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【秘】 幕の中で イレネオ → 徒花 テオドロ/* 快諾していただきありがとうございます! 知ってたのにこんなにも辛い 血反吐吐きながら打診しています。 ではもう少し細かいお話をお送りしますね。 イレネオは過激派の派閥からマフィアへの強い敵愾心を買われ、現行法で逮捕された人間に対しての尋問官として活動しています。またその際、吐かせるためには暴力的な手段を取っても構わないと言われています。この設定についても運営様には許可を得ております。 その手はテオドロさんにも及ぶでしょう。つまり 拷問ロールをしませんか というお誘いです。打診のない不可逆な後遺症は不可ということでしたが、いかがでしょうか。一応拙い拷問ですのでやっても骨折/爪剥ぎまで(つまり時間経過で治りはする)のつもりです。打診ありならむしろ欠損したいだとか、その他されたいことなどあれば対応します。 そもそも拷問なんてされる気はないよ〜それなら遠慮するよ〜というスタンスでしたら遠慮なく蹴っていただいて大丈夫です。 (-4) rik_kr 2023/09/20(Wed) 21:16:07 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ────さて。 貴方の口から飛び出したのは肯定だった。 それは男の言葉に対する否定でもあった。 「……つまり」 男の声が一段、低くなる。 「繋がっているんだな?」 かたん。 眼鏡を外す音だった。 (-36) rik_kr 2023/09/20(Wed) 23:01:00 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノそれでもいいですけど。 言葉で伝えたかもしれないし、視線で伝えたかもしれない。 どちらにせよ直接触ってほしいな。それがもどかしいのは貴方も知っているはずだから。微弱な刺激に息を漏らして貴方の手つきを見守る。自分から動いてくれそうなら手を放して任せることにしたんだろう。着衣を下ろせば体格なりに質量のあるものが顕わになった。 男は半端に下りた衣服を一瞬だけ邪魔そうにしたが、脱ぎ捨てるよりもこちらを優先したいようだった。 貴方に反応があることに安堵する、よりはやはり高揚が勝る。 舌がちろりと覗いて唇を舐めた。 かわいい人だな。あれがよかったのか。 兆したものを可愛がるように包んで触れてやる。貴方はどこが好きだろう。自分に触れるのとはわけがちがうから、確かめるように撫で摩って。 (-61) rik_kr 2023/09/20(Wed) 23:53:13 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ『家族のように想っていた』、と。 重ねて貴方が口にしていれば、男の表情はもっとわかりやすく歪んでいたはず。 しかしそうではなかったから、単に抜け落ちただけだった。 冷えた表情の中に金の瞳が嵌っている。 レンズを隔てないそれだけが、熱を持って貴方を見ている。 「立場は知らなかった?」 「本当か?」 たん。 たん。たん。たん。 指がテーブルを叩く。 「それだけ近くにいて?」 叩く。 (-68) rik_kr 2023/09/21(Thu) 0:13:45 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 黒眼鏡/* ワ……ルートかためてしまった お助けできたならよかったです……! こちらもいっぱい愚かな犬のムーブが出来て嬉しかったです。本当にありがとうございました! (-73) rik_kr 2023/09/21(Thu) 0:47:31 |
【独】 幕の中で イレネオ/* これ以上エルヴィーノさんをいじめないで!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (-74) rik_kr 2023/09/21(Thu) 1:00:43 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ意識しているのが明らかな貴方の表情にまた苦笑する。 男の表情は随分柔らかく、分かりやすく、ころころと変わるようになった。それだけ楽しんでいる。それだけ打ち解けている。それだけ晒している。それだけ無防備でいる。 貴方の一挙手一投足がくすぐったくて、快かった。ひとつも零したくはない。 それでも顔を伏せたり、口を噤んだりするのを咎めることがないのは、そういうひとつひとつもまた貴方自身だろうから。それもまた、快かったから。 拙い刺激でさえ来るものがある。 耐えるように震える様子にそそられる。 このままでもいい。このままでもいいけれど。 ▽ (-85) rik_kr 2023/09/21(Thu) 1:32:15 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ────やっぱり、少しじれったい。 「……先輩。」 呼んで、空いた手で貴方の頬を撫でた。 それでこちらを向いてくれると嬉しい。首を傷めてしまってはいけないから。 そうして思うようになってくれたなら、先程のように身を寄せて。 一緒にできれば、どんなにいいだろう。 (-86) rik_kr 2023/09/21(Thu) 1:33:10 |
【秘】 法の下に イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ/* ciao〜! 拷問のご所望ありがとうございます。身内が挙手するとは思いませんでしたがしっかりお勤めさせていただきますね。情報も詳しく頂けるということなので方向性とか決めていきましょう…… その前にまずはどうしてお前捕まってるのに動けるんだという疑問があると思いますので、そちらにお答えさせていただきます。 結論から言うと、イレネオは今過激派の派閥から特命を受け、 「反社会組織取締法で捕まった人間を尋問にかけ、どんな手を使ってでも自白させる」 任についています。この設定について運営様から許可は頂いております。なのでこの提案を受けて頂ける場合、シチュエーションとしては「取調べ」の形を取らせていただくことになります。牢の中だと筒抜けになってしまいますので…… 以上が拷問の前提条件となります! あとは希望する拷問の種類、程度、避けてほしいこと、むしろしてほしいこと、情報など……教えて頂けるとありがたいです。よろしくお願いします! (-92) rik_kr 2023/09/21(Thu) 1:48:36 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方の従順なさまに、男は満足げにしたはずだ。まったく、いつも食事を嫌がる姿とは程遠い。 そういう差異だって、やっぱりこれは快く感じるのだろう。 目を丸くする顔も楽しくて、嫌がられないのも楽しい。この行為を男もまた、楽しんでいる。 ぬるつき始めた場所は微かに音を立てるだろうか。 互い自身が硬度を増していくのを感じただろうか。 それは貴方に更なる羞恥や影響を齎しただろうか。 もしかしたら、混乱した静止を声に出すかもしれない。待ってだとか、だめだとか、或いは単なる喘ぎを出そうとしたかもしれない。 けれどその前に、声は飲み込まれてしまうだろう。 押し付けるようになされる口づけが吐息を奪った。 性感を引き出そうと擦り上げる片手。もう片手が貴方の頭を支えて寄せる。 そうすればまた押さえつけるようになって、逃げ場はなくなってしまうだろう。 この男はずっと強引だ。 ずっと自分本位で、ずっと傲慢で、ずっと強欲で。 だから今だって、衝動的な欲に身を任せただけ。 朱の刺した頬とぱくり開いた唇が、おいしそうに見えただけ。 (-103) rik_kr 2023/09/21(Thu) 2:36:49 |
