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(n0) 2022/02/13(Sun) 1:21:19 |
(n1) 2022/02/13(Sun) 1:28:13 |
否。 それはまるで積み上げた砂の城を壊すように 厳然たる事実として人々の前にその姿を現す。 たとえ何人たりとも例外にあらず 突如訪れる別れにその心を引き裂かれ その痛みを図り知ることなど到底叶わない。 (n2) 2022/02/13(Sun) 1:30:54 |
(n3) 2022/02/13(Sun) 1:33:01 |
(n4) 2022/02/13(Sun) 1:41:17 |
【人】 グレイスそれはささやかな願いでした。 死にゆく彼女が生者に願うこと。 忘れないでいて欲しい。 たったそれだけのことでしたが、 それを叶えるのは存外難しいものです。 人は嫌なことを忘れて生きていきます。 悲しみから、苦しみから、自身を守ろうとするから。 (2) 2022/02/13(Sun) 7:13:24 |
【人】 グレイスそれでも、忘れて欲しくないと願った彼女は 追憶 の機会を作るために。あちら側からこちら側へと手招きを。 生と死で引き裂かれてしまったとしても、 唯一それをつなぎとめることが出来る物… 記憶 ≠ナ二人を再び繋ぎたいと願うのです。 (4) 2022/02/13(Sun) 7:19:04 |
【人】 グレイス私にできるささやかなことといえば、 二人へと幸せを祈る花束を贈ることくらいです。 これは二人の物語。 私が贈るのは彼女への餞の言葉。 私が語るのは彼への追憶の言葉。 (5) 2022/02/13(Sun) 7:20:26 |
【人】 患者 アンネロズ[ 人はだれしも何か、秘密を持っている。 私もそうね、ひとつ。 秘密にしていることはあるの。 といってもこの秘密は私の親は知っている。 私を担当している医師も知っている。 私によく笑いかけてくれる看護師さんたちも。 知らないのは、私と親しい人たち。 私の病気を知っている人たちには 病気のことは言わないでって口止めしているの。 だって、病名を聞いたらどんな病気なのか 調べる可能性があるでしょう? ] (8) 2022/02/13(Sun) 15:17:53 |
【人】 患者 アンネロズ[ 嫌なのよ、 難病指定されているような、 死ぬかもしれない病気だなんて知られて 憐みの目を向けられるのも 腫れ物に触るような態度を取られるのも 頑張って、って他人事のように言われるのも。 ] (9) 2022/02/13(Sun) 15:18:50 |
【人】 患者 アンネロズ 私はそんなに強い人ではないから。 同情されたら、あなたたちはいいね、って 僻む姿を見せてしまうかもしれなくて でも、そんなの嫌なのよ。 死ぬかもしれないのならせめて 記憶に残る姿は、明るく笑ってる姿がいい。 (10) 2022/02/13(Sun) 15:20:03 |
【人】 患者 アンネロズ[ だから、対して強くもないくせに虚勢を張る。 私は大丈夫よ、って。 でも、そんな風に何でもないように 見せてたからかな。お見舞いに来てくれる人は 日に日に少なくなっていって。 当たり前なのは、解っているの。 みんな暇じゃないってことなんて。 わかっていても……。 ] (11) 2022/02/13(Sun) 15:21:49 |
【人】 患者 アンネロズ*** [ 専らベッドの上で本を読んで過ごしている 私だけど、その日は陽の光が浴びたいと思って。 天気のいい日だったから中庭で 暫く過ごそうと思ったの。 手に持っている本はよくある恋愛小説。 周りになじめない男の子と どこまでも明るい女の子の恋物語。 両親が買ってくれたベストセラーになった本。 本屋さんに行けば山積みしてあるような。 そんな本を左手に持って中庭へ行ったその日。 ] (13) 2022/02/13(Sun) 15:24:22 |
【人】 ピアニスト イングラハム The secret is just like a wedding veil. 女の秘密とは、花嫁のベールだ。 (15) 2022/02/13(Sun) 16:38:16 |
【人】 ピアニスト イングラハムそう、私の父は言っていた。 その意味を幼子の私が知るはずもないが。 ピアニストの父と母もしかり 私の家系は芸術に対するバイブスが高めらしい。 それは私自身もそうで、ピアノの演奏には 幼い頃からずっと魅了され続けている。 ボランティアとして病院でコンサートを 開催することだって何度もあった。 私としては慈善なんてない純粋な演奏を 味わい、楽しみたかったのだが。そうも言えない。 (16) 2022/02/13(Sun) 16:41:07 |
