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![]() | 【人】 小さな サルガス>>132 レヴァティ 昼の廊下 「なりたいもの……みんな、そう言うけれど、大人になったときのこと、ちゃんと考えてるんだね。 とうさんやかあさんみたいな、りっぱな薬師になれたら、一番いいけど。 だれかとそっくり同じにはなれないもの」 ブラキウムの言葉、レヴァティの言葉。同じような輪郭が二人から話される。 彼らの頭の中にある物を見つめようとするように、細目の向こうへとじっと視線が投げかけられた。 「ふふ、そしたら半分だけまねしようかな。うん。また、しょくじの席でね」 レヴァティの軽口は、サルガスを心易くしたようだった。くすりと笑って、てのひらだけで手を振ってみる。 自分の行き先はどこだったか。つまさきは、また誰かの頼み事のほうへと向いた。 (137) 2021/05/27(Thu) 11:09:32 |
サルガスは、知らない生徒の荷物を運んでいます。 (a100) 2021/05/27(Thu) 11:10:07 |
![]() | 【秘】 小さな サルガス → 褐炭 レヴァティ 肩口から微かに伝わった心臓の音は、小動物のようにとくとくと早く刻まれていた。 けれど貴方は去って行ったから、そんなつまらない話は、これでおしまい。 (-180) 2021/05/27(Thu) 11:12:08 |
サルガスは、知らない生徒の足に躓きました。 (a105) 2021/05/27(Thu) 11:54:29 |
サルガスは、知らない生徒に謝りました。 (a106) 2021/05/27(Thu) 11:55:04 |
![]() | 【置】 小さな サルガス >>L15 深夜の中庭 美しい噴水の底を覗いて、水の溜まる箇所に手を突っ込んで。ベンチの下をしゃがんで覗いて、見えない場所を探り当てて。 それでも何も見つからない。靴にスカーフ、見つからない方が安心なのかもしれないなんて思うけれど。 影さえ見えない探し物に身震いしたのは、秋風が濡れた手先につめたいからではない。 「中庭や森に、いったわけじゃないのかな。でも、先生たちのばしょにはあんまり立ち入っちゃいけないし。 いつかは……いかなきゃ、ならないかな。あぶなくても、だれか知ってるかもしらないし。 ……みんな、これだけじゃ終わらないって、いってたな」 目を伏せれば不安を掻き立てるような推測が水を掻き回して泥が舞うように浮かんでくる。 自分たちの中に……ああでも。それより先は考えてはいけない。愚直なままでいられなければ。 頼りを探すように草木の色に指を沿わせて、赤みの橙colorのツルバキアflowerに口付ける。手折った色をきゅうと食んで、花の匂いに擦り寄った。 「ぼくひとりで、やらなくちゃ。 みんなを、これいじょう不安にさせちゃいけないんだ」 勇気を振り絞り眠い目を擦って、足音は看板の横をすり抜けていく。 唇からこぼれた花の一片だけが、そこにあったものを知らせている。 (L16) 2021/05/27(Thu) 12:27:57 公開: 2021/05/27(Thu) 12:30:00 |
小さな サルガスは、メモを貼った。 ![]() (a110) 2021/05/27(Thu) 12:41:01 |
サルガスは、両手にツルバキア以外の何も持っていません。 (a113) 2021/05/27(Thu) 12:56:47 |
サルガスは、落葉の上に押し倒されています。 (a119) 2021/05/27(Thu) 13:15:02 |
![]() | 【秘】 小さな サルガス → 懐疑心 メレフ「さいきんは、薬草や自然のものばかりをおいしゃさんがつかうわけじゃないらしいから、 こういうのはあんまり注目してもらえないみたいだけど……でも、いいものだよ。 自然のちからってすごいんだなあっておもうもの。ぼくも、べんきょう中」 その割に花摘んでは食べたりしてるけど。薬草やらは一度は試してみているらしい。 甘いシロップの中に草木の風味と花の優しい口当たりがとけて、それがふわりと湯気になって鼻を通り、喉を潤す。 「……ぼくは、それを根本的にかいけつできるわけじゃないだろうから。 あんまり不用意にあれこれって、きくべきじゃないだろうなっておもってて。むりにはなしてくれなくていいけど。 でも、ほら、いやなさわられかたしてもぐって押し返すだけで済ませられるくらいになったら……。 ……あ。でも、相手がなにかするかもしれないとおもったらやっぱり不安かな」 どうにか、今できることを。 自分が いなくなってしまう前に何かできることはないか。少しばかりいつもよりも押し付けがましくてお節介で、愚かしいほど必死に考えているようで。 → (-238) 2021/05/27(Thu) 18:29:39 |