【秘】 法の下に イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ/* ニコニコ 赤窓見てましたよ 早々に落ちましたのでね……その節はね…… とはいえ黒眼鏡さんとそちらの関係をPCは知らないのでそこの恨みなどを向けることはありません。貴方が口にすれば別かもしれませんが…… それにA.C.Aはどちらかというと味方ですしね。イレネオは法の犬なので、そこに則って動いていた貴方のことはむしろ交好感持っていると思います。だからこそマフィアと関係していて裏切られたという気持ちが大きいかもしれません。 聞き出す情報としては「当該女性との関係」「現在のマフィアとの関係」あたりが丁度いいでしょうか。事実確認と新規情報の引き出しと言う感じでどうでしょう? 聞きたいこと……されたい拷問ですね……! こちらも拷問をやりたがっているだけであまり経験はないPLですので、こういうことされたいがあると助かりはします。特にないよ、いじめてくれればいいよと言う感じでしたら……場合によってはそれはただの暴力だろみたいなのが飛んできます。ご了承ください…… (-106) rik_kr 2023/09/21(Thu) 2:52:02 |
【秘】 法の下に イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ/* こんばんは。お休みのところ失礼します、バナナマンパナマ湾です。 結論から言いますと墓下拷問秘話の打診に参りました。 キャパシティの問題や暴力の好みの問題、諸々理由やご都合あると思いますので、あまり乗り気ではないなあという場合は遠慮なく断っていただいて大丈夫です。 受けて頂ける場合はイレネオが尋問官として貴方に取り調べを行うことになります。カンターミネさんのことですからこの男が捕まったことはご存知かもしれませんし、捕まった男がなぜか活動できている理由についてもご存知かもしれません。もし秘話に応じて頂けるようでしたら、その部分の情報も開示させていただこうと思います。 ご一考いただけるとありがたいです。よろしくお願いします。いい村を! (-107) rik_kr 2023/09/21(Thu) 2:56:07 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノぬるり。開いた隙から入り込むのは舌。 男の口は大きい。その舌は厚い。それでもって貴方に、まさに噛み付くような口付けを。 おそらくは縮まってしまっただろう貴方の舌をつつき、表面をなぞる。自分と違う歯の形を確かめるようにする。きっとそんなに上手いキスではない。味わうような、本能的な動作だった。 それで貴方がもっと萎縮してしまうなら、一度離れるんだろう。じい、と金色がそのかんばせを観察し、目尻の涙に気づけば舐め取る。一度。二度。 確認を取るのは、その方が正しく選べると思っているからだ。 人の心を読み取るのが苦手な男は、他者に道を示されたがる。 気遣いが下手な男にも、他者を害したくない気持ちはあった。 だから、今。男がこうなっているのは、 この行動によって貴方が傷つくことはないと思っているから。 貴方はこの行いを受け取って許してくれると思っているから。 それだけ貴方に好かれていると思っているから。故の甘えだ。 この感情や衝動をなんと呼ぶべきなのか、男自身も知らない。 けれど名付けるのならやはり、好意であって、欲望であって、 それを隠して遠回りに撫でる道を奪ったのは、貴方の許可だ。 その合間にも手は刺激を与えるのを止めず。 さて、そろそろ耐えるにも苦しいものがあるかもしれない。確認するならば、男はきっと眉根を寄せている。 貴方はどうだろうか。貴方も同様に辛いなら、それを認めたなら、男はもう一度だけ甘えるような口付けをひとつ落として。 「……、 は 」熱い息を吐いて。 またその首元に顔を埋めて、一度果てようと性急にする。 (-167) rik_kr 2023/09/21(Thu) 11:21:35 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ「よく解ったよ。」 たん。 音は止んだ。 代わりに走るのはペンの音。 続行。マフィアと関わりあり。情報提供等内通行為について自白を要する。 さて。 この瞬間貴方は男にとっての悪になった。 貴方がどう否定しようと関係ない。正義とは往々にして身勝手なものだ。 ひやりとした瞳が貴方を見やっている。厳しい瞳。貴方も知っているはずの、男が唾棄すべき悪人を見る時の瞳。 「そうやって騙していたんだな?」 「ノッテに頭まで浸かって。」 「それをおくびにも出さず。」 「警察を騙していた。そうなんだな?」 ペンを手に持ったまま。 問いかける。 わけではない。これは決めつけだ。 (-170) rik_kr 2023/09/21(Thu) 11:29:57 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ「悪人なんていない。」 酷く盲目な様を男は晒していく。 それを異常だとは全く思わない。 男にとって正義は警察で悪とはノッテだ。 さて、どうだろう。男は実質正義の徒だった。 善良な一巡査長がこんなにも平然と人を嬲るようになったのは、例の新法が出来てからのこと。 忠実な法の犬は、法によって正気のまま狂った。 貴方の目は覆われてしまう。それでも厚い布ではないはずだから、光くらいは差すだろう。 自分の血や膿の臭いが鼻につくかもしれないが、男には知ったことではない。 そのまま。 「立て。」 視覚の外から触覚が切り込み、貴方の腕が強く引き上げられた。 貴方はこれを拒んでも構わない。 そうした場合の保証もまた、ありはしないが (-174) rik_kr 2023/09/21(Thu) 11:46:49 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 徒花 テオドロ/* 警部補〜〜〜〜😭😭😭って泣いていたのは私です。美味しいもの食べて…… そして考えていただきありがとうございます。こちらとしても無理にとは言いませんので、お気になさらす! 少しだけ自語りをさせていただくと、イレネオは真っ当な正義の当て馬になるためのキャラクターとして作りました。なので、テオドロさんがまだ人に対してまだ正義を語れるなら是非それをお聞かせ願いたいという感じです。つまりタイミングとしては拷問前を希望します。 ですがテオドロさんは神窓での啖呵以上に言うことはないと黙ってしまうでしょうか。だとするとおそらくイレネオはすぐに口を割らせようとしますし、また拷問対象のことを人間として見ていないので終わった後に会話することはありません。そうなるともう2レスで暗転……みたいなことになりかねませんので、お互い休憩に当てた方がいい気もします。どうしましょう? (-178) rik_kr 2023/09/21(Thu) 11:56:32 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ/* 了解しました! ではそのような感じで! 性的な拷問はキャラクター的に加えないと思いますが、薬は面白そうですね。ちょうどカンターミネさんも墓落ちされたことですし、押収品としてあるかもしれません。悪魔を着たプラダ様に確認を取って使用するかもしれませんし、モブから押収するかもしれません。 問題なければ次のレスから始めていただけたらと思います。こちらからする方が入りやすければそうしますので言っていただければ! (-179) rik_kr 2023/09/21(Thu) 12:01:41 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ「信用出来ると思うか?」 この問いばかりはきっと真っ当。 貴方も考えて見ればいい。身内と思って大切にしていた人間が、自分が最も嫌悪する人間と────組織と懇ろにしていた時、人はどう感じるだろう。 裏切られた、と。 咄嗟に過ぎることは、想像に難くないはずで。 「いくら真面目な顔をしていても」 「いくら懸命に仕事をしていても」 「その裏であいつらと仲良くしていたんだろう?」 「その顔を知ってるよ。」 瞳の強ささえ男は嘲る。 その純粋ささえ偽物だと罵る。 嘲笑の濃い笑みが男の口元に浮かんで、 ────ばん。 がたん。 続く一瞬。 貴方が身を引くより速い速度でこれは机に手をつき立ち上がった。そのまま貴方の腕を掴んで、机越しに上体を乗り出し距離を詰める。 (-180) rik_kr 2023/09/21(Thu) 12:18:25 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ引き立てる腕はその言葉で一層力が籠ったはず。 