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【独】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ/* へ〜死ぬと役職窓って見えるんだ…… これまでの窓見に行くのもいいかな〜と思ったけど エピ入ってからの方が楽しくなりそうだし、 そうしようかな。 歌い、歌わせた。満足です。 (-7) shell_memoria 2023/09/20(Wed) 21:24:52 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ摘発を目前にした夜。 『改装中』のモーテル、扉の向こうから歌が漏れ聞こえる。 歌っているのはここの主だろう、 子供達に歌うのと同じ声で歌っている。 「仕事」の為に起きているのか、 「誰か」を待っているのか、 ともあれ女はそこから動かず、過ごしている。 (-8) shell_memoria 2023/09/20(Wed) 21:38:28 |
【独】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ/* 「ひどくね!?俺メチャクチャ子供には優しいんだけど!?」 と言っていますが、妥当だと思います。はい。 (-15) shell_memoria 2023/09/20(Wed) 22:11:15 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ「――おや。」 それは、声だけは意外そうに。 しかし落ち着いた様子で、あなたの来訪を受ける。 「開いてるよ。どうぞお入りください、おまわりさん?」 へらへらした声。モーテルの木製の扉を開けば、 受付のカウンターの向こうに座っている主が見える。 可愛らしいテディベアを抱いて、 その両手をぴこぴこ動かして手招きだ。 テディベアはどこにでもある代物だ。 もしかしたら、警察署にも置いてあるかもしれない。 子供達がおまわりさんに感謝のしるしとして渡したりして。 (-20) shell_memoria 2023/09/20(Wed) 22:25:34 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ「いいとも。珍しい時間に珍しいお客様だ。 つっても、缶コーヒーとエナジードリンクしか 出せないけどな!さあご用件は?」 テディベアの手招きは続く。おいでおいで。 いつも外で会うのと同じ先生の顔だ。 (-22) shell_memoria 2023/09/20(Wed) 22:32:41 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ「器用なもんだろ?子供達が喜ぶんだ、これが。 しかも男女問わず!すごくね?俺の腕。」 へらへら笑いながらその言葉を聞きつつ、 少し首を傾げてみせる。 「そりゃああんな法があって、マフィアだけならともかく おまわりさんも捕まってたらなあぁ。 子供達もおまわりさんの数が減ってなんで、どうして、 そんな状態だよ。困るぜ本当にさ〜。 ……。それで〜?わざわざこんな夜中に、 世間話でもないだろ。モーテルを警察の 待機場所にでもしたいって話かい?」 あくまで、『先生』としての顔でそう返した。 (-27) shell_memoria 2023/09/20(Wed) 22:44:23 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ「……。おー、面白いジョークだな。手品用か? その割には随分重いし、手首に痕でも残りそうだな」 一方で、『先生』はそのまま。 「A.C.Aねえ……コードネームも出すのか、 秘密組織っぽい名乗りの割にお遊戯感が拭えないなあ。 ……ふうん。まあ、いいか。俺、別に無罪だしなあぁ」 へらへら、笑う。まだ信じていないのかもしれない。 テディベアを片腕に抱き、なぁ?と質問するように。 もう、会話は親機に筒抜けだ。 さらにカンターミネの情報は部下がリアルタイムで編集し、 『謎の男』を捕えたニコロの情報だけが子機からは出る。 「調べたって寝床とゴミと帳簿しか出ねえよ。 ただ、俺はひとつだけ、お前にとって重要な、それも 今この瞬間にだけ必要な情報を持ってるんだがなあぁ……」 歌うように、そう告げた。 (-35) shell_memoria 2023/09/20(Wed) 23:00:49 |
【秘】 歌う カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ「へぇ、御同輩ねえ。そりゃあ新しい情報をありがとう。 まあどうでもいい事だな、俺にとっては」 こちらは、まるで変わらない顔だ。 信じていない。最初から誰も。 ただひとりを除いて。 「そうだなあぁ……じゃあ、無料の情報をあげよう。 今、ニコロくん。キミは岐路に立っている。 道を選べるのは今この瞬間だけ。以上。 ……さあ、ここからは交渉の時間だ。 キミが考える、キミだけしか知らない情報と交換しよう。 それが教えるに足る情報と思ったら、教えてあげよう。 俺が持つ、秘密中の秘密……それこそ、 この瞬間に使う為に取っておいた、高級品をな」 カンターミネは、歌う。楽しげに。 いつもと同じ顔で。いつもと同じように。 (-42) shell_memoria 2023/09/20(Wed) 23:17:18 |