![]() | 【秘】 小さな サルガス → 懐疑心 メレフ「たとえばーーほら」 椅子を横にずらして机の向こうからとびだして、真正面を向いて座り直す。 それから、まだまだ出番の来ないだろう薄手のえりまきを手に取ると、 それで、自分の目元をすっかりと覆い隠して、結んでしまった。 「こんなかんじ! これなら、ぼくからは何もできないから、あんしんでしょう」 無邪気に両腕をあげて、自分の考えた成果を発表する。 (-239) 2021/05/27(Thu) 18:32:52 |
![]() | 【人】 小さな サルガス>>2:152 深夜の森 メレフ 「できないよ。だって、ぼく、悪目立ちしてるでしょう。 みんなが、ぼくの仲間だっておもわれたら、みんな、ぼくみたいに……」 深い瞬きの合間に思い起こされるのは、無邪気な探検隊の様子。 いつもひとりで冒険しているルヴァの周りに、みんなが集まって。 カストルが応えてくれて、シェルタンやルヘナが小さいかれらを支えてくれて。 スピカが先頭を切って、イクリールがシトゥラを引っ張ってくれる。 ゆめみたいに楽しい世界。そこに自分が加わったら、どうなることだろう? 「ぼくが、ひとりきりでいることに。みんなを巻き込んじゃいけないから。 みんなを守りたいから。だから、ひとりでやらなきゃいけないの」 (171) 2021/05/27(Thu) 19:34:57 |
![]() | 【人】 小さな サルガス>>2:174 >>2:175 >>2:176 深夜の森 「あれ……さんにんで、ぼくのこと捕まえに来たのかなって、おもった」 都合よくタイミングよく現れた姿を見て、三人で連れ立って森に入ったと思ったようだった。 ゆっくりと上体を起こして、それから無下にしてしまわないよう、ルヘナの手をとって。 立ち上がろうとして……うまく足に力が入らなくて。座ったまま、促すように手を引いた。 「ぼく、でも、いいわけできないよ。だから、うたがわしいことして、ごめんなさい。 いいんだ、さんにんとも。だって、知らないひとだったら、やっぱりつかまえてたでしょう」 ケープに寝間着、ベッドから起き出してきたような姿で。 少し声が震えるのを押さえるようにしながら、毅然として場をとりなそうとした。 (177) 2021/05/27(Thu) 20:01:52 |
![]() | 【秘】 小さな サルガス → 貪欲 ルヘナ 手先から伝わる鼓動は、とくとくと小刻みに波打っていた。 まるで小動物のようだ。実験用のネズミに聴診器を当てたら、こんな感じだろうか? (-244) 2021/05/27(Thu) 20:03:45 |
![]() | 【秘】 小さな サルガス → 貪欲 ルヘナ ほかの人よりもよく見聞きして、知識を求めて、聡い貴方なら知っているかもしれない。 ネズミも象も、一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は、 それらの大きさにによらず同じなのだという。 象もネズミも犬も猫も、心臓は20億回動いて、止まるのだという。 (-246) 2021/05/27(Thu) 20:24:43 |
![]() | 【人】 小さな サルガス>>2:178 >>2:179 「シェルタン……だめだ、だめだよ、おねがい。 おねがいだから、ふたりは、みんなはともだちでいて」 くしゃりと幼い面立ちが歪む。自分が不和の種になったことを悔やんでいる。 大きな声に対して目に見えて怯えはしないまでも、ルヘナと繋いだ手は震えている。 「あのね、でも、なんにも見つからなかった。 干し場も、井戸も、厩舎も森も、ぜんぶさがしたけど、見つからなくて。 ぼく、……ヘイズのこと、それに、なにかおかしなことが起こってるなら。 ぼくも、やっぱり、探したい」 控えめなお願い事を口にして、小さな望みを打ち明けて。 ねだるようにすがるように引っ張ったのは、メレフの服の裾だった。 (182) 2021/05/27(Thu) 20:35:53 |
