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【人】 2年 山田 舞― 構内の外れ ― [抜けるような青空の下、真っ赤に色付いた大きな柘榴の実が不釣り合いな程細い枝の先で揺れている。 重そうに頭を垂れるその様に、がんばれ、と呟いて。 ふいに足許に感じるあたたかさに視線を落とせば、どこから迷いこんだのか一匹の三毛猫が蹲っていた。] どしたの [しゃがんでその顔を覗き込む。 猫は、目を細めて口を開けたけれど、漏れた音は鳴き声未満のは掠れた呼吸音だった。 お世辞にもふわふわとは言えない、野良特有の油っぽい毛並みをひとなでして] おまえもさびしいの? [問うてみても、答えはない。 かわりに聴こえるのはごろごろと荒い鼻息だけ。] (60) 2020/11/08(Sun) 11:23:01 |
【人】 2年 山田 舞[毎日楽しい。 勉強もそんなに苦じゃないし、なにより唯一の趣味と言っていい映画鑑賞を、大手を振ってこの学舎でできるというのが嬉しい。 好きなミステリーや恋愛もの、SFものを、同じく映画を好きでいてくれるひとたちとわいわい観られるのがとても楽しい。 みんな明るくて、癖も強かったりするけどいいひとで。 話下手の自分はいつも上手に喋れないけれど。 充実してる、そうおもう、のに。 時折叫び出したくなるほど切なくなるのは。 去りゆく秋の気配のせいか、 近づいてくる冬の足音のせいか。 こんなにもひと恋しいのは、焦る気持ちは] …なんなんだろにゃー [呟いてみても、やはり猫は答えない。*] (62) 2020/11/08(Sun) 11:33:48 |
2年 山田 舞は、メモを貼った。 (a16) 2020/11/08(Sun) 11:50:23 |
【人】 2年 山田 舞! [意識の外から掛けられた声に、がばりと丸まっていた背を伸ばす。 こちらの突然の挙動に驚かせてしまったか、三毛猫もまたビクリと身体を強張らせるのがわかって、ごめんねびっくりしたねと咄嗟に小さく謝った。 振り返った先には、和花先輩がいた。>>69 跳ね上げた目線の高さをちょっと調整したのは、内緒。 黄色い雛菊が咲くみたいな、あったかい笑顔のこの先輩が、自分は大好きだ。 手に持つ飲み物のペットボトル群が目に入れば>>66気遣いの細やかな先輩のことだ、映研の差し入れだろうことが察せられて。 わたたっと立ち上がって側へ駆け寄った。 持ちます、と手を差し出しながら。] (81) 2020/11/08(Sun) 12:46:16 |
【人】 2年 山田 舞? 先輩、元気 ないです? [猫のためにいつもの溌剌とした声じゃなかったのだよな、とかその気遣いを自分のせいで台無しにしたなとか、すぐ己の行動を振り返る癖を発動させながら。 でも、なんとなく、肌で感じるこの空気の違いは 勘違いなのかな、本当に、と。 抱いた疑問を口にする。*] (82) 2020/11/08(Sun) 12:51:33 |
【人】 2年 山田 舞[お手伝い得点には、え、いいんですか、わあい、とぽそぽそ喜びの声をあげて、先輩同様お言葉に甘え琥珀色が美しいレモンティーを希望しておいた。>>86 頭を撫でられる三毛猫は、先程の警戒心はどこへやら、またごろごろと喉をならしながら好き放題にされている。 指摘は、全くの見当違いというわけでもなかったようだ。 先輩が映像翻訳のお仕事を目指しているのは知っていたから、行き詰まってるという言葉に、なるほどと頷き返す>>87 いつもいつも。 笑顔を絶やさない先輩のそれは、優しさであり努力だから。 忌むべき過去の片鱗すら自分は知らないまま。] (90) 2020/11/08(Sun) 13:26:50 |
【人】 2年 山田 舞す、すみません… 経験が乏しくて、その 恋愛もの観てるのに あの [情けなく尻すぼみの回答に、先輩は満足してくれたろうか。 いや、これではあまりにもお粗末だ。] あっ [漸く捻り出せたのは、恐らく先輩の求める答えじゃなかったろうけれど] ”生きることを諦めないって約束して” …ですかね [某豪華客船のラスト。主人公に向けた言葉は、死を前にした別れの挨拶。先輩の言う別れは死別じゃないだろうけど、素敵だなと思った台詞のひとつだったから。] (105) 2020/11/08(Sun) 14:57:35 |