【秘】 歌う カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ「成立だ。では、俺から半分教えてやる。 それで、判断すりゃあいい。残り半分が必要か。 必要なら、次はニコロくんが全部話すといい。 そしたら、残りの半分を教えよう。それでどうだい?」 ちゃら、と手錠を揺らす。 そう、どうせ捕まるのは確定している。 つまり、元よりこちらが不利な取引なのだ。 その上でさらに譲歩をして、情報を先に全て引き出す。 「まあ、もう時間がないからどうだいも何も言うけど。 そうだな……。俺が仕入れた情報によると、だ。 この地域、あちこちに仕掛けられた物がある。 キミ達では掴めてない情報だろう?そして、 仕掛けた奴はそれを使って、ドデカい事をしようと…… さて、ここまでだ。続きが知りたきゃ、どうぞ?」 そう、今この瞬間にしか効果がない。 だから、『デカい事』をこの瞬間に起こそうとしている、 それを餌に――釣る。 カンターミネは、歌う。歌い続ける。 (-82) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 1:17:29 |
【秘】 歌う カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロピューゥッ。口笛の音。やるねえ、とでも言いたげな。 実際の所は『今日の俺は運が良い』、そんな意味の。 「そりゃあ凄い秘密だ。 満足だよ。つまりこういう事だろ? 10年前、あんたはマフィアと恋仲だった。 さらに、その恋人は警察に殺されちまった」 親機の口から、語られる。 子機の口から、語られる。 「いや〜悲しい話だ。俺もそういうのはごめんだね。 でもよ、それを聞いた奴は……こう思うだろ?」 歌う。高らかに。さあ聞けよ、全員。 結局、『単に良い奴』なんてこの世にはいないんだ。 おまわりさんも。先生も。結局、見る視点でしか変わらない。 「ニコロくん、キミは警察であり! さらにこの法律の執行部にいるような人間なのに! 未だに警察を恨んでいる! ああ、つまり、つまりはそういう事だよなあ! ってことは――もしかして……」 「君は未だにマフィアとつながりがあるんじゃあないか?」 そこでようやく、『カンターミネ』は。 テディベアを、投げ捨てた。 がしゃん、と重い金属の音がした。 (-87) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 1:38:02 |
カンターミネは、歌う。君は未だにマフィアとつながりがあるんじゃあないか? (c2) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 1:38:45 |
カンターミネは、そこでようやく、テディベアを投げ捨てた。通信は切断された。 (c3) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 1:39:08 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ「あっはははははははははは!!!!!」 カンターミネは、高らかに歌う。 「最高だよ、ニコロ!君ってのは、いいや、 この馬鹿げた法律を作った能無しと、 それに乗って秘密組織みたいな名乗りをした君は、 最高だ!こんなに面白い事があるか!?」 もう通信をしていたテディベアは動かない。 「ああ、ああ。残りの情報を与えよう。 この地域中にばらまかれたテディベアには、 スピーカーが入っている。俺のお手製のな。 警察にも、各家庭にも、そこら中に! そのスピーカーから今の音声全てが垂れ流しだ! 悪いな、ニコロ。せめてキミじゃあなければ、 他の執行部の奴が俺の所に来ていれば、 この件が終わった後のキミは自由だったろうに」 お喋りな先生は、最後の時だけ、あなたを哀れんだ。 「ああ、俺の声は今頃部下が編集して、 『誰かもわからぬ男の声』で流してるぞ。 評判が下がったのはキミだけだ。残念ながらな」 (-89) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 1:46:37 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ「そりゃ仕込むだろ。俺をなんだと思ってたんだよ、 クマちゃんが大好きなだけの間抜けか?」 へらへら、この後の処遇が分かっていながらそう返す。 「まあそういうことだ、が。意外だな。 この場で殴りかかってくるか、じゃなきゃ 恨み言でも延々言ってくるかと思ったのに。 思ったよりさっぱりしてるじゃないか。 大抵の人間は『なんで俺なんだ』とか言い出すと 思ったけどまさか真逆の事を言い出すとはなあぁ」 いっそのんびりと、手錠を揺らす。 