![]() | 【人】 小さな サルガス>>2:185 >>2:187 >>2:188 >>2:189 >>2:191 深夜の森 「……あり、がとう、ごめんね……」 こぼれてしまわないような際の際で、潤んだ目がルヘナを見上げる。 恐れ、怯えですっかり冷たくなった手が、きゅうと指を掴む。 腰が抜けて力がうまく入らないながらも、背負いやすいように重心の移動は出来るだろう。 触れたところから、心臓の鼓動が伝わっていく。 「ぼく、ずっと、みんなといっしょがいいな。 それなのに、ぼく、みんなを不安にさせてばっかりだ。ごめんね、ごめんね。 ぼく、いっつも空回りして、先走ってばかりだね……」 思い出されるのは中庭での一幕。不用意な行動が引き起こした波紋。 今も、自分がふらふらと出歩かなければ、きっとこうはなっていなかった。 安穏を崩す嵐の中心が自分であることに、唇を噛み締めた。 もっと強ければ、しっかりしていれば、毅然としていれば、違っただろうか。 (192) 2021/05/27(Thu) 21:08:57 |
![]() | 【独】 小さな サルガス 自分が自分でなかったなら。ここにいるのが自分でなかったなら。 スピカなら。レヴァティなら。ブラキウムなら。シトゥラなら。 カストルなら。イクリールなら。自分ではない誰かなら。 自分なんていなくなってしまえば、誰も傷つけずに済む。 ああ、自分は愚か者だ。愚直なままではいられななら、狡猾であってほしかった。 "消えろ、消えろ、つかの間の燈火!" なら、もっといい役者を連れてくればいいだろう。こんな無力な子供でなくて! 喚いてしまいたかった、自分を罵って、もっといい人間を連れてきたかった。 自分がどれほど無力で、迷惑をかけているかなんて――ああ、聡い子供でなければよかった。 こんなにも、ぼくは、わかっているのに。 (-256) 2021/05/27(Thu) 21:14:37 |
![]() | 【人】 小さな サルガス>>2:193 >>2:194 深夜の森 「……そうかな。そんなこと、ないよ。でも、そうだね……」 自責や後悔、謙遜が足を引っ張りながらも、ゆっくりと言葉を聞き取って。 「ぼくも、おてつだいしたいな。 いま、みんなをとりかこんでる不安を、なんでもないよって証明できたなら。 またみんな、いつもみたいになかよく朝食をたべて、いられるかな。 そのために、ぼく、なにができるかな……」 泣きかけて瞼が腫れぼったくなったせいで、それと無理に起きたせいで。 声には少しのまどろみが混じっている。少なくとも、パニックは落ち着いたようだ。 小さくて軽い体は、そう年の変わらない子供にとってさえ軽々運べるものだ。 夜の森を抜ける間に、飛び出してしまいはしないだろう。 (199) 2021/05/27(Thu) 21:39:42 |
![]() | 【置】 小さな サルガス「……約束だよ、メレフ。ひとりになってしまわないで。 ぼくを、ひとりにしないで」 貴方が列を離れ、ひとり森へと分け入ってしまう間際の言葉。 離れていく貴方の背中に、縋るような声は届いただろうか。 (L23) 2021/05/27(Thu) 21:52:05 公開: 2021/05/27(Thu) 21:55:00 |
![]() | 【秘】 小さな サルガス → 渇愛 シェルタン 眠りかけの子供の頭、首筋、そこから伝わるあたたかな脈。 まるで小動物のように、とくとくと早鐘を打つようで。 それは、すぐにあなたの手元から離れていった、過ぎ去った話。 (-261) 2021/05/27(Thu) 22:04:48 |
小さな サルガスは、メモを貼った。 ![]() (a155) 2021/05/27(Thu) 22:15:23 |
サルガスは、置き手紙を受け取ったようです。 (a167) 2021/05/27(Thu) 22:57:25 |
小さな サルガスは、メモを貼った。 ![]() (a173) 2021/05/27(Thu) 23:52:31 |
![]() | 【置】 小さな サルガス"寿命を心臓の鼓動時間で割ってみよう。そうすると、哺乳類ではどの動物も、一生の間に心臓は二十億回打つという計算になる。" "物理的時間で測れば、ゾウはネズミより、ずっと長生きである。ネズミは数年しか生きないが、ゾウは一〇〇年近い寿命を持つ。しかし、もし心臓の拍動を時計として考えるならば、ゾウもネズミもまったく同じ長さだけ生きて死ぬことになるだろう。" 本川達雄著「ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの物理学」 (L35) 2021/05/28(Fri) 1:41:13 公開: 2021/05/28(Fri) 4:00:00 |