【人】 2年 山田 舞[しばし先輩と三毛猫とのひとときを楽しんだら、先輩が立ち上がるのを合図に歩き出す。] カリブの海賊、まだ観てないです 楽しみです [ゆっくりゆっくり歩きながら、必然的に見下ろす形になる先輩のふわふわ揺れる前髪を見ていた。 おすすめは?ときかれたなら、うーん、と考えて] 『メメント』…ですかね 賛否あると 思いますけど [と、答えた。 自分と趣味の違う人間のおすすめを観るというのは、これまたなかなか面白くって。これも映研が好きな理由のひとつだなと思う。 今は誰が、何を流してるのだろう? そんなことを予想しながら、部室への道を歩いていく。**] (107) 2020/11/08(Sun) 15:12:06 |
2年 山田 舞は、メモを貼った。 (a28) 2020/11/08(Sun) 15:16:32 |
【人】 2年 山田 舞― →部室 ― こんにちは [和花先輩の後ろ、小さな背中に隠れるように部室の入り口を潜る。もちろん隠れられるわけない。 すぐに集まってる面々へ、挨拶と差し入れとと、輪に溶け込んでしまえる和花先輩を尊敬の眼差しで見送りつつ。 報酬のレモンティーをぎゅっと握り締め確保したら、こそこそといつも収まる場所へ移動する。 そんな自分の存在にも気付いてくれる先輩方がいるから、やっぱりここは居心地が良くて。 挨拶の声にぺこぺこしながらマフラーに顔を埋めた。] (182) 2020/11/08(Sun) 21:11:54 |
【人】 2年 山田 舞[ふと、視界の端に見慣れないオレンジ色のピラミッドが見えた。それがデコポンでできてるのだと気付く頃には、スクリーンには「目指せ鍵!」と大勢のゲームキャラが一斉に叫んで走るシーンが流れていただろう。] (デコポン、いいな) [どなたの差し入れかな、と。 キョロキョロしてみても当の本人が見つかるわけもなく。 あとで頂いてもいいかな?とチラチラ観ながら静かに映画のクライマックスを見守っていれば。井田先輩からの不意の質問にしゃきりと背を伸ばす。] あ、わ えと 『TENET』が、最近観たものでは面白くて [和花先輩の、ファンタジーものを観るという言葉に、(同じく)と頷きながら、また、実写化とかアニメも観るんだってことには意外だなぁなんて新たな一面に感動しながら。 そうして先輩の回答が出揃ってから、自分も井田先輩の質問に答えた。>>170] だから、同じ監督の『メメント』を ぜひ観ていただきたいなぁ なんて その。 [言い終わる頃には亀のように首をマフラーにすぼめて。 話しているひとたちを目で追うだけの作業に戻る。*] (192) 2020/11/08(Sun) 21:32:36 |
【人】 2年 山田 舞ぁっ 高藤、ちゃん こんにちは…! [真夏のひまわりのようにキラキラした後輩は、嫌味のない可憐な笑顔で今日も挨拶してくれる。 眩しいな、かわいいな。 いつも同じ感想を抱いて。 彼女オススメの『レディプレイヤー1』は勿論履修済みだけど、何度観ても素敵な作品だと思うから、それを推す彼女の感性(おおげさかもしれない)も素敵だなって思ったりしている。**] (198) 2020/11/08(Sun) 21:40:45 |
【人】 2年 山田 舞[これまた不意に許可が下りた。>>199 声の主は先程手を振って挨拶してくれた菊波先輩だった。 先輩の差し入れだったのだろうか。 …いや、自分の知る限り菊波先輩はそんなこと関係なしに勧めてくれるし、なんなら率先して食べているように思う… 何事にも遠慮しがちな自分にとって、こうして背中を押してくれる存在というのはとても有り難く。 そして好ましく感じていた。 こういうふうに、のびのび自分の好きなことを堂々とやれるひとになりたい。 …だらしないのは、ちょっと、気を付けつつ。] ありがとうございます うれしいです [お言葉に甘えて手に取ったデコポンは、爽やかに、甘酸っぱく香った。**] (208) 2020/11/08(Sun) 22:01:16 |
【人】 2年 山田 舞[ちなみに自分は、ややこしすぎて何回も見ないとわからないのに、何回も見たくなるような作品がとても好きだったりする。 というか、ジブリとかに良く感じることなのだけど。 その作品を観る年齢で、見えるものもわかることも全然違うって作品が、個人的に名作だと思っているのだ。] 『フォロウィング』、観てみます [観たい作品のストックが増えるのは、きっとこの映研のひとたちは共通の感覚なんだと思うのだけど、嬉しくもあり悩ましくもある。 本当に、一日24時間では足りないのだもの。って。 それでもやっぱり嬉しさが勝るから、素直に礼を述べたら。 続く井田先輩の言葉に目をぱちぱちしばたいた。] あ ぅ… くつろいでるんです、よ? [これでも、と。 少なくとも教室にいるときよりは、遥かに息がしやすいのだから。……とまあ、ずんと先輩の井田先輩がそんなこと知るわけもないのだからしょうがないのだけど。] (252) 2020/11/08(Sun) 23:39:52 |