「ああ、まあ、別に逃げる気はないぞ。 俺はやることをやったしな。キミと同じだよニコロくん。 これから向かう場所も、多分これからされる事もな。 だからキミを恨んだりしないし、恨まれても困る。 この件がいつ片付くかはわからないが…… 片付いた後はメシでも食いに行こうぜ。 あ、それともこういう事やった後はヤダって感じか?」 相も変わらず、これは殆ど『先生』のまま、犯罪者となる。 放っておけばあなたの逮捕までお喋りが続く。 無論、連行されるなら抵抗はしない。困ったもんだねえ、 なんてのんびり呟いて、牢獄へと向かうだろう。 (-217) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 17:19:56 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ/* おはようございます(夕)。悪魔を着たプラダです。 自ら描写するのに悩んでいた所でした、是非お願い致します! 捕まった事は「あーなんか捕まったらしいなー」くらいの 興味で知っていますが、後者は捕まった奴が尋問するんだ…… やっぱこの警察ダメだな……程度に捉えています。 煽りや軽口、叩きまくりとうございます。 宜しくお願い致します〜! (-218) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 17:22:49 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ/* 折角だから受けたいですもんね、逮捕後の尋問! そうですね、そちらで挙げられた点であれば ファミリーに関わらない限りはむしろ平然と答えるでしょう。 なので尋問としては物足りないかもしれません。 逆にファミリーに関する話は*絶対に*零さないので、 尋問(物理)等する場合はその辺りかなと。 薬物!いいですね。カンターミネは自分に薬物を使う事は ありませんでしたから、それなりに焦ると思います。 押収自体は……そうですね、ほとんどは片付けられて いるはずですが、私室のどこかにぽろっと落ちてた、 なんてことはあるかもしれません。 効果としては興奮剤・精力剤・自白剤・睡眠薬など、 人の認識や状態を変化させるものが多いです。 また大半は錠剤タイプで、液体型(アンプルや注射器の類)はあっても1本。 それらはカンターミネ自作の薬物ですので、数は少なく、 効果もまちまちですが、他者に使おうとする事には とびきり強く抵抗します。誰かに使われるくらいなら 無理矢理にでも自分が全部服薬する事を選ぶでしょう。 勿論、それを無視して他者に使っても構いません。 が、メッチャクチャ恨まれます。刺客、送られます。 自宅や住む場所がバレたらある日帰ったら家の中には 薬物ガスが溢れていました、みたいな事になります。 ……と言った具合でつらつら書いてみましたがどうでしょうか…… なんか良い感じに扱えそうならつまんで頂ければと……! (-254) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 20:55:14 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ「へえ。まあ、いい覚悟だと思うよ。 そういやどっかの誰かも似たような事言ってたな、 男って皆そんななん?」 拷問をする側に立った者が身に受ける恨み。 それに気付かぬ『先生』でもない。 「だって俺、被害増やしたい訳じゃねーもん。 殴られたら殴り返す、当たり前だろ?それだけ。」 そういって肩を竦めると、また手錠がじゃらりと鳴った。 呈された疑問には相変わらずへらりとした笑み。 「無駄だからな。例えば腕力で俺が勝てると思うか? 速度?万年徹夜の俺に基礎体力なんてないね。 殺害?馬鹿馬鹿しい、アホなのはこの法律だけで充分。 俺は俺の為に、最も刑が軽くなる道を選んだだけだ。 仕事は済ませた、後はお休み。だろ? アホ署長代理がさっさと誰かにブン殴られるのを 牢屋の中でグーグー寝ながら待つとするさ」 (-263) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 21:18:07 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ/* わーい!プロの(?)尋問楽しませて頂きます〜、よろしくお願いします! ほんとは沢山あったけど今回の件を察知していたので、 それに際して隠したor処分した感じだと思います。 錠剤3〜4錠、アンプル1本あれば多い方かな〜? 効果の程は先に挙げた物からお好きにお選びくださいませ。 ラベル等は貼ってないのでカンターミネに聞くか、 まあ投与すれば効果出るのでわかるみたいな感じで……。 なお全部カンターミネが服用した場合、 最終的にはオーバードーズで血を吹いて気絶するかと思います。 後遺症の類は……長期的な物はないと喜ばしい、くらいでしょうか。 一時的な症状ならなんでもござれと言った所です、よろしくお願いします。 