【人】 ピアニスト イングラハム*** 遡ること数年前。 私にとっては数あるボランティア活動のひとつ、 病院でのコンサートに出向いた時だ。 「音楽は人の心を癒し、勇気を与える」と そんな両親の言葉を胸に臨む演奏は 首輪を繋がれた犬のような息苦しさを覚えて。 休憩と称した期間限定の逃避行の果てに 私は 彼女 のいるその場所へ、辿り着いた。 (18) 2022/02/13(Sun) 16:46:38 |
【人】 ピアニスト イングラハム演奏者として恥じない礼装姿のまま 先客にそう声をかけた。 それが始まり。 彼女の反応なんてお構い無しな私は まだ子供のように無作法なままで 彼女が何を思うかなんて知らずに。 「本、好きなの?」 そう言って手元の本に視線をやったりもした。 (20) 2022/02/13(Sun) 16:57:03 |
【人】 患者 アンネロズ どうしてかって? だって、彼の表情はどこか翳っていて。 息苦しそうな気さえ、してしまったのよ。 自由に演奏しているというより どこか型にはめられて窮屈そう。 そんな素人の意見がどこまで正しかったのか 知る機会はあったかしら? (22) 2022/02/13(Sun) 17:49:29 |
【人】 患者 アンネロズ*** [ あたたかな陽の光が照らすその場所で 私と彼は出会ったの。 眩し気に目を細めて、ベンチに腰かけている私と 礼装姿の貴方の出会い。それはただの偶然? ] (23) 2022/02/13(Sun) 17:50:33 |
【人】 患者 アンネロズ[ ふわり、とゆるく口角を上げて。 日焼けしていない白い頬は 少し不健康そうに見えてしまったかしら。 実際、不健康だからここにいるのだけれど。 礼装の彼とは対照的に私の服は病衣。 運命の出会い、というにはあんまりいい恰好は してなかったかもしれないけれど 服装を気にするのも今更よね。 ] (25) 2022/02/13(Sun) 17:52:35 |
【人】 患者 アンネロズ本は……好きよ。 ……ううん、 好きってことにしてる の。あんまりすることなくて。 退屈だから読んでる。 [ 手元の本に視線が移れば 題名が見えるように表紙を見せて。 代わり映えしない日々に退屈してたものだから つい、言わなくてもいいことまで 口走ってしまった私は、右手の指先を唇に当てた。 ] (26) 2022/02/13(Sun) 17:54:05 |
【人】 患者 アンネロズあ、これはひみつ、ね。 皆には本好きのアンネだと思われてるから。 名乗ってなかったわよね。 私はアンネロズ。 アンネって呼んでもらえたら嬉しいな。 (27) 2022/02/13(Sun) 17:54:36 |
【人】 ピアニスト イングラハム病院が慈善活動の溜まり場にされたとして 命懸けで戦う患者からすればいい迷惑だろうに。 そんな承認欲求のために患者を利用する気分は 当然、いいものとは到底思えない。 (28) 2022/02/13(Sun) 18:33:33 |
【人】 ピアニスト イングラハム*** その出会いは、冷えた心には心地いい。 いい天気だという彼女に同意を示し、 隣へと腰かければ見えぬ物も見えてくる。 太陽を知らぬ純白は外界との距離を感じさせ、 その程度は知らずとも、病院にいる理由が 私にもなんとなく分かる程だった。 (29) 2022/02/13(Sun) 18:34:04 |
【人】 ピアニスト イングラハム「退屈、か。」 正直、驚きはしなかった。 少し考えれば想像がつく話なのだから。 それでもってこの事は 周知の事実というわけでもないらしい。 脳裏に浮かぶ「同情」の二文字は ぐっと脳の奥深くへと押しやった。 「その本は僕も見た事がある。 確か本屋でも最近見かけたやつだよね。」 面白いの?そう聞かない理由は、 彼女の言葉がその答えだ。>>26 (30) 2022/02/13(Sun) 18:36:46 |
【人】 ピアニスト イングラハム幸か不幸か、彼女を知らない私は 彼女が造り上げたフィルターが効かない。 本好きのアンネと聞いて首を傾げたのは 言うまでもないこと。>>27 「あぁ、ごめん。最初に名乗るべきだった。 僕はエドワード・イングラハム。 よろしくね、アンネ。」 間違えていた順序を正すと 私は彼女に倣うように自身の名を名乗る。 (31) 2022/02/13(Sun) 18:38:58 |
【人】 患者 アンネロズ[ 慈善が集まることが悪いとは思わないし 音楽だったり人の優しさは患者にとって 勇気にもなりうる。 毒にも、なりうるけど。 私は、同情が入り混じった慈善は 毒だと思っているから 全部を受け入れることは出来ないの。 だからかもね。 全ては見えなくとも横顔だったり纏う雰囲気が 窮屈そうにみえた貴方は多少なりとも 頭の片隅に残り続けていたの。 ] (32) 2022/02/13(Sun) 21:11:57 |