【人】 2年 山田 舞[やっぱり、井田先輩も同じ願いを抱いてたみたいで。 ふふ、と分厚いウールの下で笑う。 まして、山登りもする先輩のこと。 時間なんていくらあっても足りないのだろう。 映画しか趣味のない自分ですらそうなのだもの。] って え、え ぇぇ…?? いいんですか、それ [と、突如許されたソファーの権利に、キョトキョトと井田先輩とソファーを交互に見て。四回生権限、という単語がじわじわくる。>>259 恐らく歴代の先輩方の汗と涙と青春と努力と友情と勝利(?)の滲んだ歴史あるソファー。座りたいか、と問われると、二つ返事にハイ!とは言いづらいけれど。 でも、なんだか。 仲間にいれてもらえた、みたいな、チームの一員に認められた、みたいな感じがして、井田先輩の言葉はすごく嬉しかった。 のに。] (268) 2020/11/09(Mon) 13:20:41 |
【人】 2年 山田 舞[ツキン。] (あれ…?) [また。 胸に走る小さな痛み。 最近よく襲われる、空白感を埋めなきゃと焦る気持ち。 …わかっている。 この面子でいつまでもいられないことくらい。 いくら楽しくても、続きを求めても、映画と同じで終わりがきてしまうことも。] (もうすこしだけ) [もうすこしだけ。 楽しいままでいられたら、いいのに。**] (270) 2020/11/09(Mon) 13:27:22 |
【人】 2年 山田 舞― 字幕か吹替か ― [映研にくるまで考えたことなかったけど、思い返せば自分は吹替で観ていることが多かった。 家族で観るときなんかは特に、目が疲れるからって父の一声で字幕で観るという選択肢すら与えられなかった。 だからここでみんなの意見が交わされるのを聞きながら、字幕の良さというものを教わった気がして。 もし意見を求められたなら] ん… 確かに英語そのものの意味とは違うことあるし 少ない言葉で端的に、わかりやすく、 しかもなんかキャッチーに表す字幕ってすごいって 思うんですけど… [思いの外字幕で観る派が多い中、ちょっと喋るのに緊張した。] 日本人が、日本人へ より伝わるように 感覚として…?落としこめるように… 実感できるように、かな 声優さんが演技するのも、面白かったりします、よ うまいなあって翻訳、とか、声優さんは むこうの人が日本語喋ってるみたいですしね [言葉を探しつつ喋りきったら、すっかり上がった息をふうっと吐いて、パタパタ熱くなった頬を冷ましたっけ。**] (318) 2020/11/09(Mon) 18:39:23 |
2年 山田 舞は、メモを貼った。 (a47) 2020/11/09(Mon) 18:41:52 |
【人】 2年 山田 舞― 過去 ― [映画を観ることがこんなに好きになったのはいつだろう。 思えば中学に上がるまでの自分は、どちらかといえば全く観ない人間だった。 理由は単純。 晩ご飯が出来るまで、父が居間で観ていた映画――タイトルすら思い出せないのだけど――で、男性がいきなりペンで眼球を突き刺しえぐり出したシーンが衝撃すぎて、トラウマになってしまったから。 そんな自分に転機が訪れたのは中一の夏。 「ナルニア物語」を観た時だった。 本の方を先に読んでいたから、あの世界観が映像化するとこうなるんだ!みたいな感動が大きくて、とてもわくわくした。 と同時に映画館で観られなかったことを残念に思った。] (352) 2020/11/09(Mon) 20:45:21 |
【人】 2年 山田 舞[だから、というわけでもないけど、それから休みの日は殆ど映画館に行くことが多くなって。TSUTAYAにはほぼ入り浸ってたし、アマプラにもNetflixにもお小遣いを使って加入した。 当時、ここまで引っ込み思案じゃなかったから、同世代の子達がカラオケにいったりプリクラ撮りに行ったりするノリでわたしはよく「映画観に行こ」って誘っていた。 あんなに楽しいものないって思ってたから、当然みんなもそうでしょう?って、今思えば暴論だけど。 だから、居ないものにされた。 あとから聞いた話だと、いつも一緒にいた三人の、リーダー的な女の子が、わたしのいないグループLINEで言い始めたのが始まりらしい。 よくある、話。] 「映画、映画ってオタクかよ」「キモ」 「舞うざいくね?」 [無視は中学いっぱい続いて、しっかり今の性格を形成してくれた。 皮肉だけど映画のせいで毎日地獄で、映画のおかげで生きていられた。] (413) 2020/11/09(Mon) 22:55:54 |