あっじゃあ折角だからお呼び出しくらった感じで そちらから開始して頂けると……! そこまでの扱いに関してもお任せします〜 (乱暴にとか、普通にとか、逆に丁寧に等……) (-265) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 21:25:18 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 月桂樹の花 ニコロ「ああ、なるほど。やっぱ似たような事言ってるわ。 傷の自慢したがり、だったかな向こうは……」 きっと、やはりどこかで似ているのだろう。 それはある種の、『筋』の通し方なのだ。たぶん。 「生憎、恨むほど――まあいいや」 長々と話す事でもあるまい。 互いに恨まず、互いに憎まず。 終わったらメシでも食いに行こう、それでいい。 「よし、んじゃさっさとこのトンチキな騒ぎが 収まる事でも祈っておくとしようぜ。 ……あ、お代はそっち持ちな!」 カンターミネは、最初から誰も信じていない。 それゆえに、カンターミネは誰の事も恨みはしない。 たったひとつ―― 『ダニエラに手を出す』というタブーさえ、侵さない限り。 故に、手錠で繋がれたその手を、別れ際のあなたに振った。 何を奢るか考えておけよー、そんな風に投げかけて。 (-274) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 22:25:11 |
カンターミネは、手を振る。手錠の鎖が音を立てた。 (c13) shell_memoria 2023/09/21(Thu) 22:26:48 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 法の下に イレネオ牢に入ってからというもの、それはそれは退屈な時間だった。 何せ普段は休まる時が殆どない訳で、 その全てを情報の摂取に使う女はそれら全てがない 牢獄の中でやる事もなく、ただ惰眠を貪る一方であった。 故に、尋問の引き立てが来た時も欠伸混じりで。 「あぁ〜あ。……取り調べ、ね」 はいはい、と素直に応じ、道中でも大人しく、静かに。 抵抗した所で無意味だし、この手の連中が まともだった試しがない。 そうして取り調べ室に入った途端の行動を 鼻で笑いながら、「ほらな」と内心で呟いた。 となると、それを平然と見ているこの男もまた、 まともではない。よろめきから立ち直ると肩を竦め、 用意された席に大人しく座るだろう。 「……あいつら可視化法って知らないのか?っていうか あんた逮捕された側だろ?よく尋問する側になれたな」 へら、と笑いながらまずは出方を見る。 さて返る反応はどんなものか。 (-383) shell_memoria 2023/09/22(Fri) 16:32:14 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 法の下に イレネオ「ヒューッ。世も末だな。真っ先に捕まったクセに? 自分は正義だって信じて止まないツラだな。 ……その癖『パパ』からの視線は怖いか? 言いつけを守れてるかビクビクするガキみてえだ」 情報を食う女は、視線を食い、その結果を歌う。 「ああ、俺も同じ気分だ。一日だってごめんだね」 「だから頭の湧いた正義面した犯罪者相手でも、 素直に答えてやるからよく聞けよ」 「仕掛け先はそこら中。総数は渡し過ぎて忘れた。50か60か。 利用目的は大体プレゼント。内容はお喋りクマちゃん。 データの所在?録音した音声ならテディベアの中だ、以上」 まともに答えないなら、こちらも同じ。 情報屋は対価なき情報取引に精度を保証しない。 実際、『子機』のテディベアにはお喋りの機構がついている。 事前に録音された音声を小型のスピーカーから再生する。 それとはまた別に、『親機』から遠隔でデータを受け取り、 それを出力する機構もついていたが、 残念ながら子機から親機は辿れないようになっていた。 (-405) shell_memoria 2023/09/22(Fri) 19:02:28 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 法の下に イレネオ「おお、そうだな。おっかなくて震えあがるね。 天下の警察サマで犯罪者がデカい顔してるから」 睨まれるとおお、こえ〜。そんな風に声をあげた。 「へぇ、そんな機能が?そりゃ知らなかったな。 機械音痴なもんでね。中に入れたのも 適当な店で買ったレコーダーだし。 最近あるだろ?『ハッキング』って奴?」 けろりと吐いてみせる。 何を、とは指定していないのが悪いとでも言うように。 「ははあ。そりゃ大変だね。簡単にストレス溜めて、 苦労が絶えないな。薬物?そりゃ調剤免許もあるしなあぁ。 おっと、だからってその辺の子供に配ったりはしないぜ。 これで『先生』なんて呼ばれてるくらいだからな、ハハハ。 俺がこうやってさっさと話す、協力的な奴でよかったろ?」 変わらず、にやけ顔で形式上は質問に答える。 実際調剤免許も捜査の一環で発見されるだろう。 これに関しては本物だ。