【人】 患者 アンネロズ[ 本好きだ、なんてフィルターを通していないから 本好きのアンネ、なんて言われたら 首を傾げるのも当たり前よね。 そんな様子がおかしくて少し笑っちゃったわ。 ] こちらこそよろしく、エドワード。 [ 名前、全く知らないわけではなかったの。 だって、奏者の名前は コンサートの張り紙で見たもの。 知ってたとしても、本人から直接聞くのが 礼儀かなって私は思うから。 それに、彼が何もフィルターを通さずに 私の事を見ているように 私だって、彼を奏者というフィルターには 通したくなかったのよ。 ] (34) 2022/02/13(Sun) 21:14:47 |
【人】 ピアニスト イングラハム*** 分かるよ、と共感を示すべきか? 生憎と消毒薬に満ちた病室の虚無感を 私は知らなければ、知ることも無い。 私が知っていることはただひとつ、 共感こそ毒に他ならないことのみだ。>>32 毒を毒に思わせない器用さがあれば 少しはマシなことも言えたかもしれないが。 「確か、恋愛小説だったっけ。 僕も詳しくは知らないんだけどね。」 表紙とタイトルからの予測だったから その辺はあまり自信がなく答えてしまった。 それなら読んでみようかなって そう思う理由は、秘密だ。 (35) 2022/02/13(Sun) 22:27:23 |
【人】 ピアニスト イングラハム恐らく他者とアンネの間にとって 本好きというのは演劇の役であって それでいて私とアンネの間に演目はない。 笑うアンネの姿に尚更首が傾くばかり。 それから思いついたように目を見開いて 「せっかくだし、エドって呼んでもいいよ。 僕と仲のいい人は皆そう呼ぶんだ。」 彼女が私にアンネと呼ぶことを望むなら それと同等のことを望んでいたい。 そんなわがままを伝えてみせただろう。 (36) 2022/02/13(Sun) 22:28:23 |
【人】 患者 アンネロズ*** [ それから後、両親には出会った彼のことを 軽く話して、次また来てくれた時のために チョコレートを用意したい、なんて わがままを言ったりもしたわ。 それくらいなら、って喜んで両親は 私のわがままを叶えてくれた。 お友達と仲良くね、って両親に言われて 頬が緩んでしまったのは彼には内緒。 ] (38) 2022/02/14(Mon) 0:38:59 |
【人】 患者 アンネロズ[ さて、冷蔵庫の中のチョコレートが 貴方の目に触れるのはいつだったかしら。 私の病室に貴方が訪ねてきてくれたなら 笑顔で出迎えて、座って?って 椅子を指し示しながら、冷蔵庫からチョコを出した。 貴方が来るときのために用意してたの、 って少しだけ得意げにね。 ] (39) 2022/02/14(Mon) 0:39:44 |
【人】 患者 アンネロズ来てくれてありがとう。 お話の続きをしましょう? [ 貴方と向かい合うようにベッドに腰掛けて 話し始めることにするの。 そうね、この前の本は読み終わったとか そんな話を最初にすることになるかしら? 前は貴方の事を聞いて終わったから 私の事を聞かれるのなら、 病気のこと以外なら 何でも答えるつもりよ。 ]* (40) 2022/02/14(Mon) 0:40:20 |
【人】 ピアニスト イングラハム仲間入り。言い得て妙な話だ。>>37 こちらの意図を丁寧に読み解く姿に 私は驚きを隠すことが出来なくて。 「そういうことになるね。 正しくは、仲良くなりたいと思うくらい 君に興味を惹かれてるってところかな。」 そういう意味では仲良しの人よりも 特別なのかもしれないね、と。 楽しげに笑っているアンネに私は告げる。 (41) 2022/02/14(Mon) 3:02:01 |
【人】 ピアニスト イングラハム*** 私が彼女に会いに行った回数など 両手両足の指を足しても及ばない。 彼女の両親に会うことがあったのなら プロの演奏家らしく礼儀正しく振舞っただろう。 しかし彼女の前とあっては私も流石に気が緩む。 見舞いに来る度に彼女に何を話そうか 次第に考えることが楽しみになっていた。 (42) 2022/02/14(Mon) 4:36:12 |
【人】 ピアニスト イングラハムいつの日だったか。 お見舞いにと持ってきていた果物を 冷蔵庫へとしまおうとした時に 私はそのチョコレートを見つけた。 「これは?」と尋ねてみれば どこか得意げにチョコを準備するアンネがいて 私は嬉しさのあまり思わず笑ってしまったのは 今でも記憶に新しい。 (43) 2022/02/14(Mon) 4:38:50 |
【人】 ピアニスト イングラハム「ふふ、僕のためにか。 それなら今度から紅茶を持ってこよう。 アンネが紅茶が苦手なら他のお茶でもいい。」 優しさと気遣いに何も添える物がないのは すこしばかり寂しい気もするからと その日を境に見舞いは小さなお茶会へと変わる。 (44) 2022/02/14(Mon) 4:40:34 |