【人】 2年 山田 舞[思えばここに入るまで、映画関連で他人との良い思い出がない。 高校に上がってから、初めていいなと思える男の子ができた。 そのひとは、映画館から出てくるわたしを見たらしく、次の日学校で声をかけてきた。] 「山田、映画好きなの?」 「俺も好きだからさ、今度の休み行こうよ」 [確か、そんなふうに。 男の子から話し掛けられたこともなかったし、びっくりしたけど、映画を観に行くならって思って。 やっと、観終わった後にあーだこーだって話ができる友達ができるかもって期待して。 けれど結果は、映画なんか観られなかった。 途中で帰ってしまったから。] (423) 2020/11/09(Mon) 23:08:40 |
【人】 2年 山田 舞[結論からいえば彼は映画なんかどうでもよかった。 ただ暗がりで、女の子といちゃつきたかっただけ。 それがひどく、悔しくて、悲しくて。 もうだれかと映画を観るのはやめよう。 そう心に決めた。] (425) 2020/11/09(Mon) 23:12:18 |
【人】 2年 山田 舞「いいんじゃない?」 [もはや誰の言葉だったか。 大学に入って、映画研究会なるものがあることを知って。 ここなら、いいかな、わたしもいていいかなって思って。 初めて部室に行ったとき、すでにそこでは映画の構成や演出なんかについて議論がなされてて、わ、こんなに詳しくなけりゃここに居ちゃダメなのかもって心が折れそうなわたしにかけてくれた言葉。 そんな難しく考えなくて良いよ。 楽しもうよ。 わたしには、そう聞こえたから。 だから、わたしはこの場所が大好きだし、ここにいるひとたちが大好きなのだ。**] (427) 2020/11/09(Mon) 23:17:33 |
【人】 2年 山田 舞― お開きになる前 ― [井田先輩の言葉から、芋づる式に甦る記憶にきゅ、と唇を引き結ぶ。すると気配り上手な和花先輩が、励ます様に声を掛けてくれた。>>295 やっぱり先輩たちはみんな優しい。 心配されてしまうほどに顔に出してしまっていたろうか。 そう思うと申し訳なさが勝ってしまう。 ふ、と落ちた陰に顔を上げれば、和花先輩がすぐそばまで来てくれてて。 頭に寄せられた手に、スリ、と自ら寄っていく。 煙草を吸いに行く井田先輩の背を見送ってから、誘われるままに認可済みソファーへ腰を下ろす。思ってたより硬かった。 何を観る?という和花先輩の質問には] じゃあ… カリブの海賊、観たいです [と、にっこり答えた。] (436) 2020/11/09(Mon) 23:40:41 |
【人】 2年 山田 舞[そうこうしているうちに一人、また一人とひとが減っていく。 みんな今日の予定だったり、明日の準備だったりで忙しいのかな。 中には映画をみるって約束してる?ひとたちもいて] (いいなぁ) [ってこっそり思ったり。 明日の自分の予定を思い出しつつ、エンドロールを眺めていた。 高藤ちゃんの別れ際の言葉から「馬肉」が頭から離れなくもなっていた。] (439) 2020/11/09(Mon) 23:49:21 |
【人】 2年 山田 舞― 高藤ちゃんと小鳥遊先輩と映画感>>329>>349 ― [分かります、分かります、と熱量をもって肯定してくれる高藤ちゃんに、う、うれしい…!と、共感をもって貰えることがこんなに嬉しいことなのかと、ひとりじーんと感動する。 『アナと雪の女王』の、各国で歌詞を変えたって話も目から鱗だったし、もっかい観たいなってうずうずした。 府堂先輩の…いわゆる当て役というやつだっけ? それもすごくわかるから、高藤ちゃんと一緒になってコクコク頷いて。 小鳥遊先輩が、自分のおもいっきり感覚でしゃべってしまった内容を、的確に、そしてわかりやすい例をもってまとめてくれたことにも感動した。 そうです、そうです、と興奮冷めやらぬ体で頷けば、そりゃあ先輩もお茶を勧めるというものだ。 喉を通っていく冷たさが最高に気持ちよかったのを覚えている。 ああ、ほんと、楽しいなあ…!**] (441) 2020/11/10(Tue) 0:17:47 |
【人】 2年 山田 舞― 今 ― [帰ろうかな、という和花先輩と一緒に立ち上がればよかっただろうか。完全に出るタイミングを失ってしまった。 でも部室にくるときも一緒にいさせてもらったし、これ以上べったりじゃ悪いかなとも思ったから、また明日という言葉に小さく手を振って] せっ 先輩こそ、気を付けてくださいね! [ちっちゃくて可愛い先輩はきっと降りかかる危険も多いだろうと。 幸いまだ外も明るいから、大丈夫とは思うのだけど。 忘れかけていた馬肉というワードが、和花先輩が口にすることでまた甦る。>>412馬肉なんて、ジャーキーか馬刺しくらいしか思いつかないデスよ…? 来た時と同じく賑やかに和花先輩が去っていけば、部室は火が消えたように静かなものになるだろう。 よく女性がいると花が、みたいなことを言うけど、確かに先輩たちや高藤ちゃんがいるととっても部室が華やぐなあなんて、思ったりする。] (444) 2020/11/10(Tue) 0:46:59 |