何故取得したかと聞けば 『趣味で』程度の答えしか返ってこないだろうが。 そうして苛立つその仕草を見て、一度息を吐くと口を開いた。 「手を煩わせる気はなかったがね。 入るなりケツを蹴り、法の下に平等って言葉を忘れ、 『パパ』の盾を使ってデカい顔してるような奴に 素直に従えってのが無理筋だと思わねえ? 逆の立場ならすらすら喋るか、あんた?」 (-485) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 0:34:40 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラカンターミネは、通路に背を向けて横たわっていた。 どこかぐったりとして見えたが、 足音が牢の前で止まり、そこに声がかかれば のっそりと転がってあなたの方を向いた。 「……わお、エ……エーコじゃん。元気そう……でもないな。 いやー捕まっちゃったぜ、酷くない? 俺別にそんな悪い事してないってのになあぁ」 へらりとした声。いつもと変わらない声。 眼鏡を外しているなら、顔に浮かぶ憔悴の跡に気付くのは難しいだろうか。 その分、いつもと変わらないように聞こえる声の奥に ほんのりと我慢の色が見えるかもしれない。 (-496) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 1:12:23 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ「ん?ああそうか、自分の事は省みれないタイプ? そりゃそうでもなければ厚顔無恥すぎて尋問なんか 出来るわけないもんな、あっはっは」 普段のあなたを知らない女は、歌う。 「人のふり見て我がふり直せって言葉が極東にある。 あんたの辞書には書いてなさそうだな? じゃなきゃやっぱ鏡は見たくないタイプか。」 「へえ。その可哀想な子供達が頼りにしてるのが 『正義のおまわりさん』じゃない方が よっぽど可哀想だと思わないか?あ、悪い。 自称正義にはわかんないよな」 歌う、歌う。叩く音はメトロノームの如く。 言葉の切れ味はスタッカートで。歌う、歌う。 「おや?また同じ言葉。録音機を相手にしてたか?」 「爆笑モノだな。大体の奴は2回言えば理解できるが、 あんたには3回目が必要らしいや。」 「鏡を、見ろよ、犯罪者くん。 法も守れず、人も守れず、苛々だけため込んで、 次はなんだ?物にあたる?それとも人にあたるか?」 「なあ?抜け道を通ってそこに座ってる奴がさあぁ」 「"都合が良すぎると思わないのか?"」 これは、鏡のふりをしてみせる。 お前は俺だ。或いは、お前の方が醜いと、歌う、歌う、歌う。 (-508) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 2:05:22 |
カンターミネは、歌う、歌う、歌う。 (c23) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 2:38:49 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ「クハッ!ハハ、ハハハッ! 質問には答えません、相手の事はきちんと見ません、 自分と向き合う事も出来ません、 権力を振りかざす事しか出来ませんか! いいねえ、『パパ』そっくりになってきたな? あー笑える。ひとつ予言してやるよ、その内お前、 法にも署長代理にも見放されるぜ!」 見てみろよ、あいつの動き。 今ノックが聞こえる前、なにをしようとした? 所詮、法を守るとか言ってる正義面でもこの程度だ。 警察なんて肩書も、紙屑以下の嘘っぱちだ。 裏で嘘を吐き、人を嘲り、笑い、貶める。 そうとも、誰も彼も信じるに値しない。 「――その程度なんだよ、お前の正義も、法も。」 へらついた笑みを張り付かせたまま、口を開く。 ……正直言って、あまり見たくない物が見えているが。 それをわざわざ態度に出してやる程、 こいつに優しくする理由はない。 (-523) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 3:15:53 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ……ああ、マズったな。処分が甘かったな。 そう考えた時には、ぐぶ、なんて湿った音が鼻奥から響く。 脳の天辺なのか、後ろか、ともかく痺れの波が 寄せては返し、きいんと耳鳴りが続く。 頭の奥では冷静に、やっぱりこうだよな、と笑う。 表情にもまた、笑みは張り付いたまま。 呂律が回らない事は口を開くまでもない、 いやそもそも口を無思慮に開けたら不味い。 せめてどれかひとつでも砕ければ、そんな考えの元 身体を起こ――せない。二度、三度と試して、 やっと左肩を踏まれている事に気付いた。 女の扱いも知らないのかよ。声もないまま、 赤く揺れる視界に映る、鬱陶しい顔に毒づいた。 (-529) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 4:03:08 |
