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【人】 会社員 雷恩[毎日公園で一日を過ごさざるを得ない少女が 動物園に行ったことがないことを、 テレビや図鑑でライオンを見たことがないということを 少年は考えもしなかった。 多くの人にとって「らいおん」は「ライオン」であり、 「らいおん」が「雷恩」であると素直に 受け容れられたのはもしかすると初めてだったかもしれないのに。 もしそうだと知っていたなら、 彼女は自分にとってもっと「特別」だっただろうか。 ――過ぎてからのたらればに何も意味はないけれど。] (1) 2024/05/07(Tue) 10:39:46 |
【人】 会社員 雷恩[春を越え夏を走り秋を飛んで冬が終わるのを待ち、 公園で始まった友情を続けていくには 片方の気持ちだけでは弱すぎた。 公園以外の生活が違い過ぎた二人が「もっと大きくなるまで」 共にあれた方法は、実際に大人になった今考えても 思いつかないだろう。 少女が性を切り売りして生きて来た年月、 少年は大した苦労もしないまま育ち、 今も「夜営業メインのカフェ」の存在を知らない。 従業員のプロフィールが乗っているHPを探すのに どんな検索ワードを用いるのかすら。] (2) 2024/05/07(Tue) 10:40:22 |
【人】 会社員 雷恩なんだそれ。 釘刺してんの? [ストーカー被害は身近ではないが 目の前の彼女は可愛いから、そういうこともあるのだろうと 疑っていない。 彼女が食べきれたりんごの甘さが 10年以上身体を蝕んで煮詰まっていったことを知らず、 能天気にも「偶然の再会」に少しドキドキしたりなんかもして。] (3) 2024/05/07(Tue) 10:40:57 |
【人】 会社員 雷恩[手を引く彼女の足取りが、慣れない靴で転んで挫いたにしては 滑らかなことに引っかかりを覚えたのは一瞬。 追われる可哀想な子を護る役目に酔った愚かな男は 地上10階まで運ばれる。 男を溶かす角部屋は、どう見ても若い女の子の趣味を集めた色。] お構いなくって言いたいとこだけど、 飲み物ある方が話はしやすいか。 あ、保冷剤取ったからさ、プリンの箱だけ 冷蔵庫に預かって貰って良いかな。 [そこで勝手に冷蔵庫を開ける無礼さがあれば、 ピーコックブルーのビールがあることに気づいたかもしれない。 道中の話では、同じ銘柄を愛飲しているという反応が なかったものが。] (4) 2024/05/07(Tue) 10:41:25 |
【人】 会社員 雷恩今更だけど、俺らって何歳差なんだっけ? 最初に会った時はルミは小学生じゃなかったよな? あの頃は同じ小学校に通えるんだと思ってたけど。 [入学しても3年生まで通えなかったことを聞く機会は 当時は既になかった。 家庭環境が良くないだろうということは薄々感じていたから 私立の小学校を受験したのではないだろうとは思うが、 若くしてこんなに良い部屋に住めるのだから、 もしかして金だけはある実家なのかもしれない。 自分はあまりにルミのことを知らない。 昔は無知故に疑問を持たず、今は彼女の生い立ちについて 無遠慮に聞くのは憚られて。 道中でも聞けなかったことに、どこまで踏み込んで良いのか。 2人きりの空間に少し緊張しながら口を開いた。 緊張で乾いた喉は既にコーヒーを欲している。*] (5) 2024/05/07(Tue) 10:42:14 |
【人】 従業員 ルミ[ 過ぎ去った日々に特別を今更見出すことは叶わない。 そんな都合の良い魔法はないの。 片方の気持ちだけでは弱すぎるのなら。 忘れてしまえる程に脆いのなら。 あの時甘すぎて食べられなかったりんご飴みたいに、 飲み込めないくらいの傷をあげる。 ] (6) 2024/05/07(Tue) 12:50:07 |
【人】 従業員 ルミ[ 「さて、どうでしょう」と彼の言葉にまた笑った。>>3 釘を刺しているつもりは実際ない。 そのつもりが少しでもあるのならば、きっと、 彼は折衷案を出さず家に来てくれたはずだから。 ねえ、そうだよね? わたしだけの、お兄さん。 ] うん! 預かっておくね。 保冷剤、送ってもらうなら返せば良かったね。 ごめんね? [ そう言いながらプリンの箱を受け取り、冷蔵庫へ仕舞う。 保冷剤も一緒に冷やして、 中身が見えないように扉を閉めた。 一度だけ、同じ味を知りたいと思って飲んだ缶ビール。 苦くて舌が痛くなるような大人の味。 アイスを食べて笑った少年はもういないのに。 ] (7) 2024/05/07(Tue) 12:50:12 |
【人】 従業員 ルミ[ アイスかホットか好みを聞いて、コーヒーを淹れる。 紅茶やお茶も用意自体はあるのだけれど。 ──ああでも、この夜を飾るにはやっぱり、 味の濃いコーヒーがよく似合いそうだから。 ] ああ……そうだね。 初めてお兄さんと会った時は、小学生じゃなかったな。 五歳差。お兄さん、24でしょ? わたし19なの。 でも小学校は、三年生になるまで行ってないから。 [ だから結局同じところに通えなかったね、と笑う。 ──言ってから、しまった、と内心舌を打った。 彼が今何歳か知らない方が自然だったのに。 緊張しているのは此方も同じ。 気取られないようコーヒーを彼の前へ置いた。 ] (8) 2024/05/07(Tue) 12:50:17 |