【人】 2年 山田 舞[馬肉のことを考えすぎたからかもしれない。 お腹がくきゅ、と変な音を立てた。 一個はおうちに帰ってから頂こうと、鞄にしまったデコポンに手を付けてしまおうか…と、そんなことを考えていた矢先。 菊波先輩が買い物に行くらしい。>>443 渡りに船とはまさにこのこと―――いやいや違う違う。 欲しいものあるならついでに買ってくるよ的な空気を先輩が醸し出すものだから(錯覚)つい便乗しそうになったけれど、目上の男性を顎で使う(つもりはないのだけど)なんて滅相もない。 だから] にっ 荷物もち、いりますか…? [ソファから勢いよく立ち上がって聞いてみたけど、どうだろう?**] (445) 2020/11/10(Tue) 0:56:09 |
【人】 2年 山田 舞― 菊波先輩>>434 ― [初めて会った菊波先輩の印象は、誠に申し訳ないのだけど「本当に大学生…?」だった。 無精ひげと服に付いた動物の毛とがっしりした体つき、表情とか声の…トーン?とか。そういう見た目から来る印象が強くて。 そんな菊波先輩が放つ「いいんじゃないか?」は、フォローとかそういうんじゃなくて、自分もそうだしいいじゃんそれでって言ってるように感じた。 本人はきっと、大した意味など込めたつもりはないだろう。 それくらい軽い意味合い。 けれどさらっと「一年いるけど…」と己を引き合いに出して話してくれるところから、悪い人じゃないってことがよくわかる。 重く受け止めがちな自分に、この人の軽さはポンと膝を打つほどの威力をもたらすことがあるのだ。 獣医の勉強をしていると、のちのちうかがうことになるが、この人になら安心して動物を預けられそうだなって思った。 あとこれも後から気付いたことだけど、この人は別に表面だけさらってなんかいないと思う。 この人なりの楽しみ方のスタイルが確立されてるってだけ。 そういうのって、羨ましい。**] (446) 2020/11/10(Tue) 1:21:33 |
【人】 2年 山田 舞― 犬鳴先輩>>437 ― [犬鳴先輩もまた、肩の荷を下ろしてくれたひとの一人だ。 入部した当時の先輩の印象は、とにかく映画が好きな人、で。 そんな先輩から発せられた「いいんじゃないですか?」は、なんというか良い意味で映画以外に興味がないって感じで。 好きならそれでいい、と本人が明言されているように、本当にそれ以外は些末なことなんだなって思わせてくれた。 宇宙から見たら自分なんてとてもちっぽけな存在だろう?みたいな、そういうニュアンス。…ちょっと違うか。 目の隈すごいし、あんまり表情を表にださないし、常に敬語で動じないしでそれこそ最初はとっても大人に思えたのだけど、新入部員に研究会を名乗る理由をぶっちゃけてしまうなどなかなかおちゃめな一面も持ち合わせているようで。 「きゃーいけめーん」とか口にされると、大変失礼ながらギャップに笑いがこみ上げてしまうのでやめてほしい。嘘です。やめないでほしいと思っています。 それでもやはり、この部で一、二を争うほどの知識の深さと手広さに、尊敬の眼差しを送らざるをえないのは本心で。] (447) 2020/11/10(Tue) 1:33:49 |
【人】 2年 山田 舞[そんな先輩からの最初の質問は「好きな俳優」だった。] 女性だと…ニコール・キッドマン、でしょうか あっ メグ・ライアンも…好き です 男性だとコリン・ファース、です あ、でもでも、ベン・キングスレー…も! [ぽろぽろと、口を突いて出てくる好きな俳優の名前に、もう黙らなきゃと思うのにやめられなくて。話していいよって許してもらえてる気がして。] ゲイリー・オールドマンは『ダークナイト』のっ ジム・ゴードンが好きでした…! [ふうふうと、こんなにしゃべるのは久しぶりだから、すっかり息が上がってしまう。だけどきっと、この場所で、こんな自分を否定する人なんていないって思ったから。 しゃべりすぎたかな、とハッとすればいとも簡単に頬が熱を持つのだけれど。**] (448) 2020/11/10(Tue) 2:00:30 |
2年 山田 舞は、メモを貼った。 (a56) 2020/11/10(Tue) 2:25:41 |