【人】 ピアニスト イングラハム重ねられるお茶会の時間。 アンネが楽しそうに聞いてくれるから 最初はほとんど私の話ばかりだった。 もちろん彼女の事を聞こうとしていても なんだかんだで自分の話をして時間切れだ。 またいつものように迎えてくれるアンネに 私は微笑みかけて、あの時の本の話を始めると 読み終わったと彼女が言っていたものだから。 (45) 2022/02/14(Mon) 4:41:55 |
【人】 ピアニスト イングラハム「本の見所を聞いてもいいかい? 本の内容は流石に聞けないけど... 君がどんな場面が好きだったか、 君が見たままで聞いてみたいんだ。」 本を読む前に聞くのはタブーだったかな、と アンネのリアクション次第では今のは無しと 取り下げることになるだろうが。 頭にチラつくのは病気のこと だかその話題は繊細なもので こちらから聞くことは、本来許されない。 (46) 2022/02/14(Mon) 4:42:21 |
【人】 ピアニスト イングラハム好きな食べ物のことなど アンネに聞かれたことはお返しにと 聞き返すことがほとんどだった。 後は...そうだね。 どんな演奏を聞いてみたい?とか どんな場所に行ってみたい?とか 話はどんどん病院の外のことへと 渡り歩いていくことになっただろう。 (47) 2022/02/14(Mon) 4:43:48 |
【人】 患者 アンネロズ[ いつでも、私はエドの話を楽しそうに聞いていた。 だって、楽しいんだもの。 自分の話をしたくないわけではなかったけれど 話したくないことが一つある私と 聞いたことに応えてくれる貴方では 自分のことを話す時間に差が出るのは自然なこと。 本を読み終わった話をすれば返ってくるのは 見どころが知りたいという質問がきた。 ] (52) 2022/02/14(Mon) 11:08:06 |
【人】 患者 アンネロズ見所…そうね。 主人公の女の子が周りのことも自分のことも いつでも信じていられる強い心を持っているのは いいな、って思うの。 私は、そんなに強くないから。 主人公は私のためにしてることだから、って 好きな男の子を助けているから 男の子がそれを断れない場面も好きよ。 (53) 2022/02/14(Mon) 11:08:41 |
【人】 患者 アンネロズ[ 内容に触れすぎると楽しみが減るから 少し難しい質問だとは思ったけれど タブーだとは思わなかった。 口元に手を当てて少し考えてから 伝えたことが貴方の楽しみを奪うことに なっていなければいいな、と思いながら答えたの。 貴方の反応を聞いてから本を渡して、 読み終わったら感想をぜひ聞かせてね なんて笑って言うのよ。 ] (54) 2022/02/14(Mon) 11:09:48 |
【人】 患者 アンネロズ[ 楽しい時間を重ねていくたびに 自分が病気のことを秘密にしているのが 苦しくて、胸が痛くなってくる。 本当にその人を大切に想うなら きっと言わなければならないこと。 でも、私は言えなかった。 ] (55) 2022/02/14(Mon) 11:10:14 |
【人】 患者 アンネロズ[ 好きな食べ物はリンゴのタルトだったり、甘い物。 でも、食べ過ぎるとよくないから そんなには食べてない。後は魚より肉が好きとかね。 変わった好みではないし ありきたりな答えだったかもしれないわね。 どんな演奏を聴きたいかって言われたら 貴方の演奏、って返してしまったから 少し困らせてしまったかしら? どんな、とは違うものね。 ] 貴方が自由に演奏しているのを聴きたいの。 行ってみたい場所は……海、かな。 砂浜を走り回ったり泳いだりしたいわ。 [ 貴方の心の赴くままに演奏している姿が見たいと。 そう言う意味で言えば納得してもらえたかな。 行きたい場所は叶わない夢を乗せて伝える。 激しい運動は、今はもう出来ないから。 でも、夢見るだけなら私にも許されると思うの。 ] (56) 2022/02/14(Mon) 11:14:00 |
【人】 ピアニスト イングラハム*** 彼女の両親の前でやけに緊張したのは はて、何故だったんだか。 好意的に接してくれる彼女の両親の言葉は 迷惑かという私の懸念を打ち消してくれた。 なんとなく血の繋がりを感じたりもして、>>49 不思議とあの日食べたチョコレートに 心満たされたことも記憶に在った。 (57) 2022/02/14(Mon) 23:40:15 |
【人】 ピアニスト イングラハム (58) 2022/02/14(Mon) 23:41:05 |
