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【人】 宮崎暁[ いつか、さよならを言い合う時 不幸だと何かを責め立てたりしないように それが思い出として残せるように 彼女ならそれが出来ると思ったんだ。 だから僕は、彼女を、利用してしまっている。 僕と一緒で、寂しい目をしている彼女が… こうして手を繋いでいないと消えてしまいそうで そんな彼女の儚さが、僕の目を引いたんだ。 ] (24) 2024/06/09(Sun) 3:09:00 |
【人】 宮崎暁[ 僕は絶対に周りには隠さない。 いつか僕の居なくなった世界で 幸阪の名前に傷がつかないように 転校が決まっていた僕に都合よく遊ばれた 可哀想な女の子じゃなくて 僕の転校に仕方なく巻き込まれただけだって。 こんなこと彼女には、絶対言えないけど。 ]* (25) 2024/06/09(Sun) 3:10:04 |
【人】 宮崎暁[ 烏が鳴き始める夕暮れ 僕は体育館へとやってくると ちょっと重い鉄の引き戸を開けた。 音の鳴る方へ 誰かが…いる方へ。 そうして、扉の向こうで 一人バスケに浸る姿に 勝手に自分の背を重ねてしまう。] (27) 2024/06/09(Sun) 3:15:50 |
【人】 宮崎暁あ、ううん、忘れ物とかじゃないんだ。 こんな時間に体育館に誰かいるの 珍しいなって思って。 図書室で勉強してたら音が聞こえたんだ。 [ 邪魔しちゃったかな、そりゃそうだよなぁと、 慌てた様子で手を振りながら 僕は体育館の中へ歩を進める。 ここにいるのがたまたまなんじゃなくて 始めっから居るのが分かってて来たんだって。 初めましての彼女に、僕は笑みながら尋ねたんだ。] (28) 2024/06/09(Sun) 3:16:24 |
【人】 宮崎暁[ 相手の名前もクラスも知らない 僕はまだ名前すら名乗っていない。 それなのに 開口一番に出た言葉は 君の世界に僕を入れてという 立場を弁えない勝手なお願いごとだった。 ] (30) 2024/06/09(Sun) 3:19:09 |
【人】 宮崎暁[ 好きでもない人と付き合うなんて普通じゃない。 普通でありたいと思っていなくとも 上手く学校生活を乗り切るためには 普通に擬態することも必要だ。 と言っても僕の幸阪への好感度は 決して低くない。>>33 それが恋愛的かどうかはともかく、 彼女のことを魅力的と思ってるのも本当だ。 ] そうなんだろうけどさぁ なんか嵌められた気分… 幸阪はテスト大丈夫そうなの? [ 僕とは対照的に幸阪は落ち着いている。 まさかこうなることも予想してたのかなって 疑ってしまいたくなるくらい。>>33 僕が考えすぎなのかもしれないから ついつい幸阪にそう尋ねてしまった。 ] (43) 2024/06/09(Sun) 20:32:55 |
【人】 宮崎暁[ 二人で手を繋ぐその姿も こうして他愛のない話で盛り上がる姿も 幸阪はこの学校誰よりも幸せなんだって 僕は周りに証明したかっただけ。 ] (44) 2024/06/09(Sun) 20:33:23 |
【人】 宮崎暁[ 教室に入ると手を離して、 僕は幸阪の予定を尋ねる。 流行りのお店も、デートスポットも いつだって調査は欠かさない。 幸阪を誘う理由作りは 常に五つはストックするようにしているんだ。 幸阪の予定があると事前に知った日以外は ほぼ毎日こうやって誘っていたはず。 僕はそれだけ幸阪との時間が欲しくて 幸阪にだけはわがままになっていたのだと思う。 ]* (46) 2024/06/09(Sun) 20:36:35 |
【人】 宮崎暁[ そう言って僕は上着を脱ぎ捨てて腕まくりすると 意気揚々とバスケットボールを手に取り 彼女の世界に一歩、足を踏み入れていった。 勝敗はどうだったかと言われれば… 僕がエアボールをやりまくって 悔しさで床を転げ回ったことはあったかも。 僕の渾身の 「うわぁぁぁ!!クソエイム!!」 聞けるのは僕が彼女に負けた時、だったかな。 (49) 2024/06/09(Sun) 20:55:08 |