【人】 2年 山田 舞― 近くても遠い距離>>440 ― [映画研究会においての唯一の同期、胡桃塚君。 太陽って名前が素敵だなって思ったのは、どこでだったろう。 自分より少し早く入部を済ませていた彼と、恐らく交わした言葉は両手で足りるほどだろう。 そもそも自分が喋らない分、彼が話しかけてくることがなければ会話など発生することもなく。 此処だけの話、彼のあの歯に衣着せぬ物言い…とまではいかないのだけど、パン、と突き放すような…そっけないような、彼の言葉が苦手で、近寄るのを若干避けている節がある。 訛りのある言葉も相俟って。その。 きっと悪い人じゃない。 映画好きに悪い人はいない。 そして多分、優しい人。 まさか入部したての時の己の横顔が、少し前の彼と似ているなんて思ってもみないけど。もしそれを知れる日が来るなら、わたしはちょっとだけ自分に自信が持てそうな気がする。**] (546) 2020/11/10(Tue) 18:58:25 |
【人】 2年 山田 舞─ 好きな俳優って誰?からの>>453 ─ 『コールドマウンテン』のニコールが好きで…美しくって あっ 最近だと彼女海外ドラマにも出てるんです 『ビッグ・リトル・ライズ』ってミステリーなんですけど メグ・ライアンは『ニューヨークの恋人』が好きでした ヒュー・ジャックマンも素敵なんです [想像した通り、この人は否定なんかしなかった。 そうだね、って同意してくれた上で、話を膨らませてくれる。 映画を語りたいなら一家に一人犬鳴崇って感じだ。…失礼。 台詞の引用とか、かっこいいなって思う。 自分もやってみたいけど、原文が出てこないから日本語になってしまう。 ちなみにいつかやってみたいのは、 「それ、誰の引用?ニーチェかい?」「いや、わたしよ」 みたいなやつです。 ダークナイト三部作を観ましょうとの提案には首がもげよとばかりに頷いて。 口々に自分の好きな俳優について語りだす先輩方をキラキラした目で追いかけた。 まだ観ていない作品名、良さを知らなかった俳優さんのお勧めポイントを耳にして、はやくTSUTAYAに走りたくて堪らなかった。]** (556) 2020/11/10(Tue) 19:21:46 |
【人】 2年 山田 舞― 食糧を求めて ― [菊波先輩の「腹ペコならいる」>>475という言葉に合わせて、またきゅるるるとお腹の虫が鳴いた。 恥ずかしさから咄嗟にがばっとお腹を抱え込む。 顔に血が集まる感覚にきゅ、と目を瞑れば、そんな様子などお構いなしに先輩は歩き始めてしまった。 意地悪な人だなあと、慌てて後に続く。 戻ってくる、というなら自分もそれでいい。 『バタフライエフェクト』でも観直そうかなとか考えていたところだし。] わたしも あの、 赤いきつねがたべたい ので [実家暮らしだと実はなかなか食べられないカップ麺。 母はしっかりお弁当まで作ってくれるタイプのひとだし、普段は間食とかもしないから、こういう誰かとの機会でもないと口にできないある種ごちそうなのだ。 部室を後にしてから、そう時を置かずして可哀想な府堂先輩>>463が帰ってきているとは露知らず。] (561) 2020/11/10(Tue) 19:40:19 |
【人】 2年 山田 舞─ Open your eyes ─>>489>>494 [小鳥遊先輩と犬鳴先輩のやり取りを見つめながら思う。 この人たちほんとにすごいなって。 (なお語彙力は家出したままその後姿を見たものはいない) 『バニラスカイ』で思い出すのは、母の 「この映画、つまらなかったね」という痛烈な一言だ。 確かに同じ感想をエンドロール中持ってしまっていたから、 耳にしたとき、あれ?わたし今口から洩れてた?って思っちゃった。 以来、トム・クルーズとニコラス・ケイジが出演している作品はあまり手に取らなくなった気がする。 B級映画を好む人がいるのも知っているし、駄作を見てこそ傑作の良さがわかるなんて言葉も聞くけど、人生で映画に割ける時間は限られているのだから、できるだけ良作に出会いたいと思ってしまうのだ。人間だもの。**] (566) 2020/11/10(Tue) 19:53:41 |
【人】 2年 山田 舞― 現在:食糧を求めて ― [遠くから名前を呼ぶ声がする。 視線をやればそこには、ぶんぶんと大きく手を振る無邪気な高藤ちゃんと小鳥遊先輩の姿。>>521 どうやら映画は観終わったらしい。 おててを繋いで歩いてくる様は姉妹のようで。 いいなぁ、ほほえましいなあ、と。昔の自分を重ねて懐かしむ。 そんな我々はいったいどう見えていたのか。>>535 肩に手を置き、何気に失礼なことを言っている小鳥遊先輩と菊波先輩を交互に見遣り、そして。 オロオロするしかできなかった。オロオロ。 そんな折、ぼそりと高藤ちゃんが発した言葉は>>544自分の耳にも届いて。 そうだよね、このままが菊波先輩だものね、と心の中で声援を送った。 小鳥遊先輩にももちろんその呟きは届いていたけど、 先輩、そのにっこりは何なんでしょうか…?>>548] (568) 2020/11/10(Tue) 20:09:14 |