低い唸りは言葉にならず、舌打ちだけ残していった。 その通り。 男が狂っていることは事実で、狂法に身を委ねたのも男の選択である。 そこに同情の余地などない。 男の足音は一度遠ざかる。間を置かずになにか金属質のものを手に取る微かな音がし、それを携えて戻ってきたようだった。 貴方は従順に待っていただろうか。 待っていたなら、まず男が触れたのはその足だ。 衣服の上から硬いものが触れる。足枷である、と気づくのは易いだろう。両の足を繋いで、貴方の動きを封じようと言うのだ。 無言の空間に無機質な音だけが響いた。 視界を奪われた感覚では真っ直ぐに立つだけでも神経を使うはずだ。 研ぎ澄まされた神経が、不安から更に活発になっていく。 カチリ、と最後の作業を済ませたらしい男は、さて。ぐるりぐるり、貴方の周囲を歩き始めたらしかった。 ▽ (-194) rik_kr 2023/09/21(Thu) 14:22:57 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレかつり。 かつり。 かつり。 かつり。 かつり。 かつり。 反響する。 くく、と押し殺した笑い声が、貴方の前から後ろへ抜けた。 「そう震えるなよ。」 「大の男が情けない。」 「バーの店主は表の顔だ。吐け、と言ってるのはそれじゃない。」 男がどこにいて。 何を企んでいるのか、分からないはずだ。 (-195) rik_kr 2023/09/21(Thu) 14:23:27 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ取調室の椅子に座り、書類を眺めていた男は、貴方の訪れに顔をあげた。 姿を認めれば目を細めて見せる。それは普段貴方が浮かべているような、鷹揚な笑みだった。 貴方は何か言おうとしたかもしれない。 しかしその前に視線が逸れるだろう。確かに先輩であって今もそうである貴方に、男は何も言わぬまま。貴方を連れてきた警官たちに、「お疲れ様です。」と声をかけるだけ。 そのまま手順通りに貴方は椅子に座らせられるはずだ。 続くのは扉の閉まる音。静かな空間に二人きり。 次の瞬間、口を開いたのは。 「ニコロ・カナール。」 「お前にはノッテの内通者である嫌疑がかけられている。」 「異論はないか。」 軽蔑を含んだ、冷たい声だった。 それよりも。 自分より先に捕まったはずの男が、どうしてこんなことをしているのか、と問いが先に立つかもしれないが。 (-197) rik_kr 2023/09/21(Thu) 14:39:41 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ息がか細くともやめない。 「嫌」ではないと知っている。 声が聞こえてもやめない。 「嫌」ではないと知っている。 首を振られてもやめない。 「嫌」ではないと知っている。 少し長い貴方の髪が肌を撫ぜるのを柔らかく感じた。 自分とはそんなところも違うのだ。茹だる頭の反面、思考の一点だけが束の間場違いを考えて、それもまた白く塗りつぶされていく。 噛みつきたい衝動に駆られた。 先程のものよりずっと強い衝動だ。確実に痛みを与える欲望だ。あんなものよりもっと、もっと、強く食い込ませて残したい。 「────、ッ」 強く。 強く、貴方の首筋に押し付けて。 絶頂を迎えた男は緩やかに顔を上げる。それと同時か少し先に貴方が凭れかかってきて、身体を支えたんだろう。 息を吐く。吸う。激しい運動をしたわけではないのに、妙に心音が急いて鳴っていた。 汚れていない手で貴方の頭を撫でたかもしれない。先程触れた髪の、柔さを確かめるような手つき。 さて。男はまだこの夜に浸っていたいけれど、貴方はどうだろうか。 疲れ果てて、眠りたいなら……まあ、そうしてもいい。 嫌だけれど。 そう思えるくらいには、一時の理性が戻っている。 (-236) rik_kr 2023/09/21(Thu) 19:25:43 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ「お前の」「その」 「知らぬ存ぜぬのうちに」 「何人が死んだんだろうな」 声を潜めて男は言う。 「疑わなかったのか?」「一度も?」 「俺でさえあいつがノッテだと知っていたよ」 言葉ひとつはなんの証拠にもならない。 悪魔の証明。騙していない、ことを証明する手立ては存在しない。ないことを示すことはあることを示すより難しい。方法が存在するとすれば、それは貴方が自身の善良さを示すことだけ。 その善良さだって、男にとっては既にないものだ。 貴方は善人ではなく、既に仲間ではない。 貴方に正義などなく、法への忠誠もない。 だから手加減する必要もない。 男が笑った。 ▽ (-239) rik_kr 2023/09/21(Thu) 19:51:08 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノだん。 それは男が、 手に持っていたペンを貴方の手に突き立てた音。 手元を見ていたわけではないから、僅かに逸れたかもしれない。 命中していたなら、尖ったペン先は貴方の骨を割るだろう。 (-240) rik_kr 2023/09/21(Thu) 19:51:29 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「俺はずっと正義の側にいますよ。」 口調には名残がある。貴方を先輩と慕っていた名残。 けれどそこに感傷はなく、単に同じ顔を見ての反射でしかなかった。 不審な程に、男の態度は変わらない。 問いかけに対しても、貴方がここにいることに対しても。変わらないまま、やっぱり変わらない仕草で、後ろの箱から何かを取り出した。 それはテディベアと録音機器だ。 男が再生ボタンを押す。 流れる音声は例のもの。 短く三回、ループした。そしてまた、停止ボタンを押した。 金の瞳がそちらを見ている。 貴方の反応を見透かそうとしている。 (-243) rik_kr 2023/09/21(Thu) 20:04:13 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ/* 快諾ありがとうございます! 尋問をするからには何かを聞き出そうという目的があるはずなのですが、カンターミネさん側でここを目標にしてくれたらロールしやすいかな、という場所はありますか? なければ薬物の仕入先、テディベアの仕掛け先や母数、これまでダメにした人数などを聞こうかなあと思っています。 またこちらから一つ提案がありまして、せっかくならカンターミネさんから押収した薬物をカンターミネさん自身に使いたいなあと思っているんですがどうでしょう。使いすぎて効かないとか、押収されるほど間抜けじゃないとかで難しいかもしれないので確認です。また押収が可能だった場合、その薬物を他者に使うことは可能でしょうか? (-246) rik_kr 2023/09/21(Thu) 20:10:28 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレかつり。 どん。 貴方の言葉が止まってすぐ。 続いたのは二つの音だった。一つは男が立ち止まる音。 一つは貴方の鳩尾に男の拳が叩きこまれる音だ。 その衝撃は緊張しつつも無防備な貴方の身体にどう響くだろう。 単に痛みだったかもしれない。予想して耐えたかもしれない。それとも、異から液体が不快に逆流して? 貴方の丈夫さは如何ほどだろう。 どうあれただ一撃で頽れることは許さない。貴方の腹を殴りつけると同時、男はその肩を支えていた。 (-256) rik_kr 2023/09/21(Thu) 21:06:19 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 徒花 テオドロ/* 村中に襲い掛かる突然のリアルからの暴、本当に許せない……お気遣いありがとうございます…… 声をかけておいてなんですが今回はマッチング失敗ということで解散ですね……。こちらこそ機会があればぜひお話したいです! 元警部補、さもしい飯以外も食べてくださいね。食レポ楽しみにしています。 (-259) rik_kr 2023/09/21(Thu) 21:08:47 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ/* 了解しました! ではせっかくなのでするっと出てくる話も聞いて、そこからファミリーの話に切り込んでいこうかなと思います。よろしくお願いします! 薬物の使用も快諾ありがとうございます。うれしい〜! ずっとしたかったので! 効果と形状についても承知しました。アンプル、一本しかないんですね……悩むな……流れで考えながら一番楽しい道を走って行こうかなあと思います。楽しみですね。何か思いついたらまた打診を挟ませていただくか、地の文で匂わせを挟ませていただきますね。 こちらからの確認事項はひとまず以上です。そちらも問題なければ次レスから、取調室に来るところから始めて頂いて大丈夫です! こちらから始めるのが都合がよければ言っていただければ! (-262) rik_kr 2023/09/21(Thu) 21:14:12 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ薄い身体だな。 やっぱりもう少し肉をつけた方がいい、と男は思う。 不健康だとか、心配だとかもあるけれど、どちらかというと好みの問題。 どうもと呟いてティッシュを拝借する。手を伸ばせば身体も少し離れることになるかもしれない。それを名残惜しそうにもせず言われるままにして手を拭った。それから、貴方の腹も拭ってやろうとした、時のこと。 その言葉に、男は顔を顰めた。 渋面に、貴方は何を思っただろうか。 どうあれやはり、実直な男のこと。貴方が口を開いたりする前に、声を発するのはこちらなのだ。 「経験。」 「ないって言いませんでしたか。」 その言葉は、もしかしたら単なる確認に聞こえたかもしれない。 或いは、貴方の体を慮る言葉にも。 けれど、目の前の貴方にはきっと、 表情も合わせれば、拗ねているように見えたんじゃないだろうか。 他者の感情に疎い男は、自身の感情にも聡くない。 指摘しようと自覚しないかもしれないが、きっと貴方にはそう映る。 こちらだって辞める気はそれほどないのだ。 片手は既に、再び貴方の手を捕まえている。 (-293) rik_kr 2023/09/22(Fri) 1:19:22 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「ノッテだからな。」 「身内を売るくらいわけもない。そういう生き物でしょう。」 貴方はこの男と如何ほどの関わりがあっただろう。 この男のこういった偏見をどれくらい知っているだろう。 ずっとこういう話し方をする男だった。ずっと悪人に対してはこうだった。静かに、確かな侮蔑の籠った呪詛を吐く男だった。 それを今、貴方にもしている。これまでの関係を匂わせる言葉遣いを滲ませながら。 ペンの先が紙面を撫でて黒いインクで書きつけていく。“ノッテファミリーに所属する女性との交際関係は事実。” 「それをどうして証明できる?」 「今ここで貴方を信じる人はいませんよ。さっさと吐いたらどうですか。」 「俺だって疲れているんです。」 こんこん。硬いペン先が紙面を叩く。 疲れている、と言った男のかんばせに、疲労は見えなかった。 ただガラスの向こうの金色は、反射やらで感情を読みにくい。 (-362) rik_kr 2023/09/22(Fri) 14:03:32 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ尋問にかけられるという話は逮捕当初に聞いていたはずだった。半ば脅しめいたその言葉を貴方がどう受け取ったかは分からない。テンプレ的でつまらないと思ったか、僅かでも焦りを感じただろうか。 呼び出しまでの期間のことだって、貴方はどう感じたのだろう。案外長いと感じたかもしれないし、短かったかもしれない。 実際のところ、貴方に呼び出しがあったのは、共に捕まった数人よりも後のことだった。 「カンターミネ・ヴォーフル、『取調べ』の時間だ」 二人の警官が貴方を引き立てる。一応の気遣いか、それ以外の理由か、どちらも女だ。 ここは警察署内。例の法への反発もある中で、被疑者を目に見えて乱暴に扱うのはまずい。そういう気遣いがあってか、貴方を連れる動作はそう強引ではなかった。 取調べ室に入るまでは。 ▽ (-366) rik_kr 2023/09/22(Fri) 14:39:06 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ開いた扉の中にいたのは男である。 手に持った資料に粛々と目を通していた男は、その音で顔を上げた。 「お疲れ様。」 声をかける先は貴方ではなく、警官たち。 彼女らは溜息をついて貴方の尻を蹴飛ばした。もう触りたくもないという風に。 さて、貴方はそれでよろめいただけかもしれないし、転んでしまったかもしれない。 どちらにせよ男は気にかける様子を見せず、「座れ。」と言うだけ。 (-367) rik_kr 2023/09/22(Fri) 14:39:21 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ「俺が聞きたいのは謝罪じゃないよ。」 ぐ、と押し込む力。 ぐり、とねじ込む仕草。 ぱきり。骨片が皮膚を裂く。 男と貴方では体格が違う。力が違う。 暴力への箍の外れ方も違う。 抵抗の仕草にこれは軽く笑う声を漏らした。 「なんでもなにも。」 「何でもしていいと言われてる。」 「吐かせるためならな。」 「そのドライブの行き先は?」 「贈り物に何か仕掛けられていなかったか?」 「珈琲の瓶に何か混ざっていなかったのか?」 「その喫茶店で何を売っているのか知らなかったのか?」 ぐり。 ぐり。 (-368) rik_kr 2023/09/22(Fri) 15:03:00 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ渋面は変わらない。 変わらないけれど、それは不快さの表れではない。 ぐる、と喉が鳴った。獣が唸るような音だった。 「それ。」 「ほかの人には言わないでくださいよ。」 全く何のつもりで言うのだか、同じ低さで囁かれるのはそんな言葉なのだ。 貴方の言葉が薄い理性を剥いでいく。 その心地に男は心底困ったような顔をして見せた。その顔のまま、はあ、と一度息をついた。 それだけだった。 その一息ですべて吐き出したようだった。次には、 「邪魔だな」 先程までの一歩引いた気配は消え失せ、半端に引っ掛かった貴方のスウェットに手をかける。 抵抗されないはずだから、下は脱がしてしまおう。同時にベッドに身を沈めさせ、なるべく身体に負担のないようにする。 わけではない、かもしれない。自分の動きやすいようにしているだけで。 こちらとて慣れているわけではないが段取りくらいはわかるものだ。 後ろに手を伸ばし、狭いところをひらかせていこうとする。 (-371) rik_kr 2023/09/22(Fri) 15:38:15 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ最低限の支え。次いで突き飛ばすように離す。 貴方がよろめきはすれど倒れない程度の力だ。 貴方の脳を揺らしてゆっくり攪拌する刺激だ。 くく、く。笑っている。視覚の外、鼓膜だけ揺らす。 「なんだ。」 「吐かなかったな。」 「やっぱりつっかえているんじゃないか? 言えば楽になる。」 再び声は遠ざかる。 (-372) rik_kr 2023/09/22(Fri) 15:53:48 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ▽ かつり。 かつり。 かつり。かつり。 かつり。 靴音が近く遠く反響する。 部屋の広さは如何程だっただろうか。 これほど響く場所だっただろうか。 いくら集中したとて、その対象が単調な音であればどこかで意識は逸れるのだ。 男はそのタイミングを待っている。 次に狙うのはこめかみ。平衡感覚を失ってしまえばいい。 (-373) rik_kr 2023/09/22(Fri) 15:54:01 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「民を脅かすようなことは断じてやっていない。」 怪訝そうに顔を顰めて男は貴方の言葉を繰り返した。 手を組み、それで顎を支える。