【人】 宮崎暁うん、どういたしまして。 これ、は……ありがとう! 後で大切に食べるね! [ 幸阪にお礼を伝えたことだろう。 彼女との付き合いはただの思い出作り。 ]**シミュレーションゲームと同じだって。 頭の中では理解していても 彼女からの贈り物にはいつだって心が弾むんだ。 (62) 2024/06/10(Mon) 1:53:40 |
【人】 宮崎暁[ 意気揚々と臨んだバスケ勝負の結果は惨敗。>>55 最初こそお互い外して泥試合だったのに、 彼女は途中からだんだんフォーカスを合わせて、 僕は相変わらずのクソエイム。 最後の方はそれはもう悲惨な光景だった。>>56 ] ぐぅぅ…次はリベンジしてやる…>>57 [ 今でこその彼女と得意気に笑った顔も好きだけど 当時は悔しさの方が勝って しれっと再戦の機会を求めてしまって。 付き合ってくれるなら もう一度同じルールで勝負してもらったりして でもきっと負けるのは僕で。 なんにしても楽しい時間はあっという間。>>58 だけどそれだけじゃない。 どうしてかな、僕は君と一緒に 自販機に飲み物を買いに行こうとしながら。 ] (63) 2024/06/10(Mon) 2:00:22 |
【人】 宮崎暁大切に食べるよ。 だって幸阪が作ってくれたんだから。 [ 食後のデザートにしようかな それともおやつにしようかな。 考えているだけで楽しくなって。 僕は満足気な表情で、彼女と別れたんだ。 ] (75) 2024/06/10(Mon) 22:44:46 |
【人】 宮崎暁お待たせ幸阪。 あ、見てくれたんだ! メロンパンにも色んな種類あるみたいだよ! [ 関係の始まりが本来在るべき形とは違うせいで 幸阪が乗り気じゃないのに 無理をさせてしまうのではないかと。 そんな不安はいつとつきまとってくるから。 幸阪の何気ない仕草に心が救われることも 実はかなりあったりする。 すっかり顔なじみになったB組の女子から 「お姫様のお迎えかな?」って言われた時には 「そう!十二時になるまで、 やりたいことが沢山あるんだ!」って。 その女子が赤面するレベルの 青臭いセリフを吐いて、 幸阪の手を引いて教室を出ていったんだ。 ] (76) 2024/06/11(Tue) 23:42:36 |
【人】 宮崎暁[ 思い返してみれば 幸阪と付き合い始めてから 周りの色恋に巻き込まれることが減った。 思い切って聞いてみたら 「二人の仲に割って入ったら罰当たりそう。」って。 きっとこれは応援してくれてるんだよね? 新聞部が定期開催するアンケートの 校内で応援したいカップルランキングで 連続不動の一位を獲得したこともあるし。 僕達のことを皆が受け入れ始めた、証拠なのかも。] (77) 2024/06/11(Tue) 23:44:25 |
【人】 宮崎暁[ 学校を出ればもう自由な時間だ。 幸阪の手を引きながら 何気ない会話を重ねて。 なんの身になるか分からない この他愛のない会話の時間が 僕はたまらなく好きだった。 今日も僕は幸せだな、なんて。 噛み締めるように頬を緩ませていると、 幸阪が何かを見つけたみたいで、 指さしていた方を向いたのだけれど。 ] (78) 2024/06/11(Tue) 23:44:50 |
【人】 宮崎暁[ たどり着いたパン屋のイートインで ついつい買いすぎてしまったパンを並べて 僕は君との時間を堪能する。 彼女が選んだクリーム入りのメロンパン 美味しそうだなと思っていたら あーんとしてくれるみたいで 口を開けたら幸阪がそのまま自分で食べてしまい 僕の間抜け面が見られてしまったり。 こういう時、幸阪に振り回されることが多くて なんだかそれも楽しいからと こそばゆくなる僕がいたわけだけれど。 やっぱり彼女といる時間は 僕にとってはかけがえのないもので 一緒にいればいるほど その想いは強くなっていくばかりだ。 ] (88) 2024/06/13(Thu) 0:51:42 |