【人】 ピアニスト イングラハム重ねられるお茶会の時間の最中 語られる本の見所に私は耳を傾ける。 核心に触れずに見所を教えてほしいなんて 我ながらとんでもないわがままだとは思う。>>54 答えてもらえば考えるように指先を顎に当てて 「強い心、か。 我の強ゆえの優しさなんだとしたら 二人は最後に幸せになりそうだね。」 そんな感想の口にすることになるだろう。 (59) 2022/02/14(Mon) 23:43:26 |
【人】 ピアニスト イングラハムそう呟くとすぐにはっとして。 「ごめん、知ったようなこと言って。 気にすることじゃないって言いたかったんだ。 .......この本、読んだらちゃんと返すから。」 誤魔化すように笑って彼女から本を受け取ると。 いつか求めた未来の予定を口にすることになった。 (60) 2022/02/14(Mon) 23:49:17 |
【人】 ピアニスト イングラハムありきたりな答えであっても 私にとってはダイヤのように貴重な資源 期待はずれなどありえない。>>56 しかし彼女の考えていた通り 「貴方の演奏」と言われれば戸惑いを 隠さずにはいれられなかったのも事実。 イメージが浮かばずに困っていると その答えを彼女はくれる。 それは私にとっては理想の演奏の形で それもまた彼女に惹かれた理由だ。 (61) 2022/02/14(Mon) 23:52:18 |
【人】 患者 アンネロズ[ きょとんとしていたら、 貴方は誤魔化すように笑った。 聞いた方がよかったのかもしれないわね。 貴方のどこか強くないのか。 でも、それを聞いてしまえば 私達が越えずにいる最後の線を 越えることになりそうで、言えなかったの。 ] ううん、エドは優しいわね。 それに、貴方と同じならいいかもって思えるの。 返しに来てくれるの、待ってるね。 [ また一つ、会う約束を重ねて。 願っていた通りにそれが叶うことが嬉しかった。 ] (62) 2022/02/15(Tue) 2:12:12 |
【人】 患者 アンネロズ*** [ いつのことだったかしら。 私は長い事入院しているけれど 病院から全く出られないわけではないのよ。 身体の調子がいいって検査でわかれば 外出だってできるのよ。 そう、私が外出できるかもしれないと 貴方に伝えた日が、確かにあったのよ。 外に出てもいい日が久々に訪れるとして、 叶うなら、貴方のコンサートに行きたいなって。 私は、そう考えたものだから。 ] (64) 2022/02/15(Tue) 2:21:49 |
【人】 患者 アンネロズねぇ、聞いて、エド。 いい知らせがあるのよ! [ なんて上機嫌でそのことを告げたの。 貴方が前に約束してくれた、 演奏を聴かせてくれるって話が叶うかも、なんて。 海にだって、いけるかもしれないわ。 その時の私はそう思っていたの。 ]* (65) 2022/02/15(Tue) 2:22:27 |
【人】 ピアニスト イングラハム*** 私の言った意味を知ってか知らずか 呆気に取られたような彼女の表情は 少しばかり怖くも思える。 引いた国境を踏み越えるような不安は 相手を想えば想う程花瓶になるのだから。 「それなら良かった。 あぁ、必ず、返しに来るよ。」 必ず、と口にしたからには返しに来るのも 当然早くなるもので。余す時間の全てを 読書に注いだのは言うまでもないこと。 (66) 2022/02/15(Tue) 8:25:24 |
【人】 ピアニスト イングラハム*** 君一人のためだけに僕の音色を届けましょう。 そんな想いは運命の因果を掛け合わせて 結果、彼女の優しさに甘える形に収まる。 叶うかも分からない約束を交わせば それは私自身の生きる糧ともなっていった。 課題にも観衆にも民俗にも縛られない そんな自由を彼女の為に使えるのなら...。 未来を夢見ていたのは、お相子というわけだ。 (67) 2022/02/15(Tue) 8:32:04 |
【人】 ピアニスト イングラハム*** 彼女の助けになろうと躍起になったものの 実際、私は私で彼女に救われた。 それは譜面に音符のインクが滴るように 彼女との約束は私の演奏への意欲を この上ないほどに高めてくれていたから。 両親がからかうように 「何かいいことでもあった?」などと言うので やめてくれと不満を顕にすることもあったが。 (68) 2022/02/15(Tue) 8:55:32 |
【人】 ピアニスト イングラハム新たに予定表に書き込まれる日課 学校と演奏の練習以外には何よりも優先される 病院への見舞いというイベント。 それまではアンネが病室から出られる日がある なんて思ってもみなかったから。 アンネからそれを聞いた時は分かりやすく 喜びの表情を浮かべることになっただろう。>>64 受付で看護婦が微笑ましげに ニヤついていた理由が、その時初めて分かった。 (69) 2022/02/15(Tue) 8:56:12 |
