【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ『OK』 『気を付けろよ。おまわりさんの巡回も多くなってる』 ポン、と敬礼する犬のスタンプ。 警察の暗喩のつもりだろう。 警察に対する嫌味が存分に含まれている。 『それじゃ頼るよ。あんたもファミリーだからさ』 その『ファミリー』の五文字に含まれる意味は、 果たして貴女が感じている意味と同じだろうか。 少なくともロメオの持つ意味は、 そんなに軽いものではなかった。 (-474) susuya 2023/09/19(Tue) 22:10:52 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ「ああ……やればできる的な……」 「……そうかね」 カッコいいと思われること自体は悪い気はしない。 ありがとさん、と小さく返したのは少しそわついたから。 段々握られるのにも慣れて、 自分の手を握る手をぼんやり眺めたころに、 「に」 「……………………おう」 まさかそんな風に呼ばれるだなんて思わなかったから、 珍しく動揺して、短い返事をした。 少しそっけなくなってしまったが、照れているだけ。 「……さっきよりも強いよ。結構、」 「あ、ほら。結構来るよな」 これでも飲みやすい方なんだろうなあ、と思いながら グラスの中身を少しずつ味わう。 一気に飲んだら倒れちゃうからね。 (-493) susuya 2023/09/19(Tue) 23:05:56 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード「臆病なだけだよ」 「ま、オレが髪切んのは……掴まれた時に逃げるためか、 ここから足洗うときだな」 別に足を洗う予定もないから、あり得るとすれば前者か。 警戒心は立派に備えてはいるが、 どちらかと言えばマフィアだからというより 生来の性分から来る臆病さなのかもしれない。 歯磨き中にじゃれ合うのがなんだか面白くなってしまった。 とはいえあんまり押しすぎも良くないので、 少し撫でていい加減にやめることにする。 「寝室に何置くかって難しいよなー……。 サイドテーブルとかランプとかか?」 「ああ、なるほどな。まあ確かにこりゃ一人で寝るたあ…」 広いよなあ、とまた改めて呟いて。 「…………」 「おお……」 ベッドの縦幅と自分の縦幅を比べた。 セーフだった。 (-498) susuya 2023/09/19(Tue) 23:16:43 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ『そりゃいい。人を騙せる女はいい女だよ』 猫のスタンプが送られてくると少し微笑んだ。 かわい、と呟いて。 『おう』『任せな』 そう返せば、ロメオの返信は途切れるだろう。 「…………」 心配をしている。 様々を、考えている。 ロメオはこれよりもっと人が減る事を知っていた。 警察も、マフィアも。 目星がつけられている人がいるという事も。 自分が、あなたが、親しい誰かがいなくなった時。 その時のことを、考えている。 (-505) susuya 2023/09/19(Tue) 23:39:51 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → うたかたの ダニエラ「そうなんだよ。ちゃんとオレの足音、分かんだなって」 誰かが自分の帰りを迎えてくれるなんてこと、 今まではなかったから嬉しいのだ。 先行きに不安はあるものの、今の所、いいなと思っている。 「ハ。違いないすね」 「気まぐれで店閉めないように店長にも言っときますよ」 店長は平気だと言っていたから大丈夫だとは思うけれど、 この騒動の余波で店を休まれるのもなんだか嫌なので。 バイトの身ながらでも守れるものはあると思いたい。 「……ああ。そういえばあんたはそうでしたね」 「世話んなりました。多分もう大丈夫」 「な」 猫もナア、と鳴いた。くつくつとロメオは笑う。 「オレも解放されたし帰るとしますわ。……」 「じゃ」 「また店で」 猫が付いてくる様子はない事にそっと安堵しつつ、 貴女に背を向ければ後ろ手に軽く手を振った。 呼び止めなければ、きっとそのまま公園を後にするだろう。 (-508) susuya 2023/09/19(Tue) 23:56:46 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード「…………おう」 「髪を褒められたのは初めてだな……」 癖のある長髪を撫でつける。毛質は固くも柔らかくもない。 臆病故に伸ばした髪を褒められるとは思っていなかった。 ほんの少し照れくさくなって、ぼそりと呟いた。 「お前な……」 「いいよ。寝返り打てなくても知らないからな」 棒読みに苦笑しながらも、それが望みならとOKを出した。 貴方の予想通りだ。 「オレで良かったわけ? もっとかわいこちゃんと一緒に寝ればいいのによ」 なんて、揶揄いつつ。 ロメオは失礼しまーすとベッドに腰掛けて、 マットレスの弾みで遊び始めた。ぼよんぼよん。 (-632) susuya 2023/09/20(Wed) 19:04:14 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ貴方が覗き込めばそこには翠がある。 厚いレンズを間に挟み、貴方と視線がぶつかる。 緩慢な瞬き。 「…………」 「初めて……そういう呼ばれ方」「した から……」 「嬉しかった」 「マジで弟だったらよかったのにな」 そう言って、ふ、と口元だけで笑った。 叶わない事を願うのは虚しい。 けれど夢って、見てしまうものだから。 もう一度貴方の頭に手を伸ばして、 今度は酷く優しく撫でた。 手は握られたまま。 「弟だったら何でもしてやるのにな〜……」 「オレじゃあな〜……ハハ……」 そんな事を本当に小さく零して、手を離した。 そのままグラスの中身をすっと全て口の中に流しこみ、 「やっぱり酒って美味いな」なんて、 ヘタクソに話題を逸らそうとした。 (-636) susuya 2023/09/20(Wed) 19:22:08 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード数度人のベッドで弾んで遊んで、 それからごろんと横になる。 慣れないマットレスの感触が楽しくなって、 「ハハ」と子供っぽく笑った。 「気ィ使わせちまったって事? 反省〜……」 「まあお陰で久々にちゃんと寝れるかなー。 寂しがり屋で心配性のかわいこちゃんと一緒に」 ごろりと寝返り、意地悪な笑顔を向ける。 横向きに頬杖をつけば、髪がカーテンみたいに広がった。 「オレがいいなら、それがいい」 「そう言ってくれるってのは良いことだからな〜」 (-645) susuya 2023/09/20(Wed) 20:19:41 |
【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィードこれから寝るって言う時に、 こんなに人が近くに居る事なんてあんまりない。 子供の頃だって誰かと一緒に寝た記憶もない。 少し不思議で、嫌ではなかった。 「そら困ったな〜。何回でも来ちまう」 言外にまた来ますと言っているようなもので、 貴女の心配も寂しんぼもロメオは受け入れている。 オレにとっちゃGattinoと同じだよ、なんてまた揶揄って。 「ほんとにかわいい奴だな……寝ろ寝ろ。 起きたらいなくなってるって事も無いから、 抱き枕にでもなんでもしろ」 子供みたいだな、なんて思って、 貴方の腹を寝かしつけるみたいにポンポン叩いた。 貴方の寝顔を拝むまでは、こうしていようかな。 (-656) susuya 2023/09/20(Wed) 20:50:31 |
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