![]() | 【人】 小さな サルガス 少し肌寒さを感じさせるような秋風が、ぱらぱらと本のページを捲る。 午後の学び舎が解散して、夕方に差し掛かってきた図書室は、人気はまばらだ。 もしかしたら、誰それの気紛れが重なって、無人に等しい状況かもしれない。 机に広げられたのはこのギムナジウムに関する本ばかり。 一見すれば、勉強熱心にも見えるような内容をノートに丁寧に書き写している。 けれど、いまは、書き手はおやすみ中のようだ。 書き取りをしていた体勢のままノートに突っ伏した頭を、髪を、涼しい風が揺らしていた。 (223) 2021/05/28(Fri) 2:02:02 |
![]() | 【秘】 小さな サルガス → 懐疑心 メレフ お茶請けのヌガーはしっかりとはちみつをキャラメリゼしたもの。 ナッツやピスタチオが清涼感のある味わいと食感を含んで、歯ざわりが心地良い。 豊かな香りの花はちみつは、けれど、でも、やっぱり貴方の体は受け付けないだろうか。 「……あれ、だめ……? あったかい人形だとおもえば、へんなここちしないかなって、おもったんだけど」 対して、視界が再び戻ってきた子供は少しの驚きに目をまたたかせた。 ちょっとすねたような意気を削がれたようなきもちが眉をしおれさせる。 けれども心底落胆したわけではなくて、たしなめられたこどものように。 少しだけ浮いたつまさきが、床の上でふらふらと揺れている。 「ぼくね、あんまりおうちでは、じぶんのことさせてもらえなくて。 いつもずっと、じっとしてなくちゃだめで。 だから、なにかできるの、嬉しいの。なにかできたらなあっておもったんだけど……。 ……メレフ、わらった?」 なんでもできてしまう貴方は頼もしくて、でも少しだけ寂しい。 拙い言葉は、役に立ちたいと思っていることを示している。 いつも走り回っている子供は、空回りしてるばかりで、それでも、貴方の役にたちたいのだ。 (-331) 2021/05/28(Fri) 7:20:09 |
![]() | 【置】 小さな サルガス>>243 夕方の図書館 「……できた!」 あくまで、かつてここに残されていた情報。今は改められてしまっている箇所も多いだろう。 それに、図書室で得られるだけの情報だ。先生達が隠している情報とは程遠いだろう。 サルガスはそれを理解している。わかっている。そんなに簡単な話であるはずはないのだ。 それでもこれが一歩になるなら、何かの助けになるのなら。 自分の、友達の力になれるのなら。 「まだいるかな、もういないかも……ううん、行こう!」 荷物をまとめて、本を片付けて。ちょっと急いだから気の回らないところはあるかもだけど。 小さな影は、図書室をあとにした。 (L42) 2021/05/28(Fri) 10:09:53 公開: 2021/05/28(Fri) 11:00:00 |
![]() | 【人】 小さな サルガス【森】 森のおばけ >>228 >>233 ルヴァ 森の中を駆けて、ひとりの姿を見つけてこっそりと。 本当は一人ではなくてそばにもうひとり、ふたり、もっと遠くにたくさんいるけれど。 そこまでは気が回らない。なぜかって、目の前がよく見えないのだ。 「……しずかに、ルヴァ、じゃなかった、そこのきみ」 木陰に体の半分を隠して、どこにいるかわからないようにして。 見つかっても困らないように、すっぽりと頭の先から足元までシーツを被って。 「こっちきちゃだめ! そこで聞いてて……あの、ぼく、ええと。 森のおばけです! ぼく、森にすんでる、おばけです! おばけは、最近ひとがいっぱいはいってきて、こまってます! まいごがでると、こまるので……それで、もんく言いにきました!」 シーツを被った小さいおばけが、小さい声で必死に叫んで訴えている。 (248) 2021/05/28(Fri) 11:10:56 |
![]() | 【独】 小さな サルガス とくん、とくん。小さな心臓は早鐘のように鳴っている。 それは決して驚いたからではなく、走ったからではなく、興奮したからではなく。 小さな心臓はいつも急ぐように脈打って血を全身に回している。 ちょろちょろと小動物のように動き回るのは、体に血がみなぎっているから。 心臓はいつも、人よりもずっと早く高鳴っている。 昼も夜も、いつだって。短い生を、いつだって。 下り坂も上り坂も、少年は誰より急いで駆け抜けてしまっている。 (-345) 2021/05/28(Fri) 12:44:48 |