視線が左、右と動いて、貴方に留まった。留まって、笑った。 「はは。」 「お前よくそんなことが言えるな。」 「あの音声が」 「お前の逮捕が」 「どれだけの市民を不安にさせたと思う?」 嘲りの笑いだ。 侮りの笑いだ。 「それも想像できないことがお前の罪の証拠だよ。」 「お前は裏切った。」 「お前を信じた市民たちと警察を裏切った。」 「悪人は裁かれるべきだ。」 「正しい裁きを得たいだろう?」 「なら、全て吐くんだよ。ここで。」 「これは慈悲なんだ。わかるでしょう。」 見つめている。 探している。 罪のありかを探している。 ────貴方を痛めつける隙を探している。 (-380) rik_kr 2023/09/22(Fri) 16:12:32 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノどういう意味かは自分でしっかり考えてくれればいい。 細い太腿が晒される。きっと筋の浮いたその形は、女のそれとは程遠い。片方の手のひらを肌の表面にひたりと這わせ、軽く掴んだり、撫でたりする。そうして意識を散らさせようとしながら、もう片方の手指が緩やかに貴方の内へと沈んでいった。 浅く。浅く、ゆっくりと、徐々に深めて。強引で性急な男にしては慎重な動作は、やはり貴方を傷つけたくはないからだ。 少し動かすたびに貴方の腹が震える。押し殺したような声が聞こえる。それがまた逸らせて、行為を乱雑にしようとする。 煮詰まった思考を切り替えようと貴方の表情を伺った。 酷く赤い顔がそこにある。 顰めたり、逸らしたり、手で口を抑えたりして、そちらはそちらで大変そうに見えた。 撫でるなりして構ってやりたいところだが、生憎こちらもあまり余裕はない。 ……さあ、どうしよう、と考えて。 太腿に置いていた手を貴方の手に伸ばす。両手で口を覆っていたかもしれないが、構わずに。 そうして拒まれないのなら導くのは貴方の下肢の間。 まだ濡れたまま、一度果てて萎えた性器のところまで下ろさせた。 ▽ (-388) rik_kr 2023/09/22(Fri) 16:52:39 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ「先輩」 「触ってていいですよ」 苦しいなら快で気を紛らわせろとこれは言うのだ。 全くの気遣いのつもりで。 (-389) rik_kr 2023/09/22(Fri) 16:53:07 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ「マフィアには適応されない。」 事もなげに言う。 それはつまり、貴方は例外であって、 この一室はある種治外法権的な空間であるということを示していた。 言いながら、男はさっと壁の方に視線を走らせた。それが本当に機能していないか、疑って確かめるような視線だった。 「そうだな。毎日毎日頭の湧いた悪人の相手をするのは気が滅入る。」 「お前もさっさと吐いてくれると助かるよ。」 「そうだな、まずは例のテディベアについて。仕掛け先と総数、利用目的から利用した内容、データの所在まで。全てだ。」 貴方からの問いにはずれた答えを返して、こちらの聞きたいことばかりを押し付ける。 まるで自分の立場が絶対的に上であるというように、自分の手に裁きの天秤があるのだというかのように、男はつらつらと言葉を続けた。 (-402) rik_kr 2023/09/22(Fri) 18:41:49 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノこちらは全くの気遣いのつもりだったのだ。 手慣れていないが故の悪あがき。自分の手で足りないなら貴方の手も借りようと、その程度のつもりでいたものだから。 そんなに一瞬で、反応がまるっと変わってしまうだなんて予想もしていなかった。 貴方の声が甘くなる。 手探りで進んでいた指がずるりと飲み込まれて熱い肉に包まれる。貴方の手を導いたこちらの手はまだそこに留まっていて、だから反応したのもわかった。 それから、どうやらそこが好いのだということも。 張り詰めていた水は零れれば一瞬。 台の上にある球も転がれば一瞬だ。 それらはきっかけとして充分だった。 男は口を開いて笑った。牙が閃いた。 ▽ (-410) rik_kr 2023/09/22(Fri) 19:25:24 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノそこからは。 例えば、貴方が好いだろうところに繰り返し触れたり。 或いは、芯を持ち始めた部分を一緒に撫ぜてやったり。 落ちつかせながら本数を増やして、窄まりを緩めたり。 時々は検分するようにその肌に手のひらを這わせたり。 貴方が熱を持つごとにこれもまた高揚していく。 前のめりになる感情にこの身体も呼応していく。 慣らされた内側が滑るようになる頃にはきっと、 互いの息遣いはもう抑えられるものでなくなっているはずだ。 ずるりと指が引き抜かれる感覚にも貴方は身を揺らしただろうか。 代わりとばかりに宛がわれるこちらの性器を、どんな顔をして見たのだろうか。 とっくに衣服は取り去られている。顕わになった細腰を男の手が掴んだ。 当然だが、こうなってはもう止まることを知らない。貴方が何をしようと、何を言おうと、何を思おうと。 この狼は構わず、その身を貪るだろう。 (-411) rik_kr 2023/09/22(Fri) 19:26:09 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ「俺が」 かつん。 かつん。 かつん。 かつん。 ────ひゅん。音。 かつん。 かつん。 「逮捕」「されたのは」 かつん。 かつん。 かつん。 ────ひゅん。 かつん。 かつん。 「こうするためだよ。」 ────と ん 。 それは。 男の手によるものではなく。 何か鈍器による打撃だった。 ────この部屋は取調室であり、急拵えの拷問部屋。 上等な器具などない。置かれているのは精々、工具くらいだ。 (-460) rik_kr 2023/09/22(Fri) 22:59:10 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネその歌声は男にとって酷く耳障りだ。 「余計な口を開くな。」 「それとも怯えているのか? 追い詰められた鼠はよく鳴くらしい。」 一睨み。 それで黙ってくれるほど、貴方は優しくないだろうが。 それきり再び、視線は紙面に落とされた。 「データの受送信の機能がある。」 「大元の親機があるだろう。どこへやった。」 それくらいは警察の方でも解析できる。 やはり目を向けないままに問い詰める。 「俺は全て吐けと言ったんだ。」 「お前には薬物についても聴取の必要がある。」 「ほかより手間がかかるんだ。さっさと話せ。」 とんとんとん。ペン先が紙面を叩いている。 苛立っている仕草だった。 この男は、マフィアが嫌いだ。 それでも────何か、貴方のことは特に気に食わないらしかった。どの発言が気に触ったのだかわからないけれど。 (-474) rik_kr 2023/09/22(Fri) 23:52:25 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「こうしなかったことで、これまで俺たちは後手に回り続けた。」 「疑わしきは罰せずなんてぬるい。」 「ノッテって奴らは」 「逃げ隠れすることだけは異様に得意だからな。」 その通り、実に独善的な発言。 偏見に満ちた狂言。一人芝居。 貴方の言葉を受けて、忠犬は。 「俺にこの役割を下さったのは」 「署長代理ですよ。」 宛ら舞台役者のように笑った。 「俺が牢にぶち込まれたのはそのためだ。」 「ノッテファミリーをこの国から排除する。」 「それ以上の正義がありますか?」 「ニコロ・カナール。」 「だから、お前と答弁している暇はないんだよ。」 「俺には役目があるんだ。この後も。」 「ここにあるのは、お前がダフネという女マフィアを殺した記録だけ。」 「それを事実だとお前が認めたということだけ。」 「お前の無実を証明するものは一つもない。」 (-478) rik_kr 2023/09/23(Sat) 0:10:03 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ貴方のまろい頬を涙が転がり落ちていく。 