【人】 ピアニスト イングラハム「本当か!?」 外出の許可が降りたということは 回復も近いのだと私は勝手に解釈して 病室には相応しくないくらい声を張り上げる。 それからこほんと咳払いをして 頑張ったんだね、などとアンネを労うと 「なら、その日は必ず予定を空けるよ。 僕にとっては君が一番大事だから。」 そう、意気込んでみせるのだった。 その心臓の奥底に、大きな決意を秘めて。 (70) 2022/02/15(Tue) 8:57:48 |
【人】 患者 アンネロズ*** [ ボランティアとして病院に来たことがあって 多少なりとも顔が知られている彼が 病院へと見舞いに来ているというのは 私を知る看護婦さんたちも知っていること。 ちゃんと私から言うから秘密ね、って 口止めはしておいたはずなのに! ニヤついていたなんて貴方から聞けたなら 貴方が見ていない所でこっそりと 文句を言いに行ったと思うわ? ] (72) 2022/02/15(Tue) 12:17:42 |
【人】 患者 アンネロズふふ、本当よ! 最近は調子がいいから もしかして、って自分でも思っていたの。 [ 労いの言葉には嬉しそうにしつつ、>>70 貴方が予想以上に喜んでくれたから くすくす笑いながら、付け加えた言葉。 回復が近いようにも聞こえるそれは きっとあなたの勘違いを招いてしまったのでしょう。 調子がいいのは回復が近いから ではなくて 神様がくれた最後のチャンスだった …なんて 当の本人ですら予想してなかったのだから その解釈を責めることなんて 誰にもできはしないのよ。 ] 私達同じこと考えてたのね。 私も、外出できるって聞いた時 真っ先にあなたを思い浮かべたのよ? (73) 2022/02/15(Tue) 12:21:03 |
【人】 患者 アンネロズ*** [ 約束をした日が迫ってきたある日。 その日は、お母さんが見繕ってきてくれた 服を試しに着ていたの。 黒を基調にした裾にフリルのついたワンピース。 胸元にリボンがついていて、それを後は結ぶだけ。 そんなときに病室のドアが開いたの。 訪ねてきた人が貴方だと分かった時は それはもう、びっくりしたわ。 だって今日は来ないと思っていたんだもの。 ] エド……!? な、なんで、っ……。 (74) 2022/02/15(Tue) 12:24:46 |
【人】 患者 アンネロズ[ いつもの病衣姿じゃないことに 気づかないわけ、ないわよね。 貴方との約束の日に着ようと思っていて 当日までのお楽しみにしたかったのに。 予定外の訪問で貴方に見られてしまって。 少しだけ唇を尖らせて拗ねたように、 ] ……この服のことは当日まで 秘密にしようと思ってたのに。 [ なんて言って、ふい、と目をそらした。 ] (75) 2022/02/15(Tue) 12:25:51 |
【人】 ピアニスト イングラハム*** あの日は確かたまたま近くで公演があって せっかくだからと病院に足を運んでいた。 観客から頂いたフルーツのおすそ分けという 我ながら取ってつけたような理由を添えて。 とはいえ急な来客だったものだから 迷惑でないか、と病院の看護婦に 再三確認を取ったわけで。 とんとん、というノックと共に 彼女が許可をくれれば病室にその顔を 覗かせるのだったが。>>74 私が驚きのあまり口をポカンと空けたその顔は まさにマヌケと呼べるような情けないものだった。 (76) 2022/02/15(Tue) 21:27:27 |
【人】 ピアニスト イングラハムサプライズドッキリにしては あまりにも空気が読めてなかったらしい。 アンネがどうして不服げなのか すぐに察した私はというと 「あ、いや、ご、ごめん。 一言連絡をするべきだった。 その......僕は、間が悪いな。 」思わず頭を下げると慌てて病室の外へと 出ようとする。 しかし目を逸らすアンネを前にして そのままトンズラをこくという訳にもいかず ただ反省の色を浮かべることしか出来なかった。 (77) 2022/02/15(Tue) 21:29:02 |
【人】 ピアニスト イングラハム*** アンネとの約束の日。 私は朝から落ち着かない気持ちでいた。 演奏の練習も全てキャンセルして 彼女に会うためだけに身嗜みに普段以上に 気を遣ってみせたりもして。 彼女の可愛らしい姿を思い出して 少しでもそれに釣り合うようになりたかったから。 この後何を予定しているかは 傍から見ればすぐに分かってしまうほど 私はずっと浮き足立っていた。 まるで、何も知らない呑気な子供のように。 (78) 2022/02/15(Tue) 21:34:03 |
【人】 ピアニスト イングラハム病院から一番近いところにある海 付近の公民館をわざわざ無理を言って借りて 夢を叶えようとこの日の準備を重ねてきた。 彼女はどう喜んでくれるだろうか。 そんな期待に胸をふくらませて。 私は病院へと向かって歩き始める。 「お昼頃にそっちへ迎えに行くよ」と そんな連絡をひとつ残して。 私は彼女に、会いに行くのだった。* (79) 2022/02/15(Tue) 21:35:14 |