カンターミネは、歌うのをやめさせられた。 (c24) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 4:05:35 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラわかってる。だって『エリー』は優しいから。『エーコ』は聞き分けがいいように見せているから。 鼻血の跡、きちんと拭けてるよな。よだれ、垂れてないよな。 「そうそう、ちょっとだけってオーイ。しーてーまーせーん。 俺のテディに変な仕掛けがされてただけですぅー。」 ふざけるように笑いながらも、近づかない。 普段なら絶対に駆け寄って、その手を握るのに。 悪い。今はふらついて真っ直ぐ立てないからさ。 「そりゃあ、……元気ならよかった。おまわりさんも 日々激務だろうけどさ、ここからのんびり応援してるよ」 そう言って寝転がったまま、片手を上げる。 この仕事のない場所をそれなりに満喫しているらしい。 お前だけは同じ場所に入らないでくれよ。 そして、少しの沈黙があって。ふと、思い出したかのように。 「あそうだ。今度あいつ、あのーあれ。ほらあいつ、 花屋で『マリーゴールド』をよく買ってた奴。 あいつにもし会う事があったらさ」 あなたの指を見る。フレームの歪んだ眼鏡だと、 少し見え辛いけど、きっと約束の花はそこにあるから。 「……無理すんなって、伝えといてくれない? あいつ、すーぐなんでも我慢しちゃうだろ〜?」 へにゃりと、ブレてても見えるように大きく笑った。 (-532) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 5:08:19 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ「……。あーもうほんとびっくりした。 俺のお姫様はおてんばな事で…… いっそ王子様って呼んだ方がいいかもしれん……」 いや、その座は譲る気ないけど、とも思うが。 ともかく、軽口を叩くほどの時間はなさそうだから。 『お兄さん』の事も気になりはするけれど。 「……おいおい、あそこに踏み込まれたんだぜ?危ない……」 そこまで言って、かぶりを振る。この子は、子供じゃない。 隣に立つ相手。唯一、信を置くその人だから。息を吸い込む。 (-593) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 11:38:38 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ「……連中も色々探ったろうが無茶は出来ないと思う手間のかかる大型の備品は運び出してないはずだベッドまだ買い替えてなくてよかったよ『あのベッド』のマットレスを外してスプリングの中から緑色の部品を全部抜いてくれそしたら頭側にある収納に幾らか道具が落ちるからそれを組み立てて使ってくれ番号のシールが貼ってある」 一息に伝える。それが、あなたに渡せる唯一の仕事道具。 誰も信用していないカンターミネが、 万が一、億が一に備えて用意した最後の"武器"だ。 「フェイクの部品も入ってるから、番号を間違えるなよ。 正しい組み合わせはフィボナッチ数列の順だからな。 起動すれば後は5番の部品を捻って、 チャンネルを合わせればいい。 34番と、55番がそれぞれ送信機と受信機。 13番が録音機だ。全部本体のスイッチ一つで起動する」 なるべく簡素に、必要な情報は確実に渡す。 後は、あなたに全てを任せて、女は息を吐く。 「……もし、万一……本当に万一、エリーが捕まったら。 全部俺が指示したって言ってくれ。俺に脅されてたって。 昔馴染なのを利用して、無理矢理やらされたって」 実際、それに近しい事をするんだから。 自分の道具を渡して危険な橋を渡らせるんだから。 これくらいのリスクは、せめて背負わせてほしかった。 (-596) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 11:39:55 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ説明が終わって、お願いも終わって。 指折り、時間の流れを見ながら、 ため息とともに笑みがこぼれる。 「見てるさ。一番近くでな。 しっかり伝えといてくれよ」 きっと、そう遠くない内に朝が来る。 真っ暗な内はライムグリーンの方が目立つけど、 明るさを交えた頃にはミントブルーが輝き出す。 「……なあ、残りの時間の間、目ぇ瞑ってくれる?」 言って、立ち上がる。ふらつきながら。 一度、二度とたたらを踏み、二度目には壁にぶつかりながら、 あなたの方へ。最後の1本が折られてしまう前に。 「後は頼んだ、エリー。いってらっしゃい」 あの夜と同じように、送り出す。 今はネイルを塗り直す事は出来ないから。 ふらつく姿は見せたくないから、 片膝をついて、少し背伸びして。 格子にかかる指先に、ほんの一瞬のくちづけを。 あとは、指が折れるだろうから、また床に転がった。 (-604) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 12:36:34 |