【人】 従業員 ルミランドセルとか教科書、買ってくれなくて。 まあ友達いなかったり色々あったから、 結局その後もあんま通ってなかったんだけど…… あ、でも、高校はちゃんと卒業したよ! 通信制だけど、学費稼いで通い切ったんだ。 [ 幼い頃は無知ゆえに、彼を繋ぎとめる術を持たず 今はそもそも" 繋ぐ "糸すらあまりに薄い。 室内には年齢を考えれば不相応のブランド物が並ぶ。 売れば数百万は手元に入るだろう。 これで利用価値のある女だと思ってくれれば、 事は簡単に進むのに。 ] (9) 2024/05/07(Tue) 12:50:33 |
【赤】 従業員 ルミ[ 夜の街はなんでも手に入る。 結構苦労したんだよ、探すの。 人体に依存性や危険を与えない、危なくないお薬。 微量しか入れちゃいけないから 効き目はあっても効果時間は少ないだろうけど。 意識はあるのに体が思うように動かない、ってさ、 一体どんな感覚なんだろうね? ] (*1) 2024/05/07(Tue) 12:50:36 |
【赤】 従業員 ルミ[ ねえお兄さん。 わたしを簡単に捨ててしまえたお兄さん。 知らないよね。ずっと知らずに生きていく気だった? 貴方がわたしを忘れて公園から逃げて、 それでも恋人なんて作っちゃってさ。 情報が目に入る度に物、 吐き気に苛まれて蹲り続けたあの夜のことも。 わたしが一生望んでも手に入らない場所を手にして、 幸せそうに笑うあの女どもの顔を見るたびに ナイフで腕に刻んだ痛みの数も。 ] (*2) 2024/05/07(Tue) 12:50:40 |
【赤】 従業員 ルミ[ ──他の女に触れるたびに わたしが血を流していたことすら想像もしないで。 思わなくてもいいよ。 その分、わたしのこと、ずっと心に刻んでね。 今から──死んでもずっと、ずーっとね。 ] (*3) 2024/05/07(Tue) 12:51:40 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[経験していないことに対する危機感は薄い。 もういくら砂を藻掻こうとも無駄だということまでは気づかず。] (-2) 2024/05/07(Tue) 17:33:11 |
【人】 会社員 雷恩いや、家にお邪魔するなら保冷剤あったとしても 冷蔵庫借りた方が安心だから。 てか足には当てなくて大丈夫か? 転んで土ついてるかもだし、 先にあー、具合確認してくる? [洗って、と言いかけて辞めた。 シャワーに誘導していると思われたくない、 ズレた危機管理。 足を気にする素振りは、部屋に入ってから一度も 確認できていないのに。] (12) 2024/05/07(Tue) 17:33:59 |
【人】 会社員 雷恩[熱すぎるのは苦手だから、もしあれば牛乳か豆乳で割ってほしい。 いっそブラックを所望するならば、何かを混ぜた痕跡を目視 できるかもしれないが、自ら罠に掛かっていく。] なに。ルミの方は俺の歳知ってたんだ? 俺言ったっけな? ごめんなー、俺は覚えてなくて。 [自分の年齢を知られているのは恐らく自分が言ったからだろう。 記憶が薄い分、解釈の幅を広げて。] (13) 2024/05/07(Tue) 17:34:34 |
【人】 会社員 雷恩すげーな。 頑張ったんだな。 ルミが大きくなった姿に会えたの、 奇跡なんじゃないかって思うよ。 [親のすね齧りで大学まで行った自分が恥ずかしいが その自虐は口にすると却ってルミの「そんなことないよ」待ちに なる気がして、それこそ恥ずかしいから言わない。 ルミの頑張りがどのような手段で行われたものであっても、 頑張った事実自体を賞賛して、コーヒーに口をつけた。] (15) 2024/05/07(Tue) 17:35:49 |
【人】 会社員 雷恩[ルミにずっと寄り添えなかったことに対する罪悪感はあれど、 明確に「逃げた」つもりはなく、単なる成長に伴う フェードアウト感覚の男には、そこまでの執着心が理解できない。] で、学費まで稼げるくらい頑張り屋のルミが 「心細く」なることって、何があったんだ? [コーヒーに何か入れられたことには気づかないまま、 アイスではないからすぐに飲み干せはしないが 確実に体内に取り込んでいく。 室内に置いてある高そうなアレソレの入手方法は 恰好や部屋のグレードからも推測できる。 その金の出所ではなく、大して金も持っていそうにない 普通の男に出来ることは、話を聞くことぐらいかもしれない。 座ったソファは柔らかいのに、 まるで喰われそうな感覚になるから、 話を一通り聞いたら暇を申し出る心算ではあるけれど。*] (16) 2024/05/07(Tue) 17:36:38 |
