毒気が抜かれてしまった、と。
こんな感想を持つのも自分だけなのかもしれないと独りごちた。
(-609) 2023/09/26(Tue) 20:09:52
 


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