【人】 患者 アンネロズ*** [ エドとの約束の日。 私は朝からずっとそわそわしていたわ。 いいえ、前の日の夜から、ずっと。 綺麗に髪を梳かして いつもはしないお化粧だってして 褒めてもらった服を着て。 貴方の演奏が聞ける って、子供のようにはしゃいで待っていたの。 ] (82) 2022/02/15(Tue) 23:19:47 |
【人】 患者 アンネロズ[ 貴方から連絡を貰った後、 私は窓の方に立って、貴方が来るのが見えないかと ずっと景色を眺めてたの。 舞い上がってた気持ちは、胸の痛みに邪魔される。 ] いっ……いた、い……。 [ 昨日まで、私の体調は安定していたし 今日だって、大丈夫だろうと言われたから この日をずっと待っていたのに。 嫌だ、嫌だ、約束があるのに。 立っていられなくなって、胸を抑えながら倒れ込む。 近くで待っていた両親が慌てて ナースコールで医師を呼んだ。 ] (84) 2022/02/15(Tue) 23:22:42 |
【人】 患者 アンネロズ[ エドとの約束を破りたくない嫌だ、 そんなふうに心が叫ぶ一方で。 死が迫っているのを感じたの。 死にたくない、って強く思う。 ] (85) 2022/02/15(Tue) 23:23:15 |
【人】 患者 アンネロズ[ きっとそれは音にはならなかった。 最後に名前を呼ぶことさえかなわず。 苦しくて、目をつぶれば、脳裏に浮かぶのは貴方の顔。 会いたいな……。 それが叶わないとどこかで思ってしまったのは 死期を、悟ってしまったから。 自分の身体のことは自分が一番わかる。 そんな言葉の意味を死ぬ直前で知ることになるなんて。 私は薄れゆく意識の中で、 遅すぎる 後悔 をしていた。 貴方に病気のことを伝えればよかった。 貴方にもっと我儘を言えばよかった。 ] (86) 2022/02/15(Tue) 23:25:26 |
【人】 患者 アンネロズ[ 後悔なんてしてもすべてが遅い。 ねぇ、エド。 もし、私が秘密を抱えず、 全部貴方に打ち明けていたのなら。 何かが変わっていたのかしら。 私には、わからないの……。 ] (87) 2022/02/15(Tue) 23:27:48 |
【人】 患者 アンネロズ[ 私が意識を失った後も 医師は処置を続けてくれていたけれど。 貴方が病院にたどり着く前に 私の心臓は止まってしまった。 ] (88) 2022/02/15(Tue) 23:28:20 |
【人】 患者 アンネロズ *** [ 貴方が到着したとき。 私は病室のベッドの上で永遠の眠りに落ちていた。 何が起こったのか、空気でわかったかもしれない。 わかっていてもいなくても、 私の父が、震える声で娘の死を伝えたはず。 母はずっと泣いていた。 でも、貴方に気づいたなら ] 「 ごめんなさい…もっと早く、言えば…。 」 [ そんなことをずっと、繰り返したでしょう。 両親は私が貴方に病気のことを伝えていないと 知っていたし、伝えるべきか悩んでいた。 でも、娘の意思を尊重して、 自分の言葉で伝えるのを待っていたのだ、と。 そんな説明を聞いたら、貴方はどう思ったのかしら。 説明すら、聞く余裕もなかったかしら。 ] (90) 2022/02/15(Tue) 23:30:05 |
【人】 患者 アンネロズ[ 私の両親は娘を喪った悲しみに暮れながらも 貴方のことを、ずっと心配していたはずよ。 私の想い人だと、知っていて。 もう付き合っているとすら思っていたはずだから。 そして、どこかのタイミングで 貴方にこう告げるの。 ] 「 今まで沢山気にかけてくれてありがとう。 アンネのことは、もう忘れていいのよ。 」 [ それは、両親の気遣いだった。 でも……。それが貴方にとって 果たして、慰めになったのかしら、ね。 ]* (91) 2022/02/15(Tue) 23:32:36 |
【人】 ピアニスト イングラハム部屋を後にして数分。 誰もいない部屋の隅の棚 飾っていたピアノの写真が 棚から落ちて砕け散った。 砕け散るガラス片が何の予兆なのか 私は取り返しがつかなくなった頃に思い知る。 それが全ての終わり。 (92) 2022/02/16(Wed) 2:19:25 |
【人】 ピアニスト イングラハム*** 病院に辿り着けばもう一度アンネに連絡を送る。 この前は急で驚かせてしまったから 今度はそうならないようにと気をつけた結果だ。 しかし、送った連絡に返事が来ることはなく。 私は少しだけ心配になりながら院内へと その足を踏み入れることとなった。 (94) 2022/02/16(Wed) 2:21:01 |