【人】 従業員 ルミ[ 無垢な少女とは掛け離れた打算の色。 人畜無害な顔して笑う絡新婦のように毒を纏って、 美しい色彩を帯びて咲く花々のように棘を隠して。 女はにこ、と絶えず笑う。 ] ……ううん! まず先に飲み物とか用意しちゃうね。 お兄さん、明日も用事あるんでしょ? 長引かせるのも申し訳ないからさ。 [ 暗に長く拘束する気はないという意図を手渡し、 獲物を捕らえるための糸を張る。 家の中に誘い込んでしまえばこちらのもの。 足なんて今更丁寧に怪我の虚飾を飾る必要もない。 熱すぎないよう温度へ気を配り、 ミルクと──" お砂糖 "を混ぜて差し出した。 悪意なんて微塵もない振る舞いと声音。 ] (17) 2024/05/07(Tue) 19:06:27 |
【人】 従業員 ルミ…あはは、お兄さん忘れちゃったの? 昔教えてくれたのに。 わたしのこと忘れちゃうなんてひどいなぁ。 [ ──勝手に解釈してくれて助かった。 植え付けられた偽りの記憶に乗っかって、 努めて明るく、冗談めかして拗ねてみせる。 わたしはお兄さんのことを忘れられなかったのに。 忘れようと思わずとも、記憶から消してしまえたのか。 ────分かってる。 所詮これは名前も無いNPCの馬鹿みたいな妄執。 頭と理性では分かってて、でも、引き下がれない。 だから今、二人はここにいるんだもの。 ] (18) 2024/05/07(Tue) 19:06:46 |
【人】 従業員 ルミ……他の大人とか、学校とか、どうでもいいよ。 " かわいそう "だから助けるんでしょう? 一緒にいてくれないなら、 途中で役目はおしまいって消えちゃうなら、 かわいそうじゃないわたしを見てくれないなら、 最初からそんなのいらない。 [ 水底の澱みの様にまっくらな声だった。 彼の言葉や感覚はきっと、社会人として真っ当で 絶対的な大人の意見だ。 欲しいのはそんな遠巻きな距離と温度じゃないのに。 ここにあって当然なのは、その関係でしかない。 会わずに重ねた何十回の夜が あの頃の楽しかった毎日を冷やしていく。 小さいまま、小さかった頃のまま大きくなりたかった。 胸になにかが込み上げてくる。 今すぐに痛みでこの感傷を流してしまいたいような、 ] (19) 2024/05/07(Tue) 19:07:05 |
【人】 従業員 ルミ────うん。 ルミ、頑張ったよ。お兄さん。 [ ああ、でも。 死にたくなるような痛みを与えるのが彼ならば、 生きたくなるような温度をくれるのも貴方なの。 ] (20) 2024/05/07(Tue) 19:07:12 |
【人】 従業員 ルミ[ 本題に入る彼がどれほど飲み進めたかを確認し、 警戒させないよう一人分の間をあけてソファへ座る。 画面越しではない、大人になった好きな人。 ──奇跡なんかで終わらせない。 ] あのね。 ……えっと、えへへ、ちょっと恥ずかしいな。 わたし──好きな人がいるんだけど。 [ 小さな頃は絶対に話題にも上らなかった恋の話。 お兄さんは──半年前が最後だもんね? SNSの内容を思い出しながら言葉を続ける。 ] (21) 2024/05/07(Tue) 19:07:45 |
【人】 従業員 ルミでも、わたし……今まで人と上手くいったことなくて。 その人もね、半年くらい前まで恋人がいたりしてたし " 今は "全然関わりもないくらいなんだけど。 ……けどね、その人以外好きになれないの。 ……わたし、友達もいなくて、親も頼れないから 将来どうしようって……一人の家が心細かったの。 こんな格好だと余計に、人の目も厳しいし……。 [ これは全部嘘じゃない。 実際問題、わたしは人と関わるのが下手だから。 他の店に行った痕跡を見るたび裏切ったと思い込んで、 いつもと違う匂いがすれば他の女だと怒りだして。 愛される錯覚を得るために営業を頑張れば 同じ店の女の子から距離を置かれるばかり。 夜の女だと馬鹿にされたことだってある。 傷が増えるたびに、彼との時間だけを思い出して、 二度とあんな時間は来ないのかと不安になって。 ] (22) 2024/05/07(Tue) 19:08:14 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩[ でも、考えて考えて────気付いたんだ。 逃げてしまった獲物は、追い掛けて掴んでしまえば良い どんな肉食獣でも、毒の前には勝てないでしょ? そうすれば一生わたしを忘れない。 そうなれば、 ] (-4) 2024/05/07(Tue) 19:09:00 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩[ もうあの頃の温かいだけの優しかった日々と 貴方が消えてしまった痛みから逃れられるんだ。 愛してもらえるなんて思ってないよ。 綺麗なだけの思い出として昇華しないで、お兄さん。 ] (-5) 2024/05/07(Tue) 19:09:42 |
【人】 従業員 ルミ────お兄さん、そろそろ効いてきた頃じゃない? [ 体内に取り込んだ毒は、あたたかな血に混じり巡る。 もう指先から力が抜けるくらいは起きたかな? 大丈夫、怖いお薬じゃないからさ。 少し思うように動けなくなってしまうだけ。 ] (23) 2024/05/07(Tue) 19:11:26 |
