【人】 門を潜り ダヴィード>>95 イレネオ 頷かれてしまった。 つまりは、想像は大体のところ合っているという認識になる。 そんな貴方の貴重な休日、その一食だ。気合いを入れなければ男が廃るだろう。 「選んでいいんですか?では遠慮なく。 ……嫌いなものやアレルギーなんかはありませんね?」 念の為の確認をしながら、脳内の地図を広げる。 あそこは騒がしいからダメ。こっちは味の割に値が高い。 いくら大衆料理店と言えど、給仕人がいない店はない。 どうせなら2人で気楽に食べられるのがいい。 ううん、と首を捻って。 「商店街の方に美味しい持ち帰りの店があるんです。 ピッツァもパニーニもありますから、好きなのを選んで…… 外れのベンチで食べるのはどうですか?」 集るつもりはなかったが、財布の紐を緩めてもらったのなら有り難く感謝を持って享受するのも年下の特権だろう。 それに商店街の近くならばデザートの類だってすぐに入手できる。 珈琲の一杯でも季節のジェラートでも、押し付けてしまえばこちらのものだ。そうだ、それがいい。 (102) 2023/09/09(Sat) 21:23:07 |