【秘】 いつもあなたの傍に居るから カンターミネ → 傷入りのネイル ダニエラ「ふふん」 「なーに、きっとすぐ出られるさ」 「なんせ今日の俺は運が良いからな、 わざわざ面会に来てくれる奴がいるくらいだから」 いつものように、笑い、歌う。そして手を振る。 くた、と脱力しながら、心中で笑う。 何言ってんだか。俺はもうとっくに出てるよ、お姫様。 だって――。 そうして、また、眠りに落ちる。 床の冷たさが、心地良かった。 (-616) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 13:40:57 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ「ぎ」 真っ先に出た音は、それだった。 或いは、揺さぶられた脳と、やられるままでたまるかという、 微かな意地が見せた歯を食いしばる抵抗の音だった。 ことここに至って、女の口元は未だ形だけは笑んでいた。 それでも、例えこの女がマフィアであったとしても、 手足のように扱う機械ではないから。 鼻の奥から流れ込む血が喉に落ちていき、 踏み躙られる肩からの悲鳴はそのまま口から出ようとする。 女は拷問も担当していたから、今何をされたら不味いか、 手に取るようにわかっていた。だから、靴底から "緩急"が与えられた瞬間があったなら、 「あ、終わった」と。そう思う事だろう。 それでも、ほんの僅か。 「ぐ、あ、ぎぃ、ああ……」 その程度で済ませたのは、きっと意地と張り合いのおかげで。 しかし同時に"その程度"こそが、分の悪い根競べの敗北を、 即ち、天秤の傾きを意味していた。 (-621) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 13:58:38 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオその表情に「煽り所」を見つけはしたものの。 口元を覆う手のひらが相手では、声もほとんど出せず。 どうせ一度開いたならもう変わらないから 喚きでもしてやろうかと思ったのに。 現状を考えれば。男が肩を踏み砕くような姿勢でなければ、 女に覆いかぶさって口を塞ぐ男という図式は、 強姦魔に等しいもので。或いはそこを突けば、多少なれど 男の動揺か、怒りか、その辺りを引き出せるかもしれないが。 今は煽りより、「何」を入れられたかだ。 普通は、薬は目で確認するのだから、色と形で薬を判断する。 だが手のひらに覆われた状態ではそれを判別は出来ず。 しかしケースに入っていたのだから、数種類までは絞れる。 処分しそこなったものなら、数世代前の物か。 味は知らん、飲んだことなど一度もないから。 どれにしろ、致死の薬はなかった。ならば――。 カンターミネは、考えをシフトした。 即ち、いずれ朽ちる『正義』と遊んでやる、と。だから、 ぴちゃり。 嫌がらせの念を多分に込めて、手のひらをぬるりと舐めた。 目元にまた、張り付かせる。痛みを越えて、にやついた顔。 目尻を下げて、掌の向こうで口角をあげる。 もごご、と口の中で僅かに溶けた錠剤と共になすりつける。 『雑魚が』。たった3文字、ただの笑み。 即効性のある薬なのか。痛みは少しずつ、和らぐ。 分泌されたアドレナリンが、恐れを削いで笑みを返した。 (-635) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 15:14:51 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオプッ、とそれは男の平手と同じく反射だったに違いない。 吹き、転がった錠剤に首が向き、きっと眼鏡も飛んでいる。 しかして目だけは男に戻る。途端、破裂したように笑った。 「アッハッハッハッハッハ!!!クク、フ、フフッ、は、話にならない!平手!?抑えてた手でか!?そ、それで、薬を吐き出させた!?自分で!!?ばーーーーーーっかじゃねえの!?」 舌打ちに、視線の逸らしに。また笑い、歌う。 肩の痛みなんてもう気にならない。 だってこいつは「失敗」したから。 「尋問だのをする時に必須の事を教えてやるよ。相手の前でイラつかない事。ミスしない事。それでムキになって暴力を振るわない事。お前はひとつも出来てないな?ん?しかも使った薬は相手がご用意したって?そ、それを吐き出させ……ふっ、フフッ、一生笑えるぜ、『へたくそ』。その様子じゃおまわりさんとしても碌な仕事は出来てなさそうだな?錆びきった前時代の正義モドキを抱いて、まともに相手からの情報も引き出せない、パパの庇護がなけりゃ尋問のおぜん立ても出来ない、出来るのは乱暴な真似とイライラしぐさか?一生一人でシコシコやってろ、自分の牢屋ン中でな」 捲し立てる。もう怖くない。痛いだけ。 尋問相手に失敗した人間は、どうやったってもう、 道化か下っ端のチンピラ以外になれはしない。 朦朧としていたはずの瞳に強い光と、 歪んでいたはずの顔ににやけた笑みが帰ってきた以上、 きっとまともな方法ではもう何も出ないだろう。 諦めて捨てるか、或いは――ケースの中にあった、 他の薬を試すか?申し訳程度に、あなたの脳に そんな選択肢が示されるだろうか。 (-643) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 16:08:19 |