小さな サルガス(匿名)は、メモを貼った。 ![]() 2021/05/28(Fri) 13:29:51 |
![]() | 【人】 小さな サルガス 【森】 森のおばけ >>252 ルヴァ 「あっ、じょ、成仏しないよ! おばけのおうちだもん! どっかいっちゃうのはかわいそうだよ……じゃなくて! なので、まいごがでないように……これ! 中庭と森の、ちずです!」 ささっと木の陰からでてきたシーツおばけは、ルヴァの足元に細く丸めた紙を投げた。 芯材代わりに筆記具を入れて、濡れないように油引きされた布でくるんで。 ノートを破ったような紙面には、仔細に渡って書き込みのされた地図が書き込まれている。 もし、途中で見つけたものが違っても、書き直して混乱しないように。 団を率いる彼の力になれるように。 「あ、でも! おばけのもちものなので、すごく古いかもしれません! あくまで、参考だとおもってね。めにみえるもののほうが新しくて、ただしいから。 あの、おともだちはやく見つかるといいですね!」 案外人目についてしまいそうな状況のせいか、焦って慌ただしくなりながらも。 そこまでなんとかまくしたてると、おばけは軽い足音を立てて、ぱたぱたと森を抜けていった。 すこし薬草めいた甘い花の香りが、森の匂いに薄っすらと混じって、すぐに消える。 (253) 2021/05/28(Fri) 15:15:47 |
![]() | 【秘】 小さな サルガス → 懐疑心 メレフ 頭に触れた手を、数秒ちょっと信じられないものみたいに目が追って。 撫でられたのだとわかると、むにゃむにゃと口を緩めて、顔いっぱいに笑みを作った。 なんだか照れくさい思いでもしたように、腰掛けた足がぱたぱたと動く。 「……えへへ。 そっか、シェルタンなんかそういうの、よくでき? そう? だもんね? きのうもね、知らないおせんたく手伝ってくれたの」 貴方からともだちの話が出ると、それもまた嬉しそうだった。 自分の知っている彼のいいところを述べて、おしゃべりの合間にカップを空けて。 とおくの方から時間を知らせる鐘が鳴ったのを聞いて、やっと時間が経ってることにきづいた。 「もうそろそろたべおわらないと、おゆうはん入らないかな……。 たのまれたしゅくだいもあるんだった。おねがいされたの。 ぼく、高等部のべんきょうはわからないけど、すこし解くくらいならできるから」 (-373) 2021/05/28(Fri) 15:34:42 |
![]() | 【置】 小さな心 サルガス "ひとつ上のぼくのともだち"、ううん、そう言ってしまっていいかはわからないけれど。 けれど、彼が許してくれるなら、ともだちだと呼びたい。 そんな彼の背中でまどろみながら、まだ少年は夢を見ていた。 レヴァティとシェルタンがちいさい子達の面倒を見ている。 ブラキウムとルヴァがちょっぴり喧嘩して、カストルがのんびり囃してて。 イクリールとシトゥラは、がんばって、近しい形のものを食べ合うようになったらしい。 メレフとスピカが見回りの話し合いをしてて、ルヘナがそれにアドバイスしてる。 それで、そして。 その中心にヘイズがいて、ちょっと爽やかなレモンケーキで、お祝いしている。 ヘイズはすこし大きな手術に出ていって、それでいなくなってたらしい。 そしてそれは成功して、前よりとっても元気になったらしい。 おいわいされたヘイズは笑顔で、みんなに祝福され、また、一団の中に加わって。 "今や命令すべき精霊もなく、魔法を行うすべもなく、 皆様のおいのりによって救われるのでなくば、私の終末は絶望あるのみでございます。 わずかにこぼれた涙を背中におとして、ベッドに体を横たえて。 明日(あす)のわれら(us)がきっと、はなやかな幸せの中にありますようにと。 少年は、まどろみの中に祈るでしかなかった。 (L56) 2021/05/28(Fri) 19:25:10 公開: 2021/05/28(Fri) 20:00:00 |
サルガスは、お願いについて考えているようです。 (a201) 2021/05/28(Fri) 19:32:39 |
(a205) 2021/05/28(Fri) 19:46:33 |
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