【秘】 路地の花 フィオレ → 新芽 テオドロ「何、準備って私のために?」 「これ以上整理なんてしたら、この部屋から物なくなっちゃうわよ」 軽口を叩きつつ。 よいしょ、とまた大荷物をテーブルの上に置いて。 今すぐ食べないであろうデザートは、いくつか冷蔵庫に入れさせてもらって。 空きを聞いてなかったから、入ってよかったと思う。 「まあ警察もあんなことがあった後じゃあね」 「今時間取れてるのが奇跡なくらいじゃない。まだ全然落ち着いてないんでしょ?」 怪我人に手伝わせるわけにはいかないと、最初から自分で準備するつもり満々だったようだ。 テーブルの上に酒と食べ物を並べていく。今日は出来立てのものが多く、料理はまだ温かい。 たまにちらりとあなたの様子を見ては、手、相当ひどいのかななんて気にしたりして。 「狼藉なんて働いたことないでしょ、失礼ね」 「それより、手袋。暑くないの?外せとは言わないけど」 まだ見せたくないんでしょ、と。 物を並べながら、何でもない風に。 それでも顔を見たのなら、ちょっとだけ拗ねてるようにも見えるだろう。 (-110) 2023/09/28(Thu) 20:47:55 |