【人】 会社員 雷恩[季節は夏に差し掛かり、部屋のエアコンは稼働していない。 なのにどこか冷える心地がする。 心が鳴らす警鐘を、罪悪感が打ち消そうとする。] ……悪いな。 手当の間くらいは待てるけど、 俺が帰った後の方がゆっくり確認できるか。 [ありがと、と受け取ったコーヒーは白を混ぜた薄茶色。 マーブルを作る要素に、頼んだミルク以外が入っているなんて 見た目からはわからない。] (24) 2024/05/07(Tue) 21:34:12 |
【人】 会社員 雷恩ごめんごめん。 てかあんなにちっちゃかったのに覚えてるルミが すげーんだって。 [それだけ彼女にとって当時交わした会話は少なかったのだと 学校でも家でも会話の絶えない生活をして個々の会話を 忘却の海に流す男は想像できない。 ルミの記憶力が良いと感心して謝った。] 許して!このとーり! な? [他の誰かにもやっているから身についたままの謝罪。 合わせた手よりも頭を低く下げて、ちらりと上目で伺う。 それを懐かしんでくれると期待する程度には 無神経な男だ。 いっそそこで失望してくれた方が双方にとって思い出を 綺麗なままで残せたかもしれない。] (25) 2024/05/07(Tue) 21:34:44 |
【人】 会社員 雷恩ルミ………… [少女の瞳が昏く曇った気がした。 実家を出て、仕事を得て、金に困っていなくても 彼女の心はまだあの公園で無償の愛を求めているのかもしれない。 学校は卒業する日が来るし、親はふつう自分より先に死ぬ。 どんな相手だって、四六時中そばにいることなんて出来ない。 それを普通に育った人間は肌で覚えることができるけれど、 「かわいそう」フィルターのかからない目で寄り添われた経験に 乏しい故に、恐らくルミはその「ありえない」愛を求めているのだ。 役目のある間だけ近寄る相手を拒否する彼女に そういうものだと諭すのは不可能だ。 せめてこれからの人生で、彼女を満たすものに出逢えたら良いのだけれど。 それを探す為に、通信制高校を自費で卒業するだけの 頑張りを続けられたのだったら良いのに。] (26) 2024/05/07(Tue) 21:35:12 |
【赤】 会社員 雷恩[白雪姫が齧った毒林檎は、喉に引っかかっていたから 死に至らなかった。 齧って咀嚼して、細胞となったやさしさは、 死を迎えられるのだろうか。] (*8) 2024/05/07(Tue) 21:35:49 |
【人】 会社員 雷恩……うん、うん、そっか。 「そのひとじゃなきゃ」って人がいて、 半年前まで恋人がってことは、今はいないんだろ? まず関わりを作って意識してもらうのとかは? [「半年前」のキーワードにも反応せず、 意味のないアドバイスをする。 関りのない相手に恋をしたことがないので 薄っぺらいだろうなとは思っていても、 こういう「相談」に単なる共感ではなく「解決策」を 示したがるのが生物学上の男の生態らしい。] (28) 2024/05/07(Tue) 21:37:12 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[普段呼ばれない名前は 男から肉食獣の野生を奪っていたのかもしれない。 いや、そうでなくともきっと、毒には抗えない。] (-7) 2024/05/07(Tue) 21:37:49 |
【人】 会社員 雷恩? は? 「聞いてきた」? え、好きな人って俺の知り合い、 qわせdrftgyふじこ?! [何が起こったかわからなかった。 「効いて」が「聞いて」だと思う鈍感さを後悔する間もなく。] (29) 2024/05/07(Tue) 21:38:16 |
【赤】 会社員 雷恩[体幹にはそれなりに自信があった。 自分よりも華奢な女の子にちょっと押されたくらいで 簡単に倒れてしまうだなんて。] え、 なに、 ルミ……? [何故自分の目は天井を捉えているのだろう。 すぐに起き上がろうとして、 上手く力が入らないことに気づいた。 一気に血の気が引く。 唇が震えるのはわかるが、身体に震えは伝わらない。 もはや自分の身体は自分の支配下にないことは 明らかだった。 そう知覚すると、上手く言葉すら出て来なくなった気がする。 なんで、と上手く言えただろうか。*] (*9) 2024/05/07(Tue) 21:38:44 |
【人】 従業員 ルミ……ふふ。 仕方ないな、許してあげる。お兄さん。 [ ────この時だけは、ね。 懐かしさに緩む頬と、憎らしさが胸を打つ。 ちらりと上目でこちらを伺う様は わたしが絆されると信じて疑わないみたいだ。 そう、あんなに小さい頃の想い出に固執する方が きっとおかしくて、馬鹿だよね。 お兄さんにとっては家族との会話より些細で短くって ──すぐ忘れてしまえるものだったのに。 お祭りの光を見て、私を思い浮かべもしないんでしょう あの時甘すぎると言って渡してくれたりんご飴。 懐古の海に沈めることに躊躇いがない貴方。 ] (30) 2024/05/07(Tue) 22:28:02 |