少年じみた首筋に玉の汗が浮かんでいる。 反面男は涼しげで、触れる手に熱はない。 けれど。 至近の双眸だけがめらめらと燃えていた。 獲物を見つけた猟犬のそれに似た三日月。 「なんで?」 明らかに、この男は笑っている。 声だけではなく視線に滲んでいた。口の端に、鷹揚な態度に、場違いな満悦と愉楽が垣間見える。 「はは」 「お前」 「そればかりだな」 まるで父親が子どもを嗜めるような口調で言葉を紡ぐ。 「まさか本当に何も知らないのか?」 貴方の。 頬に、男の手が伸びた。 そのまま。 身を引かないなら────僅か、唇が重なって。 (-482) rik_kr 2023/09/23(Sat) 0:26:16 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方が身を震わす度、貴方が声を上げる度、男はひとつの強い衝動に駆られた。 噛みつきたい。 噛みつきたい。噛みついて、肉の柔さと僅かな弾力を感じたい。けれど今それをするのは体勢的にも難しくて、それよりももっと繋がりたくて、 だから男は我慢していた。 ずっと我慢していたのだ。 ▽ (-493) rik_kr 2023/09/23(Sat) 1:05:28 |
イレネオは、腹が減っている。 (c17) rik_kr 2023/09/23(Sat) 1:05:44 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ静止の声はきちんと届いていた。 けれどそれだって“嫌”じゃない。 逃げることなど到底許されない。 勃ち上がったものを狭いところに挿入り込ませれば、当然擦れて強く刺激される。 その感覚が好かった。男ならみんなそうだろう。これも例外ではないから、上機嫌に息を震わせる。 嬌声と共に晒された喉が白く目を惹いて、喉仏の形に舌で触れた。そこにもまた歯型を残したかもしれない。 随分時間をかけたつもりではあっても、初めてではそう上手くいかないだろう。きっと一息には入らないから、男は繰り返し、繰り返し、浅いところを掬うようにした。そうして徐々に徐々に馴染ませて埋め込んでいく。 その合間にもこれは貴方の涙を舐め取ったり、肌に吸い付いたり、肉を甘く噛んだりを繰り返していた。それは、半ば本能的な動作らしかった。 (-494) rik_kr 2023/09/23(Sat) 1:06:21 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ言葉を聞いて、男は片眉を持ち上げる。 「先程。」 「ダフネのことは事実だ、と。」 言ったはずだが、と反芻。ことん、と首を倒した。 これはこんな演技じみた仕草をする男だったろうか。 「聞き間違いですかね。」 「それとも。」 「出した言葉を飲み込めるつもりでいる阿呆なのか。」 「二枚舌か。 やっぱり悪人じゃないか。」 ────奇妙なことに、男の声はどんどん小さくなった。 どころか、視線すら落ちていった。これは貴方を見ていない。 かと思うと、あろうことか被疑者である貴方から顔を逸らしすらした。 そうして身体を捻る先は後ろの棚。先程テディベアが置かれていた場所、その下段から、なにか小さな箱を取り出した。 蓋を開け中身を取り出しながら男は言葉を紡いでいく。 「狂人の相手をするのは疲れるんですよ。」 「でもそれも一理ある。時間をかけるのは得策じゃなさそうだ。」 視線はやはり落ちたまま、自身の手元に注がれていた。 (-500) rik_kr 2023/09/23(Sat) 1:21:30 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ「自分のことか? 立場をよく分かっているじゃないか。」 わざとらしく嘲って笑う。 とんとんとんとん。紙面を叩く速度は段々上がる。 実のところ、この男は普段こんな風には話さない。 悪人と話すことなどないというように冷ややかな面差しを向けているのが男の常だ。 貴方の言葉のどこかがこの男の心情を逆立てている。貴方のペースに巻かれている。 「そうか。直ぐに辞表を出した方がいい。」 「『協力的』の意味も正しく知らないんじゃ役不足だろう。それに」 「お前は存在自体が教育に悪い。子どもたちが可哀想だ。」 とんとんとんとん。 とんとんとんとん。 渋面とにやけ面が向き合っている。 紙面を叩く速度は徐々に上がっている。 「お前たちには適応されない。」 「法による権利も庇護もお前たちに与えられるべきではない。」 「それを享受していいのは法を守っている人間だけだ。」 「抜け道ばかり探しておいて利用しようなどと」 「都合が良すぎると思わないのか?」 とんとんとんとんとん。 とんとんとんとんとん。 問いには答えない。 答える義理はない。 (-504) rik_kr 2023/09/23(Sat) 1:46:03 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロさて。 遂に男は何も答えなくなった。 それは貴方と会話を行うことを拒絶する態度であって、 やはり尋問官としてあるまじき態度だ。 それでも貴方が動かないのは好都合だった。 男の手は大きく、手元の箱は小さく。 故にきっと、そこで何をしているのかはよく見えない。 貴方はこれの様子を伺っていた。 正しく何かされると予期していた。 ならば注視したのは手元であったろう。 下を向いた貴方を、今度は男が見つめていた。 ▽ (-511) rik_kr 2023/09/23(Sat) 2:16:29 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロかたん。 音。 貴方が顔を上げた時には遅い。 この男は机の向こうで立ち上がっていて。 その机に膝で乗り上げるように距離を詰めて。 そうして片方の腕は貴方の腕を掴んで引き寄せ、 もう片方の手を貴方の口元に押し当てた。 「何をする気だと思います?」 貴方が驚いて口を開いていたのならば、答えはすぐにわかるはずだ。 口腔内に小さな塊。先程までは当然なかったものが、そこにあって。 (-512) rik_kr 2023/09/23(Sat) 2:16:48 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノぐ、ぐ、と押し込むように奥へ、奥へ。 深く、貪欲に繋がろうとしてまた奥へ。 先程まで、男の手は貴方の身体中に触れていた。 指先ではなく手のひらで、温度や感触を検分するように触れていた。肉の厚みや凹凸を確認するように触れていた。 歯を立てるところを選ぶようにして触れていた。 腹を撫でた手が脇腹を通って肩へ、そこから首筋をなぞって頬へ。また食むようなキスをして味わうように舌を絡ませる。声まで食らうように唾液を啜る。 これはほとんど一方的な捕食だ。 そう見えるけれど、 貴方はこれに蹂躙される獲物だ。 あくまで合意の上。 求めている実感が強くある。 背に回った手に、求められている実感もまた感じた。 「ふ、はは」 「先輩」 それが堪らなく心地がいい。貴方の甘えすらこれは食らって。 「好いなあ……」 抱き寄せられた薄い胸にまた噛みついて痕を残す。一度腰を引けば、今度こそ長いストロークで奥までを穿った。 (-520) rik_kr 2023/09/23(Sat) 2:44:50 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ「どうせお前が唆したんだろう。」 決めつけだ。 「お前たちの十八番。口八丁で無知な子どもを誑かす。」 偏見だ。 「二回で理解出来ないのはお前の方だろう。」 「俺が法を守らないんじゃない。法はマフィアを守らない。」 「────、」 激しい音を立てて男が椅子から立ち上がったのと、 取調室の扉が叩かれたのは同時だった。 立ち上がった男はびたりと動きを止め舌打ちをする。そうして長い息を吐いてから返事をすれば、一人の警官が入ってくるだろう。 彼は何かを手に持っていた。そうして貴方の方を伺いつつ手短に男と言葉を交わし、それを渡して、また出て行った。 さて。 再び室内には静寂が訪れる。しかし状況には変化があった。 男が手の中で弄ぶそのケース、或いは瓶を、貴方は見たことがあるはずだ。 (-521) rik_kr 2023/09/23(Sat) 3:00:33 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ新しい玩具を手に入れた赤子のようだ。 まるで不思議そうな顔で手の中のものを見る顔はそういうものによく似ている。 それ以外への興味が抜け落ちたような、奇妙に冴えて一途な表情。 警官から何かを受け取った男はそういう顔をしていた。そういう顔をしているだけの、やはり苛烈な男だった。 へらりと笑う貴方が言葉を切る。 それとまた、ほとんど同時に。 ガシャン! 先程より大きな音が部屋に響いて、貴方はそのまま後ろに吹っ飛ばされることになるだろう。 顔面に強い衝撃。 椅子ごとひっくり返り、頭を強かに打ち、手錠で戒められた腕では身体を庇えもせず転がったはず。目の前の男がテーブルをひっくり返したのだと気づいたのはどのタイミングだろうか。どうあれきっと全身が痺れたように痛むはずだ。打ち付けた頭も方向感覚を失うだろう。それでも貴方は立ち上がろうとしたかもしれない。それくらいは出来たかもしれないが。 仕掛けた側の方が状況の理解は早いものだ。 貴方が起き上がる前に、この男は貴方の左肩を踏みつけている。 (-528) rik_kr 2023/09/23(Sat) 3:41:34 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ長身が室内の光源を遮った。 逆光のせいで男の表情はよく見えないかもしれない。 概ね無表情のようなそれと、やはりにやけ面の女が向かい合っている。 貴方は解っているだろう。男がこれから何をしたいか。 男もまた解っている。貴方が解っているということを。 ここからは根比べだ。けれどそれも、貴方に分が悪い。 人は痛みに耐えられる。 痛みになら耐えられる。 大抵は、絶叫を対価に。 薄暗い顔の中で金色の瞳だけが光っていた。 裸足ならまだしも、靴を履いた状態で人体を────しかも腹や胸ならともかく肩を踏みつけるというのは難しい。肉の薄い部位では骨と関節で作られた凹凸が目立つし、靴底の形はそれに添うものではないからだ。 ぐ。 ぐい。ぐり。 だから自然、強く力を込める必要が生じる。 硬いラバーが肌に食込むだろう。骨と皮膚の間で押しつぶされる神経が悲鳴をあげるだろうか。 (-603) rik_kr 2023/09/23(Sat) 12:36:07 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレばたんと倒れ伏す姿は人形のようで滑稽だった。 どたんと立てた音は物の音のようで愉快だった。 貴方の悲鳴を聞いてこの男は楽しそうに笑った。 「あはは!」 かつり。かつり。 かつり。 早くなる足音が追うように近づく。まるで狂犬のそれだった。 「混ざってきたんじゃないか?」 「そろそろ溢してくれればいいんだが」 きっと立ち上がれない貴方の、その余裕すらないだろう貴方の周囲をぐるぐると回る。獣が獲物を追い詰める時の動き。 判断力を低下させて間違った答えを選ばせるための動き。 この犬は、貴方から答えを狩り取ろうとしている。 本当に? それだけだろうか。 男の声には、喜悦が滲む。 ────だからこそ責め苦は続くのだ。 貴方が気を失うか、男が満足するか、時間が来るまで。 貴方が床に右手を着いているなら、次に狙うはそこ。 剥き出しの指先を、押し潰すように叩くつもり。 (-607) rik_kr 2023/09/23(Sat) 12:54:09 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ体力だけはある方だ。 執念だけは強い方だ。 突き止めると決めた物事を突き止めるまでとことんやる。 そういう男の性格は貴方も知ったところだろう。そして、 その性質は今この場においては、貴方に都合の悪いもの。 既に口には入っているのだ。 飲み込まないなら、溶けるまでこのまま待つだけのこと。 しかしそうはならなかった。素直に貴方が飲み込む気配で、男はぶらりと手を離す。 そうして身体の位置を戻すだろう。しかし席にはつかないまま、再びの無表情で貴方を見つめている。 実のところ、男自身もこれが何の薬なのかは知らない。 これは今朝、あるマフィアから押収されたものの一部。 内容物としては興奮剤、精力剤、自白剤、睡眠剤らしいが、 それを見分ける術を男は持たない。 だから効果を知るのは貴方が先。 盛られたのは、睡眠剤だった。 ▽ (-610) rik_kr 2023/09/23(Sat) 13:12:49 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ程なくして。 貴方を、強い眠気が襲うだろう。ぐらりと視界が歪み、身体も傾ぐはず。 しかしそれに追従することを男の手が許さない。 彼は貴方の肩を掴んだ。起こす仕草で椅子の背に強かに打ち付けさせた。 「外れか。」 「まあいい。」 眠らせない拷問というものもこの世にはある。 自白剤を盛るつもりだったが、違うなら違うで手を変えるだけのこと。 (-611) rik_kr 2023/09/23(Sat) 13:15:40 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ独占欲。支配欲。執着。マーキング。 どうとでも形容することは出来る。重なり連なったそれはほとんど首輪のよう。 それでも男にそんな意識はなかった。少なくとも意識の上にはなかった。思考より先、目的より先、食らいたいという欲求があるだけ。 貴方をまるごと腹に収めてしまいたいという強い衝動があるだけ。貴方の全てを貪欲に強欲に欲しているだけ。 「は、……」 荒い息を注げば細い髪が揺れるだろうか。赤い頬が美味そうで、また舌で触れていた。 貴方の胎の中にこれを必要とする臓器などない。それでも繰り返して穿つ。楔を打つように、熱と形ごと刻むように幾度もそうする。そうする。繰り返し。 求められることが心地いい。 与えられる刺激が心地いい。 貴方の何もかもが心地いい。 抽挿が激しく強くなる。 貴方は喉を、背を反らして喘ぐだろうか。 ならばそのまま追うように。身体をぴったりと合わせ喉元に噛み付いて、貴方の内側に膨れた欲を放とうと。 (-614) rik_kr 2023/09/23(Sat) 13:36:15 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ奇妙な可笑しさがこれの喉を転がる。 それは空気を揺らして笑いになった。 貴方の顔がさっと青褪める。 大きな双眸から涙が落ちる。 唇が開いて音もなく震えた。 男はペンから手を離した。 両手で包むように貴方の頬に触れる。大きな厚い手のひらだ。貴方とこの男では一回りも二回りも体格が違う。伴って当然、男の手は貴方の頭に比して大きい。 貴方の手は自由になった。 今なら抵抗することは出来る。 しないのであれば、再びの口づけが寄越されることは明白だ。 貴方にとっては目的も分からない、ただ恐怖を想起するだけの口づけが。 (-619) rik_kr 2023/09/23(Sat) 13:53:25 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「『何を』。」 ふん、と男は鼻を鳴らした。 歪む視界の真ん中で笑ったようだった。 「皆そう聞くな。やっぱり脳みそが足りないのか?」 「何も何故もない。法に則り、裁くための手続きだよ。」 「お前たちも従ってきたはずだ。どうしてわからない?」 ぐらり。ぐらり。眠気で頭が揺れる度。 男の声が反響する。判断力を失わせる。 瞼が重たく帳を降ろそうとする。 貴方が耐えられず首を振らすなら、 今度はその頬に男の拳が飛ぶ。 (-622) rik_kr 2023/09/23(Sat) 14:03:10 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ引き絞れるような声が耳に届けば、男は口の端を軽く歪めた。 やはり不快そうだった。不愉快そうだった。 つまらなそうだった。 とはいえ、これは仕事だ。 快不快で判断して辞めていいものではない。 貴方の口が僅かも開いたなら。 男はその隙を見逃さなかった。 錠剤をひとつ。 