【人】 ピアニスト イングラハムやけに重苦しい空気が満ちる。 汗を垂らし走り回る医者に まるでお通夜のように顔を淀ませる看護婦 穏やかな空気じゃないのは確かだ それはまるで、誰かが亡くなったかのようで。 けれどそれが誰なのか、私には見当もつかずに。 (95) 2022/02/16(Wed) 2:21:43 |
【人】 ピアニスト イングラハム「えっと、すみません。 アンネロズさんと面会を お願いしたいんですが......。」 そう受付の看護婦にいつものように声をかける。 けれど看護婦はいつものようには答えてくれず 何かを隠すように口ごもっていて。 その理由を知った時、私は息を飲んでしまった。 (96) 2022/02/16(Wed) 2:22:22 |
【人】 ピアニスト イングラハム本当の絶望を目の前にすると 人は怯えることすら出来ないのだと 私は最悪の形で学びを得る。 アンネの訃報の引き換えに得たのは 知りたくもない人間の真理と、消えない傷。 けれど、彼女はそんなこと一言も言ってなかった。 いつか自分が死ぬかもしれないなんて 彼女は一言だって言ってはいなかったはずなのに。 彼女はきっと、回復の途中だと思っていたのに。 (98) 2022/02/16(Wed) 2:23:48 |
【人】 ピアニスト イングラハム現実を受け入れられなくて怒るのでも 現実を受け入れて哀しむのでもなく まだこれが現実だという自覚すら持たず。 私はただ鉛のように重い身体を引きずって 彼女がいつも出迎えてくれた病室を目指した。 (100) 2022/02/16(Wed) 2:25:17 |
【人】 ピアニスト イングラハムくらりと意識が飛びそうになる。 血管が悲鳴をあげるように 血液までパニックを起こしかけた身体を 無理矢理奮い立たせると 病室にいた者たちの視線が私へと集まって 私に気づいた彼女の両親が その全てを、教えてくれた。>>90 こちらへ謝罪をする彼女の両親は 私よりも深く哀しむことになるのだろうに 最後まで他者を気遣うその心に 私は彼女の面影を辿らずにはいられない。 (102) 2022/02/16(Wed) 2:30:27 |
【人】 ピアニスト イングラハム今ここで泣き叫ぶことだって出来た。 それをしなかったのは 人徳者 の前で私がそんなことをするわけはいかないからで そんな私に追い討ちをかけるように 忘れていい。>>91 そんな言葉が心臓を抉る。彼女の両親の気遣いだということは 痛いほど伝わってきた。 それに憤る資格など私にはないということも 十分に分かっていた。 (103) 2022/02/16(Wed) 2:31:43 |
【人】 ピアニスト イングラハム「すみません。少しだけ... 彼女と二人にさせてもらえませんか。 彼女に...ちゃんと別れを、告げたいんです。」 (104) 2022/02/16(Wed) 2:32:18 |
【人】 ピアニスト イングラハム赤の他人の私が言えたことではない しかしこれまでの事を好意的に見てくれた 彼女の両親は私の願いを聞き入れてくれて 部屋に残ったのは 取り残されてしまった私と 逝ってしまったアンネの亡骸だけとなった。 (105) 2022/02/16(Wed) 2:32:54 |
【人】 イングラハム*** アンネに別れを告げて病室を出ると 外で待っていてくれた彼女の両親に 「ありがとうございました。 」 そう深々と礼をして私はその場を後にする。 向かう先は病院の玄関出口...ではなく 誰も通らないような外付けの非常階段で。 (106) 2022/02/16(Wed) 3:31:25 |
【人】 イングラハムアンネロズを失った痛みが魂を引き裂く。 壁へとぶつかる怒りの数だけ 引き裂かれた魂が更にバラバラに崩れていく。 粉々に砕け散る魂が今更どの面を下げて 彼女を愛しているなどと言えようものか。 (110) 2022/02/16(Wed) 3:38:25 |
【人】 イングラハムゴン、ゴン、と不細工な音を奏でる度に 耐えかねた拳からは流血が零れ落ちていく。 あぁ、痛くない。痛くないよ。 君が背負った痛みや、君を失った痛みに比べたら。 すると胸ポケットから何かが 血溜まりの上に落ちていった。 (111) 2022/02/16(Wed) 3:40:04 |
【人】 イングラハムそれはチョコレート。 アンネが私の為に用意してくれた 甘くて美味しい、私の一番好きな食べ物。 包みから落ちて血と砂で汚れたチョコレートを 拾い上げて、それを口へと放り込むと 甘くて蕩ける想い出の味を ざりざりとした鉄の味が邪魔をする。 (112) 2022/02/16(Wed) 3:41:58 |
(n5) 2022/02/16(Wed) 3:46:34 |
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