【人】 従業員 ルミ[ どんな人だってずっと片時も離れず、なんて出来ない。 けれど、不可能でも" そうありたい "と思うのが、 それを出来る限り伝える努力をするのが愛じゃないの? 見知らぬ愛を探そうと思える人間なら良かった。 そうすれば貴方を傷付けることも無かったのに。 でも、一度味わった愛が欲しかった。 どうしても忘れられなくて、手離せなくて、 ──誰に何を言われたってこれは戀だった。 愛されないなら、二度と交わらないくらいなら わたしの恋はここで散って その先で死を迎えるの。 ] (31) 2024/05/07(Tue) 22:28:16 |
【人】 従業員 ルミ無理だよ。 [ わたしはひどく落ち着いた声音でそう返した。 何の確証があって、と言われるかもしれない。 ] ────そんな希望、とっくに捨ててる。 [ 力になろうとはしてくれているのだろう。 けれどその解決策は有効性を失って、 今や毒を巡らせる以外になくなってしまった。 間抜けな声を上げる彼に、思わず無邪気に笑う。 ] (32) 2024/05/07(Tue) 22:28:21 |
【赤】 従業員 ルミ[ 彼の身体は、呆気なくやわらかなソファへ沈んだ。 起き上がらない様子を見て、「やっとだ」と小さく呟く。 そのまま足の怪我なんて無いように彼の上へ跨って、 顔を見下ろし、両頬に手を伸ばした。 ] " なんで "? どっちを聞きたいのかな。 身体が動かない理由? わたしがこんなことした理由? ……上手く喋れなくて怖いよねぇ。 でも大丈夫、わたし、お兄さんのことなんでも分かるよ [ わたしはキッチンのシュガーポットを指差した。 多少でも首が動かせるなら見えるだろうけれど、 見えなくても持ってきてあげるつもりはない。 ] (*11) 2024/05/07(Tue) 22:29:13 |
【赤】 従業員 ルミじゃーん! あれ、歌舞伎町で買えちゃう" 魔法のお薬 "だよ! ……あ。人体に害はないから大丈夫、安心してね。 わたしがお兄さんにそんなことするわけないもん だから、大人しくしてて。 ──────……悪いことを考えてたの、 わたしでごめんね? [ でも、と続けて口を開く。 彼の反応は視界に入れているけれど、 どんなものであれ、止める気はなかった。 指差すために離した手を再度彼の頬へ宛がう。 伝わる体温はあたたかい。 ] (*12) 2024/05/07(Tue) 22:30:06 |
【赤】 従業員 ルミでも、お兄さんが──、ッお兄さんが悪いんだよ。 待ってたのに。 あの公園で、あの場所で、ずっとずっとずっとずっと ずっと────待ってたのに。 わたし、友達じゃなかったの? どうして黙って消えていったの? 捨てたの? 逃げたの? ──そのまま忘れたの? わたしには嫌だって言った呼び方、 どうせ他の女には許したんでしょう!? ねえ、 わたしはずっと待ってたのに!! (*13) 2024/05/07(Tue) 22:30:33 |
【赤】 従業員 ルミ[ ぜえ、と肩が揺れる。 言いたいことだけ好きに言い散らかして。 言葉にするたびに、理性的な自分が叫んでいる。 ] ………………わかってるよ、わたしも お兄さんが公園に来続ける義務なんかない それでも、仕方ないで済ませられる恋でもないの、 [ 許してくれなくて良いよ。 最初から許されるなんて夢も見てないから。 頬を名残惜し気に数度撫ぜて、手を離す。 ] (*14) 2024/05/07(Tue) 22:31:19 |
【赤】 従業員 ルミ[ 彼の腰のベルトに指を伸ばし、かちゃ、と音を鳴らす。 どうすればいいかなんてもう知ってる。 だって、わたしも貴方も、子どもじゃないんだから。 肌と体温を重ねた夜くらいあるでしょう? ] ……ごめんね、お兄さん そうだ。前の彼女の顔でも浮かべててよ。 かわいい人だったね、──同僚だっけ? [ どうして今までの恋人たちが貴方から離れたか、 ──……わたしは全部知ってるよ。 バックルを外して、チャックを下ろす。 そうすれば瞬く間にズボンくらいは下ろせちゃうな。 触れた熱はきっと、大きくなるどころじゃないかもね* ] (*16) 2024/05/07(Tue) 22:31:43 |
【人】 会社員 雷恩[たとえばここで彼女の機嫌を損ねたとして、 普段関りのない、連絡先も知らない者同士、 子どもの頃の友情に終止符を打って帰れば終わる関係だ、 許しを乞う必要はない。 なのに手を合わせたのは、赦してくれるという甘え。 彼女の甘えを受け止めることなく大人になったのに、 誰かに甘えることを覚えている男は罪深くも 同じ所作をして。] あー良かった。 他にも忘れてそうだけど、話してたら思い出すって こともあるかも。 [そうしてまた許せと言わんばかりに予防線を張って。] (34) 2024/05/07(Tue) 23:15:41 |
【人】 会社員 雷恩[恋をしていると打ち明けた顔は確かに 歳相応のはにかんだ少女のものだったのに、 その相手と関わりを持てば良いというアドバイスを 一蹴する表情は酷く大人びて見えた。 単に恋に臆病になっているとかそんなレベルではない諦念。 相手は死んでしまったのかとか見当違いの予想を立てて、 またどう言葉にしようか迷った隙に倒された。] (35) 2024/05/07(Tue) 23:16:23 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[出逢った頃の少女は表情に乏しく、 笑い声を聞いたのは遊び始めて随分と経った頃。 子どもらしく笑えなかった当時には見られなかった 「無邪気な笑顔」がそこにある。 それが却って不気味さを感じさせた。] (-11) 2024/05/07(Tue) 23:16:54 |