【人】 2年 山田 舞[当の菊波先輩と言えば。 こちらの予定をさらさら〜っとゆるゆる〜っといつもの調子で話している。 さすが菊波先輩。動じない。>>549 挙句朗らかに笑っている。 これが1歳上の余裕なのだろうか。>>550 もちろん小鳥遊先輩だって菊波先輩が同期とわかったうえでの軽口なのだから、怒らせるようなへまも傷つけるようなことも言わないってことはわかってるのだけど。 自分は同期の胡桃塚くんにそんなこと言えない。言うところを想像すらできない。 と、いいなあそういう関係…って、途中からあこがれの眼差しで二人を見ていたので、美女と野獣うんぬんのくだりは聞いてませんでした。 ごめんなさい。]* (570) 2020/11/10(Tue) 20:16:38 |
2年 山田 舞は、メモを貼った。 (a64) 2020/11/10(Tue) 20:29:33 |
【人】 2年 山田 舞[そうこうしているうちに小鳥遊先輩が去っていき、残されたのは菊波先輩と高藤ちゃん、そして自分なわけだけども] (!) [なんて、なんて破壊力のある言葉だろう! こんなにも可愛い人がこんなにも可愛いことを行って去っていってしまう(遅いけど)。 これは、これは、菊波先輩…!] あのっ あのわたし、 買ってきましょうか! 先輩のぶん なにたべたいです!? [ここは追いかけるとこなのではないか!と。 男女ことなど何もわからぬなりに聞いてみたが、如何か。]* (582) 2020/11/10(Tue) 20:43:25 |
【人】 2年 山田 舞[別にうきうきしていたつもりはない。…ハズ。 だってあんなに可愛い女の子が、面と向かってかっこいいって、誉め言葉を、かっこいいって…あれ?そのままでいい、だったかな?ともかく、とっても緊張したろうし、ドキドキしたろうに(現にわたしがドキドキしているのです)面と向かって直接告げてくれたのですよ? 買い物なんてそんなの、エキストラ1の自分にお任せください! …と、ここまで口には出せないまま。 菊波先輩の言葉を、ひとつひとつ、ドキドキとうるさい心臓の音のせいで聞き漏らさぬよう、耳を傾ける。] つまり、先輩は 「いつもの日常」を 窮屈に…思ってるんですか? [言い終わり様、高藤ちゃんと反対方向に踏み出された一歩に、遅れてトトトと駆け出して。 はるか頭上の髭面を下から控えめに覗きこめば。]* (588) 2020/11/10(Tue) 21:18:48 |
2年 山田 舞は、メモを貼った。 (a68) 2020/11/10(Tue) 21:22:45 |
【人】 2年 山田 舞―買い物しながら― [どうせやりたくなったら勝手にやる、というのはいかにも菊波先輩らしい言動だと思う。>>592 何をです?と聞きたいとこだけどとりあえず後回し。 それから続く言葉を、何度も何度も頭のなかで繰り返して、分解して、噛み砕いて、想像して、結果] うううぅぅ? 菊波先輩は「日常」から動かない人を壊したい…? [という結論にたどり着いたわけです。が。 先輩が手に取るカップ焼きそばの大きさにギョ、と目を剥きつつ。籠の中に放り込まれた赤いきつねに、自然と足取りが軽くなる。] 誰かの、 日常を 変えたいんですか? [物色を続ける広い背中に。 先程の続きを問いかけて。]* (615) 2020/11/10(Tue) 22:30:27 |
【人】 2年 山田 舞― 閑話:頭 ― [それはいつのタイミングだったか。 本当に偶然に。 犬鳴先輩が女性の頭を撫でているところを目撃した。 幸い、顔は見られてなかったように思う。 最初、二人はお付き合いしてるのかなってソワッとしたけど、どうもそうじゃないらしくて。 じゃあ、そうじゃないなら、どうして頭を撫でるの?? と、ひどく混乱もした。 女性に気安く触れることと、犬鳴先輩のイメージがどうしても一致しなくて。それは、じゃあ、犬鳴先輩の片想いとかそういうやつなのかなってずっと観察してるけど、先輩の興味を引くのは映画のことばかりで。 映研のみんなは、撫でられたことあるのかな。 自分は撫でられたことないな。 自身の頭頂部に両手を乗せて。 すぐにぶんぶんと首をふって邪念を追い払った。**] (616) 2020/11/10(Tue) 22:40:56 |