【秘】 笑う カンターミネ → 幕の中で イレネオ肩が軋む。笑う。歌う。男の顔が歪む。笑う。歌う。 男が靴を持ち上げる。笑う。歌う。靴先が叩きこまれる。流石に、笑いと歌は止まった。 「ご……はッあ、」 一度、喉に落ちて来ていた血が吐き出され床を汚す。 押し出される呼気と共に鼻に蟠っていた鼻血が噴き出た。 「ひゅ、がぶふッ」 二度、逃げた空気を取り戻す為に身体が反射的に息を吸う。 そこにもう一度突きこまれれば自然、内から外へと、 外から内への空気同士の衝突で胸が苦しくなった。 それでもまだ歌おうと、口を開きかけた所で、 「おま゛ェっ、げぽ、ぉぇ」 もう一度。女は身体を鍛えている訳でもない。むしろどちらかと言えば華奢な方だった。 故に、その単純な暴力は酷く突き刺さる。もっとも、精神を屈服させるには遅いのだが。 何度も咳き込む。その度、汗と涙と鼻水、それから唾液に、 胃液。覗き込まない限りはわからないが、少しの愛液も。 いくつもの体液が女から吐き出された。 馬乗りになった頃には、顔の付近に混ざり物の汚水池。 かひゅ、と薄い息を繰り返す女の舌に錠剤を押し付ければ、 それを見逃す訳もなく。すぼめた口から べッ、とあなたに向けて唾を吐く。顔に届くか?わからない。 意味があるか?ない。無意味な行動にはお似合いだろ? 女はまた、鏡のようにあなたの無様を映す。また、笑う。 (-653) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 17:08:40 |
カンターミネは、『お前じゃ無理だ』と笑う。吐いて、汚れて、まだ笑う。 (c28) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 17:18:04 |
【秘】 笑う カンターミネ → 幕の中で イレネオそうして冷静さを取り戻した男の顔には、 この女はきっと狂気を読み取った。それは爆発。 何かしら、追い詰められたものが為す行動。 振り切ったゲージの針が止まった状態。 こうなってくると、目が覚めるまではおかしなことをし続ける。 そら、来た。指に噛みついて千切ってやろうか。 いや、きっとそれは難しい。歯の根を抑えるならまだしも、 口の端に指を差し込んだだけなら、精々皮が一枚程度。 舌を抑えられちゃ喋るのは困難極まる、 精々間抜けな音を上げるだけ。 そう考える間に、男の影がゆらりと重なってくる。 それはきっと、先に過った強姦魔のそれとよく似ていた。 途端、これは『先生』でも『マフィア』でも 『罰されるだけの生き物』でもなくなった。 ほんの僅かに頭を逸らすと、あなたの指で 口内が切れ傷つく事を厭わず、思い切り頭突きを振るった。 無論、大した威力ではないだろう。 だが人体で振るわれる、凡そ非常に硬い部位の直撃は、 互いの脳を揺らすはずだ。男の唇が重なったとしても、 この女はただでは済まさなかっただろう。 それはお前の物じゃねえよ、と内心に激昂を宿して。 (1/2) (-669) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 18:05:37 |
【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオそして、それがあなたの鼻柱に叩きこまれたのだとすれば、 これは侮蔑を持って高らかに歌う。 「最初の一撃の意趣返しだ」と。 机の代わりに骨を叩きこむ。負傷する箇所まで、鏡のように。 あなたの選んだ手段はきっと、最も正しかった。 拷問において重要な事は、相手の大事な物をけがす、 その素振りを見せる事。だから、きっと最初からあなたが 『正義』ではなく、下卑た生物として提案していたのなら。 或いは、この拷問、いや尋問は、実に正しく、 そして素早く、機能していたかもしれない。 それくらい、カンターミネにとって"それ"は大事な物で、 簒奪者には決して屈しない、その為の柱であった。 反撃が齎したものがどの程度の抑止になったかはわからない。 ただ、この『野獣』になった女は、アドレナリンの力を借りて より、一筋縄ではいかない生き物と化した。 再び唾を吐く。今度はあなたではなく、汚水の中へ。 暗に「お前の居場所はそこだ」と言うように。 手近、いや足近な机を蹴飛ばし、可能なら椅子も、壁も。 暴れて事が大きくなれば、署員が駆けつける可能性もある。 同じ手段を続けるか、否か。 拷問官でないあなたは、正義の下に見極める必要がある。 尋問をこのまま続行するか。 (2/2) (-672) shell_memoria 2023/09/23(Sat) 18:15:56 |
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