【赤】 会社員 雷恩[ひゅ、と喉が音を立てるのを聞いた。 自分の身体から出た音だとは信じられないくらいに か細く頼りない音だった。] 、 や、、め…… [抵抗の為に力を入れようにも、身体の動かし方を 忘れてしまったかのように動けない。 脳内はこんなにも冴えているし、心臓は動いているのに。 上手く動かせない分、恐怖の涙も浮かばないのが まだ助かった。 この期に及んでみっともない醜態を晒したくない自分がいる。] (*17) 2024/05/07(Tue) 23:17:27 |
【赤】 会社員 雷恩[指さしに反応して僅か首が動く。 キッチンのインテリアによく調和したシュガーポット。 その中身を聞いて込み上げる吐き気に歯を鳴らす。] ぅそ、 だろ、 [身体の自由を奪うと聞いて真っ先に思い浮かぶのは 睡眠薬だが、自分には意識はある。 その時点でメジャーなはたらきを持つ薬ではないと言えるのに 人体に無害だなんて到底信じられなかった。 だがそれを指摘したところで状況は変わらない。 現実問題、上手く身体に命令が行き渡らない感覚がある。] (*18) 2024/05/07(Tue) 23:18:08 |
【赤】 会社員 雷恩[自分の中では「薄れていった関係」でも、 彼女にとっては「切られた関係」だったのか。 ここに至るまでも、彼女は自分の解釈を大事にしていた。 今、口が上手く動かせて何か理由を言ったところで 彼女は納得しないだろう。 クラス替えで疎遠になる友達もいる、 SNSでフォローしあった頃には頻繁にリプを送っていても 1年も経てば日常ツイートはスルーするようになる、 そんな一般的な話をしたところで、 「雷恩お兄さんがルミを捨てた」とルミが結論づけているなら 何も変わらない。] (*19) 2024/05/07(Tue) 23:18:56 |
【赤】 会社員 雷恩[きっとこの再会も仕組まれていたのだと漸く合点する。 そんなにも恨まれていたとは知らず、のこのこついて来て―― 殺される、のだろうか。 胃液が内臓を巡る音も聞こえるのに、上手く吐けない。 仰向けに寝かされているから、今吐いても 吐瀉物が喉に詰まって窒息死間違いなしだろうが。] (*20) 2024/05/07(Tue) 23:19:25 |
【赤】 会社員 雷恩る、 み、 [それは果たして恋なのか。 ルミが思うならそうなのだろう。 言葉の通じる相手ではないなら、言葉の自由を 奪われていて好都合だったかもしれない。 対話を試みて絶望することはないから。 麻酔と異なり、触覚は残っているようで、 ベルトを外す時に一旦締められる苦しさに 顔を顰めた。――感覚では。] (*21) 2024/05/07(Tue) 23:20:15 |
【赤】 会社員 雷恩[外気に晒された下着は濡れシミもなければその下の形が はっきり見える訳でもないのに、羞恥で思わず目を閉じた。 意識的に閉じてしまえば二度と目が開かなくなる気がしたが、 初めて味わう屈辱的な状況に、もう耐えていられなかった。 ルミは甘ったるく言葉を紡ぐ。 別れた彼女が同僚だったことまで知っているとは。 どこでどうやって知ったかは知らないが] ス、ススストー、k、 [ストーカーは彼女自身だったのだろう。 わかったところでもうどうしようもないが。 ただ祈るしかできない。 上手く動かせない身体が、これから行われるだろう ストーカー女の愛撫に反応しないことを。*] (*22) 2024/05/07(Tue) 23:21:12 |
【赤】 従業員 ルミ……あ、お兄さん、吐きそう? 気分悪いかな。大丈夫……じゃないよね。 大丈夫、殺したりしないから。 …………そんなことしないよ。 [ 流石の自分にも、殺人には躊躇いがある。 夜の街では当たり前のように殺傷沙汰が起きているが、 刃を他人に向けるほど壊れてはいないつもりだ。 ──薬を飲ませるのはどうなんだと言われてしまえば、 言い返す余地もないけれども。 時計の針は逆向きに回らない。 砂時計の落ちた砂は元には戻らない。 犯した罪も愚行も、消えやしないのに。 ] (*23) 2024/05/08(Wed) 0:00:24 |
【赤】 従業員 ルミ[ 一般的な話に興味はない。 そんな物差しで関係性の普遍を決められたくないから。 世間がなんだというのだろう。 だから仕方ないことだとでも解かれるのだろうか。 くだらない、くだらない、くだらない。 歳を重ねたから? 話も遊び方も合わなくなったから? それじゃあ××はどうすれば良かったの。 片方の都合で、もう片方をないがしろにするのが、 ────それが一般的な世界なのか。 まるで女の両親さながらではないか。 ] (*24) 2024/05/08(Wed) 0:01:00 |
