【墓】 7734 迷彩 リョウ>>29 廊下 「ぁ、……」 脇の下に腕を滑り込まされた瞬間、僅かに肩が跳ねる。 しかし背後から引き剥がされれば、素直に身体を委ねた。 ようやく顔を上げる。 最もいてほしくなかった姿が、目の前にある。 「うああぁ……、ぅぐ、えぇ……」 かけられた上着を手繰り寄せた。膝を抱え、白い生地で目元を覆う。 自分が泣く立場でないことくらいは理解できる。 それでも溢れる涙を隠そうと、歯を食いしばった。 (+35) wazakideath 2021/09/23(Thu) 19:41:17 |