【人】 2年 山田 舞― 買い物中 ― [なるほど…?思っていた以上にこの先輩、意地悪だぞ? と。 なんとなーく、その気だるげな雰囲気とか動物のお医者さん目指してるだとか大きな身体だとかで、ぼんやりしていた輪郭が見えてきた気がする。 ちなみに、かごに追加されたフルーツ飴とチョコのチョイスには、小躍りせざるを得ないわたしです。] (日常を、変えたがらない、ひと) [季節はうつろい行く。 それは誰にでも平等で、誰にも止められない。 あの面子のなかに、変化を拒む人間がどれだけいるだろう。 ――かくいう自分も、そのひとりなのだけど。] …わたしも ハッピーエンドがすきです [バッドのほうが、より芸術性があった、とか。ハッピーエンドにしたからあの作品は駄作になった、とか。映画評論ではよく聞く話。 だけど先輩の言うように、現実は厳しいから。 せめて物語のうえくらい、しあわせでいさせてよ、と。 レジを待つ先輩の後ろ、財布を胸の前に持ってキリリと並ぶ。 払います!の意。]* (624) 2020/11/10(Tue) 22:53:01 |
【人】 2年 山田 舞― 頭>>629 ― [実は見られてました、なんて過去はわたしの記憶にはないのだ。一切。わたしが認識していなければそれはなかったことなのです。事実でも。…事実でも。 ひとりだと完全に思い込んでいたわたしはひとりぶつぶつと考察する。何故、犬鳴崇は、女性の頭を撫でるのか。] …犬鳴先輩がよくご兄弟にされていたから… …頭髪フェチ… まって、シャンプーの匂いフェチかも… [迷探偵の推理は続く。 …思えば。頭を撫でられたのなんて、何年前だろう。 大好きな姉に、褒めてもらうたびにねだって。 いいこいいこってしてもらえると、くすぐったくて、嬉しくって。] …そっか! 犬鳴先輩はなでなでの気持ちよさを知ってるんだ! [ティンときた結論に思わず声が大きくなる。 はわわわわ、と慌てて身を縮こませたら、あたりをキョロキョロと伺―――]** (633) 2020/11/10(Tue) 23:15:58 |
【人】 2年 山田 舞[と、感心していたら、菊波先輩はこちらをチラと確認したのち、笑った。笑われた。 なんですか先輩!と、自分が高藤ちゃんくらいはきはきものが言えたら、きっと別会計にはならなかったのだろうな、と。 レジを通される赤いきつねとかごを持ってサッカー台に向かう菊波先輩の後ろ姿を交互に見遣った。] (オトナはズルい!)(先輩ズルい!) (いじわる!) [ひとつだけの買い物を両手に抱えて、ぷんぷんとレジを通りすぎれば、わたしが払うつもりでしたのにって言おうとしたのに] むうううう… [待っていてくれた優しさに、布越しの唸り声だけあげて、その後ろをついていった。]* (641) 2020/11/10(Tue) 23:31:51 |
【人】 2年 山田 舞― いつか/挙動不審のわたしと>>636 ― !?、?!?!!?!…!? [ひとは本当に混乱すると言葉を失うんですって。 知ってました?] イダセンパイ [漸く絞り出した声は、蚊も吃驚な程小さな音で。 おいでおいでの手招きに吸い寄せられた身体は、既にしおしおのパアだった。 だって完全に誰も居ないと思っていたのだもの! ぶつぶつ独り言言って完全にやばいひとだもの! 羞恥と混乱で思考が真っ白なところに、井田先輩の差し出したチョコレートを見たら、もう。もう。 とうとう恥ずかしさが天元突破した自分は] ううぅー [情けなくも泣き出してしまった。 これではまるで、「犬の字」になにかされてしまったようである。]* (647) 2020/11/10(Tue) 23:50:00 |
【人】 2年 山田 舞― 買い物>>642 ― もたせ… もたせてやらない…から… もたせてくれないんじゃないですか! [菊波先輩が言ったことを何度か反芻してから、結局当初の提案すら却下されていることに気づいて。 いつもより大きな声を出してしまったことに、はぐ、とすぐ口をつぐんだ。 高藤ちゃん、気を付けて。 このひととっても意地悪だよ。 と。心のなかで先程の後輩の姿を思い出しながら念じる。 追い討ちをかけるかのような言葉はもはや、子供扱い…いや、犬…?これは犬への号令…? 頭のなかをにたりと笑う菊波先輩のひとの悪い笑みと、犬と、赤いきつねが、ぐるぐると巡りながら、楽しい楽しい買い物道中は終わりを迎えた。]** (652) 2020/11/10(Tue) 23:59:38 |
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