【赤】 従業員 ルミ[ これは確かに、紛うことのない、恋だ。 楽しくて声を上げて笑ったのも。 美味しいものを分け合う幸せを知ったのも。 彼と同じ名前の生き物を覚えたのも。 明日が来るのが、初めて待ち遠しいと感じたのも。 あの日々が恋じゃなかったというのなら、 わたしは二度と本当の恋なんて知らなくていい。 ] (*25) 2024/05/08(Wed) 0:01:12 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩お兄さん、あのね、これあげるっ いつもアイスとか半分こしてくれるけど ……ルミはなにもわたせないから…… これね、おはなのゆびわ! たんぽぽ、きれいに咲いてたの! [ あの時一度だけ渡した小さな指輪は、 きっと薬指なんかには入らないくらい大きくて 不格好で、きれいではなかったけれど。 受け取ってくれるといいな、と願って編んだ。 彼に何かを返したかった。 ──今はもう遠い純粋だった春のころ。 ] (-14) 2024/05/08(Wed) 0:01:24 |
【秘】 従業員 ルミ → 会社員 雷恩このまえねぇ、お兄さんのママがおしえてくれたよ お兄さんが言ってたどーぶつ! かっこいいのとおなじお名前なんだねぇ。 みんな、かっこいいからやきもちやいたのかな? ルミもひつじさんとかがよかったなー。 [ でもあんなに大きかったら遊べないから、 お兄さんがお兄さんで良かったーと笑った。 子ども特有の拙い言葉で好き勝手に喋っても、 怒られない環境が嬉しくて、鳥の様に囀って。 ] (-15) 2024/05/08(Wed) 0:02:15 |
【赤】 従業員 ルミ[ 言葉を交わす暇さえあったなら、 今何かが違ってくれていたのだろうか。 早々に話を切り上げてバイバイなんて、もう御免だ。 それならなにもかも封じてしまって ────加害者と被害者になるしかないのに。 ] もう! ひどい! ストーカー……むぅ、言われてみればそうかもね。 だって、お兄さんのこと、なんでも知りたいから ────大好きだから。 [ とはいえこれが犯罪だとは自分でも分かっている。 これは線引きだ。 わたしは加害者。 貴方はストーカーに好かれた可哀想な被害者で、 ────……。 ] (*26) 2024/05/08(Wed) 0:02:39 |
【赤】 従業員 ルミ[ 呟いて、目を閉じたお兄さんの顔を見つめる。 無理に開けさせることなんてしなかった。 それでいいと言ったのは自分なのに、 どうしようもなく胸が痛くて、唇を噛む。 でもここまで来れば戻れない。 優しい、牙のない肉食獣が、哀れな檻の中。 ] ────……嫌だよね。 だってこういうことは、好きな人とするんでしょう? お兄さんは、わたしのこと、嫌いだもんね? [ 呟いて、彼の芯へ布越しに触れる。 果たしてこんな状況下で反応するかも怪しいけれど 丁寧に、痛みなど与えないように、 やわく握って手で擦った。 ] (*28) 2024/05/08(Wed) 0:02:55 |
【赤】 従業員 ルミお兄さん、相変わらず優しいね。 無防備で。 悪い人の存在を人に説くのに、自分は無警戒で。 ────昔からずっと、優しいもんね、お兄さんは。 ごめんね。逆手に取るようなことしちゃって。 ……いくら謝っても無駄か。 うん、……頭のおかしいストーカーだと思っててよ。 [ 昔を懐かしむたびに、愛しさで手先が鈍るから。 わたしは布越しにカリ、と先端を甘く引っ掻いた。 そのままするりと下着を下げる。 悠長にしている時間もあまりない。 人体を害さないように、微量しか使えていないのだ。 じきに口の縺れが収まることから始まって、 四肢も動くようになってしまうはず。 そうなる前に、この執愛の蜘蛛の糸で彼を搦めて ──目的を成さねばならないから。** ] (*29) 2024/05/08(Wed) 0:03:04 |
【赤】 会社員 雷恩[殺さない、なんてのは、ニュースで知る殺人犯の 「殺すつもりはなかった」と同じ意味だろう。 歌舞伎町で出回るような、身体の自由を奪う薬が 臓器にも作用したら人体は簡単に生命活動を止める。 心臓や脳のバックアップは存在しないのだから。 泣くことも震えることも罵倒することも出来ない。 だが意識を手放すことも出来ない。 とんだ地獄だ。] (*30) 2024/05/08(Wed) 0:50:37 |
【赤】 会社員 雷恩[持っている物差しが違えば、 同じ事象を測っても異なる結果が出る。 ルミにとって一般論が響かないこと同様に、 男には一般論がよく理解出来た。 当時やさしくしたのが自分だったから恋したと 聞けば、それはインプリンティングではないかと 答えたくなる。 だが自分もよく知る恋に堕ちる理由だって、 最初は「やさしくしてくれた」とか 「一緒にいて楽しかったから」とかなのだ。 インプリンティングだから恋ではないと 断じることは出来ない。 口が利けたとして、彼女の恋心を否定しなかっただろう。] (*31) 2024/05/08(Wed) 0:51:23 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミえー、俺があげたいからあげてるだけなのに。 でも「もらう」のって嬉しいからありがとう! ルミって器用なんだなー。 これ茎?どーやって編んでんの? よく折れないな。 [大きさを踏まえて親指に嵌めた。 「指輪」は「指に嵌めるやつ」という知識しかなかった。 生花で出来た指輪は花瓶に生けたものよりも 寿命が短いのだと聞いて、親のガラケーで写真を撮って貰った。 もう少し昔なら、写真は全部現像していただろう。 もう少し最近なら、スマホデータはクラウド上に保存してあるだろう。 過渡期に撮ったガラケーのデータはどこにあるのか知らない。 指輪が枯れた時はとてもショックだったが、 写真は撮ってもらったからと安心しきって管理を怠った。 罪の記憶が蘇る。] (-17) 2024/05/08(Wed) 0:52:21 |