手のひらで覆うようにして放り込む。こうすれば貴方はもう逃げられない。 口の中に入りさえすればこっちのものなのだ。飲み込まずとも溶け切るまでこのまま待つだけのこと。傾いた天秤は一層男に利する。 どうあれ長い根比べが始まるのは明白だった。 男は、貴方の口に入った薬の効果を知らない。 途中で一緒くたにされてしまった錠剤の見分けを知らない。 ただ、先程の警官の言葉によれば。 この場にあるのは 興奮剤 と自白剤 の二種類で、貴方が感じた効果によると────それは興奮剤の方だ。 (-626) rik_kr 2023/09/23(Sat) 14:29:10 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロその通り。するわけがない。 貴方に対する男の行いは、平静なら一発で逮捕だ。 つまり、男だってそう。尋問の経験はあれど拷問の経験は浅い。 「……。」 顔を歪める貴方を見、男は思案するように顎に手をやった。 貴方を実験材料にして、男は学習している。 「さすがに向きませんね。」 「もっと時間があればいいんですが。」 首を右に、左に倒し。呟いた男は、再び錠剤を手に取った。そうして貴方の方へ手を伸ばす。眠気から緩慢になった動作は好都合だ。きっと難なく捕まえることが出来る。 そうして男の思うようになったなら、 これは貴方の鼻を摘んだ。 そこは人体が空気を取り込む場所の一。 もう片方を開かせたいのなら、ほかの入口を塞ぐのが近道だ。 (-631) rik_kr 2023/09/23(Sat) 14:46:15 |
【墓】 幕の中で イレネオがん。 がん。 がん。 それは憤りだった。 男の義憤が牢を打ち檻を揺らした。 食い締めた歯がぎりと鳴る。奪われ消された子どもたちのことを思ってまた心が逆立った。「────くそ野郎が」 呻きに似た響きが落ちる。 まったく男は正義の徒であった。 (+9) rik_kr 2023/09/23(Sat) 15:32:26 |
イレネオは、真面目な警官だ。自他ともにそう認めるように。 (c27) rik_kr 2023/09/23(Sat) 15:32:53 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ手のひらに濡れた感触。 それを感じた男は、反射的に貴方の頬をその手で打った。 まったく拷問官にあるまじき態度。口に物を入れさせておいて、あまつさえ吐き出させかねない真似をする。 男がこういった行為に慣れていないのは明白だ。そもそも感情的すぎる、筋道だってそう整えられていない。 そうしたとて貴方は笑っているのだろう。 優位を取ったと思っていた男は、再び鋭い舌打ちを。不機嫌そうに視線を一度逸らせば、唾液と共に吐き出された薬が目に入るだろうか。 (-640) rik_kr 2023/09/23(Sat) 15:49:44 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ踏みつけた肩。前のめりになる身体。それだけ近づく顔。 逆光だろうと薄暗かろうとよく見えるはずだ。男の表情が歪む。歪む。歪む。 それは怒りであって、それは憎しみであって、それは嫌悪であって、それは恨みであって、それは蔑みであって、それは侮りだった。 貴方が囀る。 歌う。歌う。歌う。 それが。 やっぱり男には、酷く不快だった。 聞くに堪えない。だから、 ▽ (-649) rik_kr 2023/09/23(Sat) 16:45:17 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネぐぶ。 靴先が沈んだのはその腹だ。 不安定な肩から足を退け立ち上がった男は、見下ろす形で貴方の腹を蹴りつけた。 女の腹、肉の薄さは別にしてはらわたの柔らかさのある腹。特有の臓器を内包する身体の部位。 男の足は大きい。時々はみぞおちに衝撃が入ったかもしれない。一度。 二度。もう一度。 尋問でもなければ拷問ですらないただの暴力を貴方に加えている。 いくらアドレナリンが効いていたって衝撃をすべて緩和できるわけではない。貴方はうめき声をあげただろう。時々は小さく悲鳴をあげたかもしれない。胃の中のものが出たかもしれないし、呼吸が乱れたかもしれない。それとも、その全てをやりすごす術を知っているというなら話は別だけれど。 どうあれ貴方は、少しは大人しくなるはずで。 そうなれば再び、男はその身体に馬乗りになるのだ。 床に散った唾液に浮かぶ錠剤を拾い上げ、 貴方の舌に塗り込もうとする────無意味な嫌がらせ。 (-650) rik_kr 2023/09/23(Sat) 16:46:01 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノそれは、柔らかく。 引き攣った部分を食むように。 強く引き寄せて、触れ方だけは優しく齎された。 男は笑っている。 これ程の力差があって、その気なら無理矢理続けることも出来ただろうに。 貴方のあえかな抵抗に従って離れ、再びそのまま笑っていた。 男は貴方に欲情していない。 これ以上の行為を強いるつもりは毛頭ない。 だからこれは、ただ高揚からだけ来る行動。 弱り切った獲物を甚振って嗤う、肉食の獣。 「はは」 「震えてるな。可哀想に」 「────あいつと関係なんて持たなければ」 「こんな目に遭うこともなかったのに」 話す言葉ばかりは穏やかなのに、 ぎらついた瞳は貴方を離さない。 わざと優しく撫でる手のひらは、 嫌がらせをよっぽど含んでいた。 最早、尋問など意識の外なのだ。 目的のない責め苦に終点はない。 あるとすればそれは男の満足か、 熱のある貴方の身体が倒れた時。 (-657) rik_kr 2023/09/23(Sat) 17:13:30 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 笑う カンターミネ大抵の場合、力を手に入れた者は傲慢になる。 それが公に認められた物なら尚更。是非を問うものもいるが、どうあれ新法は認められこの国で力を持った。 警察とマフィアの力関係を完全に傾かせる悪法だ。それでもそれは大々的に公布され施行された。 警察は力を手に入れた。賛成派はマフィアに裁定を下すガベルを手に入れた────お前は悪である。 力を手に入れた人間は、それを誇示するためにどんなことでもするものだ。 そして。 その優位性を脅かす背教者に対し、徹底的に冷酷に、残虐に接するものだ。 既に尋問を損じたことを、男も薄ら気づいている。 認められない頑固さが、新たな目的を作り出した。 この生き物 には罰が必要だ。それも、とびきりの。▽ (-662) rik_kr 2023/09/23(Sat) 17:42:23 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 笑う カンターミネ吐きかけられた唾は男の顎から頬にかけて散っただろう。 それを男は甘んじて受け入れた。先程までの激昂から一転、酷く冴えた表情がそこにある。 貴方は笑っている。 覆い被さった男は、その笑みを更に広げさせるようにした。 笑っているということは、もちろん口は開いているんだろう。 口の両端に親指を差し込み閉じ切らないようにする。 貴方の舌が動かないように固定する。 そして、 それまでの間に何か手を打たなかったのであれば、 男の影が貴方に重なるようにして────ひとつ。 愛も情も好意もあるはずのない口づけを、貴方に。 (-663) rik_kr 2023/09/23(Sat) 17:42:58 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ「楽しいわけがないだろう」 本当に? 「嘆かわしいよ。こんなことに時間を取られて」 本当に? ひゅん。 がん。 男に最早自制も内省もない。 それらの声は聞こえない。けだものの息遣いが染めて聞こえない。 装甲のない先端に金属の平面が降った。 問いすらない。あるのは痛みだけ。 貴方が逃れようとしないのならば、 男もまた、逃れる選択を与えない。 (-671) rik_kr 2023/09/23(Sat) 18:15:42 |
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