【秘】 会社員 雷恩 → 従業員 ルミ[ライオンを認識したと聞いた時には恥ずかしさでどうにか なってしまいそうだった。 ルミが帰った後に家族に当たり散らした。] ルミは「ルミ」でいーんだよ!! 俺は「お兄さん」って呼んでもらえるからいーけど、 ルミが「ひつじ」って名前で呼ばれたくなかったら どう呼んでいいかわかんないからな?! いいかっ! 変えるの禁止だからな! 俺が!「ルミ」って呼ぶから! [いつも以上に大きな声を出してしまった気がする。 今も「雷恩」まで呼ばれるのを厭うから、 彼女にも「ライ」と呼んでもらっていた。 別れた理由に、「そんな小さいことにこだわるなんて」と いうのがあったことも、ルミは把握しているのだろうか。] (-18) 2024/05/08(Wed) 0:52:55 |
【赤】 会社員 雷恩[ストーカー呼ばわりで怒らせても、 今度は許しを乞わなかった。 訂正をする気はない。 その「好き」は、自分が思っているものとは違う。] (*32) 2024/05/08(Wed) 0:53:22 |
【赤】 会社員 雷恩[目が開けられないというのは自己催眠かもしれないが 実際に瞼は強く閉じられてしまった。 衣擦れの音や陰茎に触れられる感触で恐怖が煽られる。 何度か擦られたがそこは芯を持たないままだ。] ル、ミ………… [首を横に振って否定したかったのは何か 自分でもわからなくなっていた。 先端に爪が食い込むと痛みを感じる。 動けないのに痛覚は通っているのか。理不尽だ。 それとも薬は本当に効果が人体に害とならないように 濃度は抑えられていて、下肢に感覚が戻り始めているのか。] (*34) 2024/05/08(Wed) 0:54:13 |
【赤】 会社員 雷恩ルミ、 [そのまま続けて、行為が可能な形を作ったとして、 ルミはそこに跨るのだろうか。 もしかすると、それが命に繋がるかもしれないのに。 望まれないで生まれてしまう命がどうなるのか ルミが一番よく知っているのに、 自分と繋がることだけを目的としているから、 そのリスクは考えていないのか 何れにせよ、本懐を遂げられてしまうのだろうとは思う。 頭ではどんなに拒否していても、身体は少しずつ 生理的反応を見せてしまっている。**] (*35) 2024/05/08(Wed) 0:55:05 |
【赤】 従業員 ルミ[ 恋にもっと理由は必要なのだろうか。 ただあの時わたしに優しくしてくれたから、 だから彼を好きになったでは足りないのか。 インプリンティングと言われればその通りで、 けれど女は確かに己の意思で恋をしている。 毒林檎からキスで目を覚ましてくれたから? 或いはガラスの靴を届けてくれたから? お姫様たちの恋だって、 始まりは皆思ったよりも大仰では無いのに ] (*36) 2024/05/08(Wed) 8:54:55 |
【赤】 従業員 ルミ[ 相手を傷付けないのが愛ならば 自分にはやっぱり人を愛する資格が無いのだ。 彼は今度は許してと甘えなかった。 過去すら容易く掘り起こすあの惨さはなく、 代わりに別の痛みが横たわっている。 ] (*37) 2024/05/08(Wed) 8:55:11 |
【赤】 従業員 ルミ………綺麗な思い出として忘れられるくらいなら 私みたいに、痛いってこと、覚えててよ ふふ、名前ばっかり呼んでどうしたの? ルミだよ。 …………嬉しいな 久しぶりに名前、いっぱい呼んでくれた。 [ 働き始めてからは源氏名でしか呼ばれず、 ルミという名前で呼ぶ存在もいなかった。 ひつじが良かった、と憧れた少女はそこにおらず いるのはボタンを掛け違えた亡霊だけ。 ──ああ、こんなことなら 正しく愛する方法を知っておけばよかった。 傷付け方なら、いくらだって分かるのに。 ] (*38) 2024/05/08(Wed) 8:55:26 |
【赤】 従業員 ルミ…………………雷恩お兄さん [ ライ、は他の人も呼んでいるから嫌だった。 けれど雷恩と呼ばれるのを厭われてしまえば 我儘だけで通せる呼び名でも無かった。 別れた理由なんてどんなものでも知っている ──そうなるように仕向けたんだから。 呼び方なんて小さいことに拘るのが不満だと そう言っていたのは何番目の女だったか。 わたしはただ、呼び出した場所で ブランドバッグを差し出してお願いしただけ。 ] (*39) 2024/05/08(Wed) 8:55:39 |
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